結論
朝日ネットは、個人や法人の通信を毎月つなぎ続ける独立系のインターネット接続事業者である。10年後も必要な事業だが、現在の時価総額約149億円にはおおむね見合っており、積極的に割安と呼べる安全域は乏しい。事業の主役は光回線向けISP『ASAHIネット』で、IPv6通信を他の通信会社に卸す『v6 コネクト』が第二の柱に育っている。通信そのものはAIに置き換わらないが、高速化への設備投資を重ねながら、競争の厳しい料金をどこまで上げられるかが株主利益を決める。
守りの強さは実績に表れている。光接続の契約が増え、月次退会率は0.61%まで下がり、顧客満足度調査の総合首位も長く続く。2027年2月から予定する一部料金の引き上げは、収益力が回復するかを測る重要な試験になる。ただし価格改定はまだ実施前であり、既に値上げを通した実績と同じには扱えない。
気がかりなのは現金の質である。2026年3月期は売上が伸びても、基幹システムの更新費と会員獲得費で営業減益になった。投資が続くなら、帳簿上の純利益をそのまま自由に配れる現金とは呼べない。大学向け『manaba』にもAIエージェントによる画面・席課金の代替リスクがある。五つの将来像を合わせた現在価値は約156億円で時価総額との差は約プラス4~5%にとどまる。価格より、値上げ後の退会と投資後のキャッシュ創出を確かめたい。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の立場では、朝日ネットを『一度売ったら終わり』の会社とは見ない。通信契約から毎月収入が入り、顧客の引っ越しや解約があっても残りの契約が売上を支える。通信量の増大という社会の変化が、少なくとも10年は事業の必要性を保つ。ブランドの安心感、マンション一括契約、VNEの相互接続設備は、売り上げを守る小さな堀だ。
ただし、売上が繰り返されることと、株主が自由に使える現金が繰り返されることは別である。ソフトウエアやバックボーンの更新を先送りすれば通信品質が落ちる。2026年3月期はその更新が実際に営業利益と現金を圧迫した。設備を増やすほど売上が伸び、費用を引いた増分利益にも高い利回りが残るなら価値は大きい。逆に、仕入れ先と競合に挟まれて値上げが遅れれば、積み上がるのは資産簿価だけになる。
通信部門にはAIエージェントが代わりに作業をしても通信回線そのものを消せない強みがある。対照的にmanabaの教材配布や操作画面は置き換えられ得るが、全社売上の4%程度であり、その不安だけで会社全体を衰退企業と決めつけるのは誤りだ。経営陣には周辺の大きな買収より通信基盤の生産性向上と、余った資金の慎重な還元を求めたい。現時点の適正評価に大きな安全域を加えるには、値上げ後も顧客が残り、投資が一巡して現金が増えるという二つの確認が必要である。
何で稼ぐ会社か
同社の開示上はISP事業の単一セグメントだが、稼ぎ方は四つに分かれる。最大の『ASAHIネット』は光回線、モバイル回線などの接続契約から毎月料金を受け取る。2026年3月末の光接続は51.4万件、モバイルは4.6万件で、接続サービス売上は約97.9億円に達する。自社で全国の光ファイバーを敷くのではなく、NTT東西やKDDIなどのアクセス網を利用し、バックボーン、認証、サポートを自ら運用する。マンション全戸加入プランや法人の固定IP契約は、一度導入すると切り替えの調整に手間がかかる。
第二の『v6 コネクト』はIPv6のIPoE接続を他の通信会社に提供する卸売である。提携事業者は10社で、売上は約24.2億円。基本料金に加え、通信のピーク帯域に応じた従量料金を受け取るため、卸先の顧客数と動画などの利用量が収入を決める。NTTの接続点に設備を構え、障害対応と通信品質を請け負うネットワーク運用の商売だ。大手通信会社との価格交渉では、品質だけでなく原価を抑える技術力が必要になる。
『manaba』は大学の教材配布、課題、成績・学習履歴を管理する教育支援サービスである。契約76.1万ID、全学導入86校に対して年間約5.6億円を売り上げる。日本の大学生の約4人に1人が使う計算だが、全学導入校数は数年続けて減っている。席数と学校契約に収益が結び付くので、通信とは違ってAIが学生や教員の操作画面を飛ばす危険がある。残る約7.5億円はメール、セキュリティなどの付帯サービスであり、ISPの契約基盤に追加収入を重ねる性質が強い。
優良さと弱いところ
堀、つまり新規参入者が奪いにくい強みは、通信の運用実績と顧客の継続性にある。平均退会率0.61%は月次の指標で、年率0.61%ではない。それでも近年の改善傾向と、顧客満足度の12年連続受賞は、低価格だけで選ばれている会社ではない証拠になる。2026年9月末の光接続も前年より増えた。一方、回線自体はNTTなどから調達し、消費者は他社のプロバイダへ乗り換えられる。世界を独占するような堀とは異なる。
