結論
リンカーズは製造業の技術探索と用途開拓、金融機関の商談管理システム、専門調査を手掛ける会社だ。筆者の結論は「割高」である。企業同士をつなぐ現場の情報は有用だが、現在の利益は赤字で、株主が10年後に受け取れる利益の見通しが極めて弱い。2026年7月期は売上がほぼ横ばいの13.53億円なのに、営業損失が6.67億円に拡大した。研究開発や営業体制を整えた費用が、新規契約の伸びを上回っている。
金融機関向けのLFBは49機関に導入され、顧客の案件管理や金融機関間の広域連携を支える。10年以上蓄積した技術情報や企業への接点も持つ。ただし新規のLFB導入は前期ゼロで、既存の1機関が解約した。技術探索の着手は82件へ減少した一方、専門調査は顧客ごとの深い調査へ移り、件数・売上とも回復した。この不均衡は、サービス全体に値上げできる強い堀がまだないことを示す。
2026年9月にSBIホールディングスから約2.50億円の出資を受け、別途5億円の劣後借入れも実施した。資金繰りは延命されたが、出資で既存株主の持分は薄まり、借入れには返済日がある。新しいAI活用製品「Linkers TX」には有償契約があるものの、将来の主力となるかは未検証だ。10年後の価値は楽観的な製品定着に依存し、確率加重した現在価値は約4.3億円と、増資後の時価総額約20.5億円を大きく下回る。破綻に近い事態も無視できない。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主が問うのは、10年後も技術探索の相談が来るかではなく、その仕事が株主に現金を残すかである。研究所と中小企業をつなぐ信頼や、人の紹介で初めて見つかる取引先には確かな価値がある。累積したネットワークは競争上の手掛かりになる。しかし紹介や調査に人を増やさなければ売上を増やせない部分は、利益の積み上がる速度が遅い。AIを使えば低コストで探索できる時代には、サービスの便利さだけで高い価格を維持できない。
LFBには顧客の運用習慣が残り、解約の手間もある。一方、顧客の正本データが完全にリンカーズのみに存在するわけではない。基幹的な銀行業務や決済のような制度上の独占はなく、他社の顧客管理ソフトが同じ操作を代理する余地がある。TXは自社がAIを売り物にした珍しい上振れ要因だが、有償契約4件の段階で大きな永続利益を資産として扱うのは早い。
資本の使い方も吟味すべきだ。2026年に売上が伸びないまま開発費と営業費を重ね、外部の出資と借入れを必要とした事実は重い。初めて収益化したばかりのTXに大きな金額を投じる判断は、うまくいけば会社を変えるが、失敗すればさらに希薄化を招く。財務を立て直すまで還元は期待しにくい。筆者は技術の着眼点を評価する一方、元の株主に帰属する持続的なオーナー利益が見えるまで安全域は薄いと判断する。
何で稼ぐ会社か
稼ぎ方は五つに分ける。第一は「Linkers Sourcing」と「Linkers Marketing」の技術探索・用途開拓である。製造業の研究所や事業開発部門から課題を聞き、全国の製造企業や研究者から候補を探して面談へつなぐ。2026年7月期の着手は82件、関連売上は約1.68億円だった。顧客が買うものは検索結果だけでなく、非公開の技術を持つ相手への接触と候補の目利きだ。
第二は金融機関向けSaaS「Linkers for BANK」と事業会社向け「Linkers for Business」を合わせたLFBである。案件登録、紹介先の探索、商談の進捗、支店間の情報共有に対して月額料金や導入支援料を得る。期末49機関、サービス売上約5.48億円で、会社の最大の収入源だ。導入後の広域連携は、単独の金融機関では紹介できない取引先を他地域につなぐ役割を持つ。第三の「Linkers TX」は、論文や特許などをAIと専門知見で読み解き、技術候補から連携先の探索まで支える新製品だ。2026年4月に正式提供を始め、有償契約は4件、PoCやレポートを含む通年関連売上は約0.40億円にとどまる。
第四は子会社リンカーズOI研究所の「Linkers Research」である。一般調査から顧客固有の難しい技術調査へ重点を移し、年間267件を扱った。連結セグメント売上は4.23億円で、同事業は営業黒字に転じた。第五は販促支援や個別受託などのその他サービスで、開示されたサービス別売上と連結売上の差を手掛かりに約1.8億円と見る。五つは顧客が重なるため、調査を入口に技術探索へつなぐ販売には意味がある。ただし2026年時点でその連携は全社の固定費をまだ賄えていない。
優良さと弱いところ
この会社の強みは、製造業の現場で得た非公開の課題と、技術を持つ中小企業・研究者への接点である。公表された探索実績は累計1,900件超、独自ネットワークには3万5,000人以上の有効な接点がある。顧客は企業名を伏せたまま技術を探すことができ、一般の検索エンジンでは拾えない情報に価値がある。LFBにも49機関という導入実績があり、機関間の広域連携は参加先が増えるほど使いやすくなる可能性を持つ。
しかし、強みが料金を守る実績に結び付いているとはまだ言えない。LFBは2025年の50機関から49機関に減り、営業強化にもかかわらず新規導入がなかった。契約の解約率が恒常的に5%未満という開示も確認できない。実質的な銀行間の共同基盤へ育ったと断定できず、値上げの継続実績も弱い。技術調査の一般部分はAIに安く置き換えられやすい。これらの理由から、堀は狭いが存在する程度で、強固な独占ではない。
