結論
セグエグループは、企業や官公庁のネットワークを安全につなぐために、海外製のセキュリティ機器を販売し、システムを構築し、自社製品も提供する会社である。筆者の結論は「割高」だ。サイバー攻撃が増え続ける社会で必要な仕事を担っていることと、その仕事から生まれる利益を株主が高い価格で買ってよいことは、別の話だからである。
2025年12月期の売上高は251億円、営業利益は18億円だった。売上の55%は付加価値販売、34%はシステムインテグレーションが占める。2025年から2026年にかけては政府のGSS関連案件が業績を大きく押し上げた。この実績は販売力を示す半面、毎年同じ規模の案件を獲得できる証拠にはならない。2030年に売上500億円を目指す長期構想も、株主に保証された将来利益ではない。
10年先もネットワーク機器の導入、サイバー防御、システムの保守は必要だろう。しかし、他社製品を仕入れて販売する仕事にはメーカーとの力関係があり、人の工数で売る仕事にはAIエージェント代替という新しい逆風がある。自社製品RevoWorksには政府機関への採用実績があるものの、会社全体の収益を守るほど大きく育ったとはまだ言えない。2026年にはタイ子会社でAIの影響によるサービス低迷も開示された。
中立の2036年時価総額は約169億円にとどまる。楽観的な成長が続けば現在の時価総額を上回れるが、やや悲観と悲観の合計確率を39%とした。5つの筋書きの期末価値と株主還元を資本コストで割り引くと、現在の318億円という時価総額に対し、大きな隔たりが残る。株主として見守る価値のある事業ではあるが、事業の成長余地をそのまま株価の安全域と取り違えたくない。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の立場なら、最初に問うべきなのは10年後にもこの会社が顧客に欠かせない存在であり続けるかだ。ネットワークを安全に動かす仕事は必要である。しかし、その必要性から利益を得る会社が、現在と同じ顔ぶれであるとは限らない。仕入れ先の海外メーカーが変われば販売代理店の優位は崩れ、AIによって構築・運用の方法が変われば、技術者の稼働時間を積み上げる収益モデルも変わる。
本当に魅力的なのは、顧客が容易には手放せない製品を自社で所有し、値上げしても解約されず、得た利益を高い利回りで再投資できる会社である。RevoWorksは、その方向に近づく可能性を持っている。中央省庁や自治体など、信頼性を重視する顧客への導入実績は評価できる。ただし、継続課金の顧客数、解約率、製品単価の推移が十分には開示されていない。強い堀が既に完成したと判断するには、証拠が足りない。
オーナー利益の質も見極めたい。VADの売上には仕入れ原価が大きく、SIには人件費と外注費が付いて回る。自社製品は粗利益率が高いものの、開発を止めれば競争力が古くなる。買収で得た利益には、のれんや統合作業の負担も伴う。したがって、会計上の純利益が増えても、その全額を自由に配れる現金とみなすことはできない。
経営者は売上を拡大する能力を示してきたが、これから問われるのは資本効率である。大型案件がなくなった後もROEが資本コストを上回るか。買収した企業が追加の増資なしに現金を生み出すか。自社製品の売上構成比が高まり、メーカーへの依存が下がるか。この3点が確認できれば、本質価値への見方を上方修正できる。
今の時価総額は、そうした改善がかなり進む将来を先取りしているように見える。会社の仕事を評価することと、株主としてその価格を支払うことは分けたい。確信を持てない利益には高い値段を付けず、事業の実力が数字で確認できるまで安全域を重視する。
何で稼ぐ会社か
会社の正式な報告セグメントは「ITソリューション事業」の単一セグメントである。しかし、利益の性質を理解するには、会社が決算説明で示すVAD、システムインテグレーション、自社開発、海外の4事業に分ける必要がある。売上高だけでなく粗利益率が異なり、AIやメーカーとの交渉力から受ける影響も違うからだ。
最大のVAD事業は、海外メーカーのファイアウォール、無線LAN、スイッチ、セキュリティソフトなどを仕入れ、国内の販売パートナーや顧客に提供する。単純な箱売りではなく、製品選定、技術検証、導入支援、保守を組み合わせることで利益を得る。2025年の売上高は約138億円、売上総利益は約34億円だった。GSSをはじめとする中央省庁向け大型案件の寄与が大きく、保守契約の蓄積が案件の谷を和らげる構造になっている。
システムインテグレーション事業は、ネットワークの設計・構築、システム開発、技術者の支援、運用サービスなどを担う。2025年の売上高は約85億円、粗利益は約15億円だった。受託案件の規模や採算によって利益率が振れ、技術者の確保と外注費の管理が収益を左右する。顧客の業務を深く理解することが継続受注につながるが、稼働時間を請求する部分は長期的に自動化されうる。
自社開発事業には、インターネット分離・ファイル無害化などのRevoWorksシリーズと、セキュリティ監視・診断サービスがある。売上高は約11億円と小さいが、粗利益率は約51%で、製品が広がれば利益の質を変えられる可能性がある。2026年には新製品の投入や政府系の大型受注が進んだ。ただし、新製品の一時的な導入収入と継続課金を分けた十分な開示はなく、その全部を安定収益として評価することはできない。
海外事業はタイのISS ResolutionとFirst One Systemsを中心に、公共機関、大学、企業へネットワーク機器や構築サービスを提供する。2025年の売上は約16億円だった。First One Systemsは案件を伸ばしているが、ISS ResolutionではAIによるサービス需要の減少が既に表面化した。同じ海外事業でも、機器納入と人手のサービスを一括して成長産業とみなすことはできない。
優良さと弱いところ
最大の強みは、セキュリティとネットワークに絞った技術者、メーカーとの取引関係、官公庁を含む顧客への導入実績である。高度な機器は購入して終わりではない。設定、既存システムとの接続、障害対応、保守が必要であり、製品をよく知る販売会社には一定の乗り換え障壁が生まれる。2025年の受注高が約324億円、受注残高が約157億円に増えたことは、大型案件を取り込む営業力の証拠といえる。
