結論
フォーサイドは、クレーンゲームの景品を企画して施設へ卸すブレイクを収益の軸に、電子書店、若年層向け雑誌、イベント、人材派遣、物流、AI関連販売を抱える複合企業である。筆者の結論は割高だ。時価総額に近い自己資本と厚い純現金は魅力だが、株主に帰属する10年先の稼ぐ力は、その安心感に見合っていない。
2025年の売上と利益を押し上げたGPUサーバー販売は、年末に新規受注が途絶え、2026年上期には前年同期比98.3%減となった。これをAI市場の成長率に沿って伸ばすのは誤りである。その間にも景品事業は伸び、2026年上期の売上は23.4%増だった。評価すべきなのは流行語としてのAIではなく、施設が繰り返し仕入れる景品の競争力である。
ただし景品には小売価格がおおむね千円以下という運用上の制約がある。キャラクター使用権は独占的に保有するとは限らず、フリューやエスケイジャパンなどと新商品を競う。物流子会社の架空取引に伴う過年度訂正も、経営が利益を再投資する器としての信頼を傷つけた。中立では、景品を中心に事業が存続しても純利益は十分には増えない。
2035年末の中立時価総額は約21億円で、現在の約34億円を下回る。さらに株主還元をほぼ行ってこなかった実績を踏まえ、手元現金の全額が株主に戻るとは数えない。5つの筋書きからみる本質価値も、現在の時価総額を大きく下回る。将来の余剰現金の蓄積を考慮しても、資本配分と本社費が変わらなければ株主の取り分は細い。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主が確かめたいのは、10年後も買い手が必要とする商品があり、利益を残して次の投資へ回したときにも十分な利回りを生むか、という一点である。クレーンゲームの景品は実物であり、遊ぶ楽しさと景品を取り替える需要はデジタル技術だけで消えない。ブレイクの販売実績はその仮説を支える。一方、どのキャラクターが次の10年も人気を保つかはわからず、強いブランド資産を会社自身が独占しているわけでもない。
企業の営業利益をそのまま株主の自由に使える現金とは数えない。景品は新商品の版権獲得、製造委託の前払い、在庫、販売先への与信を要する。人材派遣では賃金を先に払い、入金を待つ。AI機器販売は大量の仕入資金を要するが、利益が一時的なら運転資金を永久に稼ぐ元手とはみなせない。最終的に株主へ残るのは、こうした必要資本を差し引いた余剰である。
再投資に関しては、2025年の利益率だけで能力を判断できない。GPU販売の受注が2025年末に消え、人材派遣は規模が大きくなっても低採算である。買収先に払った値段と取得後の利益を比較すると、経営が資本コストを超える増分収益を繰り返し生む証拠はまだ弱い。子会社の不適切会計は、買収後の管理にまで費用と危険を伴うことを示した。
株価ではなく事業の耐久性を先に考えると、景品事業への信頼と複合企業全体への信頼は同じではない。現金が厚い点は損失の緩衝材になるが、解散・配当を決めるのは少数株主ではない。統治改善、持続的な景品利益、余剰資金の還元という三つが揃って初めて、安全域を伴う事業だと評価できる。
何で稼ぐ会社か
稼ぎ頭は株式会社ブレイクの景品卸である。クレーンゲーム用のキャラクター雑貨などを企画し、製作を外部に委ねながらゲームセンターなどへ販売する。景品の発注が施設の集客と在庫回転に連動するため、よく売れる商品を継続して開発できるかが利益を決める。2025年の同事業売上は約34.6億円、営業利益は約3.4億円だった。2026年上期も増収で、ここには現実の需要がある。
電子書店「モビぶっく」は配信作品と顧客獲得に投資するが、競合に対する規模は小さく赤字である。「Popteen」「Cuugal」などの編集・出版と大型商業施設の展示販売は、若年層向けのブランドや作品の魅力で売上が変わる。雑誌の広告、版権、イベントは事業のつながりがあるものの、2025年時点で十分な恒常利益を生んでいない。
2025年3月に取得したantzは、物流・製造などの現場派遣と事務・ITの人月仕事を担う。人を送り出す時間数と単価の差額が収益源で、2026年上期は約8.6億円の売上に対し事業利益は約0.04億円にとどまった。物流も運送の取扱件数で稼ぐが、エム社の取引実在性をめぐる不適切会計が発覚し、一部事業を撤退する方針となった。
AI Tech SolutionsはGPUサーバーの販売・仲介と業務支援ソフトの開発を行う。2025年の大型機器売上約31億円は持続しなかった。退院サマリー支援システムの提供開始は公表されたが、継続課金の収入額や解約率は明らかでない。2026年10月にはWeb制作・運用のマカルーデジタルも買収した。企業全体を一つの「AI企業」と呼ぶと、この異なる収益構造を見失う。
優良さと弱いところ
競争力が最も確かなのは景品卸の営業網と商品企画である。国内のクレーンゲーム機は2015年度の約11.5万台から2024年度の約25.9万台へ増え、継続的に仕入れが必要な売り場が育った。ブレイクの景品事業も2025年に増収増益、2026年上期にさらに成長した。製作・物流の効率改善が進めば、追加売上を利益へ変える余地はある。
それでも堀、すなわち他社が簡単に奪えない強みは広くない。施設は売れ筋キャラクターの景品を複数社から調達でき、製造も外部委託が多い。長期ライセンスの独占、継続率、値上げを顧客が受け入れた数量など、強い価格決定力を裏付ける開示が不足する。景品単価の上限と輸入品の原価上昇は、需要が伸びても利益率が必ずしも高まらない理由である。
資本効率にも疑問が残る。過去10年のROE中央値は約2.3%で、資本コストを下回る。2025年だけ14.3%へ跳ねたが、翌年予想は大幅減益となった。現金はあるが、実際に増分資本が安定して高い利回りを稼いだとはいえない。電子書店や雑誌の競争力はそれぞれ大手の規模に及ばず、買収した人材会社も薄利だ。
弱点が露呈したのはガバナンスである。物流子会社エムの実態を伴わない売上計上について、過年度数値の訂正と再発防止策が公表された。取締役会による監督、買収時の検証、子会社内部監査の強化は必要な改善だが、実行の確認前に評価を上げられない。長く持つ株主にとっては、単発の損失額よりも同じ判断が次の買収で繰り返される危険が大きい。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
景品市場は好調だが、売り場の売上とメーカーの売上を混同してはならない。日本アミューズメント産業協会の2024年度統計では、プライズ機の利用者支出が約4,177億円、国内向け景品製品の販売高が約652億円である。景品卸約34.6億円を後者で割ると約5.3%という目安になるが、集計対象と年度の違いがあるため確定シェアではない。市場の本命はクレーン機の稼働と景品の入替数量であり、ゲーム料金の上昇をそのまま卸単価に振り替えることはできない。
