結論
Arentは、建設会社の設計・施工に関する専門知識をソフトウェアに変える企業である。筆者の結論は「割高」だ。三次元設計や配管の自動化という技術的な強みは本物だが、それが今後10年間、高い収益を守り続けると確信するには証拠が足りない。
2026年6月期の売上高は58.3億円、営業利益は9.2億円だった。事業の柱は、大手建設会社向けの受託開発と、買収によって集めた建設業務ソフトだ。前者は顧客の業務を深く理解する力が強みで、後者には累計6,500社の導入実績を持つ「どっと原価」のような製品がある。しかし、受託開発はAIエージェントによって必要な工数が減りやすく、業務ソフトも人が画面を操作するための席数を従来どおり維持できるとは限らない。
2026年6月期の純利益15.1億円には、PlantStreamの吸収合併に伴う大きな税効果が含まれる。これを毎年稼げる利益と考えるべきではない。また、プロダクト事業の利益は、のれん償却前でもほぼ収支均衡だった。買収で製品と顧客を増やすことには成功したが、その投資が資本コストを十分に上回る利益を生んだかは、まだ確認できない。
2027年6月期には売上高約85億円、営業利益約17億円への回復を会社が見込む。足元の受注環境を過小評価するつもりはない。それでも10年後の所有価値を考えると、開発工数の縮小、製品の課金形態の変化、買収で生じた無形資産の価値を慎重に扱う必要がある。確率を加重した長期価値は、現在の約272億円という時価総額を大幅に下回ると判断した。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の立場で問うべきことは、10年後も同じ顧客がArentに対価を払い続けるかである。建設会社に設計の効率化が必要なことは疑わない。しかし、必要なのは問題を解決する機能であって、ソフトウェアを作るために費やした人月そのものではない。AIで同じ成果を少ない工数で実現できるなら、顧客は節約分の一部を自分のものにしようとする。
同社の魅力は、数学的に難しい三次元設計と現場の業務を同時に理解できることだ。顧客との共同開発が長期に及び、設計基準や基幹システムへの接続が複雑なら、乗り換えには手間がかかる。その価値を、自社が保有する製品、継続的に更新される設計データ、顧客の業務に不可欠な仕組みへ変えられれば、受託会社より強い収益構造を作れるだろう。
ただし、所有者の利益を考える際には、会計上の純利益と使える現金を区別したい。2026年の純利益には一時的な税効果があり、買収した製品の開発費、営業費、のれん償却も軽くない。自社株買いの開始は評価するものの、株式交換による希薄化を含めた一株当たりの価値が増えたかを確認する必要がある。
最大の難点は、今後の技術進歩が速すぎることだ。AIを使って上手に製品を作れる企業であっても、その製品の価格を守れるとは限らない。筆者はArentの技術者と顧客基盤には価値を認めるが、10年後の超過利益を高い確信度で予測できる事業とは考えない。したがって、投下資本の回収と継続課金の実績が明確になるまでは、現在の時価総額を正当化するほど高く評価しない。
何で稼ぐ会社か
最大の収益源はDX事業である。2026年6月期の外部売上高は38.1億円で、全社の約65%を占める。建設会社やプラントエンジニアリング会社の業務を聞き取り、設計や施工の暗黙知を三次元CADや業務システムに実装する。数か月の実証を経て本開発に進み、その後も機能を追加する形が中心である。準委任契約による継続開発が多く、顧客との関係は単発の受注より深い。
同社が得意とするのは、配管の経路最適化やBIMと呼ばれる建物の三次元情報モデルの活用である。PlantStreamはプラント配管の設計を自動化し、LightningBIMは既存の設計ソフトに専門機能を加える。2026年の会社資料では、本開発の期末案件数が50件となり、直近10件の平均契約月額は約1,300万円と説明されている。ただし案件数は期末時点の残高であり、年間の請求件数や稼働工数と同じではない。
プロダクト事業の外部売上高は20.2億円で、全社の約35%を占める。構造ソフト、スタッグ、建設ドットウェブ、アサクラソフト、レッツ、PlantStreamなどを通じて、構造計算、積算、原価管理、配管設計を支援する。「どっと原価3」の標準ライセンスは公表価格で年27.6万円だが、追加ライセンス、複数年契約、導入支援、他製品もあるため、プロダクト事業全体を単純な契約社数で測ることはできない。
利益構造には大きな濃淡がある。2026年6月期のDX事業ののれん償却前セグメント利益は15.8億円だったが、プロダクト事業は約0.015億円にとどまった。連結調整には買収関連費用約3.1億円とのれん償却約2.9億円が含まれる。したがって、2027年の利益回復は買収費用の剥落でも説明でき、そのすべてを製品の競争力向上と見なしてはいけない。
優良さと弱いところ
