結論
ベイシスは、スマートメーターや通信機器を全国で設置し、ネットワークを運用する現場インフラ企業である。筆者の結論は「やや割高」だ。設備を人の手で取り付ける需要には10年先も確かな役割があるが、現時点では成長を株主利益へ変える力が十分に証明されていない。
2026年6月期の売上高は84億円まで増えたものの、営業利益率は2.6%にとどまった。2022年の7.8%から大きく下がり、前中期計画の最終年度には利益目標を大幅に下回った。経営陣は2030年に売上144.61億円、営業利益12.48億円を掲げるが、施工中心の単発収入を継続保守へ変えられるかは依然として未証明である。
成長の本命は、東京の水道メーターの更新や監視カメラ、各地のIoT機器の設置・保守だ。一方、常駐するエンジニアや事務処理の工数を売る部分は、AIエージェントの普及で必要人数が減り、価格にも圧力がかかる。自社ソフトBLASは作業現場を束ねる武器だが、外販収入はまだ小さく、独立した強い参入障壁と呼ぶには早い。
全国の協力会社網を生かす楽観的な余地は残る。それでも、現金が潤沢に余っているわけではなく、無配の資本政策と条件付き新株予約権は既存株主の取り分を考える際に無視できない。5つの筋書きを確率で加重した現在価値は約27億円、基準時価総額約33億円を2割ほど下回る。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主として最初に確かめたいのは、10年後も顧客がお金を払う理由である。電力・水道の検針設備や通信網が存在する限り、設置と故障対応は必要になる。この点でベイシスは、画面の操作だけで売上を作る会社より事業の寿命を読みやすい。施工実績と協力会社網の蓄積は、継続的な発注を得るための信用として価値がある。
次は、稼いだ利益がどれだけ手元に残るかだ。案件が増えれば外注先への支払い、売掛債権、人材育成、品質管理が先に必要になる。2026年の営業キャッシュフローは約1億円で、純利益とほぼ同じでも、投資支出後に残った現金は薄かった。利益率を改善するには単なる売上拡大では足りず、現場の手戻りを減らし、保守を反復受注し、新しい投資の利益率を資本コストより高くする必要がある。
自社システムは作業の質を支えるが、外販SaaSとして高い解約障壁を持つ証拠は見えていない。人月で売る部分はAI代替と顧客の内製化に備えるべきであり、過去の売上成長をそのまま10年後へ延ばせない。M&Aでも、買収した人員や顧客に高値を払えば将来のリターンが薄まる。大型の買収で数字を埋めるより、既存案件の粗利益が増えるかを見極めたい。
計算上の価値は現在の時価総額に届かず、安全域があるとは言えない。2030年の目標を達成できる可能性は否定しないが、その目標を株主価値の根拠として前払いするわけにはいかない。現場施工の強みが本物の価格決定力と持続的な高ROEに育った時にこそ、長期保有にふさわしい経済性が証明される。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの源は、通信機器やIoT機器を現地で動く状態にするための作業である。顧客は通信キャリア、通信機器メーカー、電力・ガス事業者、自治体や企業の設備管理部門だ。全国の現場に施工員を派遣し、仕様の確認から機器の設定、動作試験、故障時の交換まで請け負う。通信回線そのものを契約者に再販売するMVNOやISPとは違い、設備を造り、支える事業である。
会社は会計上、インフラテックの単一セグメントだが、2027年6月期から管理上のサービス区分を改める。2026年実績を新しい分類で見ると、IoTが27.90億円、ネットワークが56.12億円、SaaSが0.23億円になる。旧区分の「モバイル」「IoT」「その他」とは組み替えられており、過年度の区分別成長率をそのまま延ばすことはできない。
IoTではスマートメーター、温度センサー、ネットワークカメラ、充電設備などが仕事を生む。ネットワークには基地局の設計・構築・保守という現地対応と、顧客先に常駐する技術者・事務支援という人月型の仕事が混在する。分析では後者を切り出すが、この細分化は会社の開示区分ではなく推計である。2023年に買収したアヴァンセ・アジルの人材派遣事業も、顧客への継続的な労務提供に近い。
自社製のBLASは多数の施工現場で進捗と品質を見える化するクラウドシステムだ。案件の手配や報告書の標準化を助け、社内生産性を上げる効果はある。しかしソフトを単独で外販した売上は小さく、設置工事に付随する管理手段と独立した高収益SaaSとを混同してはいけない。2030年の会社計画はIoT73.08億円、ネットワーク66.33億円、SaaS5.20億円であり、特にSaaSには足元からの大きな飛躍を要する。現場の取り付けはAIに消せない一方、報告・配員・照合はAIに置き換わりうる。
