結論
フラーは大手企業のスマートフォンアプリを企画から運用まで支える受託開発会社である。長期保有の観点で現在の評価は「やや割高」と見る。顧客との伴走力やアプリ利用データという資産は評価できるが、売上の約95%は人の仕事量を売る仕組みに依存し、AIエージェントの普及がその請求単位を変えてしまうためだ。2036年の確率加重価値を現在価値に直すと約11.2億円で、基準日の時価総額約15.3億円に約27%届かない。
会社の弱さを一言で決めつけるべきではない。東急の「common」、長岡花火公式アプリ、中日新聞社の「Lorcle」といった継続案件は、納品して終わらず顧客の事業に入り込む能力を示している。2027年6月期には大型受注による回復計画もある。しかし、2026年6月期は売上が約20億円で横ばいのまま営業利益が約7割減り、人員先行投資が利益を圧迫した。採用人数より顧客に提供する成果の価値が大切になる時代に、この稼ぎ方が持続するかはまだ証明されていない。
財務は見かけ以上に重要な安全弁だ。期末の現金・預金約12.9億円には現金同等物から除かれた定期預金5億円が含まれ、借入金を引いた純現金は約9.58億円に達する。これは今の時価総額の6割強だが、創業以来無配で、保有する現金がいつ株主へ戻るかは未定である。2031年6月期以降に適用されるグロース市場の時価総額100億円基準も、利益とは別の重大な分岐点になる。現在、上場廃止が決まっているわけではないが、将来の市場変更や再編まで視野に入れて価値を見ておきたい。
バリュー投資の観点から
長期株主の問いは、アプリの存続よりフラーが受け取る利益の割合だ。企業が人の暮らしに届けるサービスはなくならないが、サービスの画面設計やコード生成には新しい代替手段が現れる。発注先の名前が残ることと、人月で稼ぐ商売の経済性が残ることは別だ。フラーには完成後も改善を続ける顧客との関係がある。しかし、現在の開示だけで十年先まで高い価格を維持できる独占的な強みと認めるのは早い。
株主に帰属する利益を考えると、営業利益から本当に必要な採用費、追加開発、運転資金を差し引く必要がある。2026年6月期には現金を伴わない税効果と補助金が最終利益を押し上げた一方、営業キャッシュフローは流出だった。帳簿上のROEより、顧客の売上を増やす案件を重ねたときに営業利益と現金がどれだけ増えるかを確かめたい。単なる人員増はそれ自体では資本コストを上回る再投資にならない。
純現金約9.58億円は、失敗しても次の仕事を探す時間を会社に与える。ただし現金の多くが投資家の手に戻らず、価値の低い成長投資に消えれば、安全域にはならない。還元額を明示しない現状では、少数株主が満額を受け取れるとは限らない。大企業と直接仕事をする実績は評価できる。AIエージェントの導入を請求工数の縮小で終わらせず、成果物や運用の継続価値に応じた契約へ変えられれば、再評価する理由になる。
上場後の高値からの下落は本質価値の保証にならない。悲観時の手元資産と、通常時に残る利益を分けて測る。現在は将来の企業再編まで読めないため、現金を持つという安心だけでは十分な安全域に達していない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は、顧客が作りたいデジタルサービスの構想を実際に使えるアプリへ仕上げる仕事だ。会社はデジタルパートナー事業という単一の報告セグメントを採用するが、収益源としてはクライアントワークとアプリ分析サービスを区別して開示している。前者の2026年6月期売上は19.08億円、全体の約94.9%を占める。顧客の事業構想、画面設計、アプリ開発、サーバー整備、運用改善をエンジニアとデザイナーが一体となって請け負うため、顧客との信頼を積み上げやすいが、社員の稼働と請求金額に収益が左右される。
顧客の顔ぶれに特徴がある。東急の地域コミュニティアプリ「common」、中日新聞社の地域情報アプリ「Lorcle」、長岡花火公式アプリなど、サービスを育て続ける仕事がある。売上の89.6%は大手企業向けで、81.9%がエンド顧客との直接取引だ。これは下請けの最末端に固定されない強みである。ヤプリのノーコード型アプリでは標準機能の外側をフラーが作り、電通グループとは広告や戦略の先の実装を担う。両社が出資者であることは販路の強みであると同時に、案件紹介が細れば影響を受ける関係でもある。
もう一方のアプリ分析サービスは約1.02億円である。「App Ape」は利用者の同意を得たスマートフォン利用データから、アプリ別の月間利用者数、併用状況、利用時間などを推計し、ダッシュボードや個別調査の形で売る。国内約50万台のAndroid端末を対象とする白書の調査実績は、模倣するだけでは得られないデータ収集網の存在を示す。ただし「500社以上に利用された」は累計であり、現在の有料契約数や解約率を表していない。個別報告を作る人の工数と、画面を操作してデータを見る座席課金の両方に、AIによる代替余地がある。
