結論
コアコンセプト・テクノロジーは、製造業などのシステム刷新と、IT技術者の調達を手掛ける会社である。現在の時価総額約254億円は、人月課金の仕事がAIに置き換わる可能性を考えると割高だと判断する。2025年12月期には売上高約209億円、営業利益約22億円を稼ぎ、自己資本利益率も約30%に達した。業績そのものが弱いわけではない。
製造業の設備と基幹システムをつなぐOrizuru、約6500社の協力企業を結ぶOhgiには、簡単に模倣できない現場経験と取引関係がある。2026年上期もDX支援が前年同期比19%増え、受注残高は拡大した。しかし同社はOrizuruのライセンス売上が僅少であることを明示している。約90%の既存顧客売上も長期契約に拘束された継続課金ではなく、開発と人材供給を繰り返し受注した結果である。
10年後も、工場の設備をつなぎ直し、現場で動く仕組みを責任を持って納める役割は残る。ただし、その仕事を完成させる人月の数は今より減りうる。生成AIの進化で受注額の伸びが工数削減に追い付かず、下請けの人材仲介は特に利幅を失いやすい。現金と自社株買いは下値の支えだが、買収で大きく膨らんだ過去の売上をそのまま未来に延ばす根拠にはならない。正式なTOBや上場廃止の決定は確認されず、シグマクシスの株式取得は独立した事業価値とは分けて扱う。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって、最初の問いは製造業のシステム構築が10年後も必要かどうかである。工場を止めずに古い設備と新しい基幹システムをつなぐ仕事は残る。実際の生産条件を理解し、導入後の責任を持てる人材も要る。CCTはこの難しい部分に入り込んでおり、単なる技術者の頭数を売る会社だけではない。
それでも、顧客が一度支払った開発費が翌年も契約なしで入る仕組みではない。見かけの営業利益から、優秀な人材を育てる費用、新しい技術を取り込む費用、買収先を管理する費用を差し引いた、自由に配れる稼ぎを重視したい。AIが同じ成果を少ない人月で納められるようにすると、受注単価を保っても請求の合計額は減る。90%という既存顧客比率よりも、成果に応じて請求できる契約へ移れたかが本当の堀の証拠になる。
会社はこれまで高ROEと純現金を両立させてきた。だが利益の伸びは増収と買収に支えられ、増分資本が何年も高い利回りを生み続ける証拠は十分ではない。シグマクシスが持分を増やすことで営業上の機会が生まれる可能性はあるが、少数株主は支配権の売却価格を当然には受け取れない。買収より先に顧客基盤を深め、余った資金を適正な価格で還元できるかを評価したい。
現時点の対価に安全域があるかと問われれば、答えは厳しい。製造現場の知識に価値があることと、今の利益が10年後も同じ形で株主のものになることは別である。予測が難しい仕事の価値に高い値段を払わず、継続課金や成果報酬への転換が実績で確認された時に評価を改めるのが自然である。
何で稼ぐ会社か
同社には二つの稼ぎ口がある。DX支援は製造業・建設業・物流業を中心に、現場で使う装置や3Dデータと、経営の基幹システムを接続する。Orizuru MES、Orizuru 3Dに加え、mcframeやAras Innovatorなど他社の業務ソフトも組み合わせる。導入前の構想づくりから開発、保守、顧客の内製化までを請け負う。古い設備を残したまま改修する仕事では、現場特有の知識が役に立つ。
IT人材調達支援は別の構造である。大手のシステム開発会社が人手を必要とすると、Ohgiに参加する約6500社の中小IT企業から条件に合う技術者を集める。Ohgiそのものの利用料を稼ぐのでなく、顧客への請求額と外注・人件費の差額が利益になる。会社が示す社員対協力技術者の比率はDXで1対2、IT人材調達で1対8という目安であり、後者ほど中間手数料の性格が強い。
2025年の売上高はDX支援が約100.5億円、IT人材調達支援が約108.3億円とほぼ半分ずつである。両者の売上総利益率はそれぞれ38.0%、17.2%で、利益の源泉は明らかにDXへ偏る。会社全体の外注費率は2026年上期で57.7%と高く、協力会社への支払単価と稼働の管理が収益を決める。決算上はDX関連事業の単一報告セグメントだが、将来価値を見るため二つのサービス区分に分けて考える。
顧客の約6割は事業会社との直接契約、残り約4割は大手システム開発会社などを通じた取引である。開発基盤を持っているからといって、業務ソフトの席数に応じて毎月収入が積み上がる会社ではない。会社自身が顧客の内製化まで支援するのも、顧客が開発を社内へ戻せることを意味する。大きな受注残高は当面の需要の証拠だが、10年後の最低売上を約束するものではない。
優良さと弱いところ
強みの芯はソフトウェアの名前ではなく、工場の現実を知っていることだ。古い生産設備の制約や図面・生産指示の流れを理解したうえで、ERP、PLM、MESをつなげる技術は一般的な画面開発より置き換えにくい。顧客がまた同じ会社へ頼めば、設計の前提を説明し直す時間も減る。約6500社という協力企業の網も、急な大型案件に対応する選択肢を増やしている。