優良さと弱いところ
堀、つまり競合が簡単には奪えない強みは、全国の細かな現場を同じ品質で処理できる実行力にある。2026年6月末には協力会社が545社に達し、工事の指示や検査をBLASで標準化している。過去に数百万台の設置実績があり、大手工事会社が扱いづらい小口・多拠点の仕事を束ねられる点には価値がある。通信工事業の許可や登録点検の経験も、参入時の手間を増やす。
ただし、この堀は狭い。協力会社は非専属であり、地域の施工会社にも大手のコムシス、エクシオ、ミライト・ワンにも同じ現場へ入る機会がある。大口の発注者が自ら手配・検査の仕組みを整えれば、中間に立つ利益は細る。BLASについては解約率5%未満、法令対応に伴う値上げの定着、年単位の移行負担といった証拠が2つ以上開示されておらず、「記録の正本」の強い堀とは評価しない。
資本効率もまだ合格点とは言い切れない。上場後のROEは高い時期があったが、2024年には約1%、2026年でも約5%で資本コストを下回る。案件の仕様が増えるほど受注管理費と外注費も重くなり、規模の利益が株主に残りにくい。全国対応による競争優位を認めつつも、持続的な値上げと増分投資収益率が確認できるまでは、普通の堀より高い価値を払わない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の通信設備は必要不可欠だが、新設基地局を増やすだけの時代ではない。国内携帯事業者の2025年度設備投資予想は約1.38兆円で、基地局の更新、保守、回線高度化へ仕事の比重が移る。2030年前後の6G移行準備は需要を生むが、通信キャリアは投資額の削減と工事単価の抑制にも強い関心を持つ。コムシスホールディングス、エクシオグループ、ミライト・ワンと地域の電気通信工事会社が競争相手だ。
IoTの方は設備の数が増える。2024年度に約55万台とされるクラウドカメラの累計稼働は2029年度に131万台との調査予測があり、東京都の水道スマートメーターも2030年代までに約780万件へ広げる構想がある。公共のEV充電設備には2030年までに30万口という政策目標もある。ただし、これらは機器の累計数や政策目標であって年間の設置工事発注数ではない。市場を単純に足したり、全件をベイシスの取り分とみなすのは危うい。
正確な全国IoT小口施工市場の金額と競合別シェアは公表されていない。通信キャリアの設備投資を母数にすると、同社ネットワーク売上56億円は約0.4%の規模感だが、母数には機器代が含まれ、これを正式な市場シェアとは呼べない。全国協力会社を使う小口施工では一定の地位がある一方、独占・寡占を示す数字はない。中立では端末設置需要が伸び、価格は物価にほぼ連動すると考える。
AIの影響は仕事ごとに異なる。現地の取り付け、立ち会い、異常の復旧は機械が支援しても人が残る。他方、常駐支援・BPO・監視画面操作・報告書作成はAIエージェントが引き受ける余地が大きい。発注者が案件管理を内製化し、少人数の監督者だけを残せば、人月課金の市場は小さくなる。BLASも画面を操作する席数で伸ばすなら、同じ脅威を受ける。
資本政策と M&A
資本配分の成否がこの会社の株主価値を決める。会社の「中期経営計画2030」は2030年6月期に売上144.61億円、営業利益12.48億円、調整後EBITDA13.48億円を目標とする。買収分を加えた調整後EBITDAは15億円以上、時価総額は100億円以上を目指す。だが、前計画の2026年6月期EBITDA目標7.53億円に対し実績は2.94億円で、計画の実現率は約39%だった。
2023年には人材派遣会社アヴァンセ・アジルを買収し、今後も施工会社の垂直統合や保守契約の取得に資金を振り向ける。計画では買収額をEV/EBITDAで吟味し、純有利子負債と調整後EBITDAの比を原則2.5倍以下、買収直後でも3倍以下とする。調整後EBITDAはのれん償却や株式報酬費用などを除くため、その額すべてが株主の自由な現金ではない。
配当は当面行わず、割安と判断した時の自社株買いを優先する。配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い総額について確定した数値の約束はない。2026年には約0.45億円を自社株取得に使った一方、200株以上の保有者には年1万〜2万円相当のデジタルギフトを用意している。期末の優待引当金約0.11億円を年額の代理指標とし、中立では10年分約1.1億円を優待還元と推計する。優待費用は利益に既に反映済みなので、自己資本から二重に引かない。
