結論
網屋は、企業の操作記録を守る「ALog」と、拠点間通信を安全にする「Network All Cloud」を育てる国産セキュリティ企業だ。筆者の結論は割高である。製品の強さは疑わないが、その強さを十分に評価しても、現在の約511億円という時価総額には10年後の成功が相当織り込まれている。
強みは、導入後に替えづらい仕組みを売っていることだ。ALogのサブスクリプション解約率は2025年に0.5%、ネットワーク事業も1.0%にとどまる。国産SIEMという範囲では首位の認定も受け、監査や事故調査に欠かせないログの保存・分析は、生成AIが普及しても不要になりにくい。2026年10月にはキヤノンMJグループへのVerona提供が決まり、間接販売の裾野も広がる。
しかし、顧客が残ることと、網屋の利益が高い伸びを続けることは別問題だ。マイクロソフトなどの統合防御製品は顧客との接点を握り、SIEMやSASEを一括で調達する流れを強める。国内メーカーとしての安心感が、常に高い価格での契約継続を意味するわけではない。人手で提供する調査・運用支援にはAIエージェントの工数代替も迫る。
中立の2035年には売上約184億円、純利益約23億円を見込む。2025年の利益から見れば立派な成長だ。それでも会社全体の10年後の価値と期間中の還元を現在価値に直し、転換社債などによる既存株主の持分低下も勘案すると、確率加重の本質価値は約240億円で、現時点の時価総額を約53%下回る。顧客の解約よりも、競争優位を守るための開発費、資本配分、支払う値段を厳しく見るべき会社だ。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって一番の魅力は、セキュリティを「怖いから買う商品」から「止められない設備」へ変えていることだ。ALogに入った監査記録、Veronaで守られる拠点間通信、代理店が提供する運用保守は、翌年から急に外しにくい。解約率が1%前後という開示は、この強みを言葉ではなく数字で示している。毎年積み上がる契約を新製品開発へ回せれば、元手の小さな企業でも価値を生み続けられる。
ただし、株主が受け取れる利益は会計上の純利益と同じではない。ALogをSIEMへ広げればMicrosoftやSplunkへの対抗投資が要る。国産SASEを伸ばせば拠点機器と監視基盤を更新し続けなければならない。アンペールの工場・在庫・調達まで抱えれば、売上の増分に対して運転資金も必要になる。減価償却が直ちに物価と同じだけ増えなくても、更新用の現金支出は先に増えうる。
そのうえで経営の資本配分はまだ採点途中だ。直近の配当開始と買い戻しは歓迎できるが、転換社債と予約権による既存株主の希薄化を上回るほど、買収と開発投資が利益を生むかが問われる。高いROEが自己株買いで作られた部分と、本業の競争力から生まれた部分を分けて見る必要がある。
筆者はこの事業を「理解しやすい定期収益があるが、十年先の業界順位まで確信できる会社」とは見ない。サイバー防御の需要は確かでも、顧客企業は大手の統合ソフトへ乗り換えられるからだ。十分な安全域を取るには、現在の高い期待に頼らず、海外勢と競り合うための費用と旧来のサービス売上の侵食を受け入れた価値で測るべきである。
何で稼ぐ会社か
網屋の稼ぎは、データセキュリティ(DS)とネットワークセキュリティ(NS)の二本柱である。2025年の連結売上約59億円のうち、DSは約25億円、NSは約35億円を占めた。どちらも売り切りから定期契約へ重心を移しており、2025年末の継続収益年換算額(ARR)は両事業で約38億円に達した。ARRは期末の年換算額であり、当年に認識した売上高そのものではない。
DSの中心であるALogは、ファイルサーバーや各種システムが残す異なる形式の記録を収集し、読みやすい形にそろえる。内部不正の監査、ランサムウェアの侵入経路調査、事故発生後の証拠保全が用途だ。2024年から新規受注の大部分をサブスクリプションに切り替え、2025年末のサブスクリプション累計受注は483件に達した。旧来の保守契約もARRに含むため、契約社数と年換算売上は単純には割り算できない。加えて事故対応、運用代行、研修、セキュリティコンサルティングを提供し、この人手による部分は自社製品とは収益の寿命が違う。
NSはVeronaのVPN・SASEとHypersonixのクラウド管理Wi-Fiを組み合わせ、設定から日々の運用まで請け負う。SASEはネットワーク接続と防御をクラウドで一体提供する方式だ。2025年末のVPN・SASEライセンスは約9.4万本、稼働機器は約3.1万台だった。複数拠点を持つ製造業や店舗を運営する会社が、少人数でもネットワークを安全に保てるようにする。契約が続くほど売上が積み上がる一方、機器の販売・設置には仕入れと人件費が伴う。
2023年にグローブテック・ジャパン、2025年にASネットワークセキュリティを傘下に入れた。2026年5月には産業用機器のアンペールも買収した。ハードウェアの国産化と機器保守を補えるが、在庫、部材価格、更新投資に縛られる収益も増える。自社の技術を代理店に卸す構造が強く、NTTドコモビジネスやキヤノンMJなど販売先との関係が、最終顧客を増やす速度を左右する。
優良さと弱いところ
網屋の堀、つまり他社が容易に奪えない強みは、利用者の操作履歴とネットワーク設定を日々の業務に埋め込んでいることだ。ログ監査は事故が起きてから急に別製品へ移せない。機器構成と権限設定の変更にも試験や移行作業が必要になる。この不便さが契約継続につながり、2025年の年次解約率はALogの新サブスクで0.5%、Network All Cloudで1.0%だった。販売を続ければ蓄積が利くことは、技術力より重い証拠だ。
価格交渉でも実績がある。ALogは保守料中心の契約から年額課金へ移し、同社の説明では実質的な顧客支払額を大幅に増やしながら新規契約を獲得した。2025年と2026年にはVerona/Hypersonixで価格改定を実施した。ただし既存の一般サービス契約は価格を据え置く扱いが多い。ALogの値上げも料金体系を変えた際の一度限りの効果が大きい。この実績を10年間毎年繰り返せると考えるのは危険である。
