結論
菱友システムズは、三菱重工業を中心とする製造業の設計・解析と情報システムを長く支えてきた企業である。筆者の結論は「適正」だ。重工の難しい業務に入り込んだ関係と豊かな金融資産には価値があるが、人の工数を売る事業を人工知能が変えるため、現時点では十分な安全域までは見いだせない。
2026年3月期には売上高432億円、営業利益55億円となり、利益率は過去10年で目立って改善した。だが三菱重工業向け売上は264億円、全体の61.1%に達する。前年の52.8%から集中が進んだ一方、他の顧客向け売上は約202億円から約168億円へ縮んだ。表面上の安定増収より、顧客構成の変化が将来を左右する。
直近の2027年3月期第1四半期も売上高は前年同期比3.0%減、営業利益は16.3%減だった。通期予想は据え置かれたが、改善した利益率をそのまま10年間伸ばせると考えるべきではない。
10年後も航空・防衛・宇宙の設計照査や大企業の情報基盤は必要だろう。ただし、必要な仕事の量と人月課金で売れる量は同じではない。中立では開発・運用の請求工数が3~4割減り、名目単価の上昇でも埋め切れないと考える。その代わり、預け金と債券を含む金融資産や、10年間の利益の蓄積が事業価値の下支えになる。
長期の利益と還元を現在に割り引いた価値は約353億円で、比較対象の時価総額約365億円を約3%下回る。倒産を懸念する会社ではないが、支配株主に近い顧客への依存、余剰資金の還元力、AI時代の契約形態に不確実性が残る。安心して10年間持てる堀と、今の値段で得られる安全域は分けて判断したい。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の目には、菱友システムズは「顧客の複雑な業務を知る技術者集団」と映る。製造業の設計・解析と稼働中のシステムに入り込む仕事は、一度納めて終わる商品より長く続く。航空機の強度解析や発電設備の設計支援では、単純に安い業者へ乗り換えると、過去の計算や安全上の確認までやり直す必要が生じる。
一方で、株主が本当に所有するのは技術者の勤務時間ではなく、将来その会社が生み出して配分する現金だ。AIによって同じ業務を少ない人数でこなせるようになれば、顧客にとっての価値は残っても、請求できる人月の数は減る。成長率を過去の売上とROEから伸ばすのではなく、何人月の役務が残り、いくらで売れるかを疑う必要がある。
財務の安全性は明確な長所である。2026年3月期の営業キャッシュフローは約40億円で、パソコン・サーバー中心の設備投資は約4億円だった。工場や大型設備の建て替えに追われる会社ではなく、利益が現金に変わる構造は健全だ。ただしグループ金融会社への預け金や提携株式として滞留する資金は、いつ全額が少数株主に渡るか分からない。
本物の強い堀と呼ぶには、顧客の切り替えコストだけでなく、独自データの所有、成果に応じた価格設定、AIを使った製品売上の定着を示してほしい。現在の価格と確率加重価値は近く、良い会社であることに比べて投資の安全域は薄い。品質を認めつつも、価格が大きく下落した時、または工数以外の継続収益が数字で明らかになった時に評価を変える姿勢が妥当だ。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は、製造業の仕事をITと設計技術で支えることである。情報システムの企画・開発、基幹システムの保守・監視、サーバーやネットワークの構築に加え、PLMと呼ばれる製品情報の一元管理、航空機やロケット、エンジンの流体・構造解析まで扱う。会社の報告上は「情報サービス」の単一セグメントだが、顧客が買う役務は相当に異なる。
菱友システム技術は工学・情報技術を扱い、菱友システムビジネスは機器と保守、菱友システムサービスは運用と人材サービスを担う。2026年3月期の菱友システム技術の外部売上は69億円であり、解析・設計業務が小さな付随サービスではないことが分かる。ソフトを開発して一回納める仕事だけでなく、稼働後の運用を長く引き受ける契約もある。
三菱重工業は同社株の約31%を持ち、菱友システムズを持分法適用会社とする。同時に連結売上の6割を占める顧客でもある。防衛装備やエネルギー設備などの製造工程を熟知することは、別の請負企業には簡単にコピーできない。ただし取引は対等な価格交渉だけで決まるわけではなく、特定グループの調達方針に強く左右される。
会社は各サービスの売上、顧客数、契約件数、人月、実現単価を開示していない。このため数量の分析には、連結人員約2,000人と専門子会社の売上を基準に、協力会社の稼働分を含めた請求人月を推計した。機器・ライセンスの販売は一式当たりの案件数として区別し、残余売上を恣意的な高成長領域に移さないようにした。
優良さと弱いところ
同社の強みは技術そのものの特許より、顧客の現場を知る深さにある。航空・防衛・宇宙の設計では仕様と品質管理の積み重ねが重要であり、古い業務と新しいシステムを結び直せる人は簡単に育たない。三菱重工業の取引額が2026年3月期に増えたことは、関係が現に使われている証拠でもある。