『v6 コネクト』には設備をNTT網に相互接続して運用する参入障壁がある。障害対応や帯域設計の仕組みは一朝一夕に移せないが、主要取引先がわずか10社で、取引先の集中が利益率を左右する。競合のJPIX、インターネットマルチフィード、BBIXなども接続品質を競う。したがって強い独占的な堀ではなく、複数の小さな切り替え費用を持つ普通の堀と評価する。
財務には借入金負担がほとんどなく、自己資本比率は9割前後である。ただし2026年3月期は設備投資約29.4億円に対し減価償却費は約12.7億円で、現金の流出が大きかった。2022年以降、通信とシステムに資本を投じても、営業利益は一方向に伸びていない。新たな資本1円からどれほど利益を増やせるかという増分収益率は、まだ明白に資本コストを超えていると断定できない。基幹更新が落ち着いた後に設備費用と利益率がどうなるかが本当の試金石である。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の光回線市場は既に成熟している。2026年3月末のFTTHは約4,168万契約で、成長率は年1%台まで鈍化した。朝日ネットの光接続51.4万件を単純に比べると約1.2%であり、主要ブランドのドコモ光、ソフトバンク光、auひかり、OCNなどに比べ小規模だ。これはISP契約と物理回線契約を比べた参考比率で、厳密な同一母集団の事業者シェアではない。今後は人口減少と世帯数の頭打ちを、光回線への移行、集合住宅一括契約、10Gbps・25Gbps対応がどこまで補えるかが焦点となる。
IPv6のIPoE接続は光市場より構造的な更新需要がある。業界団体の2026年3月末統計では、IPoE接続は約1,729万回線、NTTとの接続ポートは100Gbps換算で532基に達する。回線の伸びは緩やかでも、一回線が使う動画・ゲーム・遠隔作業の通信量は増えやすい。朝日ネットはネットワークの効率化で帯域当たり費用を抑えられれば卸収益を増やせる。ただし卸先回線数は非開示で、当社の確定シェアや競合別シェアは分からない。10社の提携先と開示売上から推定した数量を、確定値として扱わない。
大学向けLMSの市場は、大学約810校、在学者約297万人という国内の学生・学校数が母数になる。manabaの全学導入86校は学校数の約1割、76.1万IDは学生数の約4分の1に当たるが、高校等の範囲や併用を考えると粗い比較である。Moodle、Canvas、WebClass、GoogleやMicrosoftの教育機能が競争相手で、AIエージェントが教材検索・課題提出・分析画面を横断すると、ID課金には値下げ圧力がかかる。学習履歴を保有するだけで法的な記録の正本としての独占的地位を証明できるわけではない。
資本政策と M&A
株主還元の積み重ねには一定の規律がある。2026年3月期まで配当は段階的に増え、会社は現在、配当性向40~50%程度と累進配当を方針に掲げる。2024年3月期に約2億円、2025年3月期に約6億円、2026年3月期に約7億円の自己株取得も実施し、過去5年の株数は5%を超えて減った。大株主上位10人・社は自己株式を除く議決権ベースで約50%であり、65%以上の強い一体支配とは認めない。留保から生じる真の余剰現金があれば、株主への戻り方は1.0と評価できる。
経営方針の数字はROE10%以上である。独立した複数年の売上・利益目標を約束する中期経営計画は確認できず、2030年前後の売上目標も数字の約束なし。最新の単年度会社計画は2027年3月期の売上140億円、営業利益18億円、純利益13億円、設備投資25億円である。配当計画は年間約6.5億円、配当性向49.8%で、複数年のDOE、総還元性向、自社株取得金額の固定的な約束はない。添付の先行予想には営業利益20億円との記載もあるが、2026年5月の会社開示は18億円である。
重要な資本配分は買収より、IPv6網と契約管理システムへの再投資だ。かつて海外教育サービス事業を買い、2015年に子会社を売却した経験は、通信の本業から離れる資本配分の難しさを示す。2026年3月期は営業キャッシュフローより投資支出が大きく、配当と買い戻しを合わせると手元流動性は減った。TOBの公表・成立や上場廃止予定は確認されていないが、朝日新聞社などの株主が持分を保有するため、資本関係の変化は継続監視する。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
通信は新しいAIサービスや動画が増えても不要にならない。むしろデータが移動する場所は増え、光回線とIPv6接続への依存は続く。『ASAHIネット』の平均退会率は低下し、満足度の首位も長い。マンション一括導入は個々の入居者が勝手に他社へ変えにくいため、一般のISPより契約維持に強い。2027年の料金改定で解約が増えなければ、これまで慎重だった値上げを継続できると分かる。これは経費上昇を吸収するだけでなく、契約一件当たり利益を厚くする。