Arentの強みは、建設現場の複雑な業務と数学的な実装能力を結び付けるところにある。三次元形状の計算、配管設計、既存の基幹システムとの接続には、一般的な画面開発とは異なる専門知識が必要だ。長期間の共同開発を通じて顧客の設計ルールや業務上の例外を学ぶため、受託先との関係は簡単には置き換わらない。高砂熱学工業向け売上が存在し、顧客の具体的な業務に入り込んでいることも確認できる。
買収した「どっと原価」には、建設業向け原価管理パッケージという限定された市場で、9年連続の導入企業数首位という実績がある。累計導入社数6,500社と公表されており、ブランドと販売基盤には価値がある。一方で、この数字は継続課金中の企業数でも解約率でもない。値上げ後の継続率、顧客単価の推移、法令対応のために他製品へ移れない事実は十分に開示されておらず、圧倒的な堀とまでは認定しない。
資本効率も見かけほど単純ではない。2026年6月期のROEは20.8%だが、特別な税効果が押し上げている。過去の利益成長には優れたDX事業の寄与が大きいものの、買収した事業の追加利益率はまだ低い。25億円を超えるのれんがあり、将来の製品収益が想定を下回れば、帳簿上の自己資本と実際に換金できる資産との差が問題になる。
顧客集中には改善が見られる。高砂熱学工業向け売上の全社比率は、2025年6月期の約31%から2026年6月期には約15%となった。ただし建設大手の開発予算や案件の採否に左右される構造は残る。堀は顧客と積み重ねた業務知識にあるが、その知識をAIエージェントが利用できる形にするほど、顧客自身が開発を内製化する危険も大きくなる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の建設業界では、労働時間規制、人手不足、設計・施工情報の分断が長期的な課題となる。2024年からの時間外労働規制や、公共工事・建築確認でのBIM活用の進展は、ソフトウェア投資を後押しする。建設会社が業務システムを使う必要性そのものは10年後も高い。問題は、必要なソフトウェアを誰が作り、利用企業が何に対して料金を支払うかである。
会社資料が示す建設IT市場のTAMは約1兆円である。これは建設投資額にIT投資比率を掛けた概算であり、Arentがすべてを取り込める市場ではない。大手建設会社向けの対象市場を約5,500億円とし、その10%に相当する550億円を獲得可能市場として示しているが、10%は会社の想定シェアであって現在の実績ではない。DX事業の2026年売上38.1億円は、この5,500億円の約0.7%に相当する。市場の定義が完全に一致しないため、これは規模感を測る参考値にすぎない。
競争相手も一様ではない。設計基盤ではAutodeskのRevitやGraphisoftのArchicadが強く、国産の建設ソフトには福井コンピュータやKENTEMなどがある。施工管理にはANDPADをはじめとする企業が参入し、受託開発では大手SI企業や顧客自身の情報システム部門が競合する。Arentはこれらすべての市場で共通のシェアを持つわけではなく、各製品の実売シェアについて比較可能な開示も乏しい。
筆者が最も重く見る変化はAIエージェントである。建設会社が必要とする設計判断や法的責任は消えないが、プログラムを書く工数や、業務ソフトの画面を人が操作する回数は減りうる。Arent自身、AIによる開発効率化を進め、ベトナム子会社の人員調整を行ったと説明している。第4四半期にはDX事業の粗利率が前四半期比で約3ポイント改善した。これは費用削減力の証拠だが、同じ技術を顧客や競合も利用するため、将来の受託単価と販売数量を守れる証拠にはならない。
市場全体のIT需要が名目で成長しても、従来型の人月売上や席課金が同じ速度で伸びるとは限らない。10年の中心ではDXの請求案件月を現在の65%、プロダクトの標準ID換算数量を82%と考える。製品の実質的な値上げ力も限定的と見込み、数量縮小を市場全体の名目成長で相殺しない。
資本政策と M&A
Arentは2025年から2026年にかけて、構造ソフト、スタッグ、建設ドットウェブ、アサクラソフト、レッツなどを取り込んだ。目的は設計から原価管理までをつなぐ製品群と顧客基盤の確保である。しかし、2026年6月期には買収関連費用約3.1億円とのれん償却約2.9億円が発生し、プロダクト事業ののれん償却前利益はほぼゼロだった。買収した製品を保有することと、投じた資本に十分な利益が返ることは別の話である。
2026年9月の会社説明では、生成AIによって自社開発の速度と費用が改善したため、製品獲得目的のM&Aを原則いったん止めると明言した。今後の中心は既存製品の統合、直接営業への転換、自社開発になる。これは買収費用と希薄化を抑えうる合理的な転換だが、自社開発した製品が実際に継続課金を生むかを確認する必要がある。
