結論
アクセルマークはインターネット広告からトレーディングカード販売へ軸足を移し、美容・医療にも活路を求める会社だ。結論は大幅な割高である。売上が伸びても赤字が減らず、事業を続けるための増資が既存株主の取り分を薄めるからだ。2026年6月までの9か月でトレカ売上は約6億9千万円に達したが、この部門だけで約1億4千万円の損失が残った。
2026年7月に親会社コンヴァノから9億円を調達し、発行済み株式は大きく増えた。ところが同年10月、成長計画を支えるはずの30億円の融資枠が、借入れの実行前に解除された。化粧品子会社は清算方針となり、トレカの平均販売単価は6月から7月に37%下落した。会社は2027年9月期以降の黒字化時期を見通せないと認めている。
トレカ市場そのものは大きい。しかし同社はメーカーでも独占的な流通網でもなく、仕入れた商品の相場と客足に収益を左右される。広告の制作・運用や受託開発にも、AIエージェントによる工数削減と単価下落が迫る。9億円の増資を利益ではなく生存資金とみるべき局面であり、親会社による救済や買収を確実な株主利益として数えることはできない。
十年後の中心像でも営業赤字が続き、追加増資による資産の補強と既存株主の持ち株比率の低下が同時に進むと見込む。好転するには、トレカの粗利益率改善と販管費の縮小に加え、美容・医療の再始動まで重なる必要がある。悲観側では、赤字事業を早期に整理して換金可能資産を残す場合と、存続のために資金を投じ続ける場合を区別する。確率加重した現在価値は約2.84億円で、基準時点の時価総額約45億円を約94%下回る。これは予測誤差の大きい企業への慎重な価値評価であり、黒字化が確認できれば見直す。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主に必要なのは、十年後にも買い手が欲しがる商品を売り、仕入れや設備の更新後に現金を残す仕組みである。アクセルマークは現在、その第一条件さえ満たしたとは言いがたい。トレカの需要は続くとしても、価値を握るのは作品の権利者や希少なカードであり、売買を仲介する小売店の独自性は限定的だ。値上げの実績に代わって、2026年秋には平均販売単価の急落が公表された。
本業に現金を再投資するなら、翌年にその資金より大きな利益を生むことが望ましい。しかし広告からトレカへ重点を移した後も営業損失が続き、さらに美容・医療領域では子会社清算という失敗が生じた。売上が3倍になった部門ですら赤字なら、売上規模の伸びを資本効率の改善と取り違えてはならない。現在の経済性では増分投下資本利益率が資本コストを上回る証拠はない。
純現金があるように見える時ほど、そのお金を誰が使えるかを見る必要がある。2026年7月の増資は資金ショートを遠ざけたが、配当として分配する余剰資金ではなく、日々の営業や再建のための資金である。親会社が議決権の過半を握る以上、少数株主が清算や還元を決めることもできない。上場維持のための資本政策が繰り返されれば、企業全体の利益が回復しても1株当たりの取り分は細る。
買収や親会社との事業連携が成功する余地は確かに残る。ただし、対象事業の利益、取得額、負担するのれんと資金調達後の株数が示されるまで、その成功に高い価値を付けるのは危うい。筆者が安全域を認める条件は、カード在庫を含む営業キャッシュフローの持続的な黒字化と、新株発行に頼らず資本が増えることだ。事業の採算が回復しない場合には、残った現金を使い切る前に事業を整理する規律こそ、既存株主の損失を小さくする。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は、池袋の実店舗「cardéria」と通信販売、オンラインのオリジナルパックなどを通じたトレーディングカードの売買だ。販売額は客が買うカードの件数と一回当たりの購入額で決まる。中古カードはメーカー希望小売価格で安定して売れる品ではなく、人気作品、カードの希少性、鑑定状態、二次流通相場によって値札が変わる。買い取り在庫を抱えるため、売上が増えても価格下落時には在庫評価と利幅が同時に傷む。
2025年9月期のトレカ売上は約3億円で、営業損失は約1億6千万円だった。2026年9月期第3四半期累計では売上が約6億9千万円へ拡大したが、損失は約1億4千万円残った。ECと実店舗の併用は販路を増やす一方、発送、人件費、広告宣伝、買い取り資金の負担を伴う。公表資料に取引件数や平均客単価がないため、後段の数量は仮の客単価から逆算した推計である。
もう一つの収益源は、広告の企画・制作・運用とシステムの受託開発・保守である。2025年9月期は売上約6億4千万円だったが、翌期の9か月累計は約3億2千万円へ縮小した。顧客の広告費や制作案件を受託する事業で、媒体を独占するわけではない。広告出稿企業は電通デジタル、セプテーニ、サイバーエージェントを含む多様な代理店・制作会社と比較できる。制作物や運用工数がAIで減れば、受注件数と手数料を同時に失いやすい。
その他は化粧品を中心とする美容・健康領域で、2025年9月期の売上は約3千5百万円にとどまり、約7千万円の部門損失を出した。2026年9月にはアクセルメディカの解散・特別清算方針が決まり、製造販売業の許可取得のめどが立たず事業は実質停止した。親会社の美容店舗網や提携先の医療法人から需要を取り込む構想はあるが、現時点で安定した取扱件数や単価の実績はない。2025年9月期には三部門の損失に加え、本社共通費が約1億6千万円かかった。
優良さと弱いところ
