結論
セックは、衛星や道路交通、医療、ロボットなど、現実の動きを止めずに制御するソフトウェアの専門会社だ。技術の希少性は評価するが、現在の時価総額は10年後の持続可能な稼ぎに比べて割高と判断する。2026年3月期まで9期連続の増収増益で、利益率も高く、負債の少ない堅実な経営が続いてきた。とりわけ社会基盤システムと宇宙先端システムは、官公庁の更新需要と宇宙開発の政策支援を受ける。
ただし、社会的に必要なシステムと、それを人の工数で開発する会社の売上は同じではない。AIエージェントが設計補助、実装、試験書類の作成を引き受けるほど、顧客が支払う開発人月は減る。安全性の高い制御ソフトは人間の検証が残るため、汎用アプリほど急には消えないが、同社が工数削減分を成果報酬やソフト利用料として回収しているという定量的証拠はない。将来の宇宙産業の成長を、そのまま同社の売上成長にはできない。
10年後の中立では、四つの事業分野のうち、社会基盤と宇宙の売上が概ね維持され、一般ITとモバイルの開発売上が縮む。純利益は現状より小さくなり、配当を続けても現金が積み上がるため自己資本利益率は低下する。現預金と投資有価証券は下値を支えるが、それだけで現在の企業価値を正当化することは難しい。強い事業が必ずしも魅力的な購入価格と一致しない典型例である。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の目では、まず十年後も支払いを受ける理由があるかを問う。宇宙機や道路交通の現場はなくならず、故障しては困る制御ソフトの安全性には対価が支払われる。半世紀を超える実績、難しい案件を納めてきた技術者、官公庁・研究機関からの信頼は、貸借対照表に見えない資産だ。ここには一般的な人材派遣型SIとは異なる質がある。
しかし、顧客が買っているのが完成した価値なのか、そこに至る技術者の時間なのかを区別しなければならない。今後はAIがプログラムや試験仕様を作るため、必要な技術者が少なくても同じ設備を動かせる。安全確認の責任を負う最後の人間は残るが、受託契約である限り削れた工数分は顧客からの請求が減る危険がある。売上が伸び続けた過去の曲線を、そのまま先へ延ばしてはならない。
資本配分は現時点で大きく毀損していない。株主配当は増えており、借金もほぼない。ただし40%程度の配当では利益の相当部分が会社に残り、資本効率の低い新規技術投資に向かえば株主価値が削られる。逆に、余剰資金を多く還元するか、技術を使い回せるライセンス収益に転換できれば評価を変える理由になる。
未知の価値を一切否定する必要はないが、実証段階の宇宙ロボットを安定した独占収益として先買いするのも危うい。今の時価総額はすでに研究機関からの受注と高利益率が相当長く続くことを期待している。筆者が少数株主として十年持つなら、強い製品と高い値付けの両方ではなく、証明されたオーナー利益と相応の安全域を求める。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの核は『現実世界と直接やり取りするソフトウェア』の設計と受託開発である。センサーから不規則に届く信号を期限内に処理し、交通・宇宙機・医療機器を正しく動かすリアルタイム技術を1970年から磨いてきた。制度上の報告セグメントは情報サービス事業の一つだが、会社は顧客と用途によって四つのビジネスフィールド(BF)を公表する。2026年3月期の売上は社会基盤55.37億円、宇宙先端31.59億円、インターネット17.84億円、モバイルネットワーク7.40億円である。
社会基盤ではETC・VICS、高度交通管理、防衛、司法を含む官公庁システム、医療・環境エネルギー向けを手掛ける。社会基盤の受注残高は72.47億円に達し、全社受注残高90.65億円の大部分を占める。開発が複数年度にわたる案件は当面の売上を見通しやすくするが、継続利用料とは違い、納品後の次の更新契約までは保証しない。主要顧客との関係が深いほど、案件終了時の発注額変化は大きい。
宇宙先端ではJAXA関連の宇宙機搭載ソフト、天体望遠鏡の制御、ロボットの共通技術、車両自動走行の研究開発が同居する。『はやぶさ2』や衛星、ISSの実験装置に関わる実績は、失敗が許されない現場での技術証明となる。一方、宇宙先端売上の全額が宇宙産業由来ではなく、ロボット・自動運転案件も含まれるため、宇宙予算の増額を売上へ直結させるのは誤りである。
インターネットは非接触ICと民間企業向けDX、モバイルネットワークは決済端末、車載端末、XRなどを担当する。四BFとも金額ベースでは受託業務が主体で、製品ライセンス、席課金、成果報酬を独立した多額の収益として示す開示はない。実際のエンジニア人月と契約単価は非開示なので、公開されたBF別売上、社員365人、開発外注費41.16億円、および外部の人月単価調査を組み合わせて作業量を推定した。
優良さと弱いところ
長期の競争力は、ソフトの行数でなく、事故や停止を起こさず実機で動かす能力にある。衛星の制御、交通管制、医療・防衛関連の開発は、仕様書に書けない例外処理や検証の経験がものを言う。JAXAや研究機関と長年仕事をしてきた実績は、新規参入者に対する信用の差となる。社会基盤と宇宙を合わせた売上比率は約77%であり、一般的な業務画面を作るSI企業より、高度な検証と実機連携への依存度が高い。