会社は2027年6月期に売上高約85億円、営業利益約17億円、純利益約10億円を見込む。一方、数値目標を伴う中期経営計画は開示していないと会社が明言しており、中期の売上高、利益、ROEについて数字の約束はない。配当性向、DOE、総還元性向についても数字の約束はない。
株主還元では、2026年1月に上限7億円、20万2,000株の自社株買いを決議した。無配を続ける一方、買収時の株式交換や新株予約権の行使によって発行済株式数は増えている。2026年6月末の上位10株主の持株比率は71.42%で、少数株主が資本配分を動かす力は小さい。将来蓄積する余剰現金は、株主に全額戻ると決め付けない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
建設業のデジタル化は、まだ業務の表面を変え始めた段階にすぎない。設計図面が電子化されても、発注、工程、原価、施工、維持管理のデータは分断されている。Arentには複雑な三次元情報を扱う能力があり、大手建設会社の業務を一緒に設計してきた経験がある。単なるプログラマーの人数ではなく、顧客の現場を理解した設計能力に報酬が払われるなら、AIが普及しても付加価値を保てる。
2026年の会社資料では本開発案件が50件に達し、直近10件の平均契約月額も約1,300万円だった。継続開発の期間が長く、同じ顧客の中で用途を広げられることは、新しい顧客を獲得し続けるだけのモデルより有利だ。生成AIの導入で実際にDX事業の粗利率が改善したことも見逃せない。開発効率の向上を顧客への値下げではなく自社の利益率改善として残せれば、少ない人員で高い収益を得られる。
買収した製品にも価値がある。「どっと原価」は建設業向け原価管理という狭い領域で導入実績を重ね、累計6,500社の顧客基盤を持つ。他社の会計ソフトや業務システムと連携する仕組みもあり、顧客が複数の製品を組み合わせて利用するようになれば、乗り換えにくさが増す。2026年のプロダクト利益は先行投資に圧迫されたが、買収費用が消え、直接営業と共通開発が進めば改善する余地は大きい。
さらに、経営陣はAIの普及を受けて買収中心から自社開発中心へ方針を転換した。自社製品の開発費用が下がれば、買収に払う資金を抑えながら製品群を広げられる。市場規模の大きさと専門性を考えれば、10年後も建設ソフトの有力な供給者であり続ける可能性はある。
慎重な見方
Arentの現在の収益は、建設業の専門知識という希少な能力を、主として受託開発の工数に変える仕組みに依存している。AIエージェントがプログラムの作成、テスト、設計情報の整理、既存システムとの接続を自動化すると、従来の人月商売は根本から変わる。会社自身が、コーディング中心の人員は採用する必要が小さくなりつつあると説明している。自社の原価が下がるのと同じ速度で顧客の調達費も下がるなら、売上と利益が同時に伸びる保証はない。
製品事業の強さも過大評価しやすい。累計導入6,500社は現在の有料顧客数ではなく、継続率も公表されていない。原価管理は企業に必要な機能だが、利用者が画面に入力することを前提とした課金はAIエージェントと相性が悪い。会計システムや建設会社の基幹データに直接接続するエージェントが普及すれば、追加ライセンスの販売余地が縮む可能性がある。
買収で拡大した事業の利益も不確かだ。2026年6月期のプロダクト事業は、のれん償却前ですらほぼ損益均衡であり、残存のれんは25億円を超える。製品を取得した価格に対し、十分な増分利益を得たという実績はまだない。社内で製品開発を安く進められる時代なら、過去に買ったソフトウェアの経済価値も相対的に下がりうる。
2026年の純利益を将来の基準にすることも危険だ。利益には一時的な税効果が大きく含まれ、税負担が通常水準に戻れば見かけの利益は下がる。自社株買いを始めたとはいえ、株式交換と新株予約権による希薄化も発生している。現在の時価総額を長期的に支えるには、AI後の継続売上、製品利益率、資本配分のすべてがうまく進む必要がある。
どちらに重みを置いたか
建設現場の専門知識と三次元設計能力については、強気の見方に根拠がある。短期の受注環境が良く、AIによる開発粗利率の改善にも実績があるため、直ちに事業が崩れるとは考えない。
しかし、10年という期間では、収益の約3分の2を占める受託開発の数量と、画面操作を前提とした製品の課金単位が変わる可能性を重く見る。買収した製品群について、解約率や増分の投資利回りを裏付ける開示も足りない。このため、楽観側24%に対し、やや悲観と悲観を合わせて42%とした。中立にも既にAIによる数量縮小を含めており、確率を下に寄せた主因は買収後の採算と継続課金の不確実性である。現在の値段には安全域が乏しいという慎重な判断が優勢だ。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/06 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 1,384 円94 億円(+ 還元の換算額還元の合計 159 円11 億円)。 今の値に割り戻すと 766 円52 億円、今との差 −79.3%、 期待の年率 −8.7%(資本コスト 7.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 3,340 円228 億円 | 425 円29 億円 | +2.0% | +0.2% | 301 円21 億円 |
