結論
KLabは、他社が保有する人気アニメの権利を借り、スマートフォン向けゲームを開発・運営する会社である。結論は「割高」だ。新作の投入で業績が改善しても、それが10年続く利益に変わるまでには幾つもの関門がある。いまの時価総額には、再建だけでなく次の成功作まで先取りした期待が含まれている。
かつては世界で累計1億ダウンロードを超えた「BLEACH Brave Souls」などが稼ぎ頭だった。しかし、売上高は2018年の約327億円から2025年に約69億円へ縮み、2021年から5期連続で営業赤字となった。2025年にはソフトウェアの大きな減損も計上した。ゲームが息の長い商売であっても、古い作品の利用者が減る速度より速く新作を当て続けなければ、持続的な利益にはならない。
2026年には「ドラゴンクエスト スマッシュグロウ」などの新作が加わり、会社は売上高170億円、営業利益10億円への回復を目指す。中間期の営業損益もわずかながら黒字になった。ただし利用者の課金収入は前年同期比で約12%減り、連結増収はライセンス等の収入に負う。純損益はなお赤字で、株主が享受する利益への転換は未完成だ。GPU販売やAI関連制作を始めても、低い参入障壁と資金の持ち出しを無視できない。
10年後の中立ではゲームの稼働タイトルを増やしながらも、利益率と資本効率は平凡にとどまる。上振れの可能性は認める一方、希薄化と保有資産の目減りも株主の取り分から差し引く。5つの筋書きの本質価値は約51億円、現在の約149億円より約66%低い。高い確信を持って10年所有するには、利益の再現性と還元の実績がまだ足りない。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって、KLabの評価で最も難しいのは「次にどの作品が当たるか」ではない。「一つ当たった利益を、次の10年も高い利回りで再投資できるか」である。人気アニメの認知度は大きな助けになるが、その商標や世界観の価値は権利元に帰属する。自社で排他的に支配できない資産へ多額の制作費や広告費を投じ続ける商売は、長く持つ株主にとって確実性が低い。
2017年から2018年の高収益を見ると、かつて稼ぐ力があったことは疑いようがない。しかし、その後の売上縮小と5期連続の営業赤字は、既存の成功作が次の成功作を保証しない証拠でもある。営業損失だけでなく、減損した開発費や増資によって株主が薄められた分まで投資成果に含めるべきだ。会計上の単年利益を全額、自由に配れる現金と見なすことはできない。
2026年の新作群が軌道に乗れば、収益の回復余地は確かにある。ゲーム部門には売上総利益が残っており、本社費の吸収が利益を大きく変える。一方、GPU販売は巨大な競争相手がいる設備販売事業であり、優れた再投資先かは不明だ。暗号資産の値上がりも、顧客が毎年支払ってくれるオーナー利益とは性質が違う。
財務面では借金が小さく、清算時に換金できる資産が残る点は無視できない。しかし、赤字を埋めるために使われる現金は、少数株主が自由に引き出せる現金ではない。筆者が10年保有の条件とするのは、更新しやすいライセンス契約、広告宣伝費を回収できる複数のヒット作品、増資に頼らない営業キャッシュフロー、そして利益の株主還元という実績だ。現時点では事業の見通しに比べて市場が求める対価が高く、安全域は足りない。
何で稼ぐ会社か
収益の中心は、版権元から許諾を得たアニメ作品のゲーム化である。「BLEACH Brave Souls」と「キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~」のように、発売後もイベントやキャラクターの追加で課金を集める。利用者が継続して遊べば新しいソフトを毎年売らずに済む半面、宣伝費、運営人件費、版権使用料、プラットフォーム手数料が引かれる。利用者数や課金率、権利契約を経営側だけで自由に決められるわけではない。
2025年の開示セグメントはゲーム事業の売上約63.7億円と、その他事業の約4.9億円に分かれる。ゲーム事業のセグメント利益は売上総利益に相当する約8.4億円だったが、販管費など約21.3億円を差し引くと、連結では約13.0億円の営業赤字になった。これが事業の本当の採算を考える出発点だ。新作を何本増やしても、開発費と販売促進費だけでなく、本社の固定費まで吸収できなければ意味がない。
2026年にはスクウェア・エニックスと関係する「ドラゴンクエスト スマッシュグロウ」、gumiと組む「僕のヒーローアカデミア UNITED SURVIVAL」などの案件が加わる。「ジョジョの奇妙な冒険」に関する海外向け案件もあり、開発受託と共同事業では売上計上方法も取り分も異なる。著名な作品だからといって、その課金総額がすべてKLabの売上になるわけではない。権利元の知名度と、KLab自身の独占的な力は分けて考える必要がある。