競合にはエスケイジャパン、フリュー、セガ フェイブ、バンダイナムコ系、タイトーなどがいる。エスケイジャパンは2026年2月期にアミューズメント施設向け販売だけで約116億円を計上し、同社の景品卸より規模が大きい。先の景品製品市場652億円との単純な比較では約18%に相当するが、これも年度・取扱範囲が異なる参考比率である。作品の流行や施設との商談を奪い合うため、10年後に現在のシェアが自然に維持される保証はない。景品の小売価格は原則としておおむね千円以下の運用で、物価上昇の全額転嫁も難しい。
周辺事業の市場環境はそれぞれ異なる。人材派遣市場は厚生労働省集計で2024年度に約9.9兆円と巨大だが、antzの売上はそのごく一部であり規模の経済はない。日本の電子書籍市場は2025年度約6,846億円まで拡大したものの、モビぶっくにとっては大手電子書店と顧客獲得費用を競う成熟市場である。紙の雑誌は縮小し、出版物そのものより作品・モデルのファンをイベントや物販へ結び付ける能力が問われる。
AIエージェントは事務・コールセンター・IT受託の人月作業やWeb制作を直接削り得る。反対に、景品の実物製造、運送、荷役、現場派遣は画面操作だけでは代替できない。GPUサーバー需要の市場全体が伸びても、仕入れ販売業者の価格競争と同社の受注撤退は別問題である。10年間の数量は現場と事務を分け、事務・Web案件だけを縮小させるのが妥当だ。
資本政策と M&A
資本配分の経歴には慎重さが必要だ。2024年に家賃保証事業を売却した後、2025年3月にantzを約4.8億円で取得した。対価の一部には自己株式90万株を交付している。これは自社株買いによる還元ではなく、取得済み株式の処分による買収対価である。2025年末にはantz関連を中心にのれんが残り、2026年上期の人材事業利益は小さかった。
2026年10月にはWeb制作のマカルーデジタルを取得した。株式対価約0.5億円に助言費など約0.29億円を加えた総額は約0.79億円で、買収先の直近営業利益は約0.054億円である。統合効果がなければ投下額に対する利益利回りは資本コストに届かない。しかも人月型の制作業務はAIエージェントの代替圧力が大きい。
決算説明と公開資料で確認できる範囲では、売上・営業利益・ROEの中期数値目標も、配当性向・DOE・総還元性向・自社株買い額についての具体的な約束もない。数字の約束なし、というのが評価の出発点である。2025年の普通配当はゼロで、2026年の配当も未定だ。好業績の時ほど利益を還元する仕組みが未整備であり、留保資金の再投資利回りが問われる。
2026年の不適切会計問題に対しては子会社の事業撤退、内部監査の増員、買収検証手続の強化が決まった。これは当然必要な是正であり、実施が継続するかを見届けたい。手元資金の一部は買収と運転資金に使われるため、株主に戻る割合は保守的に見込む。今後も新株や自己株式の交付で買収すれば、既存株主の取り分は薄まり得る。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
景品事業には数字で追える成長がある。ブレイクの2025年売上は前年比16.7%増で、2026年上期も23.4%増だった。インバウンド客と大型アミューズメント施設の集客、クレーンゲーム機の増設が続けば、施設は売れ筋景品を何度も発注する。現場で使われる商品を供給する仕事は、AIエージェントがWeb画面を操作できるようになっても消えない。企画の当たりを増やし、製造委託先と物流を最適化できれば、本社費を上回る利益を蓄積できる。
日本アミューズメント産業協会の景品製品販売高652億円に対し、フォーサイドの景品事業は約35億円だ。競合と比べればまだ大きくないため、人気IPの採用や販売先拡大でシェアを増やす余地がある。利益率を高めれば、既存事業だけで相当な株主価値を生みうる。雑誌のモデルやイベントからキャラクター物販へ誘導する仕組みも、成功すれば単なる出版より強い利益源になる。
現金に余裕があることも見逃せない。2025年末の純現金は約14億円で、負債に追われて景品商品を安値で売る必要はない。antzの人材派遣が現場業務中心に寄り、物流事業の統治改善が進めば、追加投資の負担は軽くなる。GPUサーバーについても大規模な再成長を前提とせず、限定的な販売機会が残れば上振れである。経営が買収より還元を優先するように変われば、長期の所有者利益は今の経営指標以上に増えうる。
慎重な見方
過去の利益の質は弱い。10年のROE中央値は約2.3%にとどまり、赤字年度も多かった。2025年の好業績を支えたGPUサーバーは、大口案件が切れた途端に新規受注がなくなった。AI市場そのものが拡大しても、汎用機器を仲介する会社には利益が残らない。競合は資本力と調達力を持ち、価格交渉力の差が大きい。会社が公表した退院サマリー支援の仕組みについても、契約数や継続売上を証明する数字はまだない。
景品事業が伸び続ける保証もない。景品の小売価格の運用上限はおおむね千円であり、仕入れ・版権料・物流費だけが物価とともに上がる場面では利益が削られる。競合のエスケイジャパンやフリューは人気キャラクターとの関係と販路を持つ。自社が保有しないライセンスは更新の際に条件が変わり、前年度のヒットが次年度の受注を保証しない。電子書店と紙雑誌は規模が小さく、単独で本社費を賄う展望が乏しい。
経営上の最大の危険は、現金を非効率な買収に再投入してしまうことである。antzの買収では株式も用いられ、2026年の利益は薄い。物流子会社では不適切会計が起き、過年度訂正を要した。2026年10月に買収したWeb受託開発会社は、AIエージェントによる工数の減少に正面からさらされる。余剰現金が帳簿上あっても、少数株主がその分配を強制できない。事業が縮小し、赤字と買収費用が積み重なれば、PBR1倍未満でも本質的な割安とは言えない。
どちらに重みを置いたか
景品の数量増加と手元現金は強気の根拠として認める。しかし2025年のGPU特需が翌年に急減した事実、子会社の不適切会計、継続的な配当がない資本配分を踏まえると、複合企業全体の利益を長く予見するのは難しい。確率は楽観側27%、中立30%、慎重側43%と下に寄せる。これはAI縮小を数量と倍率に二重計上したためではなく、2026年に確認された受注停止と管理上の問題に独立の根拠があるためだ。中立の終価すら現在の時価総額を下回るので、下落側の可能性を十分に含めた本質価値は厳しくなる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 81 円35 億円(+ 還元の換算額還元の合計 4 円2 億円)。 今の値に割り戻すと 35 円15 億円、今との差 −53.8%、 期待の年率 +1.3%(資本コスト 9.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 237 円103 億円 | 18 円8 億円 | +240.0% | +13.7% | 25 円11 億円 |