財務は堅固で、2026年3月期末の自己資本は約103億円、自己資本比率は約83%である。2026年3月期の純利益は約15億円に達し、10年前より大きく伸びた。2016年3月期からの自己資本増加約54億円に対し純利益の増加は約11億円であり、単純な増分利益÷増分自己資本は約20%になる。ただし、これは好調だった最後の数年の寄与を含み、新たな資本投下が将来も同じ利回りを得る証拠ではない。
堀、すなわち他社が容易に奪えない優位は存在するが、会社全体で盤石な料金決定権があるとは言えない。官公庁は入札を用い、顧客は富士通やNECなど大手の主契約者から発注を配分できる。解約率、恒常的な値上げ率、移行に必要な年数、独自データに対する課金は開示されていない。安全に関わる組込み開発でも、AIが試験や文書化の工数を削れば請求額は縮みうるため、強い『記録の正本』を持つソフト会社とは区別する。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
需要の土台は広い。IDCの国内ITサービス市場は2024年約7.02兆円、2029年約9.62兆円への拡大が予測されている。日本の宇宙機器と宇宙ソリューションの市場についても、政府は2020年の約4兆円から2030年代早期に約8兆円を目指す。ただし、宇宙市場の多くは衛星製造、通信、観測データ利用であり、セックの衛星制御ソフトの発注可能市場とは一致しない。市場全体が増えても同社の開発人月が増えるとは限らない。
社会基盤では富士通、NEC、NTTデータ、各専門SI企業が入札と系列取引を通じて競合する。宇宙・組込みでは三菱電機、NEC、宇宙関連の専門ソフト企業、研究機関内製部門が案件ごとに競う。国内ITサービス全体に対する同社の売上規模は0.2%未満だが、四BFの厳密な対象市場と各社の獲得額は統一した統計がない。よって交通管制や探査機ソフトの個別シェアを大きく見積もらず、受注残高や採用実績から競争位置を判断する。
今後の分かれ目はAIの普及である。官公庁のシステム更新と宇宙ロボットの安全検証は残るものの、設計・実装・単体試験・帳票作成の工数は大きく削られる。競合も同じ生成AIを使うため、生産性向上は利益率の向上でなく受注価格の引下げとして顧客に移る可能性がある。セックは人手でなく検証結果、動作保証、制御部品そのものに値付けできるなら守りが強まるが、その売上と契約構造の変化は現状ではまだ確認できない。
日本の宇宙戦略基金や安全保障投資は先端領域の需要を底上げする一方、採択・研究段階から商用の複数年売上に至る道のりは長い。為替150円、物価年3%、国債利回り3%は全ての筋書きで共通とする。2026年の受注残高急増は数年先の支えにはなるが、2036年の競争の結論ではない。
資本政策と M&A
会社が明示する還元目標は配当性向40%程度であり、2026年3月期の実績は40.6%、2027年3月期予想も約40.2%である。2026年5月公表の翌期計画は売上118億円、営業利益19.8億円、純利益15.75億円だ。中長期の売上・ROE・総還元性向を拘束する独立した複数年の数値計画は確認できず、『数字の約束なし』と扱う。研究開発、製品開発と社員教育への内部留保を重視する方針は一貫している。
過去10年は利益を増やしながら配当も増やしてきた。2026年3月期の研究開発費は約2.17億円、設備投資は約1.06億円であり、大型工場を持つ会社ではない。2026年3月期の株主還元は主として配当で、自己株式の取得は限定的だ。近年、大型M&Aに依存して利益を作った形跡は乏しいが、技術ベンチャーの取得や共同事業で余裕資金を使う選択肢は残る。
筆者が重視するのは、AIによって省けた作業の利益を誰が得るかである。単に契約工数を減らして収益規模を縮めるなら、採用や研究に使う資本を厚く抱えるほどROEは薄まる。現預金と投資有価証券の大きさは強みだが、増配率や自己株買いで株主に返す意思を継続的に確認する必要がある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
この会社の顧客は、単純な業務画面を作るために発注しているのではない。衛星搭載システムや道路交通、医療機器には、遅延、異常信号、外部環境の変化を安全に処理する技術が不可欠である。『はやぶさ2』、望遠鏡制御、国際宇宙ステーションに関わる経験は新規参入者が短期間で買えるものではなく、安全を確かめる試験の蓄積こそ堀になる。生成AIがコードを速く書けても、実機上での責任を負う技術者と検証体制は消えない。
しかも市場の風向きは悪くない。国内ITサービス市場には社会インフラ更新需要があり、宇宙開発の国家支援も拡充している。2026年3月期末の社会基盤BF受注残高は72億円を超え、案件が増えているのは憶測でなく受注数字の裏付けがある。研究機関や大企業と組む会社は、独自の制御部品やロボットの品質保証基盤を標準として展開できれば、開発工数が減ってもプロジェクト単価と利益率を守れる。宇宙ロボットの遠隔操作実証や研究資金への採択は、将来の共通製品開発につながる入口だ。
財務の余力も大きい。厚い自己資本と現預金があれば、競合が人材を手放す時期でも優秀な制御ソフトの技術者を維持できる。配当性向40%を守り、余剰資金を回収可能な技術開発に使えば、長い期間で投下資本以上の価値を生める。成果に応じた契約への移行を実績で示せれば、現在の評価に近づく上振れの余地がある。
