結論
CAC Holdingsは、国内の金融・製薬会社向け開発と、インドなど海外のIT運用を主力とするシステム会社である。筆者は現時価総額を割高と見る。既存顧客との長い取引と厚い有価証券は魅力だが、企業が人月で買ってきた開発・保守の仕事はAIエージェントに根本から置き換わりうる。
2025年の売上は約506億円と10年前からほぼ増えず、営業利益率も5%台にとどまった。純利益33億円の背後には多額の政策保有株式売却益があるため、毎年稼げる金額と同一視してはならない。製薬向けの売上縮小は、顧客基盤が長いことだけでは需要を守れない実例だ。
一方、2026年に子会社化したJEMSは、廃棄物の契約・許可・取引履歴を記録する基幹システムを持つ。高いサポート継続率と年単位の移行実績があり、単なる受託開発より長く残る価値がある。ただし買収金額は非公表で、優良事業を買ったことと、適正な値段で買ったことは別である。
10年後の中立像は、名目売上がほぼ維持されても受託工数の減少が利益を削る姿だ。現金と政策保有株の処分価値、配当も評価に入れたが、稼ぐ力に必要な安全域は十分とは言いにくい。AI化を自社商品の売上に転換したと数字で確かめられるまでは、将来の成功に先払いしたくない。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主が買いたいのは、価格を自分で決められ、利益を再投資するほど稼ぐ力が増す企業である。CACは顧客に不可欠なシステムを扱うが、現状では多くの収入が専門人材の時間に結び付いている。顧客にとって不可欠な仕事でも、提供方法がAIエージェントに変わると、従来の受注量が守られるとは限らない。
環境将軍のように、法令に対応した履歴データが集まり、移行に長い時間がかかる業務ソフトは異なる。こうした事業は顧客の作業画面が変わっても裏側の記録基盤として残りやすい。実際のサポート継続率が高いことも評価できる。しかし買収会社にいくら払ったか分からなければ、優れた事業でも株主にとって優れた投資だったかは判定できない。
オーナー利益を測る際には、毎年の営業利益から開発投資、人材確保、維持更新の負担を引く。CACでは資本支出が相対的に小さくても、技術者の教育と案件獲得が恒常的な再投資になる。さらに、将来のソフト開発工数が短くなると、空いた人材を成果報酬型の商売へ移せるかが、収益率を左右する。2026年の自動化実績は能力の証拠だが、利益率の持続的改善や顧客からの成果報酬獲得の証拠ではまだない。
政策保有株を売り、配当を増やしてきた経営は一定程度評価できる。それでも余剰資産は、少数株主がいつでも取り出せる現金とは違う。買収に投じた資金が資本コストを超えて戻り、JEMSのような事業が連結の中心へ育つなら再評価したい。現段階では堀のある部分に価値を払い、堀の弱い人月部分に将来の成長を高く払わないという態度が妥当である。
何で稼ぐ会社か
国内ITは金融機関の基幹系システム、製薬企業の業務システム、運用管理、人事関連BPOで稼ぐ。2025年の売上約373億円に対し、セグメント利益は約36億円だった。金融向け売上は178億円と大きいが、製薬向けは前年85億円から64億円に減った。個別顧客が内製化した時に、長年の取引だけでは工数を維持できない。
海外ITはインドのInspirisysやインドネシアなどを通じてシステム構築・運用・保守を請け負う。2025年の売上は約133億円、利益は約13億円で、現地の人件費と顧客の発注量が採算を左右する。インドには機器販売もあるため、すべてをソフト開発の人月とみなすのは厳密ではないが、労働集約的な部分が主要な利益源である。
製品・サービスでは、レコモットのmoconaviが端末にデータを残さず業務システムへ接続する仕組みを提供する。公表済みの導入は1,700社以上、34万ID以上であり、2025年には利用料金の改定も公表された。ただし連結製品売上は複数事業を含むため、moconaviの実収入や解約率をこの数字から逆算することはできない。
2026年のJEMS買収は構造を変え始めた。環境将軍Rは産業廃棄物の契約、許認可、配車、計量、マニフェスト関連データを一体で扱う。JEMS単体の買収前売上は約42億円で、連結2025年の数字には含まれない。将来の成長源として買収後の収入を加える一方、当初からCACの既存利益だったようには扱わない。
優良さと弱いところ
強みは企業の中枢業務に長く入り込んだ取引関係にある。金融機関のシステム更新や製薬業務の統制には、障害を出せないという顧客側の事情があり、取引先を短期間で入れ替えにくい。ただし、乗り換えにくいことと人月料金を値上げできることは違う。顧客がAIで内製する部分が増えれば、同じ取引関係の中で発注工数だけが減る。
本物の堀、つまり模倣しにくい防壁が明瞭なのはJEMSの記録基盤だ。環境将軍は導入1,300社超、サポート継続率98%以上を公表している。既存顧客の移行に約1年、別の事例では約2年を要した実績もあり、法定書類と取引履歴の移行負担は重い。これなら記録の正本として一定の値決め力が残りうるが、グループ全体ではまだ小さい。