ただし、堀、つまり競争相手が容易に越えられない壁の高さを過大評価すべきではない。Orizuruのライセンス収入はわずかで、Ohgiも独立した課金基盤ではない。年5%未満の解約率、規制上の移行障壁、法改正に伴う値上げ実績といった、記録の正本としての強い堀を証明する数字は確認できない。既存顧客の売上比率が高くても、契約を発注し直す時に価格交渉は生じる。
収益性は高い。2021年から2025年にかけて売上は約78億円から209億円へ増え、営業利益は約5.5億円から22億円に伸びた。2025年のROEは29.7%、自己資本比率は約59%、純現金は約20.7億円であり、借金返済に追われる状態ではない。しかし増収には買収と大量の外注利用が混じるため、増分の投下資本利益率を厳密に測れるほどの案件別開示はない。今後の再投資が資本コストを超えるかは、新たに増えた利益の質で見直す必要がある。
2026年上期にはDX支援の売上が19.1%伸びても、その売上総利益率は前年の38.9%から37.2%へ低下した。高度な仕事でも常に値上げできるわけではない。採用費、若手育成、外注単価の上昇が続く中、AIを使う顧客が工数削減の利益を取り込めば、今の高ROEが永続するとは考えにくい。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内ITサービス需要そのものは拡大している。IDCの推計で2025年は約7.6兆円となり、旧式システムの刷新やデータ連携が投資を支える。富士キメラ総研を基にした会社の説明では、製造・建設・物流のDX投資額は2023年度約2.0兆円から2030年度約4.4兆円へ拡大する。一方、デジタル人材関連サービス市場は2024年度で約1.3兆円である。二つは対象範囲が異なるため、単純に合算できない。
市場規模との比率で見ると、2025年のDX支援約100.5億円は、対象市場を2025年度約2.6兆円と補間した場合、約0.4%に過ぎない。人材調達の約108.3億円も、2024年度の市場を分母とした参考値で約0.8%である。製造DXではNTTデータ、富士通、TIS、SCSKや製造業系の専門会社、人材調達ではSHIFT、システナや多数のSES企業が競合する。競合各社の事業区分が異なるため、同一定義で比較できる厳密なシェア数値は確認できない。これは小規模会社の余地が大きいことと、差別化が未確立なことの両方を意味する。
2026年の富士キメラ総研は、2030年度の国内DX投資全体を約10.3兆円、AIエージェント関連を約9950億円と予測する。需要が増えても、増分の支出がAI製品の利用料に回れば人月商売の売上は増えない。既存システムの実装責任と現場接続は残るが、要件整理、プログラミング、試験、技術者探しの多くは自動化される。2036年の対象DX市場を約5.3兆円、人材関連市場を約1.85兆円とする概算では、中立の同社シェアはそれぞれ約0.18%と0.45%に下がる。
この見立ては市場全体の縮小予想ではない。市場は名目で伸びながら、顧客が買う人月だけ減るという産業構造の変化である。大手IT会社も同じ逆風を受けるが、運用基盤や独自データの継続利用料を持つ事業は逃げ道が多い。同社は現場に強い半面、ライセンス収入が小さいため、向こう10年で最も守りたい売上の単位そのものに圧力がかかる。
資本政策と M&A
経営陣は中期的にオーガニック売上成長率15%以上を目指し、買収で上積みする方針を示す。2025年12月期から配当を始め、累進配当と配当性向20〜30%を目安とする。数値を固定したROE・営業利益率の中期目標や、自社株買い総額については数字の約束を確認できない。2026年12月期の会社売上予想も230億円と、成長率は目標の15%に届かない。
自社株取得には実行の歴史がある。2023年に約10億円、2024年に約4.6億円、2025年11月から2026年2月に再び約10億円を投じた。一方で新株予約権の行使で発行済み株式が増えるため、買付株数をそのまま既存株主の持分増加とみなしてはいけない。買付価格が内在価値に見合ったかも検証を要する。
2023〜2024年にはピージーシステム、電創、Pros Cons、Pro-X、デジタルデザインサービスを相次いで子会社化した。地域の技術者と新しい産業技術を得る狙いは理解できるが、買った利益がAIで縮むなら、のれんを払った買収は高い買い物になる。2025年末ののれん約5.7億円や顧客関連資産は悲観時の換金価値とはみなさない。シグマクシス・ホールディングスは2026年9月時点で株式15.79%を保有し、持分法適用水準への買い増し意向を示したが、これを成立したTOBや資本業務提携と混同しない。