慎重な見方
難しい仕事が残ることと、工数の多い売上が残ることは別問題だ。セックの開示は四つの事業分野の受注高と売上高が中心で、成果報酬、ライセンス更新、法定記録を預かるストック契約の割合を金額で示していない。もし高度な制御ソフトにもAIによる設計・検証の自動化が広がれば、同じ発注先から受注しても請求できる月数は縮む。成果を買う側の富士通、NEC、大手メーカー、官公庁には工数削減分を値下げとして取り込む動機がある。
宇宙も安全な成長市場ではない。政府の宇宙産業8兆円という目標の大部分は衛星製造・通信・データ利用を含み、同社が直接請け負う搭載制御プログラムの市場規模ではない。先端研究の採択が一件成功しても採算の合う量産・ライセンス収入に育つとは限らない。衛星やロボット開発の遅延、予算変更、研究終了は数年単位で業績を揺らしうる。モバイルネットワークBFはすでに縮小しており、技術革新に乗り損ねた時の売上減少が観測できる。
2026年3月期は受注も利益も強いが、これはAIの全面代替前の業績である。固定の技術者給与と外注費の見直しが請求単価の下落に追いつかなければ、高かった営業利益率は薄まる。40%配当の後に残る利益を低利回りの研究開発や実現しない買収に使えば、帳簿上の純資産は増えても株主の価値は増えない。現在の株価には、受託売上の減少と資本効率低下の両方を吸収できるほどの安全域は見えない。
どちらに重みを置いたか
難しい制御技術と受注残高の積み上がりは実績であり、会社が消えるとみるのは行き過ぎだ。他方、契約の収益源はなお人月・工数であり、AIによる削減を相殺する成果報酬の売上金額は確認できない。上側27%、下側38%と慎重側を11ポイント厚くしたのは、この事業固有の契約形態と研究開発案件の長期化によるものだ。中立の数量には既にAIの影響を含めており、資本コストの寿命要因に同じ減少を重ねていない。割引後の価値は現在の時価総額を大きく下回る。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 1,895 円193 億円(+ 還元の換算額還元の合計 492 円50 億円)。 今の値に割り戻すと 1,341 円137 億円、今との差 −53.5%、 期待の年率 −2.1%(資本コスト 6.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 3,785 円386 億円 | 725 円74 億円 | +56.2% | +5.0% | 361 円37 億円 |
| やや楽観 | 19% | 2,918 円298 億円 | 617 円63 億円 | +22.4% | +2.3% | 672 円69 億円 |
| 中立 | 35% | 2,088 円213 億円 | 509 円52 億円 | −10.0% | −1.2% | 909 円93 億円 |
| やや悲観 | 25% | 1,013 円103 億円 | 392 円40 億円 | −51.3% | −7.9% | 351 円36 億円 |
| 悲観 | 13% | 411 円42 億円 | 313 円32 億円 | −74.9% | −15.3% | 94 円10 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,895 円193 億円 | 492 円50 億円 | −17.3% | −2.1% | 2,387 円244 億円 |
今の株価時価総額 2,887 円295 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 安全制御の高付加価値化に成功 利益 22 億円 · PER 14.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3,785 円386 億円
政府の宇宙開発支援に加え、道路交通や医療の安全基準強化が高難度の開発を増やす。セックは衛星・ロボット制御の実証実績を生かし、実機確認の難しい案件で富士通やNECなどの主契約者から優先的に選ばれる。一般ITでもAIを使って設計と単体試験を効率化するが、単なる工数を増やすのでなく、試験と検証を含めた高付加価値の受託契約を獲得する。
宇宙先端ではJAXAとの協働から新しい衛星搭載制御やロボット基盤の案件が続く。大きな製品ライセンス収入を証明できない段階では、伸びる宇宙市場をそのまま工数増に換算しない。請求可能な実質開発月数はどのBFでも現状以下とする一方、物価上昇を受注価格に反映して高い専門性を維持する。
労務費と外注費の上昇はAIを活用した生産性改善で吸収でき、営業利益率は現状より高い。大型M&Aで規模を買うのでなく、品質検証の標準化へ再投資する。現金は積み上がり、配当も着実に増えるが、顧客が成果に払う契約が増えたかどうかを引き続き確認する必要がある。
- 社会基盤システムBF:数量 3,876(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.02(案件売上高/有償開発人月(億円、再委託・材料を含む実効単価))→ 売上 73 億円・営業利益 15 億円。有償人月98%、人月実効単価134%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
