結論
ジャストプランニングは、外食チェーンの売上、発注、勤怠をまとめる「まかせてネット」を核に、店舗の物流代行まで手掛ける会社だ。筆者の判断は割高である。無借金に近い財務と定期預金を含む豊富な現金は魅力だが、10年後の稼ぐ力は、今の利益をそのまま延長するほど確かではない。
主力のASPは、2026年1月末に5,853店舗、同年9月末に5,975店舗へ広がった。顧客は中小規模の飲食チェーンが中心で、複数店舗の売上と仕入れを本部で見る仕組みは簡単には捨てられない。一方、経営陣が進めるAI・データ分析機能が、そのまま既存の月額利用料を守る保証はない。将来のAIエージェントは人が画面を操作する仕事を減らし、販売管理のソフトを裏側の安価な接続機能へ変えうる。
注目すべきは貸借対照表の中身である。2026年1月期末の現金同等物約17.5億円とは別に、流動の定期預金15億円と長期預金2億円がある。負債と必要運転資金を控除しても手厚い余力が残る。ただし、2026年9月に発表した太陽光発電事業の譲渡益約2.9億円は一度きりの利益であり、翌年以降の事業価値には繰り返して加えない。
筆者が重視するのは、契約店舗数よりも解約を差し引いた純増、店舗当たりの課金、継続的な営業利益である。10年先は会社の計画を達成する途中の明るさではなく、その後も他社に置き換えられないかを問うべきだ。ソフトの画面に依存した競争優位は細り、現場物流と顧客データをつなげる力が残るという見通しでは、確率で重みを付けて割り引いた価値は今の時価総額の半分強にとどまり、十分な安全域を見いだしにくい。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の目から見ると、この会社には二つのまったく異なる魅力がある。一つは毎月の利用料が入り、店舗の経営情報を束ねる商売であること。もう一つは、借金に頼らず現金を蓄え、景気が悪い時にも顧客を支えられることである。外食の顧客が毎日頼るシステムなら、来年もその次の年も利用料を払う理由がある。ここまでは理解できる商売だ。
しかし、オーナー利益は会計上の純利益と同じではない。顧客のPOSや注文端末が変わるたびに接続を直し、サーバーとセキュリティを保守し、AIに置き換えられる機能を新しく作る負担がある。売上を維持するための開発費まで成長投資と呼んで差し引かなければ、自由に配れる利益を過大評価してしまう。特に人が画面を開いて入力する仕事を売る部分では、10年後の利益を高い確信度で読むことは難しい。
堀を見極めるなら、値上げのあとも顧客が残り、新たなソフトへ移るのに多大な手間と費用が掛かった実例を確認したい。多店展開する飲食チェーンへの導入実績は意味があるが、年5%未満の解約率、年単位の移行期間、規制上の独占的な記録保持といった裏付けはまだ弱い。データを持っていることと、データを独占できることは同じではない。
資本配分では、太陽光事業を売って得た金をどこへ投じるかが試金石となる。ソフトの収益が減る時に、成果の不明な買収で穴を埋めれば株主の金は失われる。反対に余った金を規律よく返し、既存顧客の維持に必要な投資へ絞れば、会社は小さくても価値を残せる。ここでは利益の予測可能性に比べて、払う価格の安全域が足りないと判断する。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの柱は「まかせてネット」などのASP事業である。外食企業の本部が多数の店舗の売上、仕入れ、勤怠をまとめるための仕組みを月額で提供する。2026年1月末の契約は「まかせてシリーズ」が5,853店舗・226企業だった。さらにモバイル注文の「iToGo」は1,596店舗・55企業に導入されているが、既存顧客との重なりがあり、両方を別の契約店舗として足し上げない。ASPの売上は約12.23億円で、ここには初期導入や周辺機能の売上も含む。
システムソリューション事業は、顧客ごとのシステム構築、保守、連携開発を受け持つ。2026年1月期の外部売上は約0.83億円と小さい。固定的な人数を増やして受注を広げる商売ではなく、外食の現場で得た知見を主力ソフトの製品改善へ戻せるかが価値を分ける。一方、受託作業の工数はAIエージェントが最も直接的に減らしうる。
物流ソリューション事業は、飲食チェーンの食材や商品が発注されてから店舗へ届くまでの管理を引き受ける。売上は約9.96億円で、顧客数は物流システム契約ベースで17企業・900店舗だった。現場での物流管理には物理的な作業が残るが、伝票照合や注文入力といった事務作業は自動化されやすい。物流の実作業と事務代行を一緒に評価すれば、競争力を読み間違える。
残る事業では飲食店の直接運営を手掛け、2026年1月期は約1.32億円の売上を計上した。太陽光発電は栃木と宮城の計3発電所から約0.99億円を売り上げていたが、2026年9月に東急不動産への譲渡を決議した。したがって2036年には継続売上を計上しない。各事業の公表セグメント利益は全社営業利益ではない。合計から本社人件費など約6.5億円を控除して初めて、連結営業利益約6.1億円となる。
優良さと弱いところ
強みは、外食チェーンの毎日の運営に食い込んでいることだ。売上と勤怠だけでなく、発注、仕入れ、店舗ごとの管理資料を本部に集めるほど、別のシステムへ移す負担は大きくなる。POSなど他社製品との接続や、チェーン企業ごとの運用に合わせる開発力も、単なる汎用アプリにはない強みだ。保守やサポートを含め、既存顧客の収入が積み上がる構造は評価できる。