この会社には、値上げしても顧客を失わない堀、つまり模倣しにくい強みがまだ確認できない。人気カードの知的財産はポケモン、バンダイなどの権利者にあり、販売店は希少な商品の仕入れや接客、通販の使いやすさで競う。店舗とECをつないだ運営は利便性を高めるが、カードラッシュ、カードラボ、駿河屋やオンラインのオリパ各社にも類似の販路がある。独占仕入れ、継続課金、解約率の低さ、持続的な値上げの開示は見当たらない。
数量の伸びと収益性の改善は別問題である。2026年6月までの9か月にはカード部門の売上が伸びたが、それでも損失が残った。さらに会社自身が10月の開示で、6月から7月に平均販売単価が37%、平均買取単価が31%下落し、カード事業の赤字が拡大したと説明している。相場変動を自社の粗利率で吸収できるほどの価格決定力はまだない。競争の優位が続くと認めるには、相場の下落局面でも在庫回転率と粗利率を維持する実績が必要だ。
広告部門も、自社が保有する大規模な消費者データベースや、企業の記録の正本に当たるシステムを握っているわけではない。広告制作・運用と工数課金の受託部分にはAIエージェント代替が直接及び、顧客の内製化も進めやすい。対価を成果連動へ移した具体的な受注額も確認できないため、強い堀とは評価しない。
資本効率は長期にわたって悪い。2016年以降は赤字の期が多く、2025年9月期の自己資本利益率は大幅なマイナスだった。純現金が帳簿上にあっても、営業損失と買収後の撤退費用が食い続ければ防波堤にならない。2026年7月の9億円の増資は負債を増やさない点で存続に役立つものの、既存株主にとっては支配力と利益の持ち分の希薄化である。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
トレーディングカードの国内一次流通市場は拡大してきた。日本玩具協会による2025年度のカードゲーム・トレーディングカードの市場規模は3,384億円で、前年度より約12%大きい。人気作品の新商品や希少品を求める需要は根強いが、この統計は店頭などの市場規模で、中古再販売やオリジナルパックの売上をすべて同じ物差しで含むわけではない。アクセルマークのトレカ売上を機械的に割れば2025年時点で約0.09%、2026年6月までの9か月売上を年換算すると約0.27%になるが、厳密なシェアではない。
競争相手はカードラッシュ、カードラボ、駿河屋、遊々亭のような専門店と、CloveやDOPAを含むネットのカード販売・オリパ事業者だ。各社の取引件数と国内中古市場におけるシェアは同じ基準で公表されておらず、順位や競合シェアの数字は断定できない。市場の実物取引数は人口減やブーム後の反動で伸び悩むこともあり、物価3%の想定がそのまま中古カードの平均販売単価に転嫁される保証もない。十年先の一次流通市場を実質数量0.95倍と物価1.34倍で仮に約4,300億円と見積もると、同社売上の比較上の比率は中立約0.17%、最良でも約0.59%である。ただしこれは中古・オリパを含む同社売上と一次流通市場を比較した仮の目盛りで、厳密なシェアではない。
広告市場は違う方向から圧力を受ける。電通の推計では2025年の国内インターネット広告費は4兆459億円に達したが、広告費全額と同社の制作・運用受託売上は同じ分母ではない。市場全体の伸びよりも、広告の企画、素材制作、配信設定、分析がAIエージェントで自動化される速度が同社の手数料に効く。中立の広告取扱案件数は十年で現在の約3分の2、案件単価も名目で下落するとみる。
化粧品では矢野経済研究所が2025年度国内市場を2兆6,430億円と推計し、大手の資生堂、花王、コーセーなどが競う。市場が大きくても、許認可や販売網、ブランドを失った小会社がシェアを取れるとは限らない。同社は2026年秋に化粧品事業を実質停止しており、中心像に大規模な新規売上を組み込む根拠はない。
資本政策と M&A
資本配分で最も重い事実は、利益を株主に返す以前に、事業の赤字を新株発行で埋めてきたことだ。2025年9月期の純損失は約7億6千万円に上り、2026年6月までの9か月だけで約5億3千万円を失った。上場以来、複数回の増資・新株予約権行使があり、保有1株の経済的な取り分は増加した発行済み株数で薄まってきた。直近5年に増配も実質的な自社株買いの実績もなく、2026年9月期の配当予想はゼロである。
2026年5月、コンヴァノが9億円の第三者割当増資を引き受け、追加で最大30億円を貸す構想が示された。7月2日に9億円は払い込まれたが、同年10月22日に融資枠は一度も使われないまま解除された。会社は事業の現金収支で返済できないと判断し、今後は借入れより増資を重視する方針へ転換した。コンヴァノの支配比率は約68.9%で、10月には保有株の譲渡制限も解除された。
当初の計画には中期時価総額200億円と2027年9月期以降の営業・経常黒字化目標があったが、黒字化の時期は今では見通せない。売上、営業利益額、ROE、配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い金額について実行可能な数字の約束はない。親会社の美容ネットワークや医療提携を使う買収案は、アクセルメディカの清算と30億円枠の失効で出発点から変わった。
10月22日には、発行可能株式総数を7,700万株から2億株に増やす定款変更を12月の株主総会へ提案すると発表した。これは発行そのものではない。しかし実現して上限まで増資すれば、現在の株主の持ち分は約3分の1となる。今後の買収・事業再建が成功しても、どれほどの企業価値が現在の株主に残るかを別に考えなければならない。