2026年6月末の従業員207人のうちクリエイティブ人材は169人で、期中平均を使った1人当たり月間売上は107.5万円だった。請求可能な年間稼働人数は開示されないため、数量評価にはこの売上生産性から逆算した約156人年を用いる。分析サービスも契約単価と件数は非開示であり、売上の計算のための年額契約換算を仮置きする。両者とも開示された実際の請求件数だと誤認しないことが重要だ。
優良さと弱いところ
フラーの持ち味は、企画、デザイン、開発を別々の業者に発注する手間を減らせることだ。東急や長岡花火財団と複数年にわたって伴走し、グッドデザイン賞につながる成果を出してきた実績もある。設計と運用を同じ技術者が担えば、発注先の変更には摩擦が生じる。高専での採用活動と離職率5.8%も、人材の確保と育成を裏付ける。
しかし、長期の堀、すなわち顧客に値上げを受け入れさせ、競争から利益を守る力とはまだ区別する必要がある。2026年はクリエイティブ人材が前年末の152人から169人に増えたのに、1人当たりの月間売上は10.6%減った。売上が伸びない時にも人件費と外注費が増え、営業利益率は前期の9.4%から2.8%へ低下した。値上げが常態的に通っていることや解約率が低いことの数値開示は見当たらない。過去の高いROEも、薄い純資産と税効果による押し上げが混ざるため、投下資本の増分収益をそのまま示すものではない。
App Apeには利用許諾に基づく独自のパネルデータがあり、この点では人月型の受託会社より有利だ。だが、データの独自性という一つの証拠だけでは、規制上の正本や業界共通基盤ほどの強い堀とは言えない。年5%未満の解約率、長年かかるシステム移行、法改正時の値上げ、共同利用基盤といった複数の検証材料がないからである。Sensor TowerやSimilarwebなどの代替データ供給者があり、AIは画面でデータを読む仕事自体も短縮する。
値上げ力よりも案件を最後までやり遂げる信用が競争力の核である。この信用は10年先にも残り得るが、コードを書く時間が減ると請求工数は減り、同じ顧客の仕事をより安く提供する競争が始まる。技術の進歩を味方にして成果報酬の割合を増やせたかを見極めるまでは、堀を弱いものとして評価する。純現金の厚さは倒れにくさを与える一方、利益を生む能力そのものを改善するわけではない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
企業のデジタル投資には追い風がある。富士キメラ総研の数字を引用した会社資料では、国内DX投資市場は2024年度の5.28兆円から2030年度に9.27兆円へ広がる見通しだ。だが、この金額は業務システムや設備まで含む広い市場で、フラーが実際に争う大企業向けオーダーメイドアプリ制作の市場規模ではない。市場全体が膨らむことと、技術者の工数に対して払われる金額が増えることは同じではない。
受託開発の市場は大手SI企業、デザイン専門会社、アプリプラットフォーム、独立系開発会社が分け合う。GoodpatchやSun Asteriskのようなデザイン・開発企業、TISや日鉄ソリューションズのような大手、内製を進める顧客、ノーコード型のヤプリが競争相手と補完相手の両方になる。国内DX市場のうち高付加価値モバイル個別開発が仮に1〜2%だとすると、対象となる年間発注額は約528〜1,056億円であり、現在のクライアントワーク売上に相当するシェアは約1.8〜3.6%となる。ただし1〜2%という配分は公的統計にない感応度分析用の仮定で、競合の当該事業売上も分離開示されず、確定した市場占有率ではない。会社や競合がシェアを開示していない以上、精密な順位は付けられない。
アプリ利用データの市場も、アプリへの消費者支出額とは別である。App Apeは国内50万台規模のAndroidパネルから市場を推計するが、Sensor Tower、Similarwebなどは国際的な販売網や多種類の推定データを持つ。分析ツールとオーダーメイド調査に限った国内市場の公的な金額と競合各社の収入内訳は確認できず、厳密なシェアは算出できない。累計利用500社を有料契約500件として割り算するのも誤りだ。分析対象データの網羅性、許諾取得コスト、顧客の継続率が勝負を分ける。
AIエージェント代替は、この業界で最も重い構造変化である。仕様書作成、コード生成、試験、画面実装、定型調査をエージェントが担うと、人月や操作画面に課金する従来のモデルは縮む。フラー自身もAI機能の実装や開発手法の転換を説明しているが、AI関連の売上・受注額を独立して開示していない。したがって「AIで生産性が高まり受託数量も増える」という楽観を数字で前借りしない。中立ではクライアントワークの実質請求工数を10年で約72%へ、App Apeの有料契約換算数を約80%へ減らし、受託単価には物価程度の上昇を認める。先の2030年以降はアプリを人が触る画面そのものの役割も変わり、同社のサービスが残るかどうかは完成物の価値に課金できるかにかかっている。
資本政策と M&A