技術上の実績としてALogは2026年に国産SIEM市場首位と認定された。だが、これは国内メーカーに限った順位だ。世界を含むSIEM全体でも首位だという意味ではない。マイクロソフトのSentinelやCisco傘下のSplunkが海外大手の強力な競争相手であり、SASEでもZscaler、Palo Alto Networks、Netskopeが競う。網屋の規模で研究開発と販路整備を同時に広げるには資金が要る。
ROEは2021年の約13%から2025年の約27%へ上がった。ただし自己株買いによる資本の圧縮が今後のROEを押し上げる面がある。直近の高い資本効率だけから10年先の追加投資収益率を推定しない。成熟後の中立ではROEを約15%、新たな再投資の持続利回りを約11%と見込む。資本コストを上回る余地はあるが、巨大なネットワーク効果を持つ世界標準製品と同等の堀は認めにくい。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
防御の必要性そのものは2035年にも高い。企業のクラウド利用、サプライチェーン経由の侵入、ランサムウェア、内部不正への監査が増え、国内ではセキュリティ対策評価制度の整備も進む。添付の業界前提では国内サイバーセキュリティ市場を2025年度約1.9~2兆円と見込む。ただし市場全体の成長と、一つの独立系製品に支払われる料金の伸びを混同してはいけない。
富士キメラ総研の調査では、ゼロトラスト関連市場は2024年度1,740億円から2030年度2,899億円へ拡大する見通しだ。この範囲にはSASEだけでなくEDRやクラウド保護も含まれる。網屋のNetwork All Cloudの年換算継続収益は2025年末約20億円で、広い市場に対する規模はまだ小さい。中立でも市場の実質数量が増えることを前提としつつ、シェアを伸ばすにはNTT系やキヤノン系の再販網で競合製品から契約を奪う必要がある。個社ごとの公開シェアがないため、同じ売上定義で比較できる順位や比率は推定困難である。
ログ監査市場では、デロイトトーマツミック経済研究所の調査に基づいてALogが国産SIEM首位とされる。一方、かつてのファイルサーバーアクセスログ分野での高シェアを、SIEM全体や世界市場のシェアに読み替えることはできない。マイクロソフト、Splunk、Elastic、Googleなどの統合分析基盤と競争する領域はむしろ広がる。2026年のALogのAI異常検知拡充は、防御業務の自動化と差別化の機会であると同時に、外部のAIによる分析能力のコモディティ化を招く。
業界の売上高は物価上昇でも増えるが、サービス量は別だ。監査証跡の保存やネットワーク経路の防御は、AIエージェントが操作画面を代行しても残る。他方、調査報告書の作成、定型監視、教育や一般的な構築支援では人月の価値が下がる。中立の工数を約3割減らし、値上げは物価相当に抑える。価格設定では、2026年の既存顧客向け一部料金据え置きも踏まえ、製品の単価を年3%の物価上昇を大きく上回って伸ばさない。
資本政策と M&A
網屋は2025年から配当を始め、2026年3月の事業計画では配当性向約20%を目安とした。自己資本配当率5.3%は過去実績で、将来のDOE目標ではない。2026年8月には原則減配しない累進配当へ変更した。中期計画の2028年ARR目標は72億円で、内訳はDS48億円、NS24億円。ROE、総還元性向、年間自社株買い予算については数字の約束がない。
2026年には転換社債15億円と新株予約権約10億円の枠を設け、既存事業に約10億円、M&A・資本提携に約15億円を投じる方針を示した。両方を株式化すると流通株数は約78.5万株増える。交付に自己株式を使っても、現在の流通株主の取り分は薄まる。2025年から自己株買いも続け、2026年8月だけで約8.5億円を取得した。株数が減った事実と、後から増えうる株数を一緒に見る必要がある。
2023年のグローブテック・ジャパン、2025年のASネットワークセキュリティに続き、2026年にはアンペールの約98%を約5.4億円で買収した。機器の内製化と保守収益は魅力だが、在庫と更新投資が必要である。株主優待はQUOカード原価を年約0.1億円と推定し、10年の還元に含めた。配当・将来の自社株買いは利益に応じて変え、既に済んだ取得は二重計上しない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
網屋が扱うのは、利用者が画面を触らなくなれば不要になる事務用ソフトではない。侵入経路や不正操作を証明する記録は、むしろAIが大量の操作を行う時代にこそ不可欠になる。ALogが複数の機器から出るログをそろえ、Veronaが分散した拠点の通信を監視する役割は、AI時代の基礎インフラである。国内SIEM首位という認定と1%以下の契約解約率が、顧客の実利用に根ざした製品であることを裏付ける。
販売の制約も少しずつ外れている。NTTドコモビジネスとの提携に続き、2026年10月にはキヤノンMJグループがVeronaを自社の中小企業向けSASEサービスに採用した。現時点では販売開始の段階でも、全国の販売員が網屋の代わりに顧客開拓を進められる。ALogは従来保守からサブスクリプションへ切り替え、顧客単価が大きく上がっても新規受注を増やした実績がある。これを起点に、国産志向の強い製造業、防衛、公共、医療へ裾野を広げることができる。
中期計画のARR目標は2028年に72億円だ。2025年末38億円からの加速は簡単ではないが、2026年半ばに約45億円まで積み上がったことが検証材料になる。アンペールの機器製造を使えば国内調達と保守を内製化でき、海外機器の仕入れ費用にも対抗しやすい。コンサル業務はAIで人数当たりの生産性を上げ、その浮いた資源を製品開発へ回せる。
もし代理店経由の契約が毎年着実に増え、ALogの顧客単価も適度に伸びれば、製品の継続収益を主軸とする高利益率企業になれる。研究開発や販促に先払いした費用は、契約が十分に積み上がった後の利益成長に変わる。自社製品の価値と国内販路の強みがかみ合えば、現在の会社規模を大きく上回る事業を作る可能性がある。
慎重な見方