長期の資本政策では、事業を続けるための追加増資と、再建を断念して資産を回収する選択を区別する。前者は生存期間を延ばす代わりに既存株主を希薄化させる。後者は成長の可能性を捨てるが、損失の拡大を止めて純現金と換金可能資産を守れる。悲観側で資産の床を認めるには、損失を垂れ流したまま新株を発行し続けるのではなく、早期撤退を実行するという条件が必要だ。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
立て直しの芽はある。トレカ事業は2025年9月期に約3億円だった売上を、2026年6月までの9か月で約6億9千万円まで伸ばした。池袋の実店舗とEC、オリジナルパックの組み合わせは集客経路を複数持てる。商品の買い取り量が増えれば、良い在庫を幅広く揃え、顧客の再来店を促す好循環が生まれる可能性がある。人気作品のカードは資産的な需要もあり、希少性の高い商品を扱う販路は、一般の玩具小売とは違った収益機会を持つ。
資金面でも、2026年7月に9億円の増資を実行しており、直ちにすべての事業を閉じると決まったわけではない。支配株主となったコンヴァノは美容店舗の顧客接点を持ち、TCBグループとの提携など医療・美容事業の接点も模索している。将来、安定して利益を生む小規模事業を安く取得し、既存の広告運用能力と結び付けられれば、従来の赤字体質を変える道はある。
最も好調な筋書きでは、トレカの販売件数が現状の成長を受け継ぎ、在庫回転の改善で営業利益率がプラスに定着する。ヘルスケアについても許認可と販売体制の問題を解決して再参入し、親会社との提携で顧客を獲得する。それでも、契約に基づく高い継続収益や独占権が見えているわけではない。したがって良好な業績に加えて、新株発行を抑える資本配分が実現して初めて、長期株主が成果を受け取れる。
慎重な見方
直近の開示は、期待の前提を短期間で崩した。会社は2026年5月には、9億円の増資と30億円の融資枠を組み合わせたヘルスケア買収戦略を語っていた。ところが9月には美容子会社の特別清算を決め、10月には融資枠を解除した。理由はカード事業の赤字拡大などで、事業から返済原資を生み出せないためである。これは一時的な株価変動ではなく、経営が描いていた資本配分の仕組みそのものの変更だ。
トレカの人気市場にも落とし穴がある。大手メーカーが価値を持つカードを発行し、小売業者は仕入れ・在庫・販売手数料で稼ぐ。転売相場が下がれば高値で仕入れた在庫が痛み、安値で仕入れる前に売上単価が落ちる。実際に会社が公表した6月から7月の平均販売単価は37%下落した。さらにオリパの販売をめぐる他社への訴訟が提起され、同社にも法律事務所などから問い合わせが寄せられている。収益に加え、運営規則や説明責任の負担も増える。
旧来の広告事業は、インターネット広告市場が拡大しても自社受託売上が縮小している。広告制作・運用と開発保守の人手はAIエージェントに代替されやすく、顧客が自動化した分だけ依頼が減る。美容は許認可と商品廃棄の問題が重なり、成長事業と呼べる状態ではない。現在の現金が減り続ければ再度の増資が不可避となり、2億株の発行枠に近づくほど既存株主の利益は薄まる。黒字になる前に資金調達を繰り返す筋書きこそ、厳しく検討すべきだ。
一方で、悲観時に無制限の増資と損失を想定しながら現在の純現金をそのまま残すのも矛盾する。残余資産を床として評価するなら、経営が損失拡大を認め、追加投資を止め、不採算事業を早期に売却・閉鎖する必要がある。こうした資本配分の規律が実行されなければ、現金の床は実現しない。少数株主はその選択を主導できないため、想定以上に損失が膨らむ危険も残る。
どちらに重みを置いたか
下側の筋書きに厚く確率を配した。根拠は単なるAI代替の心配ではなく、2026年秋に実際に起きたカード単価の急落、美容事業の実質停止、融資枠の失効と新たな増資枠の提案である。カード市場全体の規模は追い風だが、同社の値決め力はまだ確認できない。広告のAI代替による数量と単価の縮小は中立の業績と十年後以降の成長率に反映し、資本コストの寿命部分や確率で重ねて引かない。やや悲観と悲観の合計を44%、上側を22%とするのは、実行済みの転換策の失敗と資金制約がこの会社に固有だからである。時価総額200億円という目標ではなく、黒字化までの損失と希薄化後の持分から判断する。悲観側では、事業を早期に整理し追加増資を行わず、企業全体に純現金と換金可能資産の床を残す条件を明示した。これは事業の存続より既存株主の残余資産を守る選択であり、経営が実行すると決まったわけではない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/09 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 11 円7 億円(+ 還元の換算額還元の合計 0 円0 億円)。 今の値に割り戻すと 4 円3 億円、今との差 −86.0%、 期待の年率 −9.6%(資本コスト 10.3%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 22 円15 億円 | 2 円2 億円 | −20.3% | −2.3% | 2 円1 億円 |
| やや楽観 | 14% | 13 円9 億円 | 0 円0 億円 | −57.6% | −8.2% | 2 円1 億円 |
| 中立 | 34% | 11 円7 億円 | 0 円0 億円 | −66.0% | −10.2% | 4 円2 億円 |
| やや悲観 | 27% | 10 円6 億円 | 0 円0 億円 | −69.1% | −11.1% | 3 円2 億円 |
| 悲観 | 17% | 8 円6 億円 | 0 円0 億円 | −72.6% | −12.1% | 1 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 11 円7 億円 | 0 円0 億円 | −63.1% | −9.6% | 11 円7 億円 |
