結論
ボルテージは「恋愛と戦い」の物語をアプリ、電子コミック、家庭用ゲームにする会社である。筆者の結論は「やや割高」だ。現金に加え、預け金と有価証券まで見れば資産の厚さは際立つ。しかし、その資産を10年先まで株主のものとして保てるかが最大の問題である。過去10年で売上高は110億円台から24億円弱へ縮み、直近は再び営業赤字になった。小さな黒字の年もあったが、長く持つ株主が頼れる稼ぐ力はまだ取り戻せていない。
会社はアプリの衰退を認め、コミックとNintendo Switch・Steam向けゲームを次の柱に育てている。「even if TEMPEST」の全世界累計5万本突破や新作の継続投入は、作品づくりの能力が残っている証拠だ。2026年7月には制作会社オペラハウスを買い、新たな開発力も取り込んだ。ただし新分野の年間売上は約3億円で、女性向けアプリの減収を埋めるにはまだ小さい。
10年後の中立では、アプリの有料利用者が減る一方で、新分野の作品数が増え、売上は今とほぼ同じ水準にとどまる。営業黒字には戻るが、資本コストを稼げるほどではない。悲観側には制作費の浪費による資産の目減りを織り込んだ。確率加重した現在価値は約10.0億円で、基準時価総額約13.8億円を約28%下回る。今の純資産より安く買えることだけでは、10年間の資本流出を埋め合わせる安全域とは言えない。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の立場からは、個性的な作品を持っていることと、価値の高い企業であることは分けて考える。ファンが登場人物を長く愛する点は魅力だが、会社全体の売上がこれほど長く縮んできた以上、強い堀があるとは評価できない。新しい作品を作り続けなければ既存作品は陳腐化する。ここでの再投資は成長への自由な選択ではなく、今の商売を維持するための必要経費に近い。
オーナー利益は、売上から人件費、販売手数料、広告宣伝費、外注制作費に加え、次の作品の制作に必要な現金を払った残りである。営業利益がほぼゼロでも資金が減りうるのは、発売前の作品へ先に投資するためだ。2026年の営業キャッシュ・フローもマイナスだった。投資有価証券の売却益は繰り返せる本業の利益ではない。新分野で作品ごとの回収期間が短くなり、増分投資利回りが資本コストを超えるまでは、高い企業価値を認めにくい。
この会社を保有する根拠があるとすれば、むしろ資産側である。決算期末の現金に預け金と投資有価証券を加え、借入金を控除すると約20.7億円になる。ただしすべてが株主の自由になるわけではない。契約負債や運転資金、将来の赤字、買収・開発投資の意思決定がある。帳簿上の資産価値と10年後に手にする価値は別物だ。現時点で事業の好転に賭ける価格としては安全域が薄く、株主還元と収益改善の実行を見極める判断が妥当である。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの土台は、女性が主人公となる恋愛ストーリーをスマートフォンで読み進める物語アプリである。「100シーンの恋+」は話ごとに課金する読み物型で、「天下統一恋の乱 Love Ballad」などはアバターやイベントを組み合わせる。開発した作品や登場人物を、ボルSHOPのグッズ、イベント、舞台・映像にも広げる。顧客は個人であり、課金客が何人残り、毎年いくら払うかが利益の出発点となる。
2026年6月期の日本語女性向けは12.62億円、英語・アジア女性向けは2.10億円だった。海外では「Love365: Find Your Story」などを翻訳して提供するが、言語や現地の販促費に左右される。男性向けはカード型の「六本木サディスティックナイト」が中心で5.86億円を売る。主力アプリは配信開始から年数がたち、毎年の新規客獲得より固定ファンの維持が大きな経営課題になった。AppleとGoogleに販売経路を依存し、顧客への直接の接点も限られる。
成長を託す電子コミック・コンシューマは3.08億円で、前年を8.2%上回った。自社レーベル「ボル恋comic」「ボル恋TOON」と電子書店「ぼるコミ」を持ち、ゲームでは「even if TEMPEST」や「レッドベルの慟哭」などをSwitch・Steamへ送り出す。作品が売れれば過去作も残るが、発売まで制作費が先に出る。2026年に買収したオペラハウスは翌期から連結され、制作エンジンや外部IP開発の経験を取り込む。外部から人月で受託する制作部分は、自社作品のIP収益と違い、AIによる作業代替にさらされる。
優良さと弱いところ
強みは恋愛ドラマを長く作ってきた蓄積と、好みが細かく分かれる女性ユーザーへの理解にある。「天下統一恋の乱」や「王子様のプロポーズ」は長寿命で、周年企画や登場人物への愛着が一部の顧客をつなぎ止めている。既存の脚本とキャラクターを別の媒体に展開できれば、ゼロからブランドを立ち上げるよりも制作費を抑えられる。ただし、解約率が低い、値上げを通した、他社が乗り換えられないといった堀の数量的な証拠は開示されていない。消費者はアプリを無料で乗り換えられるため、持続的な価格決定力は弱い。
数字はより厳しい。2016年の売上高約112億円が2026年には約24億円となり、2018年には営業損失が10億円を超えた。直近も赤字であり、過去に投じた作品開発費が資本コストを超えて増分利益を生んだとは言いにくい。2026年の新分野の増収は喜ばしいが、全体では減収が続く。コミック・家庭用ゲームで発売量が増えても、ヒット率と回収期間が改善しなければ利益率は上がらない。
