結論
セラクは企業向けITインフラの構築・運用と、Salesforceなどの業務システムの活用支援で稼ぐ技術者集団である。筆者の結論は「適正」であり、純現金が価値を支えるものの、人の作業時間に課金する主力事業の10年後には十分な安全域がない。2026年8月期は売上高255億円、営業利益29億円、純利益19億円に達した。営業利益率は1割を超え、現預金86億円ほどを持つ一方、有利子負債はほぼない。
最大の争点は、今の顧客需要が続くことと、同じ人数に仕事が残ることは別だという点にある。クラウド移行や基幹システムの刷新は続くが、生成AIが設計、テスト、監視、問い合わせ対応を引き受ければ、受託工数が増えなくても顧客の目的は達成される。会社自身も中期経営計画で運用・保守の自動化や顧客の内製化による取引縮小を課題に挙げた。AI人材や自動化を売る側に回る努力は評価するが、既存の人月売上を補うだけのAI固有の売上額はまだ確認できない。
10年後の中立では、人月換算の仕事量を縮めながら、専門性による単価の改善で一部を埋める。自己資本は利益の留保で厚くなるが、稼ぐ力がそれ以上に伸びるとは考えない。強い筋書きでは高付加価値化が進む一方、弱い筋書きでは受託の規模が半分以下となる。それでも蓄積した現金と一定の株主還元が下支えになるため、確率加重の現在価値は約191億円、起点の時価総額約196億円より約3%低いにとどまる。良い会社であることと、長く持つ値段に余裕があることを分けて考えたい。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の見方で問いたいのは、会社が10年後にも顧客の不可欠な仕事を独自の条件で請け負えるかである。セラクには人を採用し、教育し、必要な現場に配置する力がある。業務を熟知した技術者が現場からいなくなれば困る顧客も多い。しかし、顧客のシステムそのものや正規データを所有していない以上、その困りごとは永続的な値決め力を意味しない。人の手でしていた監視や設定変更をAIが代われば、信頼関係を保ったまま契約額だけ減らされることが起こりうる。
利益と現金の質は対照的である。2026年度の純利益は約19億円で、営業活動による現金創出も同規模だった。装置を大量に更新する会社ではなく、利益のかなりの部分が本来は株主のものとなる。ただし、新たな売上を獲得するには採用費、教育費、営業管理者、案件責任者への投資が要る。過去の高ROEを理由に、次の10年も同じ利益率で拡大すると考えるのは危うい。
金融資産が厚いことは、この銘柄を普通の人月会社と区別する要素である。現金を事業に必要な分と余る分に分け、後者を利益の倍率とは別に数えるべきだ。経営陣には、買収の値段と自社株買いの価格を厳しく選び、余剰現金を株主に移す責任がある。私は事業の質を否定しないが、AI事業という名前だけで独占的なソフト会社として値付けすることもしない。判断は、現金の裏付けと長期利益の縮みを両方数えた後の安全域で決めたい。
何で稼ぐ会社か
稼ぎ頭はデジタルインテグレーション事業であり、2026年8月期の外部売上は約246億円、連結売上の96%を占める。そのうちSI領域は約169億円で、企業のクラウド基盤構築、ネットワーク・サーバー運用、アプリケーション開発、セキュリティ対応を請け負う。顧客は大企業とそのシステム子会社であり、技術者を常駐・準委任で配置する仕事も、作業を一括して請け負う仕事もある。24時間365日の監視を含むため継続性はあるが、顧客が払う対価のかなりの部分は人と工程に結び付いている。
DX領域は約77億円を売り上げ、Salesforceや人事給与システムCOMPANYの導入後の定着・活用支援が中心である。顧客にとって業務知識の蓄積や設定変更の引き継ぎには手間がかかる。ただし製品の著作権や課金基盤の正本をセラクが保有するわけではないため、導入後の仕事を独占できない。2027年度からAI事業という区分が新設されるが、従来のDXや農業関連を組み替える部分もあり、名称の新しさを新規の売上と取り違えてはいけない。
「みどりクラウド」は農業ハウスの環境監視とJA向け「らくらく出荷」などの現場業務を支える。売上は約2.4億円で、当期は約1億円の営業赤字だった。温湿度などの実測値は現場で生成されるため、人の文章生成だけでは消えない価値がある一方、競合の農業管理ソフトやデータ基盤とも比較される。機械設計エンジニアリングは外部売上約6.6億円で、設計人材による製造業支援を行う。グループ内取引を含む同部門の報告売上とは区別している。
優良さと弱いところ
最も評価できるのは、採用・育成から外部パートナーの配置までを一体で管理し、顧客の求める技術者を供給できる実行力である。2026年8月期の開示では技術者数の指標が約3,295人、登録パートナー企業は2,600社を超えた。SalesforceやCOMPANYの設定知識、運用現場のノウハウが積み重なるため、案件の途中で担当企業を替えることには顧客側の負担もある。請負・準委任の構成比を高めていることは、単なる常駐派遣からの前進だ。
