結論
環境フレンドリーホールディングスは、太陽光発電所の管理、貴金属の再流通、再生可能エネルギー、GPUサーバーとデータセンターを組み合わせる小規模な複合企業である。筆者の結論は「割高」だ。苫小牧で進むAIデータセンターには大きな収益機会があるが、需要家との本契約も長期の稼ぐ力も、まだ確認できない。今の時価総額は、建設・資金調達・顧客獲得が次々と成功する未来を先取りしている。
過去の売上は事業の入れ替えによって激しく変わった。スマートフォンなどの買取販売から退いたため、2024年の172億円は2025年に14億円弱まで縮んだ。直近の2026年中間期は営業黒字だが、金地金の一部は売上を純額で計上し、最終利益には子会社株式売却益も含まれる。収益率の改善をすべて競争力の向上とみるのは危うい。
一方、2025年末の発電所管理資産は約918億円に達し、2026年7月には長野の2MW蓄電所も稼働した。これらは空想の事業ではない。ただし管理資産は会社が所有する純資産ではなく、大規模データセンターの利用料もまだ収益ではない。工事中の資産、借入金、繰り返す株式発行を通じて利益が既存株主にどれだけ残るかが、長期価値を決める。
10年後に一部のデータセンター容量が契約される中立の筋書きでも、利益率と資本効率はまだ十分に高くない。成功時の伸びしろは認めるが、未契約容量をすべて稼働済みとして払う値段に安全域は見いだしにくい。
5つの筋書きによる本質価値は約22億円で、基準時価総額約158億円に比べ約86%低い。事業に可能性があることと、既存株主にとって今の価格が安いことは別の判断である。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって、この会社は「良い市場にいること」と「良い商売を持つこと」を区別して見るべき例である。再エネ、蓄電池、データセンターは10年後も必要だろう。しかし需要が増える業界に参入したからといって、株主資本を上回る利益が自動的に生まれるわけではない。新しい設備を完成させ、その上で顧客が高い料金を長く払って初めて、建設費を超える価値が生まれる。
発電所管理の実績は無視できない。約137MWの受託設備は現物と顧客関係に裏付けられている。だが報酬の引き下げが起きている以上、顧客が簡単には離れられない強固な堀だとは言えない。既存のソフトウェア導入支援や金融助言の一部は、AIエージェントによって顧客が内製化する可能性も高い。逆に、保守工事、発電、蓄電、データセンターの電力設備は画面操作だけで置き換わらない。
オーナー利益を見る時には、会計上の利益から更新投資と資金調達の負担を意識する。2026年中間期には建設仮勘定が約26億円に達し、利払いも増えた。データセンターの減価償却は完成後に始まり、次世代GPUや蓄電池の交換はさらに現金を要する。物価上昇で売上が伸びても、更新費用がそれ以上なら配当原資は増えない。
現時点で最も難しいのは、経営陣の資本配分を高く評価できるだけの長期実績がないことだ。赤字期と希薄化を何度も経験している会社に、次の大型投資の成功を当然として払うべきではない。苫小牧の長期契約と建設費の確定、運転開始後の現金回収、希薄化を超える1株当たりの価値向上が順番に示されて初めて、安全域を再評価できる。
何で稼ぐ会社か
事業の柱は2026年から四つに組み替わった。グリーンファイナンスは発電所の資金調達支援、アセットマネジメント、設備更新の助言、投資型クラウドファンディングで報酬を得る。2025年末に関与する発電所は14か所、総投資額を示す管理資産は約918億円だった。このうち管理受託する太陽光設備は約137MWであり、残るバイオマスや太陽光の一部は少数持分による出資である。管理資産を売上や自社保有資産として足すことはできない。
グリーンリサイクルは金・プラチナの出張買取と卸売りが中心だ。2024年まで大きかった中古スマートフォンなどの事業は止めており、2025年にはソフトウェアの導入支援やライセンスも同区分に含まれた。貴金属の大口取引では一部を手数料に近い純額で表示するため、売上高と地金の取扱高は違う。2026年中間期のセグメント利益率が際立って高く見えるのは、この表示の違いを無視できないためだ。
グリーンエネルギーは太陽光の売電とソルガム種子などを扱う。長野県上田市では2MW・8MWhの系統用蓄電所が2026年7月に本格稼働し、卸電力市場や需給調整市場で収入を得る試みが始まった。ただし充放電による利ざやは市場価格と劣化費用に左右され、発電所の管理契約とは異なるリスクを持つ。
グリーンデジタルの現時点の売上はGPUサーバー・クラスタの販売によるものだ。新たに連結したAI Tech Tomakomaiを通じ、北海道苫小牧に高圧受電設備とデータセンターを建設している。第Ⅰ期10MW、第Ⅱ期を含め50MWの構想は大きいが、2026年9月にVerda Cloudとの優先交渉の基本合意は満了し、本契約はまだない。会社が示した10MW当たり年24~25億円は、契約成立と稼働を条件とする参考値である。
優良さと弱いところ
10年後まで残りそうな強みは、発電所の運営現場に関わり、資金調達から設備更新までをつなぐ顧客接点である。会社はファーウェイ・ジャパンや韓国S-Energyとリパワリングの協業を進め、すでに具体的な更新案件を公表した。この積み重ねが施工実績と再受注につながれば、単なる助言会社から現場を理解した管理会社に近づく。しかし解約率の低さ、長期独占契約、継続的な値上げといった堀の証拠は開示されていない。
むしろ現状では価格交渉力の弱さが目立つ。2026年中間期の金融事業は、前期にあった投資助言案件がなくなり、管理報酬の契約見直しでも減収となった。金属売買の利ざやは買取相場と同業者の競争で決まり、GPUサーバーはメーカーの技術更新で旧製品が値下がりする。苫小牧の土地と特別高圧受電設備は参入障壁になり得るが、顧客との長期契約や稼働実績がなければ値決め力に変わらない。
資本効率も合格点には遠い。2025年の純利益はほぼゼロで、過去10年のROE中央値はマイナスである。2026年中間期の自己資本は増えたが、その主因は株式発行であり、内部で稼いだ利益が積み上がったためではない。金融費用が急増し、建設仮勘定も膨らんだ。設備の完成と長期契約で増分投資収益率を証明するまでは、堀は弱いと判断する。中立2036年のROEも約4%で、資本コスト8.5%に届かない。