資本効率はさらに厳しい。2026年7月期は自己資本が4.65億円まで減り、借入れと新株発行で事業を支えている。技術開発を資産化しても、販売が伸びなければ減損や償却負担が残る。2026年の人員は約105人で、現状の売上規模には費用が重い。新製品への投資が十分な追加利益を生むか、既存のマッチングを少人数で運営できるようになるかが、利益率だけでなく事業の生存を決める。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
顧客の研究開発そのものは消えない。総務省の2025年科学技術研究調査では、企業の2024年度研究費は約17.4兆円だった。ただしこれは研究費の総額であり、技術探索・外部調査ソフトの市場規模ではない。そのうち0.1〜0.5%が外部の探索・専門調査支出に回ると仮定すると、対象予算は約174〜870億円となる。これは公表された市場統計ではなく、需要の上限をつかむための試算である。リンカーズの関連売上は小さく、狭い専門領域でのシェアを確定する統計はない。
競争相手は同じ種類の企業だけではない。技術仲介ではナインシグマや中小企業基盤整備機構のJ-GoodTech、専門知識への接続ではビザスク、技術情報の分析ではアスタミューゼや海外のPatSnapなどが候補となる。金融機関向けは自行開発、Salesforceなどの顧客管理基盤、地域金融機関向けのシステム会社が代替となる。比較可能な製品別売上が開示されないため、これら競合の厳密なシェアは不明だ。LFBについては、会社が挙げる店舗数30以上の潜在金融機関約350に対する49機関で約14%となる一方、約1,400機関という広義の金融機関母数では約3.5%にすぎない。
今後10年は、顧客の新技術への探索需要と、探索に人手を使う需要が逆方向へ動く。AIエージェントは論文検索、候補比較、商談記録や調査報告書の作成を自動化するため、人月や席数に対価を払う理由を弱める。他方、実在する供給先への接触や匿名での面談調整、規制された顧客情報の扱いは簡単には消えない。リンカーズ自身もTXでこの変化に対応し始めたが、同じ技術で競合が参入する。10年後の勝者が現在の仲介事業者とは限らない。
資本政策と M&A
資本配分は成長投資優先であり、株主還元の数字の約束はない。2026年7月期と2027年7月期予想はいずれも無配で、会社の事業計画にも配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額の目標を確認できない。2027年7月期の計画は売上15.69億円、営業損失3.81億円、最終損失3.93億円である。TXの有償契約30件、LFB50機関を目指す一方、3年後の2029年にはLFB55機関、TXの期末月額ストック収益0.67億円を掲げる。先行投資を利益へ変える具体的な経路はあるが、まだ達成前だ。
2026年9月28日にSBIホールディングスへの第三者割当213万6,700株の払込みが完了し、約2.50億円を調達した。発行済株式は1,390万7,000株から1,604万3,700株へ増え、既存株主の持分は約13.3%薄まった。別途、主要株主から5億円を7年間の劣後借入れで調達した。赤字期の利率は0%、単年度黒字期は3%だが、2033年の一括返済が控える。借入れを自己資本や余剰現金と取り違えない。
M&A仲介への進出は採算性を検証した末に停止し、製造業の探索とTXに経営資源を集中する。これは損失拡大を止める意思表示として評価できる。SBIの地域金融機関網による販路開拓には期待できるが、提携は公開買付けや完全子会社化の決定ではない。近年の新株発行と元代表取締役をめぐる一連の事案が金融機関の導入判断に影響した事実を踏まえると、ガバナンスの回復も資本効率の一部だ。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
製造業の技術探索には、検索だけで終わらない難しさがある。誰が秘密保持の下で試作品を作れるか、どの企業が量産品質に達しているかは、公開された論文からだけでは分からない。リンカーズは累計1,900件超の探索と3万5,000人以上の接点を持ち、企業名を伏せて相手を探せる。これらは一般的なAIによる自動調査と区別できる。LFBも地域金融機関49機関が参加し、商談の広域連携で単独の金融機関にはない価値を生める。
最も強い材料はTXだ。2026年4月にサービスを始め、すでに有償契約と関連売上が発生している。AIが顧客の調査担当者の仕事を減らすなら、むしろその予算の受け皿としてTXが残る可能性がある。2027年の有償契約30件、2029年のストック収益月額0.67億円という会社の目標が顧客単価の低下なしに達成されれば、開発費を固定費として多くの顧客に配賦できる。SBIとの提携によって販売経路が広がり、追加資金調達への依存を減らせるだろう。
その場合、販売を増やしても調査員や営業担当を同じ割合で増員する必要はない。研究の機密性を守る設計や顧客企業のネットワークが評価され、契約継続の数字も改善する。高い粗利を生むAI製品と黒字化したリサーチを組み合わせれば、過去の赤字を埋めた後に相応の株主利益が残る。大手企業への事業売却や提携深化も選択肢になり得るが、確定したTOBとして価値には入れない。
慎重な見方
技術探索と調査は、生成AIが最も早く価格を壊し得る分野だ。論文や特許の整理、技術候補の長い一覧作り、調査報告書の下書きは、顧客自身のAIエージェントが行える。人手で調査する契約を高い単価で継続するのは難しい。実際に一般リサーチの需要は縮み、製造業の探索案件もピークより減っている。会社がカスタマイズ調査で受注を増やしたことは評価できるが、利益の増分が同じ速度で拡大する保証はない。
