結論
パスは化粧品、家庭用健康機器、再生医療関連素材を売る企業集団であり、2026年9月に商号をヴィクトンへ変えた。筆者の結論は明確な割高だ。売上を生む商品は残っているが、利益を持続的に生む仕組みが固まっておらず、時価総額約44億円を長期のオーナー利益では支えにくい。
2026年3月期は売上約24億円に対し営業赤字約8億円、純損失約13億円だった。過去10年のROE中央値も大幅なマイナスである。数年ごとに成長領域を買い、撤退し、増資で資本を補う繰り返しでは、見た目の売上増が既存株主の利益にならない。かつてのAI機器、販促、藻類関連事業は相次いで姿を消した。
希望はある。マードゥレクスの化粧品とジヴァスタジオの健康機器には流通実績があり、RMDCの原料OEM・細胞加工施設には規制と製造ノウハウの壁がある。2027年3月期第1四半期にはRMDC部門が黒字になった。しかし化粧品の広告費は重く、再生医療の黒字も設備や研究費を差し引いて長く続くか未検証だ。
確率を織り込んだ現在価値は約7~8億円とみる。中立ですら再建後の10年先の純利益は1億円未満の水準であり、遠い将来に続く強い堀も確認できない。2026年時点の帳簿上の自己資本19億円をそのまま株主の価値と呼ぶことはできず、特に増資と買収の資本配分に厳しい条件を付ける必要がある。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主なら、毎年売れる商品があることより、商品が1つ売れるたびに何円の自由な現金が手元に残るかを知りたくなる。化粧品も健康器具も販売促進を止めれば顧客が離れ、宣伝を増やせば売上より費用が先に立ちやすい。利益の再投資利回りが資本コストを上回る実績がまだない以上、成長率だけを高く買う理由はない。
RMDCには別の見方ができる。許可を持つ加工施設と品質管理、医療機関との関係が積み重なれば、原料を外から仕入れて売るだけの会社から製造工程を任される会社へ育ちうる。ただし治療領域の成長率をそのまま株主利益に転記するのは誤りだ。顧客の切り替えに何年かかるのか、値上げが何回通ったのか、細胞加工が何件増えたのかを定量的に見せるまでは、本物の堀として資本を払わない。
さらに重大なのは買収と増資の履歴である。新しい領域を見つける力があっても、買値と事業の成否を間違え、損を資本市場の新株で埋めるなら既存株主の取り分は薄まる。資本の厚みも過去の赤字を支えた増資の結果であり、それ自体が稼ぐ力の証拠にはならない。
10年先に持ち続けたいのは、広告に頼らないリピート顧客と、加工許可を収益性に変える再現性が確認された後の会社だ。今は成功の余地を否定しないが、予測の幅が広い。現在の値段と内在価値の開きには、むしろ慎重な姿勢が必要だ。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの柱は二つの消費者向け事業だ。マードゥレクスが『EX:BEAUTE』や『NOWL』などの化粧品を直販、電子商取引、テレビ通販で販売する。ジヴァスタジオは『ジョグフット 歩トレパット』などの家庭用健康・美容機器を企画し、QVCジャパンやロッピングライフなどを通じて届ける。2026年3月期のこの2部門の売上は合わせて約18億円と全体の4分の3ほどを占めた。
顧客から見た価値は肌触り、機能、宣伝に触れたときの信頼、買い替えのしやすさだ。だが、メーカー側にはテレビ放送枠、販促費、返品、在庫、外注先の確保という継続費用がかかる。QVCジャパン向けの売上は全社の12.2%、ロッピングライフ向けは8.9%で、販路を握る相手との交渉力は対等ではない。
第三の柱であるRMDCは、再生医療関連の化粧品原料や製品の受託製造、細胞培養加工、医療機関向けの立ち上げ支援などを担う。2025年に細胞加工施設の許可を得て、医療機関との共同研究や韓国企業との連携も進める。ただし同社の主な売上は原料取引であり、再生医療の治療件数がそのまま売上になるわけではない。製品納入が多い事業と人が助言・研修を提供する事業とでは、将来の経済性も異なる。
インベストメント部門は静岡県河津町の土地に設定した地上権から賃料を得る。帳簿上の土地は約5億円で、実収入は年約0.4億円だ。2026年3月に販促関連会社の清算と産業用AI機器の事業売却を決め、同年8月には藻類・環境機器の子会社も清算決定した。これらの撤退済み事業に、2036年の売上を架空に残してはいけない。
優良さと弱いところ
競争上の守りは強くない。化粧品には『EX:BEAUTE』の認知、健康機器にはテレビ通販での販売実績があるが、価格の引き上げ後も顧客が離れないという定量的な証拠は乏しい。2026年3月期は化粧品売上が増えながら広告宣伝や販促費が先行して営業赤字が広がった。売上が増すほど広告費も膨らむなら、ブランドの堀はまだ狭い。
RMDCには、細胞加工施設の許可、製造技術、医療機関との共同研究がある。ここは一般の広告事業より参入が難しい。しかし許可があることと、高い増分投下資本利益率を得られることは別だ。過去の損益ではグループ全体が投下資本を回収できず、RMDC自身も2026年3月末に債務超過だった。2027年3月期第1四半期の部門黒字だけで優良企業へ転じたとは言えない。