『v6 コネクト』は通信量に応じて料金を受け取る。2026年3月期まで提携先数が増えなくても売上が拡大したことは、一社の成長と通信量の増大を取り込める証拠だ。競争相手は限られ、NTT網との接続設備、夜間の監視、品質設計は新参者が短期間でそろえにくい。帯域当たり費用を引き下げれば卸売上の増加が営業利益に効く。
基幹システム更改は短期には減益要因だが、完了後は運用効率と顧客獲得の速度が改善する余地がある。manabaも大学の学習履歴を活かす機能開発が成功すれば、学校の解約を食い止められる。無借金に近い財務と配当・自己株取得の実績もあり、設備投資が正常化すれば、継続して配る利益と再投資を両立できる。事業の安定性に比べると株主価値は控えめに見積もられている可能性がある。
慎重な見方
安定した通信契約が、必ずしも安定した自由現金を生むわけではない。2026年3月期には設備投資が大きく増え、償却費と運用委託費、広告費が膨らんだ。2027年3月期第1四半期も減益が続いた。毎年の通信量は伸びても、設備の再投資と回線仕入れがそれ以上に増えれば、契約数の増加は利益を残さない。高い自己資本比率だけで価値を判断すると、こうした設備更新の義務を見落とす。
ISPは国内の光回線約4,168万契約のうち約1%の規模にすぎない。ドコモ光、ソフトバンク光、auひかりなどは接続サービスを携帯電話や映像とまとめて売れる。会社の2027年料金改定は一部コースに限られ、対象外の契約まで物価並みの値上げが続く証拠ではない。乗り換えの手間はあるが、値段と特典の差が広がれば顧客は動く。
VNEは取引先わずか10社で、卸先が自ら接続網を作ったり他の事業者へ移ったりする影響が大きい。帯域課金は伸びるが、増える通信量を支える費用も無視できない。manabaの全学導入校数は減り続け、大学がCanvasやMoodleへ移る際にはAIエージェントが業務画面の価値を薄める。基幹システムと教育ソフトの減損まで重なれば、帳簿上の自己資本の一部は回収できなくなる。TOBや大幅増配による価値の顕在化を当然視してはいけない。
どちらに重みを置いたか
通信契約の粘着力と無借金の財務には強みがあるが、2026年の更新投資増と営業減益は、オーナー利益の弱さを具体的に示した。上側の確率を33%、下側を37%、中立を30%とし、わずかに慎重な側へ寄せる。AIエージェント代替を通信全体へ広げるのではなく、manabaの数量と長期成長に反映したうえで、下振れは値上げ失敗と設備費高止まりで表現した。結果は適正圏であり、今の値段に大きな安全域を認めない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 853 円221 億円(+ 還元の換算額還元の合計 269 円70 億円)。 今の値に割り戻すと 625 円162 億円、今との差 +13.0%、 期待の年率 +8.6%(資本コスト 7.0%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 1,736 円451 億円 | 443 円115 億円 | +294.0% | +17.3% | 261 円68 億円 |
| やや楽観 | 21% | 1,217 円316 億円 | 347 円90 億円 | +182.8% | +12.8% | 328 円85 億円 |
| 中立 | 30% | 948 円246 億円 | 289 円75 億円 | +123.7% | +9.8% | 371 円96 億円 |
| やや悲観 | 25% | 356 円92 億円 | 189 円49 億円 | −1.6% | −0.2% | 136 円35 億円 |
| 悲観 | 12% | 126 円33 億円 | 73 円19 億円 | −63.9% | −11.3% | 24 円6 億円 |
| 加重平均 | 100% | 853 円221 億円 | 269 円70 億円 | +102.7% | +8.6% | 1,121 円291 億円 |
今の株価時価総額 553 円144 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 12% 接続品質を武器に卸シェア拡大 利益 28 億円 · PER 16.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,736 円451 億円
光接続市場が2036年にも約4,300万回線を保つなか、独立系の運用品質を求める法人やマンション向け契約を獲得する。FTTHの参考シェアは約1.5%へ広がり、モバイル等を含めたISP接続は69万件になる。2027年に予定する値上げで退会率がほとんど変わらず、その後も品質を根拠に収入を増やせる。通信はAI機器、遠隔監視、動画配信にも不可欠で、他のデジタルサービスの増加が追い風になる。
『v6 コネクト』は他VNEから回線を取り込み、卸対象回線数が推計165万件に増える。接続設備の効率化により通信量の伸びが利益の増加につながり、卸売上は約64億円まで育つ。『manaba』は機能改修が大学から評価されるが、AIによって画面を触る必要は減るため、楽観でもID数は今以下とする。
