結論
ケイブは、子会社でらゲーのゲーム開発・運営と、長寿ゲームの課金収入を柱とする企業である。筆者の結論は「割安」だが、優れた堀を持つからではない。2026年5月期の赤字は大型ゲームの減損によって深まった一方、足元では不採算事業を整理した効果が営業利益に現れ始めた。今の時価総額は約53億円であり、回復した利益が多少細っても株主に残る価値を下回ると考える。
最大の強みは、でらゲーが長年の運営経験を持ち、国内の大型ゲームを支え続けていることだ。ただし、連結売上の54%はMIXI向けで、モンスターストライクという強い知的財産の所有者は発注者側である。業務を継続しても収益配分が変わり、AIで運営業務が省力化されれば、従来の受託費用を守れる保証はない。さらに自社・共同運営ゲームにはヒット依存があり、次の作品に多額を投じた判断も失敗した。
2027年5月期第1四半期には営業利益が約5.6億円へ回復した。ただし純利益には保険解約返戻金が混じり、四半期だけで十年の稼ぐ力を断定できない。帳簿上の純現金にも未払の買収代金が対応しており、株主が自由に受け取れる現金は見かけほど多くない。過去の増資と配当停止も、長期の持ち主には軽くない。
利益回復が一過性に終わらず、過大な開発投資を繰り返さないことが価値実現の条件になる。強気と弱気の幅は非常に大きいが、受託の縮小を中立に織り込み、無配の期間も考慮した将来価値は足元を上回る。安い理由が明確な株であり、安全域は数字の上ではあるが、経営判断への信頼度はまだ低い。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、最初に「十年後も同じ客がお金を払う理由があるか」と問う。ゲームには娯楽という長い需要があるが、個々の作品の寿命は短い。長寿タイトルを支える会社であることと、タイトルの権利を所有していることも別だ。ケイブには実際に遊ばれている作品と継続受注があるものの、MIXIが主力ゲームの価値を握るため、売上の過半を永続的な自社の堀とはみなせない。
株主が受け取る利益を考えるとき、純利益から次の開発投資の負担を忘れてはならない。2026年5月期の特別損失は、利益が積み上がるより早く失われ得ることを示した。過去作品の改良を小さな投資で繰り返し、開発費を計画的に回収できるなら、追加投資の利回りは改善する。反対に大きな新規ゲームを相次いで立ち上げるなら、株主に帰属する利益は会計上の黒字より少ない。
守りの現金も慎重に見る。買収の未払代金を抱えたまま現預金だけを見て買うのは、会社の財布にすでに使い道が決まっている金を数えるのと同じだ。年を追って買収代金を払い、借入を減らしてもなお現金が残るかを見なければならない。配当の再開だけでなく、増資しないで維持できるかが資本配分の試験となる。
それでも今の値段には、再生が普通に進んだときの利益に対する安全域が見える。非常に強い会社を適正価格で持つ投資とは異なり、失敗が多かった会社の回復を安値で引き受ける性格が強い。ここで払える価格は、会社への信頼が回復する前から十分に低い場合に限る。
何で稼ぐ会社か
売上の約92%をゲーム事業が占める。中心にあるのは2022年に傘下へ入れた、でらゲーだ。同社はMIXIの「モンスターストライク」に関する開発・運営に携わり、ゲーム収益の大部分を生み出す。MIXI向け売上は2026年5月期に65.2億円あり、グループ全体の54.3%に当たる。契約ごとの人月単価や収益分配率は開示されていないため、発注者のゲーム売上と同社への支払いを分けて考える必要がある。
ゲーム事業の残りには、でらゲーの「キングダム 乱」や、ケイブの「ゴシックは魔法乙女」「東方幻想エクリプス」などの課金・ライセンス収入が含まれる。スマートフォン上の継続課金は利用者が活動を続ける限り売上になるが、他者の漫画や作品世界を借りるゲームでは、権利許諾や共同事業の条件も収益を左右する。ケイブ独自の「怒首領蜂」などの弾幕シューティング作品には熱心なファンがいるものの、大型スマートフォンゲームほどの売上規模はない。2026年8月には「新約・怒首領蜂大復活」を世界向けに発売し、過去作品を磨き直す方針を示した。
残る約8%は「動画配信関連事業」と報告される。実態は、サクセスプラスによる映像・遊技機関連コンテンツの制作受託とライセンスが中心で、配信プラットフォームを独占しているわけではない。クリエイター支援を手がけていたcapableは事業整理で売却した。収益性は受注する制作案件、稼働人数、外部権利の条件に左右される。
2026年5月期のゲーム事業は110.2億円を売り上げながら営業赤字となった。不採算タイトル「OUTRANKERS」の失敗が開発投資の回収力を疑わせたが、撤退で固定費が軽くなり、翌期第1四半期は黒字へ転じた。経済的には、発注を受ける制作・運営と、利用者に直接支持されるゲーム課金という性格の違う二つの収益源が同居している会社である。
優良さと弱いところ
長く守れる強みは、ゲームの運営ノウハウと、一部作品に残るファンの愛着だ。モンスターストライクのような大規模サービスでは、イベントを継続し、不具合を防ぎ、利用者の課金行動を理解する経験が効く。MIXIから毎期大きな発注を受けている事実は、運営組織への一定の信任を示す。ただし独占契約や更新年限、値上げの継続実績は確認できず、仕事を変えられないほどの切替費用があるとは断定できない。
