結論
マイネットは、他社が開発したゲームを引き継ぎ、長く運営して稼ぐ会社である。筆者の結論は「やや割高」だ。老朽化した作品を保守して生む利益は評価できるが、新しいスポーツ事業が十分な収益を生むまでの資金負担と、受託業務の将来性を考えると、現時点の時価総額には安全域が乏しい。
2025年12月期は売上高約75億円、営業利益約4億円まで回復した。しかし2026年上期は新事業への先行投資で営業赤字となり、既存ゲームが稼いだ黒字を成長投資が食う構図が表面化した。会社は通期売上高90億円、営業利益3.9億円を据え置くが、達成には下期だけで約5.2億円の営業利益が必要だ。好材料と実際の投資回収は分けて見るべきである。
最大の希望はJリーグ公認のデジタルカードとファンタジーゲームである。一次販売だけでなく利用者間取引も育てば、運営している間に価値が蓄積する収益源になり得る。一方、カードの販売枚数と継続課金から得られる利益はまだ開示されておらず、ユーザーの定着も実証途上だ。長年にわたる買収と減損の歴史を踏まえれば、成長の物語をそのまま株主価値とみなすことはできない。
2026年7月の第三者割当増資で既存株主の持分も薄まった。一次資料から計算した増資後の自己株控除後株数は約954万株であり、添付の約1,129万株とは異なる。株数を正した現在の時価総額は約21.2億円だ。長期の5つの筋書きでは、既存ゲームの収益力が守られる場合と、スポーツの投資が回収されず資産が傷む場合とをはっきり分けて評価する。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主が買うのは、翌年の決算予想ではなく、十年先にも持続するオーナー利益である。マイネットの既存ゲーム運営は、原価管理と小さな改善を積み重ねて現金を残す働きがある。ただし運営を受け継ぐ契約は、顧客側の事情で終了も変更もできる。長寿のゲームが何本もあることと、十年後に現在と同じ課金額が流れ込むことは別の話だ。名作IPのブランドそのものを保有する企業ほどには、将来利益の見通しを堅く置けない。
株主の本当の利益は、会計上の純利益からゲームの維持と新しい仕組みの更新に必要な投資を差し引いたものだ。2026年上期にはスポーツ用ソフトウエアが資産に計上され、将来の償却と更新の負担が残る。過去の投資の償却費まで毎年の物価上昇に連動して膨らむわけではないが、次の開発投資は高くなり得る。目に見える利益と株主へ返せる現金の差を確かめたい。
最大の争点はJリーグの提携を、顧客が離れにくいファン経済圏にまで育てられるかだ。実際に一次販売と二次売買の双方が増えているのは良い兆候である。しかし取引件数が増えても、ライセンス費と販促費を払った後の利益が増えなければ、投じた資本に十分な利回りは付かない。歴史的な買収減損と直近の希薄化を考えると、次の成功を先に買い取るよりも、その成功が現金で確認できてから評価する姿勢が合理的だ。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの土台はセカンダリーゲーム運営である。ブシロード、ディー・エヌ・エー、セガなどの取引先から引き継いだゲームを維持し、イベント、カード追加、顧客対応、システム保守を重ねて課金収入を得る。累計80タイトルを超える運営経験はあるが、これは同時に稼働しているタイトル数ではない。2026年上期の会社資料では、既存ゲーム部門が四半期約16億円の売上と約1.6億円の営業利益を続け、赤字の新事業を支えている。
新しい収益候補は、Jリーグ公式の「J.LEAGUE FANTASY CARD」と、Bリーグ関連のファンタジーサービスである。カードの一次販売、利用者間での二次流通、ファン参加型企画を組み合わせる。2026年8月時点で有償パックの累計販売は285万枚、売買件数は77万件に達した。ただし販売単価、無料配布の影響、ライセンス料、利用者の継続率は非開示であり、販売枚数から利益までを直結させることはできない。
ゲーム会社向けには運営スタッフの人材マッチングと開発受託も提供する。この部分は作品の課金から取り分を得る事業とは違い、エンジニアやプランナーが働く人月・工数を売る性質が強い。異業種子会社Digonでは戦略コンサルティングに加え、パソコン設定や納品を含むキッティングBPOも扱う。2025年の制度上の報告セグメントはゲーム事業と異業種事業の二つであり、本分析の四区分は経済性を見極めるための細分化であって、会社の正式なセグメント区分ではない。
優良さと弱いところ
この会社には技術的な独占ではなく、「終わりかけたゲームをもう一度稼げる状態に保つ」運営の型がある。新作開発より少ない投資で既存作品の寿命を延ばせるなら、顧客の買収・撤退に伴う運営移管の受け皿になる。会社は複数タイトルでAI導入による約20%の運営費削減を示し、長期運営で原価を下げる能力を実証し始めた。しかし50%削減は目標にすぎず、競合も同じ道具を利用できるため、その効率だけでは堀、つまり他社がまねできない強みにはならない。
最大の弱点は、自社の不朽の知的財産を多数保有する企業ではないことだ。既存作品の年齢は毎年上がり、課金単価を物価並みに上げることも難しい。2025年の取引先別売上ではブシロードが約25%、ディー・エヌ・エーが約15%、セガが約11%を占める。契約更新、ライセンス料、内製化の判断が一つ変わるだけで、運営会社の利益が動く。長寿タイトルの実績は尊いが、価格支配力の証拠ではない。