もう一つの柱を目指すのがGPUサーバー販売、AIクラウド運用などの新規事業である。専用サイトではサーバー一式を税込2,750万円で販売しており、設備そのものと運用サービスの組み合わせで稼ぐ。2026年には企業向けのAI制作サービスも始めたが、受託制作の売上と利益は独立して確認できない。AI制作は顧客の工数を減らす技術を自ら売り物にする反面、顧客のAIエージェントによって制作工程そのものを内製化される競争にもさらされる。
優良さと弱いところ
強みは、人気作品を長く運営した経験と、版権元との共同開発を進める実務能力である。「BLEACH Brave Souls」が約10年で累計1億ダウンロードに達したのは、海外にも利用者を集める運営力を示す実績だ。だが累計ダウンロードは、現在の有料利用者数や値上げを受け入れる力を示さない。契約満了時に権利元が更新先を変えることもできるため、永久に自分のものになる知的財産とは異なる。
参入障壁は大手IP保有者や巨大プラットフォームより低い。Apple、Google、Xsollaを経由した売上が大きく、集客経路や決済条件を自社だけでは変えられない。競合のバンダイナムコ、スクウェア・エニックス、コナミ、ネクソンなどは、自社で権利を持つ作品や複数のヒット作を抱える。KLabが利益を再投資しても、競合を排除できる独自のデータやネットワーク効果が増す保証はない。
資本効率も長く安定していない。2017年と2018年には営業利益が50億円前後に達したが、その後は新作の失敗と旧作の減収で赤字へ転落した。2025年末の純現金は約50億円で借金の負担は小さい一方、営業活動で現金を失い続けた時期に増資で資金を補ってきた。黒字の時だけの利益率ではなく、開発の失敗費用も含めた10年間のオーナー利益を見るべきだ。
ゲーム業務に人月課金型の継続受託が大きいという証拠は乏しいため、ゲーム全体にAIエージェント代替の数量縮小を一律には掛けない。しかし新しい広告・映像の受託制作にはその危険が直接当たる。AIを制作に使えることは強みでも、独自データや契約上の独占が示されない限り堀とはみなせない。全社の堀は「弱い」と判断する。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
世界のゲーム市場は2025年に約32兆円、国内では約2.6兆円に達する。うちモバイルの比重が大きく、スマートフォンで作品を無料配信して課金を受け取る仕組みが定着した。世界市場が名目で年4〜6%伸びても、それだけでKLabの売上が増えるわけではない。実際に競うのは、権利を借りられるか、利用者を獲得できるか、発売後も高い課金率を保てるかという限られた枠だ。
CESAが示す世界のモバイルゲーム市場は2024年で約18.4兆円である。KLabの2025年ゲーム売上を単純にこの市場で割ると約0.035%となり、世界全体の中ではごく小さな存在だ。ただし市場統計は消費者支出、同社の数字は配分後の会計上の売上であり、これは厳密な同一定義のシェアではない。自社IPと集客基盤を持つTencent、NetEase、バンダイナムコ、コナミ、スクウェア・エニックス、ネクソンなどが有力な競争相手となる。各社のライセンス型モバイルゲームに限った比較可能なシェアは統一開示されていないため、根拠のない数値は補わない。
ゲームの単価には3%の物価上昇をそのまま転嫁しにくい。キャラクターを増やしてもユーザーが離れれば課金単価が落ち、広告の単価と開発人件費だけが上がるためだ。一方、海外向け人気アニメは言語と地域を広げることで新たな利用者を獲得できる。中立のゲーム数量が2025年より増えるのは業界の自然増だけでなく、2026年の新作群から生き残るタイトルが出て古い作品を置き換えるという会社固有の仮定に依存する。
GPU関連では国内AIインフラ市場が2025年に約6,700億円との民間調査がある。KLabのその他事業4.9億円を機械的に割った比率は0.1%にも届かないが、サーバー売買とクラウド利用料を混ぜたため厳密な市場シェアではない。AWS、Microsoft Azure、Google Cloud、国内のGPU事業者は設備調達と営業基盤で圧倒的に大きい。計算需要が伸びてもGPU性能の改善で旧機種の価格が下がり、サーバー売却と貸出の利ざやが広がるとは限らない。
資本政策と M&A
会社の中期経営計画「VISION2028」は、2028年の売上高350億円、営業利益50億円を掲げる。2026年の売上高170億円、営業利益10億円を足場に、新作ゲームの通年寄与と新規事業の拡大を目指す構想だ。ただし過去の成長軌道からの回復幅は非常に大きく、利益率14%超を実現した後も維持できるかは別問題である。計画には確認できる範囲でROEの目標値、配当性向、DOE、総還元性向、自社株買いの金額について数字の約束なし。2026年の配当予想もゼロである。
2021年に買収したカジュアルゲーム会社グローバルギアを2025年に約11億円で売却した。ゲーム以外ではGPU機器、AI事業、暗号資産関連への投資を進め、2026年9月末にはビットコイン約89.4枚と金約20.3キログラムを保有していた。投資対象が広がるほど、株主にはゲームの採算だけでなく経営者の資本配分を監督する負担が生じる。売買や自動運用の試算を、実際に長く確定した利益とは扱わない。