自社ゲームでも、11年続く「ゴシックは魔法乙女」や弾幕作品の独自性は価値がある。売り切り作品を再編集して海外へ届ける仕組みは、原作を新たに作るより少ない投資で回収できる可能性がある。しかし市場全体を動かす大衆的なIPと、狭く熱いファンに愛されるIPは違う。ゲーム事業の中でMIXIの売上が半分を超える事実は、ブランドの堀を会社全体に広げて評価できない理由になる。
資本効率は極端に不安定だ。2024年5月期には営業利益が18億円を超えたが、2026年5月期は赤字に転落した。利益を再投資するたびに資本コストを超えてきたとは言えず、2026年の大型減損は増分投資収益率の悪さを示した。2027年5月期の営業黒字への復帰は前進だが、再投資の腕前を証明するには数年のキャッシュ創出を要する。
財務にも長所と罠がある。預金が多く金融負債だけを引けば純現金だが、でらゲー買収代金の長期未払金が残る。新株予約権は自己資本と別枠で純資産に含まれ、株主の持分を厚く見せてはならない。安定配当の実績も乏しいため、質の高さではなく、利益回復と買収代金の支払いが両立するかで評価すべき企業だ。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
世界のゲームコンテンツ市場は2024年に約31兆円に達し、その過半はモバイルである。国内のゲーム人口は約5,475万人で、そのうちモバイル利用者は4,278万人と前年から減った。円建て市場が成長しても、日本で遊ぶ人数が十年にわたり大きく増えるとは考えにくい。物価上昇は課金単価の名目額を押し上げ得る一方、家計の実質購買力と遊ぶ時間の奪い合いは一段と厳しくなる。
競合はMIXIの「モンスターストライク」、ポケモン社などの「Pokémon Trading Card Game Pocket」、Cygamesの「ウマ娘」、HoYoverseの「原神」、Tencent系の世界向け作品まで幅広い。プレイヤーの時間と課金は上位タイトルに集まり、新規参入者には集客費と継続運営費が重くのしかかる。MIXIの2026年3月期デジタルエンターテインメント売上は約839億円で、同社はモンスターストライクの月間利用者減少を認めている。発注先のケイブには、この市場の成熟が受託案件の規模と採算の両方を通じて伝わる。
ケイブの連結売上120億円は、日本のゲーム市場約2.6兆円と比べれば小さい。ただし発注者MIXIの売上を受託先ケイブでも計上するため、両者を単純に足した額を市場シェアとして扱えない。自社・共同運営作品の市場での利用者数や課金単価は非開示であり、市場全体の人数を使う推定の不確実性は高い。十年後のシェアを高めるには、作品の長寿化だけでなく、新たなファン層を取り込む実証が要る。
制作受託には別の構造変化が来る。生成AIや自律型のAIエージェントは、素材制作、翻訳、検証、広告制作、定型運営の工数を減らし、発注者が人手の料金を払い続ける動機を弱める。ゲームの面白さやファン同士の交流はソフトの操作を自動化してもなくならないが、周辺の作業単価を守る力は乏しい。景品表示法、未成年者課金保護、個人情報と著作権、Apple・Googleの課金手数料の変更も十年の収益分配を動かす。
資本政策と M&A
経営の資本配分は、買収で大きな事業を得た一方、開発投資の損失で株主資本を傷つけてきた。2022年の、でらゲー取得で売上規模は一変したが、取得代金の分割払いが今も負債として残る。2023年5月期の純利益には取得時の一過性の利益が含まれ、持続的な稼ぐ力と取り違えてはならない。その後のサクセスプラス取得とcapable売却は、事業を選び直す動きである。
2026年5月期には「OUTRANKERS」などで約28億円の特別損失を出し、不採算の製作委員会も整理した。2026年4月には第三者割当増資を行っており、過去にも複数回の株数増加がある。利益を配当しながら少しずつ株数を減らす会社とは、株主の受け取る結果が違う。長期保有者にとって、再び増資を必要としない利益と資金繰りこそ最優先の監視対象だ。
会社は2027年5月期に売上105億円、営業利益14.5億円、純利益12億円を計画し、さらに2年以内の営業利益20億円超を短期目標に掲げる。ただし継続的な配当性向、DOE、総還元性向、ROEの数値目標、自社株買い額については数字の約束なしである。2026年5月期は無配、2027年5月期も無配予想だ。代わりに長期保有者向けのQUOカードと抽選グッズの優待があり、株主数から年間約0.04億円の費用を仮定し十年の還元に含めた。
純現金35.4億円の裏には長期未払金22.0億円があり、運転費用や契約負債の余力も必要となる。したがって事業価値へ巨額の余剰現金を二重に足さない。将来積み上がる現金の株主への戻り方は、かつて配当したが現在無配で自社株買いの継続実績もないことから慎重にみる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
不採算タイトルの撤退は一回限りの会計処理ではなく、事業の固定費を減らす転機になっている。2026年5月期第4四半期から営業黒字に転じ、2027年5月期第1四半期には営業利益が約5.6億円へ伸びた。売上の伸びが小さい中で利益が回復している事実は、従来は稼ぎを食いつぶしていた開発費と販管費を抑えられたことを示す。会社が掲げる営業利益20億円超の短期目標は、ゲームが一つ爆発的に売れるだけでなく、既存タイトルの利益を守ることで近づける余地がある。