しかし「顧客が離れにくい」ことと「値上げできる」ことは別だ。更新率が年95%を超える、移行に何年必要、物価を上回る単価改定を通した、といった数字は確認できない。規制対象データの唯一の記録基盤を自社で保有する証拠もなく、会社全体を強い独占的な堀とは評価しない。製造業の専門業務にも、AIによる解析補助や設計自動化は広がる。
利益率は2016年3月期の6%弱から2026年3月期の12.7%へ改善し、直近のROEも高い。低い有利子負債と積み上がった純資産は品質の高さを示すが、増分のROICを独立に開示しているわけではない。開発・運用の効率化で受注量を増やせた部分と、三菱重工向けの高稼働が生んだ部分を切り分ける必要がある。
さらに実質的な支配力が顧客側と従業員持株会に集中する点は、少数株主には両刃である。長年の関係は受注の障壁だが、利益の取り分や余剰現金の使い道を株主が直接決めにくい。信用できる運営実績は認める一方、自由な価格決定力と資本配分の独立性には高い点を付けない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内ITサービス市場は、添付の業種資料では2025年に約7.5兆円とされ、基幹システムの刷新やクラウド移行によって名目需要が拡大している。菱友システムズの連結売上を単純に比べれば市場の0.6%弱にすぎず、市場全体を動かす規模ではない。ただし受注の大半は三菱重工業の一企業グループに集中しており、全国市場での薄いシェアが競争の弱さをすべて説明するわけではない。
製造業の周辺市場にも裾野がある。矢野経済研究所は2024年度の国内PLM市場を約761億円、2024年の機械系CAE市場を約1,042億円と推計している。前者は製品情報の管理ソフト、後者は解析ソフトや関連サービスを含む市場であり、同社の受託人月全体と同じ定義ではない。競合する電通総研、アルゴグラフィックス、富士通系、NTTデータ系、TISなどの個別シェアも比較可能な形では公表されず、分野別の正確な順位は断定できない。
市場が伸びても、人月で請求できる仕事が伸びるとは限らない。従来は技術者不足が単価を押し上げたが、AIエージェントが仕様作成、プログラミング、監視、資料作成を引き受ければ、顧客は同じ成果をより少ない工数で買える。とりわけ保守運用と一般的な受託開発は価格交渉が厳しくなる。会社自身も前中計の総括で、顧客の内製化と生成AI連携への対応を課題として認めている。
一方、構造・流体解析には安全性、実験結果との照合、設計責任が伴い、単純な事務処理ほど早く置き換わらない。三菱重工業の航空・防衛・宇宙分野には大きな受注残があり、専門家による検証需要を支える。10年後の市場は情報システム支出の名目成長と、外部に発注する作業工数の実質減少が併存すると見ている。
資本政策と M&A
経営が掲げる2025~2028年の中期計画は「顧客と並走する菱友」を軸に、設計段階からの参画、顧客業務のBPO化、セキュリティと自律型AIの実用化を進める内容である。しかし原文には2028年の売上高・営業利益・ROE・自社株買いの金額という数字の約束はない。別途公表している還元方針は連結配当性向30%超を目途とするもので、2026年3月期の配当性向は約32%であった。
過去10年は段階的な増配を続け、買い戻しによる株数の大幅減少は見られない。2026年2月には網屋の株式27万株を取得し、期末簿価約7.3億円の資本業務提携でセキュリティ製品を共同開発する方針を示した。研究開発費は約1.5億円にとどまり、新製品が受注の柱になるかは今後の売上開示で確かめたい。
金融資産の厚さは見落とせない。現金同等物約33億円のほか、MHIフィナンシャルへの預け金約71億円、社債約32億円があり、上場株式約10億円も保有する。ただし全額を余剰現金とはせず、短期の運転資金約36億円を控除した100億円を事業外資金とみる。三菱重工と社員持株会だけで過半の株式を保有し、現在の配当性向が約3割であるため、将来蓄積する現金の株主への戻り方は75%にとどめた。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
三菱重工業との取引は一過性のブームではない。防衛・航空・宇宙の開発は長期にわたる設備・技術投資を伴い、同社が長く担ってきた計算、設計照査、情報システムの運用には履歴と現場知識が必要である。三菱重工本体の2026年3月期の航空・防衛・宇宙分野の受注残は4兆円規模であり、設計を支える人材とシステムへの需要も直ちには途切れない。
2026年3月期の売上がほぼ横ばいでも営業利益は増えた。採用と専門人材の育成、プロジェクト採算の管理で稼ぎ方を改善できる証拠はある。前中計でローコード・クラウド事業が軌道に乗ったと会社は説明し、今中計はさらに自律型AIやセキュリティ、工学解析を深める。網屋との提携は小規模でも、新しい安全管理サービスへの足掛かりになる。
また、貸借対照表には現金だけでなく、MHIフィナンシャルへの預け金と社債が積み上がっている。技術革新が早くても業績と資本の双方が一度に崩れなければ、10年間に稼ぐ利益を配当し、残りを金融資産として蓄積できる。高い値上げ率やAI製品の売上急増を仮定しなくても、残された専門業務の価値と財務余力から相当の株主価値が生まれる。