ただし、これらは強い独占権ではない。富士通や日立のように基幹システム全体を支配するわけでも、顧客データの正本を保有するわけでもない。公開資料からは年5%未満の解約率、法改正に伴う継続的な値上げ、業界共同利用基盤としての排他性といった強い堀の証拠を二つ以上確認できない。AIエージェントが画面操作と監視を直接担う場合、長年の運用経験が顧客の内製化を助けるという逆風にもなる。
資本効率の実績は確かで、過去10年のROE中央値は約18%、2026年度の自己資本は約101億円まで増えた。2017年度以降の純利益の増分約15億円を自己資本の増分約80億円と比べると、粗い増分利益率は約19%である。ただし、これは厳密な投下資本利益率ではなく、現金の蓄積も含む数字だ。今後は事業への新規投資が資本コストを超えるか、余る現金を買収で浪費せず株主に戻せるかを別々に見る必要がある。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内ITサービス市場は大きく、企業のクラウド移行、古い基幹システムの刷新、情報セキュリティ対策が需要を支える。IDC Japanによる2024年の市場規模は約7.02兆円で、2029年は約9.66兆円という見通しだった。2025年を約7.5兆円とすると、セラクのSIとDXの合計売上は市場の約0.33%にすぎない。独自に開示されたSI・DX別の市場分母がないため、それぞれのシェアは市場全体に対する約0.23%と約0.10%という参考値である。
競合は富士通、日立製作所、NEC、NTTデータ、IBM、アクセンチュア、SCSKなどであり、DXの導入支援ではテラスカイ等とも競う。IDC準拠の2024年国内売上では富士通が約1兆4,225億円で市場の約20%、日立・NEC・NTTデータもそれぞれ約17%に当たる。規模の差は大きい。技術者派遣・機械設計ではテクノプロやメイテック、オープンアップグループも比較対象となり、セラクの外部売上は関連する技術者サービス市場のごく小さな部分にとどまる。
需要拡大をそのまま人月売上の成長に読み替えるのは危うい。企業はAIの利用料を増やしても、従来の運用・試験・開発に使う人数は削りうる。会社の中期計画自身が、AIによる運用・保守の自動化と顧客SIerの内製化を事業環境の変化として示した。中立ではSIの実質工数を10年で0.68倍、DX支援を0.72倍とし、価格の上昇だけでその減少を完全には埋められないとみる。
スマート農業の国内市場は矢野経済研究所による2025年度見込み約455億円で、2031年度に約969億円へ拡大する予測である。みどりクラウドの当期売上がこの広い市場に占める割合は約0.53%だが、調査には自動操舵やドローン関連サービスも含まれるため、農業クラウド製品の厳密なシェアではない。クボタ、ヤンマー、オプティム、アグリノートなどの競合と比べ、セラクの顧客数・解約率は十分に開示されていない。市場が成長してもセラクがその取り分を増やせる証拠はまだ弱い。
資本政策と M&A
2026年10月公表の中期経営計画は、2029年8月期の売上高330億円、営業利益45億円、技術者数約3,956人を掲げる。2027年8月期の会社計画は売上283億円、営業利益30.1億円である。AIと高付加価値案件への転換を急ぐ計画だが、2036年まで同じ成長率が続くという約束ではない。ROEの数値目標は確認できなかった。
還元については総還元性向33%以上、配当性向15%を目安とする具体的な数字の約束がある。2026年度には配当総額約2.3億円と自己株式取得約4.5億円を実行し、現金を内部にためるだけではない姿勢を見せた。発行済株式から自己株式を引いた株数も過去数年で減っており、余剰現金が株主に戻る見込みを高く評価できる。新中計では3年間で25〜29億円規模の成長関連投資を想定し、M&A枠も約5億円を見込む。
資本配分の難所は、採用・研修と高付加価値化に支出しても、AIで請求可能な人月が減ることである。過去の子会社取得やグループ再編が顧客基盤を広げた一方、今後の買収で高いのれんや維持できない人月売上を買えば、現金の防御力を失う。成長投資の成果が不確実になれば、株主還元を先に増やし、無理に規模を追わない経営が求められる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
セラクの仕事がすべて人月売上にとどまるとは限らない。企業はクラウドを移行した後も、権限管理、障害対応、情報漏えい対策、法令や内部統制への適合を必要とする。AIが定型作業を担えば、熟練した技術者はより多くの顧客を少人数で支えられる。顧客にとって事故が起きた時に責任を持つ取引先が必要な限り、セラクの24時間運用や業務知識には値段を付ける余地が残る。
DXではSalesforceやCOMPANYの定着支援に強みがあり、顧客部門の業務を理解する人材を育てている。パートナー企業の登録数が2,600社を超え、外部技術者の配置を拡張できる体制も整った。2026年度は売上の伸びが3%でも営業利益は12%増え、高付加価値案件への転換で収益性が改善した。中期計画の2029年度売上330億円と営業利益45億円は、収益力をさらに上げる具体的な経営目標である。