資本配分の過去は重い。2016年のクルーズからのゲーム事業取得など買収によって売上は大きくなったが、2018年の不正アクセスとタイトル停止、その後の減損、2022年の赤字とスポーツ関連投資の見直しを経て、自己資本はかつての水準から縮んだ。2023年以降の費用削減で黒字を取り戻した点は評価する一方、増分投下資本利益率が資本コストを継続的に超える証拠はない。新しいカード事業が売上だけでなく営業現金を生むまで、堀を強いとは判定しない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内モバイルゲーム市場は、会社が引用する「ファミ通モバイルゲーム白書2026」で2025年約1兆6,634億円である。成熟した国内市場では新作の宣伝費がかさみ、旧作が緩やかに衰える。2025年の同社ゲーム事業売上約68億円は、その広い市場の約0.41%に相当するが、運営移管だけの市場占有率を示すものではない。セカンダリー市場の統一された公開統計がないため、移管本数と作品ごとの課金寿命が数量を決める。大手の自社運営や他の受託会社、作品の終了そのものが競争相手となる。
スポーツではJリーグが大きな顧客基盤を持つ。2025年公式試合の総入場者数は1,350万人を超え、リーグの共通IDも500万件を超えた。ただし観客数は延べ人数であり、IDを持つ全員が有償カードを購入するわけではない。Jリーグ公認の提携は差別化の入口だが、同じファンの財布は実物のトレーディングカード、クラブ公式グッズ、配信サービス、他社のデジタル商品とも競合する。日本のファンタジーカード単独の市場規模と各社のシェアは未公表であるため、世界のファンタジースポーツ市場をそのまま取り込める市場とみなさない。
異業種の受託先は広い。矢野経済研究所が推計した2024年度の国内BPO市場は約5.08兆円で、同社の異業種事業約10億円規模は全体の0.02%ほどにすぎない。BPO全体が伸びても、マイネットが専門知識を独占できるわけではない。アクセンチュア、国内SI事業者、人材会社に加え、顧客自身のAIエージェントが作業を引き受ける。ゲーム運営を含め、生成AIは同社の費用を下げると同時に、顧客が外注しなければならない仕事そのものを減らす。受託人月には構造的な数量減を見込む。
資本政策と M&A
資本配分は、拡大よりもまず買収の失敗を繰り返さないことが試される。2016年にはクルーズのゲーム事業を大規模に取得し、2021年には滋賀のプロバスケットボールクラブにも資金を投じた。急拡大後の2018年と2022年には大きな最終赤字を出した。買収したタイトルやスポーツ関連資産が会計上の利益を維持できなかった経緯から、将来のM&Aに無条件の価値を与えない。2026年7月にはZero Gamingを割当先に871,000株を発行し、約1.99億円を調達した。資金は2027年までのスポーツ開発・販促に使う予定で、自由に還元できる余剰現金とはみなせない。
中期ビジョン「GATE26―NEXT LEVEL」は2026年までの事業拡大の方向を示すが、長期ROEや総還元性向、自社株買い金額の数値目標はない。2026年12月期の単年度会社予想は売上90億円、営業利益3.9億円、純利益2.85億円である。2025年有報はDOE3%を配当の基本方針と明記する一方、2023~2025年は無配であり、2026年も無配予想だ。つまり方針の数字と実際の支払いは一致していない。
株主への配分は当面弱いとみる。2022年には自社株買いを行った実績があるため、将来も一切還元しないと決めつける必要はない。しかし借入金と社債が大きく、2025年有報には一部融資の経常赤字回避と最低預金残高の条項が記載される。先行投資が実を結ばなければ、配当より資金繰りと償還が優先される。具体的なTOBや上場廃止の公表は確認できず、買収プレミアムは価値に算入していない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
この会社を過去の失敗だけで測ってはいけない。既存ゲームの売上高は2026年の二つの四半期で横ばいだったのに、営業利益は安定して黒字を維持した。累計80タイトル超の運営経験と、長期に課金を維持するイベント設計は、単なる人手の派遣よりも深い技能の蓄積である。AI導入で一部タイトルの運営費を約20%削減できた実績もあり、これを広げれば買収可能な作品の採算線は下がる。作品数が増えても人件費が比例して増えるとは限らない。
より大きな変化は、他社の作品を守る側からファンの取引市場を運営する側への転換だ。J.LEAGUE FANTASY CARDは開始後短期間で有償カード販売累計285万枚、二次取引77万件に達した。取引相手が増えるほど商品を交換する意味が大きくなるため、ファン同士の結び付きが利用を支える。J2・J3まで対象を広げ、野球やバスケットボールなどへ展開できれば、スポーツのライセンスとゲームの運営技術が互いを強める。
2026年に資本提携したZero Gamingのネットワークを使い、単なる国内サッカー商品から複数競技の商品に広げられる余地もある。異業種のキッティングとゲーム開発の受託は、AIで単純作業を減らした上で、設計や顧客との調整に人を集中させれば利益率を守れるかもしれない。新事業の広告投資が一巡すれば、既存ゲームの利益にカード販売の利益が重なる。十分な現金を生む段階に移り、自社株買いの再開まで進む筋書きは、現在の小さな時価総額に対して大きな価値を持つ。