反対に、moconaviには顧客数と製品の存在感こそあるものの、年間解約率や代理店を除く値上げ定着率の証拠が足りない。席を人が使う前提の画面は、AIエージェントによって迂回される恐れがある。2025年の連結営業利益率5.1%は、コスト削減の利益が本社費と人材投資に吸収されやすいことを示す。
財務は2025年末の純現金約90億円と厚い自己資本に支えられるが、2026年の大型買収では50億円の財務制限条項付き借入も加わった。買収額が非公表なのでJEMSの増分ROICが資本コストを上回るとは断言できない。今のROEは株式売却益を含むため、真の資本効率は今後の継続事業利益で測る必要がある。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内ITサービス市場は2025年に約7.57兆円、2030年に約10.25兆円へ拡大するというIDC Japanの予測がある。CACの国内IT売上を分子にすれば2025年の単純な売上シェアは約0.49%で、NTTデータ、富士通、日立製作所、NEC、TISなど大手の後方に位置する。ただしIDCの市場定義と各社の報告セグメントは一致しないので、競合個社の精密なシェアは算定できない。
従来の市場拡大予測をそのまま受託人月の増加に読み替えてはいけない。クラウド移行、老朽基幹系の刷新、規制対応は確かに続くが、必要なコードとテストをAIが生成すれば、案件の件数が増えても購入される工数は減りうる。CAC自身も2026年の資料で設計や保守の大幅自動化を掲げ、顧客への費用削減提案を進めている。これは競争力の機会であると同時に、従来の課金単位を壊す動きだ。
海外ではインドのTCS、Infosys、Wipro、HCLTechといった大手や現地運用会社が競合する。CACの海外事業は世界市場ではごく小さく、2025年売上をインドITサービス市場の公表規模に機械的に照らしても0.1%未満である。地域と製品の範囲が違うため正確な市場シェアではないが、規模で値段を主導する会社ではないことが分かる。
JEMSの環境将軍は廃棄物業務システム分野で業界トップクラスとされるが、市場全体の販売金額と競合別の同一定義シェアは確認できない。競争相手は業界向けパッケージ、個別開発会社、自治体・業界共通基盤であり、将来は許認可データの標準化も脅威になる。moconaviはモバイルアプリ管理で首位をうたうが、Microsoftや各種ゼロトラスト製品に管理機能が統合されると単価を守りにくい。
資本政策と M&A
資本政策には評価すべき規律と、確かめるべき買収リスクの両方がある。2022~2025年の計画は2025年売上580億円、調整後EBITDA55億円、ROE10%を目指したが、実績はそれぞれ約506億円、38億円、9%程度にとどまった。配当は増えており、2026年はDOE5%を維持する方針である。
2026~2030年のPhase2は、連結の2030年売上・営業利益・ROEについて固定した数値目標を置かず、目標を単年度で示す方式に変えた。個別には新規事業の2030年売上100億円・営業利益15億円を志向する。2030年までの現金配分は流入300億円以上を前提に、M&A130億円以上、AI20億円以上、新規事業30億円以上、人的資本30億円以上、株主還元90億円以上という計画だ。外部調達100億円以上と政策保有株売却約40億円も流入源に含む。
株式売却は実行され、2025年には投資有価証券売却益約49億円が生じた。政策保有株を減らし資本効率を改善するのはよいが、処分益は毎年の稼ぐ力ではない。CRO事業売却や複数の買収を通じて事業構成を変えてきた一方、JEMSの買値は非公表である。2026年に締結した50億円の借入には財務制限条項がある。また議決権20%以上の大規模買付に対応する買収防衛策を同年3月に更新しており、将来の買付提案が必ず株主に届くと期待すべきではない。
10年間の配当と買戻しは、好調なら利益から厚く戻し、中立では初期のDOE水準を保ちつつ利益低下時に調整する。赤字が続く筋書きではDOEの維持より企業存続を優先する。2026年の創業記念優待は一時的施策で、毎年の株主還元として積み増さない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
金融・製薬の顧客には長年使われる重要システムが多く、業務を理解した技術者は簡単に代替されない。AIによって開発や保守の工数を削れば、同じ顧客から成果を基準に報酬を得る新しい契約へ移行できる可能性がある。CACは社内の設計自動化や保守効率化を実験段階から広げており、単純な人月企業として固定的に扱うのは早計だ。
JEMS買収は、この転換を表す具体的な資産獲得である。廃棄物処理業の契約、許可、取引履歴は規制と日々の業務に密着しており、顧客は機能の模倣だけを理由に簡単には乗り換えない。長期の継続利用と年単位の移行実績から、契約の積み上げと料金改定による安定収益が期待できる。環境将軍を軸に自治体、資源循環、物流まで広げれば、大きな市場でなくても増分の投下資本利益率を高められる。