銀行向けのLFBも安全ではない。49機関が使っていても2026年の新規導入はゼロで、1機関が解約した。顧客の案件管理システムとAIエージェントがつながれば、専用画面や席数へ料金を払う必要が薄れる。独自データの蓄積が解約を防いでいる数字や、継続的な値上げの実績は確認できない。地域金融機関の再編が進めば、契約先の数そのものが減る可能性もある。
さらに赤字企業の資金繰りは時間との戦いである。2026年7月期の営業損失は売上のほぼ半分で、自己資本は4.65億円に縮んだ。SBIの増資は事業の利益ではなく、主要株主からの5億円も2033年に返す負債だ。2027年も赤字計画である以上、TXに資金を使っても継続課金が育たなければ、再増資や借入れ条件変更、事業売却へ追い込まれる。元代表取締役をめぐる問題からの信用回復も受注の前提であり、10年後に既存株主へ残る財産がほとんどない筋書きは十分にあり得る。
どちらに重みを置いたか
TXには有償売上があり、すべての事業がAIに消されると決めつけるのは誤りだ。ただしその売上はまだ小さく、LFBの新規導入停止と3期連続の赤字、2027年も続く赤字計画の方が目下の確かな証拠である。SBIの資金提供は時間を買うが、利益を保証しない。下に寄せる理由はAIだけではなく、この会社固有の資本不足、既存顧客の獲得失速、実施済みの希薄化にある。楽観側28%、中立29%、下側43%とし、AIによる売上・価格の縮みを確率で二重に上乗せしない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/07 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 66 円11 億円(+ 還元の換算額還元の合計 2 円0 億円)。 今の値に割り戻すと 27 円4 億円、今との差 −78.0%、 期待の年率 −5.7%(資本コスト 10.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 307 円49 億円 | 19 円3 億円 | +165.0% | +10.6% | 33 円5 億円 |
| やや楽観 | 18% | 122 円20 億円 | 3 円1 億円 | +2.0% | +0.2% | 23 円4 億円 |
| 中立 | 29% | 44 円7 億円 | 0 円0 億円 | −64.1% | −9.7% | 13 円2 億円 |
| やや悲観 | 27% | 3 円1 億円 | 0 円0 億円 | −97.5% | −30.8% | 1 円0 億円 |
| 悲観 | 16% | 0 円0 億円 | 0 円0 億円 | −99.9% | −53.2% | 0 円0 億円 |
| 加重平均 | 100% | 66 円11 億円 | 2 円0 億円 | −44.0% | −5.7% | 69 円11 億円 |
今の株価時価総額 123 円20 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% TXが製造業の標準的な技術探索製品になる 利益 5 億円 · PER 9.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 307 円49 億円
SBIの顧客網を入口に、製造業の研究部門が論文検索から候補企業の紹介までをTXへ任せるようになる。2027年の有償30件という会社計画が足掛かりとなり、10年後は170契約で高い継続率を保つ。技術探索・専門調査・契約後の共同研究支援が結び付き、TXの単価はPoC中心の初期段階から上がる。ナインシグマ、アスタミューゼ、海外の分析サービスとの競争は続くが、国内の匿名探索と製造業の顧客網によって一定の差別化が成立する。
既存の人手による探索はAIに作業を譲り、着手件数を増やす想定はしない。LFBも導入数の量的成長より利用深化を優先し、導入機関は現状を維持する。専門調査は高付加価値の案件を残しながら人員を絞り、ソフトウェア売上で全社の固定費を吸収する。大型買収による拡大は前提にせず、SBIとの協業収益で2030年前後に黒字化する。劣後借入れは2033年の期限までに返し、2030年代半ばには少額の還元を再開する。
- 技術探索・用途開拓(Sourcing/Marketing):数量 80.0(着手件数(件/年))× 価格 0.03(着手1件あたりの平均受取額(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。人月型。技術探索件数は現状以下、物価は単価にのみ含める。
- 金融機関・事業会社向けLFB(SaaS):数量 49.0(期末導入機関数(機関))× 価格 0.13(1導入機関あたり年間売上(億円、導入支援料含む))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。操作型SaaS。利用機関をAI代替に応じて減らし、値付け力は限定的。
- 技術探索AI製品「Linkers TX」:数量 170(有償契約件数(件、期末))× 価格 0.12(1契約相当の関連年商(億円、PoC・レポート含む))→ 売上 20 億円・営業利益 6 億円。有償のAI製品。契約数と1社当たり関連年商で算定。
