結論
ウリドキは、品物を売りたい個人と買取業者を結ぶ査定仲介と、リユース店舗への送客を担う情報媒体の会社である。長く持つ株主の見方では、リユース需要が伸びても今の時価総額には十分な安全域がなく、割高と判断する。直近の売上と利益は急伸している。しかし、その伸びをそのまま十年先へ延ばすには、買い手企業への依存と検索流入の変化が大きすぎる。
2025年11月期の営業収益は15.2億円、営業利益は約1.8億円だった。2026年11月期は会社が営業収益24.89億円、営業利益4.43億円を見込む。3四半期までの累計ではそれぞれ19.13億円と4.02億円に達した。事業が赤字から利益を生む段階へ進んだことは評価するが、これは同じ収益率で利用者が増え続ける保証ではない。
売上の約半分を占めるメディアは、AIによる検索回答や直接送客に最も侵食されやすい。仲介にも複数業者から査定を受ける利便性はあるが、最終的な売買はサイトの外で成立するため、決済網のような乗り換え障壁は薄い。2025年11月期には大口2社で売上のおよそ77%を占めており、交渉力はむしろ買い手にある。
中立の十年後には、実物の査定需要を拾うCtoB仲介が拡大する一方、情報媒体の有効問合せ数は減ると見る。5つの筋書きの価値を資本コストで現在に戻すと約29.7億円となり、2026年10月23日時点の時価総額約82.1億円を約64%下回る。独自の査定データが定着した収益と顧客分散に結びつくまでは、成長の勢いより予測の難しさを重く見るべき事業である。
バリュー投資の観点から
長く保有する事業として魅力的なのは、毎年多くの物が中古市場へ出て、買取業者が継続的に売り手を求める点である。これは一時の流行ではない。同社の仕組みが査定価格の透明性を高め、複数の買い手を集める場所として定着すれば、比較サイトから送客基盤へ進化する余地がある。設備や在庫をほとんど持たないため、伸びた利益を再投資して高い利回りを得られる可能性も残る。
ただし、保有したい会社と、今の値段で保有したい株式は別である。広告流入に毎年いくら払う必要があるか、顧客が成果報酬の増額をどこまで認めるか、業者が直接集客へ戻らないかを十年分予測するのは難しい。とりわけ売上の大半を少数の買い手が占め、収益の約半分が記事と広告反響に依存する構造は、価格決定権が売り手の会社自身にはないことを示している。
株主の取り分を測る際も、営業利益の全部を自由な現金とは呼べない。毎年の広告獲得費用、開発人員、個人情報保護、業者審査の費用を支払い続けなければ、査定依頼は細る。足元の純現金は存続の安全網だが、長期にわたり現金をためたままなら少数株主への価値は額面どおりには戻らない。過去の増配・自社株買いの実績がないことを見落としてはいけない。
筆者が確認したいのは、広告費が増えなくても有効依頼が増えるか、上位2社以外の業者で十分な利益が生まれるか、紹介1件当たりの稼ぎを持続的に上げられるか、という三点である。これがそろえば本物の堀になりうる。今は独自データという芽はあっても、十年先の超過利益を保証する証拠は足りない。安全域が乏しい価格を正当化するには、単に市場が大きいだけでは不十分である。
何で稼ぐ会社か
同社の稼ぎ口は二つある。CtoBマッチングサービス「ウリドキ」では、個人が品物の写真や情報を送り、登録された複数のリユース業者が査定する。個人の利用料は無料で、業者が有効な査定依頼を得たときに手数料が発生する。物品の買い取りと代金決済は業者と個人の間で行われ、同社が在庫を持つわけではない。売買総額や査定希望額を、そのまま同社の売上とみなしてはいけない。
「ウリドキプラス」を中心とするメディアサービスは、買取相場の記事、店舗の紹介、口コミなどを使って査定希望者を集める。収益は店舗情報の掲載料と、買取業者に対する有効問合せの送客料からなる。記事の作成費用や集客広告費を先に負担し、顧客が十分な反響を得れば継続する仕組みだ。掲載料も反響数と連動するため、掲載型と成果型を完全に分けた単価は開示されていない。
2026年11月期3四半期累計では、CtoBの有効査定依頼が94,195件で、対応する営業収益が8.98億円となった。メディアの有効問合せは38,014件、営業収益は10.15億円である。前年同期から件数はそれぞれ大幅に増えたが、CtoBの1件当たり収益は高級時計や貴金属からアパレルにも広げた商品構成の変化で低下した。件数の伸びと値決め力を別々に見る必要がある。
二つのサービスは同じ売り手の需要を共有する。記事から査定に誘導できれば広告費を抑えられ、仲介で集めた価格や口コミのデータを記事の質に戻せる。ただし現実には広告宣伝費も急増しており、利用者を無料で呼べる自走型の循環にはまだ至っていない。2026年11月期の見通しを基準にすると営業収益の構成は仲介が約47%、メディアが約53%である。
優良さと弱いところ