- 宇宙先端システムBF:数量 1,915(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.02(案件売上高/有償開発人月(億円、再委託・試験を含む実効単価))→ 売上 41 億円・営業利益 9 億円。有償人月97%、人月実効単価134%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
- インターネットBF:数量 1,398(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.02(案件売上高/有償開発人月(億円、推計))→ 売上 22 億円・営業利益 4 億円。有償人月94%、人月実効単価134%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
- モバイルネットワークBF:数量 592(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.01(案件売上高/有償開発人月(億円、推計))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。有償人月88%、人月実効単価134%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
倍率:k=6.75%、2036年ROE約10.4%、堀はnormalで超過収益の残存割合1/2。AI受託型でg_long=0%なのでRONIC=k+0.5×(ROE−k)でも正当化PER=(1−0/RONIC)/(k−0)=14.815倍。事業利益にのみ掛け、2036年余剰現金100億円の税後利息1.4億円を除いた純利益21.02億円に14.815倍、現金は株主還元係数0.75で75億円加算。
確率:宇宙・交通・医療の高度制御に受注が集中し、AIで省いた工数を品質保証や成果単価で補う成功が10年続く場合。実証技術が多数の有償案件に育つ必要があるため8%にとどめる。
やや楽観 19% 高度制御の受注で縮小を緩和 利益 17 億円 · PER 14.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,918 円298 億円
官公庁の道路交通、防衛、医療関連の更新案件が継続する。セックは実機検証と信頼性試験で顧客との関係を保ち、AIで工程が短くなっても案件単価を物価程度に維持できる。宇宙先端でも衛星と自動走行の開発が入れ替わりながら続き、研究資金の波を取り込む。
インターネットとモバイルネットワークでは汎用の実装業務を競合のAI活用企業や顧客内製部門に取られるが、非接触ICなど実機に接する部分は残る。四BFの有償人月は減少しつつも、技能と案件管理の生産性が高まり、全社売上は現状をやや上回る。
経営は大型買収を控え、社員教育、開発基盤、配当に資本を使い続ける。営業利益は増えるが、継続課金の独占ソフト会社に転じたとはまだ言えない。帳簿上は余剰現金が増えるため、企業価値を実現するには配当政策を見守る必要がある。
- 社会基盤システムBF:数量 3,362(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.02(案件売上高/有償開発人月(億円、再委託・材料を含む実効単価))→ 売上 63 億円・営業利益 12 億円。有償人月85%、人月実効単価134%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
- 宇宙先端システムBF:数量 1,678(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.02(案件売上高/有償開発人月(億円、再委託・試験を含む実効単価))→ 売上 36 億円・営業利益 7 億円。有償人月85%、人月実効単価134%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
- インターネットBF:数量 1,115(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.02(案件売上高/有償開発人月(億円、推計))→ 売上 17 億円・営業利益 3 億円。有償人月75%、人月実効単価129%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
- モバイルネットワークBF:数量 471(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.01(案件売上高/有償開発人月(億円、推計))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。有償人月70%、人月実効単価127%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
倍率:k=6.75%、2036年ROE約8.5%、moat=normal、g_long=0%から正当化PER上限14.815倍。2036年余剰現金92億円から生じる税後利息1.288億円を純利益から外してPERを掛ける。余剰現金の株主帰属分は0.75×92=69億円とし、営業事業の収益と二重にしない。