さらに、みどりクラウドの圃場センサーやJAの出荷手続きは、現実の農産物流通に接続している。単なる画面操作を越えて現場データの価値を高められれば、小さな事業から収益の柱に育つかもしれない。AI関連の人材を顧客の現場へ送り込み、成果に対する料金を契約上獲得する機会もある。何より、現預金約86億円とほぼ無借金の貸借対照表は、新サービスの試行錯誤に耐える強さを与える。還元比率も明示しているため、事業が想定ほど伸びなくても株主の現金回収は積み重なりうる。
慎重な見方
顧客のIT投資が増えるほど、セラクの売上も増えるという関係が崩れ始めている。生成AIはコード生成だけでなく、テスト、監視、手順書作成、障害の一次切り分け、クラウド設定まで扱う。セラクの中計が運用・保守の自動化と顧客SIerの内製化を明記したことは、単なる想像ではない。最も大きいSI領域で、顧客が同じ成果を少ない人員で得られるなら、技術者の供給力は競争優位ではなく余剰能力になる。
高付加価値化という言葉も慎重に読むべきだ。2026年度の売上増加率は3%に鈍化し、利益が伸びたのは案件構成や稼働の改善という面が大きい。人件費が物価に合わせて上がり、顧客がAIの成果を理由に単価を下げるなら、こうした改善を10年繰り返せるとは限らない。競合の富士通やNTTデータは大規模案件の責任、顧客のデータ、運用基盤を握ることが多い。セラクの顧客接点は相対的に弱く、製品の中核を所有するSalesforceやCOMPANYのベンダーに収益を左右される。
みどりクラウドは現場データを持つが、売上規模が小さく、現在も営業赤字である。解約率の低さ、乗り換えに年単位を要する独占的な共同基盤、法令対応での値上げ実績といった証拠はまだない。AI事業の立ち上げも、既存のDXの区分替えなら新しいオーナー利益は生まない。資金が豊富だからこそ、利益を失いつつある受託会社を高値で買い、現金を減らす誘惑もある。10年後に売上規模が現在の半分を割り、利益率が急落しても驚くべきではない。
どちらに重みを置いたか
顧客との取引関係と現金創出については強い見方に十分な根拠があるが、独占的な製品を持たない人月収益の長期的な強さについては慎重に考えたい。会社自身が運用工数の縮小を認めており、AIサービスの売上が既存事業を置き換えた金額はまだ明示されていない。中立の数量に既にAI代替を入れているので、同じ懸念で資本コストも引き上げない。確率は上側29%、中立35%、下側36%とし、下側の追加要因は営業体制、買収、価格競争の失敗に限定した。現金と還元の下支えまで数えると現在価値は時価総額を約3%下回る。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/08 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 2,455 円317 億円(+ 還元の換算額還元の合計 459 円59 億円)。 今の値に割り戻すと 1,480 円191 億円、今との差 −3.9%、 期待の年率 +7.3%(資本コスト 7.8%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 4,691 円605 億円 | 737 円95 億円 | +252.4% | +14.9% | 488 円63 億円 |
| やや楽観 | 20% | 3,810 円491 億円 | 605 円78 億円 | +186.6% | +12.2% | 883 円114 億円 |
| 中立 | 35% | 2,667 円344 億円 | 481 円62 億円 | +104.4% | +8.2% | 1,102 円142 億円 |
| やや悲観 | 25% | 1,053 円136 億円 | 310 円40 億円 | −11.5% | −1.4% | 341 円44 億円 |
| 悲観 | 11% | 674 円87 億円 | 233 円30 億円 | −41.1% | −5.8% | 100 円13 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,455 円317 億円 | 459 円59 億円 | +89.2% | +7.3% | 2,914 円376 億円 |
今の株価時価総額 1,540 円199 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 専門性を生かした契約再設計に成功 利益 38 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 4,691 円605 億円
顧客のクラウド移行と情報セキュリティ需要は長く続き、運用担当者はAIツールを使う責任者へ役割を変える。セラクは大企業の案件で専門性を認められ、時間単価の改善が物価上昇に追いつく。2029年の中期目標に近づいた後も、業務の品質保証や障害時の責任分担を再設計し、受託工数の急減を防ぐ。富士通やNTTデータの下請け案件でも、優秀な専門チームの交渉力を保つ。