本当に守るべき強みは、売り手と買取店を同時に集める力である。複数のプロが査定価格を提示し、口コミと取引データを蓄積する仕組みには、単なる広告記事にはない価値がある。2026年には査定相場の予測モデルを実装し、利用者が依頼前に目安を知る機能も加わった。これらは依頼の質を高める可能性があるが、AIの機能そのものからの売上額はまだ開示されていない。
堀、すなわち競合が容易に奪えない強みは、現段階では細い。契約解除率や契約継続年数、顧客1社を移すための年単位の費用は公表されていない。法的な記録原本を独占する基盤でもなく、買取業者は自社サイト、広告代理店、他の比較サービスを同時に使える。大口顧客に値上げを受け入れさせた持続的な実績も確認できないため、独自データがあるだけで強い堀とは判定しない。
さらに2025年11月期の売上のうち、エンパワーといーふらんの2社で約77%を占めた。買い手側の数が増えるほど査定の競争は活発になるが、売上を払う大口は価格や送客条件を交渉できる。顧客基盤の量と収入源の分散は別物である。表面上の高いROEも、上場直後まで自己資本が極めて小さかった反動が大きく、資本効率の長期的な証明にはならない。
好ましい点は、在庫を持たず借入金が少ないことである。2026年8月末の現預金は8.06億円、借入金は約0.15億円だった。しかし売掛金の増加と業者向け広告費の先払いが運転資金を使う。2026年3四半期累計の広告費増4.47億円に対し営業利益増は2.78億円で、一見すると投資回収は速い。しかし広告費は当期費用であり、顧客の継続率も不明なため、これをそのまま増分ROICが資本コストを超えた証拠とは呼べない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
日本のリユース市場は拡大している。会社資料が引用する業界調査では、2025年の市場規模は約3.5兆円で、2030年に4兆円へ増える見通しだ。消費者が使わなくなった品を現金化する動機や、買取店舗の仕入れ需要は十年後も残る。ただし、この市場規模は物品の売買金額であり、査定紹介や広告の手数料市場とは別の母数である。
会社は2024年のCtoCを除くリユース流通1兆9,159億円に、上場リユース企業4社の平均的な広告費率7.55%を掛け、買取業界の広告市場を約1,447億円と推計した。2025年11月期の営業収益15.2億円をこの母数で割ると約1.1%となる。しかし分子には仲介手数料と媒体掲載料が混在し、分母も会社独自の推計である。この数値は開拓余地を見る粗い目安にとどまり、独立した調査による厳密な市場シェアではない。
十年後の買取向け広告市場は、物価3%と実質需要の小幅な伸びを踏まえ、中立で約2,100億円と推計する。両事業は同じ広告予算を対象にしているため、分けた市場規模を単純合算しない。2025年のCtoB約0.50%とメディア約0.55%という代理シェアは、中立では約0.98%と0.55%になる。
競争相手は一つの会社ではない。メルカリは個人間の売却を簡単にし、マーケットエンタープライズの「おいくら」や「ヒカカク!」は査定の比較導線を持つ。いーふらんの「おたからや」、エンパワーの「買取大吉」、コメ兵、バリュエンス、バイセルなどは、同社の顧客であると同時に自力で売り手を集められる競争相手でもある。各社の買取紹介市場での直接比較可能なシェアは確認できず、競合別の数値を創作することは避ける。
2024年のリユース店舗数は約19,795店で、2019年の約16,775店から増えた。店舗間の仕入れ競争は送客への支払い意欲を支えるが、Google広告の入札費や人件費も押し上げる。今後さらに大きい変化は、検索サイトを介さずAIエージェントが複数の査定先へ照会する世界である。既存の記事が要約され、利用者が媒体ページを訪れなくなれば、有効問合せ数は市場そのものが増えても減りうる。仲介の価値は情報ではなく、信頼できる業者の確保、現物の査定、取引結果までの責任に移る。
資本政策と M&A
資本配分にはまだ長期の実績がない。2025年11月期まで配当はなく、2026年11月期の会社予想も無配である。公表された配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い金額の数値目標は確認できず、還元の数字の約束はない。
2026年7月の投資家向け回答では、中期的な営業収益成長率40%を目標として維持すると説明した。ただし、これは毎年度40%の増収や特定年度の売上到達額を約束するものではない。中期計画として営業利益、ROE、配当性向を結びつけた目標数字も確認できない。2026年11月期通期予想の営業収益24.89億円、営業利益4.43億円、純利益3.07億円と、この中長期的な目標は分けて考える。
事業買収で利益を大きく増やした実績は確認できず、足元の拡大は主に既存顧客への送客増加と広告投資による。2025年末から2026年半ばには新株予約権の行使などで発行済株式が増えたため、成長しても既存株主の持分が薄まる可能性には注意する。