| やや楽観 | 16% | 2,391 円163 億円 | 312 円21 億円 | −26.8% | −3.2% | 432 円29 億円 |
| 中立 | 34% | 1,528 円104 億円 | 170 円12 億円 | −54.0% | −7.8% | 577 円39 億円 |
| やや悲観 | 26% | 606 円41 億円 | 57 円4 億円 | −82.0% | −16.2% | 172 円12 億円 |
| 悲観 | 16% | 360 円25 億円 | 14 円1 億円 | −89.9% | −20.7% | 60 円4 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,384 円94 億円 | 159 円11 億円 | −58.2% | −8.7% | 1,543 円105 億円 |
今の株価時価総額 3,690 円252 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 専門技術が守られ、製品の採算が大きく改善 利益 17 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3,340 円228 億円
建設大手ではBIMや設計自動化の導入が進み、Arentの三次元計算技術と現場の業務知識が高く評価され続ける。顧客は単純な開発工数には料金を払いにくくなるが、難しい設計判断を組み込む案件では専門性への対価が残る。既存顧客との共同開発期間が長く、積み重ねた知識が新しい案件にも利用されるため、受託開発の数量は現在の水準を守る。
買収した製品群では、重複する営業や開発を整理し、直接販売への転換が成功する。「どっと原価」から構造計算、工程管理、配管設計への横展開が進み、プロダクト事業の収益性が大きく改善する。AIは開発原価を削減する役割を果たすが、売上高の確認できない新規AIエージェント事業からは未開示の増収を見込まない。
新たな大型買収を抑え、既存製品への投資に集中することで追加のれんの発生は限定される。配当は引き続き小さくても、資本効率を意識した自社株買いが続く。優れた専門技術が利益を守り、現在の事業規模から着実に現金を生み出す10年となる。
- DX事業:数量 293(開発案件月数(件・月相当。契約月額で換算した数量であり実際の請求件数ではない))× 価格 0.17(開発案件1件・月当たり売上(億円))→ 売上 51 億円・営業利益 20 億円。AI代替後も案件月数を現在の1.00倍で維持。単価は物価相当の1.34倍。高度な設計案件への集中とAIによる原価削減で利益率40%。
- プロダクト事業:数量 7,313(「どっと原価3」標準ライセンス年額で換算した有料ID年数相当(実際の契約ID数ではない))× 価格 0.00(標準ライセンスID・年相当売上(億円))→ 売上 23 億円・営業利益 7 億円。標準ID年相当の数量は現在の1.00倍、単価は1.15倍。既存製品の統合と直接営業が成功し、利益率32%。
倍率:資本コストk=7.75%、10年より先の名目成長g_long=0%。AIエージェント代替後の人月・席課金型に永久成長を認めず、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷0.0775=12.90倍を上限として採用する。ROEは16.5÷184.6=8.9%、普通の堀のRONICは約8.35%。余剰現金9億円の利息相当0.126億円を純利益から控除し、その現金の株主還元価値4.5億円を別に加える。
確率:三次元設計の専門性がAI普及後も高い価値を持ち、直接営業による製品の利益率改善が大きく進む筋書き。もっとも、AIエージェント製品自体の売上・受注金額が定量的に開示されていないため、楽観でも従来型の人月数量と席数量を現在より増やさない。
やや楽観 16% 顧客基盤は維持し、開発効率と製品利益率が改善 利益 11 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,391 円163 億円
大手建設会社の設計・施工システムの更新は続き、Arentは難度の高い三次元設計分野で採用され続ける。AIエージェントの普及で比較的簡単な開発は内製化されるが、顧客ごとの設計基準や古い基幹システムとの接続を担う仕事は残る。DX事業の請求案件月数は現在より減るものの、複雑な案件の比率が高まり、名目単価は物価程度まで上昇する。