財務の絶対額が小さい中で事業を同時に広げている点も重い。2026年中間期は営業キャッシュフローが黒字だが、商品や売掛債権の減少による資金回収が大きい。営業現金の恒常的な創出力と、第三者から集めた建設資金を混同してはならない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
環境金融の背後には再エネ設備の保守・更新需要がある。矢野経済研究所は国内再エネ設備の運営管理・保守点検市場を2024年度約1.21兆円、2030年度約1.53兆円と見込む。ただしこれは発電所O&M全体で、同社の金融助言や管理報酬だけの市場ではない。同社の管理受託太陽光容量約137MWは、国内の事業用太陽光設備約60GWと比べると約0.23%にすぎず、比較対象をそろえた厳密な受託シェアではない。オリックス、レノバ、大手電力会社、独立系アセットマネジャーなどに対する優位はまだ限定的だ。
貴金属の再流通は国内リユース市場の一部であり、環境省が把握した2024年のリユース最終需要は約3.50兆円、別の業界調査による2025年の推計は約3.46兆円である。田中貴金属系の地金取引、大黒屋、コメ兵、バイセルなど、仕入れと査定を得意とする競合は多い。地金の純額売上と中古品の最終販売額では測定方法が違うので、同社の市場シェアを無理に計算しない。金価格の高騰だけで恒久的に粗利が増えるとも考えない。
AIインフラ需要の伸びは大きい。総務省の2026年版情報通信白書は日本のデータセンターサービス市場を2025年253億ドル、2030年351億ドルと見込んでいる。苫小牧の10MWが全部使われれば年24~25億円という参考売上は、円換算した国内市場全体の約0.06%に当たるが、広いサービス市場と施設リースの比較であって厳密なコロケーションシェアではない。競争相手にはNTTグループ、KDDI、アット東京、Equinix、大手クラウド事業者がいる。電力と通信回線を備えた場所の確保は価値がある反面、建設費の高騰と大口顧客の交渉力も増す。
系統用蓄電池は需給調整の拡大で参入余地があるが、接続案件が増えるほど裁定収益が薄まる可能性がある。GPUサーバー市場も拡大しているものの、メーカーや販売代理店が価格を決め、旧世代品の陳腐化は速い。太陽光のFIT価格据え置き、更新設備の値上がり、充放電の劣化費用を含め、物価上昇をそのまま利益の成長とはみなさない。
資本政策と M&A
資本配分で最も目立つのは、配当より資金調達と事業転換を優先してきた歴史である。2025年の年間配当はゼロで、2026年も無配予定だ。2023年以降にも株数は大きく増えており、2026年中間期だけで新株発行による資金流入が約17億円あった。翌8月には第21回新株予約権の残りが行使され、発行済株式は約3億71百万株になった。さらに第23回新株予約権には最大で約5,870万株の未行使分があり、既存株主の取り分を薄め得る。
過去の事業買収や売却を、すべて将来の価値創造とみることはできない。2026年には立体駐車場・ビル管理のアイレスを売却し、AI Tech Tomakomaiを子会社化した。バイオマス発電所には匿名組合を通じて少数持分で参画し、青森の太陽光持分は譲渡した。収益の形が変わるたび、事業を継続して稼いだ成果と売却益を分ける必要がある。
2026年3月の事業計画資料には、2026年末の発電所管理資産1,000億円という計数目標があり、2025年末の実績は約918億円だった。ペロブスカイト関連8.6億円、リパワリング・Non-FIT開発6.8億円という複数年度にまたがる投資計画も示している。しかし売上、営業利益、ROE、配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額についての中期的な数字の約束はない。将来の還元は利益が安定してからの少額に限り、余剰現金の株主への戻り方も控えめに見る。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
最も大きな資産は、顧客との契約がまだ付いていない苫小牧の電力インフラだ。土地を確保し、66kVの特別高圧変電所の建設を進め、まず10MW、最終的に50MWという構想を持つ。データセンターの地方分散は政策上の課題でもあり、北海道の冷涼な環境と電力供給基盤を組み合わせられれば、既存の都市部施設とは異なる需要を取れる。Verda Cloudとの独占交渉が終わったことも、別の顧客に提供できる柔軟性と見れば必ずしも全面的な失敗ではない。
強みは単独のデータセンターにとどまらない。既存の発電所管理を入口として、設備の更新、蓄電、電力の販売、GPUサーバーの調達まで顧客に提供する経路がある。2026年7月には長野の蓄電所が実際に動き始め、同年中間期にはグリーンデジタルの販売実績も立った。ファーウェイ・ジャパン、S-Energyとの協業が受注を増やし、複数の案件が継続収益に変わる余地がある。
需要側にも根拠がある。日本のデータセンター市場は2030年に向け拡大が見込まれ、電力消費の大きいAI処理は立地の選択肢を広げている。大企業の通信回線や販売網を持たない弱みも、設備と契約を共同投資の形にすれば一部補える。発電所の運用実績が外部資金の信用を生み、データセンターも段階的に稼働できれば、これまでとは別の高収益事業へ変貌し得る。ただし将来の利益が既存株主に残るには、追加の大規模な新株発行を抑える条件が付く。
慎重な見方
この会社の問題は、成長分野に参入するたびに主力の事業が変わり、利益が積み重なる姿を見せられていないことだ。スマートフォンの買取販売が2024年の売上を押し上げた後、為替、税還付、資金繰りのリスクから休止した。2025年に増益へ転じた貴金属取引は、一部の売上を純額で認識するようになり、表面上の利益率が大きく変わった。過去の営業黒字はそのまま次の10年の稼ぐ力にはならない。
苫小牧の参考利用料は、入金が確定した売上ではない。2026年9月にVerda Cloudとの基本合意は期間満了となり、最終契約、サービス水準の契約、予約保証金の入金はいずれも成立していない。実際の契約があっても電力工事、建物、冷却、通信設備の費用は先に生じる。顧客や技術の入れ替わりが激しければ、値上がりした設備の更新を迫られ、会計利益ほどの現金が残らない。
発電所の管理資産約918億円も、企業価値そのものではない。大半は他人の発電所の総投資額、または少数持分で関わる案件である。2026年中間期の金融事業では現に報酬が下がり、AIエージェントが契約分析や投資資料づくりを代替すれば、人的な助言報酬はさらに圧迫される。大型金融機関や再エネ運営会社、データセンター大手に対抗する価格決定力も確認できない。