ただし、堀、つまり競争相手が越えにくい壁は無条件に強いわけではない。会社は解約率が恒常的に5%未満である証拠や、法改正ごとに価格を引き上げた実績を十分な数字で開示していない。システムが蓄積する店舗データは貴重でも、それが他社に移せない独占的なデータであるとも確認できない。外食チェーンの本部がAIで売上や発注を分析する時代には、画面を開いて使う機能の値決め力が削られる。
財務は強い。2026年1月期の自己資本比率は約90%で、銀行預金と長期預金の合計は約34.5億円に達した。借入金に追われず新製品開発や不況を乗り切れることは、ソフト事業の寿命を延ばす。一方、直近の高いROEには一時的な貸倒引当金の戻入れや、過去の自己株買いによる分母の圧縮も影響する。資本を積み増すだけで利益が同じ割合で育つわけではない。
利益率の見栄えも丁寧に見るべきだ。ASPのセグメント利益率は高いが、本社費と研究開発、販売費を控除した連結営業利益率はそれよりずっと低い。現状の顧客数が維持されても人件費が物価とともに増えれば利益は削られる。経営資源を太陽光からAIへ移す判断は筋が通るが、その投資にいくらの追加利益が生まれたかが見えるまで、増分投下資本利益率を高く評価することはできない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
外食業界の店舗管理は、単一店舗向けのレジソフトと、数十店から数百店を運営するチェーン向けの本部管理とで市場が違う。日本フランチャイズチェーン協会の集計に基づく国内の外食フランチャイズ店舗は約5.2万店とされる。現在の「まかせてシリーズ」の契約約6千店をその数で割れば約1割となるが、フランチャイズ以外の直営チェーンも顧客に含まれるため、厳密な市場シェアとは呼べない。母数が10年後に約4.9万店まで減る中立の場合、同社の契約店舗も約4,900店となり、この参考市場に対する比率は約11%から10%程度へ下がる。強気なら約12%、構造的に負ければ6%程度になる見通しだ。競合各社が同じ範囲の店舗数を公表しておらず、順位の断定も避けたい。
本部管理の競合にはガルフネット、アスピット、アルファクス・フード・システムがいる。仕入れや受発注ではインフォマートが、店舗のレジや決済ではスマレジなどが隣の機能を提供する。直接の市場規模は開示定義がそろわないが、5.2万店に基礎利用料月1.3万円を掛ければ、外食フランチャイズ部分の基礎ソフト市場だけで年約81億円という目安になる。これは販売単価と店舗数を掛けた参考値であり、物流代行や初期構築、直営チェーンは含めない。
需要の下支えは人手不足と本部業務の省力化だ。賃上げ、食材高、客数の偏りで、チェーン企業は店舗別の収益を即座に把握したい。従来の紙や表計算をクラウドに置き換える余地も残る。ただし国内の人口減少は外食店舗の純増を制約する。業界に店舗数の追い風だけを期待して10年の契約増を語るのは危うい。
技術の変化はもっと大きい。Microsoftなどの業務基盤や海外のAIエージェントが、レジから数字を直接読み取り、仕入れやシフトを自動で判断するようになれば、従来の操作画面に払う対価は下がりうる。同社も「まかせてAIデシャップ」や来店予測に取り組むが、契約金額が示された大きな新収益の柱とはまだ確認できない。物流の実作業までAIで消えるわけではないから、画面型のソフトと物理的な店舗配送の数量は分けて考える必要がある。
資本政策と M&A
株主への還元には一定の規律が見える。配当は近年増えており、会社は配当性向30%を目標としている。株式数も自己株買いで減り、2026年5月には上限50万株、2億円の追加取得を決議した。2026年8月末の実質株数は発行済み約1,223万株から自己株式約107万株を引いた約1,116万株である。過去の取得分はこの株数に既に反映されており、将来の還元に二重に足さない。
2026年3月に示した資本効率の方針では、ROE目標を10%から12%へ引き上げた。また単体の中期計画では、店舗数を2028年1月期に7,600店、既存の「まかせてネット」月額収入を9,600万円、新サービスを月額1,600万円とする目標がある。これは連結売上高や営業利益の確約ではなく、目標の店舗数には「まかせてシリーズ」と物流システムの契約が含まれる一方、モバイル契約を別に足した数字ではない。2028年の連結売上高・営業利益について数字の約束はなく、総還元性向や毎年の自社株買い額にも固定の数値目標はない。
2026年9月には太陽光発電所3か所を東急不動産へ譲る契約を結んだ。売却益見込み約2.93億円は新事業に回せる資金である一方、太陽光の継続利益は失われる。会社はAI・データサイエンスへ資本を振り向け、必要なら新規事業のM&Aも検討する方針だ。買収の規模と取得価格が未定の段階で、上乗せ価値を先取りしない。現金が過剰に積まれれば資本効率を下げるため、投資収益が見えなければ配当と自己株買いに戻すことが望ましい。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
外食チェーンにとって、店舗ごとに違うPOSや注文端末のデータを本部でまとめるのは単純な事務作業ではない。集計が一日止まれば、食材発注や人員配置にも支障が出る。長く使われてきた「まかせてネット」は、各チェーンの帳票や運用を知り尽くしており、表面上似たソフトを作るだけでは切り替えられない。2026年9月時点でも主力の契約は約6千店舗へ拡大し、直近の半年は解約の純増減が持ち直している。顧客接点が残る限り、新サービスの販売機会も残る。