買収した「どっと原価」や構造計算ソフトでは、保守や追加機能の収益が続く。AIによる入力や集計の自動化で必要なID数は減るが、業務システムを長期間使う顧客の存在が数量の急減を防ぐ。販売代理店への依存を減らし、複数製品を提案できるようになったことで、プロダクト事業の営業利益率は改善する。
2026年に発生した大型の買収費用は繰り返さず、既存製品の保守と自社開発に資本を配分する。規模拡大より利益を重視する経営へ移り、適度な自社株買いも行う。技術優位は残るが、開発の必要工数が減る時代に合わせて、かつてほど大きな売上成長は追わない。
- DX事業:数量 234(開発案件月数(件・月相当。契約月額で換算した数量であり実際の請求件数ではない))× 価格 0.17(開発案件1件・月当たり売上(億円))→ 売上 41 億円・営業利益 14 億円。人月型の実質数量は0.80倍、名目単価は1.34倍。高難度案件への集中により利益率35%。
- プロダクト事業:数量 6,582(「どっと原価3」標準ライセンス年額で換算した有料ID年数相当(実際の契約ID数ではない))× 価格 0.00(標準ライセンスID・年相当売上(億円))→ 売上 21 億円・営業利益 6 億円。標準ID年相当数量0.90倍、名目単価1.15倍。製品統合・直接営業が進み利益率27%。
倍率:10年後ROEは11.4÷162.6=7.0%でk=7.75%を下回る。超過利益を永久に成長させる根拠はなく、g_long=0%なので正当化PERの上限1÷k=12.90倍を使用する。人月・席課金の長期成長を過大評価しないための上限であり、市場で取引された倍率は参照しない。余剰現金9億円は利息相当額を利益から外し、株主還元価値4.5億円を別に加える。
確率:AIによる工数削減は進むものの、顧客の業務に深く入り込んだ共同開発が一定量残り、買収製品の直接営業も改善する。専門性と既存の顧客基盤は評価するが、収益の数量そのものは楽観的に増やさない。
中立 34% AIによる工数減少と製品課金の縮小が進む 利益 7 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,528 円104 億円
建設会社は引き続きBIMや業務データの連携に投資するが、ソフトウェアを開発するための工数は大幅に減る。Arentは設計の専門知識と既存顧客との関係を生かして受託案件を維持するものの、新しい開発環境では顧客自身もAIを活用できる。従来と同じ作業に同じ金額を払う理由は弱まり、DX事業の請求案件月数は現在の65%となる。
製品側では、「どっと原価」などの業務データを保存・管理する価値は残る。しかし、人が個別の画面で入力や集計をする回数は減り、追加IDや従来型の操作ライセンスには値下げ圧力がかかる。継続率の高い製品には顧客が残るが、会社全体では標準ID年相当の数量が現在の82%となり、価格上昇も物価を下回る。
買収関連の一時費用が消えるため、連結の営業利益は売上ほど落ち込まない。一方、買収した製品の高収益化は限定的で、追加投資の利回りは資本コストに届かない。新たな大型買収は基本的に控えられ、内部留保によって自己資本は増えるが、その増加ほど利益は伸びない。建設業務に必要な企業として存続しながら、資本効率の低い成熟企業になる。
- DX事業:数量 191(開発案件月数(件・月相当。契約月額で換算した数量であり実際の請求件数ではない))× 価格 0.17(開発案件1件・月当たり売上(億円))→ 売上 32 億円・営業利益 10 億円。AIエージェント代替の人月型。実質数量0.65倍、名目単価1.28倍。原価削減の一部が顧客へ移転し利益率30%。
- プロダクト事業:数量 5,997(「どっと原価3」標準ライセンス年額で換算した有料ID年数相当(実際の契約ID数ではない))× 価格 0.00(標準ライセンスID・年相当売上(億円))→ 売上 18 億円・営業利益 3 億円。席課金・画面中心型。標準ID年相当数量0.82倍、名目単価1.10倍。製品収益性は改善するが利益率18%にとどまる。
倍率:10年後ROEは6.9÷143.6=4.8%で資本コスト7.75%に届かない。ROEがk以下の事業に永久の超過成長を見込まないため、正当化PERの上限1÷k=12.90倍を採用する。g_long=0%は、DXの人月工数とプロダクトの席課金の10年より先の名目成長がAI代替で止まるとの判断。余剰現金9億円に帰属する税後利息0.126億円を除いた利益にPERを適用し、戻り方0.5の現金価値4.5億円を加える。
確率:建設ITの需要そのものは底堅い一方、人月・席課金はAIで置き換わる。会社の専門性と買収製品の顧客基盤は一定の防御力を持つため、事業の消滅ではなく収益構造の成熟と縮小を中心とする。