でらゲーの運営力は、数字で証明された取引継続の歴史を持つ。MIXIはモンスターストライクを今なお重要な収益源と位置付け、長く遊び続けるファンがいる。新作の売上が減る年でも、運営の品質を高め、年間イベントやコラボを実施するための専門組織は必要だ。契約条件は不明だが、受託費の減少を効率化で補えば利益率は上がる。大型案件を獲得できれば、受託収入の下降も止められる。
自社・共同運営タイトルでは、過去の作品をSteamへ移植して海外販売する方針が有効に働く可能性がある。「怒首領蜂」のように国内では小さくても海外に熱心なファンがいる作品は、翻訳や移植にかかる費用が下がるほど採算が改善する。新規の投資を著しく小さくできれば、複数の小ヒットが利益を積み上げる。でらゲー以外の収益源を増やせれば顧客集中も下がり、余った現金の回収を待つ必要なく事業が株主価値を生む。
財務も見た目ほど絶望的ではない。借入金と買収の未払金は大きいが、現在の現預金で順次支払える規模であり、2027年5月期第1四半期には自己資本が回復した。利益と営業キャッシュフローが安定すれば、資金調達に伴う希薄化を止め、復配を検討できる。事業の再生が続いた場合の将来価値は、今の小さな時価総額と大きく離れる。
慎重な見方
最大の顧客はゲームの知的財産を握るMIXIであり、発注先のケイブではない。モンスターストライクの月間利用者数が減り、MIXIのゲーム関連売上も減少している。発注者は今後十年で自社の人員配置、外注先、運営予算、制作手法を変えられる。ケイブに年間65億円規模の取引が今もあることは、今後も同じ配分を受け取れる証拠にはならない。売上の半分超を一社に依存する会社では、契約の見直しが実質的な値下げと同じ効果を持つ。
生成AIとAIエージェントは、翻訳、素材制作、広告運用、テスト、イベントの定型管理を安くする。ゲーム自体は人が遊ぶが、その運営の中で人月や工数に相当する仕事の値段は下がり得る。新たな発注を得ても、顧客が成果物にだけお金を払い、必要な人数が少なくなれば売上が縮む。サクセスプラスの制作受託も同じ圧力を受ける。会社がAIによるコスト削減を掲げることは、外部に売れるAI事業を確立したことを意味しない。
自社IPの力も過大評価できない。「怒首領蜂」には強いファンがいるが、国内の大型ゲームの課金市場で任天堂、ポケモン、Cygames、海外の有力企業と対等に戦えるかは別問題である。既存作品が長寿でも、新たな作品のヒット率と開発投資の回収率は変動する。2026年の「OUTRANKERS」の大型減損は、この弱さを多額の損失として見せた。今後も収益を上げようと投資すれば、資金を失う可能性がある。
買収で事業を拡大しても、代金の支払いが済むまで自由に使える現金は限られる。2026年には第三者割当増資も実施された。買収代金を払いながら新作に投資し、配当を出せずに株数を増やす道が続けば、会社の利益が回復しても既存株主の取り分は薄まる。新株予約権の行使条件も将来の希薄化余地として確認が要る。
どちらに重みを置いたか
事業の再生を示す最新の営業利益は無視できず、強気の見方が短期の損益について一歩リードする。ただし長期の所有者にとっては、MIXIへの売上集中と利益を毀損した開発投資の実績が強い反論になる。中立では受託数量を十年で35%減らし、自己運営ゲームの利用者も伸び悩むと見た。確率は楽観側28%、中立37%、悲観側35%で、左右対称にせず下振れをやや厚くした。悲観的な結果を織り込んでも割安という結論だが、契約の消滅や新たな大規模増資が現実となれば価値の再計算が必要である。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/05 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 2,538 円157 億円(+ 還元の換算額還元の合計 455 円28 億円)。 今の値に割り戻すと 1,437 円89 億円、今との差 +79.9%、 期待の年率 +15.9%(資本コスト 8.4%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 8,075 円498 億円 | 1,465 円90 億円 | +1,093.9% | +33.4% | 763 円47 億円 |
| やや楽観 | 20% | 4,402 円272 億円 | 865 円53 億円 | +559.2% | +24.2% | 1,053 円65 億円 |
| 中立 | 37% | 2,401 円148 億円 | 363 円22 億円 | +245.9% | +14.6% | 1,023 円63 億円 |
| やや悲観 | 22% | 518 円32 億円 | 136 円8 億円 | −18.2% | −2.2% | 144 円9 億円 |
| 悲観 | 13% | 75 円5 億円 | 5 円0 億円 | −90.1% | −21.0% | 10 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,538 円157 億円 | 455 円28 億円 | +274.6% | +15.9% | 2,993 円185 億円 |