資金面で最も重いのは既存株主の取り分だ。2024年以降は株数が大幅に増え、2026年も新株予約権の行使が続いた。2026年10月には一部ストックオプションの行使条件も変更された。配当や継続的な自社株買いによる相殺が見られないため、将来利益が戻っても一株当たりの価値が同じ割合で増えるとは限らない。現時点で公表されたTOB・MBOや上場廃止の計画は確認できず、買収の期待は価値に加えていない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
今回の新作群が定着すれば、KLabは過去の成功体験を別の形で繰り返せる。2026年には「ドラゴンクエスト」、また「僕のヒーローアカデミア」、海外向け「ジョジョの奇妙な冒険」といった知名度の高い作品に関わる。一般的な無名タイトルと比べれば、発売時に顧客を集める負担を抑えられる余地がある。長年の「BLEACH Brave Souls」の海外運営経験を使えば、日本だけでは得られない課金需要にも届く。
重要なのは、売上高が2025年の谷を抜け始めていることだ。2026年中間期は前年同期より売上が伸び、連結営業損益も小幅ながら黒字に戻った。過去のゲーム部門は本社費を除けば黒字であり、複数の新作が同時に貢献すると固定費負担は急に軽くなる。2028年の営業利益50億円という会社目標を達成できれば、10年先の事業規模を過去の縮小傾向だけで測るのは悲観的すぎる。
さらにGPU関連のサーバー需要は世界的に増えており、設備を販売するだけでなく運用を請け負う収入を積み重ねられる。日本の企業が計算基盤を国内で調達したい場面も広がり、今は小さい事業が売上の分散につながる可能性がある。もちろんAI制作業務に売上実績が見えないうちは、その利益を先取りしない。それでもゲームが現金を生み、GPU事業を自己資金で育てる好循環が始まれば、増資への依存を脱する。
純現金と比較的厚い自己資本は、新作が不振だった場合の時間的余裕を与える。ゲーム開発の人員配置を機動的に変え、権利元と有利な契約条件を結べるようになれば、持ち主の利益も大きく変わる。過去に一度実現した高い営業利益を永遠の標準とはしないが、10年かけて収益性を取り戻す可能性も切り捨てるべきではない。
慎重な見方
ゲームの過去の成功と将来の所有者利益は別物だ。KLabの売上は2018年から急速に落ち込み、2025年まで5期続けて営業赤字だった。2025年には約45億円のソフトウェア減損があり、かつて投じた開発費が期待どおりの将来収益を生まなかったと認識された。数年間にわたり新作を投入しても、古い作品の減少と宣伝費を相殺できるとは限らない。
権利を保有するアニメ会社と販売先のプラットフォームは、KLabより強い交渉力を持つ。大きなアニメIPを使ったタイトルも、契約更新や共同開発の条件が悪くなれば取り分は減る。スクウェア・エニックスやバンダイナムコのような大手は自社IPを直接展開でき、ゲームの出来が同等でも利益の残り方が違う。会社独自の有料ユーザー維持率や継続的な値上げ成功が十分に示されない以上、強い堀として評価する根拠は弱い。
GPUの需要が拡大しても、世界大手のクラウド事業者より安く設備を調達できるとは考えにくい。高額サーバーは新型機の登場で陳腐化し、売り切りの収入は毎年繰り返される保証がない。AIを活用した動画や広告の受託制作はAIエージェントに内製化される可能性がある。新規事業の分散が、そのまま高い資本効率につながるわけではない。
株主にとっての最大の警告は資本配分だ。財務を立て直す過程で株式数が大幅に増え、配当による還元はなかった。ビットコインや金、AI自動売買への関心は本業のキャッシュフローを安定させる仕組みではない。赤字が再発すれば保有資産は費用に使われ、再度の株式発行が必要になる。貸借対照表上の自己資本の全額が少数株主に戻るという見方は危うい。
どちらに重みを置いたか
新作の知名度と中期計画には上振れ余地があるが、過去の営業赤字、ソフトウェア減損、継続的な希薄化という観察済みの事実を重く見る。強気側28%、慎重側42%とし、中立30%を挟んで下側を14ポイント厚くした。これはAIリスクを資本コストに重ねたからではなく、今の投資と将来の利益の間に再現性の証拠が足りないためだ。将来の株主価値を上げるには、売上目標の達成だけでなく、持続的な現金利益と増資抑制を確認する必要がある。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 132 円110 億円(+ 還元の換算額還元の合計 6 円5 億円)。 今の値に割り戻すと 61 円51 億円、今との差 −59.5%、 期待の年率 −0.9%(資本コスト 8.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 497 円413 億円 | 32 円27 億円 | +253.0% | +14.1% | 53 円44 億円 |
| やや楽観 | 18% | 239 円198 億円 | 13 円11 億円 | +67.8% | +5.5% | 45 円38 億円 |