ネットワーク更新と基幹システム更改を終え、営業利益率は16%台まで回復する。設備投資の谷を越えて自己株買いも再開し、10年間の株主還元は115億円に達する。ただし買収で急成長するという説明ではなく、既存網の稼働率と顧客獲得の積み上げによる成果である。
- ISP『ASAHIネット』:数量 690,000(年度末近似の接続契約数(件。FTTH・モバイルなどの合算))× 価格 0.00(契約1件当たり年間平均売上(億円/契約年。異なるサービスを混ぜた加重平均))→ 売上 159 億円・営業利益 27 億円。ISP契約69万件、混合年単価2.30万円。料金改定と法人獲得が継続。
- VNE『v6 コネクト』:数量 1,650,000(VNE卸対象IPoE接続回線の推計数(件))× 価格 0.00(卸対象1回線当たり年間の基本料・従量料合計(億円/回線年))→ 売上 64 億円・営業利益 13 億円。卸対象推計165万回線。提携拡大と帯域原価の改善。
- 教育支援『manaba』:数量 745,000(大学等の契約ID数(ID))× 価格 0.00(契約ID当たり年間売上(億円/ID年))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。AI代替下の楽観でもIDは現在の98%以内、単価は現在の1.14倍。
- メール・セキュリティ等:数量 690,000(ISP接続基盤の契約数(件。付帯売上の配賦母数))× 価格 0.00(ISP契約1件当たりの年間付帯売上配賦額(億円/件年))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。ISP契約基盤に連動する付帯収入。
倍率:k7.0%、g_long2.2%、10年後ROE12.7%、通常の堀で残る割合1/2。RONIC=7.0%+(12.7%−7.0%)/2=約9.84%、正当化PER=(1−0.022/0.0984)/(0.07−0.022)=約16.17倍の上限。全社の余剰現金を別加算しない。
確率:光接続の増加と一部料金改定の成功に加え、卸先の実質回線数を倍増近くまで拡大する連続成功が必要。現状のVNE提携社数は頭打ちなので確率は12%に抑える。
やや楽観 21% 料金改定とIPv6卸が着実に実る 利益 20 億円 · PER 15.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,217 円316 億円
FTTH市場の回線数は大きく伸びないものの、物件一括契約や高品質な法人回線を巡る競争が続く。『ASAHIネット』は一部コースの値上げを大きな解約増なしに実施し、光接続の参考シェアを約1.4%まで広げる。主契約数は63.5万件となり、顧客単価も改定によって維持できる。
『v6 コネクト』は10社前後の提携事業者が取り扱う回線を伸ばし、卸対象の推計回線数は125万件に増える。大手VNEへの集中は続くが、帯域効率と速度の安定を優先する顧客に選ばれる。教育事業はMoodleやCanvasとの競争で一部導入校を失う一方、manabaの追加機能が既存大学をつなぎ留める。AIエージェントによる操作代替は進むため、契約ID数は今を下回る。
基幹更新による償却費は残るが、接続サービスの増収で費用を吸収する。2036年の営業利益は約28億円となり、過去に無理をした大型買収に頼らず増配と自社株取得を続ける。価値の伸びは顧客の粘着力と卸網の改善から生まれる。
- ISP『ASAHIネット』:数量 635,000(年度末近似の接続契約数(件。FTTH・モバイルなどの合算))× 価格 0.00(契約1件当たり年間平均売上(億円/契約年。異なるサービスを混ぜた加重平均))→ 売上 137 億円・営業利益 22 億円。主契約63.5万件、年混合単価2.16万円。
- VNE『v6 コネクト』:数量 1,250,000(VNE卸対象IPoE接続回線の推計数(件))× 価格 0.00(卸対象1回線当たり年間の基本料・従量料合計(億円/回線年))→ 売上 46 億円・営業利益 8 億円。卸回線125万件は非開示の推計。
- 教育支援『manaba』:数量 685,000(大学等の契約ID数(ID))× 価格 0.00(契約ID当たり年間売上(億円/ID年))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替を加味した数量0.90倍、単価1.13倍。
- メール・セキュリティ等:数量 635,000(ISP接続基盤の契約数(件。付帯売上の配賦母数))× 価格 0.00(ISP契約1件当たりの年間付帯売上配賦額(億円/件年))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。付帯サービスの利用単価を抑制的に見込む。