さらに最大の障害は希薄化だ。中間期の営業活動で獲得した現金より、投資・貸付けに使った現金の方がはるかに多く、資金調達は新株発行と借入金が担った。将来の利益が増えても、それ以上の資本が必要なら株主1人当たりの取り分は増えない。現時点の時価総額を正当化するには、複数の新事業で高い収益率が同時に定着しなければならない。
どちらに重みを置いたか
慎重な見方が優勢である。管理受託設備と稼働を始めた蓄電池は確かな事業基盤だが、2026年中間期の金融部門は赤字で、主な成長材料の苫小牧は本契約がない。過去の赤字と度重なる株式発行に加え、純額売上への切り替えも利益の持続性を読みづらくしている。したがって楽観側20%、中立30%、やや悲観と悲観の合計50%とし、成長市場の魅力より契約不成立と資本配分失敗の固有リスクを重く見た。AI代替による収益低下は中立の金融事業にも反映しており、同じ影響を資本コストに重ねていない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 13 円48 億円(+ 還元の換算額還元の合計 0 円1 億円)。 今の値に割り戻すと 6 円22 億円、今との差 −85.8%、 期待の年率 −10.8%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 64 円231 億円 | 2 円7 億円 | +57.6% | +4.7% | 5 円17 億円 |
| やや楽観 | 13% | 24 円87 億円 | 0 円2 億円 | −41.6% | −5.3% | 3 円11 億円 |
| 中立 | 30% | 11 円41 億円 | 0 円0 億円 | −72.6% | −12.2% | 3 円12 億円 |
| やや悲観 | 27% | 4 円16 億円 | 0 円0 億円 | −89.7% | −20.3% | 1 円4 億円 |
| 悲観 | 23% | 4 円16 億円 | 0 円0 億円 | −89.7% | −20.4% | 1 円4 億円 |
| 加重平均 | 100% | 13 円48 億円 | 0 円1 億円 | −68.0% | −10.8% | 13 円48 億円 |
今の株価時価総額 42 円151 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 7% 苫小牧の段階稼働と資産運営が同時に成功 利益 23 億円 · PER 12.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 64 円231 億円
苫小牧は最初の10MWの契約と引渡しを実現した後、追加40MWの一部も複数の需要家で埋める。2036年には35MWが実際に商用稼働し、参考条件に近い利用料を収受している。土地と66kV受電設備が顧客の設備移設負担を高め、長期の更新契約につながる。建設費は巨額だが、共同出資・プロジェクト融資・新株予約権の資金を使い、収益の過半が会社と親会社株主に残る構造を確保する。
グリーンリサイクルは金属取引の相手方を広げ、純額売上を増やしながら適正な仕入利ざやを維持する。グリーンエネルギーでは売電とバイオマス商材の成約が増え、長野の蓄電事業も複数設備へ広がる。ファーウェイ・ジャパン、S-Energyとの協業は実際の設備更新受注に結びつく。GPUサーバー販売は単発の代理店取引で終わらず、施設の利用者を紹介する入口となる。
それでも金融助言の仕事量はAIエージェントへの内製化で増えない。既存顧客への管理報酬は慎重に扱い、実物設備が利益の中心を占める。好調期の収益を全額配当できるわけではなく、蓄電池の交換と施設更新に十分な費用を掛けた後、限定的な株主還元を始める。
- グリーンファイナンス(AM・投資助言・募集):数量 135(太陽光発電所の管理受託容量(MW・DC、実質の契約量))× 価格 0.01(管理容量1MW当たり年換算の管理・助言・募集報酬(億円/MW、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。助言業務はAIの影響を免れず、管理MWは現在より伸びない
- グリーンリサイクル(貴金属・資源循環):数量 260(貴金属大口取引等の成約案件数(件/年、非開示のため推定))× 価格 0.05(1案件当たり計上売上・地金売買の純額手数料相当(億円/件、名目))→ 売上 13 億円・営業利益 5 億円。高額地金・環境機器で成約件数拡大、純額単価はやや上昇
- グリーンエネルギー(売電・バイオマス商材):数量 40.0(売電・バイオマス商材の年間供給契約件数(件/年、非開示のため推定))× 価格 0.43(電力・種子等の混合1契約当たり計上売上(億円/契約、名目))→ 売上 17 億円・営業利益 3 億円。商材供給契約40件、値上げ以上に案件を増やす
- 系統用蓄電池・需給調整:数量 45.0(商業運転している蓄電池の系統側出力(MW))× 価格 0.60(1MW当たりの市場取引・需給調整収入(億円/MW・年、実績未公表のため推定))→ 売上 27 億円・営業利益 6 億円。既存2MWから45MWへ増設、稼働実績と入札力を獲得
- グリーンデジタル(GPUサーバー販売):数量 70.0(GPUサーバー・クラスタ機器の成約案件数(件/年、非開示のため推定))× 価格 0.38(1案件当たりGPUサーバー販売代金(億円/案件、名目))→ 売上 27 億円・営業利益 4 億円。GPU機器の取扱いを毎年更新
- グリーンデジタル(苫小牧AIデータセンター):数量 35.0(有償長期契約が成立し商業稼働している受電容量(MW))× 価格 3.35(稼働容量1MW当たり年間コロケーション利用料(億円/MW・年、名目))→ 売上 117 億円・営業利益 33 億円。最大50MW構想の35MWに長期契約、償却・電力調達費控除後28%
倍率:2036年ROEは10.45%でk8.50%を上回るが、競争上の堀は弱い。増分ROICの目安RONIC=k+1/3×(ROE−k)=9.15%とし、2036年より先のg=2%、k−g=6.5%を用いた正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=12.022倍の上限そのもの。現在の株価や過去PERは参照しない。建設負担と金利、税、少数株主持分控除後の利益に掛ける。