一方、負債で行き詰まる危険は足元では小さい。純有利子負債はマイナスで、流動の預け金や有価証券も厚い。ただし現金が金融商品に置き換わり、投資有価証券の売却益が最終赤字を一部補っている。資金の額よりも、制作投資・買収・証券運用のどこに使われるかを見なければならない。競争上の堀は小さく、財務の余裕が新たな堀に変わることはまだ証明されていない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
ゲーム市場全体は大きいが、ボルテージが狙う恋愛物語アプリはその一角にすぎない。CESAによれば世界ゲームコンテンツ市場は2024年に31兆円を超え、うちモバイルが約18兆円だった。国内モバイルゲーム市場も2024年に約1兆7,482億円ある。しかし同社の日本語女性向け12.62億円は国内モバイル市場の約0.072%にすぎず、男性向けも約0.034%にとどまる。これは異なるジャンルを含む広い市場に対する比率で、恋愛ゲームという狭い市場でのシェアではない。狭い市場の信頼できる公開統計と競合別シェアは見つからない。
女性向けではサイバードの「イケメンシリーズ」、colyの「スタンドマイヒーローズ」、アイディアファクトリーの「オトメイト」などとユーザーの可処分時間を奪い合う。男性向けカードゲームも国内の巨大なキャラクターIPや海外のモバイルゲームと競う。顧客が他社作品へ移る費用はほぼゼロで、既存タイトルのファンだけが一定の防壁になる。ゲームの供給が多くなればなるほど、新作の発見に広告費が要る。
電子コミックは日本で2025年度に約6,010億円の市場となったが、伸びは年数%に鈍化した。ピッコマ、LINEマンガ、コミックシーモアなど販売先の力が強く、小規模な制作レーベルは流通を掌握できない。Switch・Steamの物語ゲームでもオトメイトや多数の独立系作品が競合する。新分野全額を仮に電子コミックに当てても国内市場の0.052%未満で、成長余地は広いが、まず作品単位の採算を示す段階である。生成AIは制作費を下げる一方で、物語・画像の供給過剰を起こし、ブランドのない作品の価格と発見可能性をさらに下げる。
資本政策と M&A
経営はアプリ一本足からの転換を進めている。2023年以降、2027年6月期ごろに「アプリ・電子コミック・コンシューマ」の3本柱を確立する方針を掲げ、新分野の売上構成比20%を目標にしてきた。2026年6月期の実績は約13%にとどまる。2026年の説明資料では投資H期の新分野6件に約4億円を投じる構想を示す。ただし独立した数値付き中期経営計画は確認できず、売上・営業利益・ROEの達成額、配当性向・DOE・総還元性向・自社株買い額について数字の約束はない。翌期の会社業績予想も非開示である。
2026年7月に完全子会社化したオペラハウスは、直前期の売上が約1.10億円、営業赤字約0.15億円、債務超過約0.25億円だった。取得価額は非公表である。ノベルゲームの制作能力を取り込める反面、買収後の収益改善を確かめる必要がある。2026年9月には創業者が会長となり新社長に交代したため、新体制の資本配分も未検証だ。
配当は2021年6月期を最後に止まり、2026年6月期も無配だった。上位10株主の保有比率は約46%であり、絶対的な支配が強い会社として現金を半値扱いする条件には当たらないが、増配や大幅な自社株買いの実績も乏しい。投資で利益を生めないなら、余剰資金の株主還元を優先すべきである。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
資産価値から出発すれば、この会社を単純な赤字ゲーム会社として扱うのは間違いである。2026年6月末の現金・預け金・投資有価証券から借入金を引いた金融資産は約20.7億円に達し、基準時価総額の約13.8億円を上回る。契約負債と運転資金を差し引く必要はあるが、資金難に追われて作品を投げ売りする会社ではない。2018年のような巨額赤字から回復した経験もあり、保守的に見積もっても多数の開発機会を試す時間を買える。
新分野はまだ売上が小さいが、2026年は電子コミック・コンシューマだけが増収になった。「even if TEMPEST」は累計5万本を超え、海外言語版とSteamへの横展開も始まった。電子コミックをゲーム化し、ゲームから漫画に顧客を送る循環ができれば、古いアプリを維持するための広告投資に頼らなくて済む。2026年に買ったオペラハウスはノベルゲームエンジンと制作人材を持ち、ゲーム供給の制約を取り除ける。市場に占めるシェアが非常に小さいからこそ、少数のヒットでも売上を倍増できる余地がある。長期株主はこの事業転換の選択肢を無視すべきではない。
慎重な見方
資産が厚いことこそ、経営者が事業の構造変化を先送りできる理由にもなる。売上は2016年の約112億円から2026年の約24億円に落ち、アプリの減少は一過性ではない。国内女性向けは直近でも2割を超えて減収した。電子コミック・コンシューマが増収とはいえ売上は約3億円しかなく、まだ企業全体の利益を持ち直す規模ではない。今の企業価値を本業の稼ぐ力だけで説明することは難しい。