土地の地上権賃料は比較的確かな収入だが、一契約への集中と不動産価格の影響を受ける。経営陣の資本配分には、2025年の三和製作所取得後の計画未達と翌年の売却、約7億円の減損、継続する増資という厳しい実績がある。財務上の自己資本比率が高くても、赤字で現金が流出し、新株が増える限り、既存株主の一株当たり価値は守られない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
化粧品は巨大だが成熟した市場である。矢野経済研究所の2025年度の国内化粧品市場は約2.6兆円規模で、パスのコスメ売上は単純比較で0.04%に届かない。資生堂、花王、コーセー、輸入韓国ブランド、大量の電子商取引専業が競争相手だ。実質の購入個数が大幅に増える市場ではなく、インフレによる名目単価の上昇と顧客の取り合いが主戦場になる。
健康機器の販売は、通販協会の広い通信販売市場約15兆円のごく一部にすぎない。これはテレビ健康器具だけの市場規模ではなく、同社の正確なシェアを示す母数でもない。専業のヤーマン、MTG、家電メーカーの家庭用運動機器が競合する。テレビ番組の編成次第で出荷機会が変わるため、消費人口が増えなくても数量は上下し、広告費の高騰が利益を消しやすい。
再生医療関連は、長期の細胞医療・培養加工需要が伸びる可能性がある。ただしセルソース、リプロセル、製薬関連の受託製造企業が競い、素材OEMと治療薬開発の市場を一緒にしてシェアを論じることはできない。医療施設の許可、品質管理、臨床評価と供給先開拓が競争力を決める。RMDCの対象市場と契約件数は非開示であり、シェアを事実として断定せず、将来の納入件数を独立した仮説として置く。
AIエージェントは化粧品や細胞そのものを作るわけではない。ただしRMDCの医療機関向けの立ち上げ相談、技術研修には人手で売る仕事が含まれる。ここは工数に代わってソフトが業務を進めるため、中立でも実質案件数の縮小を見込む。一方、既に撤退した販促と産業用AI機器は成長分野と呼んで将来売上に足さない。
資本政策と M&A
資本配分の採点は厳しい。2015年に化粧品と美容器具の事業を取得したこと自体は現在の売上基盤を作ったが、そこから持続的な連結黒字には到達していない。2025年に株式交換で取得した三和製作所は受注見通しの遅れから2026年3月に売却され、グループは当期に約7億円の減損を計上した。新規事業への投資と撤退を繰り返した負担は、今の株主が負っている。
2024年公表の旧中期計画では2028年3月期に売上約121億円、営業利益約12億円を目指し、長期構想では売上200億円超、営業利益15億円超、ROIC約8%を示した。しかし2026年5月に旧計画は撤回された。新計画は策定中とされ、足元で実行可能な売上・利益・ROEの数値目標は確認できない。配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い金額についても数字の約束なしである。
過去の現実は無配と希薄化だ。2026年3月期にも新株発行で資金を補ったが、営業活動による現金の流出が続いた。大株主サスティナの持分は約37%であり、経営への影響力を持つ。筆者は配当の復活を当然視しない。楽観的な筋書きでのみ黒字定着後の小さな還元を認め、それ以外では当面の資金を再建に充てると見る。現時点で公表済みのTOB、MBO、上場廃止予定は確認できず、支配株主による非公開化を確実な価値としては織り込まない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
化粧品と健康機器は、長年売れてきた実物の商品である。『EX:BEAUTE』の冷感シリーズや『ジョグフット』には顧客が存在し、QVCジャパンを通じた全国的な販売経路がある。会社は販路とブランドの両方を確保しており、広告宣伝の投下先を人気商品へ集中するだけでも赤字率は改善できる。売れる商品を一つ作って終わりではなく、顧客の再購入を増やす顧客管理がうまく働けば、売上を伸ばすたびに広告費を増やす必要も減る。
より大きな可能性はRMDCにある。細胞加工施設の許可、大学との共同研究、国外企業との提携は、消費者通販にはない技術上の土台だ。医療機関が外部の加工・品質管理に委託する比率が上がれば、案件数と納入単価が共に伸びる。化粧品原料で実績を積みながら細胞関連の製造受託を増やし、固定費を超えた売上が利益に転じる道がある。2027年3月期第1四半期の部門利益は、その可能性を初めて具体的に示した。
不採算の販促、AI機器、藻類事業を切った判断も評価しうる。失敗を長引かせず撤退する規律が定着すれば、本社経費と研究開発費の重複が減り、既存事業の利益を食わなくなる。不動産賃料も小さいながら黒字である。再生医療の規制適合を競争優位に変え、増資ではなく営業現金で成長を賄えるようになれば、現在の大きな赤字は一時的な転換費用として振り返れる。
慎重な見方
経営の過去を直視すると、今回の再建に高い成功確率は付けられない。2015年から化粧品と健康器具を連結しているのに、十分な規模へ育つ前に新規事業を次々増やしてきた。2025年に取得した産業用AI関連会社は1年余りで売却され、多額の減損を残した。2024年の中期計画は売上を急増させる見込みを掲げたが、2026年に撤回された。これは外部環境の読み違いだけでなく、買収前の収益力の検証にも問題があったことを示唆する。