上位10株主の持分は2026年6月時点で約70%に達する。配当開始と複数回の自社株買いを踏まえ、余剰現金の戻り方は75%とし、支配が強いだけで半額扱いにはしない。将来の還元は税引後利益の範囲と買収余力をにらみ、赤字が続く場合に累進配当が無条件で続くとは考えない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
製造業はAIが進んでも工場を止められない。老朽化した機械設備とERP、PLM、MESの接続は現場ごとに仕様が違い、設計ミスが生産停止へ直結する。CCTが扱うOrizuruの開発基盤と、メーカーの技術者に通じる実務知識は、一般的なコード自動生成とは性質が異なる。2026年上期のDX支援売上は19.1%増え、DXの受注残高も31.8%増えた。顧客が継続発注している事実は、新たな技術が出るたびに現場の統合役が求められることを示している。
大型案件で技術者を素早く集められる点も強みである。約6500社のパートナー網は地方拠点の拡大とともに密度が高まり、大手SIerとも競合しながら協業する。DXの高い売上総利益率を保てれば、IT人材調達の薄い利幅を補える。生成AIの生産性改善を自社の現場ノウハウへ組み込み、管理者の負担や納品品質を改善できれば、開発の効率化がすべて値下げとして顧客へ流れるとは限らない。
配当を新たに始め、過去数年にわたって自社株を取得したことは、株主との利害の一致を強める。財務に重い借金がなく、経験ある小規模技術会社を低い取得価格で取り込めれば、人材と顧客の接点は維持できる。最も良い10年では、請求人月を今の水準に保ちつつ物価に見合う単価を通し、DXの案件構成を高付加価値へ変えられる。なお、AIを使った新しい商品売上の金額が独立して開示されたわけではないため、AIによる追加成長を無条件には加えない。
慎重な見方
二つの売上のいずれも、人間が働いた時間に料金を乗せる構造から完全には抜けていない。会社自らOrizuruのライセンス売上は僅少で、Ohgiは直接売上を生まないと説明する。顧客がAIエージェントへ要件整理、コード作成、試験、運用の一部を任せれば、技術者が不足していても発注人月は減る。人材調達では顧客が仲介者を介さずAIで能力を照合するようになり、外注先の囲い込みも難しくなる。協力会社が6500社あることは強みだが、独占的に契約を縛る権利ではない。
製造DXにも同じ圧力がある。コンサルタントの作業量は減り、ベテランの図面と設備データを学んだAIが解決策を提示できる。顧客の内製化を支援する会社である以上、成功した顧客からの受注が細るのは事業設計上も不思議ではない。2026年上期にDXの売上が伸びても、粗利益率は1.7ポイント低下しており、値上げ力が際限なくある証拠にはならない。営業人員や開発管理者の給与、採用費、情報セキュリティ費用が売上と同じ速さで縮まらなければ、収益は急速に薄くなる。
積極的な買収は損失を広げる経路にもなる。地方の技術会社を買い集めても、そこにいる人材の請求額自体が縮めば、投下資本を回収する力は失われる。のれんや顧客関係という帳簿資産は、事業が衰退した時に容易には換金できない。大株主による追加取得も、高い買付価格や上場廃止を確約する行為ではない。良い経営を続けても、市場全体がAI製品へ価値を移せば、現金の厚さ以外には確かな下値を見いだしにくい。
どちらに重みを置いたか
事業の現在の強さでは前向きな見方に根拠がある。製造現場の理解と顧客の受注残高は、すぐに消えるものではない。ただし10年後までの超過利益を守る契約上の堀は薄く、二つのサービス区分とも人月課金の比重が大きい。AI代替による中立の工数減少は数量にすでに反映したので、確率や資本コストで同じ縮小を二重に罰していない。悲観側40%は、内製化の加速や買収の失敗がさらに重なる固有の尾部リスクを表す。下に寄せる理由は、特に利幅の薄い人材調達が売上の半分を占めることである。価値は現在の時価総額を大幅に下回り、良い会社の一面だけを見て払う価格ではない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 882 円143 億円(+ 還元の換算額還元の合計 236 円38 億円)。 今の値に割り戻すと 604 円98 億円、今との差 −59.2%、 期待の年率 −3.1%(資本コスト 7.2%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 2,459 円400 億円 | 566 円92 億円 | +104.4% | +8.4% | 303 円49 億円 |
| やや楽観 | 18% | 1,655 円269 億円 | 417 円68 億円 | +40.0% | +3.8% | 373 円61 億円 |
| 中立 | 32% | 684 円111 億円 | 203 円33 億円 | −40.1% | −5.5% | 284 円46 億円 |
| やや悲観 | 26% | 375 円61 億円 | 119 円19 億円 | −66.6% | −11.4% | 129 円21 億円 |