慎重な見方
会社の歴史は、売上を買い集めることと株主価値を増やすことが同じではないと示している。2016年前後の積極的な買収は一時的に売上を押し上げたが、2018年の不正アクセスで13タイトルが止まり、後年の業績も大きな減損を伴った。2022年には再び深い赤字を出した。現在の安定利益が、過去の失敗で生まれた損失をすべて取り戻したわけではない。長期の資本利益率を一時の黒字で判断するのは危うい。
既存ゲームは年を取る。顧客が新しい作品を自分たちで運営する選択も、AIで運営工数を減らす選択もある。会社自身がAIによる運営費半減を目指すことは、外部の開発受託や人材派遣にとっては仕事が減る合図でもある。コンサルティング、キッティングBPO、人材マッチングは規制で守られたデータの正本を握っておらず、価格決定権は顧客と競争相手にある。
スポーツの数字にはなお大きな穴がある。累計販売枚数と取引件数は伸びていても、一枚当たりの実際の売上、課金者数、獲得費用、解約率、ライセンス更新条件が分からない。二次売買が盛んでも取引金額の全部が運営会社の利益になるわけではない。2026年上期は会社全体が赤字で、通期予想には下期の急回復が必要だ。増資で約2億円を得たが、借入と社債はその何倍もあり、スポーツ資金は既に使途を決めている。再び売上より先に費用が膨らめば、配当再開は遠のき、次の希薄化さえ起こり得る。
どちらに重みを置いたか
既存ゲームを黒字で回す技術と、公認カード市場を作る可能性は確かに残る。しかし上期の新規事業赤字、歴史的な減損、カード一枚から残る利益の不透明さを考えると、十年間ずっと高い増分利益を得ると断定できない。確率は上振れ合計25%より下振れ合計41%を厚くした。下に寄せる理由はAIだけではなく、2018年と2022年の損失、2026年の先行赤字、増資による希薄化という会社固有の事実である。AI代替の影響は人月数量と長期成長率に織り込み、資本コストや確率で重ね引きしていない。十年先の利益と戻る現金を現在価値に直すと、約21億円の現在時価総額に対する安全域は乏しく、やや割高という判断になる。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 393 円37 億円(+ 還元の換算額還元の合計 12 円1 億円)。 今の値に割り戻すと 182 円17 億円、今との差 −20.7%、 期待の年率 +6.0%(資本コスト 8.5%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 1,341 円128 億円 | 84 円8 億円 | +522.0% | +21.1% | 114 円11 億円 |
| やや楽観 | 17% | 907 円87 億円 | 31 円3 億円 | +309.8% | +15.6% | 160 円15 億円 |
| 中立 | 34% | 294 円28 億円 | 0 円0 億円 | +28.6% | +2.5% | 100 円10 億円 |
| やや悲観 | 25% | 88 円8 億円 | 0 円0 億円 | −61.7% | −9.1% | 22 円2 億円 |
| 悲観 | 16% | 58 円6 億円 | 0 円0 億円 | −74.8% | −12.9% | 9 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 393 円37 億円 | 12 円1 億円 | +76.7% | +6.0% | 405 円39 億円 |
今の株価時価総額 229 円22 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 公認カードが第二の利益源になる 利益 9 億円 · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,341 円128 億円
旧作ゲームの再編が追い風に変わる。大手パブリッシャーは新作開発に資本を集中し、収益はまだあるが自社では運営しにくいタイトルを次々と移管する。マイネットはAIを用いた保守費の削減を広げ、利益を残せる作品の範囲を広くする。収益貢献タイトル相当は増え、周年イベントや改良企画が課金寿命を延ばす。内製化との競争は続くが、ゲーム部門は二桁の営業利益率を保つ。
Jリーグ公式カードは一次販売と二次売買が循環するファン市場に育つ。クラブの地域性を生かした限定カードが課金を促し、バスケットボールや別競技の公式商品まで増える。独占期間を過大評価せずとも、企画と運用に利益が残る契約が続き、スポーツが営業利益の柱になる。人材・BPOの数量はAIエージェント代替で増えないが、残る高難度案件を担当して単価と利益率を守る。
経営は過去の買収失敗を繰り返さず、小さな案件を選んで再投資する。スポーツ初期投資の回収後に配当や自社株買いも再開でき、十年間の純利益の合計は約48億円、還元は8億円に及ぶ。十年後は高いオーナー利益が続くが、公式ライセンスと旧作ゲームが永遠に増えるとはみなさず、その先の利益は横ばいと考える。
- セカンダリー:他社ゲームの長期運営:数量 29.0(収益貢献タイトル換算(本・年、分析上の稼働換算))× 価格 3.40(年売上高(億円/収益貢献タイトル換算1本))→ 売上 99 億円・営業利益 12 億円。移管・長寿運営の対象拡大とAIによる費用効率化で収益貢献タイトル29本相当、営業利益率12%。
