結論
gooddaysホールディングスは、小売向けITと、古い不動産を直して住まいとして運営するgoodroomを併せ持つ会社だ。長く持つ株主の目では、物件再生の伸びしろは評価できるものの、現在の時価総額約52億円に対して適正な価値は約45億円であり、やや割高と判断する。
2026年3月期の売上は115億円で、IT約38億円に対して暮らし事業が約77億円を占める。不動産の方ではgoodroom residenceの運営室数が約1,300室に達し、継続的な賃貸収入も伸びた。ただし今期の伸びには大型改修案件が大きく寄与しており、西武不動産一社で売上全体の約16%を占めた。工事の売上を毎年入る賃料と同じように評価してはいけない。
もう一つの問題は、請負で人の時間を売るIT開発と、店舗操作のためのPOSがAIエージェントで代替されることだ。業界全体のIT支出が増えても、同社の従来型の人月が増えるとは限らない。対照的に古い社宅を改修し、入居者を集め、現場を管理する仕事には実物が残る。しかしその成長には借入と設備投資が必要で、会計利益がそのまま株主に配れる現金にはならない。
10年後の中立の事業価値は約100億円となるが、資本コストを払って現在に戻し、下振れの確率と少額の配当を織り込むと安全域は乏しい。ソフトの強い価格決定力も、運営施設一室当たりの高い増分収益率も、まだ十分な開示で裏付けられていない。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主が最初に問うのは、この会社が10年後も利益を生み、その利益が自分の取り分になるかである。築古の社員寮を改修して入居者を集める仕事は、AIが文章やコードを作れるようになっても物理的に残る。改修から客付けまでを一つにつなぐgoodroomの仕組みには、狭い地域や特定の物件所有者との間で培える信頼の価値がある。
それでも、会社全体を高い利益率が半永久的に続く優良企業と見るのは早い。IT受託は人月という売り方そのものが脅かされる。Redxは百貨店の共通基盤に近づいているが、契約を失いにくいという定量的な証拠が足りない。暮らしも、物件所有者から選ばれ続けるには改修品質と入居率の実績を積まなければならない。
オーナー利益を測る時には、純利益から新しい施設の内装、建物の維持修繕、敷金や設備更新に要る資金を考慮したい。2026年の利益は伸びたが、実際の投資支出は営業現金を大きく超えた。この一時的な拡大投資が将来の賃料と利益に変わるのか、費用の重い施設を抱えるだけになるのかが、最大の分かれ目である。
本質価値は営業利益の持続性と増分の資本効率から計算し、直近の株価や市場の売買倍率から逆算しない。成長の上振れを認めても、下振れを含む価値は現在の時価総額を下回る。現段階では、十分な安全域を見つけたとは言えない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎ口は大きく二つである。オープンリソースが担うIT事業では、ユーザーコネクトが金融・流通向けのシステム開発と保守を請け負い、Redxが小売店向けのクラウドPOS、関連機器、ライセンスと導入・保守を売る。2026年3月期の売上は前者が約25億円、後者が約13億円だ。人月で受ける仕事と店舗の業務基盤で受ける仕事は、同じITでも収益の寿命が異なる。
Redxには商品としての実績がある。三越伊勢丹システム・ソリューションズと百貨店向け共通仕様を開発し、東武百貨店全店やデパートリウボウへの導入を実現した。ロフトやブルックスブラザーズでも採用実績があり、導入後の保守や周辺機器の売上につながる。ただし導入店舗総数、契約単価、継続率だけでは全売上を分解できず、安定した月額課金と一時の機器販売を区別して考える必要がある。
グッドルームが担う暮らし事業は、TOMOSという賃貸向け改修、goodroomサイトでの集客、goodroom residenceやgoodofficeの施設開発・運営をつないでいる。2026年3月期のgoodroomソリューション売上約53億円のうち、リース会計に基づく賃貸収入などは約16億円で、顧客との契約による改修・企画などが約37億円だった。この二つを同じ継続収益と誤認すると、事業の価値を見誤る。
物件所有者は西武不動産や竹中工務店などで、旧社員寮や遊休施設を再生して入居者を呼び戻すことができる。一方、リノベーション工事は完了時に計上される大きな案件も多い。goodroomの媒体で見つけた利用者を長く維持できるか、運営の手間と改修費を賃料で回収できるかが、長期の利益を左右する。
優良さと弱いところ
同社の競争上の強みは、建物の企画、施工、集客、運営を一気通貫で提供できることだ。オーナーは古い施設を再利用する際に複数の業者を束ねずに済む。goodroomという居住者向け媒体も、入居者を連れてくる営業資産になっている。東急不動産や竹中工務店との案件は、この提案力に一定の信頼がある証拠である。
ただし、堀、すなわち競合が簡単にまねできない強みはまだ広くない。リノベるなどの改修会社、不動産管理会社、短期滞在サービスも、企画から運営までの仕事に参入できる。Redxは百貨店共通仕様という利点があるが、契約解約率の低さ、法改正のたびの値上げ、他社へ移行するのに年単位を要する実例という、長寿命の共通基盤を裏付ける複数の証拠はない。よって強い堀としての高評価を先払いしない。