倍率:k7.0%、g2.2%、ROE9.8%、通常の堀でRONIC約8.4%。正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=約15.38倍で、現行相場の倍率からの調整を加えない。
確率:既存光接続の増加や卸先通信量の伸びは開示で確認できる。ただし料金転嫁と更新投資後の利益回復を両立する必要があるので21%とする。
中立 30% 光契約は小幅増、増収の大半は料金と卸通信量 利益 16 億円 · PER 14.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 948 円246 億円
国内FTTH市場は10年後も約4,200万契約で概ね横ばいとなる。『ASAHIネット』は引っ越しや乗り換えによる減少をマンション全戸加入と法人需要が補い、モバイルを含む主契約数は59万件になる。光接続の参考シェアは約1.3%にとどまり、独立系ISPが急に大手を逆転することはない。2027年の一部値上げは定着するが、全サービスでは大手との競争が激しく、混合単価の上昇は10年の物価上昇に届かない。
IPoE市場は約1,900万回線へ緩やかに拡大する。『v6 コネクト』の対象卸回線は推計105万件となり、売上は約37億円まで伸びるが、帯域増強や接続料も増える。manabaはAIエージェント代替と大学の再編が重なり、契約ID数は現在の約8割になる。価格は名目1割弱の上昇にとどまり、学校別の契約は持ち直さない。
基幹システム更新による償却が一巡しても、サーバ更新と広告費は続く。全社営業利益は約22億円、純利益は約16億円に増えるだけで、10年後のROEは約8%に低下する。株主還元は累計75億円とするが、現金創出の範囲内での配当を優先し、大きな買収益やTOBの上乗せは想定しない。
- ISP『ASAHIネット』:数量 590,000(年度末近似の接続契約数(件。FTTH・モバイルなどの合算))× 価格 0.00(契約1件当たり年間平均売上(億円/契約年。異なるサービスを混ぜた加重平均))→ 売上 127 億円・営業利益 18 億円。数量は1.05倍、価格は1.23倍で、CPI1.34倍より価格転嫁が弱い。
- VNE『v6 コネクト』:数量 1,050,000(VNE卸対象IPoE接続回線の推計数(件))× 価格 0.00(卸対象1回線当たり年間の基本料・従量料合計(億円/回線年))→ 売上 37 億円・営業利益 6 億円。卸回線1.31倍、平均単価1.16倍。帯域料金の単価低下と通信量増を相殺。
- 教育支援『manaba』:数量 609,000(大学等の契約ID数(ID))× 価格 0.00(契約ID当たり年間売上(億円/ID年))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替でID0.80倍、単価1.09倍。席課金型の中立範囲に収める。
- メール・セキュリティ等:数量 590,000(ISP接続基盤の契約数(件。付帯売上の配賦母数))× 価格 0.00(ISP契約1件当たりの年間付帯売上配賦額(億円/件年))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。主契約59万件への付帯配賦。価格転嫁はCPIに遅れる。
倍率:k7.0%、g_long2.2%。ROE15.69÷199.18=7.88%、普通の堀でRONIC7.44%。正当化PER=(1−0.022/0.0744)/(0.07−0.022)=14.67倍の上限を適用。
確率:国内FTTH市場の成熟、ISPの低い解約率、IPv6卸の実績を同時に反映した中心像。更新投資の影響がまだ残るため利益率の大幅改善は想定しない。
やや悲観 25% 値上げの失敗と更新費が利益を侵食 利益 6 億円 · PER 11.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 356 円92 億円
2027年の料金改定が契約維持に悪影響を及ぼし、大手が光と携帯電話のセット販売をさらに強める。『ASAHIネット』はマンション契約を守るものの法人の解約が増え、ISP主契約は49万件へ縮む。混合単価も物価上昇に大きく遅れ、光接続の参考シェアは1.1%程度となる。
『v6 コネクト』は既存卸先が一部の通信量を他のVNEへ移管する。提携先回線の増加が止まり、卸対象回線は80万件に戻る。動画などのトラフィック増を卸値の引き下げが相殺し、利益率は下がる。大学では生成AI機能を内蔵する海外LMSが浸透し、manabaは46万IDへ縮む。新機能を作る固定費が残り、教育サービスは赤字となる。
全社の売上は現在を下回り、営業利益は約8億円に落ちる。経営は増配を維持しようとするが、成長投資を絞って現金を守らざるを得ない。市場からの評価を過去の倍率に頼らず、低い継続収益と限定的な余剰資産で測ると、10年後の時価総額は現在を大きく下回る。