| 中立 | 30% | 84 円70 億円 | 0 円0 億円 | −43.7% | −5.6% | 25 円21 億円 |
| やや悲観 | 26% | 40 円33 億円 | 0 円0 億円 | −73.2% | −12.3% | 10 円9 億円 |
| 悲観 | 16% | 23 円19 億円 | 0 円0 億円 | −84.6% | −17.1% | 4 円3 億円 |
| 加重平均 | 100% | 132 円110 億円 | 6 円5 億円 | −8.2% | −0.9% | 138 円115 億円 |
今の株価時価総額 150 円125 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 複数の海外ヒットで事業が再生 利益 39 億円 · PER 11.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 497 円413 億円
2026年の新作群で世界向けの顧客基盤ができ、その後も権利元と長期契約を結べる。海外配信の成功に加え、旧作の運営で培った知見が新作にも使われ、十年後に実効7タイトルが収益に寄与する。世界モバイル市場の拡大を上回るシェア獲得が続き、課金総額だけでなくKLabに帰属する利益も増える。競合のバンダイナムコやスクウェア・エニックスと直接競うだけでなく、開発提携に選ばれる地位も築く。
ゲームの年間売上は315億円に達し、効率的な共同開発と海外課金で部門利益率が27%に上がる。GPU事業も180件の機器販売・運営受託相当まで育ち、データセンター向け需要の中で高い単価を保つ。事業全体の本社費と共通開発費は膨らむが、売上拡大で吸収できる。新たなAI制作受託に未確認の超過利益は加えず、営業利益は約61億円になる。
直近に発行された新株予約権などが行使され既存株の取り分はおよそ90%になるが、以後の調達は抑えられる。会社は利益の一部を配当と自社株買いに戻し、総額30億円の還元を実行する。暗号資産の値上がりや買収による一時益には頼らず、純利益約39億円を残す好循環が成立する。
- ライセンス作品のモバイルゲーム:数量 7.0(収益化中の主力タイトル換算数(年平均の実効本数。1本を通期運営とする))× 価格 45(実効1タイトル当たりKLab連結会計売上(億円/年)。販売総額ではなく権利元などとの分配後)→ 売上 315 億円・営業利益 85 億円。実効年稼働7.0タイトル×年間単価45.0億円。権利契約・海外利用者と有料継続率に対応し、物価による値上がりは単価の側だけに含める。
- GPUサーバー販売・クラウド運営・その他:数量 180(GPUサーバー販売・運用受託のサーバー一式換算件数(年))× 価格 0.44(サーバー販売・運用受託換算1件当たりKLab売上(億円/件))→ 売上 79 億円・営業利益 10 億円。GPUサーバー販売・運用の換算180件×受取額0.44億円。AI制作の受託部分は独立売上が未開示で上乗せせず、AIエージェント代替の潜在縮小を注記。
倍率:資本コストk=8.75%、2036年以降の名目g_long=0%のため、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷0.0875=11.42857倍。堀は弱いので将来の超過ROE残存は1/3だが、g=0%では式上PERに影響しない。今の余剰現金15億円が生む税後年利0.21億円を事業純利益から控除し、事業価値に戻り方75%の11.25億円を一度だけ加算する。市場のPER水準は参照していない。
確率:新作のうち複数が長寿化し、海外課金、GPU販売、費用統制の三つが同時に上振れる希少なケースであり、可能性はあるが連続成功を標準にできないため10%。
やや楽観 18% ゲーム再建が定着しGPUが補完 利益 18 億円 · PER 11.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 239 円198 億円
2026年に公開したゲームの一部が長期の運営型作品として残り、古い作品を置き換える循環ができる。海外利用者は増えるものの、スマートフォン課金市場の競争は激しく、大手のような圧倒的な自社IPを持つには至らない。10年後の実効タイトル数は5.5本で、年間の1本当たり売上は41億円になる。著名作品の版権元へ適正な取り分を渡しながら運営するため、ゲーム部門利益率は24%程度にとどまる。
GPUは設備一式換算で年120件の販売・運営に成長する。クラウド大手との価格競争から超過利潤は限定されるが、運用受託を組み合わせたことで部門黒字が続く。AIクリエイティブの工数型収益はエージェントによる内製化圧力を受け、独立した利益の柱とは見なさない。約30億円の共通費を吸収し、営業利益は約29億円となる。
収益基盤が安定した後には再度の大型増資を必要としなくなり、10年間に12億円を還元する。潜在株式の相当部分は行使されるため、会社の利益拡大が既存株主にすべて帰属するわけではない。2028年計画の高い利益水準には恒常的には届かないが、持続可能な黒字企業として再評価される。