moconaviも多数のIDが実際に使われる製品であり、管理者向けのセキュリティ基盤と統合認証によって利用範囲を広げている。インドとインドネシアの事業は現地市場を持つため、日本の人口減少に完全には縛られない。DOE5%の配当姿勢、政策保有株の売却、買収余力を合わせれば、事業転換に多少時間がかかっても株主を支えられる。AIを使った生産性改善が十分に利益へ残れば、現在の規模を超える株主価値もありうる。
慎重な見方
最大の問題は、開発・運用という主力商売の数量そのものが減ることだ。AIエージェントは仕様作成、コード生成、テスト、監視、問い合わせ対応をつないで実行できる。人員不足だから単価が上がるという過去の構図は、顧客が買う人月数を減らし始めると成立しない。2025年の製薬向け売上減少は、技術者の確保だけでは守れない需要の一例である。
経営がAI効率化を進めるほど、今まで顧客に請求していた工数の削減を自社で証明してしまう可能性がある。受注を維持しても、成果報酬へ移す契約力がなければ顧客が効果を取り、CACには人件費や開発費だけが残る。インドでも安い技術者の供給ではなく、ソフトウェアをAIが作ること自体が競争相手となる。画面操作を前提とするmoconaviにも、統合セキュリティ製品やエージェントが価格を下げる圧力をかける。
JEMSは魅力的でも、2025年単独売上はグループの1割に満たない。未公表の買収額が高ければ、事業の高い継続率が株主の利益に結び付かない。過去の成長目標も未達であり、2026年の借入契約は財務面の自由度を減らした。さらに政策保有株の売却益は繰り返し生じる利益ではない。資産の処分代金を買収に回しても十分な収益が生まれなければ、会社の帳簿価額は厚く見えても株主が受け取る価値は細る。
どちらに重みを置いたか
記録基盤の価値と株主還元の実績は評価するが、主力売上の大半はまだAIが工数を減らせる商売である。強気側には自動化を成果報酬へ変える契約実績とJEMSの買収後ROICという未確認の前提が重なる。下側の確率を上側より11ポイント大きくするのは、2025年の製薬案件縮小、未達の中期計画、買収価格を開示しない資本配分という会社固有の不確実性があるためだ。中立ですでにAIによる数量減を織り込み、同じ理由でさらに資本コストや事業寿命を悪化させてはいない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 1,693 円297 億円(+ 還元の換算額還元の合計 710 円124 億円)。 今の値に割り戻すと 1,267 円222 億円、今との差 −35.4%、 期待の年率 +2.4%(資本コスト 8.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 3,930 円689 億円 | 1,142 円200 億円 | +158.5% | +11.7% | 406 円71 億円 |
| やや楽観 | 19% | 2,508 円439 億円 | 1,027 円180 億円 | +80.2% | +7.3% | 672 円118 億円 |
| 中立 | 35% | 1,517 円266 億円 | 913 円160 億円 | +23.9% | +2.7% | 851 円149 億円 |
| やや悲観 | 25% | 1,066 円187 億円 | 371 円65 億円 | −26.8% | −3.5% | 359 円63 億円 |
| 悲観 | 13% | 804 円141 億円 | 86 円15 億円 | −54.6% | −7.9% | 116 円20 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,693 円297 億円 | 710 円124 億円 | +22.5% | +2.4% | 2,403 円421 億円 |
今の株価時価総額 1,962 円344 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 成果報酬転換と規制製品の拡大 利益 48 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3,930 円689 億円
AIを使った設計・保守の自動化が進む一方、CACは顧客の業務全体に責任を持つ契約へ移る。人が投入する工数はなおわずかに減るが、顧客への成果を測り、単価を引き上げてその一部を自社利益に残せる。金融システムの高度化とインドの運用契約は安定し、既存の顧客関係が新しい価格制度を支える。
JEMSは環境将軍の基幹記録を軸に資源循環事業者を獲得し、導入社数相当が増える。許可証やマニフェストをめぐる法令対応が維持され、サポート継続率も高い。moconaviはゼロトラスト・認証管理に機能を広げ、エージェントと共存する管理基盤としてID数を維持する。過度の買収をせず、新たな利益の大半を既存株主に配れる。
国内と海外の工数商売が収縮しないだけでなく、セグメントの利益率が上がる点が肝である。現在開示済みのAI導入はコスト削減を示すが、成果報酬として稼げることはまだ証明していないため、この姿には低めの確率しか与えられない。