| 悲観 | 14% | 151 円25 億円 | 60 円10 億円 | −85.8% | −19.4% | 29 円5 億円 |
| 加重平均 | 100% | 882 円143 億円 | 236 円38 億円 | −24.5% | −3.1% | 1,117 円182 億円 |
今の株価時価総額 1,480 円241 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 現場統合の不可欠な役割を守り、工数減少を抑える 利益 26 億円 · PER 13.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,459 円400 億円
製造現場のシステムは、自動生成したコードだけでは安全に入れ替えられない。CCTは設備に関する実務知識を生かし、Orizuru MESとERP・PLMをつなぐ仕事の中核に残る。顧客がAIを導入する際にも、現場への実装と責任の分担を引き受けるため、新しい仕事が減少した開発工数を埋める。請求対象の人月は両事業とも現在とほぼ同じ水準を保ち、単価には物価上昇を反映できる。
業務の自動化による利益が協力企業との分配に一部とどまるため、DXの売上総利益率は41%、人材調達は19%まで高まる。販管費は人件費上昇を反映して増えるが、それを上回る効率化が定着する。大手SIerとの協業が深まり、小規模の追加買収も合理的な値段で進む。営業利益は現在より厚くなり、財務余力を使った配当と自社株買いが続く。
それでも人月の大幅拡大や、未開示のAI製品販売による新しい収入は織り込まない。2036年の広いDX市場に対して同社の規模は依然小さく、技術の進歩に合わせて製造現場での役割を守り切った上限寄りの10年と考える。
- DX支援(製造・建設・物流):数量 7,200(年間の請求対象エンジニア人月(自社・協力会社合計、推定))× 価格 0.02(1人月当たり顧客請求額(億円・名目))→ 売上 135 億円・営業利益 29 億円。年間人月を現在の1.00倍、請求単価を1.34倍とした。粗利益率41.0%から全社販管費47.0億円の55%を配賦。AI代替の影響は人月に織り込む。
- IT人材調達支援:数量 10,800(年間の請求対象エンジニア人月(自社・協力会社合計、推定))× 価格 0.01(1人月当たり顧客請求額(億円・名目))→ 売上 145 億円・営業利益 6 億円。年間人月を現在の1.00倍、請求単価を1.34倍とした。粗利益率19.0%から全社販管費の45%を配賦。AIエージェントによる外部調達削減を数量に計上し単価と重ねない。
倍率:中立を含む上側の長期成長率は、人月AIエージェント代替を反映してg_long=名目0%。2036年のROEは約17.4%で、通常の堀が残る割合1/2から増分資本収益率RONICは約12.3%。正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)、k=7.25%、g=0%で13.79倍を上限そのものに採用する。営業外現金の利息相当0.112億円を純利益から除き、余剰現金8億円×戻り方0.75=6億円を追加。現在・過去や同業の株価倍率は使っていない。
確率:製造現場に根差した統合技術がAIで容易に代替されず、二事業の請求人月をともに現在水準で維持し、物価の転嫁にも成功するには、顧客・協力会社との関係を10年間保つ必要がある。Orizuruのライセンス売上が僅少なので、確率は小さめとする。
やや楽観 18% 製造業DXが粘り、人材仲介の縮小を補う 利益 17 億円 · PER 13.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,655 円269 億円
工場の設備更新とクラウド移行の需要が続く。CCTは製造・建設・物流の直請け案件に注力し、Orizuruと他社のERP・PLMを組み合わせる手法を磨く。AIが設計と開発の一部を代わっても、現場の安全と品質の責任は委託先に残るため、請求可能な仕事は比較的多く保てる。それでもDXの人月は今の85%まで減る。
大手SIerが開発作業の自動化と内製化を進めるため、IT人材調達の人月は82%になる。双方の単価は物価上昇におおむね沿うが、価格交渉の力には差がつく。DXの粗利益率は高止まりし、共通費を抑えながら利益を維持する。地方の小規模企業買収は経営を無理に拡大する手段ではなく、得意な顧客の技術を補うものにとどめる。
2036年の営業利益は今と大きく変わらない。資本が積み上がるので高ROEは平常化するが、配当と自社株買いは続けられる。シグマクシスとの連携が具体化すれば営業機会は増すものの、TOB価格を価値の計算へ先回りして織り込まない。
- DX支援(製造・建設・物流):数量 6,120(年間の請求対象エンジニア人月(自社・協力会社合計、推定))× 価格 0.02(1人月当たり顧客請求額(億円・名目))→ 売上 114 億円・営業利益 21 億円。年間人月を現在の0.85倍、請求単価を1.33倍とした。粗利益率39.5%から全社販管費43.0億円の55%を配賦。AI代替の影響は人月に織り込む。