2026年半ば時点で上位株主の保有比率は合計6割台後半と高く、過去5年に増配も一定規模の自社株買いもない。ためた現金が少数株主に必ず返るとは言えないため、余剰現金の株主への戻り方は慎重に半分で見る。企業買収や積極投資は、その支出額だけでなく、獲得した1件当たり利益が資本コストを超えるかを事後に検証すべきである。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
リユース業界には、人々が家に眠らせている品を再流通させる大きな余白が残る。業界調査は2025年の市場を約3.5兆円とし、店舗数も増加している。買取業者の競争が激しくなるほど、質のよい査定希望者を早く集める仕組みへの需要は強まる。ウリドキは売り手に無料で複数査定を提示でき、実際の成約代金を預からない。大規模な在庫投資や価格変動リスクなしに取引の接点を増やせることが強みだ。
急成長はすでに数字になっている。2026年11月期3四半期の有効査定依頼は前年同期比で8割以上伸び、メディアの問合せも6割以上増えた。営業利益率は前年同期の11.7%から21.1%へ改善し、顧客との取引量が増えるほど固定費を吸収できることを示した。今後、いーふらんやエンパワー以外の買取店が増えれば、買い手側の競争と料金交渉力を取り戻せる。高級品に加えてアパレルに裾野を広げることで、需要の回数も増えるだろう。
独自の査定価格データや口コミはAIにも使える。2026年に公開した相場予測機能を、売り手の不安を減らす仕組みとして磨けば、ユーザーは検索結果の要約より正確な複数社の査定を求める。提携先の自治体や住宅管理会社との導線も増やせる。現実の買取業者への接続という役割はAIだけで完結しないため、AIの利用が仲介の価値をむしろ高める余地がある。十年で送客件数が大きく増えれば、現在は細い堀も幅を持ち、顧客分散と株主還元の開始につながりうる。
慎重な見方
急成長のかなりの部分は広告を買って生んだ取引量かもしれない。2026年11月期3四半期までの営業収益は前年同期から約8.45億円増えたが、広告宣伝費も約4.47億円増やしている。広告入札が高くなれば、追加1件の依頼を集める利回りは急速に悪化する。取引がサイト外で完了するため、売り手の再来訪と買取店の継続利用を直接支配できない。出入りの容易さは、規模が大きくなっても解消しない弱点である。
最大の問題は大口顧客との力関係だ。2025年11月期の売上のおよそ77%をエンパワーといーふらんが占めた。両社とも自社の店舗網や広告を持ち、直接買い取る能力がある。送客単価の値下げを求められたり、契約の一部を内製集客に切り替えられたりしたとき、ウリドキ側が失う粗利益は大きい。CtoBの平均手数料も、アパレルへ広げる過程では実際に低下しており、物価の上昇をそのまま価格に転嫁できる証拠はない。
さらにAIエージェントが、売り手の代理で画像や商品情報を読み取り、買取店の提示額を集めるようになる。そうなれば比較記事を読ませる媒体や、画面で一件ずつ査定依頼させる導線の価値は薄れる。大手買取業者は自社アプリや検索広告から直接集客を増やせる。独自のデータは役に立っても、買取業者がウリドキの価格予測に依存する仕組みではない。料金表や継続率の開示が限られ、AI機能による収益も確認できない以上、競争力を十年先まで高く評価するのは早い。
どちらに重みを置いたか
リユースの物理的な買取需要が残るという強みは認める。しかし、同社にとっては需要が存在することと、売り手の集客利益を独占できることは全く違う。2025年の大口2社への売上集中と、2026年の広告費増加は、慎重な見方に具体的な根拠を与える。中立でもCtoBは増えると評価し、AIエージェント代替は主にメディアの数量と十年後以降の低成長率に反映した。そのうえで、確率を下側44%、上側28%へ寄せる。悲観だけを厚くして二重に悪く見たのではなく、現状の契約依存と媒体の構造的な弱さを別々の筋書きにした判断である。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/11 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 1,346 円62 億円(+ 還元の換算額還元の合計 53 円2 億円)。 今の値に割り戻すと 644 円30 億円、今との差 −63.7%、 期待の年率 −2.4%(資本コスト 8.3%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 3,937 円182 億円 | 173 円8 億円 | +131.7% | +9.0% | 411 円19 億円 |
| やや楽観 | 18% | 2,429 円112 億円 | 108 円5 億円 | +43.0% | +3.7% | 457 円21 億円 |
| 中立 | 28% | 1,383 円64 億円 | 43 円2 億円 | −19.6% | −2.2% | 399 円18 億円 |