低い解約率は現在の顧客が満足している証拠だが、新規顧客を獲得し続けられる保証ではない。Microsoft SentinelやSplunkは、大規模なクラウド基盤、認証、監視、分析を一体として売れる。SASEにもZscaler、Palo Alto Networks、Netskopeなど、技術投資の桁が違う競合がいる。買い手はログ管理だけ、VPNだけを選ぶのではなく、全社の守りを一本化して調達できる。製品を束ねる大手が価格を下げれば、小規模メーカーの独立したライセンスは厳しくなる。
ALogが国産SIEM首位という表示を、市場独占の証拠と読むのは間違いだ。そもそも国産メーカーという範囲の順位であり、グローバル製品を含むシェアは非公表である。保守契約からサブスクリプションへの切り替えによる大幅な価格上昇も、一度限りの収益化の成果である。今後は旧契約の移行が一巡し、同じ値上げを続けることは難しくなる。Veronaの2026年の価格改定でも、既存契約の大部分は据え置かれた。
サービス部門に注力するほど、生成AIの別の問題にぶつかる。定型監視、事故報告書、設定変更、研修資料をAIエージェントが代行すれば、作業時間に応じた料金は縮む。監視する情報そのものが必要でも、作業する人を外注する量は減りうる。会社が掲げるAI異常検知も、独自製品の収益額がまだ明示されているわけではない。AIで高付加価値化できるという言葉を、実現済みの値上げと同列に扱うべきではない。
資本配分にも落とし穴がある。自己株式の買い取りで流通株数が減った一方、2026年には転換社債と新株予約権が発行され、将来の株数増加余地ができた。アンペールの機器事業には在庫と仕入れがあり、ソフトウェアほど小さな元手で伸ばせるとは限らない。大手との資本提携では販路を得るが、値引きや顧客接点を相手方に握られやすい。十年後に売上だけ伸びていても、稼ぐ力と既存株主の取り分が期待に届かない危険は十分にある。
どちらに重みを置いたか
防御が社会の必需品として残るという見方には賛成する。ALogの記録保全とSASEの通信防御を、通常の席課金業務ソフトと同じAI代替率で縮めるのは適切でない。新規契約の蓄積と低い解約率は、競争優位の実証になっている。
それでも網屋が守れるのは国内市場の一角であり、Microsoftなどとの競争と再販先への依存は重い。2026年の転換・行使による既存株主の持分低下も見逃せない。人手による調査・教育部分だけには厳しいAI代替を適用し、下側を36%、上側を32%として下振れにわずかに重みを加えた。結論の割高は成長否定ではなく、成功の確率に対して今の値段が高いという判断である。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 5,948 円479 億円(+ 還元の換算額還元の合計 475 円38 億円)。 今の値に割り戻すと 3,362 円271 億円、今との差 −46.7%、 期待の年率 +0.2%(資本コスト 7.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11% | 15,491 円1,248 億円 | 961 円77 億円 | +160.7% | +10.5% | 1,810 円146 億円 |
| やや楽観 | 21% | 9,888 円797 億円 | 679 円55 億円 | +67.5% | +5.5% | 2,219 円179 億円 |
| 中立 | 32% | 5,228 円421 億円 | 430 円35 億円 | −10.3% | −1.1% | 1,810 円146 億円 |
| やや悲観 | 24% | 1,790 円144 億円 | 310 円25 億円 | −66.7% | −11.0% | 504 円41 億円 |
| 悲観 | 12% | 541 円44 億円 | 124 円10 億円 | −89.5% | −21.3% | 80 円6 億円 |
| 加重平均 | 100% | 5,948 円479 億円 | 475 円38 億円 | +1.8% | +0.2% | 6,423 円518 億円 |
今の株価時価総額 6,310 円508 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 11% 国産SIEMとSASEの販売網が相乗効果を生む 利益 66 億円 · PER 18.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 15,491 円1,248 億円
ALogは国産メーカーという安心感だけでなく、ログ形式を横断する独自の監査データ基盤として評価を高める。大型製造業、電力、防衛、公共に入り、年額200万円換算の契約相当数は5,100件へ増える。事故調査の人手はAIで省力化されるが、少数の高度技術者に絞って単価を保ち、サービスの粗利を改善する。新たなAI製品の未確認の売上は加算しない。
キヤノンMJグループとNTTドコモビジネスの販売網が全国の中小企業へVeronaを広げる。VPNとSASEのライセンスは29万本に達し、機器販売も増える。米国製SASEは大企業向けの複雑な機能で優位に立つが、設定・運用を任せたい国内中堅企業では網屋が使いやすさと国産サポートで選ばれ続ける。アンペールが調達価格の安定化と製造の一部内製化を支える。
研究開発と営業の費用は2025年より増える。それでも継続契約が積み上がり、増収に伴って製品利益率が上がる。2035年の売上は約333億円、営業利益は約92億円に達する。投資した資本が引き続き高い利益を生み、買収も大きな失敗を避け、累進配当と自社株買いを続ける。転換社債と予約権は株式交付されるものの、拡大した利益がその希薄化を上回る。
- ALog・ログ監査の継続契約(DS):数量 5,100(年200万円の契約相当数(件相当、実社数ではない))× 価格 0.03(契約相当1件当たり年間収益(億円))→ 売上 143 億円・営業利益 69 億円。国産SIEMとして監査・内部不正対応を継続。相当契約数5,100件、年単価280万円。市場全体の支配率ではなく契約実数相当の獲得を想定。