確率:35MWの商用契約獲得、建設資金の確保、蓄電45MWへの拡大、GPU販売の継続がすべて成立する複合成功事象であるため7%にとどめる。
やや楽観 13% 第Ⅰ期が軌道に乗り追加容量も一部稼働 利益 9 億円 · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 24 円87 億円
Verda Cloudとの交渉が再びまとまるか、別の需要家が契約して第Ⅰ期10MWが稼働する。さらに第Ⅱ期の一部が完成し、2036年の契約稼働容量は15MWとなる。受電設備を完成させた後は既存施設を増設に使え、最初の建設より資金効率は改善する。収入は積み上がるが、競合する大手データセンターの供給増により、提示単価を物価以上に引き上げる力はない。
太陽光設備のリパワリングは既存顧客に定着し、運転管理から工事紹介へ仕事の範囲が広がる。金・プラチナ取引は案件の継続で利益を確保し、GPUサーバー販売は販売代理店として一定の件数を保つ。蓄電は25MWまで増やすが、需給調整市場への参入者が増え、初期の高い裁定利ざやは徐々に縮む。
増資で得た現金と借入資金を設備に投じるため、連結利益が増えても自己資本利益率は突出しない。契約が続けば初めて配当を議論できるが、建設資金の返済が先行する。既存株主には事業価値の拡大と同時に、2026年に発行済み・未行使の株式による希薄化が残る。
- グリーンファイナンス(AM・投資助言・募集):数量 112(太陽光発電所の管理受託容量(MW・DC、実質の契約量))× 価格 0.01(管理容量1MW当たり年換算の管理・助言・募集報酬(億円/MW、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。管理MWは一部減少、投資組成で補うがAI圧力は残る
- グリーンリサイクル(貴金属・資源循環):数量 200(貴金属大口取引等の成約案件数(件/年、非開示のため推定))× 価格 0.05(1案件当たり計上売上・地金売買の純額手数料相当(億円/件、名目))→ 売上 9 億円・営業利益 3 億円。金属買取案件と小規模リサイクル商材が増加
- グリーンエネルギー(売電・バイオマス商材):数量 32.0(売電・バイオマス商材の年間供給契約件数(件/年、非開示のため推定))× 価格 0.41(電力・種子等の混合1契約当たり計上売上(億円/契約、名目))→ 売上 13 億円・営業利益 2 億円。売電・種子などの供給契約32件へ
- 系統用蓄電池・需給調整:数量 25.0(商業運転している蓄電池の系統側出力(MW))× 価格 0.55(1MW当たりの市場取引・需給調整収入(億円/MW・年、実績未公表のため推定))→ 売上 14 億円・営業利益 3 億円。25MWの蓄電池稼働、裁定利益は平準化
- グリーンデジタル(GPUサーバー販売):数量 35.0(GPUサーバー・クラスタ機器の成約案件数(件/年、非開示のため推定))× 価格 0.34(1案件当たりGPUサーバー販売代金(億円/案件、名目))→ 売上 12 億円・営業利益 2 億円。GPU機器販売35案件、製品世代ごとの更新価格競争あり
- グリーンデジタル(苫小牧AIデータセンター):数量 15.0(有償長期契約が成立し商業稼働している受電容量(MW))× 価格 3.15(稼働容量1MW当たり年間コロケーション利用料(億円/MW・年、名目))→ 売上 47 億円・営業利益 11 億円。第Ⅰ期10MWと追加5MWを有償契約し稼働
倍率:2036年親会社株主帰属ROE6.07%はk8.50%以下で、新規投資の超過利潤は正当化できない。中立以上の筋書きでは利益の質を二重に割り引かず、既存の稼ぐ力の上限1/k=11.7647倍を採用し、稼いだ利益×その倍率を時価総額とする。g_long2%はROEがkを超えないため倍率の成長上乗せには使わない。
確率:第Ⅰ期10MWの安定契約と部分増設は十分に考えられるが、2026年9月時点で優先交渉相手との本契約が未成立のため13%。
中立 30% 苫小牧は一部契約、非中核事業は選別して残る 利益 4 億円 · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 11 円41 億円
苫小牧は着工・調整の遅れや契約条件の交渉を経て、2036年に8MWが商用稼働している。最初のVerda Cloudとの優先交渉は決着しなかったが、別の利用者も含めて段階的に稼働した。年間の施設利用料は得られる一方、建設費と電力調達費、冷却設備の更新負担が利益を抑える。追加40MWの構想は残っても、未契約の容量に売上を計上しない。
再エネ関連では管理受託する容量は約90MWに縮む。発電所所有者が管理を内製化し、AIエージェントが投資資料・定型分析の作成を肩代わりするためだ。実物の保守工事は必要だが、契約上の値上げは物価並みに届く程度にとどまる。貴金属取引とソルガム等の供給先は堅調に増え、蓄電容量は10MWへ広がるが、いずれも支配的なシェアは取れない。
GPUサーバーは単価が実質で下がり、案件数の増加が売上を支える。中間期に目立った金属取引利益率も持続すると考えず、通常の競争水準に戻る。新株予約権の払込金を設備投資に充てても自己資本が先に増えるため、ROEは資本コストを下回る。利益は借入金返済と施設更新に使い、配当はまだ始めない。
- グリーンファイナンス(AM・投資助言・募集):数量 90.0(太陽光発電所の管理受託容量(MW・DC、実質の契約量))× 価格 0.01(管理容量1MW当たり年換算の管理・助言・募集報酬(億円/MW、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。現在の受託137.17MWから0.66倍、単価は1.31倍でAI代替型の範囲に収める
- グリーンリサイクル(貴金属・資源循環):数量 145(貴金属大口取引等の成約案件数(件/年、非開示のため推定))× 価格 0.04(1案件当たり計上売上・地金売買の純額手数料相当(億円/件、名目))→ 売上 6 億円・営業利益 2 億円。純額金属取引の件数増、86%の一時的な高利益率は使わない
- グリーンエネルギー(売電・バイオマス商材):数量 24.0(売電・バイオマス商材の年間供給契約件数(件/年、非開示のため推定))× 価格 0.34(電力・種子等の混合1契約当たり計上売上(億円/契約、名目))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。年間供給契約を16件から24件、単価は物価3%の10年分程度