やや悲観 26% 受託単価が伸びず、製品の利用席数も減る 利益 3 億円 · PER 11.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 606 円41 億円
顧客はArentの専門知識を評価し続けるものの、AIエージェントを使った内製化が広がり、発注する開発工数は減る。Arent自身も少人数で仕事を進められるが、顧客がその生産性改善を価格交渉に反映するため、名目単価は物価ほど上がらない。高砂熱学工業のような既存顧客との取引は残る一方、新規案件の採算は厳しくなる。
プロダクト事業では、建設現場の入力や集計をAIエージェントが担うようになり、利用者ごとのライセンス数が減る。「どっと原価」などの蓄積データは残るが、他社の基幹システムや設計ツールから直接アクセスする仕組みが普及し、独立した操作画面に対する支出は小さくなる。既存顧客をつなぎ留めるための開発費とサポート費がかさみ、利益率の改善は小幅にとどまる。
自社開発へ方針転換したものの、複数の製品を統一して販売する取り組みは遅れる。買収した事業には追加投資を続けるが、高い増分利益を生み出せない。財務面では純現金が一定の余裕を与えるものの、無配を基本とする経営の下で株主への現金の移転は限られ、資本効率は低い水準にとどまる。
- DX事業:数量 161(開発案件月数(件・月相当。契約月額で換算した数量であり実際の請求件数ではない))× 価格 0.14(開発案件1件・月当たり売上(億円))→ 売上 23 億円・営業利益 6 億円。実質案件月数0.55倍、名目単価1.10倍。顧客の内製化と入札・価格交渉で利益率24%。
- プロダクト事業:数量 5,119(「どっと原価3」標準ライセンス年額で換算した有料ID年数相当(実際の契約ID数ではない))× 価格 0.00(標準ライセンスID・年相当売上(億円))→ 売上 14 億円・営業利益 1 億円。標準ID年相当数量0.70倍、名目単価据え置き。販売維持費が重く利益率7%。
倍率:10年後ROEは約2.1%でk=7.75%を大幅に下回り、増分投資も株主価値を増やしにくい。人月・席課金の縮小が続き、g_long=0%の上限PER12.90倍より低い11.5倍とする。余剰現金は谷で一部を使うと見て現在9億円の75%を残し、税後利息相当額を除いた利益に倍率を適用したうえで、残存現金の50%を加える。
確率:下に寄せる理由:AIを利用した開発で実際に人員調整を進めており、従来型の工数を顧客が購入する必要性は既に低下し始めている。加えて、買収製品の連結利益率はまだ低く、直接営業と製品統合が期待ほど進まない可能性がある。
悲観 16% 開発工数の価値が崩れ、買収ソフトの減損が起きる 利益 −2 億円 · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 360 円25 億円
大手建設会社が設計データと業務規則を社内のAIエージェントに接続し、以前は外部へ発注していた多くの開発を内製化する。Arentに残るのは高度な三次元設計や複雑なシステム接続など一部の案件であり、請求案件月数は現在の45%になる。単価も上げられず、専門技術を持つ人員を維持するための固定費が利益を圧迫する。
プロダクト事業では、業務画面を使う人数が大幅に減る。既存システムと直接連携するAIエージェントや競合製品への移行が進み、製品の継続率と追加販売が悪化する。累計導入社数は過去の実績として残っても、それを今後の有料契約に変える力は弱まる。高収益化を前提に買収したソフトウェアの価値が下がり、のれんや開発資産の減損が発生する。
経営は新規買収を控え、研究開発と人員を削減して現金流出を抑える。それでも連結営業利益は赤字となり、通常の利益倍率で企業価値を評価しにくくなる。売れる資産と純現金を基礎にした約25億円を下値の目安とするが、株主が即時の清算を決められるわけではないため、現金の全額回収までは見込まない。
- DX事業:数量 132(開発案件月数(件・月相当。契約月額で換算した数量であり実際の請求件数ではない))× 価格 0.13(開発案件1件・月当たり売上(億円))→ 売上 17 億円・営業利益 2 億円。実質案件月数0.45倍、単価据え置き。AI内製化と競争激化で利益率12%。
- プロダクト事業:数量 4,022(「どっと原価3」標準ライセンス年額で換算した有料ID年数相当(実際の契約ID数ではない))× 価格 0.00(標準ライセンスID・年相当売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 0 億円。標準ID年相当数量0.55倍、単価据え置き。保守・開発固定費が残り営業赤字。
倍率:営業赤字と純損失が続くためPERでの評価は適切でない。現在の自己資本約72.6億円を基準に、のれん・繰延税金資産・ソフトウェアの換金不能性を踏まえた0.35倍、約25.4億円とする。過去の市場PBRの底を根拠にしていない。2036年の自己資本69.6億円は10年間の利益・還元・減損による推移を表し、PBRの計算には将来の蓄積自己資本を用いない。