| やや楽観 | 17% | 143 円62 億円 | 9 円4 億円 | +102.7% | +7.6% | 26 円11 億円 |
| 中立 | 30% | 63 円28 億円 | 2 円1 億円 | −12.5% | −1.3% | 20 円9 億円 |
| やや悲観 | 27% | 34 円15 億円 | 0 円0 億円 | −54.8% | −7.6% | 9 円4 億円 |
| 悲観 | 16% | 33 円14 億円 | 0 円0 億円 | −56.2% | −7.9% | 5 円2 億円 |
| 加重平均 | 100% | 81 円35 億円 | 4 円2 億円 | +13.9% | +1.3% | 85 円37 億円 |
今の株価時価総額 75 円33 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 景品シェアと統治が同時に改善 利益 7 億円 · PER 12.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 237 円103 億円
景品の売り場と商品企画が同時に伸びる。大型商業施設へのクレーンゲーム出店と訪日需要が続き、ブレイクはキャラクターの企画力と販売網を広げる。景品の年間換算数量が1,120万個まで増え、商品構成の改善で卸単価も上がる。景品だけで利益の大半を稼ぎ、子会社の寄せ集めだった企業像は変わる。
زماتantzは倉庫や製造の現場派遣に注力し、需要と単価を獲得して薄利から脱する。マスターライツでは雑誌をそのまま売るよりもIPとイベントを連携させ、単体でも黒字を出す。GPUサーバー販売は大口特需を完全には取り戻さないが、限定的な販路を維持する。事務派遣とWeb受託はAIエージェントによる工数減がなお続き、AI特需で全社が一様に伸びるとは考えない。
エムの不適切会計を教訓にグループ監査が機能し、新規買収の採算を厳しく審査する。利益が資本コストを超えて定着し、現金の一部を株主へ還元し始める。統治と商品力の両方が改善した場合に限って、長期に保有する理由が強まる。
- クレーンゲーム景品卸:数量 1,120(万個相当/年・推計)× 価格 680(卸売平均単価(円/個・推計))→ 売上 76 億円・営業利益 10 億円。施設増と人気IPによるシェア拡大。粗利改善
- 電子書籍配信「モビぶっく」:数量 11.0(年間有料購入換算回数(万件・推計))× 価格 820(有料購入1件当たり会社計上売上(円・推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。少数の固定客を守る
- 展示販売・イベント:数量 28.0(大型催事・展示販売の年間換算開催件数(件・推計))× 価格 0.14(1開催の売上(億円・推計))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。大型企画展の成功
- 出版・マスターライツ:数量 20.0(雑誌刊行・版権タイアップの年間換算案件数(件・推計))× 価格 0.17(1案件当たり売上(億円・推計))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。版権収入の拡大
- GPUサーバー販売・AI開発支援:数量 30.0(約3098万円相当のGPU機器売上換算ロット数(単位・推計))× 価格 0.30(ロット当たり機器販売売上(億円・推計))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。一時販売の一部回復に限る
- 物流・貨物取扱:数量 5.0(年間取扱運送案件(万件・推計))× 価格 1.25(1運送案件の会社収入(万円/件・推計))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。運送統合による採算改善
- 現場型派遣・作業請負:数量 2,400(現場派遣・請負の延べ人月(人月・推計))× 価格 75(売上高に対応する平均請求額(万円/人月・推計))→ 売上 18 億円・営業利益 1 億円。現場中心へ寄せ単価・稼働率改善
- 事務・IT型派遣・請負:数量 950(事務・IT型請負の延べ人月(人月・推計))× 価格 68(売上高に対応する平均請求額(万円/人月・推計))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。AI代替が残り数量は現在未満
- 買収したWeb制作・運用:数量 210(Web受託の延べ請求人月(人月・推計))× 価格 75(受託業務の平均請求額(万円/人月・推計))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AI代替を受けつつ案件を維持
倍率:資本コストk8.25%、長期名目g1.0%、堀weak(超過ROE残存1/3)。2035年ROE7.2/63=11.43%、RONIC=8.25%+(11.43%-8.25%)/3=9.31%。正当化PER=(1-g/RONIC)/(k-g)=12.31149倍、楽観はこの上限そのもの。事業収益7.2億円から分離した余剰現金4億×税後利息1.4%を控除し、株主に戻る期待0.75倍を別加算。市場のPERは使わない。
確率:景品のシェア増・粗利改善・本社費管理・統治正常化の全てが揃う必要がある。強い独占権や長期値上げ実績は確認できないので10%にとどめる。
やや楽観 17% 景品主導で緩やかな利益拡大 利益 4 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 143 円62 億円
景品の堅調な需要が続き、ブレイクは主要施設との取り扱いを増やす。競合が強いキャラクター分野で勝ち切るわけではないが、人気IPの採用と品質の安定によって市場平均を上回る数量を維持する。輸送費や版権料の上昇を一部吸収して、景品事業は2025年を上回る利益を残す。
展示イベントや雑誌企画は小幅な黒字を確保し、GPU関連は2025年の特需よりかなり小さい水準で利益を得る。antzの現場人材は物流や店舗で需要が残り、事務・IT請負とWeb制作はAIエージェントによって必要工数が少なくなる。それでも納期管理と顧客対応の価値は残り、完全には消えない。
