結論
オロは、案件ごとの採算を管理するクラウドERP「ZAC」と、企業の広告・ウェブ運用支援を両輪にする会社だ。筆者の結論は「割高」である。ZACの定着力と豊かな純現金は確かな強みだが、今の時価総額には、利用者数が伸び続ける従来型の業務ソフトと、人の作業を売るマーケティング事業が長く稼ぐという期待がなお残る。AIエージェントが業務画面を飛び越し、制作や運用作業を代行する10年には、その期待に十分な安全域がない。
良い事業であることも見落としたくない。2025年の売上は83億円、営業利益は26億円台で、ZACの顧客解約率は月0.3%前後にすぎない。2026年6月の契約ライセンスは約36万4千、同年9月には約36万6千に達した。さらに2025年末には純現金が約101億円あり、創業後の増配と近年の自社株買いが株主への現金の戻り方を裏付ける。だが2026年上期の新規ZAC契約は33社で、会社の年間計画104社に対して進捗が遅い。広告事業も2025年に減収となったが、2026年上期は反発している。
会社は2028年まで増収増益を見込む一方、10年後にはソフトの席数と受託工数が減る可能性が高い。中立の2035年は売上約64億円、営業利益約17億円、時価総額約250億円と考える。10年間の還元も含めて資本コストで割り引くと、中立の現在価値は約201億円になる。五つの筋書きを加重した本質価値は約176億円で、比較基準の時価総額約294億円を約40%下回る。ZACがAIの標準的な業務記録基盤になり、利用者数ではなく処理成果で課金できる証拠が出るまでは、高い評価を払う根拠が足りない。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主なら、まず製品が10年後も要るかを確かめるだろう。案件の売上、原価、承認を監査可能な形で残す仕組みは、AIが発達しても必要である。ZACに積み上がった顧客の経営データと複数部署の利用は、競合への乗り換えを難しくする。解約率の低さも実数で示されている。これだけなら、良い製品を持つ会社と判断できる。
次に、製品が必要であることと、従来の課金方法が残ることを分ける。AIが一人で見積や経費精算をこなしても案件の記録は必要だが、人数分のライセンスが残るとは限らない。導入時の設定、ウェブサイトの制作、広告運用も、人が作業する時間を短くできるほど発注額が減りうる。2026年のAI接続技術は有望だが、会社がその処理結果に課金して増収した金額は確認できない。この不確実性に高い永続成長率を付けないのが安全だ。
オーナー利益も営業利益と同じではない。ソフトウェアの研究開発費はすでに費用になっているものの、顧客管理やセキュリティ維持の費用は今後も払い続ける必要がある。売上減少に合わせて開発人員をすぐ削れず、利益率が縮む時期がありうる。反面、工場や大量の在庫を要さず、過去の自己資本利益率は資本コストを大きく上回った。現金を積むだけでなく増配と株式消却に回した判断は、経営の評価を高める。
しかし、過去の再投資利回りを未来へそのまま延ばせない。2015年から2025年の営業利益増分を自己資本増分で単純に割ると高い利回りに見えるが、その期間には上場時の増資、現金の蓄積、配当、自社株買いが混じり、増分ROICの厳密な測定ではない。株主にとって肝心なのは、2028年の会社計画を達成した後、残った利益を何に再投資するかである。現在の価格では中立の利益と還元を割り引いた価値が届かず、良質な製品への尊敬と投資価格の判断を混同できない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は、広告会社、制作会社、システム開発会社など、案件ごとに人件費や外注費を集計する企業に提供するZACだ。見積もりから受注、購買、勤怠、原価、請求までを一つの仕組みで記録し、案件別の利益を見えるようにする。2025年のクラウドソリューション事業は売上約57億円、営業利益約25億円だった。内訳は、保守・SaaSなどの月額サービス約39億円、従来の買取型ライセンス約4億円、導入支援・個別開発約8億円、Reforma PSA約2億円、その他のソフト販売など約4億円である。これらは契約の性質が異なり、いずれも同じ勢いで伸びるわけではない。
ZACの数量は契約ライセンス数が観察できる。2025年末には35万3千ライセンス、稼働顧客1社当たり約463ライセンスであった。業務機能別に数えるため、社員数とライセンス数は一致しない。月額継続収益は2025年末に約3億7500万円、2026年6月末に約3億8900万円まで増えた。長い導入工程と顧客の社内承認手順が保守収入を支えるが、2023年以降は買取型の新規販売を停止しており、その旧方式の売上は2027年以降なくなる見通しである。安定する月額収入と消える一時収入を一緒に評価してはならない。
Reforma PSAは小規模な案件型企業向けの廉価版で、ZACとは顧客当たりの課金規模も離脱率も違う。dxecoやSemrushなどの自社・他社製品販売も含め、クラウド事業の内部には乗り換えやすいサービスが混ざる。もう一つのマーケティングソリューション事業は、2025年に約26億円を売り上げたが、営業利益は約1億5000万円だった。売上の中身は広告企画・プロモーション約11億円、システム・ウェブ制作約9億円、運用サポート約6億円だ。顧客の広告予算と担当者の仕事量に左右されやすく、ZACと同じ高い利益率を期待するのは無理がある。
顧客数を公表するZAC以外では、年間の導入案件数や広告保守契約数が連続して開示されていない。このため売上を単に指数へ置き換えず、導入事例に示された契約金額、実際の契約件数、広告・ウェブ制作の一案件当たりの費用水準から案件数を推計した。数量の推定幅が広い部分ほど強気にならないようにした。
優良さと弱いところ
最も強い堀、つまり顧客が簡単に他社へ移らない理由は、案件の損益と社内承認の記録がZACに積み上がることだ。見積・仕入・勤怠・売上のデータを別の製品に移すと、過去の案件と現在の請求がつながらなくなるおそれがある。ZACの2025年の月次顧客解約率は0.29%で、年率換算ではおよそ3.4%だ。既存顧客の契約増減を示すNRRは116.1%で、顧客が残るだけでなく利用機能を増やしていた。この二つの数字は、単なる広告宣伝の言葉よりはるかに強い証拠である。
ただし、低い解約率と高いNRRは一つの顧客定着という現象を別角度から見た数字でもある。「法令に対応する記録の正本」として独自の長期成長を認めるには、年単位で不可避な移行作業、値上げを繰り返し通した記録、業界共通の独自データなど、別の証拠がもう一つ欲しい。会社の事例での導入は約半年で、顧客データの所有者も基本的には顧客である。大手ERPのように法制度そのものが他社を排除する構造までは確認できない。さらにReforma PSAは解約率が月0.83%、NRRも94.6%と、ZACほど強くない。
2026年にはAIエージェントと接続するZAC MCPサーバーの先行利用が始まった。これは脅威に正面から対応する良い動きだが、契約金額が示されたAI製品売上ではない。業務の最終記録としてZACを残しつつ、日々の入力や照会をAIが肩代わりすれば、操作する人数に比例した課金は薄くなる。経営は積極的に新機能を開発しているものの、価格改定を繰り返して値上げが定着した数字は見当たらない。