技術者の専門性を次世代の設計検証手法に転換できれば、労働時間の減少が利益の減少と直結しないことを示せる。成果物に対して価格を取る契約への移行が進めば、既存顧客との関係はさらに強くなる。
慎重な見方
売上の61.1%を1社に依存する企業に、独立した価格決定権があるとは言い難い。三菱重工向け売上は前年より増えたが、それを除く顧客の売上は2割近く減った。親密な関係があるからこそ、発注量の調整や内製化、グループ内での役務再配分には逆らいにくい。取引額が大きいこと自体を堀の強さと誤認してはならない。
競争が変わる速度も侮れない。ローコード、運用監視、BPO、プログラム改修は、顧客や汎用AIエージェントが自ら実行する余地が大きい。技術者が同じ人数働く必要がなくなれば、人月単価が物価とともに上がっても売上は減る。解析・設計業務の一部にも自動化が入るため、防衛関連だから何も変わらないとは考えない。
株主資本の増加も必ずしも喜べない。配当性向は約3割で、大規模な自社株買いは見られず、三菱重工と社員持株会の保有比率が高い。資金は関連グループ金融会社に預けられ、網屋株や債券にも向かう。稼いだ金を事業の競争力に変えるか株主へ返すかという選択が曖昧なまま、ROEは資本の積み上がりによって下がりうる。
顧客との結び付きが強いほど、相手の経営判断が変わったときに自社だけで新しい市場を開くのは難しい。安定株主の存在は敵対的な買収を遠ざけるが、事業構造の転換を急ぐ誘因まで保証しない。
どちらに重みを置いたか
三菱重工の長い案件と売れる金融資産は下落を和らげるが、特定顧客に依存する危うさは見逃せない。確率は上側26%に対し下側42%とした。下に寄せる理由は、他顧客の直近の減収と親密な発注者への価格交渉力の弱さであり、AIの影響は中立の工数減少と長期成長率0%に既に反映して重ねていない。加重価値は時価総額を約3%下回るため、結論は「適正」である。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 4,443 円567 億円(+ 還元の換算額還元の合計 871 円111 億円)。 今の値に割り戻すと 2,763 円353 億円、今との差 +4.0%、 期待の年率 +8.0%(資本コスト 7.5%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 8,377 円1,069 億円 | 1,285 円164 億円 | +263.8% | +15.3% | 773 円99 億円 |
| やや楽観 | 18% | 6,875 円878 億円 | 1,122 円143 億円 | +201.1% | +12.9% | 1,439 円184 億円 |
| 中立 | 32% | 5,198 円664 億円 | 934 円119 億円 | +130.9% | +9.7% | 1,962 円250 億円 |
| やや悲観 | 27% | 2,447 円312 億円 | 691 円88 億円 | +18.2% | +1.9% | 847 円108 億円 |
| 悲観 | 15% | 1,410 円180 億円 | 541 円69 億円 | −26.6% | −3.5% | 293 円37 億円 |
| 加重平均 | 100% | 4,443 円567 億円 | 871 円111 億円 | +100.1% | +8.0% | 5,315 円678 億円 |
今の株価時価総額 2,656 円339 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 重工業の設計基盤で選ばれ続ける 利益 63 億円 · PER 13.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 8,377 円1,069 億円
三菱重工業の防衛・航空宇宙とエネルギー設備が更新を続け、長年の設計履歴を持つ菱友が上流工程から関与する。工学解析は請求工数をほぼ保ち、機器・ライセンスも伸びる。一般的な受託開発と運用ではAIが手作業を代替するが、顧客から受ける成果物の高度化と費用削減が利益率を改善させる。
網屋とのセキュリティ提携が継続案件を生み、三菱重工以外の製造業へも業務が広がる。ただしAIエージェントの新製品売上が定量開示されていないため、受託人月は10年前より増えない。人材の質と案件管理で強い採算を保ち、配当を続けながら金融資産も積み増す。製造業との関係は深まるが、永久の独占ではない。
それでも受託開発の既存の人月商売が成長に転じたとは扱わない。会社が成果報酬型契約の実績と採算を示すまでは、競争力向上による追加成長はむしろ将来の上振れ余地として残す。
- システム開発・PLM・DX受託:数量 10,450(外注稼働を含む年間の顧客請求人月(人月、推計))× 価格 0.02(請求人月当たり実効売上高(億円/人月、機器外注分込み))→ 売上 233 億円・営業利益 44 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.95倍、名目単価は1.34倍。売上と利益率は推計。