AIは脅威であると同時に、厨房の提供順を最適化する「まかせてAIデシャップ」や来店予測の機会でもある。外部のAIが万能に機能するには、売上だけでなく仕入れ、在庫、勤怠の数字が正しく整っていなければならない。同社はすでにその基礎データの取りまとめに関わっているため、店舗から信頼される接続先となりうる。操作画面の価値が下がっても、現場とデータの接点が全部失われるわけではない。
物流の実作業はAIエージェントでは代替できない。外食チェーンの発注と配送をまとめる17企業との接点を広げられれば、事務処理を自動化しても、配送管理そのものの売上は維持できる。また自己資本比率約90%の財務に加え、流動性の高い預金が厚い。太陽光を手放したことは成熟資産の回収であり、得た資金を高い利回りの開発に使うか、株主に返せば価値の損失を避けられる。大きな借入もないので、不況の一年で会社が傾く構造ではない。
慎重な見方
既存顧客が払っているのは、売上を見て、発注し、勤怠を締めるための操作画面である部分が大きい。AIエージェントがその操作を肩代わりし、複数のシステムを裏側でつなぐようになれば、顧客が必要とする席数や画面の数は減る。飲食チェーンは人手不足に苦しむからこそ、既存ソフトの画面へ入力する人員を減らす動機が強い。利用料を上げる力は、人が頻繁に操作しなければならなかった過去ほど強くない。
株主が特に警戒すべきは、数字で裏付けられた堀の弱さだ。契約店舗数の公表はあるが、一定の基準で定義された年間解約率や、値上げ後の顧客維持率が確認できない。多店の顧客を抱えても、主要なチェーンが一社離れれば一度に多数の契約店舗が消える。実際、2026年9月末の物流システム契約は17企業であり、大口顧客の継続が業績を左右する。外食そのものも原材料高、人手不足、消費者の節約で閉店が増える可能性がある。
受託開発と受発注事務の工数はAIによって直接圧縮される。物流の実作業は残っても、価格交渉では大型物流会社や飲食チェーンの内製化に押されやすい。加えて全社のセグメント利益から本社費用を差し引く構造上、顧客数が少し減るだけで営業利益は大きく細る。太陽光発電を売ると年間約0.6億円の利益貢献も消える。売却益を繰り返し得るわけではない。
豊富な現金も必ずしも株主の手に戻るとは限らない。AIを口実に高値でソフト会社を買ったり、不採算の新製品を長く支えたりすれば、銀行にあるはずの価値は減っていく。直近の好業績や予定された特別利益を恒久利益と見なすことは危険である。
どちらに重みを置いたか
強みの中心は顧客業務への深い組み込みと預金の厚さであり、短期的な経営破綻は想定しにくい。一方、顧客の解約率と新AI商品の売上金額は十分に確認できず、画面と人月の価値が細る可能性を無視できない。中立シナリオにもその収縮を織り込んだうえで、上側30%に対し、やや悲観と悲観を合計40%とした。下に寄せる理由は、狭い外食チェーン市場への集中、受託・事務作業の代替、太陽光売却後の継続利益の減少である。財務の床だけでは今の時価総額を支え切れず、全体として割高と判断する。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/01 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 493 円55 億円(+ 還元の換算額還元の合計 78 円9 億円)。 今の値に割り戻すと 265 円30 億円、今との差 −48.6%、 期待の年率 +1.1%(資本コスト 8.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 861 円96 億円 | 161 円18 億円 | +98.5% | +7.8% | 92 円10 億円 |
| やや楽観 | 21% | 751 円84 億円 | 134 円15 億円 | +72.0% | +6.1% | 186 円21 億円 |
| 中立 | 30% | 563 円63 億円 | 90 円10 億円 | +26.7% | +2.6% | 196 円22 億円 |
| やや悲観 | 26% | 236 円26 億円 | 27 円3 億円 | −49.0% | −6.8% | 68 円8 億円 |
| 悲観 | 14% | 194 円22 億円 | 13 円2 億円 | −59.8% | −8.9% | 29 円3 億円 |
| 加重平均 | 100% | 493 円55 億円 | 78 円9 億円 | +10.9% | +1.1% | 571 円64 億円 |
今の株価時価総額 515 円57 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 店舗データの接点を守り、現場物流が伸びる 利益 5 億円 · PER 13.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 861 円96 億円
外食チェーンでAIエージェントの利用が進むが、データの結節点としての「まかせてネット」は選ばれ続ける。個別の画面操作は減るものの、店舗と本部を結ぶ集計、機器連携、運用サポートの価値が残り、顧客企業は別の基盤へ移すより現行システムを使い続ける。主力の契約店舗数は10年前とほぼ同数で下げ止まり、周辺機能を含む年額課金は現状を上回る。会社が狙う顧客生涯価値の拡大が値下げ圧力を打ち消す。