確率:下に寄せる理由:DXの受託開発、席課金ソフト、M&Aによるのれんという三つの弱点が同時に表面化する可能性を無視しない。AIエージェントが顧客の内製化を急速に進め、買収ソフトの継続率も予想を下回る複合的な下振れを想定する。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
DX事業
建設・プラントの大手企業向けに、三次元設計、配管自動化、BIM活用、業務システムのコンサルティングと共同開発を行う。準委任契約を中心とする継続開発が収益の柱。
| 数量開発案件月数(件・月相当。契約月額で換算した数量であり実際の請求件数ではない) | 価格開発案件1件・月当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 293 | 0.13 | 38 | 16 |
| 10 年後 中立 | 191 | 0.17 | 32 | 10 |
取り方:2026年6月期の有報で確認したDX事業の外部売上高は38.10528億円。会社の2026年5月13日第3四半期決算説明資料14ページには、直近10件平均の契約月額として約1,300万円、契約金額約0.8億円が開示されている。この0.13億円を代表単価とし、38.10528÷0.13=293.118件・月相当と推定した。直近10件の大型案件単価を全案件へ適用するため真の案件月数ではなく、PoC・コンサル・継続開発の混在を含む換算数量である。期末本開発50件は残高指標であり、年間案件月数293.118件・月と同一視しない。セグメント利益15.82735億円は内部取引を含むセグメント管理上ののれん償却前利益であり、外部売上だけで割った利益率をそのまま厳密な契約粗利率と見なさない。出典:https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20260513/20260511523427.pdf
プロダクト事業
どっと原価、構造ソフト、スタッグ、レッツ、PlantStreamなどの建設用業務ソフトウェアの販売、ライセンス、保守、関連サービス。
| 数量「どっと原価3」標準ライセンス年額で換算した有料ID年数相当(実際の契約ID数ではない) | 価格標準ライセンスID・年相当売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 7,313 | 0.00 | 20 | 0 |
| 10 年後 中立 | 5,997 | 0.00 | 18 | 3 |
取り方:2026年6月期有報のプロダクト事業外部売上高20.18408億円を、建設ドットウェブ公式価格表の「どっと原価3」スタンダード1ライセンス年27.6万円、すなわち0.00276億円で除し、約7,313標準ID年相当と換算した。実際には追加IDの年8.4万円、ライトプランの年15.6万円、複数年契約、初期導入費用、買収した別製品、PlantStreamなどが混在する。この数量は実契約数・実稼働ID数を示さない。どっと原価の累計導入6,500社も解約を控除した現役顧客数ではない。事業利益0.01488億円はのれん償却前のセグメント管理利益。出典:https://www.kendweb.net/cost/ および https://www.kendweb.net/
リスクと懸念
AIエージェント代替
DX事業の準委任契約は、人が開発に使う工数を販売する性格が強い。AIエージェントがコーディング、テスト、設計情報の整理を自動化すれば、同じ成果に必要な人月は減る。会社自身もAIによる開発の効率化と人員調整を公表している。プロダクト事業でも画面入力をAIが代行するようになれば、ID課金の数量と価格に下押しがかかる。
買収資産の投資利回りと減損
2026年6月期末ののれんは約25.37億円であり、資産計上したソフトウェアも残る。一方、プロダクト事業ののれん償却前セグメント利益はほぼゼロだった。買収会社単体では利益が出ていても、取得対価、追加の営業投資、共通開発費、のれんを含む投資全体が資本コストを上回るとは限らない。製品統合が進まなければ減損の危険がある。
継続課金の実数が確認できない
「どっと原価」の累計導入6,500社は重要な販売実績だが、現在の有料契約社数、稼働ID、年間解約率、平均顧客単価の推移とは異なる。今後、既存顧客の維持だけで売上を保てるのか、新規顧客の獲得が必要なのかを区別しにくい。定量的な継続率が示されるまで、成熟した高品質SaaSと同じ評価は与えない。
大口顧客と建設投資への依存
高砂熱学工業向けの全社売上比率は約15%まで下がったが、DX事業の顧客には大手建設会社やプラント企業が多い。大型工事や設計投資の延期、顧客の予算編成によって開発契約の開始がずれやすい。実際に2026年には顧客側の契約手続きによって売上が特定の四半期に集中した。売上の伸びをすべて継続的な成長と見なさない。