財務も表面ほど盤石ではない。現預金が減った代わりに預け金と投資有価証券が増え、証券売却益が最終損失を小さく見せた。本業は営業キャッシュを消費している。新分野への4億円規模の投資と小型買収が、株主へ還元されるはずの現金を使う。買収したオペラハウスは直前期に営業赤字で債務超過だった。取得額を公表しない中で、開発人材の補完が高い投資利回りを生むとは断言できない。スマホ上の物語アプリに乗り換えの壁はなく、生成AIで競合作品が増える。資金を減らしながら「いつかヒットする」を続ける経営には、長期株主は厳しい価格を求めるべきである。
どちらに重みを置いたか
資産の厚さには明確な価値があるが、これまでの資本配分が生んだ収益力は弱い。アプリ減収に対して新分野の増収額が小さいため、判断は慎重側を優勢とした。確率は楽観側25%、中立34%、悲観側41%で、会社固有の長期減収と制作投資の回収不確実性を反映する。ただしAI代替の損失は外販受託部分の数量と長期成長率へ入れており、確率で同じ理由を重ねていない。約10.0億円の本質価値は現在の約13.8億円を下回り、安全域は不足している。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/06 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 340 円22 億円(+ 還元の換算額還元の合計 17 円1 億円)。 今の値に割り戻すと 154 円10 億円、今との差 −34.0%、 期待の年率 +4.4%(資本コスト 9.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 1,193 円78 億円 | 89 円6 億円 | +447.9% | +19.7% | 103 円7 億円 |
| やや楽観 | 17% | 617 円40 億円 | 38 円2 億円 | +179.9% | +11.3% | 111 円7 億円 |
| 中立 | 34% | 242 円16 億円 | 9 円1 億円 | +7.3% | +0.7% | 85 円6 億円 |
| やや悲観 | 25% | 156 円10 億円 | 0 円0 億円 | −33.3% | −4.0% | 39 円3 億円 |
| 悲観 | 16% | 115 円7 億円 | 0 円0 億円 | −50.9% | −6.9% | 18 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 340 円22 億円 | 17 円1 億円 | +52.4% | +4.4% | 357 円23 億円 |
今の株価時価総額 234 円15 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 海外に通じる新作IPが連続ヒット 利益 6 億円 · PER 11.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,193 円78 億円
国内の恋愛ドラマアプリは既存ファンの課金を維持し、強いIPをゲーム、コミック、グッズへ展開できる。作品の海外翻訳も当たり、SteamやNintendo Switchで「even if TEMPEST」に続く作品が継続的に販売される。新分野の稼働作品換算は100本を超え、旧作が新作を支える収益の層が生まれる。大きな値上げよりも作品の供給量と当たりの比率が利益を増やす。
2026年に買ったオペラハウスの開発エンジンと外部IPとの関係が、この量産体制を支える。ただし人月で受ける仕事はAIエージェント代替の影響を受けるため、受託工数が伸びるとは考えない。開発・販促・本社費は膨らむが、成功したIPへの再投資利回りが資本コストを明確に超える。株主還元も再開する一方、2019年発行の高行使価格の新株予約権が期限内に行使され、少数の新株による希薄化が起こる。
- 日本語女性向け物語アプリ・ファンダム:数量 78,000(年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計))× 価格 0.00(有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目))→ 売上 16 億円・営業利益 3 億円。国内外で連続的にヒットし、有料客数と新分野の稼働作品が増える。
- 英語・アジア女性向け物語アプリ:数量 22,000(年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計))× 価格 0.00(有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。英語対応が販売量を伸ばす。
- 男性向けカード型アプリ:数量 42,000(年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計))× 価格 0.00(有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目))→ 売上 9 億円・営業利益 2 億円。コラボと新キャラクターが課金離れを止める。
- 電子コミック・コンシューマ(自社IP):数量 112(年間稼働作品換算本数(作品年、継続連載や過年度作の販売を新作1本相当に換算した推計))× 価格 0.21(稼働作品換算1本あたり年売上(億円/作品年、名目))→ 売上 23 億円・営業利益 5 億円。コミックとコンシューマの作品数と単価がともに上振れる。