買収先の利益がグループ費用を十分に賄えるまでには時間がかかる。監査体制が整い、新たな大きい損失を出さなければ純利益は2026年から緩やかに回復する。ただし還元方針は明示されておらず、利益の多くは留保される。長期の稼ぐ力は改善しても、驚くほど高い資本効率には届かない。
- クレーンゲーム景品卸:数量 930(万個相当/年・推計)× 価格 660(卸売平均単価(円/個・推計))→ 売上 61 億円・営業利益 7 億円。施設仕入れ先の深掘り
- 電子書籍配信「モビぶっく」:数量 10.0(年間有料購入換算回数(万件・推計))× 価格 760(有料購入1件当たり会社計上売上(円・推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。客数減を単価が部分補填
- 展示販売・イベント:数量 26.0(大型催事・展示販売の年間換算開催件数(件・推計))× 価格 0.12(1開催の売上(億円・推計))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。成功催事が増える
- 出版・マスターライツ:数量 17.0(雑誌刊行・版権タイアップの年間換算案件数(件・推計))× 価格 0.16(1案件当たり売上(億円・推計))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。タイアップの採算改善
- GPUサーバー販売・AI開発支援:数量 16.0(約3098万円相当のGPU機器売上換算ロット数(単位・推計))× 価格 0.30(ロット当たり機器販売売上(億円・推計))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。小口機器販売が残る
- 物流・貨物取扱:数量 4.5(年間取扱運送案件(万件・推計))× 価格 1.16(1運送案件の会社収入(万円/件・推計))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。共同配送で薄利ながら黒字
- 現場型派遣・作業請負:数量 2,050(現場派遣・請負の延べ人月(人月・推計))× 価格 69(売上高に対応する平均請求額(万円/人月・推計))→ 売上 14 億円・営業利益 1 億円。物流・店舗需要を取り込む
- 事務・IT型派遣・請負:数量 825(事務・IT型請負の延べ人月(人月・推計))× 価格 65(売上高に対応する平均請求額(万円/人月・推計))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。AI代替で人月0.75倍
- 買収したWeb制作・運用:数量 190(Web受託の延べ請求人月(人月・推計))× 価格 70(受託業務の平均請求額(万円/人月・推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替で人月約0.79倍
倍率:2035年ROE4.12/51=8.08%は資本コスト8.25%にわずかに届かない。新規投資の超過利益を評価せず、成長価値なしの稼ぐ力のPER上限1/k=12.12121倍をそのまま使う。余剰現金は4億円を分離し税後利息1.4%相当を控除、戻り方0.75で3億円を別計上。
確率:景品の堅調な受注には実績があるが、派遣の利益率とGPUの受注消滅が全社拡大を妨げる。改善はあり得るが、中核以外の収益化も必要なので17%。
中立 30% 景品は残るがGPU特需は終わる 利益 2 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 63 円28 億円
景品卸は生き残るが、特別な利益率は続かない。クレーンゲームは人気を保ち、実質の出荷量が緩やかに増える。ブレイクも販売先を守り、景品換算出荷は年間800万個になる。他方、景品小売価格の運用制約と版権料、製造・輸送コストによって卸価格は物価よりゆっくり上がり、利益率は2026年上期並みに落ち着く。
GPUサーバー販売は2025年の30億円超から小規模な機器仲介へ縮む。大型案件を恒常利益として数えない。電子書店は集客費用を抑えても売上が減り、紙雑誌は権利案件の収入を増やして辛うじて黒字になる。イベントは開催ごとの波が大きい。エムの運送撤退後は物流をantzに集約するが、輸送費増で利幅は小さいままである。
antzの現場派遣はほぼ横ばいから小幅増となる一方、事務・IT請負と買収したWeb制作の人月はAIエージェントに置き換わり、10年で約35%減る。残る仕事の単価は上がるが数量減を補えない。本社費も物価に伴って増え、2035年の純利益は約1.55億円にとどまる。資本は積み上がるもののROEは資本コストに届かず、余剰現金を抱えること自体は価値を大きく増やさない。
- クレーンゲーム景品卸:数量 800(万個相当/年・推計)× 価格 600(卸売平均単価(円/個・推計))→ 売上 48 億円・営業利益 4 億円。景品量1.16倍、単価1.20倍。上限でCPI以下
- 電子書籍配信「モビぶっく」:数量 7.0(年間有料購入換算回数(万件・推計))× 価格 790(有料購入1件当たり会社計上売上(円・推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。利用回数が減り低採算
- 展示販売・イベント:数量 22.0(大型催事・展示販売の年間換算開催件数(件・推計))× 価格 0.12(1開催の売上(億円・推計))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。年22件換算に平準化
- 出版・マスターライツ:数量 14.0(雑誌刊行・版権タイアップの年間換算案件数(件・推計))× 価格 0.15(1案件当たり売上(億円・推計))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。紙縮小を権利案件で補う
- GPUサーバー販売・AI開発支援:数量 3.0(約3098万円相当のGPU機器売上換算ロット数(単位・推計))× 価格 0.30(ロット当たり機器販売売上(億円・推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。FY2025特需は消滅し低収益
- 物流・貨物取扱:数量 3.7(年間取扱運送案件(万件・推計))× 価格 1.18(1運送案件の会社収入(万円/件・推計))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。エム運送撤退後の通常取引
- 現場型派遣・作業請負:数量 1,680(現場派遣・請負の延べ人月(人月・推計))× 価格 69(売上高に対応する平均請求額(万円/人月・推計))→ 売上 12 億円・営業利益 0 億円。現場1.05倍、請求単価1.29倍