経営陣の資本配分は、株主への現金還元より人材採用と販路確保を優先してきた。2025年7月の上場で得た資金は2026年と2027年の採用関連費用に充てる予定で、2026年には人員増が売上増に先行した。有価証券報告書によれば創業以来配当実績はなく、配当開始時期の数字の約束もない。2026年の自己株取得80株は単元未満株の買取りで、株主還元としての買戻しとは異なる。大型買収を通じて増分ROICを上げた実績も開示からは確認できない。
2026年9月の事業説明では中期の営業利益率10%前後、クリエイティブ人材1人当たり月間売上130万円以上、従業員300人体制を掲げた。2027年6月期の会社計画は売上26.0〜27.2億円、営業利益1.8〜2.6億円で、大型開発契約約4.88億円が回復を支える。ただしこれは発注期間のある案件で、十年間反復する売上ではない。中期の年度別売上高、ROE、配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額には数字の約束がない。株主提案への2026年8月の回答でも、固定的な中期目標を約束することに慎重な姿勢を示している。
株主構成も見逃せない。ヤプリが21.25%、電通グループが19.91%を持ち、両社は販路の提供者でもある。上位10株主の保有合計は61.54%で、支配判定の65%には届かないが、少数株主が資本配分を変える力は乏しい。過去5年に大規模な買戻しや増配がないため、余剰現金を帳簿額の75%で評価する。2031年以降の時価総額100億円の上場維持基準について会社は市場変更や企業再編も選択肢と述べているが、決定済みのTOBや上場廃止予定があるわけではない。再編プレミアムは価値に先取りしていない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
大企業のデジタル戦略は、アプリを一本作って終わる仕事ではない。東急の「common」は継続した改良によって2026年のグッドデザイン賞を受け、長岡花火公式アプリも2017年から運用が続く。顧客が欲しいのはコードそのものより、利用者が繰り返し使うサービスだ。企画、デザイン、運用を一つのチームで担うフラーの姿勢には、AIによって一部の工程が自動化されても残る価値がある。
2027年6月期の会社予想は売上高が大きく増え、営業利益も回復する内容だ。大型契約が確実に進み、採用した人材が育てば稼働率は改善する。ヤプリと電通グループという大株主兼販路からの紹介は、独立系の小さな会社には得がたい商機を作る。特に大手企業との直接取引比率が高いことは、高度な仕様やブランドの課題に近い場所で仕事ができる証しだ。
App Apeは国内約50万台のAndroid利用データから市場を推計する独自の仕組みを持つ。制作前に利用者を理解し、制作後に成果を測る仕事をつなげれば、単なる請負業者との差は広がる。将来は顧客が実現した成果に値段を付ける契約も増えるかもしれない。豊富な純現金は、市況が悪い時も採用やサービス改善を続ける余力になる。こうした強みを生かす場合、十年先に利益率が過去の良好期へ戻る道筋は十分考えられる。ただしAIそのものによる追加売上額が開示されていないため、楽観でも請求工数の実質増加までは先取りしない。
慎重な見方
スマートフォンの利用が増えるほどフラーの株主利益が増える、とは限らない。企業のアプリ発注部門には、開発を内製化し、生成AIに仕様作成から試験までを任せる誘因が強い。利用者側でもAIエージェントが複数アプリを操作し、人間が個々の画面を開く機会を減らせば、UIを精密に作り込む発注の相対的な価値が下がる。人月を売る側が生産性を上げても、成果の価格を上げられなければ工数と売上だけが縮む。
2026年の実績はすでに脆さを示した。採用を続けた結果、売上は前期並みなのに営業利益が約7割減った。予測しづらい大口開発の端境期があるたびに固定費が重くなる。2027年の大型案件4.88億円も、数年間の受注であり恒久的な顧客契約ではない。App Apeには独自データがあるものの、全社売上の約5%に過ぎず、画面型の定額サービスと個別調査のどちらもAIと海外の調査企業による代替の射程に入る。
経営は配当せず、株主が現金の配分を決める仕組みもない。2025年の上場価格からの下落は、それまでの資本市場の期待が高過ぎた可能性を示すが、今後の買収による救済を約束するものではない。さらに2031年6月期以降の100億円の上場維持基準は現時点の時価総額を大幅に超え、基準未達が続けば市場変更、企業再編、最終的な上場廃止の可能性が生じる。最悪の条件が重なると、会社の現金は残っても少数株主がそれを直ちに引き出せず、評価は資産の床に近づく。
どちらに重みを置いたか