確率:社会基盤の大型受注残高と宇宙案件の継続性は明確で、他のSI会社より専門性が守られる可能性がある。ただし受託工数の先細り自体は消さない。
中立 35% 必要なシステムは残るが工数売上は縮む 利益 11 億円 · PER 14.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,088 円213 億円
交通、医療、官公庁、衛星の制御ソフトは2036年にも必要とされる。セックは高信頼性の実装で顧客を維持し、社会基盤と宇宙先端の実質の請求人月をそれぞれ現状の七割台に保つ。宇宙市場は成長するが、AIによる実装・試験工数の削減と顧客の内製化を差し引くと、同社の請求可能な作業量は増えない。
インターネットでは汎用DX開発が自動化され、モバイルネットワークでは一部端末向け開発が標準化される。一般ITの工数は四割程度、モバイルはそれ以上減る。契約単価は物価上昇を十分には転嫁できず、顧客は人月削減の効果を一部取得する。結果として全社売上は10年前より小幅に低くなる。
社員の教育と安全検証にかかる固定費は残るため営業利益率は低下するが、財務危機にはならない。配当性向40%前後は守られ、大型M&Aによる事業転換にも成功しないものの、余剰現金は積み上がる。その結果、純利益の減少以上にROEが薄まり、高い付加価値を持つ小規模受託会社として落ち着く。
- 社会基盤システムBF:数量 2,848(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.02(案件売上高/有償開発人月(億円、再委託・材料を含む実効単価))→ 売上 52 億円・営業利益 8 億円。有償人月72%、人月実効単価131%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
- 宇宙先端システムBF:数量 1,461(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.02(案件売上高/有償開発人月(億円、再委託・試験を含む実効単価))→ 売上 31 億円・営業利益 5 億円。有償人月74%、人月実効単価132%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
- インターネットBF:数量 907(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.01(案件売上高/有償開発人月(億円、推計))→ 売上 13 億円・営業利益 1 億円。有償人月61%、人月実効単価118%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
- モバイルネットワークBF:数量 384(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.01(案件売上高/有償開発人月(億円、推計))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。有償人月57%、人月実効単価115%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
倍率:2036年のROEは約6.3%でk=6.75%を下回るため、成長による超過価値を付けないPER上限1/k=14.815倍を採用。2036年の純利益11.35億円から余剰現金83億円の税後受取利息1.162億円を除いた事業純利益10.188億円に倍率を掛け、余剰現金の株主帰属額62.25億円を加える。
確率:社会基盤と宇宙の受注基盤は強いが、人月で売る形は残る。下に寄せる理由:現状の好調は2026年の受注実績であり、AIによる顧客の工数削減と成果課金への移行は金額面で未検証であるため、上側27%より下側38%を厚くした。
やや悲観 25% 受託価格の競争で利益が細る 利益 6 億円 · PER 11.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,013 円103 億円
官公庁の更新計画が予定より遅れ、主要なシステムメーカーがAIで実装や試験を内製化する。セックは独特のリアルタイム制御を必要とする部分で受注を保つが、請求できる工程が減る。社会基盤と宇宙先端の実質請求人月は六割程度まで縮小し、発注者が価格を決めやすくなる。
一般クラウド開発とXR・端末開発は更に厳しく、他社が安価な開発支援を提供するため、従来の人員配置と外注ネットワークを維持できなくなる。固定の教育・研究費を削り過ぎれば安全性の高い案件まで失うので、利益率を犠牲にして核となる技術者を残す。
配当は利益の減少とともに小さくなる。経営は買収で急拡大せず、長期案件の保証対応と研究開発を優先する。現金が残るため倒産には至らないが、再投資の収益性が資本コスト以下に落ち、長く持つ株主が期待した複利成長は実現しない。