ROEは過去10年の中央値で約19%あり、営業利益が2015年の約6億円から2025年の約26億円へ増えた。財務は無借金に近く、純現金が自己資本の大半を占める。この過去の資本効率を評価しつつも、将来の追加投資が同じ利回りを生むかは別の問いだ。ZACは強みを持つが、会社全体では広告と受託開発が約3割を占め、堀を「強い」と断定するにはためらいがある。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
日本の業務ソフト市場は引き続きクラウド移行の余地がある。矢野経済研究所による2025年のERPパッケージ市場は約2021億円で、業種を問わない基幹業務ソフトの更新が続く。国内SaaS市場全体は定義に幅があるが約1.5兆円規模とみられる。ZACが狙うのはその全部ではなく、プロジェクトごとの採算管理が重要な専門サービス企業の一部である。オービック、オービックビジネスコンサルタント、SAP、Microsoft Dynamics、マネーフォワード、freee、TeamSpiritなどが周辺領域から競合する。ZACの当該ニッチでの公表された厳密な市場シェアは見つからない。
規模を比較する際にも注意がいる。ZACの月額収益には保守やクラウド提供料が入り、ERP市場の調査はライセンス販売を中心とするため、両者の売上を割って出した数字は厳密な占有率ではない。2025年の同社クラウド事業売上約57億円は、ERP市場全体の約3%という規模感だが、案件型ERPという狭い市場でのシェアを意味しない。既存製品の切り替え需要があっても、国産ERP大手や海外基盤製品が周辺機能を追加すれば、導入件数の取り合いになる。中期の新規契約計画と、2035年に残る課金ライセンス数は分けて考えるべきだ。
広告市場は一段と厳しい。電通による2025年の日本のインターネット広告費は4兆円を超えたが、オロが売っているのは広告枠自体ではなく、企画、ウェブ構築、運用などの役務である。電通デジタル、博報堂系、サイバーエージェント、セプテーニなどに比べ規模は小さく、メディア出稿額とオロの手数料売上を割ってシェアと呼ぶのは誤りだ。発注企業は自社の生成AIでコピー、画像、分析、レポートを作れるようになり、代理店へ発注する工数そのものを減らす可能性がある。
物価が年3%上がる前提でも、ソフトの席単価には同じだけの値上げ余地があるとは限らない。AIエージェントが複数の利用者に代わって画面を操作するため、継続課金は「何人が使ったか」から「何件の処理に責任を持ったか」へ移る。広告制作やシステム開発も、人件費が上がるほど顧客の内製AIへ移す動機が強くなる。市場全体が名目で拡大しても、既存の料金表に依存する企業の売上が同じように伸びるとは限らない。
資本政策と M&A
経営陣が掲げる2028年12月期の目標は売上収益129億円、営業利益46億円、営業利益率35.5%である。クラウド事業の売上93億円、営業利益43億円、広告・マーケティング事業の売上37億円、営業利益約3億円を想定し、ROEは20%以上の維持を目指す。2026年と2027年にも売上約96億円、約112億円という段階目標がある。これらは足元の営業努力を測る大事な物差しだが、2035年のAIを踏まえた永続的な利益を保証しない。特に2026年上期のZAC新規契約33社は年間目標104社を下回る進捗で、契約獲得の質を継続して見る必要がある。
還元姿勢は改善している。年間配当は2017年から2025年まで段階的に増額され、2025年の配当性向は41.6%、2026年の見込みは36.3%だ。会社の正式方針は累進配当と機動的な自社株買いであり、配当性向・DOE・総還元性向について一定の数値を必ず守る約束はない。2025年には約10億円で34万8600株を買い戻し、2026年も約10億円、48万9900株を取得して9月に終了した。2025年取得分は2026年に消却している。創業者側の二人で株式の約56%を握るが、余剰資金を少数株主へ戻した事実は評価できる。
株主優待は2026年10月にQUOカードから同額のデジタルギフトへ変更された。100株以上を1年以上持つ株主に3000円相当を贈る制度で、2025年末の株主数約7300人から資格者を約6000人と仮定すれば、会社の年間負担は約0.18億円になる。10年の各筋書きに配当・買戻しと合わせて織り込んでいる。2018年には東南アジアの広告子会社を取得し、2026年からはベトナムでZAC販売を始めた。大型買収に依存した拡大路線ではないが、海外案件の利回りはまだ証明されていない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ZACの本当の価値は、作業画面ではなく、企業の案件データを信頼できる形でつなぐことにある。2025年の顧客解約率は月0.29%、既存顧客売上の継続・拡張を表すNRRは116%に達する。顧客の部署をまたぐ承認や購買、請求の記録は、AIエージェントが普及しても責任の所在を明確にするために欠かせない。2026年に始まったMCP連携は、顧客がAIからZACのデータを利用する足場を先取りする一歩だ。従来の席課金に代わって処理件数やデータ連携料を取れるようになれば、数量減少を単価と新しい収益で補える余地がある。
実際の顧客基盤は広がっている。2025年末の35万3千ライセンスが2026年9月には約36万6千に増え、足元の継続収益も伸びた。ZACの特定業種への適合性は、汎用ERPにはない説明しやすい強みである。2026年のベトナム販売開始が成功すれば、国内人口減少とは違う顧客層を獲得できる。会社が掲げる2028年の売上129億円、営業利益46億円は、広告事業を立て直しながらクラウド事業の高い利益率を維持する筋書きだ。国内のDX投資が続く間に海外販売とデータ活用サービスが収益化すれば、成熟後の利益をなお厚く保てる。
何より現金と株主還元は確かだ。過去10年間に増配が進み、2025年と2026年は約10億円ずつ株式を買い戻した。創業者に経営権が集中しても少数株主を無視して現金を溜め込んでいるわけではない。売上の中心は継続課金で、莫大な設備投資を必要としない。成長が鈍化しても資本配分の規律が続けば、事業の価値に加えて還元が保有者の成果を支える。
慎重な見方
ZACの解約率が低いことは、今の契約が続いている証拠であって、将来も同じ単価・同じ席数で請求できる保証ではない。AIエージェントが見積書を作成し、出張精算を登録し、分析結果を返せるようになれば、画面を使う人数も導入・設定の工数も減りうる。会社はMCPサーバーを先行試用しているが、AIエージェントを有料製品として売り、顧客からいくら受注したかの実績は開示していない。ZACを外部の記録基盤として生かす未来と、その利用料金が今より高くなる未来は同じではない。
しかもオロは純粋なERP会社ではない。2025年売上の約3分の1は広告、ウェブ制作、運用受託であり、同事業の営業利益率は約6%しかなかった。顧客企業が画像制作、分析、サイト修正、定例レポートを自社AIで済ませれば、発注の工数が減る。2025年の広告事業減収は、成長市場のなかでも個別顧客の予算変更で失速する弱さを示した。Reforma PSAのNRRは100%未満で、すべてのクラウド製品がZACと同じ定着力を持つわけでもない。