- 買収先オペラハウスの外部受託制作:数量 55.0(外販受託工数(人月/年、見積))× 価格 0.02(外部受託人月単価(億円/人月、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。外販工数は参考55人月が上限。AIによる量の増加は見ない。
倍率:10年後の純利益6.45億円、資本コスト9.0%、長期の名目g_long=0%。堀はweakで超過利益の残存1/3だが、g=0%なので正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=11.111倍。余剰金融資産12億円の利息相当税後1.4%(0.168億円)を純利益から除き、事業利益×11.111倍+余剰金融資産12億円×戻り方0.75を加算。市場PERは参照しない。第6回オプションの行使代金約1.19億円は株主の希薄化係数とは別に、累積自己資本の道筋へ反映した。自己資本は22.5億円+10年累積純利益約20億円-還元6億円+オプション払込約1.19億円≒37.7億円。
確率:新作数の倍増に加えて複数作品が国際的な定番になる必要がある。販売5万本の実績は出発点だが、現在の市場占有率と長い減収実績から連続ヒットの可能性を8%に抑える。
やや楽観 17% 新分野の定番作品が増える 利益 3 億円 · PER 11.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 617 円40 億円
アプリの有料利用者は減るが、周年施策とイベントで常連の支出を守る。日本語女性向けは現在の課金者換算のおよそ4分の3まで残り、男性向け「六本木サディスティックナイト」はコミュニティを保つ。電子コミックの連載とコンシューマ版ゲームは発行ラインの拡充が実を結び、販売作品数は増える。作品単価は急上昇しないものの、旧作からも収益が残る。
オペラハウスの企画・開発能力を生かし、自社IPの制作に外部人材を大量追加せず新作を出せる。外部受託部分は生成AIによる工数削減を受けるため伸ばさず、社内の作品開発に集中する。赤字案件の早期打ち切りが定着し、全社で営業黒字が積み上がる。売上が2016年の最盛期へ戻るわけではないが、作品ごとの資本効率を示せる会社へ変わる。
- 日本語女性向け物語アプリ・ファンダム:数量 59,000(年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計))× 価格 0.00(有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目))→ 売上 12 億円・営業利益 2 億円。国内課金者は減るが周年・グッズで単価を維持。
- 英語・アジア女性向け物語アプリ:数量 15,000(年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計))× 価格 0.00(有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。海外翻訳の新作が定着する。
- 男性向けカード型アプリ:数量 31,000(年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計))× 価格 0.00(有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。男性IPは常連が支える。
- 電子コミック・コンシューマ(自社IP):数量 72.0(年間稼働作品換算本数(作品年、継続連載や過年度作の販売を新作1本相当に換算した推計))× 価格 0.19(稼働作品換算1本あたり年売上(億円/作品年、名目))→ 売上 13 億円・営業利益 2 億円。制作ラインの複数化で定番作品が増える。
- 買収先オペラハウスの外部受託制作:数量 48.0(外販受託工数(人月/年、見積))× 価格 0.02(外部受託人月単価(億円/人月、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替で受託量は55人月未満。
倍率:10年後の純利益2.95億円、資本コスト9.0%、長期の名目g_long=0%。堀はweakで超過利益の残存1/3だが、g=0%なので正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=11.111倍。余剰金融資産12億円の利息相当税後1.4%(0.168億円)を純利益から除き、事業利益×11.111倍+余剰金融資産12億円×戻り方0.75を加算。市場PERは参照しない。自己資本は22.5億円+累積純利益約8億円-還元2.5億円=28.0億円。
確率:コミック連載と海外向けノベルゲームが一定の成果を上げ、アプリの下落を補える可能性はある。一方、M&A先に直近赤字・債務超過があり、収益化までの時間を見て17%とした。
中立 34% 新分野が旧アプリの減少をようやく補う 利益 1 億円 · PER 11.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 242 円16 億円