| やや悲観 | 27% | 416 円19 億円 | 13 円1 億円 | −75.8% | −13.4% | 116 円5 億円 |
| 悲観 | 17% | 89 円4 億円 | 0 円0 億円 | −95.0% | −25.9% | 15 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,346 円62 億円 | 53 円2 億円 | −21.2% | −2.4% | 1,398 円64 億円 |
今の株価時価総額 1,774 円82 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 買取市場の接点が増え、業者も分散する 利益 13 億円 · PER 13.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3,937 円182 億円
リユース市場の拡大と買取店舗間の仕入れ競争が、売り手向けの査定サービスを支える。ウリドキは高級腕時計や貴金属の売り手に加え、ブランド衣料や生活用品の売り手も安定して集める。複数の業者による査定価格の比較と取引レビューが繰り返し使われ、自治体や住宅関連会社からの紹介も増える。CtoBの有効査定依頼は約38万件に達し、2026年の推計を大幅に上回る。
既存の大口2社は引き続き重要な取引先だが、他の買取業者が増えて収入源は分散する。1件当たり手数料の値上げも徐々に定着し、物価上昇におおむね追随できる。AIによる価格予測機能は依頼の質を高める補助となるものの、AI機能から未公表の売上を勝手に足すことはしない。媒体の有効問合せは検索環境の変化があっても横ばいで踏みとどまる。
利用者獲得を広告だけに頼らず、口コミと紹介の循環で利益率は現在より上がる。大規模な買収をせず、積み上がった現金の一部から配当や自社株買いを始める。十年後に実際の買取網と査定データが結びつくなら、細かった堀が守りやすいものへ変わる余地がある。買取業界の広告市場をこの筋書きで約2,700億円と見た場合、仲介と媒体の合算した代理シェアは約2.4%に相当する。
- CtoBマッチングサービス:数量 380,000(年間の有料有効査定依頼件数(件))× 価格 12,770(有料査定依頼1件当たり営業収益(円))→ 売上 49 億円・営業利益 15 億円。有料査定件数は2026年推計の約3.1倍、平均単価は1.34倍。再訪と業者分散で広告効率を改善する上振れ。2036年の同一の買取広告市場2,700億円に対する代理シェアは約1.80%。
- メディアサービス(ウリドキプラス等):数量 49,460(年間の収益対象有効問合せ件数(件))× 価格 34,710(有効問合せ1件当たり掲載料・成果報酬合計の平均営業収益(円))→ 売上 17 億円・営業利益 4 億円。メディアの件数は厳密に横ばい(1.00倍以下)、1件平均収益は1.30倍。AI検索流入の減少を自社ブランドで補う例外的な成功。同じ市場に対する代理シェアは約0.64%であり別市場ではない。
倍率:k8.25%。現金50億円が短期金利2%で生む税後利息0.70億円を全社純利益12.658億円から外し、事業純利益11.958億円を得る。現金を外した事業自己資本28.0億円でROE約42.7%。弱い堀の残る割合1/3によりRONIC約19.7%。AIエージェント代替を織り込むg1%から正当化PER約13.09倍。余剰現金の株主への戻り方50%で25億円を別に足す。
確率:上位顧客からの取引拡大に加え、他の買取業者まで独立して増やし、広告費を抑えながら十年で仲介件数を約3倍にする複合成功が必要である。実現余地はあるが、契約継続率の実証がなく確率は1割。
やや楽観 18% 仲介の拡大が媒体の縮みを上回る 利益 8 億円 · PER 13.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,429 円112 億円
買取業者は引き続き中古品の仕入れを競い、比較査定を通じて売り手を集めるニーズが残る。ウリドキの仲介は高級品以外にも広がり、有効査定依頼は約27万件になる。買い手を増やす営業が進み、大口顧客への偏りはやや薄まる。平均手数料は品目の低価格化と値付けの見直しがほぼ相殺し、物価上昇より少し遅れて増える。
一方、ウリドキプラスの記事はAIの検索結果に吸収される場面が増える。掲載先と口コミのデータから現実の店舗へつながる問合せは残るものの、有効問合せ件数は現在の約9割となる。掲載料を含む平均収益は緩やかに上がり、媒体の売上自体は大きく崩れない。AIの運用補助は制作費を抑えるが、独自のAI販売収入は見込まない。
広告投資には一定の規律が生まれ、固定費を吸収することで全社の営業利益率は2割を超える。経営は買収よりも既存顧客との関係強化に資金を優先し、余剰資金の一部で小規模な株主還元を始める。顧客集中が解消しきらず、堀の格付けはまだ強いとは言えない。買取業界の広告市場をこの筋書きで約2,400億円と見た場合、仲介と媒体の合算した代理シェアは約2.0%に相当する。