- フォレンジック・セキュリティ運用・相談(DS):数量 30.0(サービス専門要員の年間工数換算人数(人年))× 価格 0.28(一人年当たり役務等の売上(億円))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。AIエージェント代替型。2025年32人年に対する工数比0.94倍、単価の名目倍率1.29倍。
- Verona・Network All Cloudの継続課金(NS):数量 290,000(VPN・SASE利用ライセンス本数(本))× 価格 0.00(ライセンス1本当たり年間継続収益(億円))→ 売上 87 億円・営業利益 37 億円。SASE/VPN継続ライセンス290,000本。国産運用サービスの市場占有率は非公表のため実ライセンスを利用。
- ネットワーク機器の販売・導入(NS):数量 26,000(年間機器増設台数(台、純増ベースの代理指標))× 価格 0.00(増設機器1台当たり機器・初期導入等の割当売上(億円))→ 売上 55 億円・営業利益 9 億円。機器純増による販売代理数量26,000台。機器の仕入・導入費を含み、サブスク収入との重複はしない。
- アンペール産業機器・保守(買収後):数量 1,550(年間200万円の産業機器受注相当件数(件相当、推定))× 価格 0.03(受注相当1件当たり売上(億円))→ 売上 40 億円・営業利益 4 億円。2026年5月買収のアンペール。受注相当数1,550件で、機器仕入れ・保守を含む推計。
倍率:2035年純利益65.80億円÷自己資本295.0億円でROE22.3%。資本コスト7.0%、堀は通常で超過ROEの半分が持続しRONIC14.7%。AI役務部分の残存成長0%を織り込んだ全社の長期名目成長g=2.5%に対し、(1-g÷RONIC)÷(k-g)で正当化PER上限18.43倍。採用PER18.43倍は端数の丸めにすぎず、現在株価や同業倍率から割り引いていない。親会社事業の純利益に掛けた企業全体の時価総額1212.7億円から、別途既存株主への潜在株式希薄化約8.9%を評価時に控除する。
確率:契約相当のALogを5,100件まで伸ばすには、国産SIEM認定とキヤノンMJ・NTTの販路から継続的に新規顧客を獲得する必要があり、成功すれば大きいが複数条件の同時成立は低頻度とみる。
やや楽観 21% 販売代理店との提携が順調に定着 利益 43 億円 · PER 18.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 9,888 円797 億円
国産SIEMとしてのALogが中堅・大企業の監査基盤へ根付き、年額契約相当数は4,000件に達する。規制対応と事故調査の用途が増え、導入後に解約しにくい特徴は続く。価格改定は物価と機能追加の範囲に収まり、旧来保守から新料金体系への移行効果は数年で薄れる。それでも既存の監査記録と新しい分析機能の組み合わせに顧客が価値を認める。
キヤノンMJとNTT系の販路でVeronaの認知が広がり、ライセンスは23万本に増える。海外大手は大企業向けの大型案件を握るが、日々の設定や保守を一括して頼める国産サービスを求める中堅企業は一定数残る。アンペールの事業は安定し、部材価格の上昇を適度に転嫁する。SI業務や教育の工数はAIで置き換わるため、サービス従事工数は現在より小さくなる。
売上は約260億円、営業利益は約59億円へ増える。本社費・販売促進費・研究開発費は名目で膨らむが、サブスクリプションの積み上がりがそれを吸収する。自己株買いと配当も継続し、資金調達による希薄化を考慮してなお相応の株主利益を生む。
- ALog・ログ監査の継続契約(DS):数量 4,000(年200万円の契約相当数(件相当、実社数ではない))× 価格 0.03(契約相当1件当たり年間収益(億円))→ 売上 108 億円・営業利益 49 億円。国産SIEMとして監査・内部不正対応を継続。相当契約数4,000件、年単価270万円。市場全体の支配率ではなく契約実数相当の獲得を想定。
- フォレンジック・セキュリティ運用・相談(DS):数量 26.0(サービス専門要員の年間工数換算人数(人年))× 価格 0.27(一人年当たり役務等の売上(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。AIエージェント代替型。2025年32人年に対する工数比0.81倍、単価の名目倍率1.27倍。
- Verona・Network All Cloudの継続課金(NS):数量 230,000(VPN・SASE利用ライセンス本数(本))× 価格 0.00(ライセンス1本当たり年間継続収益(億円))→ 売上 67 億円・営業利益 27 億円。SASE/VPN継続ライセンス230,000本。国産運用サービスの市場占有率は非公表のため実ライセンスを利用。
- ネットワーク機器の販売・導入(NS):数量 21,000(年間機器増設台数(台、純増ベースの代理指標))× 価格 0.00(増設機器1台当たり機器・初期導入等の割当売上(億円))→ 売上 43 億円・営業利益 6 億円。機器純増による販売代理数量21,000台。機器の仕入・導入費を含み、サブスク収入との重複はしない。
- アンペール産業機器・保守(買収後):数量 1,350(年間200万円の産業機器受注相当件数(件相当、推定))× 価格 0.03(受注相当1件当たり売上(億円))→ 売上 35 億円・営業利益 3 億円。2026年5月買収のアンペール。受注相当数1,350件で、機器仕入れ・保守を含む推計。
倍率:2035年純利益42.70億円÷自己資本220.0億円でROE19.4%。資本コスト7.0%、堀は通常で超過ROEの半分が持続しRONIC13.2%。AI役務部分の残存成長0%を織り込んだ全社の長期名目成長g=2.5%に対し、(1-g÷RONIC)÷(k-g)で正当化PER上限18.01倍。採用PER18.01倍は端数の丸めにすぎず、現在株価や同業倍率から割り引いていない。親会社事業の純利益に掛けた企業全体の時価総額769.0億円から、別途既存株主への潜在株式希薄化約8.9%を評価時に控除する。