- 国内受託開発・運用・人事BPO:数量 1,572(年間課金相当技術者数(人、国内人員から推定))× 価格 0.25(課金相当技術者1人の年売上(億円、人月単価と稼働率・外注売上を含む))→ 売上 399 億円・営業利益 46 億円。国内受託工数97%、名目単価134%。成果報酬への転換が効く。
- 国内プロダクト・サービス(moconavi等):数量 340,000(moconavi公表導入ID数を基準とする製品利用ID相当数)× 価格 0.00(製品売上をID相当数で割った混合年売上(億円/ID、moconavi販売価格そのものではない))→ 売上 75 億円・営業利益 15 億円。画面の利用IDは維持、セキュリティ付加価値で価格15%上昇。
- 海外IT・運用保守(インド、インドネシア等):数量 2,576(海外IT就業人員を基にした年間請求人員相当数(人))× 価格 0.07(海外IT就業人員相当1人の年間売上(億円、機器販売込み))→ 売上 169 億円・営業利益 23 億円。工数95%を守り、現地サービスを高度化。
- JEMS環境将軍R(2026年買収):数量 1,650(JEMS環境将軍シリーズ累計導入社数を利用した稼働社数相当(社))× 価格 0.04(顧客1社相当の年売上(億円/社、受託カスタマイズ込み))→ 売上 70 億円・営業利益 14 億円。規制・記録基盤の導入社数1650、名目単価32%上昇。
倍率:2036年の事業ROEは純利益48億円÷自己資本482.3億円で約10%、余剰現金を分けた後はさらに高い。moat=normalなのでRONIC=k+0.5×(ROE−k)。ただし主力がAIエージェント代替の人月で、10年超の名目gは0%とするため、正当化PER=(1−0÷RONIC)÷(0.08−0)=12.5倍が上限。余剰現金60億円の利息相当0.84億円を純利益から控除し、戻り方0.75の45億円を足す。現在PERや同業倍率は使わない。
確率:既存受託を完全に伸ばすのではなく工数減を最小化し、成果報酬化とJEMSの顧客拡大を両立する必要がある。まだAI成果報酬の売上金額が示されていないため8%にとどめる。
やや楽観 19% 業務知識と製品化で損益を改善 利益 29 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,508 円439 億円
顧客のAI導入が一般化し、国内受託の仕事量は2割弱減る。しかし金融の基幹更新や製薬のデータ統制には専門的な責任が残り、CACは単価を物価程度に引き上げる。人員規模を管理し、品質保証と高付加価値な運用に絞ることで、受託事業の採算は改善する。
海外ITでも単純な保守要員の時間は減るが、インドの顧客向けサービス拡張と運用高度化で失った売上の一部を補う。moconaviは一部IDが減っても情報漏えい対策の機能追加で値段を保つ。JEMSは既存の記録と法令対応を核に中堅の廃棄物事業者へ広がり、買収による収益寄与が明瞭になる。
会社が掲げる投資計画は比較的うまく実行される。成果報酬ビジネスが主力になるほどの飛躍はないが、品質改善と適切な採用管理が利益率を引き上げる。株主還元はDOEを軸に継続する一方、追加買収には利益率と回収期間の規律が要る。
- 国内受託開発・運用・人事BPO:数量 1,313(年間課金相当技術者数(人、国内人員から推定))× 価格 0.25(課金相当技術者1人の年売上(億円、人月単価と稼働率・外注売上を含む))→ 売上 331 億円・営業利益 31 億円。国内受託の実質数量81%、単価33%増。
- 国内プロダクト・サービス(moconavi等):数量 319,600(moconavi公表導入ID数を基準とする製品利用ID相当数)× 価格 0.00(製品売上をID相当数で割った混合年売上(億円/ID、moconavi販売価格そのものではない))→ 売上 70 億円・営業利益 13 億円。ID94%、単価14%増。
- 海外IT・運用保守(インド、インドネシア等):数量 2,251(海外IT就業人員を基にした年間請求人員相当数(人))× 価格 0.06(海外IT就業人員相当1人の年間売上(億円、機器販売込み))→ 売上 145 億円・営業利益 17 億円。海外の工数相当83%、単価31%増。
- JEMS環境将軍R(2026年買収):数量 1,450(JEMS環境将軍シリーズ累計導入社数を利用した稼働社数相当(社))× 価格 0.04(顧客1社相当の年売上(億円/社、受託カスタマイズ込み))→ 売上 61 億円・営業利益 10 億円。導入社数1450相当、記録基盤の価格30%上昇。
倍率:純利益28.5億円、自己資本404.8億円の事業で、ROEの超過収益を新規再投資へ永続的に延ばさない。g_long=0%なのでRONICの変動にかかわらず正当化PERは1÷8%=12.5倍。現金利息相当0.84億円を控除した事業純利益に12.5倍を掛け、余剰現金60億円×0.75を加える。
確率:既存工数が減る前提でも、JEMSの成長と海外案件の付加価値向上で連結利益が改善できる余地がある。M&Aの再現性が未確認なので上方全体の一部とする。