- 保守・運用・監視・IT基盤・BPO:数量 7,410(年間の保守・運用・構築の顧客請求人月(人月、推計))× 価格 0.02(請求人月当たり実効売上高(億円/人月、外注・機材含む))→ 売上 149 億円・営業利益 22 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.95倍、名目単価は1.34倍。売上と利益率は推計。
- 流体・構造・電磁場解析と設計技術支援:数量 6,000(年間の解析・設計支援の顧客請求人月(人月、推計))× 価格 0.02(技術者の請求人月当たり実効売上高(億円/人月))→ 売上 126 億円・営業利益 18 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の1.00倍、名目単価は1.34倍。売上と利益率は推計。
- IT機器・ソフトウェアライセンス等の販売:数量 1,300(年間の機器・ライセンス等の一式案件数(件、推計))× 価格 0.05(一式案件当たり実効売上高(億円/件))→ 売上 67 億円・営業利益 3 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の1.30倍、名目単価は1.34倍。売上と利益率は推計。
倍率:AIエージェント代替で最上位g_longを名目0%とし、k=7.5%、堀は普通。長期RONICをk+0.5×(2036年の事業ROE-k)とする正当化PERの上限は(1-0/RONIC)/(0.075-0)=13.333倍。楽観~中立は上限そのもの。純利益63.3億円から余剰金融資産400.0億円の税後利息1.4%相当を控除し、残余にPERを掛け、400.0億円×戻り方0.75を加えた。倍率は現在や同業のPERから決めていない。
確率:三菱重工の長期案件を維持し、他社へも設計とセキュリティを展開し、既存技術者の採算を改善する複合成功を要する。自律型AI製品の独立売上が開示されておらず、工数型の数量は楽観でも現状以下とする。
やや楽観 18% 専業分野を守りながら採算を改善 利益 50 億円 · PER 13.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 6,875 円878 億円
重工業の製品設計と情報システムの更新が続き、三菱重工業との関係は維持される。解析・設計の作業量は緩やかに減るが、設計責任や検証の厳しさが値下げを抑える。一般的な受託開発の人月はAIに押されて減るものの、難しい案件に移って採算を保つ。
保守運用は繰り返し契約を確保し、監視・障害対応を自動化することで少ない人員でも利益を残す。網屋との連携や設備更新時の機器納入は小さく収益を押し上げるが、新しいソフトウェア独占を獲得するほどではない。現金の蓄積と30%超の配当が株主価値を支え、企業としての安定性が維持される。
この筋書きでは、専門家が判断に責任を持つ最終工程の単価が守られることを重視する。人員の純増に頼らないため、会社が大きな買収をしなくても価値を高められるが、受注先の多様化にはなお課題が残る。
- システム開発・PLM・DX受託:数量 8,800(外注稼働を含む年間の顧客請求人月(人月、推計))× 価格 0.02(請求人月当たり実効売上高(億円/人月、機器外注分込み))→ 売上 196 億円・営業利益 35 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.80倍、名目単価は1.34倍。売上と利益率は推計。
- 保守・運用・監視・IT基盤・BPO:数量 6,474(年間の保守・運用・構築の顧客請求人月(人月、推計))× 価格 0.02(請求人月当たり実効売上高(億円/人月、外注・機材含む))→ 売上 130 億円・営業利益 18 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.83倍、名目単価は1.34倍。売上と利益率は推計。
- 流体・構造・電磁場解析と設計技術支援:数量 5,400(年間の解析・設計支援の顧客請求人月(人月、推計))× 価格 0.02(技術者の請求人月当たり実効売上高(億円/人月))→ 売上 113 億円・営業利益 14 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.90倍、名目単価は1.34倍。売上と利益率は推計。
- IT機器・ソフトウェアライセンス等の販売:数量 1,150(年間の機器・ライセンス等の一式案件数(件、推計))× 価格 0.05(一式案件当たり実効売上高(億円/件))→ 売上 59 億円・営業利益 2 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の1.15倍、名目単価は1.34倍。売上と利益率は推計。
倍率:AIエージェント代替で最上位g_longを名目0%とし、k=7.5%、堀は普通。長期RONICをk+0.5×(2036年の事業ROE-k)とする正当化PERの上限は(1-0/RONIC)/(0.075-0)=13.333倍。楽観~中立は上限そのもの。純利益50.4億円から余剰金融資産365.0億円の税後利息1.4%相当を控除し、残余にPERを掛け、365.0億円×戻り方0.75を加えた。倍率は現在や同業のPERから決めていない。