長年の主力だった女性向け恋愛アプリの顧客は徐々に離れ、国内の有料利用者換算は現在の6割に減る。海外アプリも他国の広告費と翻訳負担に押される。男性向け「六本木サディスティックナイト」は一部の常連が残り、イベントを絞って採算を維持する。アプリ価格は物価上昇ほど上げられず、実質の課金額は目減りする。
その穴をコミック・Switch・Steam向け作品が埋める。新分野の稼働作品換算は増えるが、制作費の回収が数年遅れるため利益は細い。2026年の制作投資H期とオペラハウス取得は商品供給の基盤にはなるものの、収益を飛躍させる証拠にはならない。受託制作はAIエージェント代替で人月を減らし、外販より内製への活用が中心となる。無配から小さな還元を再開するが、資本コストを超えるROEには届かない。
- 日本語女性向け物語アプリ・ファンダム:数量 48,000(年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計))× 価格 0.00(有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。課金客数は6割、年単価は約15%増で物価より低い。
- 英語・アジア女性向け物語アプリ:数量 10,000(年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計))× 価格 0.00(有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。海外課金者は56%へ減少。
- 男性向けカード型アプリ:数量 25,000(年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計))× 価格 0.00(有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。男性カード型の課金者数は71%へ減少。
- 電子コミック・コンシューマ(自社IP):数量 46.0(年間稼働作品換算本数(作品年、継続連載や過年度作の販売を新作1本相当に換算した推計))× 価格 0.16(稼働作品換算1本あたり年売上(億円/作品年、名目))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。作品換算20本から46本へ伸びるが単価は伸び悩む。
- 買収先オペラハウスの外部受託制作:数量 36.0(外販受託工数(人月/年、見積))× 価格 0.02(外部受託人月単価(億円/人月、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替で参考55人月の0.65倍へ減少。
倍率:10年後の純利益0.78億円、資本コスト9.0%、長期の名目g_long=0%。堀はweakで超過利益の残存1/3だが、g=0%なので正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=11.111倍。余剰金融資産12億円の利息相当税後1.4%(0.168億円)を純利益から除き、事業利益×11.111倍+余剰金融資産12億円×戻り方0.75を加算。市場PERは参照しない。自己資本は22.5億円+累積純利益約1.4億円-還元0.6億円=23.3億円。
確率:アプリの売上減が続く一方、電子コミック・コンシューマは前期8.2%増で、制作ライン投資の一部が残ると考える。成功も失敗も極端に寄せず、34%を中立の中心にする。
やや悲観 25% 新分野の回収が遅れ小さな赤字が続く 利益 −1 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 156 円10 億円
「天下統一恋の乱」「100シーンの恋+」の固定ファンは残るが、新規流入が弱く、国内女性アプリの有料利用者換算は約4割へ細る。英語版アプリは海外大手が広告面を押さえ、翻訳を続けても採算を保ちにくい。男性向けカードゲームも課金イベントだけでは縮小を止められない。単価を上げると利用者が離れるため、物価上昇を価格へ転嫁できない。
電子コミックやSwitch作品は増えるものの、販促と外注制作の先払いを回収できない作品が続く。買収したオペラハウスは受託工数がAIエージェントに代替され、外販収益を維持できない。新作撤退で大赤字は避けても、営業損失が常態化して資産が取り崩される。評価の支えは作品の将来利益ではなく、売却可能な金融資産と賃貸不動産の残存価値になる。
- 日本語女性向け物語アプリ・ファンダム:数量 33,000(年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計))× 価格 0.00(有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。既存常連が減り、課金額も伸びない。
- 英語・アジア女性向け物語アプリ:数量 6,500(年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計))× 価格 0.00(有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。英語アプリの新規獲得に失敗。