- Jリーグ・Bリーグ公認デジタルカード:数量 24.0(年間有償カード販売枚数(百万枚相当))× 価格 0.75(一百万枚当たりの平均認識売上(億円、二次売買手数料も1次枚数に配賦))→ 売上 18 億円・営業利益 4 億円。カード年2,400万枚相当まで増え、複数競技化によって認識売上単価も上がる。
- ゲーム人材マッチング・開発ソリューション:数量 390(年間の有償人月換算(人月、開発一括案件を換算))× 価格 0.01(一人月当たりの売上(億円/人月))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替により稼働人月は現在以下、難度の高い開発案件で採算を守る。
- 異業種コンサルティング・キッティングBPO:数量 733(年間の有償人月換算(人月、BPO機材込みの合算))× 価格 0.02(一人月換算当たりの売上(億円/人月))→ 売上 12 億円・営業利益 1 億円。コンサル・BPOの人月はほぼ現在維持。AI業務効率化後も仕事は増えない。
倍率:資本コストk=8.5%、ROEは9.4÷55.66=16.9%。弱い堀の超過利益残存割合1/3でRONIC≈11.3%。2036年以降の名目g_long=0%なので正当化PER=(1−0÷RONIC)÷(0.085−0)=11.7647倍であり、上限そのものを採用する。9.4×11.7647≈110.59億円。未還元利益の余剰現金は規定の別計算で算入する。
確率:老舗ゲームの効率化とスポーツの複数競技化を同時に成功させる必要がある。JFCの累計取引は好材料だが、一枚当たりの儲けと継続率が未開示であるため8%にとどめる。
やや楽観 17% 運営黒字を保ちスポーツが定着 利益 6 億円 · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 907 円87 億円
既存ゲームの移管は緩やかに増える。採算の悪いタイトルを無理に買わず、運営人員を共有して旧作の課金を維持する。成熟したスマートフォン市場でも移管される作品があるため、長寿ゲームを専門に扱う地位は残る。人気IPを独占する会社にはなれないが、取引先から継続的に運営を任される。
Jリーグの公認カードは一部の熱心なサポーターに定着する。一次販売の収益に二次市場の取引手数料が加わり、広告宣伝費の伸びを抑えつつ販売枚数が増える。野球やバスケットボールへの応用が少し進み、スポーツは営業黒字へ転換する。ただし大手プラットフォームとの競争やライセンス更新に費用がかかり、利益率の急拡大までは期待しない。
開発受託とコンサルティングはAIが簡単な仕様書作成やデータ整理を代替するため、稼働人月が少なくなる。その代わり顧客との設計調整や専門的な運営を担い、料金の一部を上げて減収を和らげる。営業利益が回復した後で小規模な株主還元が可能になり、十年後の自己資本は利益を積み上げて厚くなる。
- セカンダリー:他社ゲームの長期運営:数量 25.0(収益貢献タイトル換算(本・年、分析上の稼働換算))× 価格 3.10(年売上高(億円/収益貢献タイトル換算1本))→ 売上 78 億円・営業利益 8 億円。新たな運営移管と旧作減少が概ね釣り合い、作品換算25本相当。
- Jリーグ・Bリーグ公認デジタルカード:数量 18.0(年間有償カード販売枚数(百万枚相当))× 価格 0.65(一百万枚当たりの平均認識売上(億円、二次売買手数料も1次枚数に配賦))→ 売上 12 億円・営業利益 2 億円。Jリーグで定着し他競技にも一部進出、年1,800万枚相当。
- ゲーム人材マッチング・開発ソリューション:数量 380(年間の有償人月換算(人月、開発一括案件を換算))× 価格 0.01(一人月当たりの売上(億円/人月))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。AIの代替で人月を小幅減、専門案件で単価を守る。
- 異業種コンサルティング・キッティングBPO:数量 700(年間の有償人月換算(人月、BPO機材込みの合算))× 価格 0.02(一人月換算当たりの売上(億円/人月))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。AIによる人月減少を契約料金の上昇で緩和。
倍率:資本コスト8.5%、ROE6.1÷45.66=13.4%、弱い堀で超過利益の1/3だけ長期に残りRONIC≈10.1%。g_long=0%だから利益ベースの正当化PER=1÷0.085=11.7647倍をそのまま採用。最終利益6.1億円の稼ぐ力が時価総額71.76億円を支える。
確率:既存ゲームの安定運営に加えてJFCの課金定着、広告費の正常化が必要。スポーツの利益回収はまだ確認できず、実現確率を17%とする。
中立 34% 旧作が緩やかに縮み新規事業は薄利 利益 2 億円 · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 294 円28 億円
マイネットは十年後にも必要とされるが、稼ぎ方の中心は残存作品を延命する仕事のままである。国内のモバイルゲーム人口は大幅には増えず、新作への利用者移動が続く。新しいタイトルの移管もあるものの、それを上回って古いゲームの採算が縮む。旧作運営の年売上は現状より低く、営業利益率も一段落ちる。AIによる作業効率化は固定費を支えるが、委託元に値下げや内製化を促すため、全額を利益改善とは考えない。