- 専門技術リサーチ(OI研究所):数量 240(年間調査案件数(件))× 価格 0.02(1調査案件あたり平均収入(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。人月調査型。AIで件数を減らし個別調査の単価を選別。
- その他の販促・周辺受託:数量 45.0(周辺受託件数相当(件/年、推定))× 価格 0.04(1件あたり平均関連売上(億円、推定))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。販促・受託型。件数は低精度の代理指標。
倍率:AIエージェント代替による2036年以降の名目g=-1.0%、k=10.0%、moat=weak(超過ROE残存1/3)。事業ROE=21.1%からRONIC=10%+(ROE−10%)÷3=13.7%、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)≒9.76倍を上限そのものとして採用。余剰現金0億円、今の株価や過去の市場PERは倍率に反映していない。還元は会社に目標がないため3億円にとどめる。
確率:新製品に有償契約4件・売上実績があり、SBI提携先への展開で技術探索需要を取り込める。ただし2029年の月額ストック収益目標はまだ遠く、赤字から売上規模を大幅に増やす連続成功が必要なため10%にとどめる。
やや楽観 18% TXの採用は進むが価格競争も続く 利益 2 億円 · PER 9.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 122 円20 億円
TXは有償契約を徐々に増やし、2036年に85契約を得る。製造業の研究開発費は続くが、汎用AIで済む調査が広がるため、技術探索支援には継続的な機能改善と導入支援が必要になる。収益は拡大しても高い値上げ力は得られない。銀行向けLFBは既存顧客との連携が評価され、契約は46機関とほぼ維持する。
技術探索の人的案件とリサーチの件数は現在より少なくなる一方、難しい非公開技術の探索やカスタマイズ調査では単価を上げられる。増やした営業人員の再配置が進み、顧客獲得費が減って固定費が軽くなる。SBIのネットワークとの協業は一部で実現するが、公開買付けや買収益には頼らない。2027年の赤字計画を経て数年で黒字化し、将来の利益をソフト開発と借入返済に優先配分する。
- 技術探索・用途開拓(Sourcing/Marketing):数量 73.0(着手件数(件/年))× 価格 0.03(着手1件あたりの平均受取額(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。人月型。技術探索件数は現状以下、物価は単価にのみ含める。
- 金融機関・事業会社向けLFB(SaaS):数量 46.0(期末導入機関数(機関))× 価格 0.12(1導入機関あたり年間売上(億円、導入支援料含む))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。操作型SaaS。利用機関をAI代替に応じて減らし、値付け力は限定的。
- 技術探索AI製品「Linkers TX」:数量 85.0(有償契約件数(件、期末))× 価格 0.12(1契約相当の関連年商(億円、PoC・レポート含む))→ 売上 10 億円・営業利益 3 億円。有償のAI製品。契約数と1社当たり関連年商で算定。
- 専門技術リサーチ(OI研究所):数量 220(年間調査案件数(件))× 価格 0.02(1調査案件あたり平均収入(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。人月調査型。AIで件数を減らし個別調査の単価を選別。
- その他の販促・周辺受託:数量 40.0(周辺受託件数相当(件/年、推定))× 価格 0.04(1件あたり平均関連売上(億円、推定))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。販促・受託型。件数は低精度の代理指標。
倍率:AIエージェント代替による2036年以降の名目g=-1.0%、k=10.0%、moat=weak(超過ROE残存1/3)。事業ROE=18.2%からRONIC=10%+(ROE−10%)÷3=12.7%、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)≒9.81倍を上限そのものとして採用。余剰現金0億円、今の株価や過去の市場PERは倍率に反映していない。還元は会社に目標がないため0.5億円にとどめる。
確率:AI製品の販売実績とSBIとの資本業務提携は上振れ材料。ただし競合による価格の下押しとLFBの解約実績を考え、目標を大幅に超えるというより着実に契約を積む可能性を18%とする。
中立 29% 新製品が穴を埋めても成熟事業は縮む 利益 1 億円 · PER 9.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 44 円7 億円
製造業が技術を探すこと自体は続くが、探索候補の洗い出しや文献調査は顧客のAIエージェントが担う。Sourcing・Marketingの着手は55件へ減り、専門調査も178件まで縮む。一般調査は単価が下がるものの、人間が企業へ非公開情報を確かめるカスタマイズ調査は高く売れる。LFBは銀行の業務自動化で席・操作の価値が下がり、利用は42機関に減る。