- CtoBマッチングサービス:数量 269,600(年間の有料有効査定依頼件数(件))× 価格 11,910(有料査定依頼1件当たり営業収益(円))→ 売上 32 億円・営業利益 8 億円。有料査定依頼2.2倍、平均単価1.25倍。仲介の規模拡大と粗利改善が進む。2036年の同一の買取広告市場2,400億円に対する代理シェアは約1.34%。
- メディアサービス(ウリドキプラス等):数量 44,500(年間の収益対象有効問合せ件数(件))× 価格 33,642(有効問合せ1件当たり掲載料・成果報酬合計の平均営業収益(円))→ 売上 15 億円・営業利益 4 億円。有効問合せが0.90倍、1件平均収益1.26倍。AI要約の影響を記事以外の送客で部分吸収。同じ市場に対する代理シェアは約0.62%であり別市場ではない。
倍率:k8.25%、余剰現金36億円に対応する税後利息0.504億円を全社純利益7.742億円から除いた事業純利益7.238億円を、事業自己資本20.8億円で割るとROE約34.8%。弱い堀の残存率1/3でRONIC約17.1%、g_long1%とすると正当化PER約12.99倍。余剰現金の戻り方50%で18億円を別に足す。AIエージェント代替はgと媒体数量に反映済み。
確率:CtoB案件数を十年で2.2倍にすることは市場拡大と既存顧客の予算増加から十分あり得るが、AIで媒体の件数は減る。高成長を長年続けるには顧客分散も必要であり、上側の第二の筋書きとして18%。
中立 28% 仲介は伸びても検索型メディアが細る 利益 4 億円 · PER 12.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,383 円64 億円
リユース市場は成長を続けるが、ウリドキがその成長をすべて売上にできるわけではない。買取業者は自社サイトの査定受付も強化し、いーふらんやエンパワーのような大手は広告予算を複数の媒体へ振り分ける。ウリドキは高級品だけでなく中価格帯の売り手を増やし、CtoBの有効査定依頼は約18万件となる。1件当たり収益は上がるが、品目構成の低価格化で物価上昇には追いつかない。
AIエージェントが利用者に代わって査定先を検索し、買取記事の要点をまとめるようになる。メディアの有効問合せ件数は約3万9千件へ減少する。ウリドキプラスは口コミや現実の店舗情報によって一定の価値を残すものの、広告枠や送客単価の伸びは物価に届かない。自社でAI価格予測を提供しても、媒体への訪問減少を完全には防げない。
全社では仲介事業の拡大がメディアの縮みを補い、売上と純利益は今より少し伸びる。販管費の上昇と広告入札の競争により営業利益率は高成長期の水準を超えない。経営は基本的に利益を留保し、一部を還元するだけなので、貸借対照表には現金が大きく積み上がる。未成熟な顧客分散とAIの脅威が残り、十年後も高い永続成長率を正当化する企業にはならない。買取業界の広告市場をこの筋書きで約2,100億円と見た場合、仲介と媒体の合算した代理シェアは約1.5%に相当する。
- CtoBマッチングサービス:数量 183,800(年間の有料有効査定依頼件数(件))× 価格 11,245(有料査定依頼1件当たり営業収益(円))→ 売上 21 億円・営業利益 5 億円。有料査定1.50倍、平均単価1.18倍。物価3%の累積1.34倍を下回るのは中価格帯への拡大と大口業者の価格交渉による。2036年の同一の買取広告市場2,100億円に対する代理シェアは約0.98%。
- メディアサービス(ウリドキプラス等):数量 38,580(年間の収益対象有効問合せ件数(件))× 価格 29,904(有効問合せ1件当たり掲載料・成果報酬合計の平均営業収益(円))→ 売上 12 億円・営業利益 2 億円。有効問合せ0.78倍、掲載料を含む平均収益1.12倍。自社媒体型広告へのAIエージェント代替を数量・価格の双方へ反映。同じ市場に対する代理シェアは約0.55%であり別市場ではない。
倍率:2036年の全社純利益4.34億円から余剰現金26億円の税後利息0.364億円を差し引き、事業純利益を3.976億円とする。現金を除く事業用自己資本16.7億円へのROE約23.8%。k8.25%、moat=weak(超過利回りの残存1/3)でRONIC約13.4%。g_longはAIエージェント代替と送客競争により名目1%とし、式の正当化PER約12.77倍をそのまま採用。現金の50%に当たる13億円を別に加える。
確率:成熟しつつある比較型媒体でAI要約による流入の減少が避けられない一方、現実の買取業者とのマッチングは残るとの中心見通し。仲介の有料依頼1.5倍、メディア0.78倍を数量の中心にする。
やや悲観 27% 大手の内製集客が仲介にも波及する 利益 2 億円 · PER 9.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 416 円19 億円