- 事務・IT型派遣・請負:数量 715(事務・IT型請負の延べ人月(人月・推計))× 価格 62(売上高に対応する平均請求額(万円/人月・推計))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。AI代替で人月0.65倍、単価1.19倍
- 買収したWeb制作・運用:数量 156(Web受託の延べ請求人月(人月・推計))× 価格 71(受託業務の平均請求額(万円/人月・推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替で人月0.65倍、単価1.20倍
倍率:2035年ROE1.55/42=3.69%は資本コストk8.25%以下。将来の投資にプレミアムを与えずPERは稼ぐ力の上限1/k=12.12121倍そのもの。AIエージェント代替で事務・Webの人月0.65倍と長期名目g1%を使い、同じ理由でPERを追加割引しない。余剰現金4億の利息0.056億を利益から除き戻り方0.75で3億足す。
確率:2026年上期も景品が成長し、人材・物流の実需も消えない。その一方GPU特需はほぼ剥落しており、物価転嫁と本社費負担を織り込んだ中心の30%。
やや悲観 27% 景品の採算低下と周辺事業の赤字 利益 −1 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 34 円15 億円
クレーンゲームの出店が一巡し、施設は仕入れ先と商品を絞る。ブレイクが強いライセンスを確保できず、競合との価格競争で景品数量が下がる。小売価格の制約と仕入単価の上昇が重なると、景品の利益率は現在より低い水準へ落ちる。展示・出版もイベントを維持するための固定費を賄い切れない。
GPUサーバーは取り扱いがほぼなくなり、電子書店は大手プラットフォームとAI経由の購買に客を奪われる。antzの現場人材にも顧客の内製化と物流量の減少が及ぶ。事務・IT派遣とWeb受託はAIエージェントにより中立以上の速度で工数が削られる。人件費の固定部分とグループ本社費が残り、営業損益が赤字になる。
経営はエムの件を再発させないが、既存事業だけでは再投資の利回りが上がらない。成長を求めた買収が追加ののれんを生まずに済んでも、過去の買収費用は戻らない。10年で純資産は一部減少し、配当もない。時価総額は将来利益でなく、現在残る純現金に近い資産価値が主要な支えとなる。
- クレーンゲーム景品卸:数量 640(万個相当/年・推計)× 価格 560(卸売平均単価(円/個・推計))→ 売上 36 億円・営業利益 2 億円。IP劣位と景品値上げ制約
- 電子書籍配信「モビぶっく」:数量 5.5(年間有料購入換算回数(万件・推計))× 価格 740(有料購入1件当たり会社計上売上(円・推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。サイト利用と収益率が低下
- 展示販売・イベント:数量 16.0(大型催事・展示販売の年間換算開催件数(件・推計))× 価格 0.11(1開催の売上(億円・推計))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。採算が悪い企画が残る
- 出版・マスターライツ:数量 10.0(雑誌刊行・版権タイアップの年間換算案件数(件・推計))× 価格 0.14(1案件当たり売上(億円・推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。出版が縮小し赤字
- GPUサーバー販売・AI開発支援:数量 0.5(約3098万円相当のGPU機器売上換算ロット数(単位・推計))× 価格 0.28(ロット当たり機器販売売上(億円・推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。GPU受注ほぼ消失
- 物流・貨物取扱:数量 2.8(年間取扱運送案件(万件・推計))× 価格 1.10(1運送案件の会社収入(万円/件・推計))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。物流撤退・燃料負担
- 現場型派遣・作業請負:数量 1,450(現場派遣・請負の延べ人月(人月・推計))× 価格 65(売上高に対応する平均請求額(万円/人月・推計))→ 売上 9 億円・営業利益 0 億円。現場稼働率低下
- 事務・IT型派遣・請負:数量 605(事務・IT型請負の延べ人月(人月・推計))× 価格 59(売上高に対応する平均請求額(万円/人月・推計))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。AI代替加速で人月0.55倍
- 買収したWeb制作・運用:数量 132(Web受託の延べ請求人月(人月・推計))× 価格 68(受託業務の平均請求額(万円/人月・推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替加速で人月0.55倍
倍率:本社費が固定され赤字になったためPERは使わない。2025年末の現在の自己資本30.8億円にPBR0.47987を適用し14.78億円とする。2035年の自己資本28億に床の倍率を掛けず、現時点の純現金14.2億円をほぼ保全した残余価値である。過去の市場PBRの安値は根拠にしていない。
確率:下に寄せる理由:2026年の物流不適切会計とGPU販売98.3%減、複数の赤字周辺事業が同時にあり、景品の伸びが鈍れば損失へ転ぶ固有の危険が大きい。AI代替は人月の数量に反映済み。27%。
悲観 16% 競争敗北と資本の毀損 利益 −2 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 33 円14 億円
人気キャラクターの景品が大型競合に集中し、ブレイクは卸先と商品数を失う。プライズ市場全体が残っても、弱い販売会社のシェアは減り得る。原材料・物流費が高止まりする中で景品の小売価格には制約があり、数量減を単価引上げで補えない。景品卸の採算は損益分岐点に近づく。
モビぶっくは顧客を失い、紙雑誌は刊行を絞り、展示催事も採算の取れない開催が増える。GPU機器販売は撤退し、同社が開発した業務支援ツールも継続課金事業へ育たない。antzは現場派遣で競合に負け、事務・IT型の仕事はAIエージェントと顧客の内製化に大きく置き換わる。買収したWeb開発会社も人月受託の構造を変えられず、全社で赤字が常態化する。