ただし、この障壁はメーカー自身の製品支配力とは違う。ファイアウォールやSASEの基幹技術、ブランド、知的財産の多くは仕入れ先が握っている。販売代理店は、メーカーの直販化、代理店政策の変更、仕入れ価格の上昇に対して弱い。セグエグループ独自の値上げが継続して受け入れられた実績も確認できず、VAD全体を強い堀のある事業とは評価しない。
RevoWorksには、政府機関などへの導入と約400団体・15万ユーザー規模という実績がある。保守やセキュリティ運用を切り替えるには手間がかかり、競合より有利な部分もあるだろう。しかし、年5%未満の解約率、法改正ごとの価格引き上げ、独自データの独占、業界共通基盤としての地位といった証拠は開示されていない。「記録の正本」を握る製品として長期の超過利益を認める条件は満たさない。
歴史的なROEの中央値は約16%で、資本コストを超える利益を生んできた点は評価できる。ただし、2025年の高収益には大型案件の影響があり、増分ROICをそのまま高く認定することは難しい。2024年には営業利益が低下し、海外買収先に関するのれんの減損も生じた。買収と案件拡大で売上を増やす力はあるが、投じた資本が何年も高い利回りを生むと証明されたわけではない。
財務面にも注意が要る。2025年末の自己資本比率は約22%で、純有利子負債は約14億円だった。2026年の増資で資本は厚くなったが、調達によって一株当たりの持分も薄まっている。2026年上期に増えた現預金には保守契約などの前受金に対応する部分があり、その全額を自由に使える余剰資金とは見ない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
サイバーセキュリティへの支出は、企業にとって削りにくい費用になりつつある。矢野経済研究所は2025年度の国内市場を約1兆9,471億円と推計した。富士キメラ総研が対象を絞ったネットワークセキュリティ市場では、2024年度の製品が4,153億円、サービスが3,042億円とされる。両調査は対象範囲が違うため、数字を足して一つの市場にはできない。
成長する市場でも、すべての参加企業が同じ割合で利益を増やせるわけではない。セキュリティ製品の販売では、マクニカやテクマトリックスなどが競合する。テクマトリックスの情報基盤事業は年間売上が500億円を超える規模にあり、セグエグループより販売基盤が大きい。一方、SIではNTTデータ、NEC、富士通、SCSKなども案件を取り合う。会社ごとの開示範囲が異なり、各社の厳密な市場シェアを一つの数字で並べることはできない。
国内のネットワーク機器市場そのものは、セキュリティサービスほど急成長していない。情報通信ネットワーク産業協会の2025年度見通しでは、ルーター市場が約1,289億円、LANスイッチが約1,681億円である。更新需要は残るが、物価3%を大きく超える実質数量の成長を長期間期待する根拠は弱い。セグエグループが数量を増やすには、成長するセキュリティ分野への構成転換か、競合からのシェア獲得が必要になる。
会社のVAD売上を国内セキュリティ製品市場と単純比較すると、数%程度の規模になる。ただし、VADにはネットワーク機器、導入支援、保守も含まれるため、これは正式な製品市場シェアではない。自社開発売上についても、製品ライセンスと監視サービスの内訳が不十分で、RevoWorks単独の国内シェアを確定できない。政府機関への採用件数は強みの証拠だが、市場全体に占める割合とは区別すべきである。
最大の構造変化はAIエージェントである。セキュリティ上の責任や物理的な通信機器の設置は消えない一方、設定作業、定型的な監視、報告書作成、システム開発の一部は自動化できる。Microsoft、Zscaler、Netskopeなどの海外プラットフォームが防御機能を統合すれば、独立した販売会社や小規模な製品の価格交渉力も弱まる。タイでもAIによる役務需要の低下が開示されており、変化は既に始まっている。
タイのサイバーセキュリティ市場には拡大余地がある。民間調査では2025年に約4億8,448万ドルと推計されるが、セグエグループの海外売上には一般のITインフラ構築も含まれる。海外売上とこの市場規模の単純比を、同社のシェアと認定することはできない。10年後も市場は成長している可能性が高いが、買収した2社がその成長を利益として取り込めるかは別に判断する。
資本政策と M&A
資本配分の中心は、専門人材の確保、製品開発、M&A、株主還元である。2022年のタイ事業拡大、2024年のFirst One Systemsやテクノクリエイションの取り込みなどによって、会社は事業の裾野を広げてきた。海外展開と技術者の獲得には意味があるが、買収後の利益率やのれんの回収まで追わなければ、売上の増加だけでは成功と判定できない。
2024年公表の中期経営計画「Segue300」は、2026年12月期の当初目標を売上高260億円、営業利益18億円、純利益10.5億円とした。M&Aを含む挑戦目標は売上高300億円、営業利益20億円だった。2026年1月の改定では、正式な2026年目標を売上高300億円、営業利益23億円、純利益14.03億円に引き上げた。2030年の売上高500億円、営業利益率10%超は長期ビジョンであり、確定的な利益の約束ではない。ROE、DOE、総還元性向、自社株買いの金額については中期計画上の具体的な数字の約束を確認できない。
配当については、2026年12月期までを目安に連結配当性向50%程度という方針がある。配当は2018年以降おおむね増え、2026年予想では年間の増配が見込まれている。株主優待は2026年から1,000株以上の保有者にポイントを付与する方式となった。優待費用の総額は開示されていないため、10年間の株主への経済的な還元には年約0.3億円という概算を補助的に含めた。制度が10年間継続する保証はない。
2026年の公募増資は、事業拡大資金を確保した半面、既存株主の持分を希薄化した。新株は現在の株数に反映済みであり、将来価値から再び希薄化を差し引かない。過去の還元実績はあるが、配当性向の長期中央値が50%以上だったとまでは確認できず、M&Aにも資金を振り向ける経営である。このため、将来余剰となる現金が株主に戻る割合は75%と評価する。現時点で発表・進行中のTOB、MBO、上場廃止予定、継続企業の前提に関する注記は確認されなかった。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