物流ではチェーンの店舗配送や発注管理を引き受ける企業が増える。実際の配送と在庫管理は現場に残るため、注文入力を自動化した分は利益率の改善に回る。システム受託は工数を維持するにとどまり、AI製品が新たな高額契約を生むとは仮定しない。太陽光は譲渡済みで継続利益に数えない。
物価上昇に伴う本社費用を負担しても現場物流と主力ASPの粗利が支える。経営は大型買収を控え、増えた現金を開発と自己株買いに振り向ける。規制に守られた独占企業になるわけではないが、技術変更を乗り切った企業として、投じた資本を引き続き上回る利益を得る。
- ASP・まかせてネット等:数量 5,853(主力まかせてシリーズ契約店舗数(実店舗、当年1月末))× 価格 0.00(ASP外部売上を主力契約店舗換算で割った年額単価(億円/店舗年))→ 売上 14 億円・営業利益 11 億円。月額課金型。AI代替による契約縮小を数量、物価未満の改定を価格に反映
- システムソリューション・受託開発:数量 96.0(エンジニア工数(人月/年、非開示のため推定))× 価格 0.01(開発・保守収入(億円/人月、外部売上÷推定人月))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。人月型。AIによる請求可能工数の減少を数量へ反映
- 物流ソリューション・発注事務:数量 20.0(物流システムの契約企業換算(社、実作業と事務の複合数量))× 価格 0.78(物流外部売上(億円/契約企業換算・年))→ 売上 16 億円・営業利益 3 億円。実物流70%と受発注BPO30%の推定混合。AI代替はBPOにのみ適用
- 太陽光発電(2026年譲渡):数量 0.0(自社保有発電所数(か所))× 価格 0.33(発電所1か所当たり年間売上(億円/か所))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。3発電所は2026/09に譲渡するため2036/01は非保有
- その他・飲食店舗運営:数量 1.1(飲食店換算拠点数(店相当、実拠点数非開示のため便宜上1))× 価格 1.77(1拠点換算の年間売上(億円/年))→ 売上 2 億円・営業利益 2 億円。飲食実店舗の縮小・維持と物価転嫁、固定費の負担を反映
倍率:資本コストk=7.25%、長期g_long=0%(AIエージェント代替)で、継続事業のPER上限は1÷k=13.793倍。事業純利益は全社純利益4.903億円から余剰現金26億円の税後利息0.364億円を控除。通常の堀で超過利益の残存率は1/2だが、g=0のためRONICによらず式(1−g/RONIC)/(k−g)=13.793倍。事業利益×PERに余剰現金26億円(戻り方1.0)を加える。現在の市場PERは参照しない。
確率:AIによる新商品受注の開示金額が未確認であるため、最良でもASP契約店舗を現在から増やさない。物流の実作業が伸び、販管費を抑えられる場合に限り高収益が続く。
やや楽観 21% 顧客基盤は維持しつつ運用課金を守る 利益 4 億円 · PER 13.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 751 円84 億円
外食チェーンの一部は独自AIで本部業務を内製化するが、複数のPOSと店舗をつなぐ共通基盤をすぐには廃止しない。「まかせてネット」の契約店舗は緩やかに減るものの、既存顧客が必要とする接続・サポートを維持できる。AIエージェントが操作を減らすため単価は物価ほど上がらないが、店舗別サービスの組み合わせにより減収を抑える。
受託開発は自動化で必要工数が減る。開発者は主力商品の標準化と物流への接続に回り、別の人月売上を無理に膨らませない。物流は物理的な配送管理の仕事を増やし、事務代行で失う分を補う。直接運営する飲食店は物価上昇をある程度転嫁するものの、人手不足から店舗数を増やしすぎない。
太陽光事業の利益は消えるが、売却した現金を不採算事業の穴埋めには使わない。大型M&Aに頼らず、既存顧客の維持と配当に資金を配る。ROEが大幅に上がる成長企業ではないものの、強固な財務を維持した利益のある中堅ソフト会社として存続する。
- ASP・まかせてネット等:数量 5,555(主力まかせてシリーズ契約店舗数(実店舗、当年1月末))× 価格 0.00(ASP外部売上を主力契約店舗換算で割った年額単価(億円/店舗年))→ 売上 13 億円・営業利益 10 億円。月額課金型。AI代替による契約縮小を数量、物価未満の改定を価格に反映
- システムソリューション・受託開発:数量 80.0(エンジニア工数(人月/年、非開示のため推定))× 価格 0.01(開発・保守収入(億円/人月、外部売上÷推定人月))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。人月型。AIによる請求可能工数の減少を数量へ反映
- 物流ソリューション・発注事務:数量 19.0(物流システムの契約企業換算(社、実作業と事務の複合数量))× 価格 0.76(物流外部売上(億円/契約企業換算・年))→ 売上 14 億円・営業利益 2 億円。実物流70%と受発注BPO30%の推定混合。AI代替はBPOにのみ適用
- 太陽光発電(2026年譲渡):数量 0.0(自社保有発電所数(か所))× 価格 0.33(発電所1か所当たり年間売上(億円/か所))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。3発電所は2026/09に譲渡するため2036/01は非保有