過去の高い営業利益率は、ライセンスと導入案件が積み重なる間、開発・営業人員を大きく増やさずに済んだ利益でもある。導入件数が減ってもセキュリティ対策と法令対応の固定費は残り、広告部門では価格交渉を受ける。新しいAI対応や海外投資の成果が不明なまま、2028年の数値計画を2035年以降へ延長するのは危険だ。厚い現金は倒産の可能性を下げるが、現在の時価総額を下支えするには足りず、負けた事業の利益を買い戻しで取り繕うこともできない。
どちらに重みを置いたか
ZACの解約率、NRR、純現金は上側の筋書きを支える。しかし広告受託が売上の約3割を占め、2026年上期のZAC新規契約が計画を下回り、AIエージェント連携の有料売上が未確認なことは、この会社固有の不確実性だ。やや悲観26%と悲観15%の計41%に対し、楽観8%とやや楽観18%の計26%と下側へ寄せた。ただしAIによる工数・席数の減少自体は各筋書きの数量と10年後以降の成長率に入れており、資本コストの寿命加算では二度引いていない。株主還元と清算価値を含めても、現在の株価から十分な安全域は見いだせない。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 1,741 円264 億円(+ 還元の換算額還元の合計 552 円84 億円)。 今の値に割り戻すと 1,304 円198 億円、今との差 −29.1%、 期待の年率 +2.6%(資本コスト 6.8%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 2,951 円447 億円 | 898 円136 億円 | +109.2% | +8.9% | 308 円47 億円 |
| やや楽観 | 18% | 2,612 円396 億円 | 779 円118 億円 | +84.3% | +7.3% | 610 円92 億円 |
| 中立 | 33% | 1,971 円299 億円 | 654 円99 億円 | +42.7% | +4.2% | 866 円131 億円 |
| やや悲観 | 26% | 1,083 円164 億円 | 383 円58 億円 | −20.3% | −2.6% | 381 円58 億円 |
| 悲観 | 15% | 684 円104 億円 | 165 円25 億円 | −53.9% | −8.1% | 127 円19 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,741 円264 億円 | 552 円84 億円 | +24.6% | +2.6% | 2,293 円347 億円 |
今の株価時価総額 1,840 円279 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 統合記録基盤として残り、AI連携の料金化が進む 利益 23 億円 · PER 14.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,951 円447 億円
ZACは案件の記録と承認を残す基盤として顧客の中心に居続ける。AIエージェントは画面操作を引き受けるが、結果を確定するためにZACの権限・仕訳・案件台帳を使う。MCP連携の先行導入で得た経験が競合との差になり、ベトナムを含む海外での導入もある程度進む。席数はAIによって効率化するため2025年の水準を超えず、料金は機能拡張で上がる。2028年の成長計画が一度実現しても、その後の人手削減と契約形態の転換で成長は落ち着く。
広告企画やウェブ制作は顧客の内製AIとの競争を受けるが、複雑な案件では顧客の成果に責任を持つ専門家の価値が残る。導入支援を含む受託件数はほぼ維持され、難しい案件への単価上昇が人件費上昇を補う。旧来の買取型ライセンスの売上は消えるが、月額収益が主力として高い利益率を保つ。海外企業の買収や大型設備投資で資本を浪費せず、配当と自社株買いを継続する。2035年でも売上約92億円、営業利益約31億円、純利益約23億円を確保できる場合である。
- ZACの保守・SaaS・月額利用料:数量 353,000(期末契約ライセンス数(機能別ID))× 価格 0.00(1ライセンス当たり年間の月額収益換算(億円・名目))→ 売上 45 億円・営業利益 26 億円。AI代替の席課金型:実質ライセンス数が基準年の100%、年間課金単価が115%。値上げと利用者数を二重計上しない。
- ZAC旧買取型ライセンス:数量 0.0(旧契約に係る納品・収益認識の件数相当(推計))× 価格 0.10(旧契約1件相当の認識売上(億円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2023年販売方式変更によって買取型ライセンス収益は2027年以降ゼロという会社見通し。
- ZAC導入支援・個別開発:数量 120(年間の新規導入・大幅改修プロジェクト換算件数(推計))× 価格 0.09(1プロジェクトの導入・開発売上(億円・名目))→ 売上 11 億円・営業利益 2 億円。AI代替の工数型:新規導入・追加改修の件数相当100%、1件の売上134%。
- Reforma PSA:数量 251(月額利用企業数の年平均相当(ARPAによる推計))× 価格 0.01(1社当たり年額利用料(億円・名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AI代替の席課金型:顧客企業数換算98%、年額115%。ZACより高い解約率を反映。
- dxeco・Semrush・その他クラウド:数量 175(年間法人アカウント・保守契約換算件数(推計))× 価格 0.02(1契約当たり年額サービス売上(億円・名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。周辺SaaS・外部製品販売:契約等価数100%、名目単価115%。
- 広告・マーケティング企画運用:数量 110(年間の広告支援契約換算件数(非開示の推計))× 価格 0.10(1契約当たり年額の企画・運用収入(億円・名目))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。広告制作・運用をAIが代替:年間契約相当数98%、手数料・企画単価103%。
- システム・ウェブ制作:数量 89.0(年間のサイト・システム制作案件換算件数(推計))× 価格 0.13(1案件当たり開発売上(億円・名目))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。AI代替の受託開発型:制作案件100%、案件単価128%。
- サイト運用・運用事務局:数量 104(年間の運用・サポート契約換算件数(推計))× 価格 0.07(1契約当たり年額の運用収入(億円・名目))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。AI代替のBPO型:運用契約98%、名目単価123%。
倍率:全社純利益23.15億円のうち、余剰現金72億円からの税後利息1.008億円を事業利益から除く。10年後の自己資本198億円から余剰現金72億円を除いた事業ROEは17.6%。資本コストk=6.75%、堀は通常型(超過収益の残存割合1/2)とし、RONIC=k+0.5×(事業ROE−k)=12.2%。AIエージェント代替により10年より先の名目成長gは−0.5%に制限。正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=14.36倍を上限そのままで採用。時価総額は(全社純利益−現金利息1.008億円)×PER+余剰現金72億円×戻り方1.0。現時点の株価や同業PERは参照しない。