DXではSalesforceとCOMPANYの機能進化に応じて、複数業務を理解する担当者の価値が上がる。顧客のデータ正本を持たなくても、運用上の信頼で発注を継続してもらう。みどりクラウドはJAの出荷関連業務を結び、黒字に転換する。機械設計では実現単価が上がり利益率が改善する。資本は高価格の買収ではなく教育と選別投資に回され、営業利益率は大幅に向上する。
それでもAI代替の決まりに従い、人月・画面型の数量が10年で現在を超えることは想定しない。AIサービスの個別の有償売上額と継続率が確認できない段階では、楽観であっても仕事量の増大を先取りしない。会社に残る現金の大半が株主の価値として保全され、株主還元も安定して続く。
- SI・クラウド基盤構築運用:数量 2,200(売上計上する技術者人年(社員・BP合算、推定))× 価格 0.10(技術者1人年当たり実現売上(億円/人年、名目))→ 売上 226 億円・営業利益 36 億円。AIを使う専門チームに移行し、稼働人年は維持。単価は物価相当の1.34倍。
- DX・業務システム定着支援:数量 1,000(売上計上する技術者人年(社員・BP合算、推定))× 価格 0.10(技術者1人年当たり実現売上(億円/人年、名目))→ 売上 104 億円・営業利益 18 億円。既存業務の深い知識で工数維持。ライセンス企業との提携は続くが自社の正本とはみなさない。
- みどりクラウド・農業DX:数量 3,000(圃場モニター等の稼働台数換算(台、推定))× 価格 0.00(1台換算当たり年間サービス・物販売上(億円/台、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。JA対応で黒字化。数量は今と同じで、単価は席課金の上限1.15倍。
- 機械設計エンジニアリング:数量 95.0(売上計上する設計技術者人年(推定))× 価格 0.09(技術者1人年当たり外部売上(億円/人年、名目))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。設計の高難度化で人年維持、名目単価1.34倍。
倍率:長期の名目成長率g=0%は、人月の工数縮小が10年以後も進むという判断。k=7.75%、余剰現金145億円の税後利息1.4%を純利益から除いた事業利益35.647億円に、g=0で上限PER1÷k=12.903倍を適用し、還元可能な余剰現金145億円を別途足した。
確率:2029年の利益率改善に加え、2030年代も高度案件の料金を維持し、工数を維持する必要がある。AI固有の公表売上がまだ少なく、低めの9%とした。
やや楽観 20% 高付加価値化で工数減を緩和 利益 29 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3,810 円491 億円
セラクは2029年に向けて技術者の研修と営業責任者の補強を進める。高付加価値案件の割合を増やし、エンジニア1人当たりの受注単価を上げる。顧客のクラウド運用やSalesforceの業務設定はなくならないが、生成AIによる自動化で必要な人の数は少しずつ減る。富士通、日立、NTTデータが大口案件の主導権を握る中でも、運用の品質を武器に一部顧客から選ばれ続ける。
SIの稼働人年は現在の9割弱、DXも9割まで減り、料金の改善が売上減をおおむね補う。請負契約が増えることで現場責任者の生産性が高まり、営業利益率は現在より改善する。ただし成果物の権利やデータを保有しないため、値上げの成果は継続的に顧客と分け合う必要がある。
みどりクラウドは農協向け導入が広がるが、利益は小さい。機械設計では案件を選別する。買収は当初の小規模な枠内で行い、大きなのれんを作らない。還元方針の実行で現金が株主にも流れ、余剰現金は次の不況に備える厚さを保つ。
- SI・クラウド基盤構築運用:数量 1,936(売上計上する技術者人年(社員・BP合算、推定))× 価格 0.10(技術者1人年当たり実現売上(億円/人年、名目))→ 売上 196 億円・営業利益 27 億円。人年0.88倍、単価1.32倍。成果を高めつつ請求工数減少を一部受ける。
- DX・業務システム定着支援:数量 900(売上計上する技術者人年(社員・BP合算、推定))× 価格 0.10(技術者1人年当たり実現売上(億円/人年、名目))→ 売上 91 億円・営業利益 14 億円。人年0.90倍、単価1.31倍。画面作業の自動化が進む。
- みどりクラウド・農業DX:数量 2,850(圃場モニター等の稼働台数換算(台、推定))× 価格 0.00(1台換算当たり年間サービス・物販売上(億円/台、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。台数換算0.95倍、単価1.14倍。黒字転換は限定的。
- 機械設計エンジニアリング:数量 90.3(売上計上する設計技術者人年(推定))× 価格 0.09(技術者1人年当たり外部売上(億円/人年、名目))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。人年0.95倍、単価1.31倍。
倍率:k7.75%、長期g0%で正当化PERは上限12.903倍。株主還元とは別に蓄積する2036年余剰現金140億円の利息1.96億円を純利益29.189億円から除き、事業利益×PERと余剰現金の合計で算出する。