TXは2026年の有償4件から45件へ育ち、既存のマッチングと調査で減った売上を一部補う。ただし2029年に会社が目指す大きなストック収益を早期に達成するとは考えない。国内外の技術分析製品との競争が長引き、契約単価は限定的な上昇にとどまる。新しい大型M&Aはなく、製品開発の選別、採用抑制と事務作業の自動化が進み、2030年代前半にようやく黒字へ移る。赤字期間に失った自己資本の再構築が優先され、2036年まで配当・自社株買いは行わない。
- 技術探索・用途開拓(Sourcing/Marketing):数量 55.0(着手件数(件/年))× 価格 0.03(着手1件あたりの平均受取額(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。人月型。技術探索件数は現状以下、物価は単価にのみ含める。
- 金融機関・事業会社向けLFB(SaaS):数量 42.0(期末導入機関数(機関))× 価格 0.12(1導入機関あたり年間売上(億円、導入支援料含む))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。操作型SaaS。利用機関をAI代替に応じて減らし、値付け力は限定的。
- 技術探索AI製品「Linkers TX」:数量 45.0(有償契約件数(件、期末))× 価格 0.12(1契約相当の関連年商(億円、PoC・レポート含む))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。有償のAI製品。契約数と1社当たり関連年商で算定。
- 専門技術リサーチ(OI研究所):数量 178(年間調査案件数(件))× 価格 0.02(1調査案件あたり平均収入(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。人月調査型。AIで件数を減らし個別調査の単価を選別。
- その他の販促・周辺受託:数量 36.0(周辺受託件数相当(件/年、推定))× 価格 0.04(1件あたり平均関連売上(億円、推定))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。販促・受託型。件数は低精度の代理指標。
倍率:AIエージェント代替による2036年以降の名目g=-1.0%、k=10.0%、moat=weak(超過ROE残存1/3)。事業ROE=16.0%からRONIC=10%+(ROE−10%)÷3=12.0%、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)≒9.85倍を上限そのものとして採用。余剰現金0億円、今の株価や過去の市場PERは倍率に反映していない。還元は会社に目標がないため0億円にとどめる。
確率:技術探索・調査の件数低下と、4件からのTX拡販を同時に認める中位の筋書き。2027年会社計画の赤字を起点に、固定費削減と競争激化の両方を見るため29%。
やや悲観 27% AIで単価と利用が削られ再建を迫られる 利益 −2 億円 · PBR 0.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3 円1 億円
AIエージェントが調査と商談事務の多くを処理し、銀行は既存の顧客管理システムへ機能を統合する。LFBは34機関まで縮み、個別探索は42件、専門調査は145件に落ちる。TXも新規参入する技術情報サービスに押されて12契約しか残らない。顧客の研究開発費が続いても、リンカーズを経由する比率と手数料の取り分が小さくなる。
事業売却や追加の減資・借入条件の変更を含む再建交渉が必要となり、技術資産の売却価値も開発費に見合わない。2026年の増資による流動性は赤字で減り、2033年の劣後借入れの返済も重大な資本政策の問題となる。営業赤字が続き、2036年の自己資本は累積損失によってマイナスになる。株式の価値として残るのは、最終的に担保権や債務を控除して回収可能な契約資産・敷金などのごく一部に限る。
- 技術探索・用途開拓(Sourcing/Marketing):数量 42.0(着手件数(件/年))× 価格 0.02(着手1件あたりの平均受取額(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。人月型。技術探索件数は現状以下、物価は単価にのみ含める。
- 金融機関・事業会社向けLFB(SaaS):数量 34.0(期末導入機関数(機関))× 価格 0.11(1導入機関あたり年間売上(億円、導入支援料含む))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。操作型SaaS。利用機関をAI代替に応じて減らし、値付け力は限定的。
- 技術探索AI製品「Linkers TX」:数量 12.0(有償契約件数(件、期末))× 価格 0.09(1契約相当の関連年商(億円、PoC・レポート含む))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。有償のAI製品。契約数と1社当たり関連年商で算定。
- 専門技術リサーチ(OI研究所):数量 145(年間調査案件数(件))× 価格 0.02(1調査案件あたり平均収入(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。人月調査型。AIで件数を減らし個別調査の単価を選別。