確率:すでに確認された低解約率と代理店提携を足場にALogとSASEが伸びるが、開発投資も増え、製品の優位が独占にまで強まらない成長上振れ。
中立 32% 監査と通信防御が伸びても競争で利益は平準化 利益 23 億円 · PER 17.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 5,228 円421 億円
ログ監査は企業の基礎的な防御として残り、ALogの年額200万円換算契約相当数は2,700件へ増える。既存の保守契約もサブスクリプションへ移るが、一度限りの値上げ効果は一巡する。単価の伸びは物価に近い。契約の解約率は低いものの、海外製品との統合案件では取り逃がしもあり、現在の国産SIEMという地位だけではシェアを独占的には伸ばせない。
VeronaとHypersonixは小規模な拠点のネットワーク管理を代行する役割を保つ。キヤノンMJ経由の販売も積み上がり、VPN・SASEのライセンスは16.5万本、年間機器純増の代理数量は1.6万台に達する。代理店の販売促進費用は増え、SASEの総合機能ではPalo Alto NetworksやZscalerとの競争が続く。アンペールは年約25億円の産業機器売上を加えるが、在庫や部材費を必要とするためソフトウェアの利益率にはならない。
AIエージェントが監視報告や設定支援の一部を代替し、人月で売るサービス工数は今の約69%へ縮む。サービスの単価を物価分だけ上げても、数量の減少が効く。研究開発、営業、本社の共通費が膨らみ、全社営業利益率は2025年の高水準を超えない。2035年の売上は約184億円、純利益は約23億円となり、純利益の大部分を再投資しながらも徐々に株主還元を増やす。
- ALog・ログ監査の継続契約(DS):数量 2,700(年200万円の契約相当数(件相当、実社数ではない))× 価格 0.03(契約相当1件当たり年間収益(億円))→ 売上 72 億円・営業利益 30 億円。国産SIEMとして監査・内部不正対応を継続。相当契約数2,700件、年単価268万円。市場全体の支配率ではなく契約実数相当の獲得を想定。
- フォレンジック・セキュリティ運用・相談(DS):数量 22.0(サービス専門要員の年間工数換算人数(人年))× 価格 0.29(一人年当たり役務等の売上(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替型。2025年32人年に対する工数比0.69倍、単価の名目倍率1.34倍。
- Verona・Network All Cloudの継続課金(NS):数量 165,000(VPN・SASE利用ライセンス本数(本))× 価格 0.00(ライセンス1本当たり年間継続収益(億円))→ 売上 47 億円・営業利益 17 億円。SASE/VPN継続ライセンス165,000本。国産運用サービスの市場占有率は非公表のため実ライセンスを利用。
- ネットワーク機器の販売・導入(NS):数量 16,000(年間機器増設台数(台、純増ベースの代理指標))× 価格 0.00(増設機器1台当たり機器・初期導入等の割当売上(億円))→ 売上 33 億円・営業利益 3 億円。機器純増による販売代理数量16,000台。機器の仕入・導入費を含み、サブスク収入との重複はしない。
- アンペール産業機器・保守(買収後):数量 950(年間200万円の産業機器受注相当件数(件相当、推定))× 価格 0.03(受注相当1件当たり売上(億円))→ 売上 25 億円・営業利益 2 億円。2026年5月買収のアンペール。受注相当数950件で、機器仕入れ・保守を含む推計。
倍率:2035年純利益23.10億円÷自己資本150.0億円でROE15.4%。資本コスト7.0%、堀は通常で超過ROEの半分が持続しRONIC11.2%。AI役務部分の残存成長0%を織り込んだ全社の長期名目成長g=2.5%に対し、(1-g÷RONIC)÷(k-g)で正当化PER上限17.26倍。採用PER17.26倍は端数の丸めにすぎず、現在株価や同業倍率から割り引いていない。親会社事業の純利益に掛けた企業全体の時価総額398.7億円から、別途既存株主への潜在株式希薄化約8.9%を評価時に控除する。
確率:年次解約率の低さと2026年時点の販路拡大を認める一方、海外総合製品との競争、AIによる人月削減、アンペール取得後の製造コストを同時に見込んだ中心値。
やや悲観 24% 海外プラットフォームへの統合で伸びが鈍る 利益 10 億円 · PER 11.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,790 円144 億円
大手企業のセキュリティ調達は、複数の小さな製品を組み合わせる方式からクラウドの統合製品へ移る。ALogのファイル監査用途は残るが、ログ全体の分析と長期保管ではSentinelやSplunkが強い。国産SIEMの新規受注は伸び悩み、年額契約相当数は1,900件にとどまる。単価はおおむね物価並みでも、顧客ごとの監査要件に応える開発費を負担し、ALogの利益率は下がる。
VeronaもSASEの標準機能をそろえるために開発と販促を続けるが、代理店は海外製品も扱う。ライセンスは12.5万本となり、販売数量は現在から小幅の増加にとどまる。2026年の既存契約の一部据え置きが示すように、すべての顧客へ値上げを通すことはできない。アンペールは設備と在庫を抱え、機器販売の粗利が縮小する。
AIエージェントが標準的な脆弱性診断と監視報告を代替し、サービス工数は約63%へ下がる。顧客のセキュリティ需要自体は残るため連結売上は約134億円まで増えるが、研究開発費を削れず営業利益は約14億円と伸びが鈍い。転換価額を下回る低い評価が続き、社債は株式転換されず償還されるものとして既存株主の取り分を維持する。
- ALog・ログ監査の継続契約(DS):数量 1,900(年200万円の契約相当数(件相当、実社数ではない))× 価格 0.03(契約相当1件当たり年間収益(億円))→ 売上 51 億円・営業利益 17 億円。国産SIEMとして監査・内部不正対応を継続。相当契約数1,900件、年単価268万円。市場全体の支配率ではなく契約実数相当の獲得を想定。