支配的な株主の存在に加え、2025年発行の新株予約権は全行使で最大98,900株の潜在希薄化を伴う。2026年10月には取締役向けの譲渡制限付株式653株の追加発行も決まった。将来の利益が伸びれば経営陣と従業員の持ち分も増えるため、既存株主の取り分は会社全体の利益の増加率より小さくなる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
全国に散らばるIoT機器を安く、確実に設置する能力は簡単には買えない。スマートメーターや監視カメラはメーカーが製品を納入しただけでは動かず、地方の住宅や工場へ実際に出向く必要がある。545社の協力会社を束ねる運営ノウハウは、現場を持たないIT企業には模倣しづらい。2023年には年間80万台の設置実績があり、既に需要のある事業として始まっている。
東京都の水道メーター全戸更新、クラウドカメラの普及、公共EV充電設備の増設が重なると、機器設置の仕事は大きく増える。ベイシスは全国展開の能力を生かして小規模な現場を束ね、売上の伸び以上に一件当たりの管理費を下げられる。BLASが現場の報告を標準化すれば、施工員一人が処理できる仕事も増え、工事終了後の保守・交換を継続契約に変える余地が大きい。
2030年の経営計画は現場業務から保守への移行を明示し、買収でも全国の施工能力を補強しようとしている。初期投資が比較的軽く、協力会社との関係を広げられれば、新規事業に必要な資本を大きくせずに増収できる。過去の低利益率は成長途上の管理費や事業転換の痛みであり、現場ごとの採算管理と価格改定が進めば改善余地がある。人月型の常駐支援が縮小しても、現場対応の伸びがそれを補える。
買収で無理な希薄化をせず、余剰資金を自社株買いへ振り向けられるなら、既存株主には大きな上振れも残る。会社が掲げる時価総額100億円は目標にすぎないが、営業利益率の回復と設置案件の継続化が進めば、現在とは別の収益力を持つ企業になり得る。
慎重な見方
見落としてはいけないのは、全国網が独占的なネットワークではないことだ。545社の協力会社は非専属で、工事発注者にも競争相手にも働ける。設備の発注が入札中心なら値上げは難しく、増える売上の多くが人件費と外注費として流れ出る。2022年の好調な利益率が続かず、2024年にはほぼ消えた歴史は、成長が株主利益に直結しない証拠でもある。
IoT機器は増えても、必ず毎年すべて取り換えるわけではない。既に設置したスマートメーターは耐用年数があり、大口更新が終われば次の需要は先送りされる。水道や充電設備の政策目標には予算・自治体調達・工期の変動がある。競合の大手電気通信工事会社や地方事業者が全国小口施工を取りに来れば、設置単価には下げ圧力がかかる。
常駐支援は見かけ上ストック収入でも、エンジニアの時間を売ることが中身である。AIエージェントがネットワーク監視、障害の切り分け、報告や調整を担えば、必要な人数は減る。BLASも外部顧客が操作画面を通じて使うだけでは、AIが画面を飛ばして業務を実行する時代に守り切れない。ソフト単独売上がまだ0.23億円という事実は、独自データや規制対応の強い堀が未形成であることを示す。
以前の中期計画は利益目標を大幅に外しており、新しい計画の収益改善を約束として扱えない。無配で、M&Aが先に来る資本配分は、株主への現金還元を遅らせる。買収ののれんと業績連動ストックオプションが重なれば、利益が回復しても既存株主に残る割合は小さくなる。現場の実在需要だけで高い企業価値を保証することはできない。
どちらに重みを置いたか
現場の必要性では強気の見方を認めるが、長期株主が重視する値上げ力と資本効率では慎重な見方が勝る。下に寄せる理由はAI代替を確率で二重計上するためではない。前計画のEBITDA達成率が39%にとどまり、協力会社が非専属で、利益改善の再現性がまだ低いためだ。中立では常駐支援の縮小をすでに数量に織り込んでいる。上側28%に対して下側41%を配し、現場事業の成長が続いても割高寄りになる現在価値を採用した。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/06 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 3,330 円61 億円(+ 還元の換算額還元の合計 186 円3 億円)。 今の値に割り戻すと 1,596 円29 億円、今との差 −11.9%、 期待の年率 +7.1%(資本コスト 8.5%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 9,952 円183 億円 | 515 円9 億円 | +477.7% | +20.0% | 1,047 円19 億円 |