J.LEAGUE FANTASY CARDは熱心なファンに根付き、一次販売枚数と売買手数料は現在より増える。ただし多額の宣伝がなくても新しい課金者が自然増する状態には至らず、ロイヤルティとアプリ更新費が利益を抑える。成長市場への参入には成功しても、ゲームの減益を完全には埋められない。ゲーム開発と人材派遣の稼働はAIエージェント代替によって現在の約66%となり、異業種コンサル・BPOも約65%に減る。名目料金は上がるが、物価3%の十年分までは転嫁できない。
会社全体は営業利益約2.8億円、純利益約1.6億円の規模で落ち着く。大型M&Aを見送り、株主配当も実際の再開を確かめるまで想定しないので、利益は自己資本として累積する。その結果ROEは低くなり、新たな投資の利回りは資本コストを下回る。
- セカンダリー:他社ゲームの長期運営:数量 18.0(収益貢献タイトル換算(本・年、分析上の稼働換算))× 価格 2.95(年売上高(億円/収益貢献タイトル換算1本))→ 売上 53 億円・営業利益 3 億円。老朽化と新規移管の綱引きで作品換算18本相当。価格上昇は物価に届かない。
- Jリーグ・Bリーグ公認デジタルカード:数量 10.0(年間有償カード販売枚数(百万枚相当))× 価格 0.60(一百万枚当たりの平均認識売上(億円、二次売買手数料も1次枚数に配賦))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。年1,000万枚販売相当にとどまり、ロイヤルティとシステム更新で営業利益率6%。
- ゲーム人材マッチング・開発ソリューション:数量 270(年間の有償人月換算(人月、開発一括案件を換算))× 価格 0.01(一人月当たりの売上(億円/人月))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替型。数量410→270人月(0.66倍)、単価1.20倍。
- 異業種コンサルティング・キッティングBPO:数量 480(年間の有償人月換算(人月、BPO機材込みの合算))× 価格 0.02(一人月換算当たりの売上(億円/人月))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替型。数量733→480人月(0.65倍)、単価1.20倍。
倍率:資本コスト8.5%、十年後ROE1.55÷32.5=4.77%で資本コスト未満。資本効率を超える再投資成長を認めず、g_long=0%の正当化PER上限1÷0.085=11.7647倍を使う。事業純利益1.55億円から時価総額18.24億円。今後留保される運転資金超過分だけ別途0.75の戻り方で扱う。
確率:2026年上期の旧作ゲームの黒字と新規事業赤字を両方尊重する中心ケース。既存ゲームの緩慢な縮小とスポーツの小幅黒字を組み合わせ、34%を配分する。
やや悲観 25% 作品の縮小と受託需要減で小幅黒字 利益 1 億円 · PER 10.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 88 円8 億円
旧作ゲームの課金人口が想定より速く減る。パブリッシャーはAIで運営を内製化し、新たな移管契約を絞る。すでにある長寿タイトルには一定のファンが残るが、会社の運営力だけで作品の寿命を無限に延ばすことはできない。対応する人員を絞り、一部タイトルの採算を守ることでゲーム運営部門は黒字を維持するものの、売上規模は半分近くになる。
スポーツカードでは有料会員の定着が弱く、一次販売が伸び悩む。二次市場は一定の売買を維持するが、ライセンス料とアプリ保守費に見合う利益を生まず、限られた固定費が残る。複数競技展開を縮めて損失を止め、当初想定した大きなファン経済圏には至らない。
ゲーム向け人材・開発とコンサル・BPOはAIエージェントが反復作業を直接実行することで、売れる人月が現状の約55%まで落ちる。物価に追いつかない値上げでも、一部の専門案件と既存顧客は守る。グループ全体はなお小幅黒字で資金繰りを続けるが、配当再開は遠い。十年後の稼ぐ力を資本コストで評価すれば、今よりかなり小さな企業価値となる。
- セカンダリー:他社ゲームの長期運営:数量 12.0(収益貢献タイトル換算(本・年、分析上の稼働換算))× 価格 2.65(年売上高(億円/収益貢献タイトル換算1本))→ 売上 32 億円・営業利益 2 億円。旧作の撤退で売上は大幅に減るが、残存案件の原価調整で黒字。
- Jリーグ・Bリーグ公認デジタルカード:数量 5.0(年間有償カード販売枚数(百万枚相当))× 価格 0.45(一百万枚当たりの平均認識売上(億円、二次売買手数料も1次枚数に配賦))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。有償カード年500万枚相当、利用定着不足で営業赤字。
- ゲーム人材マッチング・開発ソリューション:数量 225(年間の有償人月換算(人月、開発一括案件を換算))× 価格 0.01(一人月当たりの売上(億円/人月))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AIの代替と受注消滅、人月0.55倍、採算は均衡。