今の株価時価総額 799 円49 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 海外再展開と運営効率の改善が重なる 利益 35 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 8,075 円498 億円
でらゲーはMIXIとの信頼を維持し、モンスターストライクのイベント運営に加えて複数の受託案件を獲得する。委託する仕事の量は大きく減らず、AIを使う人と使われる人の役割を作り直して、業務品質と価格を両立させる。MIXIの利用者減少が安定に転じ、受託範囲を広げることが前提になる。
自社と共同運営のゲームでは、「キングダム 乱」のような既存課金作品が寿命を延ばす。さらに「怒首領蜂」の再編集や海外向け発売の成果が積み上がり、新たなゲームの開発費を小さく抑えながら複数の小ヒットを育てる。熱心なファンだけでなく、PCや海外の利用者を取り込むことで、利用者活動量は現在の倍を超える。大手競合と正面から広告費を競うより、既存の権利を活用する戦い方が定着する。
サクセスプラスは受託制作を維持しつつライセンス収入を増やし、投資した資本の回収率も改善する。利益の一部を新規IPに使う一方、巨額の作品減損と増資を繰り返さない規律が定着する。M&Aは大型買収より小規模な権利取得に限られ、返済を進めた後には自社株買いと復配が再開する。2036年の営業利益率は約19%に達し、高い利益を稼ぐ力が続く筋書きだ。
- MIXI向けゲーム開発・運営:数量 839(MIXIのデジタル娯楽事業の2026年実質売上(億円、受託対象ゲームの活動量の代理指標))× 価格 0.10(発注者の実質売上1億円当たりの当社への販売高(億円、契約単価でなく観測上の比率))→ 売上 87 億円・営業利益 15 億円。受託・運営案件数量と価格条件、AIエージェント代替の型
- 自社・共同運営ゲームとライセンス:数量 565(推定延べ月間アクティブユーザー(万人・月))× 価格 0.26(月間1万人の活動量当たり当社売上(億円、実際の一人一月ARPUに換算できる))→ 売上 149 億円・営業利益 36 億円。推定活動人数と1人月当たりゲーム課金・ライセンス
- 映像・遊技機関連の制作受託とライセンス:数量 475(年間の制作稼働人月(人月、期末49人の稼働率から推定))× 価格 0.03(制作1人月当たりの売上(億円、版権収入も平均化))→ 売上 12 億円・営業利益 1 億円。制作稼働人月と名目単価、AIエージェント代替の型
倍率:資本コスト8.25%、長期名目成長g=0%のため、投下した追加資本の収益力が希薄化する正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=12.1212倍。弱い堀とAI代替をg_longに入れ、kや倍率へ二重控除しない。売上は数量×名目価格から独立に算出。
確率:上振れには既存大型案件の維持、海外作品の成功、投資失敗の抑制が同時に必要であり、確率は低めにする。
やや楽観 20% 既存主力を守り、海外と版権を育てる 利益 18 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 4,402 円272 億円
MIXIのモンスターストライクは国内で利用者を少しずつ減らすが、長寿ゲームとしての課金収入を残す。でらゲーは運営品質を維持し、他案件の追加によって受託数量の減少を緩やかにできる。AIによる定型業務の省力化で売上単価の伸びは物価をやや下回るが、作業に要る費用も抑えられる。
自社・共同運営では「キングダム 乱」の更新と、ケイブの弾幕シューティングの再展開が一定の成果を挙げる。海外Steam市場から得る新しい利用者が国内の人口減少を補い、利用者活動量は増加する。新作がすべて成功するわけではないが、撤退を早く判断して大きな損失を出さなくなる。ライセンス収入も受託の工数減少を一部埋める。
サクセスプラスは制作単価への値下げ圧力を受けながら、海外の権利利用料を少しずつ育てる。次の大きな買収ではなく、少額の作品投資を基本とし、借入と長期未払金を整理して財務を軽くする。増資のない黒字期が続けば配当を再開できる。大手のIPに比べれば交渉力は弱いままだが、営業利益の積み上げが株主価値を支える十年となる。
- MIXI向けゲーム開発・運営:数量 713(MIXIのデジタル娯楽事業の2026年実質売上(億円、受託対象ゲームの活動量の代理指標))× 価格 0.10(発注者の実質売上1億円当たりの当社への販売高(億円、契約単価でなく観測上の比率))→ 売上 72 億円・営業利益 12 億円。受託・運営案件数量と価格条件、AIエージェント代替の型
- 自社・共同運営ゲームとライセンス:数量 372(推定延べ月間アクティブユーザー(万人・月))× 価格 0.24(月間1万人の活動量当たり当社売上(億円、実際の一人一月ARPUに換算できる))→ 売上 88 億円・営業利益 17 億円。推定活動人数と1人月当たりゲーム課金・ライセンス