今の株価時価総額 31 円20 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 好調なカード販売と美容再起 利益 3 億円 · PER 9.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 22 円15 億円
実店舗とECの顧客基盤が結びつき、トレカの年間販売取引が推計15万件まで増える。取り扱う商品の質が向上し、在庫の回転が速くなることで価格の下落を吸収できる。カード相場は2026年秋の急落から回復し、希少品の比率も高まる。カードラッシュなど大手専門店との競争は続くが、仕入れを厳選した小回りの利く販路として認知される。営業利益率が15%に達して初めて、規模が利益を伴う。
美容・健康領域はアクセルメディカの失敗を繰り返さず、許認可を満たす別の仕組みと買収後の管理体制を築く。親会社や医療提携先から顧客を獲得し、独立した事業として収益を残す。広告運用の数量はAIエージェント代替で現状以下にとどまるが、受注する案件を選んで利益率は改善する。十年で企業全体の黒字化が定着する一方、途中の増資で持分は薄まるため、成功時の恩恵を既存株主が全額取れるわけではない。
- トレーディングカード販売:数量 150,000(年間販売取引件数(件、開示がないため客単価から推計))× 価格 0.00(1取引当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 26 億円・営業利益 4 億円。年間推計取引150,000件×客単価17,000円。15.0%の部門営業利益率。2036年の仮の一次流通市場4,300億円に対する売上の比率は約0.593%だが、中古・オリパを含むため厳密なシェアではない。
- 広告企画・制作運用と受託開発保守:数量 630(年間受託案件換算件数(件、単価仮定に基づく推計))× 価格 0.01(受託案件1件当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。案件換算630件、1件1,000,000円。広告運用・制作・開発のAIエージェント代替を数量と単価に反映。
- 化粧品・ヘルスケアとその他:数量 80,000(年間商品等販売取引換算件数(件、推計))× 価格 0.00(1取引当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 10 億円・営業利益 2 億円。清算後に再開した販売業務の規模の仮定であり、停止した美容事業の復活を既成事実としない。
倍率:資本コスト10.25%、永続名目成長率0%。事業を弱い堀とみるため、新規投資の超過利益は続かない。黒字の楽観2ケースでも正当化PER=(1-g÷RONIC)÷(k-g)は1÷0.1025=9.756倍が上限であり、丸めた9.76倍を用いた。余剰現金は営業赤字補填のため分けて足さない。
確率:広告制作の自動化が進む中、カードの店舗とECが全国から固定客を集め、在庫回転と仕入れ条件が改善する場合である。子会社清算後の美容事業を別の管理体制で再建し、コンヴァノの店舗網や医療との提携から実際の販売需要を獲得する。
やや楽観 14% カード採算が改善し小幅黒字 利益 1 億円 · PER 9.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 13 円9 億円
カードのECと実店舗が2026年の需要減速を乗り越え、年間の推計取引件数は11万5千件へ増える。単価は物価上昇を一部取り込み、買い取り時点の値付けを厳格にして粗利益率を守る。過度な広告費を削り、カードラボやネット競合と価格だけで争わず、在庫回転の高い商品を中心に商売する。部門営業利益率は14%となり、本社共通費を部門統合で削減できる。
広告事業はAIエージェント代替とゲーム・電子書籍業界の出稿縮小で受託件数が減るが、案件選別により収益を保つ。美容は大規模買収を断念し、許認可と販売管理が整った小さな事業から再出発する。全社では管理費削減によって税後で黒字となるものの、過去の赤字を回収するには長くかかる。黒字化までの運転資金は小規模な増資で補うが、カード事業の利益改善により大型増資は回避される。
- トレーディングカード販売:数量 115,000(年間販売取引件数(件、開示がないため客単価から推計))× 価格 0.00(1取引当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 17 億円・営業利益 2 億円。年間推計取引115,000件×客単価14,500円。14.0%の部門営業利益率。2036年の仮の一次流通市場4,300億円に対する売上の比率は約0.388%だが、中古・オリパを含むため厳密なシェアではない。
- 広告企画・制作運用と受託開発保守:数量 480(年間受託案件換算件数(件、単価仮定に基づく推計))× 価格 0.01(受託案件1件当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。案件換算480件、1件1,000,000円。広告運用・制作・開発のAIエージェント代替を数量と単価に反映。
- 化粧品・ヘルスケアとその他:数量 40,000(年間商品等販売取引換算件数(件、推計))× 価格 0.00(1取引当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。清算後に再開した販売業務の規模の仮定であり、停止した美容事業の復活を既成事実としない。