不適切会計を受けた統制強化が遅れれば、現金の一部は追加費用と撤退損失に消える。配当はなく、追加の株式発行で既存株主の取り分が薄まる危険もある。まだ完全な倒産を前提とせず、既存純現金と売れる資産を保全して事業を縮小することを想定する。将来積み増すはずの自己資本に倍率を掛けず、保守的な資産床で残余価値を確かめる。
- クレーンゲーム景品卸:数量 480(万個相当/年・推計)× 価格 540(卸売平均単価(円/個・推計))→ 売上 26 億円・営業利益 1 億円。競合が人気IPを確保し数量大幅減
- 電子書籍配信「モビぶっく」:数量 3.0(年間有料購入換算回数(万件・推計))× 価格 680(有料購入1件当たり会社計上売上(円・推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。大手サイトへ移行
- 展示販売・イベント:数量 10.0(大型催事・展示販売の年間換算開催件数(件・推計))× 価格 0.09(1開催の売上(億円・推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。イベントを大幅削減
- 出版・マスターライツ:数量 8.0(雑誌刊行・版権タイアップの年間換算案件数(件・推計))× 価格 0.11(1案件当たり売上(億円・推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。紙媒体と権利料が細る
- GPUサーバー販売・AI開発支援:数量 0.0(約3098万円相当のGPU機器売上換算ロット数(単位・推計))× 価格 0.25(ロット当たり機器販売売上(億円・推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。GPU機器販売を停止
- 物流・貨物取扱:数量 1.5(年間取扱運送案件(万件・推計))× 価格 1.02(1運送案件の会社収入(万円/件・推計))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。運送事業を大幅縮小
- 現場型派遣・作業請負:数量 900(現場派遣・請負の延べ人月(人月・推計))× 価格 60(売上高に対応する平均請求額(万円/人月・推計))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。顧客が派遣を内製化
- 事務・IT型派遣・請負:数量 400(事務・IT型請負の延べ人月(人月・推計))× 価格 52(売上高に対応する平均請求額(万円/人月・推計))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AI代替で人月0.36倍
- 買収したWeb制作・運用:数量 95.0(Web受託の延べ請求人月(人月・推計))× 価格 62(受託業務の平均請求額(万円/人月・推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替で人月0.40倍
倍率:構造的な負けで継続利益が赤字となる。2025年末の現時点自己資本30.8億円にPBR0.46526を掛け、時価総額14.33億円とする。2035年までの留保・減損後自己資本22億円に掛けていない。現在の純現金14.2億円を下回らない資産床に近い水準であり、含み益やのれんの額面は床へ加えない。市場の過去の谷の倍率からは導いていない。
確率:下に寄せる理由:過去10年に赤字期が多く、買収先管理の弱さが確認された。景品の競争劣位とAI代替が重なると資本を失うが、現金は厚く直ちに倒産する可能性は低いため16%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
クレーンゲーム景品卸
ブレイクがキャラクター雑貨などを企画・製作委託し、ゲーム施設へ供給する現物の景品。
| 数量万個相当/年・推計 | 価格卸売平均単価(円/個・推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 693 | 500 | 35 | 3 |
| 10 年後 中立 | 800 | 600 | 48 | 4 |
取り方:2025年決算の売上34.63091億円と営業利益3.40816億円が実績。実際の景品個数・平均売価は非開示であり、卸単価500円を仮定して年間692.62万個相当と逆算した分析上の換算量で、実個数ではない。JAIA2024年度の国内景品製品販売652億円との単純比較は約5.3%だが、流通経路・対象年度のずれを含む粗いシェア目安。プライズ機の遊技売上4177億円は別市場。景品の小売価格上限おおむね1000円の運用があり価格転嫁に制約。AIエージェントは景品の現物を代替しない。
電子書籍配信「モビぶっく」
小規模な電子書店。配信・取次収入から集客費用などを差し引いて利益を得る。
| 数量年間有料購入換算回数(万件・推計) | 価格有料購入1件当たり会社計上売上(円・推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 12.0 | 681 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 7.0 | 790 | 1 | 0 |
取り方:2025年実績の収入0.81677億円、損失0.08561億円。課金件数と客単価は非開示のため、12万件×680.64円に換算した推計であり、総流通額と会社手数料の区別は不明。2026年上期0.29932億円で前年比27.2%減。国内電子書籍市場2025年度6846億円に対し単純な収入比率は0.012%だが売上計上方法が一致しないため厳密なシェアではない。大手ストアとの競争とAI検索経由の顧客離反を想定。
展示販売・イベント
ブレイクの催事・展覧会、著名作品の展示販売や会場物販。
| 数量大型催事・展示販売の年間換算開催件数(件・推計) | 価格1開催の売上(億円・推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 20.0 | 0.10 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 22.0 | 0.12 | 3 | 0 |
取り方:2025年実績売上2.06633億円、営業損失0.03164億円。実開催件数非開示。約20件の販売会・展覧催事換算、1件1033万円相当とする推計で、大小のイベントに同じ単価で請求した意味ではない。大型のhide企画展が売上を左右し、2026年上期は前年同期比75.6%減。出典は2025通期と2026中間の決算短信。市場全体の厳密な同一範囲の数値は確認できない。
出版・マスターライツ