- 映像・遊技機関連の制作受託とライセンス:数量 400(年間の制作稼働人月(人月、期末49人の稼働率から推定))× 価格 0.02(制作1人月当たりの売上(億円、版権収入も平均化))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。制作稼働人月と名目単価、AIエージェント代替の型
倍率:資本コスト8.25%、長期名目成長g=0%のため、投下した追加資本の収益力が希薄化する正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=12.1212倍。弱い堀とAI代替をg_longに入れ、kや倍率へ二重控除しない。売上は数量×名目価格から独立に算出。
確率:費用削減に実績があり、既存作品の海外販路にも機会があるが、MIXIとの契約を十年間守る必要がある。
中立 37% 委託の実質縮小を自主運営で補う 利益 9 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,401 円148 億円
モンスターストライクはなお利益を生む長寿タイトルだが、MIXIが認めた利用者減少は止まりきらない。でらゲーは運営を請け負い続けても、発注予算の見直しやAIによるテスト・制作・告知の省力化によって、案件量が減る。契約単価の上昇は物価に届かず、2026年時点の売上規模には戻らない。別の大手ゲーム受託を取る可能性はあるが、中立にはそれを織り込まない。
自社・共同運営タイトルも競争が厳しく、国内利用者を大きく増やすことはできない。「キングダム 乱」は一定の固定ファンを保ち、「ゴシックは魔法乙女」や旧作移植も限定的な利益を残す。小さな作品への再投資で顧客基盤をつなぎ、2026年のような巨額減損は繰り返さない。価格は名目で緩やかに上がっても、無料コンテンツとの競争で物価上昇を全面転嫁できない。
サクセスプラスでは案件制作がAI化され、実際に必要な人月は約三分の二へ減る。ライセンス料の収入が一部を補い、営業黒字を守る。会社は長期未払金を返済し、キャッシュを積み上げるが、自己株買いと配当には慎重で還元は利益の一部にとどまる。2036年の営業利益率は約11%で、優良企業というより、採算を立て直した小規模ゲーム会社になる。
- MIXI向けゲーム開発・運営:数量 545(MIXIのデジタル娯楽事業の2026年実質売上(億円、受託対象ゲームの活動量の代理指標))× 価格 0.09(発注者の実質売上1億円当たりの当社への販売高(億円、契約単価でなく観測上の比率))→ 売上 51 億円・営業利益 7 億円。受託・運営案件数量と価格条件、AIエージェント代替の型
- 自社・共同運営ゲームとライセンス:数量 231(推定延べ月間アクティブユーザー(万人・月))× 価格 0.22(月間1万人の活動量当たり当社売上(億円、実際の一人一月ARPUに換算できる))→ 売上 51 億円・営業利益 8 億円。推定活動人数と1人月当たりゲーム課金・ライセンス
- 映像・遊技機関連の制作受託とライセンス:数量 325(年間の制作稼働人月(人月、期末49人の稼働率から推定))× 価格 0.02(制作1人月当たりの売上(億円、版権収入も平均化))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。制作稼働人月と名目単価、AIエージェント代替の型
倍率:資本コスト8.25%、長期名目成長g=0%のため、投下した追加資本の収益力が希薄化する正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=12.1212倍。弱い堀とAI代替をg_longに入れ、kや倍率へ二重控除しない。売上は数量×名目価格から独立に算出。
確率:2027年の黒字回復は裏付けを持つが、10年後も同じ条件で受託売上を確保できる証拠がない。AI代替と国内ユーザーの成熟を中立にも織り込む。
やや悲観 22% 主力契約が縮み、利益はぎりぎり残る 利益 1 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 518 円32 億円
MIXIはモンスターストライクの利用者減少に合わせ、開発予算と外注業務を大きく見直す。でらゲーは受託先として残るものの、従来の仕事の半分を超える量を失う。生成AIで制作工程が自動化される分を新規の発注で埋められず、値上げ交渉も難しい。案件数が減る一方、技術者を一定人数抱える必要があり、営業利益率は下がる。
自社・共同運営ゲームでは新作に目立つヒットが生まれず、「キングダム 乱」など既存作品の課金もゆっくり減る。弾幕シューティングの復刻は既存ファンには売れても市場を広げるほどではない。AppleやGoogleの決済条件の変更や広告費負担も重くなり、課金単価の名目上昇は小さい。外部版権作品への依存が強いまま、更新時の条件変更を受け入れる。
サクセスプラスは受託制作の人月をさらに減らし、ライセンス収入も小規模にとどまる。事業全体は縮小するが、不採算タイトルを早く閉じるため、わずかな営業黒字だけは残す。買収代金と借入金の支払いで配当余力は乏しく、過去の株主還元実績ほどの復配は期待できない。買収未払金22.02億円の支払い、契約履行0.81億円、受託縮小に伴う整理や開発の資金流出3.0億円で、現在の純現金35.44億円は約9.6億円まで減る。時価総額は残る稼ぐ力を基本に評価し、現金も直ちに株主へ全額返るとは限らない。