確率:顧客の更新投資と防衛分野の受注残が追い風だが、人月型の仕事はなお縮む。高い稼働率・運用継続と設計案件の発注増が同時に起こる可能性として評価する。
中立 32% 顧客は残るが請求できる人月は縮む 利益 35 億円 · PER 13.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 5,198 円664 億円
三菱重工業との設計・システム運用の関係は継続し、航空・エネルギー分野での知識が仕事をつなぐ。一方、プログラミングや定常監視をAIエージェントが代行し、開発の請求人月は約4割減る。保守・BPOは約3割、設計解析は約4分の1の実質工数が減る。名目単価は上昇するが、売上は現在をやや下回る。
利益率は現状の高水準から幾分下がるものの、外注費や採用を調整して2桁台を保つ。自律型AIへの研究は続くが、独自データを持つ継続課金基盤への転換はまだ確認できず、値決め力は限定的である。配当は利益の約3割を維持し、残りはMHIフィナンシャルへの預け金や債券などとして厚くなる。
大型買収で不足を補うより、既存顧客の重要工程に集中する経営が続く。製造業IT市場の名目成長をそのまま同社の外注売上の成長と見なさないことが、この筋書きの分かれ目である。
- システム開発・PLM・DX受託:数量 6,930(外注稼働を含む年間の顧客請求人月(人月、推計))× 価格 0.02(請求人月当たり実効売上高(億円/人月、機器外注分込み))→ 売上 150 億円・営業利益 24 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.63倍、名目単価は1.30倍。売上と利益率は推計。
- 保守・運用・監視・IT基盤・BPO:数量 5,304(年間の保守・運用・構築の顧客請求人月(人月、推計))× 価格 0.02(請求人月当たり実効売上高(億円/人月、外注・機材含む))→ 売上 103 億円・営業利益 12 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.68倍、名目単価は1.29倍。売上と利益率は推計。
- 流体・構造・電磁場解析と設計技術支援:数量 4,500(年間の解析・設計支援の顧客請求人月(人月、推計))× 価格 0.02(技術者の請求人月当たり実効売上高(億円/人月))→ 売上 94 億円・営業利益 9 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.75倍、名目単価は1.34倍。売上と利益率は推計。
- IT機器・ソフトウェアライセンス等の販売:数量 1,000(年間の機器・ライセンス等の一式案件数(件、推計))× 価格 0.05(一式案件当たり実効売上高(億円/件))→ 売上 50 億円・営業利益 2 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の1.00倍、名目単価は1.30倍。売上と利益率は推計。
倍率:AIエージェント代替で最上位g_longを名目0%とし、k=7.5%、堀は普通。長期RONICをk+0.5×(2036年の事業ROE-k)とする正当化PERの上限は(1-0/RONIC)/(0.075-0)=13.333倍。楽観~中立は上限そのもの。純利益35.4億円から余剰金融資産340.0億円の税後利息1.4%相当を控除し、残余にPERを掛け、340.0億円×戻り方0.75を加えた。倍率は現在や同業のPERから決めていない。
確率:防衛・製造の設計業務は残るが、受託開発とBPOの工数削減が進む中心見通し。過去のROEを利益成長の根拠とせず、顧客別実績とAI代替の事業別数量を優先する。
やや悲観 27% AIの価格交渉と顧客集中で収益後退 利益 16 億円 · PER 9.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,447 円312 億円
三菱重工業は内製化と調達効率化を進め、開発と運用を必要な成果だけ買う方向に転じる。他顧客向けの案件も拡大できず、ネットワーク運用や事務BPOの労働時間を外部に発注する習慣が薄れる。設計解析でも自動化が進み、顧客との関係は残っても受け取る金額は大幅に縮む。
仕事の減少に人員整理や外注費削減が追い付かず、販管費負担が営業利益率を押し下げる。新しいAI製品は研究段階のままで、網屋との協業も全社業績を補える規模には達しない。配当は減益に応じて縮み、金融資産は増えるものの利益を生む事業への再投資機会は乏しい。
報酬を人員数ではなく達成成果で受け取る契約への転換も遅れる。取引先には必要な業務があっても菱友に支払う金額は減り、価格を決める力と増分の投資利回りが低下する。
- システム開発・PLM・DX受託:数量 5,170(外注稼働を含む年間の顧客請求人月(人月、推計))× 価格 0.02(請求人月当たり実効売上高(億円/人月、機器外注分込み))→ 売上 100 億円・営業利益 10 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.47倍、名目単価は1.16倍。売上と利益率は推計。