| やや楽観 | 18% | 5,479 円101 億円 | 309 円6 億円 | +219.5% | +12.8% | 1,042 円19 億円 |
| 中立 | 31% | 3,464 円64 億円 | 159 円3 億円 | +99.9% | +7.4% | 1,123 円21 億円 |
| やや悲観 | 27% | 813 円15 億円 | 97 円2 億円 | −49.8% | −7.0% | 246 円5 億円 |
| 悲観 | 14% | 391 円7 億円 | 24 円0 億円 | −77.1% | −14.0% | 58 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 3,330 円61 億円 | 186 円3 億円 | +94.0% | +7.1% | 3,516 円65 億円 |
今の株価時価総額 1,812 円33 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 全国IoT施工の標準事業者になる 利益 14 億円 · PER 12.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 9,952 円183 億円
全国の端末設置と継続保守が結び付き、現場案件は年間300万件相当まで広がる。東京都の水道スマートメーターの普及に加え、地方の水位計、電力設備、監視カメラの更新が重なり、設置した機器の故障対応まで継続受注できる。協力会社の手配とBLASによる品質検査が安定し、大規模な地域展開でも手戻りが増えにくい。
通信網の工事も6Gへの更新を取り込み、設備の切り替え期に現場件数が増える。工事価格は作業の複雑化と物価上昇を反映し、大規模発注者との直接契約が厚くなる。元請けによる内製化が遅れ、地域工事会社とのネットワークが安定した受注につながるため、営業利益率は二桁に近づく。
人月型の常駐業務はAIで一人当たりの処理能力が増えるため、人数そのものは現在の水準を超えない。BLASの外販契約数も急増を見込まず、AIを成長商品として販売した未確認の利益は数えない。アヴァンセ・アジルに続く買収は現場の仕事と補完関係を持ち、過大なのれんを積まない。2030年までに利益目標に迫り、期末までに投資回収の良い会社へ育つ。
- IoT機器の設置・交換・現地保守:数量 3,000,000(年間設置・交換等価件数(件、会社の最新KPIではなく推計))× 価格 4,800(1等価件あたり工事・保守売上(円、保守相当分を含む))→ 売上 144 億円・営業利益 19 億円。等価件数300万、単価は機器複雑化も反映した4800円。保守案件を継続受注。
- 通信網・IT網の現地工事・保守:数量 11,000(年間現場案件相当数(件、推計))× 価格 420,000(1案件当たり工事・保守売上(円、推計))→ 売上 46 億円・営業利益 5 億円。6G更新で現場案件が増え、多拠点元請け比率も上がる。
- 常駐技術者・事務支援・BPO:数量 340(売上対象の年間稼働人員換算(人年、推計))× 価格 12,600,000(1人年の顧客請求売上(円、推計))→ 売上 43 億円・営業利益 4 億円。AIに代替されるため稼働人数は現在の1倍を超えない。単価上昇も物価上限内。
- BLASなどの外販SaaS:数量 100(年契約の顧客相当数(契約、分析上の推計))× 価格 260,000(1年契約相当の売上(円、推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント製品の有償実績なし。外販契約は今の100件相当を超えない。
倍率:今の市場PERは参照せず、資本コスト8.5%、2036年事業ROE約16.6%、普通の堀ゆえ超過収益残存割合1/2を使用。RONIC=8.5%+0.5×(ROE−8.5%)=約12.6%と、2036年より先の名目成長g_long1.5%から、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=12.58倍。AI代替は現場以外の数量とgだけで反映し、PERを恣意的に割り引かない。
確率:前計画未達からの逆転が必要だが、現地施工の市場機会と保守の高採算化が同時に実現する余地はある。現実の施工需要に基づく上振れとして10%を与える。