コスメ事業では売上が増えた2026年3月期にも広告費が膨らみ、営業赤字が拡大した。既に広い販路があるにもかかわらず、通販番組の編成や販促の投下額に売上が左右される。大手化粧品メーカーや家電メーカーと比べて規模は極めて小さく、仕入れ先への交渉力も弱い。利益率が低いからこそ、価格を物価並みに引き上げられないと賃金と物流費の上昇が重くなる。
RMDCの細胞加工も施設許可から十分な顧客の囲い込みが確認されたわけではない。2026年3月末には単体で債務超過であり、四半期の一度の黒字で工場稼働率や原料粗利の持続性は証明できない。医療機関の事務・導入支援はAIエージェントによる自動化が進み、工数売りの価格競争を招く。赤字が続けば新株を発行して現金を補うことになり、たとえ会社全体が存続しても現在の株主が回収できる額は小さくなる。
どちらに重みを置いたか
事業には現物の強みがあるが、経営の資本配分では慎重な見方が優勢だ。下に寄せる理由はAIの流行ではなく、旧計画の撤回、連続赤字、早期売却と減損、増資による希薄化というこの会社固有の記録である。したがって、やや悲観と悲観を計47%とし、楽観・やや楽観は計25%にとどめた。中立ですら黒字化の達成を要し、単に業界平均の成長に乗るだけでは現在の株価を正当化できない。保有土地の価値は悲観側の床として残すが、買収のれんを換金できる資産として扱わない。上振れより資金不足と希薄化の危険が大きい。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 22 円18 億円(+ 還元の換算額還元の合計 1 円1 億円)。 今の値に割り戻すと 9 円7 億円、今との差 −83.2%、 期待の年率 −7.9%(資本コスト 10.6%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 109 円89 億円 | 7 円6 億円 | +127.1% | +8.9% | 10 円9 億円 |
| やや楽観 | 16% | 38 円31 億円 | 2 円2 億円 | −21.9% | −2.5% | 6 円5 億円 |
| 中立 | 28% | 11 円9 億円 | 0 円0 億円 | −78.5% | −14.2% | 3 円3 億円 |
| やや悲観 | 30% | 7 円6 億円 | 0 円0 億円 | −85.9% | −17.8% | 2 円2 億円 |
| 悲観 | 17% | 5 円4 億円 | 0 円0 億円 | −90.9% | −21.3% | 1 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 22 円18 億円 | 1 円1 億円 | −55.3% | −7.9% | 23 円19 億円 |
今の株価時価総額 51 円42 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 商品ヒットと細胞加工の商業化が揃う 利益 9 億円 · PER 10.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 109 円89 億円
化粧品の定番商品が継続購入され、テレビ以外の電子商取引でも顧客が増える。人気商品へ販促を集中した結果、広告費率が下がり、売上増が営業利益に直結する。健康機器もジョグフットに続く定番商品が育ち、価格を上げても購入者が離れず、安定した買い替え需要をつくる。
RMDCは医療機関の施設許可に支えられた品質管理を信用の基盤とし、国内の製造委託を大量に受注する。大学や海外企業との共同開発が商業契約に育ち、細胞加工と原料OEMの件数が急増する。医療機関向けの助言・研修はAIエージェントで省人化しても、物理的な受託加工が伸びを補って余りある。
撤退済みのAI機器、販促、藻類事業へ資金を戻さず、管理費は絞られる。河津町の安定収入に加えて新たな地上権契約も獲得する。利益の大部分は研究設備と運転資金に回しつつ、再建完了後に小規模な還元も始まる。大型買収には再び手を出さないことが前提である。
- コスメ(マードゥレクス):数量 62.0(年間販売個数(万個・推計))× 価格 4,350(会社に入る平均単価(円/個))→ 売上 27 億円・営業利益 4 億円。継続顧客増と広告効率改善で営業利益率14%
- ビューティ&ウェルネス(ジヴァスタジオ):数量 11.0(年間販売台数(万台・推計))× 価格 17,900(会社に入る平均単価(円/台))→ 売上 20 億円・営業利益 2 億円。新定番商品の成功で販売台数11万台換算
- 再生医療関連(RMDC):数量 2,200(原料・加工納入および相談の案件換算件数(件/年・推計))× 価格 0.02(案件換算1件の売上(億円))→ 売上 33 億円・営業利益 8 億円。細胞加工・OEMの大量商業受託が実現
- サステナブル(撤退事業):数量 0.0(商談・販売換算案件(件/年・推計))× 価格 0.01(1換算案件売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。清算済みの事業を再計上しない