- その他・飲食店舗運営:数量 1.1(飲食店換算拠点数(店相当、実拠点数非開示のため便宜上1))× 価格 1.69(1拠点換算の年間売上(億円/年))→ 売上 2 億円・営業利益 1 億円。飲食実店舗の縮小・維持と物価転嫁、固定費の負担を反映
倍率:資本コストk=7.25%、長期g_long=0%(AIエージェント代替)で、継続事業のPER上限は1÷k=13.793倍。事業純利益は全社純利益3.839億円から余剰現金26億円の税後利息0.364億円を控除。通常の堀で超過利益の残存率は1/2だが、g=0のためRONICによらず式(1−g/RONIC)/(k−g)=13.793倍。事業利益×PERに余剰現金26億円(戻り方1.0)を加える。現在の市場PERは参照しない。
確率:チェーンへの導入経験と物流の実作業が残るので上振れはあり得るが、専用画面の使用減少と価格交渉でASP契約は緩やかに減るとみる。
中立 30% AIに画面が置き換わり、現場物流は残る 利益 2 億円 · PER 13.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 563 円63 億円
「まかせてネット」はチェーンの業務データを集める基盤として残るが、従来型の管理画面や店舗端末を人が触る場面は減っていく。外食チェーンの本部は複数のシステムにAIエージェントを接続し、既存ソフトを一部廃止する。主力の契約店舗は10年間で約16%減る。アプリを作り替え続ける投資が必要な割に、平均課金額は物価に追いつかず、ASP事業の稼ぐ力は細る。
受託開発では、AIがコードの作成、テスト、データ移行の工数を大きく減らす。物流では店舗への実際の納品と管理は残るが、受発注の事務作業は自動化される。顧客企業17社という比較的小さな母数に集中しているため、事務収入を失っても固定費を急には減らせない。その他の飲食店運営も店舗数は抑制される。
太陽光は既に処分した資産であり、特別売却益を平常年の利益に混ぜない。賃金やクラウド運営費が物価とともに上がる中、経営は無理な買収をせず事業を小さく保つ。潤沢な預金が経営を守っても、積み上がった自己資本から以前と同じ利益率を得られるとは限らない。
- ASP・まかせてネット等:数量 4,917(主力まかせてシリーズ契約店舗数(実店舗、当年1月末))× 価格 0.00(ASP外部売上を主力契約店舗換算で割った年額単価(億円/店舗年))→ 売上 11 億円・営業利益 8 億円。月額課金型。AI代替による契約縮小を数量、物価未満の改定を価格に反映
- システムソリューション・受託開発:数量 64.0(エンジニア工数(人月/年、非開示のため推定))× 価格 0.01(開発・保守収入(億円/人月、外部売上÷推定人月))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。人月型。AIによる請求可能工数の減少を数量へ反映
- 物流ソリューション・発注事務:数量 15.8(物流システムの契約企業換算(社、実作業と事務の複合数量))× 価格 0.73(物流外部売上(億円/契約企業換算・年))→ 売上 12 億円・営業利益 2 億円。実物流70%と受発注BPO30%の推定混合。AI代替はBPOにのみ適用
- 太陽光発電(2026年譲渡):数量 0.0(自社保有発電所数(か所))× 価格 0.33(発電所1か所当たり年間売上(億円/か所))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。3発電所は2026/09に譲渡するため2036/01は非保有
- その他・飲食店舗運営:数量 0.9(飲食店換算拠点数(店相当、実拠点数非開示のため便宜上1))× 価格 1.72(1拠点換算の年間売上(億円/年))→ 売上 2 億円・営業利益 1 億円。飲食実店舗の縮小・維持と物価転嫁、固定費の負担を反映
倍率:資本コストk=7.25%、長期g_long=0%(AIエージェント代替)で、継続事業のPER上限は1÷k=13.793倍。事業純利益は全社純利益2.058億円から余剰現金26億円の税後利息0.364億円を控除。通常の堀で超過利益の残存率は1/2だが、g=0のためRONICによらず式(1−g/RONIC)/(k−g)=13.793倍。事業利益×PERに余剰現金26億円(戻り方1.0)を加える。現在の市場PERは参照しない。
確率:ASPは操作画面型でAI代替中立数量0.84倍・価格1.10倍。SI工数0.67倍、物流は実作業70%とBPO30%の混合で0.93倍とし、人口減少と単価競争の両方を織り込む。
やや悲観 26% チェーン顧客流出と受託縮小で利益が消える 利益 0 億円 · PBR 0.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 236 円26 億円
複数のチェーン企業がPOSと連携したAI業務基盤へ乗り換え、旧来の本部管理ソフトの必要性が下がる。「まかせてネット」の契約店舗は約3,800店に減り、追加機能の値下げも求められる。各社固有のカスタマイズは移行を遅らせるが、主要顧客が同じ時期に刷新を決めれば契約数はまとまって失われる。保守を続ける人員はすぐには減らせず、ASPの高い粗利率も維持しにくい。
AIによってシステム開発の請求可能な工数は半分近くまで縮み、顧客の内製化も進む。物流では注文入力や伝票照合を自動化され、配送の実作業も顧客の集約や大手業者との競争で減る。飲食店は賃金と家賃を十分に転嫁できず、その他事業の利益を支えられない。太陽光の継続利益はもはやない。