検索エンジンの回答欄やAIエージェントが、利用者に代わって近隣の買取店を絞り込み、査定先への連絡まで代行する。記事を経由する有効問合せは今の約6割に減る。媒体上の有効問合せ1件当たり収益はわずかに上がるが、広告主は反響の質と成約率をより厳しく見て、掲載料の改定を受け入れにくくなる。
CtoBの仕組みはまだ必要とされるが、大口顧客が自社アプリや外部の広告運用を強化し、ウリドキに払う紹介手数料を圧縮する。高級品から中価格帯への移行も続くため、有効査定依頼は現在の約9割に減り、1件当たりの収益も物価には届かない。新しい買取業者を探しても、大手2社の落ち込みを補いきれない。
経営は広告費を削り、開発や審査の機能を維持しようとするが、費用の下がる速度は売上ほど速くない。利益率は1桁台へ低下し、蓄積した現金の一部は業者獲得と立て直しへ使われる。大きな買収をして売上を膨らませる余地はあるものの、既存株主の価値を増やすとは見込まない。成長企業ではなく、収益性の低い送客業者として残る十年である。買取業界の広告市場をこの筋書きで約1,900億円と見た場合、仲介と媒体の合算した代理シェアは約1.0%に相当する。
- CtoBマッチングサービス:数量 110,300(年間の有料有効査定依頼件数(件))× 価格 10,197(有料査定依頼1件当たり営業収益(円))→ 売上 11 億円・営業利益 2 億円。有料依頼0.90倍、平均単価1.07倍。大手買い手の予算内製化で手数料を維持できない。2036年の同一の買取広告市場1,900億円に対する代理シェアは約0.59%。
- メディアサービス(ウリドキプラス等):数量 29,680(年間の収益対象有効問合せ件数(件))× 価格 27,768(有効問合せ1件当たり掲載料・成果報酬合計の平均営業収益(円))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。自社媒体の有効問合せ0.60倍、平均収益1.04倍。情報収集のAI代理化が広告枠を圧迫。同じ市場に対する代理シェアは約0.43%であり別市場ではない。
倍率:全社純利益1.519億円から現金13億円に対する税後利息0.182億円を外すと、事業純利益1.337億円。現金以外の自己資本17.0億円へのROE約7.9%は資本コスト8.25%未満であり、継続的に利益を留保しても高い成長価値を見込めない。稼ぐ力の上限1/k=12.12倍を下回るPER9.5倍を慎重に採用し、余剰現金の戻り方50%で6.5億円を足す。
確率:下に寄せる理由:営業収益の約77%を担った2社の交渉力が強く、顧客側が直接集客に移すと仲介手数料も落ちる。自社媒体のAI代替も同時進行するため、十年のやや悲観に27%の重みを置く。
悲観 17% AIと大手の直接集客で媒体が構造的に敗れる 利益 −1 億円 · PBR 1.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 89 円4 億円
中古品の売買は続いても、売り手と買取業者がウリドキを使う必然性は大きく薄れる。AIエージェントは写真から品目を特定し、複数の買取先へ自動で照会する。大手買取業者は独自のアプリや検索広告へ送客予算を集中させ、ウリドキの媒体広告を削る。メディアの有効問合せは現在の3割台となり、平均収益も名目で下落する。
CtoBの有料査定依頼も半減し、買取業者は紹介料の割引を要求する。高級品の売り手を維持できず、売上の大半を安価な送客と少数の契約に頼るようになる。口コミと価格データの蓄積は残っても、業者の仕事の記録原本や決済インフラにはならない。顧客の乗り換えに大きな障害がないという弱さが表面化する。
固定の開発費と信頼性維持の費用が残り、広告削減だけでは収支が合わず、営業赤字へ転落する。積み上げた過去の利益は集客や再構築で消費され、株主還元も行われない。2026年8月に自己資本が増えた後も、事業の縮小と累積損失によって資産の厚みは失われる。新規M&Aで再起する筋書きは、さらに資本を必要とするためここでは評価しない。事業の継続価値は乏しく、2025年11月期末の自己資本を保守的な価値の床とする。買取業界の広告市場をこの筋書きで約1,700億円と見た場合、仲介と媒体の合算した代理シェアは約0.6%に相当する。
- CtoBマッチングサービス:数量 61,270(年間の有料有効査定依頼件数(件))× 価格 8,577(有料査定依頼1件当たり営業収益(円))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。有料依頼0.50倍、手数料0.90倍。売り手と買い手が直接照会し中抜きが進行。2036年の同一の買取広告市場1,700億円に対する代理シェアは約0.31%。