中立 35% 人月が減り、記録基盤が一部を補う 利益 15 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,517 円266 億円
受託開発が消えるわけではないが、顧客が買う工数は着実に減る。国内では請求可能な人員相当が約3分の2となり、海外でも自動化と現地競争によって同程度の減少が起きる。名目単価は賃金や物価で上がるものの、その伸びだけでは数量の減少を補えない。金融機関の規制対応と複雑な旧システムは仕事として残るが、利益の大きな成長源にはならない。
国内製品ではmoconaviのID相当数が縮み、セキュリティ上の必要性が価格を一部支える。JEMSは累計導入社数をそのまま課金顧客と見なさず、継続利用する顧客に基づく保守的な数量に落ち着く。廃棄物の法令と取引履歴を一体で扱う基幹システムは残り、単価は物価よりわずかに弱く上昇する。
本社費用は人材・AI投資と物価上昇で増えるが、自社の業務自動化が一定程度相殺する。2025年の多額の株式売却益は繰り返さず、配当は序盤のDOE水準を重視し、利益低下に応じて柔軟に調整される。ROEは過去の水準を下回るため、稼ぎを維持する力に高い永続成長を見込まない。
- 国内受託開発・運用・人事BPO:数量 1,102(年間課金相当技術者数(人、国内人員から推定))× 価格 0.24(課金相当技術者1人の年売上(億円、人月単価と稼働率・外注売上を含む))→ 売上 269 億円・営業利益 22 億円。2025年比の実質工数68%、名目単価129%。AI代替はここに反映。
- 国内プロダクト・サービス(moconavi等):数量 278,800(moconavi公表導入ID数を基準とする製品利用ID相当数)× 価格 0.00(製品売上をID相当数で割った混合年売上(億円/ID、moconavi販売価格そのものではない))→ 売上 60 億円・営業利益 9 億円。ID82%、価格112%。専用画面の機能統合が進む。
- 海外IT・運用保守(インド、インドネシア等):数量 1,898(海外IT就業人員を基にした年間請求人員相当数(人))× 価格 0.06(海外IT就業人員相当1人の年間売上(億円、機器販売込み))→ 売上 117 億円・営業利益 11 億円。実質工数70%、価格126%。機器販売込みの売上代理変数。
- JEMS環境将軍R(2026年買収):数量 1,200(JEMS環境将軍シリーズ累計導入社数を利用した稼働社数相当(社))× 価格 0.04(顧客1社相当の年売上(億円/社、受託カスタマイズ込み))→ 売上 48 億円・営業利益 6 億円。稼働顧客1200社相当、価格125%。記録基盤の堀は維持。
倍率:2036年の全社ROEは純利益14.5億円÷自己資本354.8億円で約4.1%とk8%未満である。新規投資の超過価値は見込まず、g_long=0%を反映して正当化PERの上限1÷k=12.5倍そのものを使う。余剰現金60億円の税後運用益相当0.84億円を事業純利益から外し、現金の戻り方0.75を別に足す。なお2025年の証券売却益は未来の経常利益に入れない。
確率:CAC自身がAIによる開発・保守工数削減を進めている一方、JEMSや既存金融システムは残る。景気の一時的な谷でなく提供方法の長期変化を中心に据えた。
やや悲観 25% AIが顧客予算を縮め、買収の効果が限定的 利益 −13 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,066 円187 億円
企業はAIを使って内製できる業務を増やし、国内の受託工数は現在の55%まで減る。CACは顧客関係を保つが、値上げの力が弱いため人件費の上昇を十分には回収できない。インドでは機器販売の競争と運用の自動化が重なり、売上高と利益率の両方が悪化する。従来の金融・製薬案件も採算の悪い小口運用だけが残りやすい。
JEMSは解約が急増するわけではないが、導入社数の伸びと追加機能の販売が鈍い。moconaviでは統合セキュリティ製品への切り替えが進み、席数も単価も期待ほど残らない。買収後の開発費・のれん償却、本社管理費は売上減に比例して消えず、営業利益が赤字へ転じる。
会社はDOEによる配当を初期には続けるものの、途中から減配し、資産売却による再建を進める。企業が直ちに消滅するわけではなく、記録基盤と処分可能な金融資産が残る。だが過去の利益水準から株価を測れず、今ある資産から負債や処分損を引いた回収可能額の考え方が支配的になる。
- 国内受託開発・運用・人事BPO:数量 892(年間課金相当技術者数(人、国内人員から推定))× 価格 0.22(課金相当技術者1人の年売上(億円、人月単価と稼働率・外注売上を含む))→ 売上 194 億円・営業利益 9 億円。国内実質工数55%、価格115%。案件内製化が重なる。
- 国内プロダクト・サービス(moconavi等):数量 238,000(moconavi公表導入ID数を基準とする製品利用ID相当数)× 価格 0.00(製品売上をID相当数で割った混合年売上(億円/ID、moconavi販売価格そのものではない))→ 売上 49 億円・営業利益 5 億円。ID70%、価格106%。