- 男性向けカード型アプリ:数量 15,500(年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計))× 価格 0.00(有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。カード型は古い作品が中心。
- 電子コミック・コンシューマ(自社IP):数量 32.0(年間稼働作品換算本数(作品年、継続連載や過年度作の販売を新作1本相当に換算した推計))× 価格 0.14(稼働作品換算1本あたり年売上(億円/作品年、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。出版・ゲームの制作費が回収できない。
- 買収先オペラハウスの外部受託制作:数量 28.0(外販受託工数(人月/年、見積))× 価格 0.01(外部受託人月単価(億円/人月、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。受託の自動化と価格圧力が重なる。
倍率:営業赤字が残るためPERは採用しない。現時点の自己資本22.5億円を評価用分母に固定し、床の換金可能資産10.2億円÷22.5億円でPBR=0.4533倍とする。将来の利益留保を評価用自己資本へ足しておらず、市場で付いた過去のPBRも使っていない。ROEはkを下回り、利益からの評価額は資産床以下となる。
確率:主力女性向けアプリは前年22.5%減で、コンシューマ・電子コミックの増加額だけではまだ穴を埋められない。新作の採算不足と継続無配が10年続くケースに25%を与える。
悲観 16% 物語アプリの競争力が崩れ資金を消耗 利益 −2 億円 · PBR 0.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 115 円7 億円
ユーザーの嗜好が短尺動画や新しい対話型エンタメへ移り、従来の物語アプリは新規課金者をほとんど獲得できなくなる。「六本木サディスティックナイト」の周年施策も効かなくなり、男性向けの収入まで細る。自社IPにはファンが残るが、その人数は本社と開発の固定費を賄えない。AI生成作品の供給過剰で漫画・ノベルゲームの発見されやすさも低下する。
コンシューマでの新作は制作費を取り戻せず、買収先の技術や人員を持て余す。外部受託の制作工程もAIエージェントにより縮み、引き合い自体が減る。本社経費を圧縮しても最後の数年に赤字が残り、現金・預け金・投資有価証券のかなりの部分を事業再建へ使う。作品資産の売却価格は低く、既存株主に残るのは目減りした換金可能資産が中心となる。
- 日本語女性向け物語アプリ・ファンダム:数量 20,000(年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計))× 価格 0.00(有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。旧来IPの新規流入が途絶えかける。
- 英語・アジア女性向け物語アプリ:数量 3,500(年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計))× 価格 0.00(有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。翻訳版の採算割れが続く。
- 男性向けカード型アプリ:数量 9,000(年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計))× 価格 0.00(有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。主力カード型のイベントが空振り。
- 電子コミック・コンシューマ(自社IP):数量 16.0(年間稼働作品換算本数(作品年、継続連載や過年度作の販売を新作1本相当に換算した推計))× 価格 0.11(稼働作品換算1本あたり年売上(億円/作品年、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。販売タイトル数が少なく単価も低下。
- 買収先オペラハウスの外部受託制作:数量 20.0(外販受託工数(人月/年、見積))× 価格 0.01(外部受託人月単価(億円/人月、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。外部工数は参考55人月の36%に縮む。
倍率:営業赤字が残るためPERは採用しない。現時点の自己資本22.5億円を評価用分母に固定し、床の換金可能資産7.5億円÷22.5億円でPBR=0.3333倍とする。将来の利益留保を評価用自己資本へ足しておらず、市場で付いた過去のPBRも使っていない。ROEはkを下回り、利益からの評価額は資産床以下となる。
確率:過去10年で売上は約8割失われ、2018年には巨額の営業赤字が発生した。作品の陳腐化と小規模買収の統合不振が重なる長い失敗を16%とし、倒産確率そのものとは区別する。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
日本語女性向け物語アプリ・ファンダム
「100シーンの恋+」「天下統一恋の乱」「王子様のプロポーズ」などの物語アプリとグッズ・イベント。課金者に物語やアバター等を販売する。