経営は人員・拠点を縮小するが、その過程の移行費用や固定費が残る。配当と買い戻しは縮小し、次世代製品への投資も顧客減をすぐには止められない。事業が清算されるわけではなく、減少した預金と回収可能な売掛金などの価値を最後の支えとする。
- ASP・まかせてネット等:数量 3,800(主力まかせてシリーズ契約店舗数(実店舗、当年1月末))× 価格 0.00(ASP外部売上を主力契約店舗換算で割った年額単価(億円/店舗年))→ 売上 8 億円・営業利益 6 億円。月額課金型。AI代替による契約縮小を数量、物価未満の改定を価格に反映
- システムソリューション・受託開発:数量 46.0(エンジニア工数(人月/年、非開示のため推定))× 価格 0.01(開発・保守収入(億円/人月、外部売上÷推定人月))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。人月型。AIによる請求可能工数の減少を数量へ反映
- 物流ソリューション・発注事務:数量 12.5(物流システムの契約企業換算(社、実作業と事務の複合数量))× 価格 0.67(物流外部売上(億円/契約企業換算・年))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。実物流70%と受発注BPO30%の推定混合。AI代替はBPOにのみ適用
- 太陽光発電(2026年譲渡):数量 0.0(自社保有発電所数(か所))× 価格 0.33(発電所1か所当たり年間売上(億円/か所))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。3発電所は2026/09に譲渡するため2036/01は非保有
- その他・飲食店舗運営:数量 0.8(飲食店換算拠点数(店相当、実拠点数非開示のため便宜上1))× 価格 1.55(1拠点換算の年間売上(億円/年))→ 売上 1 億円・営業利益 1 億円。飲食実店舗の縮小・維持と物価転嫁、固定費の負担を反映
倍率:継続の稼ぐ力は営業損失となるため、過去の底値PBRでなく資産の回収額を検討。2026/01期の現在自己資本39.3億円×0.67=26.331億円を目安とする。悲観的な流動化可能額26.3億円と突き合わせ、上回る価値を超過利益として足さない。10年後自己資本の積み上がりにはこのPBRを掛けない。
確率:大口外食チェーンの内製化、AI操作代替、物流契約17社からの離脱が複合すると、本社費を削っても赤字を避けにくい。ただし預金の流動化価値は残る。
悲観 14% 操作画面の競争力を失い資産だけが残る 利益 −2 億円 · PBR 0.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 194 円22 億円
外食チェーンの標準業務がAIエージェントと共通データ連携に移行し、「まかせてネット」の画面を使う契約が急速に解約される。店舗数は約半分へ落ち込み、売上維持に必要な値引きも進む。大口チェーンの多店舗一括解約が発生し、個別対応で積み上げた開発資産は競争力より保守負担となる。固有のデータを持つだけでは切り替えを防げず、価格を自分で決める力を失う。
受託開発は顧客内製のAIシステムに押され、作業の大部分が発注されなくなる。物流の物理的な納品は社会に必要だが、同社の契約企業が17社から大きく減り、残った売上は固定費を十分に賄えない。その他の飲食店も客数不足と高い賃料のため縮小する。太陽光事業は売却済みで赤字を補う利益は存在しない。
経営がAI関連企業を買収しても、失った顧客の収入を取り戻せず、事業再編や退職関連費用で預金が減る。将来利益がマイナスである以上、過去の高いPERを持ち込む根拠はない。この筋書きでは継続事業よりも、負債と処分費用を控除した預金などの現金化可能額が株主価値を決める。
- ASP・まかせてネット等:数量 2,927(主力まかせてシリーズ契約店舗数(実店舗、当年1月末))× 価格 0.00(ASP外部売上を主力契約店舗換算で割った年額単価(億円/店舗年))→ 売上 6 億円・営業利益 3 億円。月額課金型。AI代替による契約縮小を数量、物価未満の改定を価格に反映
- システムソリューション・受託開発:数量 30.0(エンジニア工数(人月/年、非開示のため推定))× 価格 0.01(開発・保守収入(億円/人月、外部売上÷推定人月))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。人月型。AIによる請求可能工数の減少を数量へ反映
- 物流ソリューション・発注事務:数量 8.0(物流システムの契約企業換算(社、実作業と事務の複合数量))× 価格 0.60(物流外部売上(億円/契約企業換算・年))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。実物流70%と受発注BPO30%の推定混合。AI代替はBPOにのみ適用
- 太陽光発電(2026年譲渡):数量 0.0(自社保有発電所数(か所))× 価格 0.33(発電所1か所当たり年間売上(億円/か所))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。3発電所は2026/09に譲渡するため2036/01は非保有