Popteen、Cuugal、Pop egg関連の紙媒体・権利・タイアップ、モデルの活動。
| 数量雑誌刊行・版権タイアップの年間換算案件数(件・推計) | 価格1案件当たり売上(億円・推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 12.0 | 0.13 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 14.0 | 0.15 | 2 | 0 |
取り方:2025年のマスターライツ売上1.54959億円、営業損失0.09217億円。刊行部数・広告単価・案件数は公表されないため、雑誌と版権を年12案件×約1291万円で換算。2026年上期は売上1.02668億円となり、前年同期比で増収・黒字化した。全国の紙雑誌市場は縮小し、当社の0.04%前後の売上比率も広告・ライセンスを含むため単純比較できない。AI生成制作や媒体広告の競争を反映。
GPUサーバー販売・AI開発支援
AI Tech SolutionsのGPUサーバー販売代理、AI業務支援ツールの開発。
| 数量約3098万円相当のGPU機器売上換算ロット数(単位・推計) | 価格ロット当たり機器販売売上(億円・推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 100 | 0.31 | 31 | 2 |
| 10 年後 中立 | 3.0 | 0.30 | 1 | 0 |
取り方:2025年売上30.978億円、営業利益1.98350億円。顧客数、販売台数、ソフト売上の分離は未開示のため、売上を仮に100ロット×約3098万円で分解した換算単位であって実際のサーバー出荷台数ではない。2025年第4四半期の新規受注はゼロ件、2026上期売上0.25億円・前年比98.3%減と縮小。退院サマリー支援システムの売上実額は確認できず、AIエージェント製品による持続的な伸びは想定しない。2025年だけの収益と扱う。
物流・貨物取扱
antzとエムの運送・利用運送。エムの不適切な売上計上が判明し、同社は運送から撤退予定。
| 数量年間取扱運送案件(万件・推計) | 価格1運送案件の会社収入(万円/件・推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 3.2 | 0.99 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 3.7 | 1.18 | 4 | 0 |
取り方:2025年の公表売上3.16996億円・事業利益0.62083億円を3.2万件×約9906円と換算。運送件数・実単価非開示で、しかも2026年8月に過年度物流売上の一部が実態のない取引として修正再表示されたため、2025の公表高を恒常的な正常売上とは見ない。2026上期は1.951億円、営業利益0.03344億円に細り、2026年10月再発防止策はエムの運送撤退を掲げる。現物業務でAI直接代替ではないが事務手続は代替される。
現場型派遣・作業請負
antzの物流倉庫、製造、店舗・イベント等に人員を供給する現場型の労務。
| 数量現場派遣・請負の延べ人月(人月・推計) | 価格売上高に対応する平均請求額(万円/人月・推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,600 | 54 | 9 | 0 |
| 10 年後 中立 | 1,680 | 69 | 12 | 0 |
取り方:総合人材サービス2025売上14.27684億円と利益0.41758億円のうち、物流・製造・店舗など現場型を売上の60%、利益も60%と仮配分。8.566104億円=1600人月×53.538万円。会社は職種別収入・人数を公表しないため便宜的推定である。2026上期のセグメント全体は8.6089億円で営業利益0.04084億円、顧客需要は強いが薄利。現場の身体的作業はAIエージェントによる全置換の対象外、事務部分は残る。
事務・IT型派遣・請負
antzの事務、コールセンター、SE関連の時間請求型業務。
| 数量事務・IT型請負の延べ人月(人月・推計) | 価格売上高に対応する平均請求額(万円/人月・推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,100 | 52 | 6 | 0 |
| 10 年後 中立 | 715 | 62 | 4 | 0 |
取り方:総合人材サービスの売上14.27684億円から、開示のない事務・IT側を仮に40%=5.710736億円と配賦。1100人月×51.9158万円/人月は市場の派遣単価との整合性をみた換算で実績工数ではない。AIエージェント代替の「人月・工数」の型で、中立10年数量1100→715人月=0.65倍、単価51.92→62万円=1.19倍、10年後以降gは0%。成果報酬に転じた売上の実績がなく堀の特例を用いない。
買収したWeb制作・運用
2026年10月に取得したマカルーデジタルの受託Web制作・保守。
| 数量Web受託の延べ請求人月(人月・推計) | 価格受託業務の平均請求額(万円/人月・推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/07(買収先の単体参考値) | 240 | 59 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 156 | 71 | 1 | 0 |
取り方:2026年10月取得のマカルーデジタルの2025年7月期売上1.42470億円、営業利益0.05400億円を年240人月×59.3625万円と推計。2025年のフォーサイド連結売上に含まれていないプロフォーマ参考値であり、現在のほか8区分の2025売上合計87.4884億円に加えると88.9131億円になるが基準のfacts87.5億円は動かさない。AIエージェント代替の「工数で売るWeb受託」型で中立数量0.65倍、単価約1.20倍、g_long0%。2026年買収価額合計0.79億円。
リスクと懸念
AIエージェント代替
antzの事務・コールセンター・SE関連の請負と、2026年取得したWeb制作業務は、必要人数や人月を課金単位としている。顧客がAIエージェントを使って直接処理すれば、作業時間は減り、残った案件の価格にも下押し圧力がかかる。中立で対象の延べ人月を10年間で約35%減らし、価格上昇も物価以下にした。現物の景品・運送・現場派遣には同じ削減をかけず、技術理由を資本コストへ重ねない。
景品の価格上限と版権更新