- 保守・運用・監視・IT基盤・BPO:数量 4,056(年間の保守・運用・構築の顧客請求人月(人月、推計))× 価格 0.02(請求人月当たり実効売上高(億円/人月、外注・機材含む))→ 売上 71 億円・営業利益 6 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.52倍、名目単価は1.16倍。売上と利益率は推計。
- 流体・構造・電磁場解析と設計技術支援:数量 3,600(年間の解析・設計支援の顧客請求人月(人月、推計))× 価格 0.02(技術者の請求人月当たり実効売上高(億円/人月))→ 売上 69 億円・営業利益 4 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.60倍、名目単価は1.22倍。売上と利益率は推計。
- IT機器・ソフトウェアライセンス等の販売:数量 900(年間の機器・ライセンス等の一式案件数(件、推計))× 価格 0.04(一式案件当たり実効売上高(億円/件))→ 売上 40 億円・営業利益 1 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.90倍、名目単価は1.15倍。売上と利益率は推計。
倍率:AIエージェント代替で最上位g_longを名目0%とし、k=7.5%、堀は普通。長期RONICをk+0.5×(2036年の事業ROE-k)とする正当化PERの上限は(1-0/RONIC)/(0.075-0)=13.333倍。悲観側は利益率の脆さと営業基盤の弱体化により上限を下回る9.5倍を採用。純利益16.0億円から余剰金融資産260.0億円の税後利息1.4%相当を控除し、残余にPERを掛け、260.0億円×戻り方0.75を加えた。倍率は現在や同業のPERから決めていない。
確率:下に寄せる理由:2026年3月期の非三菱重工向け売上は大幅に減少し、残る顧客も発注量を絞り得る。構造的な顧客集中の事実を重視し、AIの人月減少を確率で重ね引きしない。
悲観 15% 主力顧客の発注縮小で人月商売が崩れる 利益 4 億円 · PBR 0.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,410 円180 億円
三菱重工業の大型案件が社内開発や別のグループ事業者へ移り、菱友が持っていた現場の知識を継承する機会が減る。一般的な開発・監視はAIエージェントが肩代わりし、同社の工数販売の半分近くが消える。解析・設計も専門家の最終照査だけが残り、かつての高稼働を維持できない。売上は現在のおよそ半分に落ちる。
人員配置の転換費用と固定費が重く、営業利益は小さくなる。セキュリティ共同開発やPLM事業の成長も損失を埋められず、経営は新規投資を止めて資産を守る。三菱重工向け売掛金と預け金の回収、保有債券の処分を前提に、清算に近い保守的な資産価値を下限とする。ただし営業の再成長に高い評価は付けない。
過去に買収した事業や提携の小規模な持分は収益源の代替にならない。会社が破綻する想定ではないものの、人材・ノウハウという目に見えない資産の価値が大幅に毀損する。
- システム開発・PLM・DX受託:数量 4,400(外注稼働を含む年間の顧客請求人月(人月、推計))× 価格 0.02(請求人月当たり実効売上高(億円/人月、機器外注分込み))→ 売上 75 億円・営業利益 3 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.40倍、名目単価は1.02倍。売上と利益率は推計。
- 保守・運用・監視・IT基盤・BPO:数量 3,510(年間の保守・運用・構築の顧客請求人月(人月、推計))× 価格 0.02(請求人月当たり実効売上高(億円/人月、外注・機材含む))→ 売上 54 億円・営業利益 1 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.45倍、名目単価は1.02倍。売上と利益率は推計。
- 流体・構造・電磁場解析と設計技術支援:数量 3,300(年間の解析・設計支援の顧客請求人月(人月、推計))× 価格 0.02(技術者の請求人月当たり実効売上高(億円/人月))→ 売上 57 億円・営業利益 2 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.55倍、名目単価は1.10倍。売上と利益率は推計。
- IT機器・ソフトウェアライセンス等の販売:数量 800(年間の機器・ライセンス等の一式案件数(件、推計))× 価格 0.04(一式案件当たり実効売上高(億円/件))→ 売上 31 億円・営業利益 0 億円。2036年の実質工数・件数は現時点の0.80倍、名目単価は1.02倍。売上と利益率は推計。