- 系統用蓄電池・需給調整:数量 10.0(商業運転している蓄電池の系統側出力(MW))× 価格 0.51(1MW当たりの市場取引・需給調整収入(億円/MW・年、実績未公表のため推定))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。2MW実績から10MW、需給調整価格は下げ圧力
- グリーンデジタル(GPUサーバー販売):数量 15.0(GPUサーバー・クラスタ機器の成約案件数(件/年、非開示のため推定))× 価格 0.31(1案件当たりGPUサーバー販売代金(億円/案件、名目))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。機器取引15案件、単価は物価上昇率以下
- グリーンデジタル(苫小牧AIデータセンター):数量 8.0(有償長期契約が成立し商業稼働している受電容量(MW))× 価格 3.08(稼働容量1MW当たり年間コロケーション利用料(億円/MW・年、名目))→ 売上 25 億円・営業利益 6 億円。本契約済み稼働容量8MWだけを計上し、建設後償却を費用化
倍率:2036年親会社株主帰属ROE4.12%はk8.50%以下で、新規投資の超過利潤は正当化できない。中立以上の筋書きでは利益の質を二重に割り引かず、既存の稼ぐ力の上限1/k=11.7647倍を採用し、稼いだ利益×その倍率を時価総額とする。g_long2%はROEがkを超えないため倍率の成長上乗せには使わない。
確率:数年をかけて第Ⅰ期の一部需要を確保する一方、資金費用と価格競争で収益率が制約される最も整合的な経路と見て30%。下に寄せる理由:Verda CloudのMOU失効と保証金未払い、管理報酬の値下げ、過去の撤退・増資の反復がこの会社に固有だからである。
やや悲観 27% 本契約獲得が遅れ固定資産の負担が残る 利益 −4 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 4 円16 億円
苫小牧では66kV設備と用地の準備は進むものの、長期賃貸契約の条件が整わない。Verda Cloudとの交渉は成立せず、ほかの候補とも料金・施設仕様が折り合わない。結果として2036年も施設利用料はゼロである。建設途中の設備は簡単には換金できず、支払利息、固定資産税、保全費用だけが続く。大型の追加建設は中止し、残った用地と設備の売却先を探す。
グリーンファイナンスでは人工知能による投資資料の自動化と発電事業者の内製化が広がり、委託量が約半分になる。貴金属の取引先も競合大手へ流れ、純額売上の増勢が止まる。電力商材は競争の激しい契約だけが残り、蓄電所も長野の2MWから増やせない。需給調整価格が下がるため、電池の交換と維持に見合う利益が取れない。
GPUサーバーは取引数が減り、継続的な利益源にならない。会社は費用を削るが、新事業の準備に伴って増えた本社管理費と減価償却はすぐには消えない。収益の赤字と資産評価損が積み重なり、一部の新株予約権だけが行使される。配当を払う余地はなく、保有する土地・設備の回収可能額が株主価値を支える。
- グリーンファイナンス(AM・投資助言・募集):数量 65.0(太陽光発電所の管理受託容量(MW・DC、実質の契約量))× 価格 0.01(管理容量1MW当たり年換算の管理・助言・募集報酬(億円/MW、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。管理案件は現在の約47%まで落ちる厳しいAI内製化
- グリーンリサイクル(貴金属・資源循環):数量 85.0(貴金属大口取引等の成約案件数(件/年、非開示のため推定))× 価格 0.04(1案件当たり計上売上・地金売買の純額手数料相当(億円/件、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。金属取引は数と利ざやを失う
- グリーンエネルギー(売電・バイオマス商材):数量 15.0(売電・バイオマス商材の年間供給契約件数(件/年、非開示のため推定))× 価格 0.32(電力・種子等の混合1契約当たり計上売上(億円/契約、名目))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。エネルギー商材も横ばい以下
- 系統用蓄電池・需給調整:数量 2.0(商業運転している蓄電池の系統側出力(MW))× 価格 0.38(1MW当たりの市場取引・需給調整収入(億円/MW・年、実績未公表のため推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。古里2MWのみ、裁定単価低下と交換費が重い
- グリーンデジタル(GPUサーバー販売):数量 4.0(GPUサーバー・クラスタ機器の成約案件数(件/年、非開示のため推定))× 価格 0.28(1案件当たりGPUサーバー販売代金(億円/案件、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。GPUの案件が細り在庫リスクが生じる
- グリーンデジタル(苫小牧AIデータセンター):数量 0.0(有償長期契約が成立し商業稼働している受電容量(MW))× 価格 2.90(稼働容量1MW当たり年間コロケーション利用料(億円/MW・年、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。建設済みの設備があっても顧客未契約で利用料はゼロ
倍率:未契約の苫小牧設備と減価償却負担によって赤字が続くため利益倍率では評価できない。SCHEMA §1-3に従い、PBRの分母には2036年の想定自己資本52億円を使わず、基準期2025年12月の自己資本36.9億円を使用する。換価可能な土地・受電設備・債権等の価値は回収可能額の保守的推計約16億円をわずかに上回ると判断し、PBR0.46倍、時価総額16.974億円とする。これは将来自己資本52億円の46%を認めたものではなく、今の自己資本36.9億円の46%である。過去の市場PBRは参照しない。
確率:MOUが実際に期限満了となり予約保証金も未払いだった点から、データセンターの商業化遅延は特別に低確率と扱えず27%。
悲観 23% 大規模設備が不稼働となり事業転換が失敗 利益 −6 億円 · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 4 円16 億円