- その他の販促・周辺受託:数量 28.0(周辺受託件数相当(件/年、推定))× 価格 0.04(1件あたり平均関連売上(億円、推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。販促・受託型。件数は低精度の代理指標。
倍率:赤字事業のPERは利益の値を表せない。2026年7月末の自己資本4.65億円へ実施済み増資約2.50億円を足した現時点の自己資本7.15億円に対し、再建時に残る純換価資産約0.50億円を評価するPBR約0.07倍を適用する。2036年の負の自己資本や谷の過去PBRは床に使わない。
確率:直近の営業赤字拡大、LFBの導入停止、顧客が人手調査を内製化する構造から高めの27%。現金と提携で急な事業停止は避けても、既存株主にはほぼ資産が残らない。
悲観 16% 主力製品が入れ替わり資金枯渇へ 利益 −4 億円 · PBR 0.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 0 円0 億円
金融機関の営業システムにAIエージェントが直接組み込まれ、LFBの案件管理画面の存在意義が薄れる。汎用AIは技術候補を抽出でき、海外の専門サービスと顧客企業の内製化が技術探索の紹介手数料を押し下げる。人手による探索案件は22件、調査は105件に縮み、LFBは24機関しか残らない。TXは後発製品との差別化ができず、有償契約も数件で止まる。10年後の売上は2026年の4割弱へ縮小する。
費用削減と事業売却を進めても固定費とシステム維持費を吸収できず、損失は累積する。SBIとの提携は追加取得やTOBを確約しておらず、借入金の返済・再調達も困難になる。残存する顧客契約やプログラムの売却金は従業員への支払いと債権者への弁済に優先され、株主への分配はほとんどなくなる。会社が清算または著しい希薄化を伴う再建に進み、現行株主に帰属する価値はほぼ失われ、名目的な残余のみにとどまる。
- 技術探索・用途開拓(Sourcing/Marketing):数量 22.0(着手件数(件/年))× 価格 0.02(着手1件あたりの平均受取額(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 −1 億円。人月型。技術探索件数は現状以下、物価は単価にのみ含める。
- 金融機関・事業会社向けLFB(SaaS):数量 24.0(期末導入機関数(機関))× 価格 0.10(1導入機関あたり年間売上(億円、導入支援料含む))→ 売上 2 億円・営業利益 −1 億円。操作型SaaS。利用機関をAI代替に応じて減らし、値付け力は限定的。
- 技術探索AI製品「Linkers TX」:数量 3.0(有償契約件数(件、期末))× 価格 0.08(1契約相当の関連年商(億円、PoC・レポート含む))→ 売上 0 億円・営業利益 −1 億円。有償のAI製品。契約数と1社当たり関連年商で算定。
- 専門技術リサーチ(OI研究所):数量 105(年間調査案件数(件))× 価格 0.01(1調査案件あたり平均収入(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 −1 億円。人月調査型。AIで件数を減らし個別調査の単価を選別。
- その他の販促・周辺受託:数量 20.0(周辺受託件数相当(件/年、推定))× 価格 0.03(1件あたり平均関連売上(億円、推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。販促・受託型。件数は低精度の代理指標。
倍率:10年内の資金枯渇と清算・著しい希薄化で、株主への残余財産はほぼ失われる。PERや過去の谷のPBRを根拠にせず、優先債務を控除した後に残る純換価資産を0.01億円と見込む。増資後の今の自己資本7.15億円に対するPBR約0.0014倍を適用し、2036年の負の自己資本には掛けない。
確率:AI代替とLFB解約、製品開発不振、借入満期が重なる複合的失敗には16%。2026年の損失規模と2027年赤字見通しから、残余財産がほぼゼロとなる可能性を無視できない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
技術探索・用途開拓(Sourcing/Marketing)
製造業の非公開技術を含む提携先・供給先を調べ、専門担当者が面談までつなぐ人手のマッチング。AI代替区分は人月・工数型。
| 数量着手件数(件/年) | 価格着手1件あたりの平均受取額(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 82.0 | 0.02 | 2 | −2 |
| 10 年後 中立 | 55.0 | 0.03 | 1 | 0 |
取り方:2026年9月公表の事業計画で着手82件・探索売上168百万円を確認。1件約205万円。数量は着手した案件数、価格は1件の手数料・調査額で、物価を件数に含めない。会社は独自情報と面談調整を提供するが、AIエージェント代替があるので中立件数は55件(0.67倍)。市場は国内製造業R&Dの外部探索予算の一部で、競合ナインシグマなどの同一市場シェアは非開示。営業損益は報告セグメント内の費用を分析上配賦した推定。
金融機関・事業会社向けLFB(SaaS)