倍率:資本コスト10.25%、永続名目成長率0%。事業を弱い堀とみるため、新規投資の超過利益は続かない。正当化PER=(1-g÷RONIC)÷(k-g)は1÷0.1025=9.756倍が上限であり、丸めた9.76倍を用いた。余剰現金は営業赤字補填のため分けて足さない。本社管理費を年間1.3億円に圧縮できる場合の税後純利益1.1億円に適用する。
確率:カード事業は確かに成長しているが、2026年の赤字から継続利益へ移るには高い粗利益率が必要となる。医療・美容の再開も現時点では見通しが立っておらず、期待を広げすぎない。部門管理機能の統合で本社費を十年後に年間約1.3億円まで削減する前提で、まだ実行済みの改革ではない。
中立 34% 中立:カードは残るが赤字が続く 利益 −2 億円 · PBR 0.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 11 円7 億円
カード市場は十年後も存在するが、人気作品の供給量と二次流通相場は小売店に制御できない。2026年の売上急拡大はすべて持続せず、ECの顧客獲得分と相場安の反動が打ち消し合う。販売件数は2025年より多いが、2026年前半の単純年換算より少なくなり、1件当たりの値札も物価ほどは上がらない。店と通販の固定費をまかなえるほどの部門利益を確保できず、専門店やオンライン販売者との競争が続く。
広告は受託案件数が2025年比で約3分の2に減り、名目単価も下がる。これは広告制作と運用、受託保守に対するAIエージェント代替を反映したもので、広告市場全体の成長率を転用しない。美容は一部の小さな販売業務が残る程度で、大型の買収益は生まれない。本社費は人件費の物価上昇に沿って重く、全社の赤字が続く。
営業資金の不足は増資で補い、一部の年度では店舗や人員の縮小によって損失が軽くなる。2036年には再び年間2億円規模の最終赤字が残る。追加の払込資本が赤字の一部を肩代わりするため、自己資本が残ることは本業の収益力が高まった証拠にはならない。株式発行によって会社全体の資産が増える一方、現在の株主に帰属する割合は減少する。
- トレーディングカード販売:数量 65,000(年間販売取引件数(件、開示がないため客単価から推計))× 価格 0.00(1取引当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。年間推計取引65,000件×客単価11,000円。4.0%の部門営業利益率。2036年の仮の一次流通市場4,300億円に対する売上の比率は約0.166%だが、中古・オリパを含むため厳密なシェアではない。
- 広告企画・制作運用と受託開発保守:数量 420(年間受託案件換算件数(件、単価仮定に基づく推計))× 価格 0.01(受託案件1件当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。案件換算420件、1件950,000円。広告運用・制作・開発のAIエージェント代替を数量と単価に反映。
- 化粧品・ヘルスケアとその他:数量 2,000(年間商品等販売取引換算件数(件、推計))× 価格 0.00(1取引当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。清算後に再開した販売業務の規模の仮定であり、停止した美容事業の復活を既成事実としない。
倍率:十年後も純損失が続くためPERを適用しない。増資後も12億円程度の自己資本が残るという条件付きで、帳簿資本の一部は換金可能な現金とカード在庫として残るが、赤字事業には簿価どおりの収益価値を認めない。事業の残存価値と換金可能資産を合計して将来自己資本の82%に相当する9.84億円を評価する。将来の株式発行により会社全体の資産が維持されるため、既存株主の価値には別途持分比率を適用する。現在の株価や過去のPBRを根拠にしていない。
確率:2026年のトレカ売上の立ち上がりと、同年7月以降の急な値崩れの両方を認める。拡大前の広告に戻れず、美容の再開も実行可能性が低いため、構造転換は進んでも利益は不安定なままとする。営業資金の不足を補う追加増資が必要であり、企業全体の残余資産と既存株主の取り分を区別する。
やや悲観 27% 不採算事業を早期整理し残余資産を守る 利益 0 億円 · PBR 0.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 10 円6 億円
中古カードの値下がりが続き、2026年の売上拡大を支えた需要は後退する。仕入れ値と販売価格の変動を吸収できず、カードラッシュやネットのオリパ事業者との競争でも利益を確保できない。既存店舗とECへの投資を続ければ赤字が累積するため、経営は不採算店舗を閉じ、在庫を処分して資金を回収する方針へ転換する。
広告制作と運用もAIエージェント代替によって受注数量と手数料が縮小する。管理部門の固定費をまかなう事業規模が失われ、制作と開発保守を自社で続けることを断念する。美容は許認可問題を解消できず、再開しない。売却可能な顧客契約や設備を処分し、事業を順次停止する。
この筋書きでは十年先まで赤字事業を運営し続けない。損失の拡大を途中で止め、2036年9月期には営業活動が実質的に終了している。2026年7月までに払い込まれた資本と既存の換金可能資産の一部は整理費用に費やされるが、それ以上の新株発行は行わない。成長事業としての価値は失うものの、残った現金と資産の回収価値が企業全体の値段となる。この前提は経営が既に決定した清算計画ではなく、株主価値を守るために必要な条件付きの撤退策である。