- その他・飲食店舗運営:数量 0.6(飲食店換算拠点数(店相当、実拠点数非開示のため便宜上1))× 価格 1.45(1拠点換算の年間売上(億円/年))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。飲食実店舗の縮小・維持と物価転嫁、固定費の負担を反映
倍率:継続の稼ぐ力は営業損失となるため、過去の底値PBRでなく資産の回収額を検討。2026/01期の現在自己資本39.3億円×0.55=21.615億円を目安とする。悲観的な流動化可能額21.5億円と突き合わせ、上回る価値を超過利益として足さない。10年後自己資本の積み上がりにはこのPBRを掛けない。
確率:AIエージェントと大手SaaSへの構造的な顧客移行が外食チェーンの閉店と重なる極端なケース。短期の純現金余力は残るが、10年間の赤字・構造改革で減る。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ASP・まかせてネット等
飲食チェーン本部と店舗の売上・勤怠・発注・データ集約を月額で提供し、iToGoなどの追加機能も売る。AI代替判定は「席・操作画面型の業務SaaS」。
| 数量主力まかせてシリーズ契約店舗数(実店舗、当年1月末) | 価格ASP外部売上を主力契約店舗換算で割った年額単価(億円/店舗年) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/01 | 5,853 | 0.00 | 12 | 9 |
| 10 年後 中立 | 4,917 | 0.00 | 11 | 8 |
取り方:会社公式2026年1月末(https://www.justweb.co.jp/uncategorized/4455/)のまかせてシリーズ5,853店舗・226社を分母に、2026/01期ASP外部売上12.22976億円を割る。iToGo1,596店舗は顧客の重複があるので別に足さない。1店舗当たり年20.9万円は新規導入・周辺機能を含む混合売上であり純粋な月額プランではない。2026/09末は5,975店舗。セグメント利益9.24055億円は本社費控除前の寄与利益。
システムソリューション・受託開発
既存ASPや顧客の個別要望によるシステム開発、保守とデータ連携。AI代替判定は人月・工数型。
| 数量エンジニア工数(人月/年、非開示のため推定) | 価格開発・保守収入(億円/人月、外部売上÷推定人月) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/01 | 96.0 | 0.01 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 64.0 | 0.01 | 1 | 0 |
取り方:2026/01期開示の外部売上0.83468億円から、国内SIの受託労務単価を1人月約87万円とする分析上の仮定で96人月を推計。人月・顧客別単価は会社非開示であり実測ではない。売上全額が純粋な人月契約との断定もしない。AI代替型中立10年数量0.55〜0.75倍に合わせて判断する。
物流ソリューション・発注事務
外食チェーンの物流管理と店舗への商品・食材供給を担い、発注・伝票処理などのBPOも含む。現場実務とAI代替可能な事務を分ける。
| 数量物流システムの契約企業換算(社、実作業と事務の複合数量) | 価格物流外部売上(億円/契約企業換算・年) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/01 | 17.0 | 0.59 | 10 | 1 |
| 10 年後 中立 | 15.8 | 0.73 | 12 | 2 |
取り方:会社公式2026年1月末の物流システム17企業・900店舗と、2026/01期物流外部売上9.95760億円を使用。1企業年0.58574億円は物品売上や物流・事務受託を含む混合単価。会社は物理的物流と事務の売上内訳を開示しないので、分析上「実作業70%・注文事務30%」と仮定。中立数量は実作業1.04倍×70%+事務0.67倍×30%=0.929倍の複合数量とし、事務はAI代替人月型に従う。売上の公式配賦ではない。
太陽光発電(2026年譲渡)
栃木県2か所と宮城県1か所の発電所。2026年9月に全て東急不動産へ譲渡する契約。発電そのものはAIエージェントで代替されない。
| 数量自社保有発電所数(か所) | 価格発電所1か所当たり年間売上(億円/か所) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/01 | 3.0 | 0.33 | 1 | 1 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 0.33 | 0 | 0 |
取り方:会社の2026年9月16日付の事業譲渡資料に示された2026/01期発電売上99,322千円、セグメント利益59,405千円。栃木2・宮城1の3発電所で等分した分析用平均単価であり各所の発電量は開示されない。2026/09譲渡予定のため10年後は数量・売上・利益をいずれもゼロとする。
その他・飲食店舗運営
子会社等の飲食店舗運営。食事を作り提供する現場の業務であり、画面型SaaSのAI代替とは区別する。
| 数量飲食店換算拠点数(店相当、実拠点数非開示のため便宜上1) | 価格1拠点換算の年間売上(億円/年) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/01 | 1.0 | 1.32 | 1 | 1 |