Linkers for BANK/Business。金融機関の渉外、マッチング案件管理、他の導入金融機関との紹介を扱う。AI代替区分は操作画面・席型SaaS。
| 数量期末導入機関数(機関) | 価格1導入機関あたり年間売上(億円、導入支援料含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 49.0 | 0.11 | 5 | −2 |
| 10 年後 中立 | 42.0 | 0.12 | 5 | 1 |
取り方:2026年7月末49機関、売上548百万円を事業計画から採用し、1機関あたり0.112億円(約1,118万円)を代理単価とした。月額ストックのほか導入手数料を含むため純粋な年額定価ではない。会社は店舗数30以上の潜在金融機関約350(広義約1,400)を挙げ、現在の狭義シェアは約14%。導入停止と解約、他社CRMやAI代理操作を考え中立数量は42機関(0.86倍)、価格1.06倍に抑えた。営業損益は推計配賦。
技術探索AI製品「Linkers TX」
2026年4月提供開始。AIと技術データを組み合わせた継続契約・報告・PoCの製品で、有償売上を開示済み。既存工数型とは別の自社AI販売。
| 数量有償契約件数(件、期末) | 価格1契約相当の関連年商(億円、PoC・レポート含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 4.0 | 0.08 | 0 | −2 |
| 10 年後 中立 | 45.0 | 0.12 | 5 | 1 |
取り方:事業計画の有償契約4件、通期TX関連売上約40百万円から、4月以降の自社運営マッチング区分に属する部分を約33百万円と推定配賦した。PoC期間分はその他に残すため通期TX合計とは異なる。4件に対し0.0825億円はPoCやレポートを含む代理単価で、月額ARRではない。2027年の有償契約30件、2029年の期末月額ストック収益67百万円が経営目標。すでに有償売上があるAIエージェント製品だけ上振れ時の数量拡大を許容し、中立でも45件まで採用が進むが目標未達・製品陳腐化を確率に織り込む。開発損益は推計配賦。
専門技術リサーチ(OI研究所)
製造業の技術トレンド、特許、企業・市場を調べる個別調査。一般調査はAIに代わりやすく、カスタマイズ分の単価維持を評価する人月・工数型。
| 数量年間調査案件数(件) | 価格1調査案件あたり平均収入(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 267 | 0.02 | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 178 | 0.02 | 4 | 0 |
取り方:2026年7月期の調査案件267件は会社のKPI、報告セグメントの外部売上423.254百万円と利益43.337百万円は決算短信を採用。KPIのサービス別売上413百万円とは分類差があるため、財務基準へ合わせて1件約158万円とした。一般調査が減り高単価カスタマイズが増えた事実から、中立は件数178件(0.67倍)・単価1.25倍。AIによる調査内製化と競合ビザスク・アスタミューゼ等に注意する。
その他の販促・周辺受託
製造業向けの販促支援、個別受託・過年度PoCなど。案件単位の人手サービス中心としてAI代替を織り込む。
| 数量周辺受託件数相当(件/年、推定) | 価格1件あたり平均関連売上(億円、推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 50.0 | 0.04 | 2 | −2 |
| 10 年後 中立 | 36.0 | 0.04 | 2 | 0 |
取り方:2026年の金融機関SaaS548百万円、探索168百万円、TXの本稼働分33百万円、調査423百万円を連結実績1,353百万円から除き、その他約181百万円とした。会社のサービス区分は約189百万円で、PoCの振り替えや分類差が残る。案件数と単価は非開示のため、小口の販促・調査を年50件、1件362万円とする代理単位を暫定採用し、不確実性を明記する。特定の市場シェアを捏造せず、中立は36件(0.72倍)とし価格の物価上昇も顧客予算の制約で抑える。営業損益は推定配賦。
リスクと懸念
AIエージェント代替
人手の探索、調査報告書、銀行の商談管理画面は、企業内のAIエージェントに取り込まれやすい。とりわけ一般リサーチは既に需要が減っており、LFBも新規導入が止まった。独自の企業接点や匿名紹介は残るが、価格を決める優位には十分でない。中立では人月サービスを0.55〜0.75倍、操作型SaaSを0.70〜0.90倍の範囲に縮め、10年後以降の長期成長率も負とする。
連続赤字と資金調達・借入満期
2026年7月期は営業損失6.67億円、自己資本4.65億円まで低下した。9月の第三者割当2.50億円と劣後借入れ5億円は資金繰りを助けるが、利益を生む事実ではない。2027年も最終損失3.93億円の会社計画であり、2033年には劣後借入れの一括返済を控える。運転資金と開発費の積み上がりが追加発行を招く可能性を重視する。
LFBの新規導入停止と銀行再編
2026年7月期のLFBは新規導入がゼロで、既存機関の解約により50機関から49機関になった。会社は元代表取締役に関する事案が一部金融機関の検討に影響したと説明する。金融機関の合併、営業店統合、CRMやAIへの機能移行が重なると、課金先・単価が減る。広域連携を継続する機関の案件・成約実績が改善しなければ解約抑止も難しい。