セグエグループは、単なるシステム開発会社ではない。国内のサイバーセキュリティ市場が拡大するなか、海外メーカーの高度な製品を見つけ、官公庁や重要インフラへ提供できる技術と販路を持つ。政府のGSS案件は一過性の大型契約に見えるが、その導入を通じて保守、更新、追加のセキュリティ対策という継続的な仕事が生まれる。複数の中央省庁での採用は、後続案件の獲得にも有利に働く。
RevoWorksの価値は、売上構成比だけでは測れない。機密情報を扱う官公庁や医療機関にとって、ネットワーク分離やファイル無害化は重要な防御層だ。2026年に新しい製品を投入し、政府機関への大型納入も実現したことで、固定的な開発費を超えた増分売上が高い利益につながる可能性がある。メーカー製品の販売で得た顧客基盤を自社製品の販路として使えることも強みである。
AIも必ずしも敵ではない。機器の導入やセキュリティ責任は残り、AIによって技術者の生産性が高まれば、同じ人員で多くの案件を処理できる。監視の自動化を製品に組み込めれば、顧客が払う総費用を抑えながら利益率を改善する余地もある。タイのFirst One Systemsが公共・大学向けの機器案件を増やしていることは、海外でのシェア獲得の余地を示す。
2026年の増資によって財務の余裕が増し、案件増加に必要な運転資金を確保できた。国内のサイバー防御と海外のネットワーク投資が同時に伸び、自社製品の利益率も高まれば、2036年の時価総額は現在を大きく超えうる。株主還元を継続できれば、10年間に受け取る配当や優待も加わる。高成長に必要な経営基盤は、すでにある程度整っている。
慎重な見方
2025年から2026年の大幅な業績改善を、恒久的な競争力の向上と同一視することは危険である。会社自身が政府の超大型GSS案件を増収増益の大きな要因と説明している。官公庁の更新予算は大きいが、調達は競争であり、同じ会社が同じ規模を毎年受注するわけではない。受注の谷が来れば、固定的な人件費と管理費が利益を圧迫する。
主力のVADでは製品の知的財産を海外メーカーが握る。メーカーが代理店の数を減らし、クラウド経由の直接契約を増やし、更新契約の利益率を下げれば、販売会社は売上を保っても利益を失う。国内にはマクニカやテクマトリックスという大きな競合がいる。技術者の数、メーカーとの契約条件、販売パートナーの広さで不利になれば、セグエグループが独自に価格を上げることは難しい。
SIではAIエージェントによる代替が避けられない。設計書、プログラム、設定、テスト、障害分析、報告書の作成に必要な工数が減れば、同じ作業への請求額は縮む。成果物の価値で価格を決める契約へ移れなければ、生産性の向上が売上減少として表れる。タイのISS ResolutionでAIによるサービス低迷が既に開示された事実は、この懸念が机上の議論ではないことを示す。
自社開発事業にも、世界的なセキュリティプラットフォームとの競争がある。RevoWorksには導入実績があるが、顧客基盤が独占的だとは確認できない。2024年の利益低下や海外買収先ののれん減損は、規模拡大と資本効率の改善が常に一致するわけではないことも教える。2026年の増資が必要だった点を含め、10年間の利益を現在の株主がどれだけ享受できるかには慎重でありたい。
どちらに重みを置いたか
セキュリティ市場の成長と官公庁への販売力については強気の見方に説得力がある。一方、売上の過半が他社製品、約3分の1がSIである事実は、10年先の利益の持続性を慎重に見る理由になる。特に政府案件の大きさ、増資、タイ子会社で確認されたAIの影響が、下振れを重く見る会社固有の材料である。
確率は楽観9%、やや楽観18%、中立34%、やや悲観25%、悲観14%とした。下側39%はAIの縮みを二重に罰するためではなく、大型案件への依存とメーカー・買収先の不確実性を反映している。中立の2036年時価総額は現在を下回り、割高という判断が優勢である。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 566 円208 億円(+ 還元の換算額還元の合計 188 円69 億円)。 今の値に割り戻すと 390 円144 億円、今との差 −51.9%、 期待の年率 −0.8%(資本コスト 8.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 1,698 円625 億円 | 390 円144 億円 | +157.2% | +11.3% | 188 円69 億円 |
| やや楽観 | 18% | 1,007 円371 億円 | 265 円98 億円 | +56.7% | +5.2% | 229 円84 億円 |
| 中立 | 34% | 532 円196 億円 | 179 円66 億円 | −12.5% | −1.5% | 242 円89 億円 |
| やや悲観 | 25% | 166 円61 億円 | 119 円44 億円 | −64.9% | −11.9% | 71 円26 億円 |
| 悲観 | 14% | 70 円26 億円 | 104 円38 億円 | −78.6% | −18.3% | 24 円9 億円 |
| 加重平均 | 100% | 566 円208 億円 | 188 円69 億円 | −7.1% | −0.8% | 754 円278 億円 |
今の株価時価総額 812 円299 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 官公庁の採用実績が広がり、高採算の製品販売も拡大 利益 44 億円 · PER 13.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,698 円625 億円
中央省庁のGSS導入が、その後の更新、他省庁での採用、重要インフラ企業への横展開につながる。セグエグループは海外メーカーにとって日本の重要な販売・技術支援先であり続ける。ネットワーク機器の交換だけでなく、複雑化したセキュリティ環境を組み合わせて提供する能力が評価され、VADは量と採算の両方を伸ばす。
RevoWorksは府省庁での採用実績を足場に、自治体、金融機関、医療機関への販売が続く。2026年に投入した製品群の保守・利用料が積み上がり、開発費に対する増分利益が改善する。ただし、AI関連製品の確定した売上金額は開示されておらず、AIエージェントによる新規の爆発的成長は利益に織り込まない。SIは工数当たりの生産性を高めるが、販売できる工数自体は増えない。