- メディアサービス(ウリドキプラス等):数量 17,310(年間の収益対象有効問合せ件数(件))× 価格 24,030(有効問合せ1件当たり掲載料・成果報酬合計の平均営業収益(円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。有効問合せ0.35倍、平均収益0.90倍。AI検索への代替で媒体運営が赤字化。同じ市場に対する代理シェアは約0.24%であり別市場ではない。
倍率:2036年は営業利益と純利益がともに赤字であり、PERを使わない。SCHEMA第1-3節に従い、悲観の床は十年間の利益蓄積後の自己資本ではなく、基準期である2025年11月期末の自己資本4.1億円で評価する。悲観では2026年8月末の自己資本7.78億円から、その後の累積損失により2036年の自己資本が4.1億円まで減ると想定する。このためPBR1.00倍を4.1億円に掛け、時価総額は4.1億円とする。余剰現金はこの資産価値に含まれるため、別途加算しない。
確率:リユースの実物市場は消えないため全面倒産の確率は高くない。ただし大口2社の取引縮小とAIによる検索媒体の中抜きが重なると、固定費を負担できず構造的に赤字へ戻る。業績の蓄積が短く、強い堀の開示もないため17%とする。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
CtoBマッチングサービス
個人の品物を複数の買取業者が査定する仲介。業者から有効査定依頼に対応した手数料を受け取るが、実際の売買代金は扱わない。
| 数量年間の有料有効査定依頼件数(件) | 価格有料査定依頼1件当たり営業収益(円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/11 | 122,540 | 9,530 | 12 | 2 |
| 10 年後 中立 | 183,800 | 11,245 | 21 | 5 |
取り方:2026年11月期3四半期の有効査定依頼94,195件と営業収益8.98億円から1件当たり9,533円を算出。会社の通期営業収益予想24.89億円を、3四半期の部門別売上比率46.9%で配分するとCtoB約11.68億円となる。単価約9,530円で割った年換算有効依頼122,540件は分析者推計であり会社の件数予想ではない。営業利益2.28億円は会社が部門利益を開示していないため全社営業利益予想4.43億円を便宜的に配分した推計。件数は実質数量で、価格は請求単価と品目構成を含む名目値。AIエージェント代替の型では、人月や席で売るソフトではなく、現物を売る人と買取業者をつなぐ実取引型のマッチングと判定する。業務の記録の正本と呼べる解約率などの証拠はない。
メディアサービス(ウリドキプラス等)
リユース記事、相場情報、店舗紹介、口コミから買取希望者を集め、掲載料と問い合わせ獲得料を買取業者から得る自社媒体。
| 数量年間の収益対象有効問合せ件数(件) | 価格有効問合せ1件当たり掲載料・成果報酬合計の平均営業収益(円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/11 | 49,460 | 26,700 | 13 | 2 |
| 10 年後 中立 | 38,580 | 29,904 | 12 | 2 |
取り方:2026年11月期3四半期の有効問合せ38,014件と営業収益10.15億円より、掲載型料金を含む1件当たり平均26,701円を逆算。全社通期営業収益予想24.89億円のうち3四半期売上構成比53.1%を当てた約13.21億円と整合する年換算問合せ49,460件は推計。掲載料も件数に連動する傾向だが純粋な送客単価と区別できず、この額は混合収益の代理単価である。営業利益2.15億円は会社非開示のため全社利益との差として仮配分。自社媒体なのでAI検索要約による流入喪失を数量に反映する。AIエージェント代替の型は「自社の媒体・プラットフォームの広告枠を売る」で、検索のAI要約による利用者の減少を中立の数量に、広告枠価格の交渉を名目単価に、継続後の伸びをg_longに反映する。
リスクと懸念
AIエージェント代替と検索流入の空洞化
記事を探して買取相場を読んだ利用者が店舗に電話する、という行動はAIの要約と代行照会に置き換わりやすい。とくにメディア売上は自社媒体の広告枠と送客の型であり、今後十年は有効問合せ数と掲載料の両方に下押し圧力がかかる。CtoBもAIが査定先を自動選択すれば画面の利便性だけでは守れない。
大口顧客への集中と内製化
2025年11月期の営業収益のおよそ77%を、エンパワーといーふらんの2社が占める。両社は店舗網と独自の広告運用機能を持ち、送客単価の再交渉や自社集客への移管が可能だ。上位顧客の比率が下がらないまま取扱件数だけが増えても、相手方の交渉力が強くなり利益は比例して伸びない。
広告費高騰と増分利益率の悪化
2026年11月期3四半期累計では売上増加に対して広告宣伝費も大きく増えた。業者が欲しい顧客を獲得するための広告費が上がれば、有効査定1件から得る手数料では回収しきれなくなる。検索経由の自然流入と広告経由の流入を分け、広告費控除後の1件当たり利益を追わないと、見かけの成長率が経済価値を過大に見せる。