やや楽観 18% 端末設置の伸びを保守の利益へ変える 利益 8 億円 · PER 12.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 5,479 円101 億円
水道メーターとクラウドカメラの更新需要を堅実に取り込み、IoTの年間設置・保守件数は230万件相当へ伸びる。全国対応の協力会社を維持し、案件管理の標準化によって外注費の上昇を一部吸収する。初回施工の顧客から保守・交換の追加受注が生まれ、単発の売上に依存しすぎない構造へ進む。
基地局の新設は成熟するが、設備の入れ替えと企業ネットワーク改修によって現地工事は現在より増える。一方、常駐技術者の人数はAIによる監視・報告自動化の影響で減少する。残った高度技術者の単価は上がるものの、人月売上の総額は縮むため、物理的な工事と保守の伸びが全社成長を支える。
新たな買収は小型で、相手先の顧客と施工網を統合できる範囲に抑える。BLASは社内の施工品質を高めるが、独立SaaSが2030年計画どおり急拡大するとの前提は採らない。営業利益率は過去の好調期を超えず、顧客からの継続受注が増える分だけ株主利益の質が改善する。
- IoT機器の設置・交換・現地保守:数量 2,300,000(年間設置・交換等価件数(件、会社の最新KPIではなく推計))× 価格 4,650(1等価件あたり工事・保守売上(円、保守相当分を含む))→ 売上 107 億円・営業利益 12 億円。現地施工230万件。価格はインフレをほぼ転嫁。
- 通信網・IT網の現地工事・保守:数量 9,500(年間現場案件相当数(件、推計))× 価格 405,000(1案件当たり工事・保守売上(円、推計))→ 売上 38 億円・営業利益 3 億円。更新と保守で現地案件を維持・増加。
- 常駐技術者・事務支援・BPO:数量 270(売上対象の年間稼働人員換算(人年、推計))× 価格 12,100,000(1人年の顧客請求売上(円、推計))→ 売上 33 億円・営業利益 3 億円。稼働人数は現在の0.79倍。AIで定型工程を代替。
- BLASなどの外販SaaS:数量 90.0(年契約の顧客相当数(契約、分析上の推計))× 価格 253,000(1年契約相当の売上(円、推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。席課金型の伸びを期待せず、契約相当数0.90倍。
倍率:今の市場PERは参照せず、資本コスト8.5%、2036年事業ROE約13.2%、普通の堀ゆえ超過収益残存割合1/2を使用。RONIC=8.5%+0.5×(ROE−8.5%)=約10.9%と、2036年より先の名目成長g_long1.5%から、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=12.31倍。AI代替は現場以外の数量とgだけで反映し、PERを恣意的に割り引かない。
確率:全国対応と施工の顧客基盤を生かし、現場案件が増える蓋然性はあるが、過去の受注残の変動と利益率未達がなお壁になる。
中立 31% 現場は伸び、常駐支援は縮む 利益 5 億円 · PER 11.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3,464 円64 億円
IoT機器の設置は全国で着実に増え、年間の設置・交換・保守件数が180万件相当へ拡大する。水道と電力のスマートメーターにカメラやセンサーの更新が加わるが、自治体予算と工事時期の波は残る。保守契約への転換は一部にとどまり、同じ機器を次々と設置する高成長期が終われば更新需要が中心になる。
通信キャリアの基地局工事は成熟し、ネットワークの現場案件数は現在より少なくなる。施工の単価は人件費上昇をおおむね転嫁するが、大手電気通信工事会社との競争が利益率を抑える。常駐・人月業務はAIエージェントに監視や報告を代替され、必要な稼働人数が現状の65%になる。請求単価の名目上昇は続いても、仕事の量の縮小を補えない。
BLASは現場の手戻りを減らす社内道具として役立つが、外販で大きな独占的利益を生まない。買収は補完的な小型案件に限られ、短期的なのれん償却と社員の研修負担が残る。全社営業利益率は6%前後まで回復するものの、2022年の最良期の高さには届かず、稼ぐ力はほどほどの水準へ落ち着く。
- IoT機器の設置・交換・現地保守:数量 1,800,000(年間設置・交換等価件数(件、会社の最新KPIではなく推計))× 価格 4,600(1等価件あたり工事・保守売上(円、保守相当分を含む))→ 売上 83 億円・営業利益 8 億円。実質件数2.25倍は水道・カメラ・交換案件で獲得。単価は1.32倍。