タイではFirst One Systemsが大学・公共分野から民間へ販路を広げ、ISS Resolutionの弱いサービス領域を機器・運用案件で補う。追加買収は慎重に行われ、大きな減損や再増資は起きない。2036年には売上高が約559億円となり、営業利益率も改善する。株主への配当が続き、優良さを一定程度保ったまま成長する10年となる。
- VAD・セキュリティ製品販売:数量 2,892(年間標準案件換算数。標準案件は2025年の約1,000万円相当であり、実際の契約件数ではない)× 価格 0.13(標準案件1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 387 億円・営業利益 46 億円。標準案件の実質数量は2.10倍。政府案件の横展開とシェア獲得を前提とし、名目単価は1.34倍。
- システムインテグレーション・技術サービス:数量 6,000(年間稼働工数の人月換算。自社技術者と外注の寄与を含む推計値)× 価格 0.02(人月換算当たり売上高(億円、名目。機器を伴う受託案件も含む))→ 売上 114 億円・営業利益 11 億円。工数は現状維持の上限。AIによる生産性改善の成果を販売価格と採算に一部残す。
- RevoWorks・自社開発セキュリティ・監視:数量 150,000(RevoWorks等の利用者席数を共通の代理数量とした年間利用ID換算)× 価格 0.00(利用ID1席当たり年間売上高(億円、名目。監視・診断サービスを含む換算値))→ 売上 13 億円・営業利益 5 億円。利用席数は現状維持、価格1.15倍。導入拡大と入れ替わりを相殺し、固定開発費の効率化を反映。
- 海外・タイのITインフラとセキュリティ:数量 160(年間ネットワーク・セキュリティ標準案件換算数(推定))× 価格 0.27(標準案件当たり平均売上高(億円、名目))→ 売上 44 億円・営業利益 8 億円。タイの機器・インフラ案件の取り込みで標準案件数2倍、単価1.34倍。
倍率:kは8.0%、10年より先の名目gは1.0%。2036年のROEは44.36÷201.46=約22.0%。堀は普通と判定し、超過収益の残存割合を1/2とするとRONICは約15.0%。正当化PER=(1-g÷RONIC)÷(k-g)=約13.33倍。現在や同業の市場PERを根拠にせず、上限そのものを用いる。
確率:GSSから後続の政府・民間案件へ継続的につながり、海外メーカーとの販売関係も維持し、タイ事業の拡大と自社製品の採算改善まで重なる筋書き。市場拡大だけでは足りず、複数の経営判断で連続的に成功する必要があるため確率は限定する。AI関連製品を販売していることだけを理由に、役務や席課金の数量を現在以上に膨らませない。
やや楽観 18% セキュリティ製品販売が市場を上回って伸びる 利益 26 億円 · PER 13.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,007 円371 億円
官公庁案件によって得た取引先との関係が定着し、GSSの更新と周辺システムの高度化から追加案件が生まれる。VADの標準案件数は増え、保守を含む売上が積み上がる。ただし、マクニカやテクマトリックスとの競争は続き、海外メーカーの仕入れ条件が常に有利になるわけではない。
SIではAIによって設計・構築・保守の一部が自動化される。会社は技術者をより複雑な仕事へ移すことで単価と採算を一定程度守るが、人月相当の販売数量は現在より減少する。RevoWorksは既存導入先からの継続契約を中心に収益を維持し、定型的な監視は自動化による単価圧力を受ける。自社製品の強みは残るが、独占的な標準とはならない。
タイでは公共機関や大学のネットワーク更新を取り込み、国内で培った機器導入のノウハウが現地事業にも生きる。買収先の経営は安定し、追加の大規模な増資を必要としない。2036年の売上高は約404億円、営業利益は約37億円となる。事業は現在より大きくなるが、収益の中心には引き続きメーカー製品の販売が残る。
- VAD・セキュリティ製品販売:数量 2,066(年間標準案件換算数。標準案件は2025年の約1,000万円相当であり、実際の契約件数ではない)× 価格 0.13(標準案件1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 273 億円・営業利益 30 億円。標準案件数1.50倍、単価1.32倍。保守の蓄積と中規模案件でのシェア獲得。
- システムインテグレーション・技術サービス:数量 4,800(年間稼働工数の人月換算。自社技術者と外注の寄与を含む推計値)× 価格 0.02(人月換算当たり売上高(億円、名目。機器を伴う受託案件も含む))→ 売上 89 億円・営業利益 6 億円。人月0.80倍、価格1.30倍。標準作業の代替を高難度案件で一部補う。
- RevoWorks・自社開発セキュリティ・監視:数量 135,000(RevoWorks等の利用者席数を共通の代理数量とした年間利用ID換算)× 価格 0.00(利用ID1席当たり年間売上高(億円、名目。監視・診断サービスを含む換算値))→ 売上 11 億円・営業利益 3 億円。利用席0.90倍、名目価格1.12倍。強い堀を仮定せず採算改善にとどめる。
- 海外・タイのITインフラとセキュリティ:数量 116(年間ネットワーク・セキュリティ標準案件換算数(推定))× 価格 0.27(標準案件当たり平均売上高(億円、名目))→ 売上 32 億円・営業利益 4 億円。標準案件数1.45倍、単価1.33倍。公共・大学向けの実績から販路拡大。
倍率:k8.0%、長期g1.0%、ROE約16.7%。超過収益が半分残る普通の堀とするとRONIC約12.35%、正当化PERは約13.13倍。中立より高いROEを収益力に反映するが、10年より先の高成長を別に上乗せしない。
確率:製品販売の規模拡大、保守の積み上がり、タイ事業の成長はそれぞれ実績がある。一方で、大型政府案件の反復と販売シェアの拡大を同時に達成する必要があり、中心の見込みより少ない確率とする。