- フォレンジック・セキュリティ運用・相談(DS):数量 20.0(サービス専門要員の年間工数換算人数(人年))× 価格 0.26(一人年当たり役務等の売上(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替型。2025年32人年に対する工数比0.62倍、単価の名目倍率1.20倍。
- Verona・Network All Cloudの継続課金(NS):数量 125,000(VPN・SASE利用ライセンス本数(本))× 価格 0.00(ライセンス1本当たり年間継続収益(億円))→ 売上 35 億円・営業利益 9 億円。SASE/VPN継続ライセンス125,000本。国産運用サービスの市場占有率は非公表のため実ライセンスを利用。
- ネットワーク機器の販売・導入(NS):数量 12,000(年間機器増設台数(台、純増ベースの代理指標))× 価格 0.00(増設機器1台当たり機器・初期導入等の割当売上(億円))→ 売上 24 億円・営業利益 2 億円。機器純増による販売代理数量12,000台。機器の仕入・導入費を含み、サブスク収入との重複はしない。
- アンペール産業機器・保守(買収後):数量 800(年間200万円の産業機器受注相当件数(件相当、推定))× 価格 0.03(受注相当1件当たり売上(億円))→ 売上 20 億円・営業利益 1 億円。2026年5月買収のアンペール。受注相当数800件で、機器仕入れ・保守を含む推計。
倍率:純利益10.25億円と自己資本113.0億円でROE9.1%、資本コスト7.0%。Microsoftなどの統合防御が独立製品の収益と再投資利益率を削るため、新規の持続成長より現時点の稼ぐ力を主眼に見る。PER11.3倍は保守的な稼ぐ力からの評価で、理論上限より低い。CBの償還で利益と現金の使途が制約され、行使による希薄化は見込まない。
確率:Microsoftの監視製品や世界大手SASEが他のクラウド機能と抱き合わせで販売し、顧客獲得費が増える筋書き。人的サービスにはAI代替も加わるが、既存の低解約基盤までは消失しない。
悲観 12% 独立系ログ・SASEの競争力を失う 利益 3 億円 · PER 14.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 541 円44 億円
Microsoft、Splunkなどの統合監視に大手顧客が移り、ALogは一部の特殊な国内監査用途だけに残る。旧契約を維持する顧客も、最新のAIによるログ分析と防御を他社のプラットフォームで済ませるようになる。年額200万円換算のALog契約相当数は1,300件にとどまり、実質の単価も下がる。定期契約の解約率は従来の低い水準を保てず、技術者の維持と規制対応費が粗利を削る。
Veronaは国産の運用支援で一部の中小企業に使われ続けるが、国内大手販売代理店が世界標準のSASEを優先し、ライセンスは9万本へ縮む。機器販売とアンペールの産業製品にも海外製競合や安価な汎用品が広がり、在庫と固定費が利益を圧迫する。人月で提供していた監視・研修・一般的な調査はAIエージェントで自動化され、部門の人数を減らしても十分な採算を回復できない。
連結売上は約90億円にとどまり、営業利益は約4億円まで落ちる。2025年との比較では売上を増やしていても、規模に見合う資本利益率を失い、優良企業とは呼びにくくなる。転換社債は2030年に返済し、新株予約権は行使されず、経営は防御のため買収を止めて配当を絞る。純現金と売却可能資産、残る事業の稼ぐ力を床として評価する。
- ALog・ログ監査の継続契約(DS):数量 1,300(年200万円の契約相当数(件相当、実社数ではない))× 価格 0.03(契約相当1件当たり年間収益(億円))→ 売上 33 億円・営業利益 7 億円。国産SIEMとして監査・内部不正対応を継続。相当契約数1,300件、年単価250万円。市場全体の支配率ではなく契約実数相当の獲得を想定。
- フォレンジック・セキュリティ運用・相談(DS):数量 18.0(サービス専門要員の年間工数換算人数(人年))× 価格 0.23(一人年当たり役務等の売上(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替型。2025年32人年に対する工数比0.56倍、単価の名目倍率1.05倍。
- Verona・Network All Cloudの継続課金(NS):数量 90,000(VPN・SASE利用ライセンス本数(本))× 価格 0.00(ライセンス1本当たり年間継続収益(億円))→ 売上 23 億円・営業利益 4 億円。SASE/VPN継続ライセンス90,000本。国産運用サービスの市場占有率は非公表のため実ライセンスを利用。
- ネットワーク機器の販売・導入(NS):数量 9,500(年間機器増設台数(台、純増ベースの代理指標))× 価格 0.00(増設機器1台当たり機器・初期導入等の割当売上(億円))→ 売上 17 億円・営業利益 1 億円。機器純増による販売代理数量9,500台。機器の仕入・導入費を含み、サブスク収入との重複はしない。
- アンペール産業機器・保守(買収後):数量 650(年間200万円の産業機器受注相当件数(件相当、推定))× 価格 0.02(受注相当1件当たり売上(億円))→ 売上 14 億円・営業利益 0 億円。2026年5月買収のアンペール。受注相当数650件で、機器仕入れ・保守を含む推計。
倍率:営業利益4.02億円、純利益3.05億円、ROE5.1%で資本コスト7.0%を下回る。長期の成長へ追加価値を付けず稼ぐ力の上限PER=1÷k=14.29倍を目安に、丸めた14.28倍、時価総額43.55億円とする。純現金等の参考床36.2億円を割らず、2025年の資産価値だけに頼ったPBR設定はしていない。CBと新株予約権は行使されない。