- IT人材調達支援:数量 8,856(年間の請求対象エンジニア人月(自社・協力会社合計、推定))× 価格 0.01(1人月当たり顧客請求額(億円・名目))→ 売上 115 億円・営業利益 1 億円。年間人月を現在の0.82倍、請求単価を1.30倍とした。粗利益率18.0%から全社販管費の45%を配賦。AIエージェントによる外部調達削減を数量に計上し単価と重ねない。
倍率:中立を含む上側の長期成長率は、人月AIエージェント代替を反映してg_long=名目0%。2036年のROEは約12.2%で、通常の堀が残る割合1/2から増分資本収益率RONICは約9.7%。正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)、k=7.25%、g=0%で13.79倍を上限そのものに採用する。営業外現金の利息相当0.112億円を純利益から除き、余剰現金8億円×戻り方0.75=6億円を追加。現在・過去や同業の株価倍率は使っていない。
確率:製造現場の高度な統合は顧客が手放しづらく、AIで工数が減っても高単価案件へ寄せる余地がある。一方で外注中心のIT人材調達は実質稼働が減るため、売上総額の伸びを抑えている。
中立 32% 需要市場は拡大するが、人月の単位が減っていく 利益 5 億円 · PER 13.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 684 円111 億円
製造業は投資を止めず、古い設備を残してMESや基幹システムを接続する仕事は必要とされる。CCTの担当者は専門的な統合作業と顧客の管理に残るが、設計書作成、プログラミング、試験の人月はAIエージェントで大幅に減る。結果としてDXの請求人月は今の72%、名目単価は30%増にとどまる。Orizuruのパッケージ利用料は増えても、現時点で実証された規模では全社の人月売上を置き換えない。
IT人材調達では、大手SIer自身が開発工数を減らし、求める外部要員数を絞る。社員と協力会社を合わせた請求人月は63%になり、顧客の交渉力によって単価も物価ほどには上がらない。DXの粗利率は35.5%、人材調達は15.5%に後退する。採用・管理の固定費を削っても、人材調達部門は営業赤字になり、DXの稼ぎが全体を支える。
当初数年間の利益と配当で自己資本は増えるが、2036年には資本に対する利益率が資本コストを下回る。これは会社のシステムが不要になる筋書きではない。顧客にとって必要な成果をより少ない人手で納める時代へ移り、昔の人月価格表がそのまま通用しなくなる筋書きである。
- DX支援(製造・建設・物流):数量 5,184(年間の請求対象エンジニア人月(自社・協力会社合計、推定))× 価格 0.02(1人月当たり顧客請求額(億円・名目))→ 売上 94 億円・営業利益 12 億円。年間人月を現在の0.72倍、請求単価を1.30倍とした。粗利益率35.5%から全社販管費39.0億円の55%を配賦。AI代替の影響は人月に織り込む。
- IT人材調達支援:数量 6,804(年間の請求対象エンジニア人月(自社・協力会社合計、推定))× 価格 0.01(1人月当たり顧客請求額(億円・名目))→ 売上 83 億円・営業利益 −5 億円。年間人月を現在の0.63倍、請求単価を1.22倍とした。粗利益率15.5%から全社販管費の45%を配賦。AIエージェントによる外部調達削減を数量に計上し単価と重ねない。
倍率:2036年のROEは約4.6%で資本コスト7.25%以下となり、利益を留保して増やす資本は十分な超過利潤を生まない。AIエージェント代替に伴いg_long=名目0%のため、稼ぐ力のPER上限1÷k=13.79倍をそのまま使用する。事業外現金の利息0.112億円を除いた純利益×PERに、余剰現金8億円×回収率0.75=6億円を加えた。過去の市場評価は用いない。
確率:中立でもAIエージェント代替によってDX人月は0.72倍、人材調達は0.63倍とする。価格は物価上昇を十分には転嫁できずDXで1.30倍、人材調達は1.22倍。この工数縮小はすでに中心シナリオの数字へ織り込む。下に寄せる理由:人材調達は薄い粗利にもかかわらず全売上の約半分を占め、内製化や買収の失敗が重なる固有の尾部リスクも残る。
やや悲観 26% 大手の内製化が進み、人材仲介の利益が消える 利益 −1 億円 · PBR 0.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 375 円61 億円
AIを使いこなした顧客が設計・開発・品質確認を社内で済ませるようになり、開発ベンダーへの発注は現場への組込みや例外対応に絞られる。製造業向けではシステムの複雑な接続業務が残るが、内製化を支援してきたCCT自身も顧客の自立を後押しする。DXの人月は今の55%、IT人材調達は52%に減り、単価上昇も限られる。