確率:ZACの低い解約率とMCP連携は強い材料だが、AI機能の受注額は開示されず、広告部門を含めて10年の競争に勝ち続ける必要がある。上振れは認めるものの頻度は一割未満とする。
やや楽観 18% ZACはほぼ守るが人月事業は縮む 利益 19 億円 · PER 14.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,612 円396 億円
案件管理の正確な記録に対する需要は衰えず、ZACの顧客は製品を使い続ける。会社はAPIやAI連携を整え、既存顧客から追加機能の料金を得る。ただし一社当たりの操作担当者は減り、2035年の契約ライセンス数は2025年末よりやや少ない水準にとどまる。顧客離脱が少ない長所を保ちながら、席当たりの料金を緩やかに上げられるため、ZACの月額売上は大きく崩れない。Reformaと周辺ソフトは競争があり、月額収益全体では伸びが鈍る。
導入時のカスタマイズはAIの支援で短くなり、工数に比例した料金が減るが、複雑な会計・承認設計には人が残る。広告部門でも主要顧客との取引は維持し、設計と成果検証を付加価値として売る。2025年並みの全社利益を守れるが、2028年に想定された高い利益水準は維持できない。2018年に取得した海外の広告子会社やベトナムの販売拠点の育成には費用がかかり、大きな買収で拡大するより手元の事業を磨き、還元を続ける10年になる。
- ZACの保守・SaaS・月額利用料:数量 328,290(期末契約ライセンス数(機能別ID))× 価格 0.00(1ライセンス当たり年間の月額収益換算(億円・名目))→ 売上 41 億円・営業利益 22 億円。AI代替の席課金型:実質ライセンス数が基準年の93%、年間課金単価が113%。値上げと利用者数を二重計上しない。
- ZAC旧買取型ライセンス:数量 0.0(旧契約に係る納品・収益認識の件数相当(推計))× 価格 0.10(旧契約1件相当の認識売上(億円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2023年販売方式変更によって買取型ライセンス収益は2027年以降ゼロという会社見通し。
- ZAC導入支援・個別開発:数量 106(年間の新規導入・大幅改修プロジェクト換算件数(推計))× 価格 0.08(1プロジェクトの導入・開発売上(億円・名目))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。AI代替の工数型:新規導入・追加改修の件数相当88%、1件の売上129%。
- Reforma PSA:数量 230(月額利用企業数の年平均相当(ARPAによる推計))× 価格 0.01(1社当たり年額利用料(億円・名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AI代替の席課金型:顧客企業数換算90%、年額112%。ZACより高い解約率を反映。
- dxeco・Semrush・その他クラウド:数量 158(年間法人アカウント・保守契約換算件数(推計))× 価格 0.02(1契約当たり年額サービス売上(億円・名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。周辺SaaS・外部製品販売:契約等価数90%、名目単価113%。
- 広告・マーケティング企画運用:数量 95.2(年間の広告支援契約換算件数(非開示の推計))× 価格 0.10(1契約当たり年額の企画・運用収入(億円・名目))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。広告制作・運用をAIが代替:年間契約相当数85%、手数料・企画単価103%。
- システム・ウェブ制作:数量 75.7(年間のサイト・システム制作案件換算件数(推計))× 価格 0.13(1案件当たり開発売上(億円・名目))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。AI代替の受託開発型:制作案件85%、案件単価125%。
- サイト運用・運用事務局:数量 92.2(年間の運用・サポート契約換算件数(推計))× 価格 0.07(1契約当たり年額の運用収入(億円・名目))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。AI代替のBPO型:運用契約87%、名目単価119%。
倍率:全社純利益19.35億円のうち、余剰現金72億円からの税後利息1.008億円を事業利益から除く。10年後の自己資本197億円から余剰現金72億円を除いた事業ROEは14.7%。資本コストk=6.75%、堀は通常型(超過収益の残存割合1/2)とし、RONIC=k+0.5×(事業ROE−k)=10.7%。AIエージェント代替により10年より先の名目成長gは−0.5%に制限。正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=14.44倍を上限そのままで採用。時価総額は(全社純利益−現金利息1.008億円)×PER+余剰現金72億円×戻り方1.0。現時点の株価や同業PERは参照しない。
確率:既存顧客のNRRが高く、ZACが案件会計の記録基盤として生き残る余地は大きい。一方で業務効率化による席数減少を受けるため、2028年の会社計画を2035年まで延長する成功ではない。
中立 33% 基幹記録は残るが課金席数と受託工数が減る 利益 13 億円 · PER 14.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,971 円299 億円
顧客はZACを案件の台帳と監査可能な承認の保管場所として使い続ける。だが見積の登録や請求内容の照合はAIエージェントが処理し、同じ企業で必要なライセンス数が減る。2035年のZAC契約は2025年末から約2割減る。平均月額は機能の追加で多少上げられるが、一般物価の上昇には届かない。Reformaでは顧客の小規模なシステム統合が進み、旧型の買取ライセンス収入も会社計画どおりなくなる。
導入支援は標準化とAI生成コードで工数が減り、案件換算件数は2025年のおよそ3分の2になる。広告の企画、ウェブ制作、事務局運用も顧客の内製AIや海外の低価格サービスへ取られ、従来の保守契約は減る。固定の開発・サポート費とセキュリティ維持費が残るため、売上よりも利益率が落ちる。2028年までには会社計画に向けた成長が起こりうるが、その後に主力収入の料金体系が変わる。2035年は売上約64億円、営業利益約17億円、純利益約13億円で、これまでの高いROEは薄まる。
- ZACの保守・SaaS・月額利用料:数量 285,930(期末契約ライセンス数(機能別ID))× 価格 0.00(1ライセンス当たり年間の月額収益換算(億円・名目))→ 売上 35 億円・営業利益 16 億円。AI代替の席課金型:実質ライセンス数が基準年の81%、年間課金単価が110%。値上げと利用者数を二重計上しない。