複数年の顧客関係と厚い純現金は会社固有の強みだが、売上の約95%が工数型である事実を重く見る。中立はAIによる実質請求工数の減少をすでに織り込み、資本コストに同じ理由の上乗せはしていない。確率の下側は36%、上側は30%とやや慎重にしたが、根拠は2026年の稼働率低下、採用先行、App Apeの横ばい、株主還元の不透明さである。純現金が悲観を支えても、確率加重した今の価値は市場の評価に届かず、やや割高という結論になる。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/06 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 1,315 円23 億円(+ 還元の換算額還元の合計 71 円1 億円)。 今の値に割り戻すと 643 円11 億円、今との差 −26.2%、 期待の年率 +4.9%(資本コスト 8.3%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 2,098 円36 億円 | 224 円4 億円 | +166.4% | +11.0% | 279 円5 億円 |
| やや楽観 | 18% | 1,843 円32 億円 | 140 円2 億円 | +127.4% | +9.0% | 357 円6 億円 |
| 中立 | 34% | 1,444 円25 億円 | 56 円1 億円 | +72.1% | +5.7% | 510 円9 億円 |
| やや悲観 | 25% | 719 円13 億円 | 0 円0 億円 | −17.5% | −1.9% | 180 円3 億円 |
| 悲観 | 11% | 552 円10 億円 | 0 円0 億円 | −36.7% | −4.5% | 61 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,315 円23 億円 | 71 円1 億円 | +59.0% | +4.9% | 1,386 円24 億円 |
今の株価時価総額 872 円15 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 12% デザインと継続案件の優位を保つ 利益 2 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,098 円36 億円
東急や長岡花火財団のような長期顧客から、アプリの刷新、運用改善、企業の業務アプリへの横展開を継続受注する。ヤプリとは標準機能を超える部分、電通グループとは戦略策定の先の制作を分担し、顧客の事業価値に踏み込んだ仕事を守る。2027年の大型受注をきっかけに、長期の品質管理や設計の経験を積んだチームが増える。AIはコードの生成を助けるが、会社は完成したサービスの品質と顧客接点を磨き、単価を物価と同程度引き上げる。
2036年に受託の実質請求工数は現在と同水準を守り、単価は物価上昇分に沿って増える。App Apeは海外の分析企業と競争しつつ同じ有料契約換算数を維持し、単価だけを緩やかに引き上げる。AI関連案件の具体的な売上が未開示なので、人月型の数量増は見込まない。それでも大型案件の稼働平準化と運用受託の厚みで営業利益率は約10%へ戻る。社員の創造力が契約価値を守る筋書きだ。
2031年以降の上場維持基準にはなお距離があるため、市場変更などで上場を継続するか、組織再編を検討する必要がある。買収されることを前提に価値を上乗せせず、将来の還元は利益の一部にとどめる。2034年までに権利行使価額1,312円の予約権4.4万株が行使され、払込金が会社に入り、既存株主の持分が薄まる。
- クライアントワーク(アプリの企画・設計・開発・運用):数量 156(年間売上寄与に換算したクリエイティブ人材の人年(推定。実働請求人数ではない))× 価格 0.16(人年当たり受託売上(億円/人年、名目))→ 売上 26 億円・営業利益 3 億円。人月型の実質数量は1.00倍にとどめ、単価1.34倍、営業利益率12%。AI特需の数量増は未計上。
- アプリ分析サービス(App Ape):数量 50.0(年間の有料契約・個別分析をまとめた年額契約換算件数(推定))× 価格 0.02(年額契約換算1件当たり売上(億円/年、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。契約換算50件を維持、単価1.15倍。独自データを維持するが強い正本型とは扱わない。
倍率:k=8.25%、g_long=名目0%。弱い堀で再投資利益の超過部分は長期に残さず、g=0なので正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=1/0.0825=12.12倍。全社純利益2.10億円から余剰現金20.577億円の税後利息相当1.4%を控除した事業利益に上限PERを掛け、現金は戻り方75%を加算した。増資払込0.577億円は現金と純資産に含む。
確率:大企業との共同開発関係が続き、採用とAI導入を両立させた場合。AIそのものの販売売上は独立して確認できず、請求工数の数量は2026年を超えない。
やや楽観 18% 高付加価値の受託が持ちこたえる 利益 2 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,843 円32 億円
2027年の大口契約を無事に納品し、大企業との継続的な接点を厚くする。ヤプリと電通グループからの紹介に加え、東急のような長期顧客の周辺部門へ新しい支援分野を広げる。画面を作るだけの工程はAIによって短縮されるが、仕様の責任、ブランドの調整、複雑な外部システムとの接続は人の判断が残るため、すべての発注が消えるわけではない。