- ISP『ASAHIネット』:数量 490,000(年度末近似の接続契約数(件。FTTH・モバイルなどの合算))× 価格 0.00(契約1件当たり年間平均売上(億円/契約年。異なるサービスを混ぜた加重平均))→ 売上 93 億円・営業利益 8 億円。大手の値引き攻勢と解約増で顧客が13%減る。
- VNE『v6 コネクト』:数量 800,000(VNE卸対象IPoE接続回線の推計数(件))× 価格 0.00(卸対象1回線当たり年間の基本料・従量料合計(億円/回線年))→ 売上 22 億円・営業利益 2 億円。推定の卸回線数は現状並み、単価は低下。
- 教育支援『manaba』:数量 460,000(大学等の契約ID数(ID))× 価格 0.00(契約ID当たり年間売上(億円/ID年))→ 売上 3 億円・営業利益 −1 億円。IDは0.60倍、単価は概ね横ばい。大学の離脱が加速。
- メール・セキュリティ等:数量 490,000(ISP接続基盤の契約数(件。付帯売上の配賦母数))× 価格 0.00(ISP契約1件当たりの年間付帯売上配賦額(億円/件年))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。付帯契約の減少と保守費負担。
倍率:ROE約3.2%でk7%以下のため上限は1/k=14.29倍。長期の接続数減少と更新負担で稼ぎが先細るやや悲観ケースとして、営業利益と純利益に織り込んだうえ、継続する稼ぎを11.5倍(名目マイナス成長の有限に近い収益)で評価。純現金を追加して二重計算しない。
確率:大手の通信セット販売とNTT仕入れ価格、2026年以降の設備更新費の高止まりという具体的な下振れ要因がある。中立より弱い25%を割り当てる。
悲観 12% ISPの顧客流出と卸基盤喪失、教育ソフトの減損 利益 −2 億円 · PBR 0.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 126 円33 億円
大手通信会社による光接続の囲い込みが進み、『ASAHIネット』は契約の3分の1近くを失う。モバイルを含む主契約は37万件に縮み、値上げも通らなくなる。NTT網の運用コストは需要の減少ほど下がらず、通信事業の利益率は一桁に落ちる。競争が終わらないため、一度減った契約が自然に戻ることもない。
『v6 コネクト』では大口卸先が接続先を変更し、対象回線が推計45万件まで減る。接続設備の固定費が重くなり卸事業も赤字に転じる。manabaは大学のAIエージェントと海外LMSへの移行を止められず28万IDまで減少する。教育システムや古い通信機器は再販売価値が乏しく、累計で約48.5億円の固定資産・ソフトウエアの減損を想定する。
本業が赤字になれば従来の累進配当を維持できず、10年間の還元は前半期中心の19億円にとどまる。会社全体の時価総額は将来膨らむはずだった帳簿の自己資本では測らず、現在の自己資本と税後の換金可能資産を基準に見積もる。ネットワークの清算費用や負債を除く売却可能な資産が、株主に残る価値の下支えとなる。
- ISP『ASAHIネット』:数量 370,000(年度末近似の接続契約数(件。FTTH・モバイルなどの合算))× 価格 0.00(契約1件当たり年間平均売上(億円/契約年。異なるサービスを混ぜた加重平均))→ 売上 56 億円・営業利益 2 億円。顧客流出・値引きの定着で売上ほぼ半減。
- VNE『v6 コネクト』:数量 450,000(VNE卸対象IPoE接続回線の推計数(件))× 価格 0.00(卸対象1回線当たり年間の基本料・従量料合計(億円/回線年))→ 売上 9 億円・営業利益 0 億円。卸先が移管し設備の固定費が残る。
- 教育支援『manaba』:数量 280,000(大学等の契約ID数(ID))× 価格 0.00(契約ID当たり年間売上(億円/ID年))→ 売上 2 億円・営業利益 −1 億円。AIにより学校側の画面依存が減り、規模縮小でも固定費が残る。
- メール・セキュリティ等:数量 370,000(ISP接続基盤の契約数(件。付帯売上の配賦母数))× 価格 0.00(ISP契約1件当たりの年間付帯売上配賦額(億円/件年))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。付帯サービスから利益が出なくなる。
倍率:構造的な営業赤字でPERは使えない。床の0.25倍は2036年に増えた自己資本119.98億円へ掛けず、現在の自己資本131.08億円へ掛けて時価総額32.77億円とする。今の現金24.74億円、短期有価証券5億円、上場有価証券税後約3.4億円、売掛金の回収見込み約10.8億円から、負債14.06億円と撤退費用約4億円を引いた税後換金可能価値約26億円を下回らない。過去の市場PBRは使わない。