- 海外IT・運用保守(インド、インドネシア等):数量 1,573(海外IT就業人員を基にした年間請求人員相当数(人))× 価格 0.06(海外IT就業人員相当1人の年間売上(億円、機器販売込み))→ 売上 88 億円・営業利益 4 億円。海外工数58%、価格114%。
- JEMS環境将軍R(2026年買収):数量 1,050(JEMS環境将軍シリーズ累計導入社数を利用した稼働社数相当(社))× 価格 0.04(顧客1社相当の年売上(億円/社、受託カスタマイズ込み))→ 売上 39 億円・営業利益 3 億円。導入社数1050相当、価格116%。
倍率:連結純利益が赤字でPERによる継続利益価値を正当化できないため、売れる資産と残るシステム基盤の価値から、今の自己資本352.3億円を分母とするPBR0.53倍を用いる。現在や過去の市場PBRは使わない。2026年の買収関連負債と処分可能資産を勘案した現在時点の保守的清算床は約135億円で、この時価総額は床を上回る。
確率:単価転嫁が弱いまま工数減が進み、製薬案件の縮小や海外子会社の利益率低下が広がる。中立でAIの平均的な代替は織り込み済みなので、追加の下振れはCACの顧客・採算構造に限定している。
悲観 13% 工数商売が崩れ、資産処分で存続を図る 利益 −31 億円 · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 804 円141 億円
AIエージェントが設計から保守までを引き受け、国内の受託工数は4割程度しか残らない。金融機関は重要な記録を維持するものの、開発作業は自社とAI基盤事業者で行う比率を高める。海外でも現地の大手IT企業と自動化されたシステムに顧客を奪われ、価格は物価分をほとんど転嫁できない。固定的な本社費と人材の再配置負担が収益を圧迫する。
moconaviは多くの利用IDを失い、残った顧客も統合製品との価格交渉を強める。環境将軍の既存データはすぐには消えないが、法令対応の標準化と安価な競合が拡大し、JEMSの新規顧客獲得が止まる。買収のれんや投資案件の損失が膨らみ、帳簿の自己資本も毀損する。
経営は配当を停止し、政策保有株や不要資産を売って借入返済に充てる。残された記録基盤の経済価値は認めるものの、赤字の受託事業に過去の利益倍率は適用できない。2025年末に存在した純現金と換金可能な有価証券から、その後の買収資金を賄う負債を差し引くと、防御的に認められる価値の範囲はかなり狭い。
- 国内受託開発・運用・人事BPO:数量 665(年間課金相当技術者数(人、国内人員から推定))× 価格 0.20(課金相当技術者1人の年売上(億円、人月単価と稼働率・外注売上を含む))→ 売上 132 億円・営業利益 1 億円。国内工数41%、価格105%。構造的な受注喪失。
- 国内プロダクト・サービス(moconavi等):数量 183,600(moconavi公表導入ID数を基準とする製品利用ID相当数)× 価格 0.00(製品売上をID相当数で割った混合年売上(億円/ID、moconavi販売価格そのものではない))→ 売上 35 億円・営業利益 1 億円。ID54%、価格横ばい。
- 海外IT・運用保守(インド、インドネシア等):数量 1,166(海外IT就業人員を基にした年間請求人員相当数(人))× 価格 0.05(海外IT就業人員相当1人の年間売上(億円、機器販売込み))→ 売上 60 億円・営業利益 0 億円。海外工数43%、価格105%。
- JEMS環境将軍R(2026年買収):数量 760(JEMS環境将軍シリーズ累計導入社数を利用した稼働社数相当(社))× 価格 0.03(顧客1社相当の年売上(億円/社、受託カスタマイズ込み))→ 売上 26 億円・営業利益 0 億円。導入相当760社、価格105%。規制基盤にも顧客減少。
倍率:営業赤字と純損失が長く続くので利益倍率を適用しない。2025年末純現金90.4億円に満期の近い有価証券30億円と上場株売却の税後約64.2億円を足し、2026年の買収借入50億円を控除した約135億円を保守的な資産回収床とする。のれん約48.5億円、顧客関連無形資産、換金不確実なVC持分は床に入れない。PBR0.40倍を現在の自己資本352.3億円へ掛けた時価総額140.92億円は床を上回る。
確率:国内・海外双方で半分程度の実質売上を失い、製品の課金も減る複合的な失敗。金融・許認可向けの顧客基盤と金融資産が残るため、倒産直前を標準とせず13%にとどめる。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
国内受託開発・運用・人事BPO
金融・製薬・製造の基幹系開発、運用、人事BPO。AIエージェント代替では人月・工数型。
| 数量年間課金相当技術者数(人、国内人員から推定) | 価格課金相当技術者1人の年売上(億円、人月単価と稼働率・外注売上を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,621 | 0.19 | 307 | 28 |
| 10 年後 中立 | 1,102 | 0.24 | 269 | 22 |