実質の受託工数は現在の約94%になる一方、必要な専門性の高さと物価上昇に沿って単価は約32%上がる。App Apeは顧客データの継続収集を維持するが、有料契約換算数は緩やかに減る。1件当たり売上も画面型SaaSの値付け圧力で物価を下回る上昇にとどまる。上場時に先行採用した人材の能力が高まり、全社営業利益率は9%前後に回復する。
利益の再投資先は既存顧客の品質向上と人材育成が中心で、大規模買収は想定しない。上場維持のための市場変更などが2031年までに課題になり得るが、再編プレミアムは加えない。値段が行使価格を上回る場合、限定的な新株予約権の行使で既存株主の取り分が約2.5%下がる。
- クライアントワーク(アプリの企画・設計・開発・運用):数量 146(年間売上寄与に換算したクリエイティブ人材の人年(推定。実働請求人数ではない))× 価格 0.16(人年当たり受託売上(億円/人年、名目))→ 売上 24 億円・営業利益 2 億円。人月工数0.937倍、価格1.32倍。大口顧客の持続で営業利益率10.5%。
- アプリ分析サービス(App Ape):数量 47.0(年間の有料契約・個別分析をまとめた年額契約換算件数(推定))× 価格 0.02(年額契約換算1件当たり売上(億円/年、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。有料契約換算47件、名目単価1.15倍、営業利益率15%。
倍率:資本コスト8.25%、10年より先の名目成長率0%のため、利益ベースの正当化PER上限1/k=12.12倍をそのまま使用。純利益1.82億円から余剰現金18.577億円の税後利息1.4%を除いた額に適用し、現金の75%を戻す価値を加算。オプション行使払込0.577億円は余剰現金と自己資本へ含めた。
確率:実際の大企業との継続取引と2027年大型案件は収益の持ち直しに根拠を与えるが、コード制作工数の減少を全面的には防げない。
中立 34% AIが工数を削り収益は横ばい圏 利益 1 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,444 円25 億円
2027年には4.88億円の大規模契約などで売上が回復し、短期的に利益が改善する。しかし案件が一区切りした後は、顧客がAIエージェントを利用して仕様整理、画面作成、テスト、保守の一部を内製化する。東急や中日新聞社とのような継続関係は残るが、同じ機能を完成させるために外部へ発注する人月は徐々に減る。フラーは実務の複雑さを扱う案件へ重点を移す。
2036年の受託請求工数は2026年の約72%となる。工数当たり単価は国内の人件費と物価に沿って上がるものの、仕事量の減少を埋め切れず、クライアントワーク売上は現在を少し下回る。App Apeでも海外のデータ提供者との競争と自動分析が進み、現在の80%の有料契約換算数にとどまる。仕組みが軽くなった分だけ営業利益率は過去の良好期に近い約9%を取り戻すが、純利益が大きく伸びるわけではない。
利益は主として会社に留まり、現金が積み上がって自己資本利益率はかえって低下する。国内DX投資の1〜2%が個別アプリ市場という未検証の仮定を2036年まで延長すると、受託売上に相当する推定シェアは現状の約1.8〜3.6%から約0.8〜1.6%へ縮む。2031年以降の100億円の上場維持基準も満たせず、市場変更や企業再編の検討が不可避になる。上場継続に向けた代替手段はあるが、株主に高値での買収が約束されるわけではない。
- クライアントワーク(アプリの企画・設計・開発・運用):数量 112(年間売上寄与に換算したクリエイティブ人材の人年(推定。実働請求人数ではない))× 価格 0.16(人年当たり受託売上(億円/人年、名目))→ 売上 18 億円・営業利益 2 億円。人月型の数量0.719倍・価格1.32倍。自動化後も難しい設計の仕事が残り営業利益率10.8%。
- アプリ分析サービス(App Ape):数量 40.0(年間の有料契約・個別分析をまとめた年額契約換算件数(推定))× 価格 0.02(年額契約換算1件当たり売上(億円/年、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。画面型・調査型の混合サービス。年額契約換算40件、単価1.10倍、営業利益率12%。
倍率:g_long=0%、k=8.25%、堀は弱い。2026年より先の工数構造縮小を10年後の数量に既に入れたうえで、PER=(1−0/RONIC)/(0.0825−0)=12.12倍の式の上限を使用する。2036年の純利益1.33億円から余剰現金16.577億円の税後利息1.4%を引いた事業利益に乗じ、現金の75%を加える。第18回予約権払込0.577億円も資本に含む。
確率:2026年の売上横ばいと1人当たり売上減少、国内アプリ市場の成熟、受託開発の自動化を踏まえた中心筋書き。短期の2027年反発を恒久化しない。