- MIXI向けゲーム開発・運営:数量 294(MIXIのデジタル娯楽事業の2026年実質売上(億円、受託対象ゲームの活動量の代理指標))× 価格 0.08(発注者の実質売上1億円当たりの当社への販売高(億円、契約単価でなく観測上の比率))→ 売上 25 億円・営業利益 2 億円。受託・運営案件数量と価格条件、AIエージェント代替の型
- 自社・共同運営ゲームとライセンス:数量 154(推定延べ月間アクティブユーザー(万人・月))× 価格 0.20(月間1万人の活動量当たり当社売上(億円、実際の一人一月ARPUに換算できる))→ 売上 31 億円・営業利益 2 億円。推定活動人数と1人月当たりゲーム課金・ライセンス
- 映像・遊技機関連の制作受託とライセンス:数量 225(年間の制作稼働人月(人月、期末49人の稼働率から推定))× 価格 0.02(制作1人月当たりの売上(億円、版権収入も平均化))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。制作稼働人月と名目単価、AIエージェント代替の型
倍率:資本コスト8.25%、長期名目成長g=0%のため、投下した追加資本の収益力が希薄化する正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=12.1212倍。長期成長と稼ぐ力を認めず、純利益をkで割る小さな収益価値とする。売上は数量×名目価格から独立に算出。
確率:下に寄せる理由:売上の54.3%がMIXI一社に依存し、同社の主要ゲーム利用者は減少している。受託数量と自社ゲーム利用者の同時減少を現実的な下振れとした。
悲観 13% MIXIの受託縮小と新規作品の失敗 利益 −4 億円 · PBR 0.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 75 円5 億円
MIXIはモンスターストライクの規模縮小と事業再編を進め、開発と定型運営を内製化または別の委託先へ移す。でらゲーは品質面で深刻な問題を起こさなくても、発注者の予算の配分から外される。AIエージェントで制作・検証・広告運用の工程が短縮され、従来の受託単価を維持できない。大口顧客との交渉力を回復させる新規案件も見つからない。
自社・共同運営では「キングダム 乱」が終盤を迎え、既存のスマートフォン作品も利用者が大きく減る。新作ゲームに賭けた投資は回収されず、小規模でも再び減損と撤退費用が発生する。シューティングの復刻や海外配信は熱心なファンに支えられるが、販管費や開発者の固定費を賄えない。サクセスプラスも低価格の制作受託に追い込まれ、ライセンスは十分育たない。
事業は2036年に営業赤字となり、配当や自社株買いを止める。早期に得た利益は後年の赤字と事業整理の支出で失われ、自己資本は現在と同程度にとどまる。買収未払金22.02億円の決済と契約履行0.81億円のほか、赤字・撤退・再開発で十年累計8.0億円の現金を燃やす。現在の純現金35.44億円から約4.6億円が残り、その売却可能資産が、ようやく評価の下支えになる。これは清算がすぐできるという楽観ではなく、受託を失った場合の回収可能額に限定した弱い床である。
- MIXI向けゲーム開発・運営:数量 83.9(MIXIのデジタル娯楽事業の2026年実質売上(億円、受託対象ゲームの活動量の代理指標))× 価格 0.07(発注者の実質売上1億円当たりの当社への販売高(億円、契約単価でなく観測上の比率))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。受託・運営案件数量と価格条件、AIエージェント代替の型
- 自社・共同運営ゲームとライセンス:数量 64.2(推定延べ月間アクティブユーザー(万人・月))× 価格 0.17(月間1万人の活動量当たり当社売上(億円、実際の一人一月ARPUに換算できる))→ 売上 11 億円・営業利益 −2 億円。推定活動人数と1人月当たりゲーム課金・ライセンス
- 映像・遊技機関連の制作受託とライセンス:数量 125(年間の制作稼働人月(人月、期末49人の稼働率から推定))× 価格 0.02(制作1人月当たりの売上(億円、版権収入も平均化))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。制作稼働人月と名目単価、AIエージェント代替の型
倍率:2036年は営業赤字3.862億円、純損失4.3億円で収益還元価値をゼロ以下とする。実績純現金35.44億円から、買収未払金の現金決済22.02億円・契約履行0.81億円・十年累計の事業キャッシュバーン8.0億円を差し引いた4.61億円が実際に残る売却可能資産である。時価総額はこの税後床を端数切捨てした4.6億円とし、現在の自己資本25.6億円を分母にPBR0.1796875倍とする。過去PBR、十年後に仮定した資本を床に使わない。
確率:下に寄せる理由:2026年の大型減損と過去の繰り返す赤字が示すとおり、新作の失敗と受託の喪失が重なる確率を無視できない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
MIXI向けゲーム開発・運営