高級品から中価格帯への商品構成変化
CtoBの平均手数料は、2026年の査定件数が伸びる一方で前年から低下した。会社はアパレルなど中価格帯への拡張による構成変化だと説明する。件数が増えれば必ず高い単価を取れるわけではなく、消費者の品目構成が変わるほど売上と利益の伸びに差が出る。インフレ3%を機械的に手数料へ転嫁できる事業ではない。
株式希薄化と資本還元の不確実性
上場前後に新株予約権の行使を通じて発行済株式が増えた。今後も役職員や投資家向けの潜在株式が行使されれば、会社全体の利益が増えても既存株主1人の持分は減る。配当と自社株買いの数値方針はなく、主要株主への保有集中もあるため、現金がたまることと少数株主に戻ることを同一視できない。
小規模組織と個人情報・取引の信頼性
従業員は2026年8月時点で約20人と小規模であり、買取業者の本人確認、査定価格の説明、虚偽レビューの排除、個人情報の管理には継続費用がかかる。売り手が高額品を安心して査定に出す信頼を失えば、送客件数は広告を増やしても戻らない。事故や規制対応の費用が利益に与える影響は事業規模に比べて大きい。
今後の分かれ目
- 上位2社向け売上比率が5割未満となり、他の買取業者の手数料売上が着実に伸びたら
- 買い手側の交渉力低下とネットワークの広がりを認め、CtoBの中立件数と継続利益率を上方修正する。堀の再判定には契約更新率も確認する。
- 広告宣伝費の増加が止まっても有効査定依頼と有効問合せが増え続けたら
- 自走する自然流入と取引データの強みが確認できるため、メディアの数量減少を緩め、増分の投下資本利益率を引き上げる。
- AIによる検索要約の普及と同時にメディアの自然検索経由問合せが継続して2割以上減ったら
- 自社媒体の広告枠が陳腐化したと判断し、メディアの価格と数量を下方修正してやや悲観・悲観を厚くする。AI自社機能の導入だけで相殺したとは見なさない。
- CtoBの平均手数料が件数増加の下でも2年以上連続して上昇し、利益率も維持できたら
- 品目構成に左右されない料金交渉力を認め、価格の十年見通しを物価並みに近づける。ただし単価上昇が高価格品への一時的回帰でないか確かめる。
- 営業収益成長率40%という中期目標に届かず、紹介単価と広告費控除後利益も同時に悪化したら
- 需要の成長と会社の取り分が分離していると判断し、CtoBのシェア獲得速度を弱める。買収を伴う拡大なら、その買収対価も投下資本に加える。
- 数値で定めた配当性向や自社株買い方針が導入され、累積利益の相当部分を実際に還元したら
- 余剰現金が株主へ戻る割合の評価を半分から引き上げる。ただし新株予約権などによる希薄化と相殺して純還元を測る。
見ておくもの
- CtoB有効査定依頼件数と1件当たり平均営業収益を四半期ごとに分離して追う
- メディア有効問合せ件数、掲載料を含む1件平均営業収益、自然検索経由の構成比
- エンパワー・いーふらん向け収益の構成比と第三位以下の顧客の増加
- 追加1件を得る広告宣伝費(CPA)と広告費控除後の営業利益率
- AI査定相場予測の利用実績と、それに伴う有料依頼・売上の実績額
- 現預金、営業債権と未払金、新株予約権行使後の発行済株式数、配当と自社株買い
- 会社の中期的な売上成長率40%目標と、実際の数量・手数料の進捗
倍率と資本コストの決め方
2026年11月期の会社予想を、直近3四半期に開示された有効査定依頼94,195件と媒体問合せ38,014件、各部門の売上から年換算した。
資本コスト8.25%と長期名目成長1%から、楽観・やや楽観・中立のPERは事業用の自己資本に対するROEと堀の弱さ(超過利回りの残存3分の1)に基づく正当化上限の約12.77〜13.09倍を採用した。現金からの受取利息を利益倍率と資産価値の両方へ入れないよう、シナリオごとの余剰現金の税後利息を控除した。過去や同業の市場PER・PBRは根拠にしていない。
悲観ではSCHEMA第1-3節に従い、十年後の積み上がった自己資本ではなく、添付factsの2025年11月期末自己資本4.1億円を資産価値の床とした。悲観の十年後自己資本と時価総額をともに4.1億円とし、PBR1.00倍との一致を確認した。これにより将来自己資本へ床の倍率を掛ける誤りを避け、余剰現金も二重計上していない。2036年以降のAIによる縮みはg_longに入れ、資本コストの寿命調整には上乗せしていない。会計基準の変更によるリース負債の表示変化があっても、事務所の賃借料を引いた実態利益で比較を保つ。
資本コスト 8.3% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。国債3%と株式リスクプレミアム4.5%による基本7.5%へ、事業の循環・料金交渉力・純現金を通じた質の調整0.75%を加える。個別顧客の契約リスクとAI代替を別途kに足さない。