- トレーディングカード販売:数量 0.0(年間販売取引件数(件、開示がないため客単価から推計))× 価格 0.00(1取引当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。相場悪化で採算が取れず、2036年より前に店舗・ECを閉鎖している筋書き。十年後の販売件数はゼロで、売却済みの在庫からの収入を営業売上に二重計上しない。
- 広告企画・制作運用と受託開発保守:数量 0.0(年間受託案件換算件数(件、単価仮定に基づく推計))× 価格 0.01(受託案件1件当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替と受注減少で事業を継続できず、2036年より前に制作・運用・開発保守から撤退。案件数ゼロとする。
- 化粧品・ヘルスケアとその他:数量 0.0(年間商品等販売取引換算件数(件、推計))× 価格 0.00(1取引当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。化粧品子会社の清算後に事業を再開せず、2036年の販売取引はない。
倍率:2036年までに営業活動が実質的に終了するため、収益成長を前提とするPERは使わない。SCHEMA §1-3に従い、将来の積み上がった自己資本ではなく2025年9月期の自己資本8億円をPBRの分母とする。換金可能な資産と事業整理後の現金を評価し、0.78125倍に相当する6.25億円を企業全体の価値とする。純現金5.4億円と税後換価資産0.6億円の床6.0億円を上回る。中立のPBR0.82倍を下回り、過去の市場PBRは根拠にしていない。
確率:中古カード相場の悪化と広告受託の減少が長期化し、事業の継続によって資産を増やす見込みが失われる。追加資金を投じて延命するより、既存事業を整理して換金可能な資産を残す方が株主の損失を小さくできる場合である。
悲観 17% 事業基盤を失い資産回収だけが残る 利益 0 億円 · PBR 0.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 8 円6 億円
トレカ相場の下落とオリパ販売に対する規制・運営負担が重なり、実店舗とECの継続が困難になる。買い取り在庫の値下がりがさらに進み、売却には損切りが必要となる。発行元のブランド力を持たず、規模の大きな流通業者にも対抗できないため、カード事業の再建を断念する。
広告案件もAIエージェントによって制作・運用・保守の多くが代替され、受託事業を維持するための固定費を負担できなくなる。美容子会社は清算され、後継事業も育たない。経営は追加の新株発行による大型再建を断念し、残る事業と契約を整理して換金可能な資産を回収する。人員削減、賃貸借契約の終了、在庫処分に費用がかかり、やや悲観より残余資産は小さくなる。
2036年9月期には営業活動が実質的に終了し、企業として利益を生み出す力を失っている。売上と営業利益がゼロになっても、それは黒字化の成功ではない。事業を維持することより現金の流出を止めることを優先した結果、会社には少額の換金可能資産が残る。支配株主が実際にこの整理策を選ぶ保証はないが、企業全体で純現金の床を守る悲観シナリオとして、この条件を明示する。
- トレーディングカード販売:数量 0.0(年間販売取引件数(件、開示がないため客単価から推計))× 価格 0.00(1取引当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。在庫評価損と競争激化で2036年より前にカード事業を閉鎖。処分損は整理期間の資本減少に反映し、十年後の営業売上はゼロとする。
- 広告企画・制作運用と受託開発保守:数量 0.0(年間受託案件換算件数(件、単価仮定に基づく推計))× 価格 0.01(受託案件1件当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替で制作・運用・保守案件を失い、2036年までに受託から撤退する。
- 化粧品・ヘルスケアとその他:数量 0.0(年間商品等販売取引換算件数(件、推計))× 価格 0.00(1取引当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。化粧品子会社の清算後も医療・美容事業を再建できず、2036年の売上はない。
倍率:事業の継続利益は失われ、十年後の価値は現金と換金可能資産だけで測る。SCHEMA §1-3に従い、将来の累積利益や増資によって増えた自己資本ではなく、2025年9月期の自己資本8億円をPBRの分母とする。0.6935625倍に相当する5.5485億円を企業全体の時価総額とし、純現金5.4億円と税後換価資産0.1億円の床5.5億円を上回る。中立のPBR0.82倍およびやや悲観の0.78125倍を下回る。
確率:トレカ相場の悪化、オリパ販売の運営・規制負担、広告受託のAI代替が重なり、経営が新規事業の再建を断念する筋書きである。やや悲観より在庫の処分損や契約終了費用が大きく、回収できる残余資産は少なくなる。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
トレーディングカード販売
池袋店舗cardéria、EC、オンラインオリジナルパックによるカードの買い取り・販売。商品相場の上下と在庫回転で採算が変わる。
| 数量年間販売取引件数(件、開示がないため客単価から推計) | 価格1取引当たり売上(億円/件、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 30,124 | 0.00 | 3 | −2 |