クレーンゲーム景品は小売価格がおおむね千円以下という運用上の制約を受け、仕入値上げをそのまま施設へ転嫁できない。ブレイクの企画力は評価できるが、キャラクターの権利元がライセンス条件を変えれば利益率が下がる。人気IPと販路を持つ競合に対し、顧客の継続発注率や独占契約年数の開示が乏しく、数量と単価の両方が想定に届かない恐れがある。
GPUの特需剥落と低い反復性
AI Tech Solutionsの2025年のGPUサーバー販売約31億円は一度の大型案件に支えられ、2025年末に新規受注が消えた。2026年上期は売上が前年同期比98.3%減となり、機器卸の利益を長期間続ける根拠がない。AI市場全体の成長を自社の独占利益と取り違えると、2025年のROEだけを見て価値を過大評価する。退院サマリー製品の継続売上も別途検証が必要だ。
子会社統制と再び起きる買収損失
物流子会社エムで取引の実態を欠いた売上が計上され、2026年に過年度決算を修正した。第三者調査を受けて買収検証・子会社監査の強化が公表されたが、その実効性は今後の運用に依存する。2025年のantz、2026年のマカルーデジタルと買収が続くため、案件審査が甘ければ現金と株式を使って利益の薄い事業を増やし、少数株主の資本を減らす。
現金の非還元と希薄化
2025年末の純現金約14億円は損失を吸収するが、配当実績は乏しく、数字を伴う還元方針が見当たらない。antzの買収対価には自己株式90万株が使われ、既存株主の持分比率を下げる取引も行われた。純資産が大きいからといって帳簿の現金がそのまま少数株主に返るわけではない。実際の買収予算、配当開始、自社株買いを継続して確認する必要がある。
固定費と薄い増分投資収益
2026年上期の人材サービスは売上約8.6億円を計上しながら利益は約0.04億円にとどまる。本社費は半年で約0.88億円に達し、赤字の電子書店・催事を抱える。物価高と人件費上昇が続けば、景品卸の増益だけで本社費を支えられない。収益性の低い新規事業に投資してもROEは資本コストを超えず、株主が現金を長く預ける価値は高まらない。
今後の分かれ目
- ブレイクの景品卸売上が3年間にわたり実質で年5%以上増え、営業利益率も10%以上を維持したら
- 競合からのシェア取得と企画力の改善が確認できる。まず景品数量と利益率を上方修正し、楽観側の確率を増やす。ただしキャラクター契約の継続性も同時に検証する。
- ゲームセンターの景品小売上限が見直され、景品製品の実際の販売単価が継続上昇したら
- 物価転嫁制約が緩むので景品の10年単価と営業利益を引き上げ得る。制度の変更だけでなく施設が新価格でも同じ数量を発注する実績を重視する。
- 総合人材サービスの人月が減っても粗利益が増え、成果報酬型契約の金額が開示されたら
- AIエージェント代替の人月縮小に対する防御力が確認できるため、事務・IT部分の価格や収益率の前提を見直せる。売上のないAI活用の宣伝だけでは変更しない。
- 物流子会社に係る修正や追加損失が続き、内部監査改善の実施が遅れたら
- 資産床と現金の株主還元可能性を再検査し、買収時の損失を重くみる。統治の不確実性は資本コストに重ねず、悲観側の筋書きと確率で扱う。
- 会社が配当性向や総還元額の数値目標を公表し、数期にわたり履行したら
- 留保利益が株主へ戻る確信度が上がる。excess_cash_returnを0.75から1.0へ見直す余地ができるが、設備や在庫に必要な現金まで余剰に含めない。
- GPUサーバー販売の長期契約と、AI業務支援製品の有料顧客数・継続売上が金額で確認できたら
- 機器の一時販売と継続する製品事業を分離し、実際に利益を生む部分だけ成長を加算する。単なる市場拡大予測や製品の公開だけでは楽観側に上積みしない。
- マカルーデジタル買収後の利益が資本コスト相当の年0.07億円以上に達し、翌年も継続したら
- 買収価額0.79億円に対する投資収益が改善した証拠となり、Web受託の採算前提を見直す。ただし人月そのものが縮むAI代替の構造は残る。
見ておくもの
- ブレイクの景品事業:四半期売上、利益率、販売先と商品・版権の継続性
- 景品小売価格おおむね1000円の運用変更とJAIAの景品製品販売額・クレーン機台数
- GPUサーバーの四半期新規受注と2025年特需の再発でない継続契約
- 2026年10月公表の再発防止策:エムの運送撤退と監査人員増強の実施
- antzの売上に対する利益率、現場派遣と事務・IT請負の内訳
- マカルーデジタルの取得後売上・営業利益・追加のれん負担
- 配当金・自社株買いの実行、自己株式処分、発行済株式数の推移
- 2026年12月期の会社計画営業利益約1.08億円に対する進捗と法人税後利益
- 現金預金、有価証券、預り金、買収支出と純現金の変化
倍率と資本コストの決め方
時価総額34億円や過去のPER、株価の急騰急落は、数量・単価・利益率・終価倍率を決める際には使っていない。2025年のGPU売上約31億円を10年続く成長の起点にはせず、2026年上期の売上縮小と2025年末の受注停止で実力を見直した。卸売の652億円と施設利用料4,177億円は異なる市場として扱い、実出荷数量と販売単価が非開示の項目は推定と明記した。人月業務はAI代替による数量減を直接反映し、g_longも低くしたが、寿命の加算には重ねていない。中立~楽観のPERはk8.25%、g1%、残存する増分ROEから出した式の上限である。悲観側のPBRは将来の積増し自己資本ではなく2025年末の約30.8億円を分母にした。物流の訂正で2025年末の公表数値は後日修正されているが、依頼指定のfactsを数値基準とし、訂正後開示を品質評価に反映した。新リース会計による貸借対照表の表示変化は、家賃を含む実際の収益力を押し上げるものとして扱っていない。
資本コスト 9.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%に循環、弱い価格支配力、純現金の3要素の計+0.75%を足す。統治問題は追加kにせず筋書きの利益と確率に反映した。
同じ業種(情報・通信業)の AI 分析
読んだ資料
- フォーサイド 2025年12月期 決算短信(2026年2月13日、訂正前数値をfactsの基準として利用)
- フォーサイド 2026年12月期 第2四半期決算短信(2026年8月14日、訂正後セグメントと継続企業注記)
- フォーサイド 再発防止策の策定(2026年10月2日)
- フォーサイド マカルーデジタル株式取得のお知らせ(2026年9月4日)
- 日本アミューズメント産業協会 プライズ市場・景品価格の統計(2024年度)
- 日本アミューズメント産業協会 2026年5月広報・景品製品販売額652億円
- 日本人材派遣協会・厚生労働省の派遣事業規模データ
- インプレス総合研究所 電子書籍ビジネス調査報告書2026