- 通信網・IT網の現地工事・保守:数量 7,600(年間現場案件相当数(件、推計))× 価格 390,000(1案件当たり工事・保守売上(円、推計))→ 売上 30 億円・営業利益 2 億円。件数0.95倍、単価1.30倍。物価分は名目価格に計上。
- 常駐技術者・事務支援・BPO:数量 221(売上対象の年間稼働人員換算(人年、推計))× 価格 12,200,000(1人年の顧客請求売上(円、推計))→ 売上 27 億円・営業利益 2 億円。AIエージェント代替の人月型。人数0.65倍(−35%)、単価1.29倍。
- BLASなどの外販SaaS:数量 80.0(年契約の顧客相当数(契約、分析上の推計))× 価格 253,000(1年契約相当の売上(円、推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替の画面型SaaS。契約相当数0.80倍、単価1.10倍。
倍率:今の市場PERは参照せず、資本コスト8.5%、2036年事業ROE約9.7%、普通の堀ゆえ超過収益残存割合1/2を使用。RONIC=8.5%+0.5×(ROE−8.5%)=約9.1%と、2036年より先の名目成長g_long1.5%から、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=11.93倍。AI代替は現場以外の数量とgだけで反映し、PERを恣意的に割り引かない。
確率:IoT設備の設置・更新需要は継続する一方、基地局の新設成熟とAIによる人月業務の縮小が同時に起きるとみる。会社計画の高利益率は無条件では織り込まない。
やや悲観 27% 工事競争と稼働人数縮小が重なる 利益 1 億円 · PER 9.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 813 円15 億円
水道・カメラの更新事業は進むが、大規模な自治体調達や電力会社の発注が競争入札に寄り、設置単価の上昇は鈍る。端末の現地設置は年間125万件相当となり、全国協力会社網の維持費を吸収しきれない案件も増える。コムシス、エクシオ、ミライト・ワンや地方事業者が小口施工の管理能力を高め、顧客は複数社に発注を分散する。
通信事業者の設備投資が抑制され、現場工事も今より減る。AIエージェントによる自動監視と帳票作成の普及で、常駐業務の稼働人員は55%まで縮む。残った専門業務の単価は一部上がるが、案件数の減少と管理費の固定化によって利益率は低くなる。
中期計画の利益目標は届かず、保守契約の継続率も期待ほど高くない。買収を大きくしないため財務危機には至らないが、無配方針のもとで株主に戻る現金は少ない。経営は生き残るものの、追加投資が資本コストを超える利益を生まない会社になる。
- IoT機器の設置・交換・現地保守:数量 1,250,000(年間設置・交換等価件数(件、会社の最新KPIではなく推計))× 価格 4,050(1等価件あたり工事・保守売上(円、保守相当分を含む))→ 売上 51 億円・営業利益 3 億円。等価件数1.56倍でも競争入札で単価の改善が鈍る。
- 通信網・IT網の現地工事・保守:数量 6,800(年間現場案件相当数(件、推計))× 価格 350,000(1案件当たり工事・保守売上(円、推計))→ 売上 24 億円・営業利益 1 億円。発注減と単価競争が併存。
- 常駐技術者・事務支援・BPO:数量 187(売上対象の年間稼働人員換算(人年、推計))× 価格 11,600,000(1人年の顧客請求売上(円、推計))→ 売上 22 億円・営業利益 1 億円。AI代替により人数0.55倍、価格は物価に届かない。
- BLASなどの外販SaaS:数量 70.0(年契約の顧客相当数(契約、分析上の推計))× 価格 240,000(1年契約相当の売上(円、推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。契約相当数0.70倍。管理画面はAIに置換される。
倍率:2036年ROEは3.6%で資本コスト8.5%未満。資本を増やしても超過価値は作れず稼ぐ力の上限は1/k=11.76倍。顧客離れと継続案件の弱体化が進む構造的な劣後状態なので、簿価ではなく弱くなった純利益の9.8倍を採用。売却資産の床7.2億円も上回る。
確率:下に寄せる理由:前計画のEBITDA達成率39%、非専属の協力会社、値上げ証拠の不足から利益率低迷を相応に重く見る。AIの数量減は中立に入っており確率で追加減点しない。