- ライセンス作品のモバイルゲーム:数量 5.5(収益化中の主力タイトル換算数(年平均の実効本数。1本を通期運営とする))× 価格 41(実効1タイトル当たりKLab連結会計売上(億円/年)。販売総額ではなく権利元などとの分配後)→ 売上 226 億円・営業利益 54 億円。実効年稼働5.5タイトル×年間単価41.0億円。権利契約・海外利用者と有料継続率に対応し、物価による値上がりは単価の側だけに含める。
- GPUサーバー販売・クラウド運営・その他:数量 120(GPUサーバー販売・運用受託のサーバー一式換算件数(年))× 価格 0.37(サーバー販売・運用受託換算1件当たりKLab売上(億円/件))→ 売上 44 億円・営業利益 4 億円。GPUサーバー販売・運用の換算120件×受取額0.37億円。AI制作の受託部分は独立売上が未開示で上乗せせず、AIエージェント代替の潜在縮小を注記。
倍率:資本コストk=8.75%、2036年以降の名目g_long=0%のため、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷0.0875=11.42857倍。堀は弱いので将来の超過ROE残存は1/3だが、g=0%では式上PERに影響しない。今の余剰現金15億円が生む税後年利0.21億円を事業純利益から控除し、事業価値に戻り方75%の11.25億円を一度だけ加算する。市場のPER水準は参照していない。
確率:ゲーム主力の更新が進み新規事業も黒字を出すが、2036年まで複数作を維持する前提が要るため18%。
中立 30% 新作交代で売上は回復するが利益は薄い 利益 6 億円 · PER 11.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 84 円70 億円
新作ゲームのうちいくつかが息長く残り、旧作の縮小を相殺する。2026年の回復を十年間単純に外挿しないが、十年後にも約4.2本の収益化できるゲームが動いているとみる。海外のモバイル市場が伸びるため、利用者を少しずつ獲得できる。一方、版権の契約更新とアプリストアの手数料がKLabの値上げを制約し、課金総額の伸びは利益へ同じ割合では届かない。
ゲーム事業の売上は147億円、利益は約32億円になる。GPU関連も設備一式換算65件、売上約20億円まで伸びるが、機器の更新と調達価格の低下で利益率は7%ほどにとどまる。2026年開始の広告・映像のAI受託制作は、AIエージェント代替で手作業数量0.65倍、単価1.10倍という不利を受けるため、独立した利益を見込まない。本社費は2025年の人員137人削減とオフィス縮小の延長で合理化するが、インフレで再び重くなり25億円を要する。これを管理しても、連結営業利益は約9億円にとどまる。
十年間に累計約44億円の純利益を蓄積し、増資後の自己資本は158億円になる。配当や買い戻しを計画で約束していないため、株主還元はゼロとする。潜在株式の一部が行使され、既存株主の経済的な取り分は92%になる。黒字会社には戻っても、自己資本利益率は資本コストに届かず、保有資産を高い収益率で再投資できる会社にはならない。
- ライセンス作品のモバイルゲーム:数量 4.2(収益化中の主力タイトル換算数(年平均の実効本数。1本を通期運営とする))× 価格 35(実効1タイトル当たりKLab連結会計売上(億円/年)。販売総額ではなく権利元などとの分配後)→ 売上 147 億円・営業利益 32 億円。実効年稼働4.2タイトル×年間単価35.0億円。権利契約・海外利用者と有料継続率に対応し、物価による値上がりは単価の側だけに含める。
- GPUサーバー販売・クラウド運営・その他:数量 65.0(GPUサーバー販売・運用受託のサーバー一式換算件数(年))× 価格 0.31(サーバー販売・運用受託換算1件当たりKLab売上(億円/件))→ 売上 20 億円・営業利益 1 億円。GPUサーバー販売・運用の換算65件×受取額0.31億円。AI制作の受託部分は独立売上が未開示で上乗せせず、AIエージェント代替の潜在縮小を注記。
倍率:資本コストk=8.75%、2036年以降の名目g_long=0%のため、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷0.0875=11.42857倍。堀は弱いので将来の超過ROE残存は1/3だが、g=0%では式上PERに影響しない。今の余剰現金15億円が生む税後年利0.21億円を事業純利益から控除し、事業価値に戻り方75%の11.25億円を一度だけ加算する。市場のPER水準は参照していない。
確率:2026年の新作投入と営業損益の改善を実績として評価しつつ、十年にわたるヒット持続と本社費削減を確実とは見ず、中心に30%。下に寄せる理由:過去5期連続の営業赤字、2025年の減損、実現済みの大規模希薄化により下側を14ポイント厚くする。