TX事業化と競争の不確かさ
2026年4月に提供を始めたTXは、有償契約4件、PoC等を含む関連売上約0.40億円という立ち上がり段階にある。2027年の契約30件や2029年のストック収益目標には大きな差がある。AIモデルの進化で開発費が資産価値を失うほか、PatSnap等の分析ソフトや大企業の内製チームが同じ機能を供給すれば、価格と継続率が下がる。投資回収までの資金余力を別に監視すべきだ。
ガバナンスと支配株主の資本配分
元代表取締役をめぐる2026年の一連の事案で、同社は金融機関の導入判断が慎重化したと開示した。SBIとの資本提携後は経営支援を得る一方、株主の集中と無配継続が、少数株主への現金還元を遠ざけ得る。新株発行が成長投資に使われても、投資がROICで資本コストを超えなければ既存株主には損失である。監督体制と資金使途の実績が問われる。
減価償却・開発資産と固定費
2026年7月末の無形固定資産は約3.47億円で、開発に伴う償却負担が将来の営業損益に残る。既存ソフトの償却額は物価上昇で機械的に増えないが、新しく作る製品の原価や雇用費は上がる。2026年の人員約105人を抱え、受注が縮めば固定費を回収できない。ソフトの資産計上だけでオーナー利益が増えたとは見ず、追加投資と実際の営業キャッシュフローを追う。
今後の分かれ目
- TXの有償契約が2027年7月期目標30件を上回り、2029年の月額ストック収益0.67億円への道筋が確認できたら
- TXだけの件数と関連単価を上方修正し、楽観・やや楽観の確率を上げる。PoCの一回限りの売上を継続課金と混同せず、解約率と営業キャッシュフローも確認する。
- LFB導入機関が49機関からさらに減り、ストック収益の月額も減少を続けたら
- AIや銀行再編の影響が想定より大きいとして中立のLFB数量と単価を下げる。床になるのは契約数でなく、実際に株主へ残る換価資産だけとする。
- Sourcing・Marketingの着手案件数が目標139件を達成し、1件当たり受取額も回復したら
- 海外技術探索の需要が戻っている可能性を評価する。ただしAI代替後の人的案件数が10年続く証拠かを見極め、長期のgや倍率を直ちに引き上げない。
- 2027年の営業損失縮小計画が未達で、再増資や返済条件の変更が必要になったら
- 弱気・悲観の比重を増やし、追加発行の株数と払込額を用いて既存株主の取り分を減らす。未実行の増資は現時点で基礎株数に加えない。
- リサーチのカスタマイズ案件数が増え、売上増に伴って調査部門の利益率も改善したら
- 人手調査のうち機密性・専門性を持つ部分だけ数量と単価を見直す。一般リサーチのAI代替を同時に打ち消さない。
- SBIとの提携による銀行・製造業向けの受注額が具体的に開示され、資本コストを超える追加利益が生じたら
- 単なる提携期待ではなく増分利益をTXとLFBの筋書きに反映する。公表済みの資本提携をTOBの成立や株主への現金還元と誤認しない。
見ておくもの
- LFB導入機関数(2026年7月末49機関)と月額ストック収益(2026年7月期末41百万円/月)
- Linkers TXの有償契約件数(2026年7月期4件、2027年7月期目標30件)と継続課金・PoCの内訳
- Sourcing/Marketing着手件数(2026年7月期82件、2027年7月期目標139件)と案件単価
- リサーチ案件数(2026年7月期267件)とカスタマイズ案件比率、部門利益
- 連結営業キャッシュフローとソフトウェア開発の追加支出、現預金と借入残高
- 2033年9月の5億円劣後借入れ返済に備える資金積み立てと借換条件
- SBIとの提携に基づく受注額・営業利益の増分、追加の第三者割当の有無
- 役員・監督体制の改善と銀行の新規導入審査再開の状況
倍率と資本コストの決め方
2026年7月期の確定実績が添付factsの最新実績2025年7月期より新しいため、決算短信の自己資本4.65億円と連結売上13.53億円を起点にした。basisの株数も、2026年9月28日に実行済みの第三者割当後1,604万3,700株に更新した。既に発行された株を将来のholder_shareで重ねて減らさない。2026年末の純現金は2025年の9億円ではなく、資金調達後の現預金と借入れの差、加えて来期赤字を確認して考えた。
数量はLFB49機関、探索82件、専門調査267件、TX有償契約4件から出し、値上げと物価は価格の側だけに入れた。TXの4件には既に売上があるので同製品だけ楽観時の件数拡大を認め、既存の人月・席課金は楽観でも数量を現在以下に抑えた。倍率は株価、過去PER、競合PBRを使わず、k10%、g_longマイナス1%、事業ROE、弱い堀の残存率3分の1から計算した。やや悲観の床は過去のPBRではなく回収資産の控除後、悲観では資金枯渇によりほぼゼロに近い0.01億円とした。悲観のPBRは2036年の負の自己資本ではなく、増資後の現在の自己資本7.15億円に対応させた。新リース会計による貸借対照表の表示変更は価値上の新しい現金創出ではない。
資本コスト 10.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5% + 上乗せ 1.5%。無リスク3%と株式プレミアム4.5%の合計7.5%に、業績変動と値決め力の質1.0%、継続赤字による経営危機1.5%を加え10.0%。β・規模・固有の不祥事を別途加算しない。