- インベストメント(地上権賃料):数量 3.0(地上権賃貸契約の換算件数(件))× 価格 0.50(契約1件当たり年収入(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 1 億円。既存地上権に加えて新たな収益契約を獲得
- 旧販促・産業用AI機器(撤退済み):数量 0.0(旧受託・開発案件換算数(件・推計))× 価格 0.07(1案件当たり認識売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。販促・産業用AI機器の撤退を反映
倍率:事業のROE約15.9%、k10%、弱い堀で超過利回りが3分の1残るRONIC約12%、長期g1.5%からPER=(1−g/RONIC)/(k−g)=約10.29倍。市場PERでなく利益に対する理論上限そのものを適用する。余剰現金は別加算しない。
確率:複数の消費者ブランドが販促依存から脱し、細胞加工の案件が継続増加する必要がある。過去の大型計画の不達と買収失敗を考慮し、可能性は残すが一桁に抑えた。
やや楽観 16% 小売採算回復と加工事業の成長 利益 3 億円 · PER 10.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 38 円31 億円
マードゥレクスは冷感コスメと新ブランドの不振商品を整理し、EC会員の再購入が増えて売上と利益がともに改善する。平均売価は物価に沿って上がるものの、競合が多いため大幅な実質値上げはできない。ジヴァスタジオはテレビ通販の固定客を保ち、新商品の発売遅延を減らして出荷台数を着実に増やす。
RMDCでは化粧品原料に加えて細胞加工関連の受託が広がり、施設の固定費を回収できる売上規模に届く。技術の独自性は認められるが、顧客の乗り換え障壁や価格改定の実績が十分ではなく、利益率は大型製薬受託会社ほど高くない。相談・研修など工数で売る部分はAIエージェントで圧迫される。
撤退した旧事業の固定費は消え、本社は大きな新規買収を控える。不動産賃料を少し積み上げながら連結黒字が定着し、増資なしでも必要な研究開発を賄える。過去の損失で傷んだ資本を優先して回復させ、株主還元は利益の一部に限る10年となる。
- コスメ(マードゥレクス):数量 50.0(年間販売個数(万個・推計))× 価格 3,850(会社に入る平均単価(円/個))→ 売上 19 億円・営業利益 2 億円。年間50万個換算、広告効率が改善
- ビューティ&ウェルネス(ジヴァスタジオ):数量 9.0(年間販売台数(万台・推計))× 価格 16,600(会社に入る平均単価(円/台))→ 売上 15 億円・営業利益 1 億円。新製品投入とテレビ通販の販売機会回復
- 再生医療関連(RMDC):数量 1,250(原料・加工納入および相談の案件換算件数(件/年・推計))× 価格 0.01(案件換算1件の売上(億円))→ 売上 16 億円・営業利益 3 億円。原料OEM・細胞加工の受託拡大
- サステナブル(撤退事業):数量 0.0(商談・販売換算案件(件/年・推計))× 価格 0.01(1換算案件売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。撤退済み
- インベストメント(地上権賃料):数量 2.0(地上権賃貸契約の換算件数(件))× 価格 0.43(契約1件当たり年収入(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 1 億円。地上権収入を小幅拡大
- 旧販促・産業用AI機器(撤退済み):数量 0.0(旧受託・開発案件換算数(件・推計))× 価格 0.07(1案件当たり認識売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。撤退済み
倍率:事業ROEは3.10/28.3=約11.0%。k10%、弱い堀で超過利益残存3分の1のRONIC約10.3%、10年より先のg1.5%による正当化PER約10.05倍をそのまま用いる。現金の二重計上はしない。
確率:既存化粧品の広告効率改善とRMDCの加工案件獲得は確認できる芽があるが、複数年で連続成功するには経営上の規律が必要であり、中立より小さな重みとした。
中立 28% 既存事業を整理し小幅黒字に着地 利益 1 億円 · PER 10.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 11 円9 億円
化粧品の個数は国内の成熟した需要に沿って微増する。卸売と直販を合わせた単価は物価上昇ほどには伸びず、テレビ通販の費用とEC広告の競争が利益を削る。それでも不振商品の販促を打ち切り、定番商品への予算配分を定着させることで、コスメ部門は薄い営業黒字を実現する。健康機器は実質台数をほぼ保ち、インフレ分の一部を平均売価に転嫁する。
RMDCの原料OEMは供給先を増やし、細胞加工の受託も緩やかに広がる。物理的な製造・納入の案件数は伸びるが、人手の導入相談・研修はAIエージェントによって数量が縮む。設備の稼働率上昇で利益率は改善しても、価格の決定権と再投資利回りが十分高いとまでは言えない。