- ZAC旧買取型ライセンス:数量 0.0(旧契約に係る納品・収益認識の件数相当(推計))× 価格 0.10(旧契約1件相当の認識売上(億円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2023年販売方式変更によって買取型ライセンス収益は2027年以降ゼロという会社見通し。
- ZAC導入支援・個別開発:数量 80.4(年間の新規導入・大幅改修プロジェクト換算件数(推計))× 価格 0.08(1プロジェクトの導入・開発売上(億円・名目))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。AI代替の工数型:新規導入・追加改修の件数相当67%、1件の売上120%。
- Reforma PSA:数量 205(月額利用企業数の年平均相当(ARPAによる推計))× 価格 0.01(1社当たり年額利用料(億円・名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AI代替の席課金型:顧客企業数換算80%、年額110%。ZACより高い解約率を反映。
- dxeco・Semrush・その他クラウド:数量 133(年間法人アカウント・保守契約換算件数(推計))× 価格 0.02(1契約当たり年額サービス売上(億円・名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。周辺SaaS・外部製品販売:契約等価数76%、名目単価109%。
- 広告・マーケティング企画運用:数量 69.4(年間の広告支援契約換算件数(非開示の推計))× 価格 0.10(1契約当たり年額の企画・運用収入(億円・名目))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。広告制作・運用をAIが代替:年間契約相当数62%、手数料・企画単価99%。
- システム・ウェブ制作:数量 55.2(年間のサイト・システム制作案件換算件数(推計))× 価格 0.12(1案件当たり開発売上(億円・名目))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。AI代替の受託開発型:制作案件62%、案件単価119%。
- サイト運用・運用事務局:数量 66.8(年間の運用・サポート契約換算件数(推計))× 価格 0.07(1契約当たり年額の運用収入(億円・名目))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。AI代替のBPO型:運用契約63%、名目単価115%。
倍率:全社純利益13.13億円のうち、余剰現金72億円からの税後利息1.008億円を事業利益から除く。10年後の自己資本202億円から余剰現金72億円を除いた事業ROEは9.3%。資本コストk=6.75%、堀は通常型(超過収益の残存割合1/2)とし、RONIC=k+0.5×(事業ROE−k)=8.0%。AIエージェント代替により10年より先の名目成長gは−0.5%に制限。正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=14.65倍を上限そのままで採用。時価総額は(全社純利益−現金利息1.008億円)×PER+余剰現金72億円×戻り方1.0。現時点の株価や同業PERは参照しない。
確率:ZACの2025年解約率0.29%は顧客基盤の守りを示すが、2026年上期の新規契約33社と広告の変動性は高成長を保証しない。AI代替の各型に沿って、席数0.81倍、導入件数0.67倍、広告受託件数約0.6倍を中立とする。
やや悲観 26% ソフトの席課金と広告運用の値決め力が弱まる 利益 8 億円 · PER 10.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,083 円164 億円
既存ZAC顧客は急には逃げないが、新しく契約する会社は機能をまとめた海外製品やAI主体の経営基盤を選び始める。既存企業でもAIが入力担当者を代替し、契約ライセンス数は2025年の3分の2まで落ちる。単価の上昇はほぼ止まり、2025年のようなNRRの高さはなくなる。Reformaは安価な競合へ顧客が移り、旧型ライセンス収入の消滅も重なる。会社が売る記録管理の価値は残るが、同じ人数分の課金はできない。
導入設定はAIツールで短縮され、以前のような工数を請求する機会が減る。広告代理業務は広告主の自動化によって手数料が圧迫され、ウェブ制作と運用事務局にも採算割れ案件が増える。人員整理を急げないため営業利益率は大きく低下する。買収による成長を探す誘惑が強まるが、経営がその選択を慎重に避けても利益の回復は限定的だ。現金を守るため配当・自社株買いは減らし、2035年の売上は約46億円、営業利益は9億円弱になる。
- ZACの保守・SaaS・月額利用料:数量 236,510(期末契約ライセンス数(機能別ID))× 価格 0.00(1ライセンス当たり年間の月額収益換算(億円・名目))→ 売上 26 億円・営業利益 9 億円。AI代替の席課金型:実質ライセンス数が基準年の67%、年間課金単価が102%。値上げと利用者数を二重計上しない。
- ZAC旧買取型ライセンス:数量 0.0(旧契約に係る納品・収益認識の件数相当(推計))× 価格 0.10(旧契約1件相当の認識売上(億円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2023年販売方式変更によって買取型ライセンス収益は2027年以降ゼロという会社見通し。
- ZAC導入支援・個別開発:数量 56.4(年間の新規導入・大幅改修プロジェクト換算件数(推計))× 価格 0.07(1プロジェクトの導入・開発売上(億円・名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。AI代替の工数型:新規導入・追加改修の件数相当47%、1件の売上105%。
- Reforma PSA:数量 159(月額利用企業数の年平均相当(ARPAによる推計))× 価格 0.01(1社当たり年額利用料(億円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替の席課金型:顧客企業数換算62%、年額101%。ZACより高い解約率を反映。
- dxeco・Semrush・その他クラウド:数量 105(年間法人アカウント・保守契約換算件数(推計))× 価格 0.02(1契約当たり年額サービス売上(億円・名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。周辺SaaS・外部製品販売:契約等価数60%、名目単価100%。
- 広告・マーケティング企画運用:数量 52.6(年間の広告支援契約換算件数(非開示の推計))× 価格 0.09(1契約当たり年額の企画・運用収入(億円・名目))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。広告制作・運用をAIが代替:年間契約相当数47%、手数料・企画単価92%。
- システム・ウェブ制作:数量 41.8(年間のサイト・システム制作案件換算件数(推計))× 価格 0.11(1案件当たり開発売上(億円・名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。AI代替の受託開発型:制作案件47%、案件単価107%。