でらゲーの主力顧客MIXIからのゲーム開発・運営に関する収益。ゲームIP自体はMIXIに帰属し、発注者の予算・契約条件に左右される。
| 数量MIXIのデジタル娯楽事業の2026年実質売上(億円、受託対象ゲームの活動量の代理指標) | 価格発注者の実質売上1億円当たりの当社への販売高(億円、契約単価でなく観測上の比率) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/05 | 839 | 0.08 | 65 | 9 |
| 10 年後 中立 | 545 | 0.09 | 51 | 7 |
取り方:2026/05期ケイブ有報の対MIXI販売高6,518,017千円=65.18017億円、MIXIの2026/03期デジタルエンターテインメント部門売上83,889百万円=838.89億円から数量×価格を構成した。決算期差2か月とモンスト以外の同事業売上があり、比率7.77%は実際の委託料率ではない。契約別の稼働工数と収益分配率は非開示であるため、発注者の事業量を市場×受託シェアの代理量とした。業態はゲーム運用・制作の受託であり人月・工数型のAIエージェント代替に近いとして、中立の実質数量を10年0.65倍、単価を1.20倍(CPI1.34倍未満)とした。現在の営業利益9億円はセグメント内訳の非開示を補う推定である。
自社・共同運営ゲームとライセンス
でらゲーのキングダム乱、ケイブのゴシックは魔法乙女・東方幻想エクリプス、旧作移植や版権料などのユーザー課金・ライセンス。
| 数量推定延べ月間アクティブユーザー(万人・月) | 価格月間1万人の活動量当たり当社売上(億円、実際の一人一月ARPUに換算できる) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/05 | 257 | 0.18 | 45 | −15 |
| 10 年後 中立 | 231 | 0.22 | 51 | 8 |
取り方:2026/05期ゲームセグメント売上110.21087億円からMIXI向け65.18017億円を控除し45.03070億円。アプリ別売上・MAUは非開示。CESA発表の2024年国内モバイル利用人口4278万人の0.5%=21.39万人を重複排除した推定月間利用者とし、12か月で256.68万人・月、45.03070億円÷256.68=0.17543億円/万人・月(約1754円/人月)と組み立てた。0.5%のリーチは開示済みの会社シェアではなく保守的な分析仮定であり、海外・PCの売上も含むため誤差は大きい。この部門は人月課金SaaSではなく、ゲームを実際に遊ぶ人への課金と版権であるためAIエージェントの直接代替型には当たらない。ただし制作物供給過剰と集客費の増加を数量・単価・利益率に反映した。営業利益▲15.26億円はMIXI向け推定との残額であり会社開示の内訳ではない。
映像・遊技機関連の制作受託とライセンス
サクセスプラスによる映像・遊技機等の素材、受託コンテンツ制作と海外向けライセンス。旧capableの配信者マネジメントは売却済み。
| 数量年間の制作稼働人月(人月、期末49人の稼働率から推定) | 価格制作1人月当たりの売上(億円、版権収入も平均化) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/05 | 500 | 0.02 | 10 | 0 |
| 10 年後 中立 | 325 | 0.02 | 7 | 0 |
取り方:2026/05期の動画配信関連事業売上981,860千円=9.81860億円を使用。同セグメント従業員49人×12か月×稼働率約85%=約500人月と仮定し、一人月0.01964億円(196万円)を推計。成果報酬やライセンス分も含むため純粋な人月単価ではなく制作能力の近似であり、顧客・単価は未開示。AIエージェント代替の対象である人月・工数型の制作・広告支援と判定し、中立の制作数量を10年0.65倍、単価を1.16倍、長期のgは0%に抑える。
リスクと懸念
MIXIへの売上集中と契約更新
2026年5月期売上の54.3%はMIXI向けである。モンスターストライクの利用者が減少するなか、発注者が予算、業務範囲、外注先、収益配分を見直せば、運営品質に問題がなくても売上を失う。MIXIがIPを所有しており、ケイブが利用者を直接囲い込めないことが最も重い構造リスクである。
AIエージェント代替による受託費の減少
MIXI向け運営とサクセスプラスの受託制作には、人月・工数に近い仕事が含まれる。生成AIとAIエージェントが素材、翻訳、検証、告知などを省力化し、発注者の外注予算を縮める。契約別単価や成果報酬の開示がないため、委託料を守る堀は確認できず、中立の数量縮小と長期成長率0%に反映した。
新作開発の失敗と減損の再発
「OUTRANKERS」関連の撤退を中心に2026年5月期は巨額の特別損失を計上した。次のゲームで同規模の先行投資を繰り返せば、四半期の営業利益が黒字でも長期的なオーナー利益は残らない。リファイン戦略の実績と、案件ごとの開発費上限を確かめる必要がある。
純現金と買収未払金の見誤り