過去のROE中央値は約14%で、既存事業の利益率は改善してきた。しかし2026年3月期には営業キャッシュフローが約2.5億円に対し、投資キャッシュフローは約21億円の流出だった。借入超過へ転じたのは、利益を再投資してきた証拠であると同時に、増分ROICの実績を見定める必要を示している。西武不動産向け売上が全体の15.8%、決算日現在の特定大口顧客向け営業債権が43.2%という集中も気になる。
AI導入で社内の開発効率が上がっても、その分を顧客に値下げとして渡すなら利益の堀にはならない。現場の運営資産は残るが、築古物件の修繕、転貸物件の賃料、将来の借り換え金利まで含めた収益率で判断する。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内ITサービス市場は2025年に約7.6兆円、2030年に約10.3兆円への拡大が予想されている。オープンリソースの売上約38億円はこの広い市場の約0.05%にすぎず、全国のIT投資需要は十分大きい。しかし伸びるのはシステムの利用価値であり、必ずしも開発者の作業時間ではない。AIエージェントが設計、実装、テスト、操作を引き受けるほど、人月や画面の数に基づく料金は下がりやすい。
Redxの競合には東芝テック、NEC、スマレジなどがいる。百貨店共同基盤という限定した領域での採用は進んだが、小売POS全体の正確な売上規模や競合の対象別シェアは公表資料だけでは揃わない。小売向け基幹システムの国内市場は2025年度273億円との調査があるものの、これは店舗POS・端末販売をすべて含む市場ではない。同社のRedx売上をこの金額で単純に割ってシェアと呼ぶことはしない。
暮らし事業が向き合うのは、住宅を新築する市場より、既存の建物を再利用する市場である。総務省の2023年調査では空き家が約900万戸あり、野村総合研究所は広義のリフォーム市場が2040年も約9兆円規模と見込む。ただし空き家すべてが転用できるわけではなく、全国の改修工事市場と同社の社員寮・施設運営市場は同一でもない。矢野経済研究所の2025年住宅リフォーム約7.5兆円も、主として居住者負担の工事市場であり、賃貸オーナー発注のTOMOSと直接比較できない。
短中期の滞在ではunitoのような柔軟な住まい方や、ホテル・サービスアパートメントが競争相手になる。需要の母数は大きいが、駅からの距離、施設の老朽度、物件所有者との契約条件によって採算は大きく変わる。市場が大きいことと、当社が高いシェアを取れることを混同しない。
資本政策と M&A
経営は受託工事だけの会社から、継続型サービスを積み上げる会社へ変わろうとしている。2026年に公表した事業計画では2027年3月期の売上130億円、営業利益11億円、純利益6.8億円を見込み、goodroom residenceは累計2,000室への拡大を掲げた。一方、2030年や2036年の売上・営業利益・ROEについて拘束力のある中期数値目標は確認できない。配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額にも数字の約束はない。
株主への現金還元は控えめだ。2026年3月期の配当性向は約5.6%で、配当総額はおおむね0.34億円にとどまる。ただし近年は増配しており、累進配当も意識している。筆頭株主CASABLANCAと創業家の持株は厚いが、増配実績があるため、支配が強いという理由だけで残余現金の株主価値を半額にはしない。
問題は投資の規律である。施設取得・改修のための支出が2026年に急増し、純有利子負債は約8億円となった。2023年のスカイファーム出資や三越伊勢丹システム・ソリューションズとの提携は新分野の販路を作ったが、大型買収が経済価値を増やしたと評価できるほどの検証期間はない。2026年4月には新株予約権の行使で72.6万株が増え、既存株主の持分も薄まった。今後は物件ごとの投下資本と営業現金の回収を優先すべきだ。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
実物の住まいを再生する能力と、小売現場のITを理解する能力が一社にある点は魅力的だ。旧社員寮の遊休化は高齢化と企業の資産圧縮のなかで長く続き、古い物件を借り手のいる住まいに変える価値は簡単に消えない。goodroom residenceは数年間で約1,300室まで到達し、2,000室を目指す土台ができた。竹中工務店や西武不動産から具体的な案件を任され、ミネルバ大学の学生が入居する物件も稼働した。これは構想だけの新規事業ではない。
将来は一棟を改修して終わるのではなく、住み手を募集し続け、長期に施設を運営できる。部屋数が増えればサイトの集客効率が上がり、清掃・管理・決済の標準化で経費が下がる。賃料が物価に合わせて上昇すれば収益の額も積み上がる。業界全体で空き家が多いことは、転用に適した物件を選ぶ余地が広いことを示している。
Redxにも未完成ながら共同利用の可能性がある。三越伊勢丹システム・ソリューションズと作った百貨店標準は東武百貨店とリウボウへ導入された。もしこの実績が複数の百貨店への横展開につながれば、導入の都度大規模な個別開発を繰り返さずに済む。AIを利用した省力化によってソフトウェアの原価が下がるなら、ユーザーコネクトの縮小を補い、会社はより高付加価値の仕事に経営資源を使える。