中立 34% 市場は拡大するが、人月型サービスは縮小する 利益 13 億円 · PER 12.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 532 円196 億円
サイバーセキュリティ投資は続き、企業も政府もネットワークの防御をやめない。セグエグループは一定の顧客と販売パートナーを保ち、仕入れ先の製品を組み合わせて提供する。VADの案件数は実質でやや増えるが、GSS級の受注が毎年続くわけではない。海外メーカーの直販化や代理店競争により、物価上昇を超える大きな値上げ力は得られない。
SIではAIエージェントが設計、設定、開発、テスト、運用の定型工程を担うようになる。顧客は同じ成果を少ない工数で買えるため、実質人月は2025年比で35%減る。高度なセキュリティ構築や現場での導入作業は残るが、販売数量の減少を完全には埋められない。RevoWorksも既存顧客の一部を保つ一方で、他社製品との統合や利用席数の見直しによって売上は緩やかに縮む。
タイではFirst One Systemsの機器・インフラ事業が伸びるが、ISS Resolutionの役務事業にはAIの影響が残る。買収の追加効果は中立の前提に織り込まず、既存2社を中心に考える。2036年の売上高は約301億円、営業利益は約19億円となる。市場全体が拡大しても、会社に帰属する利益が大きく増えるとは限らない10年である。
- VAD・セキュリティ製品販売:数量 1,515(年間標準案件換算数。標準案件は2025年の約1,000万円相当であり、実際の契約件数ではない)× 価格 0.13(標準案件1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 197 億円・営業利益 18 億円。案件数1.10倍、名目単価1.30倍。市場の拡大を一部獲得するが、メーカーとの力関係から値上げはCPIをやや下回る。
- システムインテグレーション・技術サービス:数量 3,900(年間稼働工数の人月換算。自社技術者と外注の寄与を含む推計値)× 価格 0.02(人月換算当たり売上高(億円、名目。機器を伴う受託案件も含む))→ 売上 70 億円・営業利益 2 億円。AIエージェント代替により人月0.65倍、単価1.27倍。成果報酬への全面移行は想定しない。
- RevoWorks・自社開発セキュリティ・監視:数量 120,000(RevoWorks等の利用者席数を共通の代理数量とした年間利用ID換算)× 価格 0.00(利用ID1席当たり年間売上高(億円、名目。監視・診断サービスを含む換算値))→ 売上 10 億円・営業利益 2 億円。利用席0.80倍、名目価格1.10倍。セキュリティ機能は残るが、席数と単価は競争にさらされる。
- 海外・タイのITインフラとセキュリティ:数量 88.0(年間ネットワーク・セキュリティ標準案件換算数(推定))× 価格 0.27(標準案件当たり平均売上高(億円、名目))→ 売上 23 億円・営業利益 2 億円。機器・インフラの市場浸透がサービス工数の縮小を補い、混合案件数量1.10倍、単価1.30倍。
倍率:k8.0%、長期g1.0%。2036年のROEは13.24÷123.64=約10.7%で、超過収益の半分が残る普通の堀からRONIC約9.35%を得る。正当化PER=(1-0.01÷0.0935)÷(0.08-0.01)=約12.76倍。AIによる先細りは数量とgに反映済みであり、倍率をさらに任意に割り引かない。
確率:主力のセキュリティ製品には継続需要があり、2025年からの大型案件がすべて消えるとまでは考えない。一方、VADのシェアが大きく改善する根拠もなく、SIはAIエージェントによる工数縮小を免れない。現在の会社固有の事業構成から最も起こりやすいとみる。
やや悲観 25% メーカー主導の競争とAI代替で採算が低下 利益 4 億円 · PER 10.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 166 円61 億円
国内のセキュリティ市場は拡大を続けるが、販売代理店の取り分は細る。海外メーカーが直接契約やクラウド経由の提供を増やし、販売パートナーの数を絞る。セグエグループは従来の取扱製品の一部を失い、政府案件の更新でも競合にシェアを奪われる。保守契約は一定程度残るものの、新規導入に伴う利益が弱くなる。
SIではAIエージェントが広がり、定型的な構築、運用、開発、報告の工数が大きく減る。会社は技術者を高度な案件へ移そうとするが、競争のため単価と利益率の両方を守れない。RevoWorksもMicrosoftなどの大型プラットフォームに機能を取り込まれ、利用席数が減る。製品自体が消えるわけではないが、従来のような開発投資の回収は難しくなる。
タイではインフラ案件が残る一方、ISS Resolutionのサービス低迷が長引く。買収先の利益改善に追加資金が必要となり、経営陣はコスト削減と事業の整理を迫られる。売上高は約207億円、営業利益は約6億円に落ちる。株主還元は縮小するが、倒産を想定するほどの赤字構造には至らない。
- VAD・セキュリティ製品販売:数量 1,074(年間標準案件換算数。標準案件は2025年の約1,000万円相当であり、実際の契約件数ではない)× 価格 0.12(標準案件1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 127 億円・営業利益 9 億円。案件数量0.78倍、価格1.18倍。メーカー直販化と政府調達競争で実質シェアを失う。
- システムインテグレーション・技術サービス:数量 3,300(年間稼働工数の人月換算。自社技術者と外注の寄与を含む推計値)× 価格 0.02(人月換算当たり売上高(億円、名目。機器を伴う受託案件も含む))→ 売上 55 億円・営業利益 1 億円。人月0.55倍、単価1.18倍。AI代替と競争による低採算化。
- RevoWorks・自社開発セキュリティ・監視:数量 105,000(RevoWorks等の利用者席数を共通の代理数量とした年間利用ID換算)× 価格 0.00(利用ID1席当たり年間売上高(億円、名目。監視・診断サービスを含む換算値))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。利用席0.70倍、価格1.04倍。セキュリティ大手による機能統合で価格を維持しにくい。