確率:海外のSIEM・SASE・クラウド基盤が顧客接点を束ね、網屋の価格決定力と新規受注が同時に傷む構造的敗北。守るべき監査記録がなくなるわけではないため倒産までは前提としない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ALog・ログ監査の継続契約(DS)
ファイル操作・システム操作の証跡を収集、保管、正規化して監査や侵入調査に使う。旧来の保守と新しいSIEMのサブスクリプションがともに継続収益になる。
| 数量年200万円の契約相当数(件相当、実社数ではない) | 価格契約相当1件当たり年間収益(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 899 | 0.02 | 18 | 10 |
| 10 年後 中立 | 2,700 | 0.03 | 72 | 30 |
取り方:会社の2025年Q4 DS ARR17.98億円を、新規契約平均200万円/年で割ると899件相当となる。実際に公表されたALog新サブスク累計受注は483件で、ARRには既存保守・サービスも入るため899は実顧客数でない。会社のDS売上24.807億・セグ利益約10.2億に合わせ、収益化製品側へ9.7億の利益を推計配分。ARRは期末年換算額で当期売上ではない点の誤差あり。AIエージェント代替:操作画面の席課金ではなく証跡保管のため席数縮小型に入れない。競争と物価を考慮して数量は実質契約相当数、価格は名目単価で設定。
フォレンジック・セキュリティ運用・相談(DS)
事故調査、監視運用、リスク評価、教育、構築支援など技術者の工数で提供する役務。固定年額製品との性質の違いを切り離す。
| 数量サービス専門要員の年間工数換算人数(人年) | 価格一人年当たり役務等の売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 32.0 | 0.21 | 7 | 1 |
| 10 年後 中立 | 22.0 | 0.29 | 6 | 0 |
取り方:会社のDS部門売上24.807億円から期末DS ARR17.98億円を差し引く残差6.827億円を、2025年セキュリティサービス部門32人年に配分し、人年2133万円と推定。実際には旧体系ライセンスの一時売上・ARRと実売上のずれが混ざるため、独立サービス売上の開示値ではない。セグ利益約0.5億も推計。AIエージェント代替:監視報告・教育・構築支援の工数が代替され、2035年中立の人年は22/32=0.69倍、単価は物価相当の約1.34倍までとする。長期の残存成長は名目0%。
Verona・Network All Cloudの継続課金(NS)
VPN・SASEのクラウド接続と運用、無線LANの遠隔管理、継続保守を提供する。定期の運用契約と通信防御が収益源。
| 数量VPN・SASE利用ライセンス本数(本) | 価格ライセンス1本当たり年間継続収益(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 93,584 | 0.00 | 20 | 9 |
| 10 年後 中立 | 165,000 | 0.00 | 47 | 17 |
取り方:会社開示の2025年末VPN+SASE利用ライセンス93,584本とNS ARR20.03億円から1本当たり年約2.14万円を逆算。これはVPN本数に対する部門全体のサービス・保守額の割当で、SASE単独の公開料金ではない。NSセグ利益約10.0億から継続課金側へ8.9億を推計配分。AIエージェント代替:利用者が自動化しても通信経路の認証・防御は必要なので業務SaaSの席数型には置かない。
ネットワーク機器の販売・導入(NS)
Verona用ルータとHypersonix用無線LANなどの機器、導入・設定・初期展開をまとめた非継続売上。
| 数量年間機器増設台数(台、純増ベースの代理指標) | 価格増設機器1台当たり機器・初期導入等の割当売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 9,539 | 0.00 | 15 | 1 |
| 10 年後 中立 | 16,000 | 0.00 | 33 | 3 |
取り方:2024年末稼働21,477台→2025年末31,016台の純増9,539台を年間販売の代理数量にする。NS売上34.557億から期末NS ARR20.03億を引いた14.527億円を割ると台当たり約15.23万円。撤去・交換や年間認識時期の差、工事・初期費を含むため純粋な機器売価ではない。NS事業残りセグ利益約1.1億を推計配分。AIエージェント代替は主製品に非該当だが、設定作業の自動化による人件費低下と価格競争の双方をみる。
アンペール産業機器・保守(買収後)
2026年5月に取得したアンペールの産業用ハードウェア、国産ルータ向け製造・保守。買収前の2025年連結実績には含まれない。
| 数量年間200万円の産業機器受注相当件数(件相当、推定) | 価格受注相当1件当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.0 | 0.02 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 950 | 0.03 | 25 | 2 |
取り方:2025年末には非連結のため連結売上と利益は0。2026年5月に97.84%を約5.4億円で取得し、会社は翌年に売上15~17億円、ARR2~4億円の上乗せを想定。数量・製品単価は非開示なので、2027年に200万円相当×約800件=16億円という受注相当の代理尺度を用いる。機器に工数課金型のAIエージェント代替は当たらない。製造コスト・更新設備と在庫の負担を利益率へ反映する。
リスクと懸念
AI エージェント代替
定型的な監視報告、事故対応報告書の下書き、構築・教育の工数はAIエージェントが代行できる。DSの人的役務を2025年の32人年から中立で22人年に縮め、単価は物価相当までに制限した。ALogによる証跡保管とSASEの通信防御は席課金型の業務ソフトではないため同率で縮めないが、外部AI製品がログ分析機能を汎用化する脅威は残る。