やや悲観 25% 価格競争で営業余力が薄くなる 利益 1 億円 · PBR 1.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 719 円13 億円
大手企業が少人数の社内チームとAIを組み合わせてアプリを開発し、外部に任せる工程を絞る。フラーは企画力と長年の顧客関係によって一部案件を守るが、標準的な画面実装や定型的な修正ほど値引きを要求される。ヤプリのパッケージ機能も広がり、フラーが独自に追加開発する部分は減る。2027年の大口案件は完了するが、同規模の発注が毎年続くとは限らない。
クライアントワークの実質請求工数は現在の63%程度になり、値段の上昇も10年間で約20%にとどまる。App Apeの有料契約換算数は35件相当に減り、既存パネルの維持費や顧客サポートが重くなる。売上低下に合わせて採用と外注を抑えるが、社員教育や本社の賃借料など固定費を一気には消せないため、営業利益率は5%程度に沈む。税引き後の利益は小幅な黒字で、余剰現金の蓄積に対して事業の資本収益率が低くなる。
市場変更や買収の可能性を検討する局面になるが、既存株主にとって有利な条件になる保証はない。株主に現金を配る慣行もないため、価値は引き出せる稼ぐ力と現在の純現金の床の間で測る。株価の上昇が限定的なため、行使価額1,312円以上の予約権は行使されない。
- クライアントワーク(アプリの企画・設計・開発・運用):数量 98.0(年間売上寄与に換算したクリエイティブ人材の人年(推定。実働請求人数ではない))× 価格 0.15(人年当たり受託売上(億円/人年、名目))→ 売上 14 億円・営業利益 1 億円。人月型の実質数量0.629倍・価格1.20倍。値引きと低稼働で利益率7.5%。
- アプリ分析サービス(App Ape):数量 35.0(年間の有料契約・個別分析をまとめた年額契約換算件数(推定))× 価格 0.02(年額契約換算1件当たり売上(億円/年、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。年間契約換算35件、単価1.05倍。情報価値の低下で利益率4%。
倍率:資本コスト8.25%を下回る自己資本利益率で、純利益0.67億円から現金利息相当を控除した稼ぐ力の上限に現金13億円の75%を加えると約15.7億円となる。一方、少数株主が現金を配らせる力は弱く、新規契約の縮小を踏まえ企業価値12.5億円を今の自己資本12.20983億円に対するPBR1.024倍で表す。将来自己資本19.21億円には床のPBRを掛けず、資産床9.58億円以上を確保する。
確率:内製化とAI自動化が進み、2026年に見えた人材稼働率の弱さが続く場合。現金は保有するものの、増配や自社株買いの約束はない。
悲観 11% AIに開発工数を奪われる 利益 0 億円 · PBR 0.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 552 円10 億円
アプリ開発の標準工程がAIエージェントによって大部分自動化され、顧客は必要な部分だけ短期間で外注する。人間が画面を開いて操作する回数も減り、UIに大きな予算を掛ける理由が弱まる。フラーが担ってきた企画から保守までの仕事は一部残るが、大手SI企業や顧客の内製チームがAIを使って低価格で代替するため、従来の工数に対する請求が通らなくなる。主力販路との関係が残っても、紹介案件の採算は悪化する。
2036年の実質請求工数は約45%に落ち、名目単価もほぼ据え置きに近い。売上は全社で約9.46億円と現在の半分弱になり、App Apeの有料契約換算数も半減する。人員を減らしても二拠点の賃料や管理費用が残り、データの維持負担も軽くならない。営業利益は赤字となり、長年の顧客信頼は会社全体を優良企業として守り切れない。
2031年以降の上場維持基準への対応はさらに難しくなる。市場変更や再編が実現しなければ最終的な上場廃止リスクもあるが、すでに決定した事実としては扱わない。将来の赤字に高い利益倍率を掛ける代わりに、今の現金預金から借入を差し引いた流動性の高い資産に価値の下限を求める。少数株主が即時に清算できるわけではないという不確実性は残る。
- クライアントワーク(アプリの企画・設計・開発・運用):数量 70.0(年間売上寄与に換算したクリエイティブ人材の人年(推定。実働請求人数ではない))× 価格 0.13(人年当たり受託売上(億円/人年、名目))→ 売上 9 億円・営業利益 0 億円。工数数量0.449倍、単価1.05倍。固定費が重く営業利益率2%。
- アプリ分析サービス(App Ape):数量 25.0(年間の有料契約・個別分析をまとめた年額契約換算件数(推定))× 価格 0.02(年額契約換算1件当たり売上(億円/年、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。年間契約換算25件・単価0.90倍。データ収集費用を賄えず営業赤字。