- 社会基盤システムBF:数量 2,334(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.02(案件売上高/有償開発人月(億円、再委託・材料を含む実効単価))→ 売上 40 億円・営業利益 4 億円。有償人月59%、人月実効単価121%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
- 宇宙先端システムBF:数量 1,224(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.02(案件売上高/有償開発人月(億円、再委託・試験を含む実効単価))→ 売上 24 億円・営業利益 3 億円。有償人月62%、人月実効単価124%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
- インターネットBF:数量 714(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.01(案件売上高/有償開発人月(億円、推計))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。有償人月48%、人月実効単価108%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
- モバイルネットワークBF:数量 283(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.01(案件売上高/有償開発人月(億円、推計))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。有償人月42%、人月実効単価106%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
倍率:2036年ROE約3.5%はk6.75%を下回る。PER上限1/k=14.815倍に対し、工数のさらなる減少と低収益な未回収資本を抱えるケースなので、持続的稼ぐ力を低めの11.5倍で評価。余剰現金65億円の税後利息0.91億円を純利益から除き、65×0.75=48.75億円を非事業資産として戻す。
確率:社会基盤の安全確認は残るが、顧客大手が標準化とAI内製化を進め、工数・価格の双方を抑える場合。公共大型案件の反動が重なる危険もある。
悲観 13% AI内製化と公的案件の失注で構造的に敗北 利益 1 億円 · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 411 円42 億円
大手メーカーと公共機関がAI対応の開発基盤を標準化し、セックに発注する工数はほぼ半分以下になる。宇宙・ロボットの研究課題は採択されても本格商用化に至らず、長期の制御ソフト案件も主契約者が他社へ移す。一般ITとモバイルは価格と工数がともに縮み、採算を合わせるほどの案件量を確保できない。
社員や外注先を急には減らせず、開発環境、検証設備、保証対応を維持することで固定費が重くなる。ロボット分野の共同研究や技術企業の買収も利益を生まず、現金の一部が投資へ振り替わる。大幅な減収のわりに帳簿上の自己資本は残るが、未収金、研究成果や一部投資は清算時に額面では売れない。
経営は研究開発を絞り、配当を利益に応じて減らす。外部の債権者から直ちに支援を求められる状態ではないが、高いROEを維持した優良企業ではなくなる。換金可能資産として確かめられるのは現在の現預金と投資有価証券の保守的な税後価額程度であり、受託事業ののれんや未実現の技術価値には値を付けない。
- 社会基盤システムBF:数量 1,661(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.02(案件売上高/有償開発人月(億円、再委託・材料を含む実効単価))→ 売上 26 億円・営業利益 1 億円。有償人月42%、人月実効単価110%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
- 宇宙先端システムBF:数量 948(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.02(案件売上高/有償開発人月(億円、再委託・試験を含む実効単価))→ 売上 17 億円・営業利益 1 億円。有償人月48%、人月実効単価114%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
- インターネットBF:数量 506(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.01(案件売上高/有償開発人月(億円、推計))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。有償人月34%、人月実効単価103%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
- モバイルネットワークBF:数量 168(年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計))× 価格 0.01(案件売上高/有償開発人月(億円、推計))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。有償人月25%、人月実効単価100%。AIエージェント代替を数量・単価で反映。