撤退した三事業の赤字は消える。本社費は現在の約1.6億円から物価上昇だけなら約2.1億円になるが、撤退した人員・業務を統合して約0.5億円を削り、名目で現在程度にとどめるという未達成の条件が付く。河津町の地上権収益は維持されるが、新たな土地の大量取得はしない。グループは営業黒字から普通税負担を引いた薄い純利益を出すものの、過去の赤字で傷んだ自己資本に対して十分な利回りは得られない。再び投資と運転資金が必要なため、配当の復活も見込まない。
- コスメ(マードゥレクス):数量 37.0(年間販売個数(万個・推計))× 価格 3,450(会社に入る平均単価(円/個))→ 売上 13 億円・営業利益 1 億円。実質販売数量は現状比約1.09倍、単価は約1.24倍
- ビューティ&ウェルネス(ジヴァスタジオ):数量 7.0(年間販売台数(万台・推計))× 価格 15,700(会社に入る平均単価(円/台))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。数量は現状程度、価格は競争で物価上昇を完全転嫁できない
- 再生医療関連(RMDC):数量 760(原料・加工納入および相談の案件換算件数(件/年・推計))× 価格 0.01(案件換算1件の売上(億円))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。物理的OEMが拡大する一方、工数型の相談・研修は実質0.65倍、単価1.20倍
- サステナブル(撤退事業):数量 0.0(商談・販売換算案件(件/年・推計))× 価格 0.01(1換算案件売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2026年の撤退を反映
- インベストメント(地上権賃料):数量 1.0(地上権賃貸契約の換算件数(件))× 価格 0.42(契約1件当たり年収入(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。地上権の数量は増やさず、名目賃料も契約条件でほぼ据え置き
- 旧販促・産業用AI機器(撤退済み):数量 0.0(旧受託・開発案件換算数(件・推計))× 価格 0.07(1案件当たり認識売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。旧事業は再開しない
倍率:10年後のROEは0.90/18.3=約4.9%で資本コスト10%に届かない。g1.5%でも追加再投資で価値を増やせないのでPERの上限は1/k=10.0倍。現在の株価や帳簿PBRには寄せず0.90億円の持続可能純利益のみを評価する。
確率:販促・産業用AI機器・藻類の撤退は実行済みで、本社経費の圧縮には根拠がある。一方、消費者ブランドの値決め力は弱く、RMDCの拡大は施設稼働率に左右されるため控えめな黒字を中心とする。下に寄せる理由:撤回された経営計画と2026年の大型減損により継続的な黒字化の再現性はまだ低い。
やや悲観 30% 販促負担が残り再増資 利益 −2 億円 · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 7 円6 億円
コスメ事業では値上げをしても購買点数が減り、取扱店への販売条件が厳しくなる。新商品を広めるための広告費も削りきれず、部門の損益は赤字に戻る。健康機器は通販番組の販路が縮小し、実質販売台数が減る。仕入れ価格と物流費が上がっても卸売価格へ転嫁しきれず、利益はほぼ出なくなる。
RMDCの原料取引は残るものの、大手受託企業との競争と顧客の内製化で生産ロットが減る。細胞加工施設の許可は維持できても、品質管理の固定費が重く、採算ラインまで稼働率が上がらない。医療機関への導入支援はAIエージェント代替が進み、工数を請求できる案件は細る。旧藻類事業や産業用AI機器の撤退による費用削減効果も、残る事業の弱さを埋めきれない。
会社は河津町の地上権賃料で本社費の一部を賄うが、赤字を止めるには至らない。運転資金と設備維持費を調達するため、現在の株主に不利な条件で新株を発行する。約1100万株の発行で現在の株主の持分は約88%に薄まる。会社全体の資産が残っていても、既存株主の取り分は損なわれる10年となる。
- コスメ(マードゥレクス):数量 25.0(年間販売個数(万個・推計))× 価格 3,250(会社に入る平均単価(円/個))→ 売上 8 億円・営業利益 0 億円。顧客離れと販促負担の残存
- ビューティ&ウェルネス(ジヴァスタジオ):数量 5.0(年間販売台数(万台・推計))× 価格 14,000(会社に入る平均単価(円/台))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。テレビ通販の出荷機会減少
- 再生医療関連(RMDC):数量 390(原料・加工納入および相談の案件換算件数(件/年・推計))× 価格 0.01(案件換算1件の売上(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。加工施設の稼働率が上がらず、人手の相談事業も縮小
- サステナブル(撤退事業):数量 0.0(商談・販売換算案件(件/年・推計))× 価格 0.01(1換算案件売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。撤退済み