やや悲観 26% 長寿ゲームが減り固定費を吸収できない 利益 −12 億円 · PBR 0.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 40 円33 億円
新作への初期課金は集められるが、ユーザーの定着率が低く、サービス終了や権利契約の非更新が増える。十年後の実効ゲームは2.6本に戻り、1本当たりの売上も29億円にとどまる。古い作品の残存利用者と海外ファンが収入を下支えするものの、広告費と開発費の負担を十分に吸収できない。大手IPの権利元が自社系列へ開発を集約する動きも逆風になる。
GPUの機器売買は年間30件相当まで縮み、サーバーの陳腐化によって利ざやがなくなる。AIクリエイティブの顧客は自社のエージェントで広告素材を制作できるようになり、受託作業量は減る。販管費の削減を実施しても、共通部門の年間20億円は避けられず、全社の営業損失は約11億円になる。営業キャッシュフローの赤字が続き、新しい大型買収に踏み切る余裕はない。
自己資本は65億円まで減り、配当は出ない。株主の経済的取り分は追加行使の少なさで95.5%残るが、利益を生まない事業の値打ちは現金や換金しやすい資産に限られる。ソフトウェアや将来の作品への期待を清算価値に入れず、資産の手取りが35億円ほど残る筋書きである。
- ライセンス作品のモバイルゲーム:数量 2.6(収益化中の主力タイトル換算数(年平均の実効本数。1本を通期運営とする))× 価格 29(実効1タイトル当たりKLab連結会計売上(億円/年)。販売総額ではなく権利元などとの分配後)→ 売上 75 億円・営業利益 9 億円。実効年稼働2.6タイトル×年間単価29.0億円。権利契約・海外利用者と有料継続率に対応し、物価による値上がりは単価の側だけに含める。
- GPUサーバー販売・クラウド運営・その他:数量 30.0(GPUサーバー販売・運用受託のサーバー一式換算件数(年))× 価格 0.26(サーバー販売・運用受託換算1件当たりKLab売上(億円/件))→ 売上 8 億円・営業利益 0 億円。GPUサーバー販売・運用の換算30件×受取額0.26億円。AI制作の受託部分は独立売上が未開示で上乗せせず、AIエージェント代替の潜在縮小を注記。
倍率:事業の純利益が赤字のためPERは適用せず、当該筋書きで換金できる資産の税後・処分費用控除後の残額35億円を優先する。2025年末の現有自己資本102億円に対し、PBR=35/102=0.343137倍とした。過去の株価や過去の谷のPBRでは決めていない。ソフトウェア資産は売却市場がないものとして除外する。
確率:既存の作品の老朽化と新作の失敗は過去の決算で確認でき、GPU事業の収益性も未知数。下に寄せる理由:赤字と希薄化が既に生じているため、軽い構造悪化を26%とする。
悲観 16% ライセンス更新に失敗し現金を消耗 利益 −18 億円 · PBR 0.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 23 円19 億円
複数の大型ゲームでサービス終了と版権契約の非更新が起きる。新作を発表しても広告費が回収できず、資金を投じる余力が縮む。十年後に収益化できる実効タイトルは1.5本となり、年間課金取り分も1本当たり23億円に下がる。グローバル市場は大きくなっていてもKLabの獲得シェアは細り、Tencentや大手国内ゲーム会社の配信網に顧客を奪われる。
GPUの旧機種は競争力を失い、年8件相当の販売・運用だけが残る。AI制作の受託はAIエージェントによる自動化と顧客内製化により、持続的な営業利益にならない。開発人員や拠点を大きく整理して共通費を15億円まで圧縮しても、全社では15億円程度の営業赤字となる。営業損失が続けば資産を換金して事業を縮めるしかない。
2025年の大規模減損で価値が消えたソフトウェアを再び資産の床に数えず、換金可能な現金、金、ビットコイン等に十分な値下がりと税・処分費用を見込む。十年後の自己資本は26億円に減り、配当と自社株買いはない。潜在オプションの行使は限られるが、株主が手にできるものは20億円程度の売却可能資産にとどまる。会社の清算が確実という想定ではなく、事業を小さく維持しながらさらに資金を消耗する危険も残る。
- ライセンス作品のモバイルゲーム:数量 1.5(収益化中の主力タイトル換算数(年平均の実効本数。1本を通期運営とする))× 価格 23(実効1タイトル当たりKLab連結会計売上(億円/年)。販売総額ではなく権利元などとの分配後)→ 売上 35 億円・営業利益 0 億円。実効年稼働1.5タイトル×年間単価23.0億円。権利契約・海外利用者と有料継続率に対応し、物価による値上がりは単価の側だけに含める。
- GPUサーバー販売・クラウド運営・その他:数量 8.0(GPUサーバー販売・運用受託のサーバー一式換算件数(年))× 価格 0.22(サーバー販売・運用受託換算1件当たりKLab売上(億円/件))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。GPUサーバー販売・運用の換算8件×受取額0.22億円。AI制作の受託部分は独立売上が未開示で上乗せせず、AIエージェント代替の潜在縮小を注記。