苫小牧は主要需要家との最終契約が結べず、投資の回収が止まる。GPUサーバー販売も新しいメーカーやクラウド直販との競争に敗れ、ほぼ撤退する。投資で得た設備や開発権利の一部は使用できなくなり、減損処理する。建設中の施設に簿価どおりの買い手はなく、借入金の借り換え費用は資産売却まで続く。経営は新規案件を止め、既存の地金取引と小規模な再エネ契約だけを残す。
発電所管理では顧客が投資分析、決算資料づくり、定期報告をAIエージェントに置き換える。残った管理委託も価格競争で薄利となる。地金取引は現物を売買するため需要自体は残るが、資金量の大きい競合と比べて有利な仕入れを実現できない。蓄電事業は採算割れで閉鎖・譲渡し、電力事業は少数の売電と種子販売に縮小する。
過去の赤字期と同様、売上の減少後も固定費は残り、税前の損失が続く。第23回新株予約権は追加行使されず、2026年8月に確定した株数増だけが既存株主の持分を薄める。最終的には設備・土地・債権を保守的な価格で売却し、無形権利金とのれんには価値を認めない。倒産によるゼロ価値ではなく、売れる実物資産から負債と非支配持分を差し引いた回収額が悲観の床になる。
- グリーンファイナンス(AM・投資助言・募集):数量 38.0(太陽光発電所の管理受託容量(MW・DC、実質の契約量))× 価格 0.01(管理容量1MW当たり年換算の管理・助言・募集報酬(億円/MW、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。現在の受託量の28%しか維持できず、人による助言単価も下落
- グリーンリサイクル(貴金属・資源循環):数量 35.0(貴金属大口取引等の成約案件数(件/年、非開示のため推定))× 価格 0.03(1案件当たり計上売上・地金売買の純額手数料相当(億円/件、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。競合に顧客を失い、金属取引が赤字化
- グリーンエネルギー(売電・バイオマス商材):数量 10.0(売電・バイオマス商材の年間供給契約件数(件/年、非開示のため推定))× 価格 0.25(電力・種子等の混合1契約当たり計上売上(億円/契約、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。少数の売電と商材契約が残るだけ
- 系統用蓄電池・需給調整:数量 0.0(商業運転している蓄電池の系統側出力(MW))× 価格 0.25(1MW当たりの市場取引・需給調整収入(億円/MW・年、実績未公表のため推定))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。古里蓄電所は採算悪化で廃止・譲渡
- グリーンデジタル(GPUサーバー販売):数量 0.0(GPUサーバー・クラスタ機器の成約案件数(件/年、非開示のため推定))× 価格 0.20(1案件当たりGPUサーバー販売代金(億円/案件、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。GPU機器販売から実質撤退
- グリーンデジタル(苫小牧AIデータセンター):数量 0.0(有償長期契約が成立し商業稼働している受電容量(MW))× 価格 2.40(稼働容量1MW当たり年間コロケーション利用料(億円/MW・年、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。データセンターは未契約のまま、売却・減損へ
倍率:長期赤字で利益に価値を認めず、純現金と売れる資産の税後回収額を悲観の床とする。SCHEMA §1-3に従い、2036年の想定自己資本20億円ではなく、基準期2025年12月の自己資本36.9億円をPBRの分母とする。売れる土地・機械・建設仮勘定等を大きく減価し、負債・少数株主持分・処分費用を控除した床16億円に対応する倍率は16÷36.9=0.433604倍である。したがって時価総額は16億円となり、PBRと時価総額は一致する。過去のPBRの底は利用しない。
確率:過去の赤字・希薄化の反復、スマホ事業撤退、苫小牧MOU満了、金融報酬減額という独立した実績があり、破産せず資産の売却を進める構造的敗北として23%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
グリーンファイナンス(AM・投資助言・募集)
太陽光発電所の管理・投資助言、設備の更新支援、投資型クラウドファンディングの報酬。工数で提供する部分はAIエージェント代替を受ける。
| 数量太陽光発電所の管理受託容量(MW・DC、実質の契約量) | 価格管理容量1MW当たり年換算の管理・助言・募集報酬(億円/MW、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 137 | 0.01 | 1 | −1 |
| 10 年後 中立 | 90.0 | 0.01 | 1 | 0 |
取り方:2026年中間期グリーンファイナンス売上47,178千円・損失33,125千円を年率化。数量は2026年3月公表の2025年末管理受託太陽光137.17MW(11か所)を代用し、管理対象14か所197.33MWのうち出資案件60.16MWは除いた。売上には投資助言・クラウドファンディング等も混在するため1MW報酬は厳密な契約単価ではなく売上加重の代理指標。市場は国内事業用太陽光約60.1GW、単純容量比約0.23%(受託市場シェアとは異なる)。出典:https://www.ef-hd.com/wp-content/uploads/2026/03/2026033102_1ef.pdf 、2026年中間期短信。AIエージェント代替分類:投資助言・資料作成は人月工数型で中立の受託量を約0.66倍、単価を約1.31倍に制限。低解約率など堀の二証拠なし。
グリーンリサイクル(貴金属・資源循環)
金・プラチナ等の集荷と地金売買の純額収益、EcoTora等の小規模環境商材。旧スマートフォン転売は休止済み。
| 数量貴金属大口取引等の成約案件数(件/年、非開示のため推定) | 価格1案件当たり計上売上・地金売買の純額手数料相当(億円/件、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 100 | 0.03 | 3 | 3 |
| 10 年後 中立 | 145 | 0.04 | 6 | 2 |