慎重な見方
2026年の業績急伸は賃貸運営だけで生まれたわけではない。goodroomソリューションの売上約53億円のうち賃貸収入等は約16億円で、残りは工事・企画などの顧客契約が中心だ。西武不動産一社からの売上が18億円を超えた事実は、大型案件の完了が次期業績を押し上げる保証にならないことを示す。決算日の営業債権も特定顧客に集中し、資金回収に問題が起きた時の痛手は小さくない。
暮らしの拡大には内装だけでなく、土地・建物・敷金や設備更新が要る。実際に2026年は営業活動で得た現金が約2.5億円なのに投資では約21億円が出ていった。借入金が増えた状態で空室や工事遅延が起きれば、賃借料と金利が固定費として残る。自社の資本効率が高く見える過去のROEを、物件運営に移った後まで延長するのは危うい。
ITでは開発・試験・保守の人月がAIに置き換わる。Redxの標準機能は魅力だが、標準化された共通機能こそ他社製品や自動処理で代替されうる。低解約率や独自データを利用した高価格での契約更新の定量的な証拠はなく、記録の正本として高く評価する条件に届いていない。これに加えて株主還元の率は小さく、2026年には新株予約権の行使で株式数も増えた。オーナーが得る経済価値は会計利益ほど増えないおそれがある。
どちらに重みを置いたか
実物の住居運営がITの縮小を吸収する余地は大きいが、2026年の成長には西武不動産向けの大型案件が含まれ、資金回収も設備投資に追いついていない。下に寄せる理由:ユーザーコネクトの人月売上とRedxの操作画面はAIエージェント代替にさらされ、工事売上と賃料収入の継続性にも差がある。このため上側24%に対し、やや悲観と悲観を合わせて42%とした。AIの不利は数量と長期成長率で表し、資本コストの寿命要因に重ねていない。
中立では部屋数と賃料が育つが、事業の利益率とROEは資本の重さで抑えられる。確率で重みを付けた本質価値は時価総額を約13%下回り、結論はやや割高である。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 1,250 円95 億円(+ 還元の換算額還元の合計 67 円5 億円)。 今の値に割り戻すと 597 円45 億円、今との差 −6.2%、 期待の年率 +7.8%(資本コスト 8.5%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 3,538 円268 億円 | 185 円14 億円 | +484.4% | +20.2% | 298 円23 億円 |
| やや楽観 | 16% | 2,241 円170 億円 | 104 円8 億円 | +268.2% | +14.4% | 375 円28 億円 |
| 中立 | 34% | 1,304 円99 億円 | 70 円5 億円 | +115.8% | +8.3% | 467 円35 億円 |
| やや悲観 | 27% | 435 円33 億円 | 34 円3 億円 | −26.3% | −3.1% | 127 円10 億円 |
| 悲観 | 15% | 317 円24 億円 | 16 円1 億円 | −47.8% | −6.4% | 50 円4 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,250 円95 億円 | 67 円5 億円 | +106.8% | +7.8% | 1,317 円100 億円 |
今の株価時価総額 637 円48 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 住まいの運営が規模と利益率を獲得する 利益 22 億円 · PER 12.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3,538 円268 億円
遊休社宅や老朽化した寮の再生が、企業の不動産活用策として定着する。竹中工務店や西武不動産などの物件所有者から継続的に依頼を受け、goodroom residenceとgoodofficeの平均稼働室換算が4,200に広がる。物件の立地と運営ノウハウが選ばれる理由になり、稼働率の上昇が賃料収益の利益率を押し上げる。
リノベーションの施工も受注を積み、改修後の集客と運営を一社で受ける体制が競合との差になる。Redxは三越伊勢丹システム・ソリューションズとの共同開発を足場に百貨店向けの共通仕様を守るが、画面操作の自動化を踏まえて実質の導入店舗換算は増えない。ユーザーコネクトも人月を増やさず、単価の改善だけで利益を確保する。
住居関連の設備投資は引き続き大きい。それでも施設単位の採算を確かめて増設する経営が根づき、営業利益は伸び、無理な大型買収や安値の新株発行に頼らずに持続的な利益を残す。
- ユーザーコネクト(受託IT):数量 2,200(有償開発・保守人月(分析用推計))× 価格 0.02(人月当たり売上(億円))→ 売上 33 億円・営業利益 5 億円。SIのAI省力化でも今の実質人月以上は販売しない
- Redx(店舗DX・クラウドPOS):数量 500(保守・機器を含む導入店舗換算(分析用推計))× 価格 0.03(店舗換算当たり年間売上(億円))→ 売上 15 億円・営業利益 2 億円。百貨店共通化の採用は続くが実質店舗換算は現状のまま