倍率:事業の純利益が赤字のためPERは適用せず、当該筋書きで換金できる資産の税後・処分費用控除後の残額20億円を優先する。2025年末の現有自己資本102億円に対し、PBR=20/102=0.196078倍とした。過去の株価や過去の谷のPBRでは決めていない。ソフトウェア資産は売却市場がないものとして除外する。
確率:需要の循環だけでなく、複数の権利契約が途切れ、サーバー資産の売却を迫られる構造的敗北。過去の営業赤字の連続から無視できず16%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ライセンス作品のモバイルゲーム
アニメ・漫画IPの許諾を得て配信する運営型ゲーム。課金の継続と新作のヒットが数量と単価を決める。
| 数量収益化中の主力タイトル換算数(年平均の実効本数。1本を通期運営とする) | 価格実効1タイトル当たりKLab連結会計売上(億円/年)。販売総額ではなく権利元などとの分配後 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2.5 | 25 | 64 | 8 |
| 10 年後 中立 | 4.2 | 35 | 147 | 32 |
取り方:有報のゲームセグメント売上63.6554億円とセグメント利益(売上総利益相当)8.36233億円を正本とする。運営実態はBLEACH Brave Souls、キャプテン翼を主要2本とし、ハイキュー等の関連運営・共同開発を合計0.5本相当に換算した2.5本であり、会社が開示した正確な年間稼働本数ではない。売上÷2.5=年間25.46216億円/実効本。MAU、課金率、権利料率を会社が統一開示していないため、有効ユーザー数×課金単価のさらに細かな分解は不可能と明示する。市場面はCESAのモバイル約18.4兆円、会計認識の差があるが単純比0.035%とごく低い位置から出発。10年数量は成功して存続する実効タイトル本数、価格は名目の1本当たり取り分で、物価は後者にだけ反映し、売上には二重計上しない。2025年のセグメント利益は連結の売上総利益に相当するため、op_oku欄には販管費控除前の部門利益を入力し、連結販管費等をシナリオのadjust_okuで控除して連結営業利益に合わせる。
GPUサーバー販売・クラウド運営・その他
GPUサーバー設備の販売や運用受託等。2026年開始のAI受託制作は別途代替リスクを評価し、独立した実証収益がないため利益を先取りしない。
| 数量GPUサーバー販売・運用受託のサーバー一式換算件数(年) | 価格サーバー販売・運用受託換算1件当たりKLab売上(億円/件) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 20.0 | 0.25 | 5 | 0 |
| 10 年後 中立 | 65.0 | 0.31 | 20 | 1 |
取り方:有報のその他セグメント売上4.90736億円、セグメント損失0.05692億円を出発点とする。KLab GPUサイトはL40S×8搭載サーバーの参考販売価格を税込2,750万円、税抜約2,500万円と表示。その他事業には販売と運用、別事業も混在し機種別出荷台数は非開示のため、年間約20件×平均計上売上0.245368億円というサーバー販売・受託換算の分析上の近似であり実際の出荷台数ではない。国内AIインフラ市場2025年約6,700億円との比0.073%は分類差がある参考値。価格と数量は名目・実質を分離する。AIクリエイティブ制作は2026年開始で2025年の独立売上ゼロ、工数型として十年先の中立案件量0.65倍・単価1.10倍・長期g0%を想定し、契約実績が公表されるまでゼロ寄与とする。このセグメントの利益額も売上総利益段階の表示であり、全社共通販管費はadjust_okuに計上する。
リスクと懸念
原作IPの権利とユーザー寿命
主力ゲームはKLabが所有しない漫画・アニメのライセンスで成り立つ。契約更新料が上がる、権利元が別の開発会社を選ぶ、作品の人気が落ちるといういずれかだけでも取り分が減る。長期運営できた作品でも累計ダウンロードと現時点の継続課金利用者数は違い、値上げ力の証拠にはならない。
新作投資の回収と固定費負担
大手原作の名前があってもゲームの品質が伴わず課金が定着しなければ広告宣伝費と制作費だけが残る。2025年のソフトウェア減損約45億円は、そのような再投資失敗が会計上も顕在化した例だ。セグメント黒字を全社黒字にするには本社共通費を吸収できる継続売上が要る。
AIエージェント代替
2026年に開始した広告映像や画像のAI受託制作は、人が作業を請け負う工数型の仕事である。発注企業がAIエージェントを内製運用すれば、作業量と単価に圧力がかかる。記録の正本や法規制対応などの堀を示す証拠も乏しいため、案件数の中立は従来工数比0.65倍、単価1.10倍、2036年以降の成長0%として過大評価しない。
GPUサーバーの価格競争と在庫