確率:顧客数とパートナー網が当面増えても10年続く保証はなく、AIによる効率化を一部受け入れて時間単価を上げる可能性として20%とした。
中立 35% 受託需要は残るが工数は縮小 利益 19 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,667 円344 億円
企業のシステム刷新とクラウド利用は続くが、従来の人月契約の量は減る。AIがプログラムの修正案、テスト、一次監視、操作を引き受けるため、顧客は同じ品質をより少ない技術者で手に入れる。セラクは運用責任者の育成と専門分野への転換を進めて価格を保つものの、必要工数の減少を埋め切れない。国内ITサービス全体の支出が増えても、会社のシェアは縮む。
SIの実質人年は10年で0.68倍、DXは0.72倍になる。名目単価には物価上昇と専門性の向上が入るが、依然として顧客の調達部門が値段を決める。SalesforceやCOMPANYの定着支援も、ツール自身が変更を自動化することで縮む。みどりクラウドは農業分野の市場成長の恩恵を限定的に受け、営業赤字を抱えたまま改善が遅れる。
管理費を合理化することで営業利益率は1割強を維持できる。総還元性向33%以上という会社の方針はおおむね守られるが、留保された利益の相当額は事業に使われず現金として積もる。10年後の自己資本利益率は高かった過去を大幅に下回る。それでも既存の現金と積み上がった余剰現金が株主の取り分を守る。
- SI・クラウド基盤構築運用:数量 1,496(売上計上する技術者人年(社員・BP合算、推定))× 価格 0.10(技術者1人年当たり実現売上(億円/人年、名目))→ 売上 149 億円・営業利益 17 億円。人月工数0.68倍、単価1.30倍。AIエージェントの自動運用で工数を失う。
- DX・業務システム定着支援:数量 720(売上計上する技術者人年(社員・BP合算、推定))× 価格 0.10(技術者1人年当たり実現売上(億円/人年、名目))→ 売上 72 億円・営業利益 9 億円。受託工数0.72倍、単価1.29倍。業務ソフトの操作をAIが肩代わりする。
- みどりクラウド・農業DX:数量 2,460(圃場モニター等の稼働台数換算(台、推定))× 価格 0.00(1台換算当たり年間サービス・物販売上(億円/台、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。センサー等の台数換算0.82倍、単価1.10倍。実際の正本の堀は証明できず小幅赤字。
- 機械設計エンジニアリング:数量 71.3(売上計上する設計技術者人年(推定))× 価格 0.09(技術者1人年当たり外部売上(億円/人年、名目))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。機械設計の派遣・作業人年0.75倍、単価1.27倍。
倍率:AIエージェント代替によりg_long=0%を採用。k7.75%でg0の上限PER12.903倍。10年後余剰現金120億円に対応する税後利息1.68億円を純利益19.041億円から外し、残る事業利益17.361億円を資本還元率の上限で測り、現金120億円を別に足す。
確率:既存顧客の継続性と2026年の収益力を認める一方、人月の生産性革命を基本に織り込む。経営計画の持続性を断定できず中心を35%とした。
やや悲観 25% 内製化と価格競争で利益率が低下 利益 7 億円 · PER 10.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,053 円136 億円
大手顧客は生成AIの導入後、運用監視と定型開発を少ない人員で回すようになる。案件を元請企業が内製化し、外注を使う場合もクラウド運用の定額契約へ移す。セラクは営業体制とプロジェクトマネジャーの不足で利益率の高い案件を逃し、人員構成を変えるまで時間がかかる。富士通やNTTデータの主要案件から、単価の低い保守業務へ追いやられる。
SIの稼働人年は今の半分近くになり、DXも工数を大きく削られる。技術者の賃金と契約管理費を素早く落とせず、単価の伸びも物価に追いつかない。みどりクラウドではJA導入の採算が上がらず、開発費と顧客支援費の負担が続く。機械設計も製造業による設計自動化で稼働を落とす。
営業利益率は6%程度まで低下し、採用・事業再編の費用が現金を食う。利益からの還元額は下がり、余剰現金の一部は再建と顧客維持に使われる。会社は存続し、主要顧客への対応を続けるが、以前の高ROEの受託会社という評価を失う。
- SI・クラウド基盤構築運用:数量 1,056(売上計上する技術者人年(社員・BP合算、推定))× 価格 0.09(技術者1人年当たり実現売上(億円/人年、名目))→ 売上 93 億円・営業利益 7 億円。工数0.48倍、単価1.15倍。稼働率と単価が同時に圧迫される。