| 10 年後 中立 | 65,000 | 0.00 | 7 | 0 |
取り方:2025年9月期決算短信のトレカ部門売上3.01238億円と営業損失1.59555億円を採用。取引件数・客単価の公式開示は見当たらず、同社が2026年3月に公表したオリパ商品価格3,000円と30,000円を参考に、店頭の複数品目を含む1取引平均1万円と仮定して約30,124件を逆算した仮の物量であって実績件数ではない。2026年6月までの9か月は売上6.92678億円、営業損失1.40182億円。玩具協会の一次流通3,384億円と比較して2025年売上は約0.09%だが、中古・オリパの統計範囲が違うため厳密な市場シェアではない。
広告企画・制作運用と受託開発保守
ゲーム・電子書籍などの顧客向けに広告の企画、制作、運用と受託システム開発・運用保守を提供する。工数・キャンペーンを売る部分はAIで代替されやすい。
| 数量年間受託案件換算件数(件、単価仮定に基づく推計) | 価格受託案件1件当たり売上(億円/件、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 637 | 0.01 | 6 | −1 |
| 10 年後 中立 | 420 | 0.01 | 4 | 0 |
取り方:2025年9月期決算短信の広告売上6.37億円、部門営業損失1.25711億円を採用。受注件数・制作/運用/開発の金額内訳は非開示。1案件平均100万円という代理変数で637件に換算したもので、顧客数や媒体配信件数の実績ではない。2026年9か月売上は3.17772億円。広告制作運用・受託開発保守はともにAIエージェント代替の工数型。十年中立の数量は637件から420件(0.66倍)、名目単価100万円から95万円へ縮み、記録の正本と認める根拠はない。
化粧品・ヘルスケアとその他
化粧品販売と健康領域の開発。中核だったアクセルメディカは2026年9月に清算方針が決まり、化粧品販売は実質停止している。
| 数量年間商品等販売取引換算件数(件、推計) | 価格1取引当たり売上(億円/件、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 5,047 | 0.00 | 0 | −1 |
| 10 年後 中立 | 2,000 | 0.00 | 0 | 0 |
取り方:2025年9月期その他売上0.35326億円、セグメント営業損失0.71117億円から、販売等1件7,000円と仮定して約5,047件を逆算。実際にはIoT等を含み、実在の商品販売件数を示さない。2026年6月までの9か月売上は0.05901億円、営業損失0.82004億円。矢野経済研究所の2025年度国内化粧品市場2兆6,430億円と同社売上は対象も計上基準も異なる。現物販売なのでAIエージェント代替の工数型・席課金型には当たらない。
リスクと懸念
トレカ相場と買い取り在庫の損失
2026年6月から7月に、扱うカードの平均販売単価は37%、買取単価は31%下がったと会社が公表した。相場の下落が続けば在庫を売り切る前に値下がりが進み、売上高だけでなく粗利益と資金繰りが同時に悪化する。一次流通の国内市場が成長しても、仕入れ時期と在庫回転を誤る小売会社の利益は保証されない。
増資の反復と少数株主の希薄化
2026年7月の9億円の第三者割当だけで、発行済み株数は約2,031万株から約6,531万株へ増えた。10月には発行可能株式総数を2億株にする議案が公表されたが、現時点では発行枠を変える提案であり発行済みではない。追加調達が繰り返されれば、企業全体が再建しても、現在の株主が受け取る利益の割合は著しく低下する。悲観時には資本を投じ続けるより早期撤退の方が株主価値を守る可能性もある。
AI エージェント代替
広告事業は制作・運用・広告媒体の買い付けと開発・保守の人的工数に依存する。AIエージェントが素材生成、配信設定、効果測定、保守作業を担うと、顧客が発注する作業量と1案件当たりの手数料が減る。会社には法規制に基づく記録の正本や低解約率の独自基盤を示す証拠がなく、名目の物価上昇をそのまま単価に転嫁するのは難しい。
化粧品子会社の清算と買収失敗
2026年9月、ヘルスケア戦略の中核とされたアクセルメディカについて解散・特別清算の方針が決まった。事業引継ぎ後も化粧品製造販売業許可の取得が見通せず、棚卸資産の廃棄処分を公表した。今後の買収では支払う対価と追加資金、のれんの減損、管理部門の統合費用を利益から切り離して考える必要がある。
オリパの法的環境と顧客の信用
2026年9月にはオリジナルパック販売をめぐる他社への損害賠償請求訴訟が提起され、会社も関連する問い合わせの増加を認めた。ただしアクセルマーク自体がその訴訟の被告だという事実は確認されておらず、そのようには扱わない。表示、抽選方式、景品の説明責任が厳格化されれば、集客コストと管理費の増加がカードの収益率を下げる。
資金枠の喪失と継続企業の前提
2026年8月の第3四半期開示では継続企業の前提に関する注記が解消されたが、その判断の根拠の一つだった親会社の30億円融資枠は10月22日に未使用のまま解除された。会社は2026年9月期決算で再び注記が必要になる可能性を示している。現状では実際の上場廃止や新しい注記の発生が確定したわけではないが、損失が続けば資金と上場維持に直接影響する。
親会社支配と資本配分の利益相反