確率:光回線のセット販売競争、卸取引先の離反、教育LMSのAI置換が同時に進む構造的敗北であり頻度は低いが、今ある更新投資の重さから無視できない12%とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ISP『ASAHIネット』
個人・法人のFTTH、モバイル、残存のその他接続を合わせた月額課金事業。
| 数量年度末近似の接続契約数(件。FTTH・モバイルなどの合算) | 価格契約1件当たり年間平均売上(億円/契約年。異なるサービスを混ぜた加重平均) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 562,000 | 0.00 | 98 | 16 |
| 10 年後 中立 | 590,000 | 0.00 | 127 | 18 |
取り方:[資料1] FTTH514千件、モバイル46千件、ADSLなど約2千件を合わせて562千件。開示されたISP売上9,786百万円÷562千件で年約17,413円、月約1,451円の混合単価を推定。FTTH単独の接続料ではなく光コラボの回線料等も混在する。事業別営業利益は非開示のため原価・共通費の推計配賦前の15.5億円は分析上の仮定。2026年9月のFTTH519千件・モバイル48千件は足元の検証値。
VNE『v6 コネクト』
通信会社にIPv6 IPoE接続を卸し、基本料と接続回線の通信量に応じた料金を受け取る。
| 数量VNE卸対象IPoE接続回線の推計数(件) | 価格卸対象1回線当たり年間の基本料・従量料合計(億円/回線年) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 800,000 | 0.00 | 24 | 3 |
| 10 年後 中立 | 1,050,000 | 0.00 | 37 | 6 |
取り方:[資料1][資料3] 売上2,415百万円と提携先10社のみ開示。卸先の回線数と95パーセンタイル帯域は非開示のため、1提携先平均8万回線、計80万回線と仮定し年平均約3,019円/回線へ割り戻した。IPoE協議会の市場約1,729万回線の4.6%に当たるが会社の実シェアではない。実際の料金は基本料とピーク帯域課金であり、平均単価はトラフィック変動を含む近似。推計誤差が大きく、営業利益3.0億円も分析上の仮定。
教育支援『manaba』
大学・短大向けLMSで、教職員・学生の契約IDに応じてサービス料金を得る。
| 数量大学等の契約ID数(ID) | 価格契約ID当たり年間売上(億円/ID年) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 761,000 | 0.00 | 6 | 0 |
| 10 年後 中立 | 609,000 | 0.00 | 5 | 0 |
取り方:[資料1] 売上560百万円、761千ID、全学導入86校。560百万円÷761千ID=年約736円/ID。これは学校別基本料金・オプションを含む平均実現額で公開料金表ではない。損益は単一セグメントのため営業利益0.4億円は推定。AIエージェント代替では『席課金の業務SaaS・操作画面中心』に分類。全学導入が数年減少し、解約率5%未満や年単位の法的移行義務等の堀の証拠が二つ揃わず、『記録の正本』型にしない。
メール・セキュリティ等
ISP契約に関連するメール・セキュリティなどの有料付帯機能。
| 数量ISP接続基盤の契約数(件。付帯売上の配賦母数) | 価格ISP契約1件当たりの年間付帯売上配賦額(億円/件年) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 562,000 | 0.00 | 8 | 1 |
| 10 年後 中立 | 590,000 | 0.00 | 9 | 1 |
取り方:[資料1] 開示の『その他』754百万円をISP契約562千件に配賦して年約1,342円/主契約と推計。有料オプションの実契約数や単価は未公表であり、全員が料金を払う意味ではない。営業利益1.0億円は推定。現在の4事業営業利益の合計19.9億円から本社共通費推計2.0億円を控除し、全社の営業利益17.9億円に整合させる。
リスクと懸念
設備投資と減価償却がオーナー利益を圧迫
2026年3月期の設備投資は約29億円、減価償却は約13億円だった。基幹システムと通信設備を更新しても、それ以上の新たな売上・利益が生まれなければ、利益剰余金は増えても自由に配れる現金は減る。2027年も25億円の投資計画があり、投資後の稼働と現金回収を確認する必要がある。
料金改定後の解約と仕入価格
2027年2月に予定する一部ISPコースの値上げは、マンション向けの税込月額料金を770円から990円へ改めるものを含む。ただし対象外のコースは多く、改定で契約者が離れれば単価上昇は相殺される。光アクセス網の仕入先であるNTT東西やKDDIの価格変更を、販売価格に同じ速度で転嫁できるかが利益の分かれ目だ。
VNE卸売の顧客集中と価格競争