- DX・業務システム定着支援:数量 580(売上計上する技術者人年(社員・BP合算、推定))× 価格 0.09(技術者1人年当たり実現売上(億円/人年、名目))→ 売上 51 億円・営業利益 4 億円。工数0.58倍、単価1.14倍。定着支援の内製化で更新案件が減る。
- みどりクラウド・農業DX:数量 2,010(圃場モニター等の稼働台数換算(台、推定))× 価格 0.00(1台換算当たり年間サービス・物販売上(億円/台、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。台数換算0.67倍、単価1.03倍。赤字事業の固定費が残る。
- 機械設計エンジニアリング:数量 54.2(売上計上する設計技術者人年(推定))× 価格 0.08(技術者1人年当たり外部売上(億円/人年、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。設計工数0.57倍、単価1.13倍。
倍率:k7.75%、g0%では高ROE時の利益還元率上限が12.903倍だが、顧客喪失と低いROEの状態で継続利益が弱く、やや悲観は事業の純利益にPER10.5倍を採用。10年後余剰現金72億円の税後利息1.008億円を純利益7.082億円から除いてから事業価値を求め、現金を別に足す。
確率:AIに置き換わる部分は既に中立の数量で見たため重ねない。営業管理体制の不足や顧客の内製化、買収判断の失敗が加わる場合として25%とした。
悲観 11% 人月モデルの競争優位を失う 利益 1 億円 · PBR 1.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 674 円87 億円
AIエージェントが設計、テスト、稼働監視、保守手順の多くを自律的に進めるようになり、大企業はシステム運用を自社の少数チームへ戻す。元請のSI企業も自動化の効果を顧客に約束する成果契約を取り、セラクに外注する工数を大きく減らす。育成した技術者を高い報酬で配置できず、規模の経済で大手に対抗できなくなる。
SIの稼働人年は現在の3割、DXも4割まで落ちる。料金の上昇はごく小幅にとどまり、設備を持たない事業でも管理費、再配置、人員整理の負担を賄うのが難しくなる。みどりクラウドの販売拡大は採算化に結び付かず、赤字が続く。機械設計も汎用CADと生成AIによる自動化で価格を失う。グループ全体の営業利益はほぼ消える。
従来の高い純利益を取り戻すのは難しいが、無借金に近い状態で始まるため、資金繰りが直ちに破綻するわけではない。買収を抑え、維持できる事業だけを残す。年々蓄積した一部の利益は整理費用に消える可能性があるものの、現在の純現金と換金可能な資産は少数株主にとってなお意味を持つ。価値は将来の高い収益倍率ではなく、売却可能な資産の保守的な床から評価する。
- SI・クラウド基盤構築運用:数量 660(売上計上する技術者人年(社員・BP合算、推定))× 価格 0.08(技術者1人年当たり実現売上(億円/人年、名目))→ 売上 52 億円・営業利益 2 億円。工数0.30倍、名目単価1.03倍。主力の人月契約が大きく消滅する。
- DX・業務システム定着支援:数量 400(売上計上する技術者人年(社員・BP合算、推定))× 価格 0.08(技術者1人年当たり実現売上(億円/人年、名目))→ 売上 32 億円・営業利益 1 億円。工数0.40倍、単価1.04倍。製品側AIが画面操作と運用を代替する。
- みどりクラウド・農業DX:数量 1,500(圃場モニター等の稼働台数換算(台、推定))× 価格 0.00(1台換算当たり年間サービス・物販売上(億円/台、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 −1 億円。台数換算0.50倍、単価横ばい。投資負担が残り赤字が続く。
- 機械設計エンジニアリング:数量 39.9(売上計上する設計技術者人年(推定))× 価格 0.07(技術者1人年当たり外部売上(億円/人年、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。設計工数0.42倍、単価1.03倍。
倍率:純利益がほぼなく2036年のROEも約0.6%に低下するため、将来の利益倍率ではなく換金可能資産の床を重視する。SCHEMA §1-3に従い、PBRの分母は10年後の自己資本169億円ではなく、添付factsの直近確定実績である2025年8月期の自己資本88.7億円とする。これにPBR0.98倍を掛けた時価総額は86.926億円であり、別途見積もった純現金中心の資産床86.0億円を上回る。過去の市場PBRや谷の倍率ではなく、換金可能資産が帳簿上の自己資本に占める大きさから判断した。のれんと繰延税金資産は清算価値に加えず、将来蓄積する自己資本にもPBRを掛けていない。
確率:大口受託の構造的消失と経営の投資失敗が同時に起きる筋書き。債務危機は現状では遠いので11%に抑えるが、現金の床を重視する。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
SI・クラウド基盤構築運用