- 異業種コンサルティング・キッティングBPO:数量 400(年間の有償人月換算(人月、BPO機材込みの合算))× 価格 0.01(一人月換算当たりの売上(億円/人月))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。BPO契約更新が細り、AIにより人月0.55倍。
倍率:ROE0.75÷16.5=4.55%とk=8.5%を下回るため、悲観側の稼ぐ力の上限は0.75÷0.085=8.82億円。新規事業が薄利であるため10.67倍、約8.00億円を採用し、純現金・売れる資産の税後の床5.5億円より高いが上限8.82億円は超えない。
確率:下に寄せる理由:2018年と2022年の大幅赤字、2026年上期の先行赤字、取引先集中と無配の歴史がある。倒産ではなく小規模企業として生き残る場合を25%とする。
悲観 16% 減損と契約喪失で資産回収に移る 利益 −2 億円 · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 58 円6 億円
タイトル取得の目利きが外れ、旧作ゲームの閉鎖が相次ぐ。新たな移管は競合との価格競争で採算が取れず、既存顧客もAI運営の内製化を選ぶ。過去には13タイトルの一時停止を招く不正アクセスがあり、安全運用の追加負担も避けられない。営業利益を生んだセカンダリーの基盤が細り、会社は規模を大きく縮める。
スポーツ事業は課金が頭打ちとなり、契約更新時の費用を賄えなくなる。限定カードの販促を強めても支払額が増えるだけで、アプリ資産には減損が生じる。ゲーム開発、専門人材、異業種BPOもAIエージェント代替で売上が大きく減り、人員と家賃などの固定費を速やかに削れない。
利益は赤字が常態化し、過去のM&Aのように資産の評価減が必要になる。借入金・社債の更新や融資条項の交渉も重荷となり、株主への還元はゼロである。ただし、すべての金融機関が一斉に回収に動く倒産直前の状態までは想定せず、残存する純現金と売却可能な資産を税後・整理費用控除後の床にする。これは十年後の帳簿上の自己資本に倍率を掛けた価値ではない。
- セカンダリー:他社ゲームの長期運営:数量 7.0(収益貢献タイトル換算(本・年、分析上の稼働換算))× 価格 2.40(年売上高(億円/収益貢献タイトル換算1本))→ 売上 17 億円・営業利益 0 億円。運営可能なタイトルは収益貢献7本相当に縮む。
- Jリーグ・Bリーグ公認デジタルカード:数量 2.0(年間有償カード販売枚数(百万枚相当))× 価格 0.35(一百万枚当たりの平均認識売上(億円、二次売買手数料も1次枚数に配賦))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。カード課金が細りライセンス費を回収できない。
- ゲーム人材マッチング・開発ソリューション:数量 170(年間の有償人月換算(人月、開発一括案件を換算))× 価格 0.01(一人月当たりの売上(億円/人月))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AI代替と顧客内製化で人月0.41倍、固定費割れ。
- 異業種コンサルティング・キッティングBPO:数量 350(年間の有償人月換算(人月、BPO機材込みの合算))× 価格 0.01(一人月換算当たりの売上(億円/人月))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。コンサル・BPO需要が縮み、人月0.48倍、赤字。
倍率:営業赤字と最終赤字が定着するため利益倍率は使わない。2026年7月増資後の現在の自己資本15.66億円から、売れないソフトウエア・のれん・繰延税金資産等を控除した床5.5億円を採用し、現在自己資本に掛ける清算PBR0.3512倍に対応する。2036年の自己資本6.7億円にPBRを掛けて価値を膨らませない。
確率:下に寄せる理由:過去の買収減損と2018年の13タイトル停止は予想外の損失が繰り返し得る証拠である。スポーツの償却・融資条項も重なって企業価値が資産の床へ近づく確率を16%とする。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
セカンダリー:他社ゲームの長期運営
他社のスマートフォンゲームを引き継いでイベントと運営を続け、ユーザー課金や運営委託収入を得る。保有IPによる独占事業ではない。
| 数量収益貢献タイトル換算(本・年、分析上の稼働換算) | 価格年売上高(億円/収益貢献タイトル換算1本) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06中間期年率換算 | 24.0 | 2.69 | 65 | 7 |
| 10 年後 中立 | 18.0 | 2.95 | 53 | 3 |
取り方:2026年8月14日決算説明資料7頁でセカンダリー中心のゲーム部門は四半期売上16.14億円、営業利益1.69億円・1.57億円と開示。上期の売上32.28億円を年率64.56億円に換算した。稼働作品数・作品別月商は非開示なので、収益規模24タイトル相当×2.69億円という分析上の換算であり、実際の同時運営タイトル数24本との主張ではない。国内モバイルゲーム約1兆6,634億円に対し0.39%相当だが、セカンダリー専用市場シェアではない。https://pdf.irpocket.com/C3928/xoA3/tx0r/gotA/XNbt.pdf
Jリーグ・Bリーグ公認デジタルカード