| 数量年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計) | 価格有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 80,000 | 0.00 | 13 | 0 |
| 10 年後 中立 | 48,000 | 0.00 | 9 | 1 |
取り方:有報の日本語女性向け売上1,262,098千円を採用。課金者数と客単価は非開示なので、有料利用者換算8万人×年15,776円で逆算した仮説であり、実利用者数ではない。年1.6万円前後は恋愛アプリの複数回少額課金をまとめた額で、毎年の支払額を一定にした購買単位。アバター・読み物型が前年22.5%減で、新規流入を量の減少として考える。各区分の営業利益額は開示がなく参考配賦。
英語・アジア女性向け物語アプリ
「Love365: Find Your Story」「Court of Darkness」などの翻訳・海外配信。現地ストア手数料と翻訳費が採算を左右する。
| 数量年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計) | 価格有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 18,000 | 0.00 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 10,000 | 0.00 | 1 | 0 |
取り方:有報の英語・アジア女性向け売上210,010千円が根拠。国別課金者とARPPUは非開示で、年1.17万円を便宜的な海外の有料利用者単価とし、約1.8万人の年有料利用者換算に分解した仮説。中国・台湾・北米の価格や為替の違いを数えず、ドル円150円固定の共通前提で価格側に扱う。各区分の営業利益額は開示がなく参考配賦。
男性向けカード型アプリ
「六本木サディスティックナイト」が主力。周年イベント、カード収集・育成、コラボによる継続課金に依存する。
| 数量年間有料利用者換算人数(人、会社非開示の推計) | 価格有料利用者換算1人あたり年売上(億円/人、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 35,000 | 0.00 | 6 | 0 |
| 10 年後 中立 | 25,000 | 0.00 | 5 | 1 |
取り方:有報の男性向け売上586,320千円を採用。課金者数は非開示のため、年16,752円の購買単位から約3.5万人に逆算したモデル上の換算人数。強い単一IP依存を織り込み、ユーザー数は継続率と新規流入、価格は課金額で別々に動かす。各区分の営業利益額は開示がなく参考配賦。
電子コミック・コンシューマ(自社IP)
「ボル恋comic」「ボル恋TOON」「ぼるコミ」、Nintendo Switch・Steam向け「even if TEMPEST」「レッドベルの慟哭」など。紙ではなく作品単位の制作・配信収益を稼ぐ。
| 数量年間稼働作品換算本数(作品年、継続連載や過年度作の販売を新作1本相当に換算した推計) | 価格稼働作品換算1本あたり年売上(億円/作品年、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 20.0 | 0.15 | 3 | −2 |
| 10 年後 中立 | 46.0 | 0.16 | 7 | 1 |
取り方:有報の電子コミック・コンシューマ売上308,303千円を採用。両事業の別々の売上・実売部数は非開示。投資F/G/Hの制作ライン数、同社「even if TEMPEST」シリーズの累計5万本超の開示、コミックの新連載数を参考に、旧作販売を含む稼働20作品年×0.154億円とする粗い構成推計。20本は会社が開示した発売本数ではない。国内電子コミック市場6,010億円(インプレス、2025年度)に対して新分野全額を充ててもシェア上限0.052%であり、実際は家庭用ゲーム分を除く。事業区分別の営業損益は法定開示されていないため、ここに示すop_okuは推定の参考配賦であり開示実績ではない。4区分の推計合計はFY2026の営業損益マイナス1.73703億円と一致する。
買収先オペラハウスの外部受託制作
2026年7月1日取得の子会社が行う外部ゲーム・イラスト・アニメ等の受託制作。自社IPの制作との重複は除く。
| 数量外販受託工数(人月/年、見積) | 価格外部受託人月単価(億円/人月、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 0.0 | 0.01 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 36.0 | 0.02 | 1 | 0 |
取り方:2026/06期のボルテージ連結売上には入らないため現状の数量・売上は0。オペラハウスは2026/03期売上約1.10億円、外部大手へイラスト等を提供している。うち外販工数収入を約6割(0.66億円)、55人月×120万円と仮定した参考的な買収時の事業量であり、実際の受託比率・工数は非開示。AIエージェント代替の「人月・工数で売る」に分類し、中立2036年の数量36人月(参考55人月の0.65倍)、単価153万円(同1.275倍)とした。楽観でも外販工数は参考55人月を超えない。