- サイト運用・運用事務局:数量 49.8(年間の運用・サポート契約換算件数(推計))× 価格 0.06(1契約当たり年額の運用収入(億円・名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AI代替のBPO型:運用契約47%、名目単価104%。
倍率:事業の一部で採算割れが起き、ROEが資本コスト6.75%に届かない。10年後以降の名目成長はAIエージェント代替で−0.5%。割引率から導く稼ぐ力の上限は1÷(k−g)=13.79倍。やや悲観では顧客集中・契約再設定の不確実性を踏まえ、稼ぐ力の10.4倍だけを評価する。余剰現金は毀損を考慮して72億円の75%=54億円とし、その利息0.756億円を事業利益から除いて、株主に戻る価値は帳簿全額で加算する。
確率:ReformaのNRR94.6%、2025年広告事業の減収、2026年のZAC新規契約の遅れが下振れの兆候である。下に寄せる理由:高利益のZACと労務依存の広告が同居し、AI導入の利益をオロ自身が必ず取れるとは限らない。
悲観 15% AI主導の業務基盤に席課金が奪われる 利益 2 億円 · PBR 1.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 684 円104 億円
顧客が必要とするのは、見積・受注・原価の正しい記録だけになる。その記録はAIネイティブの業務基盤や汎用ERPへ移され、ZACは一部の既存顧客に残る保守製品へ縮む。課金ライセンスは2025年の半分未満となり、追加機能の価格交渉にも負ける。Reformaは小規模事業者の業務自動化に飲み込まれ、過去に売った買取ライセンスからの認識収入も完全に消える。会社に残るのは既存案件の移行・保守と限定された専門用途だけである。
広告の制作、キャンペーン事務局、受託ウェブ開発は顧客が直接AIに指示する仕事へと変わり、外部発注が大きく減る。開発者や営業担当者を急に減らせないため、低採算の案件は赤字化する。高い過去の利益率や顧客数は、もはや10年後の値付けの根拠にならない。買収に現金を使うより整理と還元を優先しても、事業の新しい成長源を作るのは難しい。2035年の売上は30億円を下回り、営業損益はほぼ均衡する。ただし倒産を想定せず、純現金と帳簿上の自己資本を資産の下限として残す。
- ZACの保守・SaaS・月額利用料:数量 165,910(期末契約ライセンス数(機能別ID))× 価格 0.00(1ライセンス当たり年間の月額収益換算(億円・名目))→ 売上 16 億円・営業利益 3 億円。AI代替の席課金型:実質ライセンス数が基準年の47%、年間課金単価が87%。値上げと利用者数を二重計上しない。
- ZAC旧買取型ライセンス:数量 0.0(旧契約に係る納品・収益認識の件数相当(推計))× 価格 0.10(旧契約1件相当の認識売上(億円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2023年販売方式変更によって買取型ライセンス収益は2027年以降ゼロという会社見通し。
- ZAC導入支援・個別開発:数量 36.0(年間の新規導入・大幅改修プロジェクト換算件数(推計))× 価格 0.06(1プロジェクトの導入・開発売上(億円・名目))→ 売上 2 億円・営業利益 −1 億円。AI代替の工数型:新規導入・追加改修の件数相当30%、1件の売上98%。
- Reforma PSA:数量 102(月額利用企業数の年平均相当(ARPAによる推計))× 価格 0.01(1社当たり年額利用料(億円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替の席課金型:顧客企業数換算40%、年額91%。ZACより高い解約率を反映。
- dxeco・Semrush・その他クラウド:数量 73.5(年間法人アカウント・保守契約換算件数(推計))× 価格 0.02(1契約当たり年額サービス売上(億円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。周辺SaaS・外部製品販売:契約等価数42%、名目単価91%。
- 広告・マーケティング企画運用:数量 38.1(年間の広告支援契約換算件数(非開示の推計))× 価格 0.08(1契約当たり年額の企画・運用収入(億円・名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。広告制作・運用をAIが代替:年間契約相当数34%、手数料・企画単価83%。
- システム・ウェブ制作:数量 32.0(年間のサイト・システム制作案件換算件数(推計))× 価格 0.09(1案件当たり開発売上(億円・名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AI代替の受託開発型:制作案件36%、案件単価91%。
- サイト運用・運用事務局:数量 36.0(年間の運用・サポート契約換算件数(推計))× 価格 0.06(1契約当たり年額の運用収入(億円・名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AI代替のBPO型:運用契約34%、名目単価93%。
倍率:AIエージェント代替で継続利益が極端に減るのでPERで高く評価しない。倒産や無価値の清算ではなく、2025年末の自己資本103.6億円を1.0倍とした資産の床で測る。これは2035年の蓄積後自己資本134億円を分母にしていない。純現金100.6億円は元々自己資本に含まれるので別に足さない。過去の市場PBRを根拠にしない。
確率:会社がAIエージェントの料金化をできず、広告・SI・BPOの三つの労務依存事業で顧客の内製化が連鎖する場合。低確率の破綻ではなく、純現金を保持したまま競争に敗れる構造的悪化とみる。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ZACの保守・SaaS・月額利用料
承認と案件損益を管理するZACの継続課金。保守料やクラウド提供も含み、全社の稼ぎの芯。
| 数量期末契約ライセンス数(機能別ID) | 価格1ライセンス当たり年間の月額収益換算(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 353,000 | 0.00 | 39 | 22 |
| 10 年後 中立 | 285,930 | 0.00 | 35 | 16 |
取り方:2025年決算説明資料の月額継続売上の四半期値890+946+993+1047百万円を合計した38.76億円を使用。2025年末の有効契約ライセンス353千は実数であり、年間売上から逆算した年額単価は約1.10万円/ライセンス(期間平均の契約数ではなく期末数を分母にした近似)。ZACの2025年末MRR375百万円、2026年6月末MRR389百万円には周辺月額サービスも含むため、サブスクリプション売上の再加算はしない。売上・2025年ライセンスの出典は会社決算説明。営業利益22.30億円はCS事業合計24.98億円を推定配賦した値で製品別の開示額ではない。AI型:席課金・操作画面、守りの強さは解約率3.4%/年と導入移行半年だが正本型の独立2証拠に届かず、中立ライセンス0.81倍、価格1.10倍。