- goodroom賃貸・施設運営:数量 4,200(年間平均稼働室換算(goodofficeの賃料も含む分析用推計))× 価格 0.03(稼働室換算当たり年間賃貸等売上(億円))→ 売上 114 億円・営業利益 18 億円。平均4,200室換算。稼働率向上と賃料の物価転嫁
- goodroomソリューション工事・企画:数量 30.0(大型案件換算の受注・完工件数(分析用推計))× 価格 2.45(案件換算1件当たり売上(億円))→ 売上 74 億円・営業利益 6 億円。大型案件30件換算。大口以外の継続受注が進む
- TOMOSリノベーション:数量 700(住戸改装換算件数(分析用推計))× 価格 0.07(住戸換算1件当たり売上(億円))→ 売上 46 億円・営業利益 4 億円。700戸施工換算。工事標準化で利益率改善
- その他:数量 100(契約換算件数(分析用推計))× 価格 0.01(契約換算1件当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。限定的なその他
倍率:会社全体の2036年純利益22.27億円、自己資本152億円からROE14.65%、k8.5%。堀は通常として超過ROEの半分が長く残り、RONIC11.58%。AIの人月・画面部分は長期成長ゼロ、実物を含む全社g_long1%なので、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=12.18倍の上限をそのまま採用。現値のPERとは無関係で、物件新設資金が必要なため余剰現金は別途加算しない。
確率:物件所有者との継続提携と入居稼働を毎年実現できる最上位の筋書き。ただし新たに収益化したAIエージェント製品の売上開示はないため、IT受託数量の拡大まで前提にしない。
やや楽観 16% 物件再生の横展開が続く 利益 14 億円 · PER 12.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,241 円170 億円
goodroomの知名度と空き不動産の再活用ノウハウが広まり、運営室数は平均3,500室換算まで増える。西武不動産のような大口案件への依存度は下がり、中規模の複数顧客から運営と改修を受託する。賃料は物価上昇を概ね転嫁でき、宿泊・住まい・仕事場を横断する利用者の需要を取り込む。
TOMOSは古い賃貸物件の内装を標準化して一定の案件数を確保し、職人の採用難を工程の効率化で補う。Redxは東武百貨店とリウボウの実績を使って既存顧客を守るが、AIエージェントの普及によって店舗側の操作席が減るため、利用量はなお少し縮む。ユーザーコネクトも受託人月が減るものの、残る複雑なシステム改修では単価を維持する。
増設に合わせて必要な借入と改修投資が発生するが、稼働施設が増えるほど運営の固定費を吸収できる。過去の高いROEを完全に維持するわけではなくとも、成長投資の資本コストを上回る稼ぎを取り戻す。
- ユーザーコネクト(受託IT):数量 1,830(有償開発・保守人月(分析用推計))× 価格 0.01(人月当たり売上(億円))→ 売上 27 億円・営業利益 3 億円。人月0.83倍。個別開発に残る単価を維持
- Redx(店舗DX・クラウドPOS):数量 460(保守・機器を含む導入店舗換算(分析用推計))× 価格 0.03(店舗換算当たり年間売上(億円))→ 売上 13 億円・営業利益 2 億円。POS店舗換算0.92倍。保守とAI効率化が相殺
- goodroom賃貸・施設運営:数量 3,500(年間平均稼働室換算(goodofficeの賃料も含む分析用推計))× 価格 0.03(稼働室換算当たり年間賃貸等売上(億円))→ 売上 94 億円・営業利益 11 億円。平均3,500室換算へ広がる
- goodroomソリューション工事・企画:数量 22.0(大型案件換算の受注・完工件数(分析用推計))× 価格 2.45(案件換算1件当たり売上(億円))→ 売上 54 億円・営業利益 4 億円。大型案件22件相当。相手先を分散
- TOMOSリノベーション:数量 570(住戸改装換算件数(分析用推計))× 価格 0.06(住戸換算1件当たり売上(億円))→ 売上 37 億円・営業利益 3 億円。570戸換算の施工と価格転嫁
- その他:数量 90.0(契約換算件数(分析用推計))× 価格 0.01(契約換算1件当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。その他
倍率:2036年ROE12.20%、k8.5%、堀は通常の残存率1/2でRONIC10.35%。全社の2036年以降の名目gは1%なので、利益ベースの正当化PERは12.04倍。AI代替の効果は請求人月とPOS店舗換算に既に反映しており、PERをさらに手で割り引かない。余剰現金の別加算なし。
確率:期末約1,300室から2,000室を目指す公表方針がある。物件獲得と稼働の実績はあるが、多拠点の継続運営コストはまだ十分検証できないため上側でも控えめな確率とする。
中立 34% 住まいの実物価値がITの縮小を補う 利益 9 億円 · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,304 円99 億円