J.LEAGUE FANTASY CARDの有償カード販売と二次流通、Bリーグ関連ファンタジーサービスを含む。課金ユーザーの継続とライセンスが鍵となる。
| 数量年間有償カード販売枚数(百万枚相当) | 価格一百万枚当たりの平均認識売上(億円、二次売買手数料も1次枚数に配賦) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/08時点年率試算 | 4.3 | 0.47 | 2 | −7 |
| 10 年後 中立 | 10.0 | 0.60 | 6 | 0 |
取り方:2026年8月10日時点の有償パック累計販売285万枚、マーケットプレイス累計77万件を2026年8月の決算説明資料11頁で確認。開始から約8カ月として有償販売を年率約425万枚と見積もった。カード1枚47円は実際の店頭価格やJコイン価格ではなく、二次売買の取り分やロイヤルティ控除、無償券を考慮した仮の会計上認識売上である。スポーツ売上・営業利益は非開示のため約2.0億円と営業損失7.0億円はグループ新事業合計との差額からの推定配賦であり、会社開示の個別事業実績ではない。https://pdf.irpocket.com/C3928/xoA3/tx0r/gotA/XNbt.pdf
ゲーム人材マッチング・開発ソリューション
ゲーム会社へプランナーやクリエイターを紹介・派遣し、一括開発を受託する。主な売り物が人月・工数のためAIエージェント代替に直接さらされる。
| 数量年間の有償人月換算(人月、開発一括案件を換算) | 価格一人月当たりの売上(億円/人月) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06中間期年率試算 | 410 | 0.01 | 4 | −3 |
| 10 年後 中立 | 270 | 0.01 | 3 | 0 |
取り方:2026年Q1/Q2の人材マッチング売上43百万円・56百万円を年率約1.98億円に換算。ゲーム報告セグメント年率70.65億円からセカンダリー64.56億円を引いた約6.09億円のうち、スポーツ推定約2億円の残余約4.1億円を開発と人材に配賦した。契約人月・一括案件の具体的売上と利益の独立開示はなく、平均100万円/人月、410人月は分析上の換算。営業損失は新事業利益総額からスポーツ等に配賦した推定値。https://pdf.irpocket.com/C3928/xoA3/tx0r/gotA/XNbt.pdf
異業種コンサルティング・キッティングBPO
Digonの戦略コンサルと、PC導入・設定・納品などのBPO。設備購入を含む案件もあり、基本は案件工数に対する報酬を得る。
| 数量年間の有償人月換算(人月、BPO機材込みの合算) | 価格一人月換算当たりの売上(億円/人月) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06中間期年率換算 | 733 | 0.01 | 10 | 1 |
| 10 年後 中立 | 480 | 0.02 | 7 | 0 |
取り方:2026年中間期正式報告セグメントの異業種売上4.77048億円、営業利益0.24979億円から年率9.54億円・0.50億円。733人月×130万円は実際の受注人数・料金の開示ではなく、コンサルと物品含むBPOを単一単価に直した粗い換算で、正式売上との差は0.2%未満。国内BPO市場5兆786億円(矢野経済研究所2024年度、https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3973)に対する規模は0.02%未満。
リスクと懸念
AIエージェント代替と顧客の内製化
ゲーム人材マッチング、受託開発、戦略コンサルティング、キッティングBPOは人月・工数で料金が決まる部分が大きい。AIエージェントが仕様整理、入力、監視、分析、定型開発を代行すれば、顧客が外注する工数そのものが減る。中立では関連人月を現在の65~66%へ縮小し、値上げも十年の物価上昇1.34倍には届かない。ゲームの消費者課金やスポーツカードは直接の人月事業ではないが、運営内製化という別経路で影響を受ける。
スポーツの課金定着・ライセンス更新
Jリーグ公認という看板があっても、カード購入者の再購入率、払った広告費に対する継続利益、ロイヤルティ率は開示されていない。カード累計販売と二次取引件数が増えても、販売収益が利益として会社に残るとは限らない。選手肖像、クラブとの協業、リーグの契約更新が変われば、アプリへの投資と販促費を回収できなくなる。
買収減損と新しいソフトウエア資産
ゲーム事業の買収拡大は過去に大きな減損と赤字を伴った。2026年6月末にはソフトウエアと仮勘定が約5.46億円あり、スポーツアプリの利益計画が崩れれば価値を減らす可能性がある。既存資産の償却は取得原価で進むが、追加開発と更新にはその時点の人件費が必要になるため、会計利益と自由に使える現金が食い違いやすい。
大手取引先への依存と課金基盤の手数料
2025年の売上ではブシロード、ディー・エヌ・エー、セガの三社で約51%を占めた。タイトル運営の契約が更新されない場合や、パブリッシャーがAI活用で内製化する場合、運営規模が急に細る。Apple、Googleなどの決済基盤やゲームに関する規制が課金収益に影響する場合もあり、会社側だけで最終消費者への値上げを決められない。
借入更新・財務制限条項・現金の見かけ