倍率:AIで工数型の受託が壊れ、最終年度の純利益も赤字であるため、赤字にPERを掛けない。2026年6月期の現金・預金12.89652億円から有利子負債3.31648億円を引いた資産床9.58004億円を基準とし、今の自己資本12.20983億円にPBR約0.7863倍を掛けて時価総額9.60億円とする。将来の自己資本12.41億円に床のPBRは掛けない。
確率:AIエージェントと顧客内製化で工数商売が構造的に負け、App Apeも代替される場合。倒産を機械的に想定せず、現金と売れる資産の保守的な床を残す。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
クライアントワーク(アプリの企画・設計・開発・運用)
国内大手顧客と直接契約し、企画からUI・UX、実装、運用まで提供する受託開発。人の稼働工数が収益の核となる。
| 数量年間売上寄与に換算したクリエイティブ人材の人年(推定。実働請求人数ではない) | 価格人年当たり受託売上(億円/人年、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 156 | 0.12 | 19 | 1 |
| 10 年後 中立 | 112 | 0.16 | 18 | 2 |
取り方:2026年6月期のクライアントワーク売上1,907,823千円と全社年間売上2,009,583千円÷12÷クリエイティブ人材月間生産性1,075千円≒156人の年平均を使用し、全社人材平均を受託に近似配賦した155.8人年×1人年約0.12245億円として復元した。月末在籍169人は期中平均ではなく、実際に請求できた工数は非開示。営業利益0.73億円は全社利益0.57117億円を再現する説明用の仮配賦で、会社公表のサービス別利益ではない。2024年度DX市場5.28兆円のうちモバイル個別開発1〜2%という未検証の仮定なら市場528〜1,056億円、同売上の仮のシェア1.8〜3.6%。これは業界の確定シェアではない。2030年の国内DX市場9.27兆円に2036年までCPI3%で延長し、その1〜2%を同種の個別開発と見なせば2036年の仮の対象市場は約1,107〜2,214億円、中立の受託売上18.10億円のシェアは約0.8〜1.6%となる。市場の区分は未検証で、競合社のシェアを実証したものではない。AIエージェント代替の人月型と分類し、10年中立数量0.72倍、価格1.32倍、長期g0%。
アプリ分析サービス(App Ape)
許諾取得した利用データに基づくアプリ利用状況のSaaS型ダッシュボードとオーダーメイド調査。
| 数量年間の有料契約・個別分析をまとめた年額契約換算件数(推定) | 価格年額契約換算1件当たり売上(億円/年、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 50.0 | 0.02 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 40.0 | 0.02 | 1 | 0 |
取り方:2026年6月期の開示売上101,759千円は確実だが、有料ID数、年間契約数、ダッシュボードと個別調査の売上内訳は非開示。「500社以上が利用」はサービス開始以来の累計で、当年の有料会員500件とは違う。分析サービス売上約1.018億円を年額約203.5万円相当の50件に正規化した推定数量であり、実契約数も実販売価格も直接観測されていない。利益0.12117億円は全社利益に合わせた仮配賦。国内アプリ競合分析ツールだけの市場金額とSensor Tower等の売上内訳も非開示のため、直接の市場シェアは検証不能。AIエージェント代替の席課金・画面操作・調査情報型であり、データ独自性1点はあるが規制上の正本に必要な堀の証拠が2つ揃わないため、中立契約換算数0.80倍・単価1.10倍・g0%とする。
リスクと懸念
AIエージェント代替と請求工数の減少
クライアントワークは企画・UI設計・コード制作・試験・運用という工数を売る。AIエージェントが顧客の社内で同じ仕事をこなせば、技術者が熟練しても外部への請求量が減る。App Apeも操作画面を介するSaaSと定型分析の代替を受ける。AI機能を使った新規案件の売上額が開示されるまでは、新しい需要で自動化の減少分が相殺されるとみなさない。
大型受注の端境期と人件費の固定化
2026年6月期は期初の大口案件完了で稼働が落ち、増やした技術者や外注先の費用を吸収できず営業利益が約7割減った。2027年計画の回復を支える4.88億円の契約も、2027年から2028年にかけての期間を持つ受注であり、永続する売上ではない。受注が1本途切れた時の固定費負担は、事業の規模が小さい同社では株主利益に大きく響く。
App Apeのデータ調達と競合
App Apeは利用者の同意を得たデータを使うため、パネル規模や許諾方法の変更に影響される。独自の国内利用データは差別化になるが、国内外にはSensor TowerやSimilarwebといった競合がある。データの取得費用が上がり、顧客が別サービスやAIの自動調査へ移れば、小規模な分析事業は利益を出しにくくなる。解約率と契約単価の開示がないことも堀の評価を難しくする。