- インベストメント(地上権賃料):数量 1.0(地上権賃貸契約の換算件数(件))× 価格 0.40(契約1件当たり年収入(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。地上権収入を維持
- 旧販促・産業用AI機器(撤退済み):数量 0.0(旧受託・開発案件換算数(件・推計))× 価格 0.07(1案件当たり認識売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。撤退済み
倍率:10年後の純利益は赤字でありPERで利益価値を測れない。現時点の自己資本19.1億円のうち売れる現物資産と継続可能な事業資本を慎重に測り、今の自己資本に0.35倍を掛けた6.685億円を会社全体の価値とする。将来の増資で積み上がる自己資本11.3億円を床の基礎に使わない。
確率:コスメが増収でも赤字を広げた2026年の事実、健康機器のテレビ番組への依存、RMDCの債務超過から、改善が遅れる可能性は高い。事業撤退で赤字は薄まるが資本追加が必要とみる。
悲観 17% 事業価値の大半を失う構造的敗北 利益 −4 億円 · PBR 0.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 5 円4 億円
ブランドの販売は競合に奪われ、コスメの実質出荷個数が半分以下へ落ちる。安売りで平均単価も伸びず、少ない売上に最低限の広告費と物流費が残る。健康機器は主力商品の陳腐化でテレビ通販枠を失い、需要の縮小と値下げが重なる。顧客が買い替える理由を示せず、販路を立て直せない。
RMDCは大口原料取引の縮小と施設の稼働率不足に直面する。技術自体が無価値になるのではなく、品質管理と専門人材の固定費に見合う収益がない状態だ。医療機関向け研修・相談はAIエージェントへ移り、工数で稼ぐ部分が大きく失われる。旧事業に戻る余力はなく、河津町の土地賃料も契約条件の変更で減る。
経営は保有在庫を処分し、研究と販売の規模を縮めるが、低稼働の工場や本社費が利益を圧迫する。大規模な増資をしても資産価値の目減りを完全には防げない。企業としては縮小した形で残るものの、残存する不動産と回収可能な運転資産以外の継続利益に大きな値は付かない。約2050万株の増資が必要になり、既存株主の持分は約80%まで薄まる。これは経営計画に届かないだけの一時的不況ではなく、競争に負ける筋書きである。
- コスメ(マードゥレクス):数量 15.0(年間販売個数(万個・推計))× 価格 2,850(会社に入る平均単価(円/個))→ 売上 4 億円・営業利益 −1 億円。定番商品の競争力喪失と数量半減
- ビューティ&ウェルネス(ジヴァスタジオ):数量 3.0(年間販売台数(万台・推計))× 価格 12,500(会社に入る平均単価(円/台))→ 売上 4 億円・営業利益 −1 億円。テレビ通販枠と主力商品の魅力を失う
- 再生医療関連(RMDC):数量 150(原料・加工納入および相談の案件換算件数(件/年・推計))× 価格 0.01(案件換算1件の売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。稼働不足、内製化、AIによる相談案件の消失
- サステナブル(撤退事業):数量 0.0(商談・販売換算案件(件/年・推計))× 価格 0.01(1換算案件売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。撤退済み
- インベストメント(地上権賃料):数量 1.0(地上権賃貸契約の換算件数(件))× 価格 0.15(契約1件当たり年収入(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。地上権収益の大幅減額
- 旧販促・産業用AI機器(撤退済み):数量 0.0(旧受託・開発案件換算数(件・推計))× 価格 0.07(1案件当たり認識売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。撤退済み
倍率:継続赤字で正のPERが成立しないため、のれん・設備投資の失敗を除いた実現可能な土地・運転資産と純現金約4億円を下回らない企業価値をPBRで評価する。今の自己資本19.1億円×0.25=4.775億円であり、将来の増資後自己資本5.5億円を掛けたものではない。歴史的なPBR水準は参照しない。
確率:旧計画の撤回と繰り返した事業売却・減損、RMDCの債務超過を考えると存続だけで株主の利益が守られるとは言えない。顧客離れと資金不足の複合事象はまれだが無視できない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
コスメ(マードゥレクス)
EX:BEAUTEやNOWL等の化粧品を通販とECで販売する。数量は購入された個数、価格は卸・直販混合の会社認識額。
| 数量年間販売個数(万個・推計) | 価格会社に入る平均単価(円/個) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 34.0 | 2,791 | 9 | −2 |