倍率:営業純利益が1億円未満でROE約0.5%に落ちるため利益へのPERではなく、現在の自己資本103.1億円に床PBR0.40737倍を適用して約42.0億円とした。2036年の自己資本151億円には掛けない。41億円の現金+有価証券税後床をわずかに上回り、事業の継続価値と無形資産を過大評価しない。
確率:AI内製化の急加速に官公庁予算変更と宇宙開発の延期が重なり、技術者維持と受注確保が両立しない複合的な最悪ケース。初期の強い純資産があるため破綻とは区別する。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
社会基盤システムBF
高度道路交通、司法・医療・防衛・環境分野の社会基盤向けリアルタイム制御、監視、業務システムを受託開発する。
| 数量年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計) | 価格案件売上高/有償開発人月(億円、再委託・材料を含む実効単価) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 3,955 | 0.01 | 55 | 10 |
| 10 年後 中立 | 2,848 | 0.02 | 52 | 8 |
取り方:2026/03有報の社会基盤BF販売実績5,537,118千円、受注7,950,455千円、残高7,246,883千円を起点にした。単価140万円/人月は、日銀の企業向けサービス価格指数の受託ソフト調査方法とJUAS開発工数調査の概ね100万~175万円の事例に照らし、官公庁の試験・監査を要する専門案件として仮定した推計値。販売高をこの独立に仮定した単価で割り年3,955人月相当としたもので、契約件数・投入人月・BF別利益は会社の非開示事項。現在の利益9.967億は全社営業利益18.8億を再配分した推計である。AIエージェント代替の型は人月・工数受託100%。
宇宙先端システムBF
衛星・探査機の搭載ソフト、宇宙天文設備の制御、車両自動走行、ROS基盤を使うロボット研究開発を請け負う。
| 数量年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計) | 価格案件売上高/有償開発人月(億円、再委託・試験を含む実効単価) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,974 | 0.02 | 32 | 6 |
| 10 年後 中立 | 1,461 | 0.02 | 31 | 5 |
取り方:2026/03有報の宇宙先端BF販売3,158,621千円、受注3,373,504千円、残高1,034,551千円。JAXAの搭載制御・試験、安全確認を要する専門案件として実効単価160万円/人月を仮置きし、年1,974人月に換算。宇宙専業でなく自動運転・サービスロボットも含むので、宇宙産業市場全体を販売数量に直接掛けない。人月・ライセンス別の会社開示はなく、現在営業利益5.686億も推計。AIエージェント代替の型は高難度でも原則として人月・工数受託100%。
インターネットBF
非接触IC、IoT、一般企業向けクラウド・DXアプリケーションを開発する。
| 数量年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計) | 価格案件売上高/有償開発人月(億円、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,487 | 0.01 | 18 | 3 |
| 10 年後 中立 | 907 | 0.01 | 13 | 1 |
取り方:2026/03有報の販売1,784,436千円(前年比133.5%)、受注1,809,846千円、残高454,972千円。一般的なクラウド・組込み混合受託として120万円/人月を仮定し、約1,487人月相当とする。実際の契約件数・ID数・再委託別内訳は非開示であり、ID課金SaaSとして扱える開示証拠はない。BF利益2.855億は推計。AIエージェント代替の型は人月・工数受託100%。
モバイルネットワークBF
キャッシュレス端末、車載端末、スマートコンストラクション、XR等のエッジデバイス組込みソフトを開発する。
| 数量年間有償開発工数(社員・協力会社の人月換算、推計) | 価格案件売上高/有償開発人月(億円、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 673 | 0.01 | 7 | 1 |
| 10 年後 中立 | 384 | 0.01 | 5 | 0 |
取り方:2026/03有報の販売740,031千円(前年比80.3%)、受注889,954千円、残高328,710千円。モバイル端末・XR案件は競争と開発標準化が進みやすいため実効単価110万円/人月を仮定し、約673人月に換算した。端末販売台数やライセンス数量は開示されておらず、製品販売数量ではない。BF営業利益1.036億は推計。AIエージェント代替の型は人月・工数受託100%。
リスクと懸念