現預金52.6億円に対して金融負債約17.2億円と買収関連の長期未払金約22億円が存在する。普通の純現金計算だけでは後者が引かれず、余剰現金が過大に見える。支払期日までに営業キャッシュフローが悪化すると、現金の取り崩し、借入の更新、株式発行につながる。
株式の希薄化と株主への還元不足
2026年4月にも第三者割当増資があり、過去十年に何度も株数が増えている。2027年5月期も無配の予定であり、将来の黒字が既存株主へ必ず返る制度的な約束はない。残る新株予約権の行使条件と払込額も確認事項で、発行株数が増えれば現在の株主の取り分は薄まる。
規制・プラットフォーム・権利元との関係
AppleとGoogleの決済ルール、未成年者の課金保護、著作権と生成AIの利用許諾が変われば、ゲームの実質手取りや制作費が動く。「キングダム 乱」のような他者IPを利用する作品は、更新料や契約継続も不確実だ。版権を持つ顧客と、サービスを運営する会社の利益配分が長期で固定されるとは限らない。
短期的な営業利益回復の持続性
2027年5月期第1四半期の営業黒字は実績だが、純利益の一部には保険解約返戻金が含まれる。四半期の稼ぐ力を単純に四倍し、十年間の利益として扱うのは危険である。決済手数料の低下と販管費削減が翌期も再現し、営業キャッシュフローに転じるかが本当の検証点になる。
今後の分かれ目
- MIXI向け売上の前年同期比減少率が2年連続で10%を超えたら
- 受託数量の中立前提0.65倍でも甘い可能性が高まる。やや悲観・悲観の確率を引き上げ、顧客集中の解消が見えるまで長期の適正価値を下げる。
- 2027年5月期の営業利益14.5億円と、その後の20億円超という目標を営業キャッシュフローでも裏付けたら
- 不採算撤退が利益の質を変えたと認められる。中立の事業利益と復配可能性を引き上げ、将来の還元額を再評価する。
- 「新約・怒首領蜂大復活」や海外展開の売上、利用者数、投資回収額が定量開示されたら
- 自社IPの販売単価と利用者の増加を検証できる。ゲーム課金側の中立数量を再計算し、MIXI依存の低下が実際に進んだか判定する。
- 買収代金の長期未払金が返済され、金融負債も減るのに増資が再発しなかったら
- 今は事業に縛られた現金の一部を余剰資産へ移せる。株主還元の実績が伴えば、現金の戻り方を0.75から1.0へ引き上げてよい。
- 再び10億円を超える新規ゲームの減損や撤退損が発生したら
- 投資回収規律の改善を撤回し、増分ROICが資本コストを下回ると評価する。強気の筋書きの重みを削り、普通の利益年を中立に使わない。
- ゲーム受託やコンテンツ制作の委託契約が、人数課金から成果報酬へ移った額を会社が開示したら
- AIエージェント代替を吸収できる事業の割合を見直す。単にAIの利用を開始しただけでは数量を上方修正せず、外部販売や受注額の増加を条件とする。
- 発行済株式の増加または新株予約権の大量行使で既存株主の比率が薄まったら
- 利益と純資産の予測を会社全体の値として保ったまま、既存株主の取り分を希薄化後株数に応じて下げる。払込資金を過大な純利益として二重計上しない。
見ておくもの
- 四半期のMIXI向け販売高、MIXIのモンスターストライク月間利用者とデジタル娯楽事業売上
- ゲーム事業の作品別売上・月間利用者・1人月当たり課金額の自主開示
- ゲーム・映像制作の契約形態とAIエージェント導入後の受託数量・単価
- 連結営業利益と営業キャッシュフロー、保険返戻金など一過性利益の切り分け
- でらゲー買収の長期未払金、借入残高、2027年度以降の返済予定
- 自社・共同運営IPのSteam海外販売数と新作開発費・減損の有無
- 新株予約権の残数・条件、第三者割当増資、自社株買い、配当・QUOカード優待の変化
- Apple・Googleの決済手数料、未成年課金規制と著作権・AIコンテンツ規制
倍率と資本コストの決め方
数量と単価は2026年5月期のセグメント別実績、MIXIへの販売実績、CESAのプレイヤー人口、制作受託部門の従業員数から独立に組み立てた。現時点の市場PERや同業の倍率から将来価値を逆算していない。十年より先の成長率は受託のAI代替とIPの陳腐化を見込み名目0%とし、資本コスト8.25%から正当化PERの上限は約12.12倍となる。弱い堀はこの成長の仮定と確率に反映し、kの寿命項目には再加算しなかった。悲観のPBRは現在の自己資本25.6億円に掛け、10年で積み上がる自己資本には掛けていない。自己株数は添付にある67,500株ではなく、2027年5月期第1四半期の連結自己株式667,597株を採用した。したがって発行済6,838,500株から引いた流通対象617万903株を基礎とし、時価総額は約52.95億円に修正した。新リース基準による表示変更は利益価値に加算せず、賃貸事務所の固定支払約束を運転資金の制約とした。検査上の純現金35.44億円を悲観の床と取り違えず、未払買収代金22.02億円、契約履行0.81億円、将来の現金流出3.0億円(やや悲観)/8.0億円(悲観)を各floor_assets_whyで明記した。
資本コスト 8.4% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。10年国債3%、株式リスクプレミアム4.5%、事業品質の上乗せ0.75%。個別のM&A、顧客集中、将来希薄化は筋書きと確率で捉え、追加の資本コストには重複して入れない。