- 海外・タイのITインフラとセキュリティ:数量 68.0(年間ネットワーク・セキュリティ標準案件換算数(推定))× 価格 0.24(標準案件当たり平均売上高(億円、名目))→ 売上 16 億円・営業利益 1 億円。混合案件数量0.85倍、名目価格1.18倍。役務の縮小と公共案件の弱さを反映。
倍率:ROEは約4.3%でk8.0%を下回り、追加投資が株主価値を増やす前提を認めない。稼ぐ力の上限1÷k=12.5倍を下回る10倍とし、主要製品の販売権喪失や顧客縮小による利益の不安定さを表す。過去の市場PERやPBRを根拠にしていない。
確率:2025年の政府大型案件への依存、2024年の利益低下、2026年のタイ子会社におけるAI影響の開示が、単なる景気後退ではない収益力の弱さを示している。下に寄せる理由:メーカーに価格を握られるVADと人月型SIの比率が高く、受注が縮んだ時の固定費負担が大きい。
悲観 14% 販売権と顧客を失い、事業規模がほぼ半減 利益 3 億円 · PER 10.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 70 円26 億円
主要メーカーが日本での販売網を再編し、セグエグループは高採算製品の取扱いや重要顧客を失う。政府のGSS更新案件も他社が獲得し、2025年から2026年の大型受注は繰り返されない。会社は低採算の一般機器販売から撤退し、保守や一部の専門製品を中心に規模を縮める。売上高は2025年の半分強まで落ち込む。
SIではAIエージェントと大手プラットフォームによる自動化が進み、顧客は従来の約半分の工数しか買わなくなる。技術者の再配置や固定費削減が追いつかず、役務の営業利益は赤字となる。RevoWorksも大手製品との統合競争に押され、利用席が減少する。自社の監視・開発体制を維持する費用が重く、製品の利益率もマイナスになる。
タイではFirst One Systemsの機器事業が一部残るが、ISS Resolutionのサービス低迷が続き、買収の経済的な成果は乏しい。経営陣は人員、拠点、管理費を削減し、存続可能な事業を残す。2036年の売上高は約136億円、営業利益は約4億円まで縮小する。会計上の自己資本が残っていても、それを高い利回りで運用できない会社となる。
- VAD・セキュリティ製品販売:数量 744(年間標準案件換算数。標準案件は2025年の約1,000万円相当であり、実際の契約件数ではない)× 価格 0.10(標準案件1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 74 億円・営業利益 9 億円。案件数0.54倍、単価は名目でも据え置き。一般機器の販売縮小後、残存する専門保守・高付加価値案件に収益が偏るため利益率は保たれるが、利益額は減る。
- システムインテグレーション・技術サービス:数量 3,000(年間稼働工数の人月換算。自社技術者と外注の寄与を含む推計値)× 価格 0.01(人月換算当たり売上高(億円、名目。機器を伴う受託案件も含む))→ 売上 45 億円・営業利益 −2 億円。人月0.50倍、価格1.05倍。稼働率低下と工数の自動化で赤字。
- RevoWorks・自社開発セキュリティ・監視:数量 75,000(RevoWorks等の利用者席数を共通の代理数量とした年間利用ID換算)× 価格 0.00(利用ID1席当たり年間売上高(億円、名目。監視・診断サービスを含む換算値))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。利用席0.50倍、単価据え置き。顧客減と開発・維持費の負担で赤字。
- 海外・タイのITインフラとセキュリティ:数量 52.0(年間ネットワーク・セキュリティ標準案件換算数(推定))× 価格 0.21(標準案件当たり平均売上高(億円、名目))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。混合案件数0.65倍、価格1.03倍。役務が減り、機器納入の一部が残る。
倍率:ROE約2.6%はk8.0%より低く、成長に価値を付けない。稼ぐ力の上限12.5倍を下回るPER10倍を使用する。2036年の株主持分価値は約25.7億円で、別途計算した現在の換金可能資産に基づく悲観の床24億円を下回らない。過去のPBRの底値から倍率を選んでいない。
確率:海外メーカーの販売戦略変更、政府案件の失注、AIによる工数削減、自社製品の競争力低下が重なる厳しい筋書き。独立した製品・販路・サービスが残るため、倒産を中心にはしないが、構造的に優良さを失う可能性を無視しない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
VAD・セキュリティ製品販売
海外メーカーのセキュリティ製品、ネットワーク機器、関連ソフトの販売と導入・保守。メーカーと顧客の間で技術選定や保守を担う。
| 数量年間標準案件換算数。標準案件は2025年の約1,000万円相当であり、実際の契約件数ではない | 価格標準案件1件当たり売上高(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,377 | 0.10 | 138 | 16 |
| 10 年後 中立 | 1,515 | 0.13 | 197 | 18 |
取り方:2025年決算説明資料のVAD売上137.66億円、粗利益33.86億円を起点とする。実際の販売台数、案件数、平均単価は非開示のため、国内ネットワークセキュリティ製品市場の2024年度4,153億円を参考に、2025年度約4,490億円と概算した。VAD売上を市場規模で割った約3.1%は、一般ネットワーク機器や保守も含むため正式なシェアではない。この市場を1,000万円相当の標準案件に直した約4万4,900件に、売上比に相当する規模を当てると約1,377件となる。単価は約1,000万円である。マクニカ、テクマトリックスなどとの競争を踏まえ、中立の数量は政府大型案件の反復を前提にせず1.10倍、名目単価はメーカーとの交渉力を考えて1.30倍とする。2025年の事業別営業利益は非開示なので16億円は粗利益から販管費を仮配賦した推定である。機器の物理的な導入と販売自体はAIエージェントの直接代替型ではないが、販売支援の役務と席数連動ライセンスには間接的な代替圧力がある。市場資料:https://www.fcr.co.jp/pr/25009.htm