2026年6月末には現預金約22.25億円がある一方、借入金と社債の合計も約20.80億円あった。2025年有報には一部借入に毎期の経常損益を赤字にしない条項と最低現預金残高7,000万円の約束が記載される。2026年上期は経常赤字であり、通期で黒字化できなければ金融機関との協議が必要になるおそれがある。7月の増資金もほぼ成長投資用であり、現預金を丸ごと余剰資産にはできない。
旧作ゲームの寿命とセキュリティ
ゲームの提供年数が延びても、消費者の余暇時間と課金は新作に移る。2018年には不正アクセスで13タイトルが一時停止し、運営上の信用と収益に打撃を受けた。今後も攻撃対策やプラットフォーム更新の費用がかかり、人気の衰えたタイトルほど固定費率が高くなる。運営ノウハウだけでは、人気を失った作品に新しい利用者を無限に呼び込めない。
希薄化と還元方針の実効性
会社はDOE3%を配当の基本方針とするが、2023年から2025年は無配で、2026年も無配予想である。2026年7月の株式発行では議決権と将来の利益の既存株主持分が薄まった。資金調達価格が時価でも、投じた資金の利益率が資本コストを下回れば一株当たりの価値を増やせない。目標と実行を区別し、追加増資と株主還元の履歴を継続して見る必要がある。
今後の分かれ目
- Jリーグ公認カードの有償販売だけでなく再購入率、課金者数、売上総利益、広告獲得費の回収期間が四半期で開示されたら
- 累計枚数よりも顧客の継続価値を優先する。利益率が改善して黒字化が定着すればスポーツの数量・利幅を増やし、やや楽観側の確率を上げる。
- 2026年下期の営業利益が約5.2億円に届かず、通期黒字計画の下方修正が発表されたら
- 上期の赤字が一過性という説明を見直し、スポーツの固定費と資産償却を再査定する。翌年の再投資と還元余力を抑えて中立またはやや悲観の利益を下げる。
- セカンダリーゲーム部門の四半期売上が16億円水準から減り、なお利益率も低下したら
- 作品数の減少に加え、残存作品の課金と原価構造も悪化したと判定する。AIによる運営費削減の実績が差を補えなければ、旧作の十年数量をさらに引き下げる。
- ゲーム人材・開発受託と異業種BPOの稼働人月が前年比で減り始め、単価改定でも補えなくなったら
- AIエージェント代替と内製化が先行しているとみる。人月0.65倍という中立前提を再評価し、成果報酬型で契約金額が増えた証拠がない限り倍率には加点しない。
- 新作への投資を抑えながら自社株買いとDOE3%水準の実際の配当を複数年継続したら
- 経営が資本コスト未満の案件から撤退して現金を株主へ戻す意思を確認できる。余剰現金の戻り方0.75を1.0へ見直す余地が生じる。
- 2026年通期の経常損益が赤字となる、あるいは融資条件の変更・追加の株式発行が開示されたら
- 融資制限条項の対象契約と残高を確認し、利払いと既存株主の取り分を再計算する。追加増資の使途が赤字補填なら悲観側の確率を上げる。
- Jリーグとの契約更新条件が不利になるか、アプリの減損損失が計上されたら
- 販売枚数が伸びても高収益事業の堀は形成できていないと判断する。スポーツの強気利益率を抑え、資産の回収可能額の床も点検する。
見ておくもの
- 2026年12月期の下期営業利益約5.2億円の達成と2027年の会社予想
- セカンダリー運営の四半期売上約16億円と営業利益率の持続性、運営移管案件数
- J.LEAGUE FANTASY CARDの四半期有償販売枚数・二次取引件数・実際の計上売上と継続課金率
- スポーツ事業の広告宣伝費、ソフトウエア償却費、キャッシュ・フロー、減損の有無
- ゲーム向け人材・開発と異業種コンサル・BPOの実稼働人月および1人月単価
- 金融機関との借入条件、最低預金残高、借り換え金利および追加増資
- DOE3%の実際の配当再開、自己株式取得、自己株控除後の発行済株式数
- スポーツのリーグ・クラブ・選手ライセンス更新条件と複数競技への商業展開
倍率と資本コストの決め方
2026年10月22日の価格222円は価値の計算には使わず、最後の比較だけに用いた。株数は添付の11,285,467株が2026年半期短信の8,710,334株と一致しないため、自己株37,973株を引き、7月13日払込の871,000株を足して9,543,361株へ修正した。時価総額は約21.19億円となる。四つの区分の数量は会社の四半期売上、ゲーム人材売上、公式カードの累計販売という実物の手がかりから試算し、推定である部分をhowに明記した。値段は名目、数量は実質とし、物価を二重に掛けない。倍率は現在の株価や同業のPERでなく、k8.5%、2036年以降のg0%、弱い堀と十年後のROEから求めた。中立までのPERは1÷kの上限で、悲観は利益の稼ぐ力と売れる資産の床から決めた。余剰現金は借入とスポーツに使う増資資金を控除し、十年で積み上がる現金だけ戻り方0.75で反映する。日本の新リース会計で使用権資産・負債が増える場合も、将来の家賃を営業費用に含める現在基準で比較し、計上形式の変更を価値の増減とは取り違えない。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。国債利回り3%と株式リスクプレミアム4.5%の基本7.5%に、利益循環と契約価格の弱さによる1.0%を加える。小型株プレミアムや株価のβは使わない。直近三期は営業黒字のため事業危機の追加上乗せはしない。個別の買収失敗と調達リスクは筋書きに反映する。