コンヴァノが約68.9%の議決権を握り、同社保有株のロックアップも2026年10月に解除された。少数株主は利益配分やM&Aの選択を主導できず、資金調達の時期と条件を親会社の意向に左右されやすい。親会社との事業連携が生み出す利益と、その過程で負担する新株発行・関連当事者取引の費用は、別々に検証すべきである。
今後の分かれ目
- カード事業で2期連続の営業黒字を達成し、在庫の評価損を出さずに営業キャッシュフローも黒字となったら
- 相場の上昇に依存しない粗利益率と在庫回転が確認できるため、中立のカード部門利益率を引き上げる。新株発行を止められるかも同時に確かめる。
- トレカの平均販売単価の下落と月次売上減が2027年も続いたら
- 2026年秋の急落が一過性ではないと判断し、販売件数と平均客単価を下方修正する。やや悲観側の確率を増やし、不採算事業をどの時点で整理するかが株主価値に与える影響を確認する。
- 広告部門がAIによる自動化を収益化し、実際の受注額と成果報酬の利益を開示したら
- 広告の案件数減少をやや緩めて考える。ただし単なるAI導入発表だけでは、AIエージェント代替の数量制約や長期成長率を解除しない。
- 2026年9月期の決算で継続企業の前提に関する注記が再び付いたら
- 存続リスクと追加調達の前提を更新する。上場廃止予定や正式なTOBが決まった場合は、将来事業を予測する分析自体を再検討する。
- 発行済み株式数が1億株、さらに2億株に近づく増資を実施したら
- 払い込み資金による自己資本の増加と、現在の株主の保有比率の低下を別々に計上する。悲観側で想定した追加増資なしの早期事業整理とは異なる資本政策になるため、残余資産の床と既存株主価値の双方を計算し直す。
- 美容・医療領域で許認可済みの事業を取得し、取得対価・営業利益・資金調達条件が公表されたら
- 取得事業の営業利益と本社費用、のれんの償却・減損可能性を織り込み、上側のシナリオの実現性を見直す。時価総額200億円という目標だけでは評価を上げない。
- コンヴァノの持ち株比率が大きく変わるか、事業会社の完全子会社化を伴う公開買付けが正式発表されたら
- 少数株主の資金回収と支配権の帰属を新しい条件で評価する。支配株主の存在だけを現在のTOB成立確率や買付価格の保証とはみなさない。
見ておくもの
- トレカの月次売上・販売数量と平均販売単価、平均買い取り単価、在庫回転
- トレカ部門の四半期営業損益と営業キャッシュフローの符号
- 2026年9月期通期決算の継続企業の前提に関する注記の有無
- 2026年12月株主総会での発行可能株式2億株への変更の採否と実際の新株発行数
- 広告部門の受託案件数・案件単価とAIエージェント代替に対する収益化実績
- 化粧品許認可、アクセルメディカの特別清算、医療提携先との売上と利益
- 親会社コンヴァノの議決権比率と関連当事者取引・資金提供条件
- 赤字事業の整理方針とカード在庫・固定資産の実際の換価額
- 追加増資を実施せずに営業赤字を止められるかどうか
倍率と資本コストの決め方
基準株価と株数は添付の2026年10月22日69円、6,531万3,167株とし、現在の時価総額を約45.07億円と確認した。翌23日の株価やかつての高いPBRを十年後の価値の決定に使っていない。売上をカードの取引件数と客単価、広告の案件数と受託単価、ヘルスケアの販売件数で積み、部門利益からインフレ後の本社費を引いた。黒字時のPERは資本コスト10.25%と長期成長0%による正当化上限、赤字時は換金可能な資産と事業整理の価値に見合うPBRに限る。
悲観2ケースでは、十年間赤字を継続しながら追加増資を繰り返し、その後に2025年の純現金が残ると仮定する矛盾を避けた。早期の事業整理により2036年の営業活動は停止し、追加増資なしで残余資産を守るという条件付きの筋書きへ変更した。やや悲観の企業価値6.25億円と悲観の5.5485億円はいずれも持分係数1.0を適用した後で純現金5.4億円を上回る。PBRは現時点の自己資本8億円を分母に用い、将来の自己資本に倍率を掛けていない。
一方、中立では追加増資が必要で、企業全体の価値9.84億円に既存株主持分70%を掛ける。既存株主帰属の十年後価値は、楽観14.64億円、やや楽観8.5888億円、中立6.888億円、やや悲観6.25億円、悲観5.5485億円の順となる。資本コスト10.25%で十年後の時価総額と途中還元を割り引き、確率で加重すると現在価値は約2.84億円、時価総額との差は約-93.7%となる。現在の株価に値付けを寄せるための調整はしていない。
資本コスト 10.3% = 無リスク金利 3% + β — × 5% + 上乗せ 2.0%。無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%の基本7.5%に、循環+0.5%、価格交渉力+0.5%、純現金-0.25%を加えて8.25%。継続赤字・資金調達依存の苦境への上乗せ2%で10.25%。βや小型株プレミアムは使わない。
同じ業種(情報・通信業)の AI 分析
読んだ資料
- アクセルマーク 2025年9月期決算短信(事業別損益・資産)
- アクセルマーク 2026年9月期第3四半期決算短信(事業別進捗・財務・注記)
- アクセルマーク 2026年10月22日 親会社の30億円融資契約解除と事業環境変化の説明
- アクセルマーク 2026年10月22日 発行可能株式総数の変更案と希薄化リスク
- コンヴァノ 2026年5月29日 株式引受と中期時価総額200億円構想
- 日本玩具協会 2025年度玩具市場規模(カードゲーム・トレーディングカード)
- 電通 2025年日本の広告費
- 矢野経済研究所 2025年度化粧品市場規模
- アクセルマーク 2026年3月7日 cardériaのオリパ商品価格例