| 10 年後 中立 | 37.0 | 3,450 | 13 | 1 |
取り方:2026年3月期決算短信の部門売上9.49018億円を起点とする。単価と販売個数は会社非開示。EX:BEAUTEの一般的な販売価格帯とTV・EC卸率を踏まえ認識単価を約2791円と仮定し、年間約34万個に逆算した試算上の単位で、実売個数ではない。将来の数量は国内化粧品市場約2.64兆円、同社シェア約0.036%と競争から考え、物価上昇は価格だけへ入れる。
ビューティ&ウェルネス(ジヴァスタジオ)
ジョグフット歩トレパット等の健康・美容機器。テレビ通販の編成と商品発売日程が販売台数を左右する。
| 数量年間販売台数(万台・推計) | 価格会社に入る平均単価(円/台) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 7.0 | 12,228 | 9 | −1 |
| 10 年後 中立 | 7.0 | 15,700 | 11 | 1 |
取り方:2026年3月期の部門売上8.55966億円を用いた。主力ジョグフット歩トレパットの公式小売価格19800円は税込の消費者価格であり、テレビ通販の手数料・卸売・他商品が混在する会社認識平均単価と同じではない。仮に約12228円で計算すると年間約7万台の換算台数となる。会社は全品目の台数を公表しておらず、この数量・単価は実際の販売台数の開示値ではない。
再生医療関連(RMDC)
化粧品原料のOEM、細胞加工施設の受託、医療機関への立ち上げ相談と研修。売上の大半を物的納入と仮定する。
| 数量原料・加工納入および相談の案件換算件数(件/年・推計) | 価格案件換算1件の売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 465 | 0.01 | 5 | −1 |
| 10 年後 中立 | 760 | 0.01 | 9 | 1 |
取り方:2026年3月期部門売上4.65228億円から、原料OEM・細胞加工の物的納入を仮に売上90%、医療機関立ち上げ相談・技術研修の工数サービスを10%と仮置きした。平均1案件約100万円、年465件は公開契約件数ではなく同額換算した単位。基準売上の90%側はAIで代替できない物理的製造、10%側は人月・工数型として中立10年後の実質案件数を0.65倍、単価1.20倍、2036年以降の名目成長0%とする。残る物理的OEMは中立で実質約1.75倍、単価は緩やかに上昇する想定で、合算すると2036年換算760件、単価0.0122億円になる。
サステナブル(撤退事業)
藻類培養・環境機器の旧事業。2026年8月に中核子会社の解散を決定した。
| 数量商談・販売換算案件(件/年・推計) | 価格1換算案件売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 8.0 | 0.01 | 0 | −1 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 0.01 | 0 | 0 |
取り方:2026年3月期のセグメント売上0.07943億円を小口8件に便宜換算した。実案件数は非開示で、2026年8月のアルヌール清算と環境機器販売終了の決議を根拠に、2036年の数量は全筋書きゼロとする。
インベストメント(地上権賃料)
静岡県河津町の所有地の地上権設定収益。土地帳簿額は約5億円。暗号資産の売却益は恒常売上に含めない。
| 数量地上権賃貸契約の換算件数(件) | 価格契約1件当たり年収入(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1.0 | 0.40 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 1.0 | 0.42 | 0 | 0 |
取り方:2026年3月期のインベストメント部門売上0.39999億円を、河津町の保有土地から得る継続地上権収入1契約換算とする。実際の地上権契約数・価格条項は非開示で、案件数は収入の説明単位。将来の契約追加は取得資本を要し確定していないため、中立1件、楽観3件、悲観1件とする。暗号資産の値上がり益は恒常利益に入れない。
旧販促・産業用AI機器(撤退済み)
2026年3月に解散・売却を決めたマーケット・エクスパンションとAI・テクノロジーの合算。
| 数量旧受託・開発案件換算数(件・推計) | 価格1案件当たり認識売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 7.0 | 0.07 | 1 | −2 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 0.07 | 0 | 0 |
取り方:2026年3月期の旧マーケット・エクスパンション事業売上0.01942億円・営業損失0.37085億円と旧AI・テクノロジー事業売上0.50152億円・営業損失1.66884億円を合算。実案件数と実単価は非開示なので7案件へ便宜換算。両事業は2026年3月に整理決定されているため2036年の数量と売上はゼロとし、AI製品として成長を計上しない。
リスクと懸念
商品を売るほど広告費が増える構造