約6500社の協力企業の網は残るものの、広い供給網ほど仕事を奪い合う。IT人材調達の粗利益率は12.5%まで落ち、営業管理費を賄えない。DXの粗利益率も31%に下がり、全社の営業利益は小幅な赤字になる。経営陣は採用と買収を止め、子会社の整理で固定費を削るが、離職が進んだ後の人材再建には時間がかかる。
前半に積んだ利益と配当があるため、10年累計で見れば株主への還元は残る。それでも10年後は成長企業ではなく、残された資産と案件の採算を比べる再建局面にある。帳簿上の自己資本のすべてを株主が換金できるとは考えず、今の自己資本を基準に控えめな資産価値を見る。
- DX支援(製造・建設・物流):数量 3,960(年間の請求対象エンジニア人月(自社・協力会社合計、推定))× 価格 0.02(1人月当たり顧客請求額(億円・名目))→ 売上 65 億円・営業利益 4 億円。年間人月を現在の0.55倍、請求単価を1.17倍とした。粗利益率31.0%から全社販管費29.5億円の55%を配賦。AI代替の影響は人月に織り込む。
- IT人材調達支援:数量 5,616(年間の請求対象エンジニア人月(自社・協力会社合計、推定))× 価格 0.01(1人月当たり顧客請求額(億円・名目))→ 売上 65 億円・営業利益 −5 億円。年間人月を現在の0.52倍、請求単価を1.16倍とした。粗利益率12.5%から全社販管費の45%を配賦。AIエージェントによる外部調達削減を数量に計上し単価と重ねない。
倍率:最終年度が赤字のため利益の永久還元を前提としたPERを使わず、2025年末の自己資本50.6億円にPBR0.80倍を乗じる。10年中に積み上がった自己資本90.6億円を床の分母には使わない。AIで受注構造が崩れ、残された事業の超過利益が負となる場合の資産価値を評価する。のれん約5.7億円、顧客関連資産約2.2億円、自己開発ソフト約2.9億円は独立した換金価値とみなさず、非上場投資も追加計上しない。純現金20.7億円の床を上回る。
確率:すでに標準化しやすい開発業務は外部発注人月に依存しており、大手SIerのAI内製化に比較的容易に影響を受ける。継続顧客がいても契約規模が減るため、売上総利益を十分に守れない可能性を独立に評価する。
悲観 14% 受託モデルの破綻と買収した無形資産の減損 利益 −13 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 151 円25 億円
大手SIerと製造業の顧客が、エージェントを使った開発・運用の標準基盤を内製する。CCTの現場経験は特殊な設備の一部に必要とされるが、その他の工程を束ねる契約は細る。DXの請求人月は今の36%、人材調達は44%となる。単価は物価の上昇にほとんど追い付かず、現在の売上高から見て10年後の名目売上は半分以下へ落ちる。
低採算案件を抱える協力会社との関係は維持できなくなり、必要な管理人員と教育費が残って赤字が拡大する。営業赤字が続く子会社を整理し、過去に取得したのれんや顧客関連資産を減損する。経営陣は積極的な買収と自社株買いを停止し、配当も事業の存続を優先して縮小する。シグマクシスによる買い増しが持分法適用に達しても、公開買付けを伴わず少数株主が強制的に高値で退出できるとは限らない。
会社には依然として純現金と回収可能な取引資産があるため、価値をゼロにはしない。ただし非上場ファンド出資やのれんを確実な換金資産に見立てることは避ける。高いROEを再び得るには事業の作り直しが必要であり、かつての成長株としての評価は戻らない。
- DX支援(製造・建設・物流):数量 2,592(年間の請求対象エンジニア人月(自社・協力会社合計、推定))× 価格 0.02(1人月当たり顧客請求額(億円・名目))→ 売上 39 億円・営業利益 −5 億円。年間人月を現在の0.36倍、請求単価を1.08倍とした。粗利益率27.0%から全社販管費28.0億円の55%を配賦。AI代替の影響は人月に織り込む。
- IT人材調達支援:数量 4,752(年間の請求対象エンジニア人月(自社・協力会社合計、推定))× 価格 0.01(1人月当たり顧客請求額(億円・名目))→ 売上 50 億円・営業利益 −8 億円。年間人月を現在の0.44倍、請求単価を1.04倍とした。粗利益率8.5%から全社販管費の45%を配賦。AIエージェントによる外部調達削減を数量に計上し単価と重ねない。
倍率:最終年度が赤字のため利益の永久還元を前提としたPERを使わず、2025年末の自己資本50.6億円にPBR0.50倍を乗じる。10年中に積み上がった自己資本55.0億円を床の分母には使わない。AIで受注構造が崩れ、残された事業の超過利益が負となる場合の資産価値を評価する。のれん約5.7億円、顧客関連資産約2.2億円、自己開発ソフト約2.9億円は独立した換金価値とみなさず、非上場投資も追加計上しない。純現金20.7億円の床を上回る。現時点の持分から将来の追加減損も見込み、2036年自己資本55億円は前半の累計純利益約25億円−累計還元10億円−無形資産等の減損約10.6億円を含む説明上の数値である。