Microsoft・Splunk・SASE世界大手との統合競争
国内メーカーだけでのSIEM首位を全市場首位と取り違えてはいけない。Microsoft Sentinel、Cisco Splunkなどはクラウド、ID管理、監視を統合でき、SASEではZscaler、Palo Alto Networksなどが製品を高度化する。独立したALogやVeronaの契約が他社の包括契約に吸収されれば、低解約率でも新規顧客数と単価の両方が減速する。
販売代理店への依存と価格改定の限界
会社によると半数以上が再販事業者を介した売上である。NTTドコモビジネスとキヤノンMJは販路拡大の強みになるが、同時に顧客接点と営業条件を相手が左右する。2026年10月のVerona価格改定でも既存の一部契約は据え置きだった。卸値の値引き圧力が強まれば、数量が増えても網屋に残る利益は増えない。
転換社債・新株予約権と自己株買いの相殺
2026年に発行した15億円の転換社債と320,000株の新株予約権は、全て株式化すれば流通株数が約9.7%増える。自社保有株を充当しても、既存株主から見た希薄化は変わらない。転換されなければ2030年に15億円の償還資金が必要になる。2025年、2026年の自社株取得を将来の買戻しと重複計上しないことが重要だ。
アンペール買収と機器価格・在庫の負担
2026年に買収したアンペールは国産機器の調達に役立ち、保守の定期収入も持つ。しかしソフトと違い、半導体や部材の仕入れ、品質保証、在庫、設備更新の負担が重い。買収によるのれんや将来の減損を無視して売上だけ積み上げると、成長の質を見誤る。製品の粗利益率と買収からの現金創出を追う。
前受金を自由現金と見誤る危険
サブスクリプションの年間一括払いは契約負債、つまり顧客からの前受金を積み増す。2026年6月末の契約負債は約30億円に達し、顧客への将来のサービス提供義務が残る。2025年末の純現金36億円をすべて即時に株主へ配れる金と見るのは危険だ。社債、買収、買戻し、保守運転資金も差し引いて評価する。
セキュリティ事故と研究開発の継続負担
自社製品への重大な侵入や脆弱性対応の遅れが起きると、製品の機能より先に顧客からの信用を失う。2026年の計画ではSASEの販促、CPU変更、国内製造、認証取得に追加資金を割くと示した。防御製品は売って終わりでなく更新し続ける必要があり、研究開発費を削れば利益が一時的に増えても長期の堀を損ねる。
今後の分かれ目
- ALogの年間解約率が2年以上にわたり1%を超えず、サブスク受注相当数が毎年300件前後増え続けたら
- 契約積上げと監査記録の切替困難性が確認できる。国産SIEMの市場シェア上昇を評価し、中立のALog数量を上方修正する。
- 2028年のARR72億円目標に届かず、特にデータセキュリティの48億円目標から大きく離れたら
- 料金体系移行後の顧客獲得力への見方を引き下げ、中立の契約相当数よりもやや悲観の数量と利益率を重視する。
- キヤノンMJ系のVerona販売が2027年以降に実際のライセンスと継続収益の増加として現れたら
- 販売開始という事実と売上寄与の違いが埋まるため、ネットワーク部門の販路拡大を楽観寄りに見直す。
- Microsoft Sentinelや大手SASEへの顧客統合が進み、値引きと解約率の上昇が同時に起きたら
- 独立したログ管理・ネットワーク防御の価格決定力が失われ始めた兆候と判断し、悲観の製品利益率を引き下げる。
- 技術者の人数を減らしても調査・運用支援の売上を伸ばせる定量的な成果報酬が開示されたら
- AIエージェントによる単純な人月代替だけではなく、生産性向上の取り分が会社に残る可能性を認め、サービス役務の中立数量を見直す。
- アンペールの売上上乗せが15億円以上でも買収後営業キャッシュフローと粗利が悪化したら
- ハードウェア拡大による成長の質を引き下げ、設備更新・在庫資金の負担を各シナリオに追加して再評価する。
- 2030年の転換・行使時に既存株式数と希薄化率が確定したら
- 発行済株式数だけでなく流通株式数の変化を確認する。転換された資金の投資収益と既存株主の取り分を合わせて評価を更新する。
見ておくもの
- ALogの新規サブスク累計契約件数・年間解約率とデータセキュリティARR
- Verona・HypersonixのVPN+SASEライセンス、設置機器数、Network All Cloud ARR
- 2028年ARR72億円(DS48億円/NS24億円)の目標と実績の差
- キヤノンMJ・NTTドコモビジネスなど再販・OEMによる実売上と卸値の変化
- 転換社債15億円の2030年償還・転換と予約権32万株の行使状況
- アンペール買収後の粗利益率、在庫、のれん償却、営業キャッシュフロー
- ALogのAI異常検知機能の有料契約額と人的役務の売上・人員数
- 海外SIEM/SASEとの統合競争、価格改定時の更新率、前受契約負債の増減
倍率と資本コストの決め方
現在時価総額510.86億円は最後の比較だけに用いた。売上は2025年の部門売上・ARR、ALog契約単価、VPN+SASEライセンス本数、機器純増、人員、買収後の産業機器事業を数量と名目価格に分けて作った。ARRと売上の時期差はhowに明示した。物価3%は単価側だけに入れ、二重計上しない。中立の純利益÷営業利益は73%で過去中央値71%に近い。2026年上期の償却約0.6億円を参考に、2035年の年間償却費は更新資産を加えて約3億円と見積もるが、既存資産の取得簿価は物価で増やさない。更新投資の現金負担は別に必要だ。k7.0%、ROE15.4%、RONIC11.2%、g2.5%から中立PER17.26倍を導き、市場のPERに合わせて調整していない。新リース基準でBSの負債は変わるが、賃借料は継続的な固定費として扱う。転換社債の株式化と償還は筋書きで区別した。
資本コスト 7.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%+株式プレミアム4.5%の7.5%を基準に、値決め力-0.25%と純現金-0.25%を差し引く。βや時価総額の大小で調整せず、M&Aと競合の固有リスクは筋書きと確率に入れる。