リスクと懸念
既存アプリの課金者減少
日本語女性向けの2026年6月期売上は前年から22.5%減った。「100シーンの恋+」「天下統一恋の乱」など長寿タイトルの固定客には価値があるが、若い課金者の新規流入が弱ければ人数が減り続ける。イベントを増やして単価を補おうとすると制作費が上がり、利益を保ちにくい。
AIエージェント代替と生成コンテンツの供給過剰
自社IP・個人課金のゲームは席課金SaaSや人月SIではなく、AIエージェントによる直接の操作代替には当たらない。ただし買収先オペラハウスの外部向け開発・イラスト受託には人月・工数代替が及ぶ。中立で受託量を参考55人月の65%まで縮めた。さらに生成AIの漫画・物語供給増が自社IPの発見可能性を奪う。
新分野の制作費回収と買収統合
コミックや家庭用ゲームは発売前に制作費を支払い、売れ残りを後から取り返せない。2026年の新分野売上約3.1億円に対し、会社は新たな投資H期に約4億円を予定する。買収したオペラハウスも直近で赤字・債務超過だった。作品別の累積利益を確認せずに投資ラインだけが拡大する危険がある。
金融資産の価値と換金性
資産の多くが現預金だけでなく、預け金と投資有価証券に移った。2026年は証券売却益が営業赤字の一部を埋めたが、売却益を将来利益に常態化させてはいけない。相場下落や通貨変動、商品特性による換金時の損失で帳簿の余剰資産が減ると、資産価値を根拠にする見方が崩れる。
配信プラットフォームの支配
Apple、Google、Steam、Nintendo Switchのストアや、電子コミックの大手配信先は、発見されやすさと手数料を握る。アプリ内課金や漫画販売の条件が変わると利益率が下がる。競合はサイバード、coly、オトメイトや多くの独立系作品で、利用者に乗り換え費用はほぼない。
潜在株式と株主還元の停滞
発行済株式に対して約3%の新株予約権が存在する。高行使価額の権利は2029年までの業績回復次第で行使され、上昇局面ほど既存株主の取り分を薄める。一方で配当は2021年を最後に実施しておらず、資産が厚くても株主に現金が返る保証はない。経営者が事業拡張を優先すると市場価値との隔たりが残りうる。
今後の分かれ目
- 電子コミック・コンシューマの売上が連続3期で20%以上成長し、作品別の累積回収も黒字化したら
- 新分野の稼働作品と採算の両方を引き上げ、やや楽観の確率を増やす。設備・外注投資だけの増加なら変更しない。
- 日本語女性向けアプリの前年同月比が1年を通じてほぼ横ばいへ改善し、広告費も増えなかったら
- 顧客の減少速度を緩め、中立の有料利用者数を引き上げる。単発の周年イベントだけなら恒常的な値決め力とは見なさない。
- 資産運用を縮小して配当または自社株買いを再開し、還元方針の数値目標を示したら
- 余剰金融資産の株主への戻り方を0.75から1.0へ近づけ、本質価値を上方修正する。実行額と株数の変化で確かめる。
- 営業キャッシュ・フローが2期連続で赤字になり、新分野の発売延期や減損が続いたら
- 投資回収に失敗して金融資産の床が減ると判断し、やや悲観・悲観側を厚くする。証券売却益による黒字は含めない。
- オペラハウスの受託制作がAIで単価下落し、外部顧客売上も縮んだら
- 受託の数量36人月という中立想定を下げる。ただし自社IPのコンテンツ販売を同じ人月型として重複して引かない。
- 大型IP企業との資本提携や公開買付けが正式に発表されたら
- 独立継続の10年評価を止め、発表された条件と実現性に基づく価値へ切り替える。観測記事だけでは変更しない。
見ておくもの
- 日本語女性向け、海外女性向け、男性向けの四半期売上前年同期比と課金者数の開示状況
- 電子コミック・コンシューマの新作投入件数、累計販売本数、作品ごとの累積損益と投資回収期間
- 投資F・G・H期の制作投資額と次期の利益への寄与
- 現金預金・預け金・投資有価証券の構成、売却益を除いた営業キャッシュ・フロー
- オペラハウスの外販売上・受託工数・外部IP利用料と営業損益
- 配当・自社株買いと新株予約権の行使、上位10株主の比率
倍率と資本コストの決め方
現在の株価212円と時価総額13.8035億円は最後の比較だけに使った。まずアプリの有料利用者換算数、作品稼働本数、買収先の外部工数と、それぞれの名目単価から2036年の売上を積んだ。中立ではアプリ課金者が減るため物価3%を全て価格転嫁できない。利益率は新分野の回収力と本社費の負担から決めた。g_longは0%、kは9%、堀は弱いとし、ROEがk以下の中立PERは1÷k=11.11倍とした。金融資産20.7億円の全額を利益倍率に重ねず、事業に不要な12億円のみを利息調整後に75%の戻り方で加えた。やや悲観・悲観のPBRの分母は将来積み上がる帳簿ではなく現時点の自己資本22.5億円で、売れる資産から赤字と負債を控えた床に一致させた。賃貸不動産は床の一部にだけ算入し、本業のPERに別途鑑定時価を足して二重計上していない。新リース基準による表示変更があっても賃借料を費用とする比較に統一する。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5% + 上乗せ 0.5%。基本7.5%+変動の大きい損益0.5%+弱い価格決定力0.5%+長期縮小と赤字継続に対する経営傾斜0.5%=9.0%。β・時価総額規模・直近PBRでは決めない。