『v6 コネクト』の提携先は10社で、売上の詳細な顧客構成や回線数は開示されていない。大口先がJPIX、インターネットマルチフィード、BBIXなどに卸網を切り替えたり、自前で相互接続したりすれば、回線数と設備稼働率が同時に落ちる。帯域課金の売上増加を設備費や卸値下げが上回る可能性もある。
AIエージェント代替と大学向けSaaS
manabaは席課金と教員・学生の操作画面に価値がある教育ソフトに当たり、AIエージェント代替を直接受ける。大学の全学導入校は2022年の101校から2026年に86校、2026年6月に79校へ減った。LMSの記録保存需要が残っても、授業配布や検索をエージェントが行えば課金IDと単価が縮み、開発費の回収が難しくなる。
大手通信会社によるセット販売と規制変更
ISPの顧客数はドコモ光、ソフトバンク光、auひかりなどの販促に左右される。携帯とのセット割やキャッシュバックで独立系の訴求力が弱まる可能性がある。NTT東西の接続約款、光コラボの仕入条件、通信の相互接続ルールが変われば、同社が直接制御できない単価・費用が変わる。
資本政策と金融資産の扱い
大株主には朝日新聞社や外部投資家がいるが、TOBの発表は確認されていない。流動資産の現金と有価証券があっても、2026~2027年のシステム更改や配当に先に使われる。自己株取得を今後も約束したわけではないため、余剰現金の将来の還元を二重に時価総額へ足さない。上場株式の含み益や回収困難なソフトウエアの価値も区別する。
今後の分かれ目
- 2027年2月の料金改定後、12か月の平均月次退会率が0.7%以下で、ISP契約と契約当たり売上がともに増えたら
- 価格決定力の実績としてISPの中立単価と利益率を上方修正する。ただし対象コースが限定されるため、全契約への単純外挿はしない。
- FTTH接続が60万件を超え、国内市場が約4,200万件近辺でも参考シェアを伸ばし続けたら
- 法人やマンションの獲得競争力が予想より強いと判断し、ISP数量をやや楽観側へ見直す。
- 『v6 コネクト』の取扱回線数または帯域が開示され、増加率が卸売上と整合し、営業費用率も下がったら
- 不明だった卸回線数推計を実数で更新し、増分ROICが改善したと確認できれば上側の確率を増やす。
- manabaの全学導入校が75校を割り、契約ID数が70万を下回ったら
- AI代替と競合移行が速いとみて、manaba中立の数量を0.8倍より引き下げ、回復投資の回収可能性を再評価する。
- 基幹更新後も設備投資が年間20億円を超え続け、営業CFから投資を引いた額が配当額を3期連続で下回ったら
- 累進配当・自己株買いの持続性と、超過資本の株主への戻りを下げる。中立の営業利益率も慎重側へ変更する。
- 大手へのVNE卸契約の解除、長期障害、またはNTT接続約款の不利な変更が判明したら
- 通信卸の数量・原価の仮定を下げ、やや悲観と悲観の確率を引き上げる。TOBなど実際の資本取引が公表された場合は通常の価値評価を止めて条件を確認する。
見ておくもの
- 毎月公表されるASAHIネットのFTTH・モバイル接続契約数と2027年値上げ前後の月次退会率
- ISPの契約1件当たり売上と料金改定対象契約の構成比
- 『v6 コネクト』の売上、提携先10社の増減、卸先回線・ピーク帯域の開示有無
- manabaの全学導入校数、契約ID数、機能開発後の継続率
- 営業CF、設備投資、減価償却、フリーCF、資本支出後の配当・自己株買い余力
- 総務省FTTH契約総数、IPoE協議会のIPoE総回線・接続ポート数、NTT光コラボ施策
倍率と資本コストの決め方
出発点は添付factsの2026年3月期売上135.2億円・営業利益17.9億円・純利益12.9億円、自己資本131.1億円、期末時点の発行済3200万株から最新自己株603万5002株を除く2596万4998株である。現在の約149.30億円という時価総額は最後の比較にだけ使用した。事業別売上の実績は会社の開示どおり、数量はISPの実契約、manabaのID、VNEの非開示回線の明示的推計で積む。現金・流動有価証券約29.7億円は来期までの25億円の設備投資と月次回線仕入・配当の流動性に備えるため、遊休現金として純利益のPERへ加算しない。
資本コスト7.0%と名目長期成長2.2%を先に決め、楽観~中立はROEから導いた正当化PERの上限そのものを使う。短期の成長率や現行・過去・同業のPERで末期の倍率を決めていない。悲観のPBR0.25は現在の自己資本131.08億円にだけ適用し、減損後の2036年自己資本には掛けない。清算可能価値約26億円も上回る。2027年以降の新リース基準で貸借対照表に資産と負債が両建てされても、家賃を営業費用に含める現在と同じ形で営業利益を比較する。
資本コスト 7.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%、株式リスクプレミアム4.5%を足した7.5%から、利益変動の小ささだけ0.5ポイントを差し引いた。