GPU需要の拡大は確かでも、設備を販売・貸し出す会社が値決めできるとは限らない。NVIDIAの新機種が投入されるたび旧世代のサーバーは競争力を失い、運用受託料も巨大クラウド事業者と比較される。販売台数と契約の継続率が開示されなければ、売上拡大が高い資本利益率になると断定できない。
希薄化と資本配分の逸脱
赤字を増資で補った歴史があり、現在も新株予約権による将来の株数増加余地がある。2026年10月には一部オプションの行使条件が変更され、目標を満たした場合の既存株主の持分希薄化に注意を要する。大型投資を繰り返しても配当や買い戻しの数量目標がなければ、事業の成長と既存株の価値は一致しない。
暗号資産・金と資金繰り
2026年9月末に保有するビットコインと金の合計時価は約15億円で、事業の運転資金と同じ貸借対照表に載る。短期の相場上昇で財務がよく見えても、本業の顧客から毎年得る利益ではない。価格下落や資金需要が重なれば、換金時の価値は帳簿から大きく減り、悲観の資産価値の床まで薄くなる。
配信プラットフォームと課金規制
AppleやGoogleなどに対する売上の集中が大きく、手数料条件と販売経路の変更は課金純収入に直結する。未成年への課金や確率型アイテムの規制が厳しくなると、ユーザーが同じでも1人当たり収入が減る可能性がある。海外配信は市場を広げる一方、国ごとの規制や現地運営費を増やす。
今後の分かれ目
- 主要新作の投入後、課金売上が2年以上続き、実効稼働タイトル数が5本以上で維持されたら
- やや楽観側の継続性が強まる。初動ダウンロード数ではなく、再課金率、残存利用者、契約更新と広告費回収を併せて確認する。
- 2028年に売上350億円、営業利益50億円を達成し、翌年も営業利益率が維持されたら
- 一過性の新作ヒットではない可能性が高まる。共通費と特別損益を除く継続的な純利益および営業CFを再評価する。
- 旧作の終了やライセンス非更新が重なり、ゲームの売上が再び年率2桁で減ったら
- 実効タイトル本数と単価を下げ、やや悲観または悲観の確率を高める。計画数値だけを理由とした回復期待を撤回する。
- GPU事業でサーバー換算受注件数と契約更新率、設備償却後の利益が定期開示されたら
- 販売だけの売上と継続するクラウド運用の収益を分け、採算が資本コストを上回る部分に限って価値を加える。
- AIクリエイティブで独立の受注金額が示されず制作の自動化が進んだら
- AIエージェント代替の工数0.65倍・単価1.10倍を下回る可能性を点検し、利益を新しい成長事業として先取りしない。
- 株式数がさらに10%以上増え、配当と自社株買いが引き続きゼロなら
- 会社全体の利益予想を変えなくても既存株主の取り分を引き下げ、累積増資額と本業の営業CFを比較して資本配分を再検討する。
- 保有する暗号資産や金が大きく下落し、営業CFも赤字が続いたら
- 余剰現金と資産の床をさらに引き下げる。今の帳簿の自己資本を清算時に必ず受け取れる資産とみなさない。
見ておくもの
- 新作ゲーム別のサービス継続、海外課金ランキング、可能なら継続利用者数と課金者数
- ゲーム事業の売上・部門利益と全社共通費との差
- 中期計画VISION2028の進捗、2028年の売上350億円・営業利益50億円の達成可否
- 四半期の営業キャッシュフロー、ソフトウェア減損、資金調達の新株発行額
- 発行済株式数・新株予約権の残数・ストックオプション行使条件
- GPU設備販売件数、AIクラウド運用収入、機器償却後の営業利益
- AIクリエイティブの独立した受注金額とエージェント代替による制作工数の変化
- ビットコイン・金の保有量、購入原価、時価とキャッシュポジションの推移
- ライセンス契約の更新条件、国内外の課金規制・プラットフォーム手数料の改定
倍率と資本コストの決め方
今の株価と時価総額は、数量・単価と利益を決めた後にだけ比較した。ゲームは実効稼働タイトル数×KLabに帰属する年売上、GPU関連は設備販売・運用の換算件数×単価で見た。2025年のセグメント利益は売上総利益段階なので、販管費をadjustで差し引く。物価を数量には入れず、減損と株式売却益は継続利益から除いた。
資本コスト8.75%、2036年以降の名目成長率0%から、黒字3筋書きのPERは約11.43倍とした。余剰現金15億円は税後受取利息を利益から除き、株主への戻り方75%の価値だけを加える。悲観2筋書きは2025年末自己資本102億円に対するPBRと換金可能資産35億円・20億円を一致させた。希薄化は最後に既存株主の取り分にだけ適用する。
リース新基準で使用権資産と負債が増える場合も、家賃を営業費用とする比較を維持する。今・過去・同業のPERを使わず、株価を動かしても価値は変わらない。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5% + 上乗せ 1.0%。基本7.5%+品質0.25%+経営再建に伴う経営不振の上乗せ1.0%=8.75%。β・時価総額規模は使わず、個別M&A・暗号資産の成否は筋書きに織り込む。