化粧品の2026年3月期は売上が増えたのに営業損失が大きく拡大した。新商品のリピート率が想定を下回り、広告宣伝費と販促費を増やしても回収できなかったためだ。獲得客の再注文率が上がらなければ、消費者向け2事業の成長は売上ほど株主利益にならない。
RMDCの採算と許認可の維持
RMDCには細胞加工施設の許可があるが、2026年3月末には単体で債務超過であり、施設の稼働率と加工の粗利はまだ定着していない。研究の成功と商業受託契約の増加は同じではない。品質問題や規制改定による設備投資が生じれば、売上が拡大しても自由な現金が増えない。
増資・買収と既存株主の希薄化
過去10年に繰り返された新株発行は、企業が存続しても既存株主の取り分を薄くした。三和製作所の取得後に計画が崩れ、短期間で売却と減損に至った経験から、新しい買収資金を株式で集める提案には特に慎重に見る。悲観側は会社価値だけでなく、新株を引き受ける株主との取り分の変化も評価する。
AIエージェント代替
製造した化粧品、健康機器、細胞加工そのものはAIエージェントに置き換わらない。一方でRMDCの医療機関開設相談、運用支援、技術研修は人が時間を費やして報酬を得る仕事である。売上の仮定10%をこの型に分類し、中立の実質案件数量は10年で0.65倍、単価は1.20倍に抑えた。撤退済み販促事業を再計上しない。
地上権不動産と暗号資産の資本配分
河津町の土地は連結利益を支える一方、継続賃料が一つの土地に集中し、土地の換金額は帳簿通りと限らない。暗号資産投資は値上がりで利益を計上できても本業の値決め力にはつながらず、価格の下落は資金繰りに響く。地上権を保ったまま含み益を売却価値として二重に計上しないことも大切だ。
流動性の細りと継続企業に関する重要事象
2026年3月期の営業活動による現金流出は4億円超で、期末の純現金も約1億円と小さい。有報には継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が記載されるが、正式な継続企業の前提に関する注記は該当なしとされている。借り入れと追加増資への依存が深まれば、再建が進む前に株主価値が損なわれる。
今後の分かれ目
- 化粧品の獲得客の再購入率が上がり、売上増とともに広告宣伝費率が2年続けて下がったら
- コスメ部門の営業利益率と実質販売個数を中立から上方修正する。媒体依存ではなくブランドの堀が生じた証拠として、やや楽観の重みを上げる。
- RMDCが細胞加工の受託件数・平均納入単価・施設稼働率を数値開示し、年間で黒字を継続したら
- 許認可と製造ノウハウが増分利益を生むと認め、再生医療関連の数量と営業利益率を引き上げる。四半期の一時的な黒字のみなら現行の慎重な重みを保つ。
- 旧事業の清算後も連結の本社費が減らず、営業現金流出が年2億円以上続いたら
- 中立の黒字転換時期を後退させ、やや悲観と悲観の確率を上げる。自己資本が残っていても増資による既存株主の希薄化を織り込む。
- 大型の株式交換買収または希薄化を伴う新株発行を発表したら
- 買収案件の受注確度と実際の資金使途を検証し、発行後の株式数で既存株主の取り分を再計算する。事業価値の増加と取り分の低下を混同しない。
- QVCジャパンやロッピングライフ向けの販売が急減し、他販路へ移せなかったら
- 健康機器の実質台数と卸売単価を引き下げる。販路集中による価格交渉力の低下を考え、販売数量の減少以上の利益悪化を見る。
- 河津町の地上権契約が解約されるか、土地の利用継続が難しくなったら
- 年間の安定収入が消えるだけでなく、土地の税引き後の処分可能額も評価し直す。悲観の売却可能資産の床を機械的に維持しない。
見ておくもの
- コスメの販促費・広告宣伝費率と継続購入率、EX:BEAUTE・NOWLの数量
- ジョグフット等の健康機器出荷台数とQVC・ロッピングライフの売上比率
- RMDCのOEM納入件数、細胞培養加工施設の稼働率、セグメント利益と営業現金収支
- 連結本社費の四半期推移、撤退事業の整理損益と追加費用
- 新株発行・新株予約権残高と主要株主の持分比率
- 流動性資金、河津町地上権収入、暗号資産残高と借入金
倍率と資本コストの決め方
現在の株価54円と期末の事実に基づく純株数82034236株から時価総額約44.3億円を確認したが、事業の数量、単価、採算を決める際に現在のPBRやPERを根拠に使っていない。会社実績の財務は添付facts.jsonを正とし、最新開示は撤退判断、部門別の数量仮説、資本配分を検証するために用いた。楽観から中立の利益倍率は資本コスト10%、弱い堀による超過利益の残存3分の1、2036年以降の名目成長1.5%の利益式で算定した。中立はROEが資本コスト未満なので、PERの上限は稼ぐ力1÷kの10倍とする。悲観は現在の売れる資産と稼ぐ力から値付けし、将来積み上げた帳簿純資産をそのまま床に使わない。新リース基準後も家賃は費用処理する同一基準で比較し、見た目の貸借対照表の変更だけで価値を動かさない。
資本コスト 10.6% = 無リスク金利 3% + β — × 5% + 上乗せ 1.5%。通常の7.5%に事業の循環と低い価格支配力で合計1.0%、再建中の存続・資金調達上の負担として1.5%を加える。個別の買収失敗は別途確率に入れ二重にしない。