住まいへの需要は減らないが、物件の取得や改修に資金がかかるため、拠点の拡大は当初の勢いから落ち着く。2036年の稼働規模は平均2,600室換算となり、賃料は物価に沿って上がる。goodroomソリューションの工事・開発受託は、2026年の西武不動産向け大型案件が毎年再現するわけではなく、案件換算の数量はむしろ減る。
TOMOSは既存住宅の改修需要を維持するが、市場全体の数量増を前提にしない。Redxは百貨店共通POSという実績を持つ一方、AIエージェントが画面操作と一部保守を省くため、店舗換算の実質利用量が減る。ユーザーコネクトは自動生成・テスト・保守の内製化に押され、請負人月が今の約65%になる。
売上は住居運営が支えるが、老朽建物の更新と賃借施設の固定費が利益を削る。利益をほぼ内部に残す資本政策のもとで自己資本が厚くなり、ROEは直近の水準より低くなる。これは事業の消滅ではなく、利益を増やすために多くの資本が必要になった姿である。
- ユーザーコネクト(受託IT):数量 1,430(有償開発・保守人月(分析用推計))× 価格 0.01(人月当たり売上(億円))→ 売上 20 億円・営業利益 2 億円。AIエージェント代替で実質人月0.65倍、単価は物価未満の上昇
- Redx(店舗DX・クラウドPOS):数量 420(保守・機器を含む導入店舗換算(分析用推計))× 価格 0.03(店舗換算当たり年間売上(億円))→ 売上 12 億円・営業利益 1 億円。AIが操作画面を飛ばし店舗換算0.84倍、価格1.10倍
- goodroom賃貸・施設運営:数量 2,600(年間平均稼働室換算(goodofficeの賃料も含む分析用推計))× 価格 0.03(稼働室換算当たり年間賃貸等売上(億円))→ 売上 70 億円・営業利益 7 億円。運営室換算2,600、単価は物価約1.34倍
- goodroomソリューション工事・企画:数量 16.0(大型案件換算の受注・完工件数(分析用推計))× 価格 2.45(案件換算1件当たり売上(億円))→ 売上 39 億円・営業利益 2 億円。西武不動産案件の反動で20件→16件換算、単価は物価1.34倍
- TOMOSリノベーション:数量 500(住戸改装換算件数(分析用推計))× 価格 0.06(住戸換算1件当たり売上(億円))→ 売上 32 億円・営業利益 2 億円。500戸換算を維持し単価に物価を反映
- その他:数量 80.0(契約換算件数(分析用推計))× 価格 0.01(契約換算1件当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。その他縮小
倍率:2036年純利益8.50億円÷自己資本104.2億円でROE8.16%。k8.5%に届かないため、増分投資を成長プレミアムとして評価せず、PER上限1/k=11.7647倍をそのまま採用する。収益減少のAI代替は人月0.65倍とRedx利用換算0.84倍、さらにg_longに入れた。余剰現金は物件取得・改修と運転資金に回るため0とする。
確率:物件再生には実績があり、実物の住居・施工需要はAIだけで消えない。一方でITの請負人月とPOS画面の利用量は縮む。西武不動産案件の反動を織り込む最も自然な中心筋書きとして34%を配分する。
やや悲観 27% IT代替と入居採算の悪化が重なる 利益 3 億円 · PER 10.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 435 円33 億円
AIを導入した顧客が小さな改修を自社で処理し、ユーザーコネクトの人月需要が半減する。Redxも共通POSの商流は残るが、画面を使わずに購買情報を処理する仕組みへの移行で、更新案件の値段が下がる。小売業界の顧客は東武百貨店などの大口案件だけでなく、旧型機器の償却時期に競合製品と再比較するようになる。
暮らしでは、社宅転用の許可や改修工事が長引き、運営できる施設が想定より少ない。居住者数は維持できても空室・共用部修繕・エネルギー費が重なり、実現賃料の上昇が費用に追いつかない。改修案件の減少に対して固定の人員と賃料負担が残るため、売上より営業利益が速く減る。
会社は赤字転落を避けるために新規投資を絞り、配当も利益に合わせて抑える。なお稼ぐ事業は残るため、既存資産の処分を強制する事態には至らないが、成長への再投資は資本コストを賄えなくなる。
- ユーザーコネクト(受託IT):数量 1,100(有償開発・保守人月(分析用推計))× 価格 0.01(人月当たり売上(億円))→ 売上 14 億円・営業利益 1 億円。AIによる開発人月の半減、稼働率悪化
- Redx(店舗DX・クラウドPOS):数量 300(保守・機器を含む導入店舗換算(分析用推計))× 価格 0.02(店舗換算当たり年間売上(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。POS端末更新が減り、保守も縮小
- goodroom賃貸・施設運営:数量 1,500(年間平均稼働室換算(goodofficeの賃料も含む分析用推計))× 価格 0.02(稼働室換算当たり年間賃貸等売上(億円))→ 売上 36 億円・営業利益 3 億円。平均1,500室換算にとどまり空室が増す