確率:AI代替の進展に加えて、買収先を含む受託業務が広範に値下げ競争へ陥り、固定費の整理と人員再配置が遅れる複合危機。純現金があるため直ちに倒産を中心にはしないが、希薄化と買収損失が少数株主へ及ぶ尾部リスクとして計上する。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
DX支援(製造・建設・物流)
Orizuru MES・3Dと各種ERP・PLMの開発・導入・運用を組み合わせる主に直請けの業務委託。AIリスク型は人月・工数で売るSI受託であり、少額のライセンスを記録の正本型に昇格させない。
| 数量年間の請求対象エンジニア人月(自社・協力会社合計、推定) | 価格1人月当たり顧客請求額(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 7,200 | 0.01 | 101 | 19 |
| 10 年後 中立 | 5,184 | 0.02 | 94 | 12 |
取り方:2025年有報のDX支援売上100.52613億円、売上総利益38.23148億円を基礎とする。2025年末従業員606人のうちDXへ年間平均で請求可能な社内技術者200人を配し、会社FAQの社員:BP=1:2から協力技術者400人、合計600人×12カ月=7200人月と推計。請求単価は100.52613億円÷7200人月=約139.6万円/人月。会社は厳密な実請求人月を非開示であり、配員300人などの配分は筆者の仮定。営業利益19.08億円も開示されたサービス別粗利に全社販管費約34.83億円の55%を配賦した推計。会社の約2.0兆円→4.4兆円という製造・建設・物流DX市場見通しと比較して量の見通しを検算する。AIエージェント代替型は受託人月で、中立の請求人月を10年0.72倍・価格1.30倍とする。
IT人材調達支援
Ohgiネットワークで大手SIerなどへ技術者を調達し外注先と人月契約をつなぐ。Ohgi自体は独立した売上を生まないため、人月・工数型として扱う。
| 数量年間の請求対象エンジニア人月(自社・協力会社合計、推定) | 価格1人月当たり顧客請求額(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 10,800 | 0.01 | 108 | 3 |
| 10 年後 中立 | 6,804 | 0.01 | 83 | −5 |
取り方:2025年有報のIT人材調達支援売上108.25847億円、売上総利益18.61490億円を基礎とする。グループ606人のうち請求対象の内部要員を年間平均100人と仮定し、会社FAQの社員:BP=1:8から協力技術者800人、計900人×12カ月=10800人月と推計。請求単価は108.25847億円÷10800人月=約100.2万円/人月で、実請求人月の開示がない推計である。営業利益2.92億円は全社販管費の45%を配賦した推計。2024年デジタル人材関連サービス市場約1.3兆円を参考市場とし、DXと市場の重複を避ける。AIエージェント代替型はSES人月で、中立の請求人月0.63倍・価格1.22倍。
リスクと懸念
AIエージェント代替による人月単位の減少
売上の大半は人月と工数で請求される。AIが要件整理、実装、検証、保守、人材照合まで担うと、DX市場の投資額が増えても外部へ払う開発人月は減る。中立でDXは今の72%、人材調達は63%の人月を想定した。さらに小さくなれば価格引き上げだけで穴を埋められない。
顧客の内製化と契約の短期性
顧客は製造業の大手と大手SIerが中心であり、後者の発注見直しは早い。会社が内製化支援を強みとすることは将来の受注を減らす面もある。既存顧客売上約90%を年間解約率10%未満と同義に扱えず、共同利用の基盤や法令による切替障壁を確認できない。これが数量と単価の両方を不安定にする。
人材調達の薄利と協力会社への依存
IT人材調達の売上総利益率は2025年に17.2%で、全社利益を支えるDXより著しく低い。協力会社約6500社の網は供給力を高めるが、特定の技術者を排他的に確保できるわけではない。外注費の上昇や大型案件の喪失で売上の割に利益が大きく減る。大型案件の受注残だけでは持続的な粗利益を測れない。
買収投資の回収と無形資産の減損
2023〜2024年の相次ぐ企業買収で、のれんと顧客関連資産が増えた。人材を増やして売上を伸ばしても、その仕事の利益率が下がれば買収額の回収が難しくなる。非上場株式やファンド出資を含む投資有価証券も、額面どおりいつでも換金できる資産ではない。買収先ごとの増分利益の開示が少なく、投資成果の追跡が難しい。
還元、潜在株式、資本効率のすれ違い