大企業のネットワーク・サーバー・クラウド移行と保守運用。請負・準委任・常駐を含み、対価の主軸は技術者の稼働工数。
| 数量売上計上する技術者人年(社員・BP合算、推定) | 価格技術者1人年当たり実現売上(億円/人年、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/08 | 2,200 | 0.08 | 169 | 20 |
| 10 年後 中立 | 1,496 | 0.10 | 149 | 17 |
取り方:2026年8月期決算説明資料のデジタルインテグレーション246.21億円を会社開示のSI売上168.9459億円とDX売上77.26043億円に分解した。会社公表の技術者指標約3,295人はSI・DX・機械設計別ではないため、売上構成と案件性質に基づく仮の稼働人年をSI2,200、DX1,000、設計95に配分した。SIの実現年単価は168.9459÷2,200=0.07679359億円であり、契約表面単価や開示された所属人員数ではない。工数型として中立人年0.68倍、名目単価1.30倍、g_long0%。業界のIDC推定国内ITサービス7.5兆円に対するSIの参考売上シェアは約0.23%で、SI固有市場の厳密なシェアは不明。
DX・業務システム定着支援
Salesforce・COMPANYなど他社製ソフトの導入・活用支援、業務定着、運用改善。継続受託だが正本ソフトの知財は持たない。
| 数量売上計上する技術者人年(社員・BP合算、推定) | 価格技術者1人年当たり実現売上(億円/人年、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/08 | 1,000 | 0.08 | 77 | 9 |
| 10 年後 中立 | 720 | 0.10 | 72 | 9 |
取り方:デジタルインテグレーションの売上から決算説明資料に示されたDX領域77.26043億円を採用した。技術者数1,000人年は開示された総数3,295人を各分野に割り当てた推定で、DX独自の稼働人員開示はない。したがって平均実現単価0.07726043億円は試算値でありライセンス価格ではない。SalesforceとCOMPANYは他社が保有する記録の正本で、同社が継続課金するのは導入・運用・活用の工数である。人月型の中立数量0.72倍、単価1.29倍、g長期0%。国内IT市場全体に占める参考シェアは約0.10%で、サブカテゴリシェアは公表されない。
みどりクラウド・農業DX
農業ハウスのセンサー、環境モニタリング、JAの出荷事務支援等を提供する小規模な自社サービス。
| 数量圃場モニター等の稼働台数換算(台、推定) | 価格1台換算当たり年間サービス・物販売上(億円/台、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/08 | 3,000 | 0.00 | 2 | −1 |
| 10 年後 中立 | 2,460 | 0.00 | 2 | 0 |
取り方:2026年度みどりクラウド売上2.39297億円、営業損失0.95921億円は決算説明資料による。販売代理店トヨタネが2022年にみどりクラウドの普及約2,600台と紹介したが、2026年の有料稼働台数・法人契約数は公開されていない。そこで3,000台換算を仮置きし、JA向けの出荷サービスと機器売上も合わせた1台相当年売上を2.39297÷3,000=0.000797657億円とした。これは実際のセンサー稼働数や契約料金を意味しない。席・画面型を基本とし、中立利用0.82倍、単価1.10倍。矢野経済研究所のスマート農業市場455.02億円比の参考値0.53%は広義の市場比率である。
機械設計エンジニアリング
製造業向け機械設計・技術者派遣等。社内売上を除き外部顧客向け売上で合わせる。
| 数量売上計上する設計技術者人年(推定) | 価格技術者1人年当たり外部売上(億円/人年、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/08 | 95.0 | 0.07 | 7 | 1 |
| 10 年後 中立 | 71.3 | 0.09 | 6 | 0 |
取り方:決算短信の機械設計部門はグループ内売上込みで約7.999億円だが、外部売上は6.57706億円である。SI・DXに重複計上しないため後者を採用した。設計人材95人年はグループ技術者約3,295人からの推定配分で、実現単価6.57706÷95=0.06923221億円/人年とする。設計自動化・生成AIのため工数型として中立数量0.75倍、名目単価1.27倍。設計・技術者派遣市場は広く、メイテック・テクノプロなどと比較しても同社の厳密な市場シェアは未公表であり、同部門が小規模であることだけ確実とする。
リスクと懸念
AIエージェント代替
主力であるSIの運用監視、テスト、開発と、DXの画面操作・設定変更は、AIエージェントによって少ない人数で遂行されうる。会社自身が顧客の内製化と運用保守の自動化を取引縮小要因としている。中立の工数減と長期名目成長率0%に反映し、資本コストで重ねて引いてはいない。
契約の価格決定権が弱い