システムインテグレーション・技術サービス
ネットワークの設計、構築、開発、運用、技術支援。人の工数と外注先の稼働が収益を左右する。
| 数量年間稼働工数の人月換算。自社技術者と外注の寄与を含む推計値 | 価格人月換算当たり売上高(億円、名目。機器を伴う受託案件も含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 6,000 | 0.01 | 85 | 3 |
| 10 年後 中立 | 3,900 | 0.02 | 70 | 2 |
取り方:2025年決算説明資料のSI売上85.37億円、粗利益14.79億円を使用。グループの技術者が約500人規模であることを参考に、自社の非稼働時間と外注の寄与を相殺した年間6,000人月の案件工数と推定した。平均売上は人月当たり約142万円であり、技術者個人の給与や純粋な派遣単価ではない。会社は契約件数・人月単価を公表しておらず推定誤差は大きい。国内の受託ソフトウェア開発・情報サービスは巨大な市場だが、セグエグループの対象となるセキュリティSIだけの市場規模とシェアは非開示である。競合は大手SI各社とセキュリティ専門会社。AIエージェント代替の型は『人月・工数で売る』で、中立の実質工数は2025年比0.65倍、名目単価は1.27倍、10年より先のgは0%とする。成果報酬への移行による販売額拡大は、実績金額の開示がないため認めない。事業別営業利益3億円は推定配賦。市場参考:https://www.jisa.or.jp/explain/tabid/755/default.aspx
RevoWorks・自社開発セキュリティ・監視
ファイル無害化やネットワーク分離などの自社製品と、SOC・セキュリティ診断等の関連サービス。
| 数量RevoWorks等の利用者席数を共通の代理数量とした年間利用ID換算 | 価格利用ID1席当たり年間売上高(億円、名目。監視・診断サービスを含む換算値) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 150,000 | 0.00 | 11 | 2 |
| 10 年後 中立 | 120,000 | 0.00 | 10 | 2 |
取り方:2025年決算説明資料の自社開発売上11.35億円、粗利益5.80億円を起点とする。2026年8月説明会でRevoWorksシリーズの利用規模を約400団体・15万ユーザーと説明しているため、15万席を代理数量とした。2025年売上と2026年の利用者数を組み合わせた概算であり、2025年末の実際の課金席数ではない。売上にはSOCや監視サービスも含まれるため、席当たり年間約7,567円は正式なライセンス価格ではない。国内のネットワークセキュリティ製品市場は2024年度4,153億円だが、自社開発の対象領域は一部分であり厳密な市場シェアは求められない。政府系の導入実績はあるが、解約率5%未満、法令対応の度重なる値上げ、独自データの蓄積、業界共通基盤という『記録の正本』を認める証拠は2つ以上確認できない。AI代替の型は席課金・操作画面中心のソフトと監視役務の混合とし、中立数量0.80倍、単価1.10倍、長期のgは0%以下とする。政府案件の一時的な導入売上とストック収益を混同しない。事業別営業利益2.2億円は推定配賦。
海外・タイのITインフラとセキュリティ
ISS ResolutionとFirst One Systemsによるネットワーク機器販売、公共・大学向け構築、セキュリティサービス。
| 数量年間ネットワーク・セキュリティ標準案件換算数(推定) | 価格標準案件当たり平均売上高(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 80.0 | 0.20 | 16 | 2 |
| 10 年後 中立 | 88.0 | 0.27 | 23 | 2 |
取り方:2025年決算説明資料の海外売上16.34億円、粗利益4.84億円を使用。案件件数・価格が非開示のため、国内大学や公共機関への比較的大きな導入案件を含む年間80件相当、平均約2,043万円の標準案件として推計した。これは契約台帳上の件数ではない。タイのサイバーセキュリティ市場は2025年約4億8,448万ドルという民間調査があるが、現地売上には通常のITインフラも含まれ、16.34億円との単純比較から厳密なシェアは決められない。First One Systemsは公共向け機器案件が成長する一方、ISS Resolutionでは2026年第1四半期にAIの影響によるサービス低迷が明示された。AI代替型に当たるのは人月・役務の部分であり、物理的な機器販売部分には直接適用しない。構成別売上が非開示のため、中立の混合数量1.10倍には前者の縮小と後者の市場浸透を相殺した判断を含め、名目単価1.30倍とする。事業別営業利益1.8億円は推定配賦。市場参考:https://www.mordorintelligence.com/ja/industry-reports/thailand-cybersecurity-market
リスクと懸念
AIエージェント代替
人月・工数で売るSIと一部のセキュリティ監視・診断は、AIによる作業時間の短縮を顧客から価格低下として求められる可能性が高い。定型的な設計、開発、設定、試験、報告書作成は代替が進みやすい。タイのISS Resolutionでは2026年第1四半期にAIの影響によるサービス低迷が開示された。中立のSI数量0.65倍と長期g0%にこの問題を反映しており、資本コストの寿命項目では二重に差し引かない。
政府大型案件への依存
2025年から2026年の利益改善には、政府のGSSや関連する大型案件の寄与が大きい。大型契約は技術力や信用を示すが、次回の競争入札でも受注できるとは限らない。調達時期のずれだけで年次の売上と利益率が大きく変わる。長期の収益力を判定する際は、政府案件の売上計上時期と、それ以外の保守・継続契約がどれだけ増えているかを分けて追う必要がある。
海外メーカーによる販売網の再編