現金が株主へ戻らない資本配分
現金預金約12.9億円と借入約3.3億円は、事業の存続を支える一方、少数株主が自由に使える現金ではない。会社は創業以来無配で、増配や買戻しの数値計画を示していない。採用や案件獲得のための先行投資に現金を使い、増分利益率が資本コストに届かなければ、帳簿上の自己資本だけ増えて株主価値は伸びない。大株主を兼ねる取引先との関係も利益相反の監督を要する。
2031年以降の上場維持基準
グロース市場では2031年6月期以降、フラーは時価総額100億円という新しい維持基準の対象になる見通しである。基準日時価総額は約15.3億円しかなく、単なる利益改善では到達が難しい。会社は市場変更や企業再編も検討対象としているが、現時点でTOBや上場廃止は決まっていない。将来、改善期間にも基準を満たせなければ、投資家の売買可能性と企業価値の実現方法が変わる。
新株予約権と利益を押し上げた一過性項目
2026年6月期末には77,040株分の新株予約権が残るが、33,040株分の行使価格は足元の株価を大きく上回り、44,000株分は1,312円である。上振れ時には後者による既存株主持分の希薄化が生じる。また2026年の純利益には補助金収入と繰延税金資産の積増しが寄与し、営業キャッシュフローは赤字だった。見かけの当期純利益だけを継続的なオーナー利益として評価すると、二重に楽観する危険がある。
今後の分かれ目
- クリエイティブ人材1人当たり月間売上が130万円を継続して超え、営業利益率が10%前後で安定する
- AIによる工数縮小を単価と成果で吸収できている証拠となる。中立の単価、利益率、投資収益率を上げ、やや楽観以上の確率を見直す。
- 2027年の大型契約約4.88億円が完了した後も、同程度の継続案件が複数獲得できる
- 一過性の受注増でなく長期の顧客基盤強化と認め、受託数量の縮小を緩める。単なる発表額でなく翌期以降の稼働率と収益を確認する。
- App Apeの有料契約数、年次解約率5%未満、値上げ実績の数値が開示される
- 独自パネルデータに加えた堀の2つ目以上の証拠として分析し、座席課金型から強いデータ基盤型への分類変更を検討する。
- AIによるコード生成と内製化が進み、受託の月間生産性と稼働率が同時に下がる
- 人月数量をやや悲観側へ落とし、固定費と社員数の適合が遅れる場合は営業損益の赤字化を検討する。
- 余剰現金を原資とする大規模な自社株買い、配当性向50%以上など数値付き還元策が始まる
- 現金の株主への戻り方を0.75から1.0へ改善し、利益の再投資利回りが低い場合でも現金を毀損しない資本配分として価値を引き上げる。
- 2031年以降の上場維持基準に向け、市場変更や完全子会社化など拘束力ある方針が発表される
- 発表された条件と少数株主への対価を優先して評価し直す。実際のTOB・上場廃止が決まれば通常の10年独立企業モデルは終了する。
- 借入の借換金利が4%前後を超え、補助金と税効果の剥落が同時に起きる
- 営業利益と純利益の乖離を正常化し、営業キャッシュフローの赤字継続と純現金の減少を確認して資産床を見直す。
見ておくもの
- 四半期の新規顧客売上比率、継続案件の売上比率と大型案件完了後の受注残
- 期中平均クリエイティブ人材数と1人当たり月間売上(2026年107.5万円、中期目標130万円)
- 2027年6月期の売上26〜27.2億円、営業利益1.8〜2.6億円の実現度
- App Apeの年間有料契約数・解約率・調査単価・国内パネルの継続的な確保
- AI関連の受注金額、工数課金から成果課金に移った案件比率
- 現金・預金(長期定期預金を含む)、借入残高、営業キャッシュフロー、税効果
- 新株予約権44,000株(行使価額1,312円、2034年期限)の行使状況
- 2031年6月期からの上場維持基準に関する市場変更・企業再編の正式決定
倍率と資本コストの決め方
基準日の株価や同業のPER・PBRは、2036年の数量、価格、利益率、倍率を決める根拠に使っていない。受託の中立数量は人月型のAIエージェント代替に従い0.719倍、App Apeの契約換算数量は席課金型として0.80倍とした。2036年より先のgを名目0%としたので、楽観から中立の正当化PERは資本コスト8.25%の逆数12.12倍そのもので、恣意的な倍率割引を加えていない。悲観は今の純現金約9.58億円を最低限の売れる資産とし、将来の積上がった自己資本にPBRを掛けていない。新株予約権の払込額と希薄化を対応させ、非現金の税効果を継続利益から除外した。オフィス家賃は営業費用として扱い、2027年以降の新リース会計で負債が両建て表示されても、家賃を二重に利益から引かない。
資本コスト 8.3% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%の合計7.5%に事業の質+0.75%を加えた。規模、株価変動率、個別の上場維持問題は追加しない。