大手SI企業と大口顧客の調達部門が契約単価を左右する。請負化や技術研修で実現単価を引き上げても、顧客がAIの生産性向上分を値引きとして求めれば取り分は縮む。賃金の上昇が売上単価を上回れば、売上減以上に営業利益率が落ちる。過去の単価改定が将来も繰り返せるという保証はない。
パートナー網と案件責任者の需給
登録パートナー企業数が増えるだけでは売上にならない。参画技術者の確保、営業担当とプロジェクトマネジャーの配置、案件の継続率が必要であり、会社資料もこうした体制面を課題としている。顧客需要があっても案件を受け切れず、稼働率の低下と教育費負担が同時に起こりうる。
自社製品と農業DXの採算
みどりクラウドはJAや生産者の現場データに触れるが、2026年度は営業赤字であり、ソフト単体の粗利、継続率、法規制による乗り換え障壁が十分には示されていない。農業IoT市場全体が拡大しても採算の悪い受注ばかりなら、株主の現金が開発費に消える。
M&AとAI投資による現金の逸失
中期計画には人材育成、新規サービス、M&Aの投資枠がある。生成AIの流行を追って既存の受託工数に高い倍率を付けて買収したり、未検証のAI商品に大きく投資したりすれば、純現金の厚みが減る。案件から生じるオーナー利益と買収後の増分利益を区別して見る必要がある。
人員費と顧客データの制約
人を雇って提供する事業では、人員が余っても給与や管理費をすぐには削れない。顧客システムには機密情報や個人情報があり、AIを使う際の契約・権限・情報漏えい対応も伴う。事故を起こせば競争上の信用を失い、逆に安全管理のための費用が増えることで利益率が下がりうる。
今後の分かれ目
- AIソリューションの外部向け有償売上がセグメント別に開示され、複数年度で既存人月の減少を上回ったら
- 受託工数の縮小と新規製品売上を別々に計上し直す。上振れの根拠が金額で確かめられれば、楽観側の数量と確率を見直す。
- SI・DXで単価上昇が続いても売上計上する技術者人年が2年連続で1割以上減ったら
- AIと顧客内製化による量の喪失が前倒しになったと判断し、やや悲観の確率を増やす。
- 2029年8月期の売上330億円・営業利益45億円を達成したら
- 案件粗利と還元可能な現金を改善し、中立の利益率を再検証する。ただし2036年まで工数が増える根拠にはせず、AI置換率を独立に追う。
- みどりクラウドが営業黒字となり、解約率5%未満と年単位の移行負担を数字で示したら
- その事業に限り記録の正本としての堀を再審査する。二つの開示証拠が揃えば長期成長率を区分別に引き上げうる。
- 3年間の総還元性向が33%に届かず、余剰現金が増え続けたら
- 経営者の現金配分力を再評価し、余剰現金の戻り方を1.0から0.75へ下げて本質価値を減額する。
- 大きな企業買収でのれんが増え、被買収事業の利益率や稼働率が悪化したら
- 将来利益だけでなく資産の床からも回収困難な買収額を引き、悲観側の確率と床を見直す。
見ておくもの
- SI・DX別の外部売上、顧客別の平均受注単価、技術者人年、エンジニア稼働率
- AIエージェント導入後の受託工数削減率とAIソリューションの外部有償売上額
- 請負・準委任構成比と案件責任者・パートナー技術者の稼働実績
- 2029年度の売上330億円、営業利益45億円、技術者3,956人の達成度
- みどりクラウドの契約数・顧客継続率・営業利益とJAへの導入実績
- 純現金残高、M&Aののれん、総還元性向33%以上・配当性向15%の実行
- IDCの国内ITサービス市場規模と同社SI・DXの参考シェアの推移
倍率と資本コストの決め方
事業の数量は会社の技術者約3,295人という指標からSI・DX・機械設計へ推計配分し、農業は過去に開示された約2,600台を参考に3,000台換算した。開示のない分野別実人数や顧客数を確定値として扱わない。物価年3%とドル円150円、無リスク金利3%、株式リスクプレミアム4.5%を共通前提とし、数量に物価を二重計上しない。AI代替は中立の数量と長期g=0%にだけ織り込み、寿命の資本コスト上乗せには重ねていない。楽観から中立のPERはg=0に基づく上限1÷7.75%そのもの、やや悲観は稼ぐ力を慎重に測り、悲観は添付factsの現在自己資本88.7億円に対するPBR0.98倍と純現金を中心とした資産床86億円から評価した。悲観の時価総額86.926億円は88.7億円×0.98倍と一致し、床を下回らない。10年後に積み上がる自己資本169億円へ悲観のPBRを掛けてはいない。余剰現金は受取利息を純利益に加えたうえで、その同額を事業利益から控除して別に加え、二重計上を防いだ。10年の自己資本は現在の自己資本に概算累計純利益を加え、10年の配当・買戻しを差し引いた額である。起点の株価と同業のPERで倍率を動かしていない。新リース基準の表示変更は価値の増加と見なさず、現行の家賃費用にそろえて比較する。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%の合計7.5%に、循環0%・値決め力+0.5%・純現金−0.25%・寿命0%を加えた。事業の存続危機はなく特別上乗せは不要。