取り方:国内ITの公式売上372.8億円・人員1967人を使用。全社プロダクト&サービス売上89億円を国内売上比率73.7%で按分して国内製品65.6億円と推定し、残り307.2億円を受託・運用とした。人員も同じ売上構成比82.4%で推定し1967×0.824=1621人、平均売上307.2÷1621=約0.1895億円/人年とした。人数は請求可能な契約口数への換算値で、実際の正社員技術者数や契約人月単価の公表値ではない。AI中立2036年数量0.68倍、価格1.29倍とする。
国内プロダクト・サービス(moconavi等)
moconaviのモバイル管理・ゼロトラスト接続、その他グループのパッケージ・サービス。多くは席・画面型としてAI代替を評価。
| 数量moconavi公表導入ID数を基準とする製品利用ID相当数 | 価格製品売上をID相当数で割った混合年売上(億円/ID、moconavi販売価格そのものではない) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 340,000 | 0.00 | 66 | 8 |
| 10 年後 中立 | 278,800 | 0.00 | 60 | 9 |
取り方:公式の全社P&S売上89億円を国内売上比率73.7%で仮配分して65.6億円とした。moconavi公式の2025年9月実績は1700社・34万IDで、これを他製品込みの数量代理変数に使用。求めた年間約1.93万円/IDは別製品を含む混合単価で、moconaviの公表料金ではない。同社の2025年9月料金表はフル機能版年8640円/IDとテナント基本料年18万円を示す(https://lp.moconavi.jp/price-revision_op)。利益8.2億円は国内セグメント利益36.2億円を製品・受託に仮配分したもの。AI中立数量0.82倍、価格1.12倍。
海外IT・運用保守(インド、インドネシア等)
現地企業・欧米顧客向け運用、開発、保守、インドのIT機器販売を含む。詳細内訳が非開示のため工数型を主とする保守的な分類。
| 数量海外IT就業人員を基にした年間請求人員相当数(人) | 価格海外IT就業人員相当1人の年間売上(億円、機器販売込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2,712 | 0.05 | 133 | 13 |
| 10 年後 中立 | 1,898 | 0.06 | 117 | 11 |
取り方:2025年有報の海外IT就業人員2712名と公式セグメント売上133.1億円、利益13.4億円から売上÷就業人員とした。インドの機器売上も含まれ実際の人月単価ではない。機器販売と純粋な工数売上の内訳は確認できないため、AIが代替する工数を多めに数える保守的な分類。中立2036年実質工数0.70倍、名目単価1.26倍。
JEMS環境将軍R(2026年買収)
産業廃棄物処理の契約・許認可・配車・計量・管理票の記録の正本。継続サポート98%以上と年単位の移行事例の2つの堀の証拠がある部分のみ規制・記録型。
| 数量JEMS環境将軍シリーズ累計導入社数を利用した稼働社数相当(社) | 価格顧客1社相当の年売上(億円/社、受託カスタマイズ込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.0 | 0.03 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 1,200 | 0.04 | 48 | 6 |
取り方:JEMSは2026年2月取得なのでCACの2025年連結実績には0を計上する。比較用の価格はJEMSの買収前2025年9月期単独売上41.99億円÷環境将軍シリーズ累計導入1300社=約322万円/社年と推定した。1300は累計で稼働・課金顧客数ではなく、実際の保守単価とも違う。単独営業利益は4.26億円。中立の1200社は累計導入を更新後の顧客相当数に見直した保守的推定。JEMS公式サイトのサポート継続98%と2025年の顧客移行に約1年の事例が規制・記録型の根拠。移行事例:https://www.j-ems.jp/shogun/case/sincere と https://www.j-ems.jp/shogun/case/revibe。
リスクと懸念
AIエージェント代替と人月収入の縮小
プログラム設計から試験、定常監視、障害一次対応までAIが連続実行すると、顧客が購入する技術者の時間が減る。CAC自身も設計自動化や保守工数削減を掲げる。効率改善を成果報酬・ソフト利用料として回収できなければ、売上と粗利益が同時に減り、余った人材の再配置費用だけが残る。
製薬向け案件の縮小と顧客内製化
製薬向け売上は2024年の85億円から2025年64億円へ縮小した。特定顧客で業務の内製化や大型案件の収束が起きると、業界全体のIT予算が増えていても個別の受注が減る。製薬・金融の大口顧客に顧客理解が深いことは強みだが、継続率を契約額まで保証するものではない。
大型M&Aの価格と借入条項