AIエージェント代替と人月商売の収縮
生成AIが設計、実装、単体試験、仕様書の更新を短時間で行えば、顧客が払う開発人月は減る。宇宙や公共制御は実機検証が残るため全案件が消えるとは見ないが、セックは成果報酬とライセンスの売上構成比を開示していない。工数削減を売上単価や製品収入として回収できるかが最大の長期リスクとなる。
官公庁案件・入札と受注集中
社会基盤BFの受注残高72.47億円は足元の強みだが、案件の完了に伴い次の契約を得る必要がある。政府予算や調達仕様が変われば大型案件の有無が売上に直結する。富士通、NEC、NTTデータなど大手の主契約者の発注配分が変わると、技術の評価が高くても次の開発量が減りうる。
宇宙・ロボット研究の商用化未達
JAXAや研究機関との共同開発は技術実績を示すが、採択された研究が将来の有償量産へ転じる保証はない。宇宙事業には試験や認証の長期化、打ち上げ延期、予算の変更が伴い、営業利益の計上時期もぶれやすい。受注を増やしても、成果を共通製品として横展開できなければ人手を投入するたびに原価が膨らむ。
高コスト人材と外注の固定性
2026年3月期の製造費用には労務費約27億円、外注費約41億円が計上され、社員365人の教育や待遇向上も継続している。販売単価が下がる局面で即座に人員配置を縮小すれば実機制御の技術基盤を失う。逆に技術者を守れば短期の利益率は下がり、採用不足なら受注を取り逃すという難しい二者択一が生じる。
現金・債券と資本効率の低下
現金33億円に加え投資有価証券約11億円を保有する一方、還元方針は配当性向40%程度である。将来の開発需要が伸びないのに利益を留保し続ければ、自己資本が膨らみROEは低下する。安全性は上がっても、買収失敗や低利回り投資が続けば小口株主にとって現金の額面すべてが価値になるわけではない。
競争相手のAI内製とソフト標準化
ROSなどのオープン技術やAI開発支援が広まれば、熟練技術者の経験だけで取れていた案件の一部が顧客側に戻る。顧客企業の開発部門が自前で検証基盤を整えるほど、専門受託会社に残るのは責任の重い難所だけとなる。残った仕事の単価が十分に高ければ強みになるが、責任だけ増えて価格を改定できない場合には採算が悪化する。
今後の分かれ目
- 開発人月が減っても、実機検証・制御部品を成果に応じた価格で販売した受注額が独立開示されたら
- 人月・工数型に一律分類している前提を見直し、該当するBFだけ数量の縮小とg_longの上限を改める。契約継続率と売上金額を確認する。
- 社会基盤BFの受注残高が翌期売上を上回る水準で複数期連続し、官公庁への価格転嫁も確認できたら
- 短中期の確度は高まる。ただし受注残高は永続ライセンスではないため、2036年の数量に追加するのは継続発注率を観測してからにする。
- 宇宙ロボット・衛星向けの製品販売またはライセンス料が複数年にわたり独立した売上として公表されたら
- 宇宙先端の収益モデルが変わった証拠として、楽観の利益率だけでなく中立の工数減少率を再検討する。R&Dの資本効率を優先して評価する。
- ITサービスの単価が物価以下で推移し、同社の有償開発量または外注原価率が悪化したら
- 一般ITとモバイルの数量・単価を下方修正し、やや悲観・悲観に重みを移す。粗利率低下が一過性の大型案件かどうかも分けて見る。
- 配当性向を50%以上へ引き上げるか、自己株式を発行済み株式の5%以上買い戻す方針と実績が示されたら
- 余剰現金の株主への戻り方を0.75から1.0へ見直し、キャッシュリッチなBSの価値を増やす。単なる配当宣言でなく実施額を確かめる。
- 大型買収や宇宙・ロボット投資で純現金が減り、継続的な事業利益が伴わなかったら
- 悲観の資産床を支える現預金・有価証券を再計算し、買収価格ののれんを換金資産に含めない。必要なら悲観シナリオの純資産も減損後に直す。
見ておくもの
- 四BF別の受注高・受注残高、社会基盤BFの翌年度繰越分と大型契約の納期
- BF別の契約件数・実働開発工数・契約単価、成果報酬・製品ライセンスの売上開示
- 宇宙ロボットのJAXA実証の進捗と継続有償契約への移行金額
- 従業員数・平均給与・外注費・外注比率と案件粗利率
- 配当性向・自己株取得額・純現金・投資有価証券残高の推移
- 国内ITサービス市場の人月契約形態と生成AIによる工数削減の実測値
倍率と資本コストの決め方
売上は四BFの実際の販売実績と独立に仮定した専門人月単価から有償工数を推計し、10年後の数量をAIエージェント代替の範囲内で個別に縮めた。価格は年3%の物価を上限に、安全・実機領域の単価維持力と一般ITの競争を分けた。現在の305億円や同業のPERは利益・数量・倍率の前提には使っていない。2036年以降の名目成長gを0%とし、楽観~中立のPERは正当化式の上限1÷6.75%=14.815倍とした。悲観側は現金・売却可能有価証券を税後で評価し、将来の積上げ自己資本で床PBRを膨らませていない。2028年3月期以降の新リース基準は貸借対照表の表示を変えうるが、ここでは従来どおり賃借費用を営業費用に含める。
資本コスト 6.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%、株式プレミアム4.5%、品質調整−0.75%で6.75%。大きな財務危機はなくdistress上乗せなし。