- goodroomソリューション工事・企画:数量 10.0(大型案件換算の受注・完工件数(分析用推計))× 価格 2.05(案件換算1件当たり売上(億円))→ 売上 21 億円・営業利益 1 億円。大口が失われ10件換算のみ
- TOMOSリノベーション:数量 340(住戸改装換算件数(分析用推計))× 価格 0.06(住戸換算1件当たり売上(億円))→ 売上 20 億円・営業利益 1 億円。340戸換算、職人費用を価格に転嫁しきれない
- その他:数量 70.0(契約換算件数(分析用推計))× 価格 0.01(契約換算1件当たり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。その他
倍率:ROEは3.18億円÷77億円で4.13%とk8.5%未満。稼ぐ力の上限1/k=11.76倍より下の10.5倍で、顧客の離脱と低稼働が続く利益の持続性を反映する。清算時の回収可能資産の床約24.3億円も下回らない。2026年好況期の利益や過去のPBRを根拠にしない。
確率:受託開発の人月減少とPOS操作の代替には明確な技術的な経路がある。運営物件の空室や改修費増大も起こりうるため、中心筋書きとは別に27%を与える。
悲観 15% 案件喪失とAI代替で収益構造が崩れる 利益 −3 億円 · PBR 0.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 317 円24 億円
2026年に業績を押し上げた大型物件再生の仕事が続かず、見込み案件も競合や発注者の内製化に奪われる。goodroom residenceの一部で空室率が高まり、賃料の値下げと建物修繕が必要になる。サブリースの賃借料や自社保有物件の償却・利払いはすぐに減らず、事業から得られる現金は細る。
ITでは受託開発の実質工数が今の三割程度まで落ち、Redxも競合の店舗基盤とAIエージェントに置き換えられる。共同開発した百貨店標準の存在だけでは解約率や値上げ力を証明できず、利用料金と導入案件がともに縮む。売上は現在の半分を大きく下回り、固定費を吸収できずに営業赤字へ転落する。
物件とシステムに減損を計上し、設備投資を停止する。蓄積した帳簿上の自己資本をそのまま価値にはせず、売却可能な建物・現金・回収可能な債権から負債と処分損を控除した価値が株主価値を支えるにとどまる。
- ユーザーコネクト(受託IT):数量 650(有償開発・保守人月(分析用推計))× 価格 0.01(人月当たり売上(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。AIで開発人月約3割へ縮小、値下げ
- Redx(店舗DX・クラウドPOS):数量 220(保守・機器を含む導入店舗換算(分析用推計))× 価格 0.02(店舗換算当たり年間売上(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 −1 億円。画面代替と競合で店舗換算44%、赤字
- goodroom賃貸・施設運営:数量 800(年間平均稼働室換算(goodofficeの賃料も含む分析用推計))× 価格 0.02(稼働室換算当たり年間賃貸等売上(億円))→ 売上 16 億円・営業利益 0 億円。平均800室換算に戻り賃借料の固定費負担
- goodroomソリューション工事・企画:数量 5.0(大型案件換算の受注・完工件数(分析用推計))× 価格 1.85(案件換算1件当たり売上(億円))→ 売上 9 億円・営業利益 0 億円。大口案件喪失で5件換算
- TOMOSリノベーション:数量 220(住戸改装換算件数(分析用推計))× 価格 0.05(住戸換算1件当たり売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 0 億円。220戸換算、固定工事費で赤字
- その他:数量 50.0(契約換算件数(分析用推計))× 価格 0.01(契約換算1件当たり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。その他赤字
倍率:2036年の営業赤字ではPERを使えない。床24.3億円は現在の自己資本36.2億円を出発点に無形資産2.39億円を全額除き、現在の有形固定資産約30.02億円の20%約6億円、売掛債権25.57億円の10%約2.56億円、保証金約4.81億円の20%約0.96億円を回収損として引いた税後換算の売却価値。負債は自己資本の計算時点ですべて控除済み。PBR0.6713倍を現在の36.2億円に掛け、2036年の留保で増えた自己資本60億円には掛けない。
確率:特定顧客への売上と債権の集中、借入による運営施設投資、AIによる開発工数削減が同時に悪化する厳しい複合条件である。確率は15%にとどめるが切り捨てない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ユーザーコネクト(受託IT)
金融・小売向けの個別システム開発、保守・改善を人月・成果物で提供する。
| 数量有償開発・保守人月(分析用推計) | 価格人月当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2,200 | 0.01 | 25 | 3 |