ZAC旧買取型ライセンス
2023年に廃止した旧買取型契約の残りの収益認識。2027年以降はゼロの会社見通し。
| 数量旧契約に係る納品・収益認識の件数相当(推計) | 価格旧契約1件相当の認識売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 45.0 | 0.10 | 4 | 1 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 0.10 | 0 | 0 |
取り方:2025年決算説明の買取型ライセンス売上は140+125+103+67百万円=4.35億円。顧客ごとの売上配分・旧ライセンス数の年次開示がないため、仮に45件相当、1件約967万円の収益認識に割り付けた推定であり顧客実数ではない。新規の買取型販売は2023年から停止し、会社は2027年以降のこの項目の消滅を明言しているため、2035年の数量は全筋書きゼロ。1.35億円の製品別営業利益は推定配賦。
ZAC導入支援・個別開発
稼働設定、既存データ移行、カスタマイズを受け持つ人月・工数に近い仕事。
| 数量年間の新規導入・大幅改修プロジェクト換算件数(推計) | 価格1プロジェクトの導入・開発売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 120 | 0.07 | 8 | 1 |
| 10 年後 中立 | 80.4 | 0.08 | 6 | 0 |
取り方:2025年決算説明で導入支援売上は172+186+212+217百万円=7.87億円。2025年新規ZAC契約82社、既存顧客の追加開発や環境移行もあるため、年間120件相当で割り、1件平均約656万円の推定値とした。会社の200人規模のモデル導入の初期費用600万円が金額の外部確認となる。ただし個別の実件数・平均単価は非開示で推計誤差あり。営業利益1億円は推定配賦。AI型:人月・工数で売るSI、2025実数に対し中立数量0.67倍、価格は物価3%の累積1.34倍より低い1.20倍とする。
Reforma PSA
小規模な専門サービス会社向けに、案件や工数を管理する廉価クラウドPSA。
| 数量月額利用企業数の年平均相当(ARPAによる推計) | 価格1社当たり年額利用料(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 256 | 0.01 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 205 | 0.01 | 2 | 0 |
取り方:2025年のReforma売上は約2.15億円(4四半期の会社開示を合計した近似)。2025年ARPA69.9千円/月を年額約83.9万円に直し、2.15億円を除して約256社の稼働企業に相当すると推計した。累計導入500社超と稼働契約社数を混同しない。実績顧客解約率0.83%/月・NRR94.6%とZACより弱いため、AI型は通常の席課金で中立数量0.80倍、価格1.10倍。営業利益0.15億円は会社CS全体からの推定配賦。
dxeco・Semrush・その他クラウド
SaaS管理や外部SEO製品の販売代理、ITインフラなど。ライセンス契約とサービス工数の混合。
| 数量年間法人アカウント・保守契約換算件数(推計) | 価格1契約当たり年額サービス売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 175 | 0.02 | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 133 | 0.02 | 3 | 0 |
取り方:2025年クラウド事業56.64億円からZAC月額38.76、旧買取4.35、導入支援7.87、Reforma2.15を差し引いた残額3.51億円を基準にする。開示グラフのその他売上には過年度の誤認識訂正▲39百万円があり、四半期棒の単純和と0.数億円ずれる。実際の契約数と単価は非開示で、年間175契約・平均約201万円という金額単位の推計に置き換えた。営業利益0.19億円は推定配賦。SaaSと再販サービスの混合だが、守りのある独自正本データは確認できないため中立数量0.76倍、価格1.09倍とする。
広告・マーケティング企画運用
媒体を持たず顧客のプロモーション・広告運用を支援する。人の作業と運用手数料が収入。
| 数量年間の広告支援契約換算件数(非開示の推計) | 価格1契約当たり年額の企画・運用収入(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 112 | 0.10 | 11 | 1 |
| 10 年後 中立 | 69.4 | 0.10 | 7 | 0 |
取り方:2025年の会社決算説明資料ではマーケティング・プロモーション売上が292+222+244+358百万円=11.16億円。取引顧客数は非開示なので1年間に約1000万円を請求する支援案件112件相当に置き換えた推計。案件期間や外注を含む範囲で大きく上下するため会社公表の平均契約額ではない。営業利益0.75億円はMS合計1.48億円から配賦した仮定。国内インターネット広告市場は2025年約4兆459億円だが媒体支出と手数料売上は直接比較できず、占有率を計算しない。AI型:広告制作・運用、数量中立0.62倍、手数料単価0.99倍。
システム・ウェブ制作
顧客サイト、業務システム、販促用デジタル基盤の受託開発。
| 数量年間のサイト・システム制作案件換算件数(推計) | 価格1案件当たり開発売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 89.0 | 0.10 | 9 | 0 |
| 10 年後 中立 | 55.2 | 0.12 | 7 | 0 |
取り方:2025年の会社決算説明資料のシステム・WEBインテグレーション四半期値は189+171+251+281百万円=8.92億円。案件件数と受託単価が開示されないため、1件1000万円程度の中規模案件約89件相当とした推定であり個々の発注額の事実ではない。売上高・利益率は会社MS全体の範囲に整合させ、製品別営業利益0.42億円は推定配賦。AI型:受託SI・制作工数、中立数量0.62倍、単価1.19倍。
サイト運用・運用事務局
制作後の保守、キャンペーン事務局、広告レポートや運用BPO。
| 数量年間の運用・サポート契約換算件数(推計) | 価格1契約当たり年額の運用収入(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 106 | 0.06 | 6 | 0 |
| 10 年後 中立 | 66.8 | 0.07 | 5 | 0 |
取り方:2025年MS事業売上26.44億円から会社四半期グラフの広告企画11.16億円とウェブ制作8.92億円を差し引いた6.36億円を使用。グラフの運用サポート四半期159+155+141+174百万円=6.29億円とは数百万円の表示丸め差がある。件数・単価は非開示で、年間平均600万円の運用契約106件と置く契約年換算の推定。営業利益0.33億円はMS全体から配賦。AI型:BPO・人月、10年数量0.63倍、単価1.15倍。