JEMS単体は高い収益性を持つが、78.2%取得の買値が開示されておらず、投じた株主資本への利回りを測れない。2026年には50億円の財務制限条項付き借入が加わり、10年後の借換えや業績悪化で柔軟性が失われる。買収後ののれん・顧客関連無形資産の減損も不利な筋書きに入る。
有価証券売却益と現金価値の二重評価
2025年の純利益には約49億円の政策保有株式売却益が入る。この利益を永続利益として資本還元し、同時に残る政策保有株82億円の売却価値を全額足すと二重計算になる。配当収入と保有株評価、短期有価証券と純現金を分け、処分後の資金が買収に再投資される可能性も考えなければならない。
moconaviの画面・席課金への統合圧力
moconaviは2025年に料金を改定し、多数のID利用実績を持つ。ただしMicrosoftなどの統合セキュリティ製品やAIエージェントによって、人が専用画面へ接続する回数が減ればID単価と利用数が圧迫される。解約率・客単価・製品別利益の定量的な開示が乏しく、安定収益の堀として全社に一般化できない。
海外子会社の機器販売と為替・資本効率
海外売上にはインドでの機器販売と技術者による運用保守が混在し、増収しても利益率が必ず上がるわけではない。インドの現地企業や大手海外IT企業との価格競争に加え、ドル円150円を固定しても現地通貨の変動や外貨費用が残る。海外投資と人材コストが回収できない時は、国内の還元余力まで傷む。
JEMSの規制・記録の堀が縮む可能性
環境将軍の契約・許可・取引履歴は移行が難しいが、制度の標準化、電子マニフェストとの直接連携、安価な共通基盤によって価値が分散する可能性がある。導入1300社は累計であり、すべてが現在課金される顧客ではない。サポート継続率98%が維持できるかを確認しないまま高成長の永久化を前提にできない。
今後の分かれ目
- 2027~2029年に受託・保守の工数削減が30%以上進む一方、案件の成果報酬売上が伸びないなら
- 国内・海外の実質数量をさらに引き下げ、中立をやや悲観へ寄せる。AI導入で効率が上がったという発表だけでは売上を上方修正しない。
- JEMSのサポート継続率98%以上が維持され、営業利益と取得価額に対する利回りが開示されたら
- 記録の正本部分のgと利益率を見直す。開示された増分ROICが8%を十分上回り、取得のれんの回収が確認できれば堀の評価を上げる。
- moconaviが値上げ後もID数と実収単価を伸ばし、年間解約率5%未満を示したら
- 席課金の数量減を緩める余地がある。ただし規制・記録の正本への格上げには、低解約に加えて年単位の移行や独自データという別の証拠も必要である。
- 2030年までのM&A130億円以上に見合う営業利益の増分が表れなければ
- 買収資金の持ち戻りを下げ、借入と減損の影響を悲観側に入れる。会計上の売上増だけでは増分ROICが高い証拠にならない。
- 政策保有株式の縮減代金約40億円が配当・自社株買いに確実に回り、純株数が5%以上減れば
- 現金の株主への戻り方を0.75から1.0へ見直す余地がある。売却代金が新規買収に使われるなら還元としては加算しない。
- 製薬向け売上と海外ITの受注残が数期連続で減少すれば
- 人月単価の名目値上がりで数量減を相殺できないと判断し、やや悲観・悲観の確率を引き上げる。
- 2026年の50億円借入に付された財務制限条項への抵触や追加借入が生じたら
- 資産の売却可能額から新しい負債を控除し、悲観の床を下方修正する。継続企業の前提の正式な注記が付けば分析対象から除外する。
見ておくもの
- 国内ITの受注高・受注残と製薬向け売上の前年比
- 国内受託のAIによる設計工数・保守工数の削減率と実現した成果報酬売上
- 連結P&S売上89億円からの成長、moconaviのID数・解約率・値上げ後実収単価
- JEMSの課金顧客数、サポート継続率98%、営業利益、買収原価に対するROIC
- Phase2の新規事業2030年売上100億円・営業利益15億円の進捗
- 2030年までのM&A130億円超・還元90億円超の執行状況
- 政策保有株式の残高、実際の株主還元、純有利子負債と50億円借入の財務制限条項
- 有価証券売却益を除いた親会社株主利益と本社調整費の推移
倍率と資本コストの決め方
財務の起点は添付factsの株価2006円、自己株控除後1752万800株、純現金約90億円とした。国内と海外は有報の就業人員、製品は公表ID数、JEMSは累計導入社数から数量を組み、名目の価格に物価分を含めた。2036年の利益は人月減少・製品利用減少・JEMSの記録維持と本社費の増減から計算し、現在の株価や同業PERを逆算していない。資本コストは8%、長期gはAI代替を考慮して0%。したがって楽観から中立の事業PERは正当化式の上限12.5倍をそのまま使い、下方は稼ぐ力と売却可能資産で測った。保有株の価値とその受取配当、2025年の証券売却益を二重に評価しない。2027年4月以降に始まる年度の新リース基準適用でBS表示は変わるが、評価利益は現在と同じ賃借費用ベースで統一した。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。