倍率:悲観時は業績からの価値が薄くなるためPBRで床を評価する。現在の親会社株主帰属自己資本222.2億円から無形資産5.68億円、繰延税金資産22.57億円、退職給付純資産約15.61億円を控除すると約178.3億円であり、回収可能な運転資産を踏まえ180億円を保守的な床とする。PBR0.81008は現在の自己資本に対する値で、将来の積み上げ後の自己資本には掛けない。預け金や債券はこの床に含まれ、別途余剰現金を加算しない。この筋書きのexcess_cash_okuは0と明示し、現預金・預け金・社債を床から重複して加算しない。
確率:主要顧客との役割再配分と非主力顧客の流出が重なり、シェアを構造的に失う低頻度の事態。破綻は想定せず、売れる資産による床を別途適用する。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
システム開発・PLM・DX受託
製造・生産管理、PLM、ローコード、クラウド・デジタルの受託開発。AI代替区分は人月・工数型であり、記録の正本を提供するSaaSではない。
| 数量外注稼働を含む年間の顧客請求人月(人月、推計) | 価格請求人月当たり実効売上高(億円/人月、機器外注分込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 11,000 | 0.02 | 183 | 33 |
| 10 年後 中立 | 6,930 | 0.02 | 150 | 24 |
取り方:事業別売上は非開示。全社432.29億円からエンジニアリング・運用・機器販売の推計額を引いた183億円。連結人員約2,000人と協力会社を背景に年間11,000請求人月を仮定、単価約166万円/月。ITサービス市場約7.5兆円の0.24%相当だがPLM等が混在し真の部門シェアとは異なる。AIエージェント代替の人月型で中立数量0.63倍、単価1.30倍。4事業の現状営業利益推計合計57.0億円と連結実績54.9億円の差2.1億円は全社共通費等に相当する調整額で、将来のadjust_okuとは別の現状推計。
保守・運用・監視・IT基盤・BPO
ネットワーク・サーバーの運用監視、保守、IT基盤構築と事務系BPO。契約継続性があるが大半は運用工数型で、顧客共通の独占基盤ではない。
| 数量年間の保守・運用・構築の顧客請求人月(人月、推計) | 価格請求人月当たり実効売上高(億円/人月、外注・機材含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 7,800 | 0.02 | 117 | 15 |
| 10 年後 中立 | 5,304 | 0.02 | 103 | 12 |
取り方:売上区分の開示がないため推計。100%子会社菱友システムサービスの年商24.56億円を下限の参考に、親会社の大口運用と別子会社の基盤構築を合わせ117億円(27%)と仮定。7,800請求人月×150万円。AIエージェント代替の人月・BPO型で中立数量0.68倍、単価1.29倍。
流体・構造・電磁場解析と設計技術支援
防衛・航空宇宙、エネルギー、自動車向けの設計照査・シミュレーション・CAD支援。規格照合の必要性は強いが請求は人的工数が主体。
| 数量年間の解析・設計支援の顧客請求人月(人月、推計) | 価格技術者の請求人月当たり実効売上高(億円/人月) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 6,000 | 0.02 | 94 | 8 |
| 10 年後 中立 | 4,500 | 0.02 | 94 | 9 |
取り方:工学支援の会社別売上は非開示。菱友システム技術の外部売上69.02億円が下限の参考となるため、親会社などの解析も含む94億円を推計し、6,000請求人月×約157万円とした。国内機械系CAE市場約1,042億円は製品・サービス定義が異なるためシェアを9%と断定しない。人月型だが検証責任が残るため中立数量0.75倍、単価1.34倍。
IT機器・ソフトウェアライセンス等の販売
サーバー・ネットワーク機器、パッケージ・ライセンス等の再販売と初期設定。物品・契約の販売分であり、純粋な工数型とは区別した。
| 数量年間の機器・ライセンス等の一式案件数(件、推計) | 価格一式案件当たり実効売上高(億円/件) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,000 | 0.04 | 38 | 2 |
| 10 年後 中立 | 1,000 | 0.05 | 50 | 2 |
取り方:会社は機器売上・納入台数を開示していない。機器販売を業務内容に掲げる菱友システムビジネス等の存在と売上合計から、全社の約9%=38.3億円を仮置きした。一式1,000案件×約383万円であり、価格・件数とも検証待ちの推定値。再販売部分には人月型のAI数量制約を機械的には適用せず、クラウド移行と調達を考慮する。
リスクと懸念
AIエージェント代替
受託開発、運用監視、BPO、解析支援は主として人月・工数を販売する事業である。顧客が仕様化、プログラム修正、障害監視、設計補助をAIに任せれば必要な外注時間が減り、同じ人員と単価では売上を維持できない。会社固有の記録の正本や低解約率の定量的な証拠はなく、中立の実質工数を開発0.63倍、運用0.68倍、解析0.75倍とした。
三菱重工への集中とグループ調達