| 10 年後 中立 | 0.9 | 1.72 | 2 | 1 |
取り方:2026/01期のその他外部売上1.32256億円・セグメント利益1.00427億円を使用。実店舗数の継続的な統一開示が確認できないため、数量1を店舗群1単位の換算拠点とする。実際に1店しかないとの主張ではない。飲食セグメント利益は本社費配賦前であり、店舗家賃と人件費を含む利益率を連結へ機械的に外挿しない。
リスクと懸念
AIエージェント代替と料金低下
店舗の売上把握、発注、勤怠の締め、在庫入力を人が画面で行うことに価値を置くASPは、AIエージェントが直接データを扱うと利用する席や画面が減る。受託開発も人月で請求できる仕事が減る。新しいAI機能を作れても、その売上金額や値上げ実績の開示がない限り代替による収入減と相殺して考えるのは危険である。
外食チェーンの閉店と大口解約
国内の飲食チェーンは食材費、人件費、家賃の上昇と働き手の不足にさらされる。顧客企業が店舗を畳めば、月額課金の対象店舗が直接減る。システム全体の切り替えは簡単でなくても、複数の店舗を持つ主要企業が一括で契約を解消した場合、契約店舗数と利益は同時に落ち込みやすい。
物流の物理業務と受注事務の混在
物流売上は食材や商品の物理的な管理と、発注・伝票などの事務代行が混じるが、その構成比は開示されていない。事務のAI代替は進む一方、物理業務には人件費や倉庫・配送関連の費用が残る。実物流70%という推定が実態より大きければ、中立の売上と利益はさらに下振れする。顧客数17社の集中も無視できない。
豊富な現金の使途とM&A
銀行預金は経営を守るが、株主に渡る価値は将来の使い道で変わる。太陽光発電所の譲渡金と既存の定期預金を、収益性が見えないAI関連買収や新製品開発へ大量に投じれば、預金を額面どおり株主価値に加える前提が崩れる。価格の高い買収や利益が伴わない資本増強の有無を継続して確認したい。
本社費用と利益率の錯覚
公表されるASPのセグメント利益9億円台は、本社の人件費や販売費を控除した連結営業利益ではない。各事業の利益をそのまま足すと全社の稼ぐ力を過大評価する。物価3%が続き、技術者の賃金とソフトの運営費が上がる状況では、契約店舗数の小さな減少でも営業利益は大きく減りうる。
売却益・引当金戻入れの恒久視
2026年1月期の純利益には貸倒引当金戻入れなど特殊要因があり、2027年1月期には太陽光発電事業の譲渡益約2.93億円が見込まれる。翌年も同額が繰り返されるわけではなく、発電所を売ることで毎年の利益寄与はむしろ消える。表面上の純利益の増減だけを見ると、事業価値の増減を見誤る。
今後の分かれ目
- まかせてシリーズ契約店舗が6,000店を超えて継続増加し、年次解約率も5%未満と開示されたら
- 既存顧客の粘着力が数値で確かめられる。ASPの中立数量を上げ、記録の正本型に移れる他の証拠があるかも再点検する。
- 月額利用料の値上げ後も店舗純減が起きず、継続課金収入が年率3%以上伸びたら
- AI代替後でも値決め力が残る証拠となる。ASPの価格倍率と継続事業の利益率を見直す。
- AI機能による有償契約額と解約抑制効果が開示され、受注が継続拡大したら
- 現在は数量成長と認めていないAI商品の収益を追加できる。受託工数の減少と二重に数えないよう区分する。
- 物流契約企業が17社から減り、物流粗利率も連続して低下したら
- 実物流の顧客集中と事務作業の代替が進んでいるとみて、やや悲観・悲観の比率を上げる。
- 太陽光譲渡益を除いた継続純利益が3億円を下回る年度が続いたら
- 中立の利益減少が早く出ていると判断し、資産床に近づく速度と配当維持力を再点検する。
- 余剰預金を原資とする大型買収が行われ、取得価格と投下資本利益率が明らかになったら
- 買収価額が資本コストに見合うか調べ、現金をそのまま足す評価と新事業の価値を置き換えて二重計上を避ける。
見ておくもの
- まかせてシリーズの月次契約店舗数と企業数(物流を混ぜずに確認)
- iToGoの契約店舗数・有料機能ごとの顧客単価・解約率の開示
- ASP売上、契約店舗換算の年額課金、本社費控除後の連結営業利益
- 物流契約17企業の増減と物理配送・注文事務の売上構成の開示
- AIデシャップ・来店予測機能の有償受注額と顧客維持への寄与
- 太陽光発電事業の売却代金の受領・実行と翌期以降の継続利益
- 現預金・定期預金残高、配当性向、自社株取得額、買収投資とROIC
倍率と資本コストの決め方
現在の株価と市場のPER・過去の底のPBRは数量、利益率、倍率の仮定に使っていない。2026/01期のセグメント別実績を契約店舗数・受託人月・物流企業数・発電所数に結び、2036/01期の実質数量と名目単価から売上を再計算した。AI代替は操作画面と人月の数量・価格および長期g=0%に織り込み、kの寿命には重複させない。楽観〜中立はg=0%、k=7.25%の正当化PER上限13.793倍を使い、余剰現金の利息を除いた事業利益へ掛けた。悲観側は現時点の自己資本39.3億円と、定期預金を含む換金可能な資産床から検算した。2027年以降の新リース会計では表示が変わるが、比較する10年後の事業利益は家賃等を営業費用に含む旧基準と同じ経済実態でそろえる。10年間の配当・自社株取得は配当性向30%の目標と各筋書きの累積純利益に連動させ、損失が出る筋書きでは大幅に縮小させた。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。