自社株買いは多額で、2025年から配当も始まった。ただし新株予約権の行使で新株も発行されており、買い戻した株数のすべてが一株当たり価値の増加にはならない。採用と買収に資金を使い続けて利益が縮むと、留保された自己資本の利回りは資本コスト未満へ落ちる。帳簿上の資本の増加と一株価値の増加を分けて確認したい。
大株主による持分法適用の意向と少数株主
シグマクシスは2026年9月に15.79%を保有し、翌年3月までの買い増し意向を表明した。しかし公開買付けや上場廃止が決まったわけではない。経営の独立性と取引の公正さを守れるか、業務提携が既存の顧客取引を傷めないかを確認する必要がある。議決権の集中が少数株主の利益と一致する保証もない。
工場システムの障害と情報漏えい
MESや設計情報を扱うため、工場の運転停止、設計データの流出、協力会社経由のセキュリティ事故が起これば、一件で顧客との信頼を損ない得る。導入案件の大型化は一件当たりの責任も重くし、損害賠償や追加の検査・修復工数が利益を圧迫する。受注時の与信と契約条項の管理も収益を守る条件となる。
今後の分かれ目
- Orizuruの独立したライセンス・運用収入が全社売上の15%以上となり、解約率と値上げ実績が公開されたら
- DX支援の一部を人月型から記録の正本型へ分類し直す。単なる顧客数ではなく契約継続、切替所要年数、独自データの蓄積を照合して、g_longと中立の数量を引き上げられるか評価する。
- 生成AIを使う顧客で外部発注人月が3年続けて年5%以上減り、単価上昇が相殺できなければ
- DX人月0.72倍、IT人材調達0.63倍という中立の数量をさらに引き下げる。販管費の削減速度と、開発に残る工程の粗利益率を同時に調べて悲観の重みを増す。
- DX支援の売上総利益率が38%前後へ回復し、同じ顧客への値上げが複数年続いたら
- 現場統合の価格決定力を高く評価する。ただし工数が減りながら利益額も増えたかを区別し、粗利益率だけを根拠に長期成長率を引き上げない。
- IT人材調達支援の売上総利益率が15%を下回る状態が続いたら
- 仲介事業が本社費用を負担できなくなるリスクが大きくなる。撤退や縮小時の固定費・契約清算金を確認し、やや悲観と悲観の営業利益を見直す。
- シグマクシスから正式な公開買付け、株式交換、上場廃止計画が公表されたら
- 独立した10年価値分析をいったん止め、具体的な買付価格、成立条件、少数株主への対価を最優先で検証する。市場内の持分買い増しだけならTOBの成立とはみなさない。
- 大型M&Aの後に営業利益の増分が買収代金と追加運転資金の資本コストを3年以上上回らなければ
- 増分資本収益率の前提を切り下げ、買収先の無形資産減損を織り込む。売上成長15%という会社目標を守っても株主価値が減る可能性を検証する。
- 自社株買い後も新株予約権の行使で純流通株数が増える状態が続けば
- 見かけの買付金額ではなく実際の発行済み株式数から既存株主の取り分を計り直す。増配、消却、買収に使った現金の総額も分けて資本配分を評価する。
見ておくもの
- 四半期ごとのDX支援・IT人材調達支援の売上高、売上総利益額、粗利益率、受注残高の動き
- 実際の請求人月、社員と協力会社の稼働率、1人月単価の開示開始とAI導入による工数削減幅
- Orizuruライセンス・利用料の売上構成、解約率、価格改定実績、顧客システムの移行期間
- Ohgiの協力会社約6500社のうち実働先の数、重複取引、仲介粗利の変化
- 2026年12月期会社予想の売上230億円・営業利益24.3億円の達成と純利益の特殊要因の解消
- 自社株買いの金額と消却、新株予約権の行使、新株増加後の実質株数
- シグマクシスの持分と正式な資本業務提携・TOBの有無、買収先の増分営業利益と減損
- 2030年までの製造DX市場成長とAIエージェント支出の実現状況
倍率と資本コストの決め方
基準株価1562円・株数1625万2700株から時価総額約253.9億円を確認したが、シナリオの売上と倍率を決める作業ではこの水準を参照しない。2025年の二つのサービス売上を年間請求人月と人月単価の実物量に展開し、AIエージェント代替は中立の人月数量と10年以降の名目成長率ゼロだけに反映した。倍率は市場のPERや同業比較でなく、資本コスト7.25%、RONICとg_long=0%による13.79倍の上限から導いた。やや悲観・悲観は赤字ゆえ現在の自己資本に対する資産価値である。悲観の時価総額25.3億円は純現金20.7億円の床を上回る。余剰現金8億円を事業利益と重複計上せず回収率75%で評価した。2028年12月期から適用される新リース会計の表示変更で使用権資産と負債が増えても、家賃を営業費用に含む現行収益モデルで10年間を比較する。
資本コスト 7.2% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本の無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%の合計7.5%から、財務健全性0.25ポイントを控除した。