VADの主な製品は会社独自の技術ではない。メーカーの直販化、代理店再編、仕入れ条件の変更、新しい統合セキュリティ基盤への移行によって、取扱製品や販売利益率を失う恐れがある。販売会社が顧客の構築や保守まで深く担えば抵抗力は増すが、技術支援が完全な独占的地位を生むわけではない。メーカー別売上の集中度と、粗利益率の推移が重要になる。
RevoWorksの競争と収益開示の不足
政府系への採用や約15万ユーザーという実績は評価できるが、解約率、契約更新率、年間継続売上、製品別の平均単価が十分には開示されていない。大手の統合セキュリティ製品が機能を内包すると、独立した製品の必要性が低下する可能性がある。逆に継続利用と値上げ実績が確認できれば、同社の競争優位は上方修正すべきである。現在はその証拠が不足している。
M&A、のれん、増資による資本効率の低下
海外展開と人材取得を目的に買収を進めてきたが、2025年にはISS Resolutionに関するのれん減損が開示された。追加の買収が売上を増やしても利益率やROICを下げれば株主価値は増えない。2026年の増資は資本を厚くした半面、既存株主の持分を希薄化した。次の10年では、買収した事業が営業キャッシュフローを増やし、再度の大型増資なしに成長できるかを重視する。
前受金・運転資金と見かけの現金
2026年上期には現預金が大きく増えた一方、将来の保守サービスなどに対応する前受金も増加した。顧客から先に受け取った金銭は、将来のサービス提供という義務を伴うため、その全額を株主の余剰現金とは評価できない。大型案件の売掛金や在庫も資金需要を増やす。悲観時には現預金残高そのものではなく、関連負債と回収可能性を差し引いた資産を確認する必要がある。
今後の分かれ目
- GSS案件を除いた受注高と保守・継続売上が3期連続で実質成長したら
- 大型政府案件の一過性への依存が弱まった証拠となる。VADの中立数量と利益率を上方修正し、やや楽観の確率も引き上げる。
- SI売上が減っても粗利益額が維持され、成果物・運用価値に基づく契約売上が金額で開示されたら
- AIによる工数削減を会社が利益として取り込める可能性を認める。人月型の数量縮小だけでなく、実証された成果報酬部分の単価を見直す。
- RevoWorksの継続課金売上、解約率、製品別ARPUが開示され、複数期にわたる値上げ実績が確認できたら
- 自社製品の堀と利益の持続性を再評価する。法規制対応や乗り換え負担を示す追加証拠がそろえば、当該部分のAI代替型と長期gを見直す。
- 主要海外メーカーの代理店契約変更によりVADの粗利益率と受注が同時に悪化したら
- 製品販売のシェア損失が始まった可能性が高い。中立の数量、単価、営業利益率を引き下げ、やや悲観と悲観の確率を上げる。
- 買収した海外子会社で追加減損や赤字が発生し、再増資が必要になったら
- 資本配分の評価を下げる。のれんと換金可能資産を再点検し、今の株主に帰属する将来利益と株主還元を保守的に見直す。
- 増資後の自己資本に対してROEが資本コストを安定して上回り、営業キャッシュフローも利益に見合って増えたら
- 再投資の経済性が確認できたと判断する。将来の利益と株主への現金還元可能額を上方修正するが、株価の上昇を理由に倍率を高くしない。
見ておくもの
- 四半期のVAD受注高・受注残高と、GSS関連案件を除いた受注の伸び
- VAD、SI、自社開発、海外の売上高・粗利益率・粗利益額の推移
- 政府大型案件の売上計上終了後に残る保守・更新契約の実態
- RevoWorksの継続課金売上、利用団体数、利用席数、解約率、製品別ARPU
- SIの技術者数、人月相当売上、生産性改善の顧客への価格還元、成果報酬契約の実績
- ISS ResolutionのAI影響の継続とFirst One Systemsの営業利益・運転資金
- 買収先ごとのROIC、のれん残高、追加減損、増資・自社株買い・配当の実績
- 現預金と前受金の差額、売掛金・在庫回転、営業キャッシュフロー
- マクニカ、テクマトリックスなどとの販売競争と主要メーカーの代理店政策
倍率と資本コストの決め方
現在の株価や同業のPER・PBRから逆算して2036年の利益を決めていない。2025年の会社開示をVAD、SI、自社開発、海外の4事業に分け、実際の契約数がない部分は市場規模、技術者数、利用席数から標準数量を推計した。数量には物価を入れず、名目単価にだけ価格変化を反映した。2025年の政府大型案件は永久に反復しない。倍率は資本コスト8%、通常の堀に相当する超過収益の残存割合1/2、長期g1%から決めた。楽観から中立まで恣意的な追加の倍率割引は行っていない。AI代替は10年間の工数・席数と長期gに反映し、寿命項目で再度引かない。株数は2026年6月末の発行済株式から自己株式を控除した数を採用し、実施済み増資による希薄化は再計上しない。将来の余剰現金が株主に戻る割合は75%とし、現在の前受金対応の現預金を別途足さない。日本の新リース会計基準による将来の表示変更があっても、利益予測は現在の費用分類と整合する形で比較する。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%による基本7.5%に、メーカーへの価格依存を示すquality+0.5%を加えた。政府案件・買収・AIの個別リスクは追加金利ではなく、利益の筋書きと確率で表す。
同じ業種(情報・通信業)の AI 分析
読んだ資料
- セグエグループ 2025年12月期決算説明会資料(2026年2月20日、4事業別の売上・粗利益、政府大型案件、買収と減損)
- セグエグループ 2026年12月期第1四半期決算補足説明資料(2026年5月13日、AIによるタイ子会社のサービス低迷、増資後の財務)
- セグエグループ 2026年8月決算説明会書き起こし(RevoWorks導入規模、政府案件、2026年上期の事業状況)
- セグエグループ 中期経営計画Segue300(2024年5月22日、当初目標と2030年の長期ビジョン)
- セグエグループ 中期経営計画の2026年12月期数値目標変更(2026年1月23日)
- セグエグループ 株主還元方針(配当性向50%目安、配当履歴、株主優待)
- 富士キメラ総研 ネットワークセキュリティ製品・サービス市場調査(2025年1月31日)
- 矢野経済研究所 サイバーセキュリティ市場調査(2026年6月3日)
- 情報通信ネットワーク産業協会 通信機器中期需要予測2025~2030年度