2026年3月期の三菱重工業向け売上比率は61.1%で、前年の52.8%から急増した。同社が設計業務を内製化する、価格と外注枠を見直す、別のグループ会社に仕事を移す場合、菱友側には代替する顧客基盤が足りない。逆に同社の防衛・エネルギー投資が続く限り受注は強いが、収益の方向を一顧客が握る点は重大だ。
余剰資金と少数株主の利害
約71億円をMHIフィナンシャルに預け、社債も約32億円保有する。親密な取引先のグループ金融会社への大口資金集中には信用・ガバナンスの両面の論点があり、帳簿の現金性資産が直ちに株主へ全額分配されるわけではない。配当は増えているものの、大型の自社株買いや総還元率の数字の約束はない。
非三菱重工顧客の競争力後退
2026年3月期の非三菱重工向け売上は推計約168億円で、前年の約202億円から約17%縮んだ。大口顧客の拡大がこの減少を覆い隠している。製造系ITでは電通総研、アルゴグラフィックス、TIS、大手クラウド企業など複数の競合が顧客のDX予算を取り合うため、外部顧客の回復がなければ長期の数量は想定より弱くなり得る。
債券金利・年金資産と清算価値の差
2026年3月期には投資社債約32億円のほか、繰延税金資産約23億円と退職給付資産約18億円が帳簿にある。金利上昇は新たな受取利息に有利だが、既存社債の時価を下押しする。後二者は現金のように株主へすぐ分配できないため、悲観の床は自己資本222億円をそのまま換金額と見なさず調整した。
新規商品と網屋提携の採算
2026年2月の網屋への出資は、セキュリティ開発と共同営業にとって前向きな一歩である。しかし資本提携が生む売上や継続課金の解約率は公表されておらず、投資回収の確度は未確認だ。R&D投資は比較的小さく、AIや自社セキュリティ商品が主力の工数減少を埋めるという期待を先行して収益計画に入れるべきではない。
今後の分かれ目
- 三菱重工以外の売上が2年連続で増加し、売上集中度が60%未満に低下したら
- 新規顧客を開拓する競争力の証拠となり、開発・運用人月の数量見通しと上側の確率を引き上げる。逆に集中度だけが高まるなら顧客リスクを重くする。
- 三菱重工業がIT調達の内製化・共同利用や別会社への移管を正式に拡大したら
- 最も安定的と見た収益源が失われる可能性があるため、設計支援と保守の実質工数を下げ、やや悲観・悲観の見通しを重くする。
- 自律型AI・セキュリティ商品の売上が独立開示され、継続売上と低解約率が確認できたら
- その商品部分だけを人月型から独自基盤の型へ変更する。継続契約の移行費用や独自データなど二つ以上の証拠があれば長期成長率も再評価する。
- 配当性向50%以上または純株数5%以上の買い戻しが継続したら
- 余剰金融資産の少数株主への還元期待を0.75から1.0へ見直し、事業の利益見通しを変えずに本質価値を引き上げる。
- 営業利益率が2期続けて8%を下回ったら
- AIと外注単価の変化に固定費削減が追いついていないと判断し、中立の採算を下げ、現金の蓄積が減る筋書きに切り替える。
- MHIフィナンシャルへの預け金が大きく減り、社外の流動資産または配当に移ったら
- 信用集中と資金の回収可能性を確認し、余剰現金の割引率を下げる。借換・設備需要のための引き出しであれば事業投資の利回りを別に見極める。
見ておくもの
- 有報の三菱重工業向け売上額・比率と、それ以外の顧客の売上額(2026年3月期61.1%)
- 受注高・受注残高の推移(2026年3月期は受注高435.57億円、受注残95.53億円)
- システム開発・運用・CAEの実効請求工数、単価、外注比率の開示有無
- 営業利益率と人員の増減、生産性向上とAIによる受注工数縮小の区別
- 網屋との共同開発商品の実際の売上と更新・解約指標
- MHIフィナンシャルへの預け金、社債残高、金融資産の運用先
- 配当性向、増配、自社株買い、関連当事者取引の内容
- 2028年3月期以降の新リース基準適用と決算利益・負債の表示変化
倍率と資本コストの決め方
現在の時価総額は添付の株価2,861円と純株数12,764,867株から365.20億円としたが、これを目標に事業の数量や利益率を調整していない。2026年3月期の報告セグメントは一つであり、下位4区分の売上・請求人月・単価・利益率はすべて説明付き推計で、公開された会社実績ではない。物価上昇は10年間の名目単価にだけ反映し、実質請求工数に混ぜていない。AI代替は工数の10年減少とg_long=0%に反映し、資本コストの寿命項目や悲観確率に同じ理由で加算しない。kは業界共通7.5%に品質調整0%、楽観~中立のPERはg=0%の利益式による13.33倍の上限そのもの。余剰現金は2026年時点100億円と将来の積み上がりを区別し、金融収益を純利益から控除して加える。上場株式・売掛債権は重複加算せず、悲観では税効果・年金資産等を除いた180億円の床を確認した。2028年3月期以降のリース基準変更でBS表示が変わっても、利益比較は同じ営業費用ベースでそろえる。
資本コスト 7.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%+株式リスクプレミアム4.5%+品質調整0%。個別の顧客集中は確率と筋書きに反映した。