株式交換と新株予約権による希薄化
自社株買いは始まったが、買収に伴う株式交換や新株予約権の行使で株数も増えている。2026年6月期有報には未確定の新株予約権234,200株が残り、行使されれば既存株主の持分は薄まる。企業全体の売上や利益が増えても、それ以上に株式数が増えれば一株当たりの所有価値は改善しない。
オーナー支配と余剰現金の使い道
上位10株主の持株比率は71.42%で、経営側や大株主の意思が資本配分を左右しやすい。無配の方針が続き、取得自己株式の消却も未定である。純現金には受領済み契約対価に対応する資金が含まれるため、帳簿上の現金全額が株主の自由になるわけではない。資本収益性の低い投資に現金を再投入する危険にも注意する。
建設ソフト市場の競争と顧客内製化
設計基盤にはRevitやArchicad、建設向け業務ソフトには福井コンピュータ、KENTEM、ANDPADなどが存在する。Arentの製品が業界の標準になるか、既存の大手製品に追加する機能として残るかで収益の質は変わる。AIエージェントによって顧客が自社の設計ルールを既存基盤上に実装できるようになれば、追加開発や独立した業務画面の需要が減る。
今後の分かれ目
- DXの開発案件月数が減っても、成果物当たりの契約単価と利益率が継続して上がったら
- 人月販売から成果への課金に移れている可能性が高まる。AI代替による数量縮小を緩和し、やや楽観・楽観の筋書きの重みを増やす。
- どっと原価などで年間解約率5%未満、値上げ後の高い継続率、複数製品の利用拡大が公表されたら
- 製品の乗り換えにくさをより強く評価する。低解約率に加えて、年単位の移行負担や独自データ蓄積など別の証拠も確認できれば、当該製品だけを記録の正本型として再評価する。
- 買収したプロダクト事業がのれん償却後でも継続的に高い営業利益を計上したら
- 買収による増分利益が資本コストを超え始めたと判断できる。追加の買収資金や開発投資に対する利益の増分も確認し、中心筋書きの利益率を引き上げる。
- LightningBIM AI AgentやPROCOLLAなどのAI関連製品で有料売上・受注金額が継続的に開示されたら
- AIを単なる開発原価の削減手段ではなく、新しい収益源として評価できる。従来の人月・席課金とは別の数量と単価を立て、楽観側の成長余地を見直す。
- DX事業の利益率が改善する一方で外部売上高が減り続けたら
- 短期のAI生産性向上が顧客への価格引下げや発注量縮小に移転していると判断する。利益率の改善だけを高評価せず、営業利益の絶対額と契約更新の実態を重視する。
- 自社株買い後の純株式数が継続的に減少し、配当や消却の方針も具体化したら
- 余剰現金が既存株主へ戻る確度を引き上げる。現金の戻り方を0.5から0.75または1.0へ見直すが、そのために事業の利益見通しを同時に引き上げることはしない。
見ておくもの
- DX事業の本開発案件数、PoC案件数、平均契約金額、平均契約月額と継続開発期間
- AI駆動開発によるDX事業の粗利率改善幅と外部売上高の絶対額
- どっと原価の稼働有料契約社数、年間解約率、標準・追加ID数、実現単価
- プロダクト事業ののれん償却前後の営業利益と、既存製品の直接営業による受注増
- LightningBIM AI Agent、PROCOLLA、ASPOなどの有料売上高・受注金額
- 顧客上位企業の売上集中度と、建設大手のシステム内製化動向
- のれんの減損・ソフトウェア資産の償却、現金・契約負債・買収支出の推移
- 発行済株式数から自己株式を引いた純株式数、新株予約権の行使、取得自己株式の消却
倍率と資本コストの決め方
現在の時価総額約272億円を確認する前に、DX事業の請求案件月数とプロダクト事業の標準ID年相当数量を、会社が公表した契約月額・製品価格から組み立てた。中立の実質数量はAI代替の型に従ってDX0.65倍、プロダクト0.82倍とし、物価を数量へ混ぜていない。倍率は現在・過去・同業のPERから採らず、資本コスト7.75%、長期の名目成長率0%、ROEとRONICに基づく正当化PERの上限12.90倍を採用した。2026年の税効果は平常利益に含めず、のれん等の無形資産は悲観の換金価値から外した。足元の2027年増収計画と10年後の工数縮小は両立しうるため、近い将来の増収をそのまま永続成長へ延長していない。株式分割や新リース会計による表示の違いで企業価値を増減させず、既存株主に帰属する価値を新株予約権の希薄化後で評価する。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%による基本7.5%に、事業の質の補正+0.25%を加えた。買収実行や顧客集中の個別リスクは追加の資本コストではなく筋書きと確率に反映する。