取り方:2026年中間期グリーンリサイクル売上173,186千円、利益149,904千円を年率化。金属取引件数と重量・成約単価の実数は未開示。実物の大口地金・宝飾品等の約100案件/年を仮定し、現時点の認識売上÷件数から1件346.372万円と逆算した暫定単価である(件数は事実でない)。2025年Q4以降、金地金の一部は純額収益計上に変わったため、元本地金の売買価格ではない。市場は2025年リユース3兆4636億円(リユース経済新聞)だが最終売買の総額と当社の純額売上は比較できず市場シェア非公表。競合は田中貴金属系、大黒屋、バイセル、コメ兵等。
グリーンエネルギー(売電・バイオマス商材)
出資先・直接運営の太陽光の売電、ソルガム種子などバイオマス関連商材、環境電力の販売。蓄電池収益は別建て。
| 数量売電・バイオマス商材の年間供給契約件数(件/年、非開示のため推定) | 価格電力・種子等の混合1契約当たり計上売上(億円/契約、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 16.0 | 0.26 | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 24.0 | 0.34 | 8 | 1 |
取り方:2026年中間期グリーンエネルギー売上204,001千円、利益19,063千円を年率化。会社は発電MWh、個別FIT単価、ソルガム種子販売数量を分離して開示していないため、年間16件の売電・商品供給契約という暫定的な取引件数を仮定し、年換算売上から単価を導出。実際の契約数は確認できない。2025年資料の直接出資する低圧太陽光2件は各0.04MW、50MWバイオマスは出資比率2.0%であり全発電量を当社の数量として数えていない。2036年の件数はこれら以外の供給契約獲得が必要であり、長期FIT価格を一律に物価連動とみなさない。
系統用蓄電池・需給調整
長野県上田市の古里蓄電所で2026年7月に始まった2MW・8MWhの系統蓄電池運用と、今後の新設設備の市場収入。
| 数量商業運転している蓄電池の系統側出力(MW) | 価格1MW当たりの市場取引・需給調整収入(億円/MW・年、実績未公表のため推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 0.0 | 0.40 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 10.0 | 0.51 | 5 | 1 |
取り方:2026年6月中間期まで蓄電事業の独立売上実績は未公表で0とする。古里蓄電所2MW・8MWhは2026年7月8日に本格稼働を公表したため、2036年の出発点として2MWが存在することを採用。0.40億円/MW年は電力裁定・調整力の仮の粗収入であり会社の契約・単価ではない。バッテリーの年数経過劣化・交換費用と系統接続制約を利益率・資本支出に入れる。O&M市場は2024年46億円→2030年272億円予想(矢野経済研究所)だが、自社設備の市場売電収入とは別市場である。
グリーンデジタル(GPUサーバー販売)
GPUサーバーと関連クラスタ設備の代理店販売。データセンター施設利用料は混同せず別建て。
| 数量GPUサーバー・クラスタ機器の成約案件数(件/年、非開示のため推定) | 価格1案件当たりGPUサーバー販売代金(億円/案件、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 10.0 | 0.26 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 15.0 | 0.31 | 5 | 1 |
取り方:2026年中間期グリーンデジタル売上127,697千円・利益51,007千円を年率化。2026年のGPUサーバー販売代理店契約とサーバークラスタ販売開示を確認したが、台数・案件数・実際の販売価格は未開示。年間10案件、単価2,553.94万円という試算であり実績契約数ではない。国内GPUサーバー市場2024年955億円、2028年2,600億円予測は同業の富士キメラ総研引用資料に基づく。競合は大手IT流通、サーバーメーカー、GPUクラウド事業者。製品世代更新が速いため名目単価は物価未満の上昇に抑える。
グリーンデジタル(苫小牧AIデータセンター)
AI Tech Tomakomaiの施設建設・電力供給・大口需要家へのコロケーション。第Ⅰ期10MW、構想最大50MW。
| 数量有償長期契約が成立し商業稼働している受電容量(MW) | 価格稼働容量1MW当たり年間コロケーション利用料(億円/MW・年、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 0.0 | 2.45 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 8.0 | 3.08 | 25 | 6 |
取り方:2026年9月4日開示ではVerda CloudとのMOUは9月1日満了、最終契約とSLAは未締結、500万米ドル予約保証金未払い。会社が開示した10MWで年24~25億円の参考試算から中点24.5÷10=2.45億円/MW年とする。ただし今の売上0、now.priceは観測された契約単価ではなく未契約の参考値である。2026年3月の会社事業計画と9月4日開示にある第Ⅰ期10MW、追加40MWを容量上限とし、占有率・建設・引渡しを考慮して各筋書きの実際の稼働MWを決める。国内DC市場は2025年253億ドル、2030年351億ドル(総務省2026年白書)だが施設貸与料の厳密な分母ではない。出典:https://www.ef-hd.com/wp-content/uploads/2026/09/2026090401_1ef.pdf
リスクと懸念
AIデータセンターの未契約と大型資産の滞留
Verda Cloudとの第Ⅰ期10MWのMOUは2026年9月1日に期限満了となり、最終契約もSLAもなく、500万米ドルの保証金も入金されなかった。年24~25億円の利用料はあくまで条件付きの試算である。変電所や土地に資金を投じた後も需要家が決まらなければ、売上ゼロのまま利息と保守費用、将来の減損が残る。
新株予約権による希薄化と資本配分