リスクと懸念
AIエージェント代替が課金の単位を変える
ZACは案件会計の記録基盤として必要でも、AIが複数の操作担当者に代わるなら、現在の機能別ID課金は減少する。2026年8月にMCPサーバーの試用を始めたことは対策だが、AIで売上・受注がいくら増えたかは公表されていない。中立ではZACの実質ライセンス数を10年で0.81倍、単価を1.10倍とし、10年より先の全社名目成長率も−0.5%とする。寿命に再加算しない。
受託開発・広告制作・運用BPOの工数消滅
2025年のマーケティング事業には広告企画約11億円、ウェブ制作約9億円、運用サポート約6億円がある。多くは制作物・工数に対する対価であり、生成AIによる内製化で需要が細りうる。営業利益率が2025年に約6%しかないため、契約件数の減少がわずかでも利益に大きく響く。広告市場全体の名目成長を同社の手数料収入へそのまま移さない。
ZACの契約獲得とReformaの顧客定着の差
2026年上期のZAC新規契約は33社で、年間計画104社の約3割だった。既存契約のNRRが高くても、新規企業の獲得が長く停滞すれば更新需要と導入支援収入が減る。またReformaの顧客解約率は月0.83%、NRRは94.6%であり、主力ZACの低解約率をすべての製品へ横滑りさせることはできない。
旧方式ライセンスの消滅と費用の固定化
買取型ZACライセンスは2023年から販売形態を変え、会社自身が2027年以降に当該売上がなくなる見通しを示す。月額利用料が伸びても一時売上の穴埋めが必要で、開発者の給与、インフラ・セキュリティ、顧客支援などの固定費は物価上昇で増える。利益率の高かった過去を将来の下限と扱えない。
創業者への支配集中と現金の使い道
2025年末の上位10株主の持株比率は約77%、創業者に近い二人で約56%を保有する。配当増額と二年連続の自社株買いは少数株主にも良い実績だが、海外事業の失敗や割高な買収へ現金を使う判断を一般株主だけで止めにくい。余剰現金のすべてが将来必ず還元されると断定せず、実績に基づく戻り方を見直す必要がある。
預金と預り金・リース負担の取り違え
2025年末の現金及び現金同等物約100.6億円に加えて3か月超の定期預金約7.2億円があるが、全額を自由な買収・還元原資とみるべきではない。広告・導入契約の前受、給与等の運転資金、オフィスの賃借契約と既存の買戻し原資を差し引く必要がある。IFRS採用会社であるため、リースの費用・負債を日本基準の新ルールで再度重ねて控除しない。
今後の分かれ目
- ZACの月次顧客解約率が0.5%を超え、NRRが100%を下回る状態が4四半期続いたら
- いまの低解約率に基づく狭い堀の判断を撤回する。ZACライセンス中立数量0.81倍を下方修正し、広告と同時に低収益化する確率を上げる。
- ZAC MCPサーバーやAI機能の有料売上・受注額が独立して開示され、席数が減っても顧客当たり売上が伸びたら
- AIによる減少を補う実売上が証明される。ZACを操作画面型から結果課金・記録基盤へ一部再分類し、当該売上に限って10年後の数量と長期成長を上方修正する。
- 新規ZAC契約社数が年間100社超に回復し、単価・解約率が同時に悪化しなかったら
- 2026年上期の獲得遅れが一時的だったと確認できる。国内案件型ERPでのシェア維持をより高く評価し、中立からやや楽観の重みを増やす。
- マーケティング事業の営業利益率が8%以上で2年以上定着し、受託件数の伸びも確認できたら
- 2025年の不振が構造的でない可能性を再評価する。受託業務の数量縮小を緩める前に、外注削減だけでなく顧客の継続契約と成果報酬化の証拠を確かめる。
- Reforma PSAのNRRが90%以下へ落ち、月次解約率が1%超に悪化したら
- 安価なAI機能付き競合へ小口顧客が移っているとみて、Reformaと周辺ツールの数量・営業利益率をさらに引き下げる。
- 余剰現金の大部分を高値の海外買収に使い、増配と自社株買いを中断したら
- 現金の株主への戻り方1.0をそのまま用いない。買収先の増分ROICを検証し、投下資本コストを下回るなら保有現金の価値と買収成果を分けて減額する。
- 2028年の経営目標を達成しても、2029年以降にZACのMRRと月額契約席数が前年割れへ転じたら
- 高成長計画を過去のピークとして扱い、2035年の中立・悲観の席数と収益構造を優先して評価する。
見ておくもの
- ZAC・ZAC Enterpriseの月末契約ライセンス数と1社当たりライセンス数(月次開示、2026年9月36.6万)
- MRR(2026年6月末3.89億円/月)とZAC顧客解約率・NRR、月額料金の改定履歴
- ZAC新規契約社数の通期達成率、導入支援売上と旧買取型売上の消滅進捗
- Reforma PSAの月次解約率0.83%・NRR94.6%の改善・悪化
- MCPサーバーやAI機能の独立した有料契約社数・売上金額・成果課金の実績
- マーケティング事業の企画・制作・運用内訳と営業利益率の改善が外注削減だけでないか
- 年末の現金・3か月超定期預金・契約負債・リース負債と、自社株買いの実行・消却
- 2028年売上129億円・営業利益46億円・ROE20%以上という会社目標の達成状況
- 東南アジアのZAC販売件数と、海外の追加資本投下に対する回収実績
倍率と資本コストの決め方
出発点は添付の2025/12期実績と2026/10/22時点の株価・株数であり、時価総額約293.5億円を10年後の売上推計や倍率の逆算に使っていない。ZACの期末35.3万ライセンス、会社が示す月額売上内訳と旧買取型の2027年終了、ReformaのARPA、広告部門の企画・制作・運用別売上を数量と単価へ分解した。広告や受託の実案件数は非開示なので具体的な契約単価から推計したもので、どれも会社開示の実契約数を装っていない。
AIエージェント代替は中立のZACライセンス0.81倍、導入支援0.67倍、広告・ウェブ・運用の案件数0.62〜0.63倍と単価の弱さに入れ、10年後より先の成長gを名目−0.5%に制限した。MCPサーバーは試用を始めたが独立した有料売上金額の証拠はまだないため、楽観でも各AI影響型の数量を2025年超には増やしていない。資本コストkは過去11期の循環指標−0.5%、純現金−0.25%、値決め力と寿命0%から6.75%。AIリスクを寿命の上乗せで再度引いていない。
楽観〜中立のPERは余剰現金とその利息を自己資本・純利益から除いた事業ROE、通常の堀の残存率1/2、RONICおよびgから導く正当化式の上限そのものであり、同業や現在のPERは根拠にしていない。やや悲観は収益力から、悲観は現在の自己資本103.6億円から評価した。2035年の簿価134億円に床のPBRを掛けていない。直近の発行済株式から自己株を引いた1514万6653株を使い、2026年9月の追加買戻しは株価基準との小幅な時点差として注記し、将来の還元の額には実行済みの買戻しを再度算入せず、株式消却による株数減少の効果も別に加算しない。リースはIFRS16適用済みであり、2027年以後の日本基準改正に伴う負債を再度差し引かない。
資本コスト 6.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。国債金利3%と株式リスク上乗せ4.5%の基礎7.5%に、営業利益の安定−0.5%と純現金−0.25%を反映した6.75%。