| 10 年後 中立 | 1,430 | 0.01 | 20 | 2 |
取り方:2026年有報のユーザーコネクト売上24.94638億円を正とする。オープンリソースの2026年6月従業員204人×12か月に外注・非稼働を相殺する仮定を置いて有償2,200人月とみなし、売上÷人月で約113万円を導出した。人数・単価は会社非公表の推定で、案件の完成基準売上を含む。AIエージェント代替の型は「人月・工数」。営業利益の内訳は細分事業ごとには非開示のため、IT全体4.02268億円、暮らし全体4.92262億円、調整約0.385億円に合うように分析用で配分しており実績の細分利益とは違う。
Redx(店舗DX・クラウドPOS)
百貨店・専門店向け共通POSの導入、ハード、ライセンス、保守・管理を組み合わせて販売する。
| 数量保守・機器を含む導入店舗換算(分析用推計) | 価格店舗換算当たり年間売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 500 | 0.03 | 13 | 1 |
| 10 年後 中立 | 420 | 0.03 | 12 | 1 |
取り方:2026年有報のRedx売上12.75353億円が起点。ロフト、東武百貨店、リウボウ等への導入事例は確認できるが総稼働店舗数とライセンス単価は非公表のため、ハード・初期導入・保守を含む売上を分析用の500店舗換算で割り、年255万円相当とする。実際の導入店舗数500との主張ではない。AI型は解約率や値上げ力の二つ以上の堀の証拠がない画面・席課金型。
goodroom賃貸・施設運営
goodroom residence、goodofficeなどの施設から得る賃貸・運営収入。
| 数量年間平均稼働室換算(goodofficeの賃料も含む分析用推計) | 価格稼働室換算当たり年間賃貸等売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 800 | 0.02 | 16 | 2 |
| 10 年後 中立 | 2,600 | 0.03 | 70 | 7 |
取り方:2026年有報の賃貸等収益16.04919億円(会計基準第13号によるその他の収益)をそのまま利用し、goodroomソリューション全体52.56634億円と混同しない。2025年3月末ごろの約500室から2026年3月末約1,300室への増設を踏まえ、年度平均800室換算を仮定して割った。goodoffice賃料も含むため単価は住居の募集家賃ではない。施設運営という実物事業はAI人月の縮小率を当てない。
goodroomソリューション工事・企画
施設の改修、開発企画、集客等の個別請負。goodroomソリューションのうち賃貸収入以外を分離。
| 数量大型案件換算の受注・完工件数(分析用推計) | 価格案件換算1件当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 20.0 | 1.83 | 37 | 2 |
| 10 年後 中立 | 16.0 | 2.45 | 39 | 2 |
取り方:同じ有報のgoodroomソリューション顧客契約収益36.51715億円が起点。西武不動産向け18.13306億円が全社売上の15.8%を占めた。会社は改修案件数を開示しないため、大型案件20件相当の分母と単価1.8259億円は比較用の仮定で実際の件数とは異なる。物価と案件数を区別し、2026年の大口案件を毎年再現しない。施工管理は実物事業、書類作成はAIで省力化される。
TOMOSリノベーション
賃貸住宅などの改装・原状回復・募集を一貫して受託する工事事業。
| 数量住戸改装換算件数(分析用推計) | 価格住戸換算1件当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 500 | 0.05 | 24 | 1 |
| 10 年後 中立 | 500 | 0.06 | 32 | 2 |
取り方:2026年有報のリノベーション売上24.19005億円を正とする。住宅の個別施工数と請負単価は非公表であり、戸当たり400万~500万円程度という工事規模の仮置きとして500戸換算×483.8万円から売上を整合させた。これは公開された施工戸数500戸を意味しない。発注者は賃貸物件オーナーで、一般の持ち家向け市場と混ぜない。現場施工はAI代替型の例外である。
その他
暮らしセグメントに含まれる小規模なその他のサービス。
| 数量契約換算件数(分析用推計) | 価格契約換算1件当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 100 | 0.01 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 80.0 | 0.01 | 1 | 0 |
取り方:2026年有報の暮らしセグメント「その他」売上0.59766億円を100件相当の分析用換算契約数で割った。リース会計に基づく「その他の収益」16.04919億円とは別である。実際の契約件数と単価は非開示で、全社売上への影響が小さいため数量の変動を保守的に評価し、記録の正本として扱わない。