2026年6月末を株数の基準にした後、8月25日に約1157万株が追加発行された。第23回予約権の未行使分も約5870万株相当残る。行使による払込金は会社の資産になるが、データセンターが利益を上げるまでの時間が長ければ、資金使途が株主1人当たり価値の増加につながらない可能性が高い。
金属取引の会計表示と利益の持続性
2025年第4四半期から金地金取引の一部で売上の純額認識が始まり、2026年中間期のリサイクル部門の利益率が約87%と突出して見える。これは地金相場・取扱高の伸びを示すものではない。粗利の帰属、買取原価、在庫価格の変動、EcoToraなど新しい商材の一時売上を見分け、通常の収益率を高く見積もり過ぎない必要がある。
AI エージェント代替による助言・ソフトウェア収益の侵食
発電投資の契約確認、資料作成、資金調達助言、旧来のWebシステム受託やMySQL・Zendの導入支援は、顧客側のAIエージェントに置き換わりやすい。継続率、値上げ、独自データの蓄積など二つ以上の堀の証拠がないため、金融受託量が10年で縮み、長期の名目成長はゼロにとどまる可能性を前提にする。物理的な発電・蓄電設備そのものには同じ減少率を掛けない。
蓄電池の市場価格・設備劣化・金利
2026年に本格稼働した古里蓄電所2MWは確かな出発点だが、需給調整や電力卸の収入は入札価格に依存する。系統用蓄電池の新規参入が増えれば裁定利益は縮小する。蓄電池の寿命に応じた交換投資と借入の借り換え費用が、会計上の営業利益に先立って株主の現金を減らす。
金融・資産回収力の過大評価
2026年中間期の現預金は約14億円だが、有利子負債は約21億円あり純現金企業ではない。建設仮勘定約26億円や開発権利金、のれんは同じ簿価で売れる保証がない。管理資産約918億円の大部分は発電所の総投資額であり、会社自身の純資産ではない。売掛債権や匿名組合出資の換金も、持分の条件に左右される。
制度変更・端末事業撤退の再発
かつて端末転売は為替、需給、消費税還付時期、制度変更への懸念から中止され、売上が急減した。今後もFIT・FIP制度、電力市場ルール、貴金属取引に伴う本人確認・税務、データセンターの電力・環境規制が事業採算を変える。新しい事業に置き換えることだけでは、過去の撤退費用と経営の手戻りを取り戻せない。
今後の分かれ目
- 苫小牧第Ⅰ期の需要家と10MWの長期利用契約・SLAが正式に締結され、保証金の入金まで確認できたら
- 未契約リスクが実際に後退するため、中立より上の稼働容量を再点検する。契約期間、最低利用量、電力費負担、解約条項、工事完成の必要資金が明らかになるまでは参考売上を確定利益としない。
- 苫小牧の変電所工事と初期施設が完成し、実際に8~10MW分の継続利用料が入金され始めたら
- 中立に織り込んだ設備稼働を実績で置き換え、設備償却・電力費・利払い後の営業利益率と資本利益率を再評価する。入金開始は長期の価値判断を大きく変える。
- 発電所管理の受託容量と管理報酬の両方が2期連続して減少したら
- 助言・管理の堀が縮んでいると判断し、AIエージェント代替を含めて金融部門の数量と単価を悲観側へ改める。受託先設備の更新工事の実績だけでは金融報酬の減少を埋めたとみなさない。
- 系統用蓄電池が10MW以上へ拡大し、電池更新引当て後の投資利回りが資本コストを継続して超えたら
- 中立の蓄電容量と利益率を引き上げる。単に設備を取得しただけ、または調整力市場で短期間高い売上を得ただけでは堀を認めず、更新を含む現金回収を確認する。
- 金属リサイクルの売上表示を統一した比較資料で、2年連続の取扱数量・粗利単価の改善が開示されたら
- 一過性の純額認識に頼らない事業の強さとして評価し、金属取引の数量または平常利益率を再計算する。価格上昇だけによる見かけの成長は数量の改善と区別する。
- 第23回新株予約権が大量に行使され、調達資金が使途とともに開示されたら
- 実際の発行済株式数、追加された現金、建設費の支払いを同時に更新する。払込額を価値に加えながら希薄化を無視したり、同じ資金を余剰現金と設備価値の両方で数えたりしない。
- 2026年の業績予想や中期計画に売上・営業利益・ROEと配当・自社株買いの定量目標が新たに示されたら
- 初めて経営の資本配分を数字で検証できる。目標に対して確定契約、施設完成、資金調達、投資回収の進捗を追い、計画自体を無条件で株主価値に足さない。
見ておくもの
- 苫小牧AIデータセンターの最終契約・SLA・解約条項、予約保証金入金、契約済みMWと実際の稼働MW
- 66kV変電所・第Ⅰ期10MWの完成時期、建設支出、固定資産計上開始と減価償却負担
- 第Ⅱ期40MWを含む追加容量の受注と、用地・受電設備・冷却装置の投資採算
- 発電所AM受託容量約137MWと管理資産約918億円の継続率、1MW当たり報酬の推移
- グリーンリサイクルの金属取扱重量・案件数、総額/純額売上表示と粗利の内訳
- 上田市古里蓄電所2MWの売電・需給調整売上、稼働率、電池劣化と交換投資
- GPUサーバー販売の累計納入案件・粗利率・仕入在庫、次世代製品の販売契約
- 営業キャッシュフローから運転資金変動を除いた恒常的な資金創出額と利払い
- 発行済株数と第23回新株予約権の残数、1株当たり純資産・利益の推移
- FIT/FIP・系統蓄電の制度変更と、配当方針・中期利益目標の正式開示
倍率と資本コストの決め方
2025年末の財務と株価・株数は添付facts/briefを正として時価総額158.25億円(44円×359,651,180株)を使用した。ただし2026年8月の追加発行後は371,231,280株であり、実勢の発行済株を使う時価総額は約163.34億円となる。将来の取り分には第23回予約権も反映した。数量は2026年中間期の実績を年換算し、未開示の契約・金属件数を推定と明記した。物価は単価側だけ、既存設備の償却は取得原価のまま、更新投資は将来価格で扱う。倍率はk8.5%、g2%、弱い堀によるRONICまたは稼ぐ力1/kから求め、現在・過去の市場PERやPBRには寄せていない。悲観側のPBRは将来自己資本ではなく基準期自己資本36.9億円に掛け、やや悲観は0.46倍×36.9億円=16.974億円、悲観は0.433604倍×36.9億円≒16億円とした。悲観側は不稼働資産の回収率を削り、のれん・開発権利金を床から除いた。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。国債3.0%と株式リスクプレミアム4.5%に、事業の循環+0.5%、値決め力の弱さ+0.5%を加える。個別の事業失敗と希薄化はシナリオ側に入れる。