リスクと懸念
AIエージェント代替と人月単価
ユーザーコネクトは受託開発・保守を人月と成果物で販売するため、生成AIが設計・実装・試験を自動化すれば同じ成果を少ない工数で納められる。顧客側がその効率化を値引きとして要求するほか、内製化も容易になる。Redxも店舗操作画面の利用量と保守費が縮む可能性がある。
大型顧客と売上計上の偏り
2026年の西武不動産向け売上は18.13億円で全体の15.8%を占めた。決算日の営業債権も一社へ43.2%集中している。大型改修工事の引き渡しが先送りされると期末売上と入金が同時に減る一方、現場の労務費や借入金の利息は残る。
住居運営の固定費と設備更新
築古の社員寮を再利用する仕事には、耐震補強、配管の修繕、消防設備、共用部の管理が伴う。自社取得とマスターリースでは現金支出の性質が違い、稼働率が下がっても賃借料や利払いは減りにくい。2028年3月期以降の新リース会計基準で負債が表に出ても経済的な約束は以前からある。
設備投資と負債の増加
2026年の投資キャッシュフロー流出は約20.8億円で、営業キャッシュフローの約2.5億円を大幅に超えた。物件を増やすための新たな借金は長期金利3%の世界で借り換え負担を増やす。利益計画が達成されても、増分の投下資本利益率が資本コストを下回れば株主価値は増えない。
Redxの競争とデータ保護
三越伊勢丹系との百貨店標準開発は優位だが、東芝テック、NEC、スマレジなどの製品と技術更新のたびに比較される。クラウドPOSには決済・購買データの安全性が求められ、システム障害や情報漏えいは契約の継続と新規受注を同時に損ねうる。操作性だけではAIエージェントの時代の堀を証明できない。
支配株主と希薄化・低還元
創業家と関連会社が大きな持分を握る一方、配当性向は2026年に約5.6%と小さい。既存株主は2026年の新株予約権行使で持分が希薄化した。残る予約権の行使、資本配分の透明性、少数株主に余剰現金が戻る仕組みを継続して点検する必要がある。
今後の分かれ目
- goodroom residenceの稼働室数が2,000室を超え、同じ施設群の空室率と営業現金収支も改善したら
- 継続賃貸の単位採算が実証されたと判断し、住居運営の中立の数量と利益率を引き上げる。単なる新規室数の増加だけでは変えない。
- 西武不動産以外の顧客からも数年連続で大口案件を獲得し、売上債権の集中が低下したら
- goodroomの受託工事の再現性を確認し、案件換算の数量と上側の確率を改善する。
- Redxが解約率5%未満などの数字を開示し、百貨店基盤の共同利用と値上げの実績を二つ以上示したら
- 当該部分に限って単なる画面型SaaSではなく記録の正本の堀を認め、長期成長率と数量の縮みを再点検する。
- ユーザーコネクトの人員数は維持されても契約人月と売上が落ち始めたら
- AIエージェント代替の顧客への利益移転が始まったとみて、やや悲観の数量と確率を下方修正する。
- 有利子負債と物件取得支出が増え続け、営業現金が改修投資を賄えなければ
- 中立のROEとオーナー利益を下げ、物件の賃料収入より調達金利が高くなる可能性を重く見る。
- 大口案件の遅延や空室によって営業赤字が複数期続き、物件の減損が増加したら
- 悲観の床で回収できる建物や売掛債権の比率を再評価し、清算可能資産の価値も下方修正する。
見ておくもの
- goodroom residenceの年度末室数と期中平均稼働室数、施設別の空室率
- 賃貸収入等とgoodroomソリューションの工事契約収入の分離した伸び
- 西武不動産向け売上と大口先への売上債権集中率
- 営業キャッシュフロー、改修・不動産取得投資、純有利子負債と敷金
- Redxの導入百貨店数、継続率、ライセンス売上と機器・初期導入売上の構成
- ユーザーコネクトの売上、稼働技術者数、受注残とAIによる人月効率化の帰属
- 2027年3月期会社目標の進捗と株主還元の具体的な変更
- 新株予約権残数、希薄化、流通株式比率と上場維持基準
倍率と資本コストの決め方
今の市場のPERや同業の株価倍率を利益倍率の根拠にしていない。2026年有報で開示される賃貸収入16.05億円と工事等の顧客契約36.52億円を分離し、ITはAIエージェント代替で請求人月0.65倍、Redxの店舗換算0.84倍とした。実物の住居と改修は別の数量と名目単価で見た。
資本コストは基本7.5%に営業利益の振れと値決め力を各0.5ポイント加えた8.5%。10年より先の名目成長率は事業構成から1%とし、楽観側の倍率はROEと増分資本収益率に基づく正当化PERの上限を用いた。中立はROEが資本コストに届かず、利益の稼ぐ力として1÷kを上限とした。悲観のPBRは2036年の積み上がった簿価でなく、現在の自己資本36.2億円を母数に、回収不能資産を控除した約24.3億円の床で決めた。
今の時価総額52.22億円との比較は最後に行った。継続物件の再投資負担が大きいため、留保利益を別建ての余剰現金として二重計上しない。残存予約権による持分希薄化約1.3%を株主価値に反映する。2028年3月期から強制される新リース会計基準で貸借対照表の表示が変わる可能性があるが、賃料を営業費用に含める経済価値は通期で揃えた。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。