悲観 14% 管理の仲介機能を失い収益赤字が定着 利益 −3 億円 · PBR 0.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 391 円7 億円
設備更新は地域工事会社と通信大手が直接受注するようになり、ベイシスは全国の工事を束ねる立場を失う。スマートメーターの大型交換案件が終わり、IoT設置・保守の等価件数は55万件へ落ち込む。協力会社は専属ではないため、案件量が減れば関係が薄くなる。安値入札で残った工事は外注費を賄うのがやっとになる。
通信網の大型案件も一巡し、6Gの設備更新を競合へ取られる。AIエージェントがネットワーク監視、報告書、勤務配置、顧客応対を直接処理するため、常駐人員は現在の半分以下になる。BLASは社内管理には使われても、顧客のAIシステムとの連携に負け、外販契約も縮小する。
事業規模が半分近くになっても、本社の品質管理、賃料、基幹システムの費用は急には消えない。過去の買収に伴う顧客関連資産やのれんの価値を見直し、営業赤字が続く。債務を直ちに返せないほどの倒産は想定しないが、稼ぐ力には値を付けず、現金と回収可能な債権を中心とした売却価値だけが残る。
- IoT機器の設置・交換・現地保守:数量 550,000(年間設置・交換等価件数(件、会社の最新KPIではなく推計))× 価格 3,400(1等価件あたり工事・保守売上(円、保守相当分を含む))→ 売上 19 億円・営業利益 0 億円。大型設備更新が一巡し、工事件数自体が減る。
- 通信網・IT網の現地工事・保守:数量 4,700(年間現場案件相当数(件、推計))× 価格 285,000(1案件当たり工事・保守売上(円、推計))→ 売上 13 億円・営業利益 0 億円。基地局案件を大手や地域施工業者に奪われる。
- 常駐技術者・事務支援・BPO:数量 140(売上対象の年間稼働人員換算(人年、推計))× 価格 9,447,059(1人年の顧客請求売上(円、推計))→ 売上 13 億円・営業利益 0 億円。自動化と内製化が進み人員0.41倍、単価据え置き。
- BLASなどの外販SaaS:数量 50.0(年契約の顧客相当数(契約、分析上の推計))× 価格 200,000(1年契約相当の売上(円、推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。顧客が独自AI管理へ移り、契約相当数が半減。
倍率:2036年は営業赤字のためPERによる稼ぐ力はゼロ以下。今の2026/06自己資本21.2億円に、現金・回収可能な売掛金・処分可能な資産のみから求めた床の0.33962倍を適用。全ての負債と、のれん・顧客関係資産など換金不能な資産は床から控除して7.2億円とする。2036年の自己資本14.0億円にPBRを掛けた数字ではない。
確率:人材紹介・管理の仲介機能が失われ、現地工事も直接発注に移る二重の競争敗北は低頻度だが、非専属の施工網と低利益率を踏まえ無視しない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
IoT機器の設置・交換・現地保守
スマートメーター、カメラ、センサーなどの現地施工と交換・現地保守。設置後の保守売上を設置作業相当に換算する。
| 数量年間設置・交換等価件数(件、会社の最新KPIではなく推計) | 価格1等価件あたり工事・保守売上(円、保守相当分を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 800,000 | 3,488 | 28 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1,800,000 | 4,600 | 83 | 8 |
取り方:会社の2026年管理区分IoT売上2,790百万円。数量は2023年6月期の旧KPI『年間80万台』という実績を2026年の作業等価件数に仮置きした推計で、2026年の実設置台数の開示ではない。2025年には台数KPIが廃止され、設置・保守・設定・その他の混合売上である。売上2,790百万円÷80万件=3,487.5円/等価件。現場の体なのでAI代替の人月型数量制限をそのまま適用しない。営業利益配賦は開示されず推計。資料:https://edinetdb.jp/company/E36659/text?fy=2025 および https://japanir.jp/wp-content/uploads/2026/09/4068-20260924-03.pdf
通信網・IT網の現地工事・保守
基地局や企業ネットワークの設備設計、改修、故障復旧など、人が現場に出る業務。
| 数量年間現場案件相当数(件、推計) | 価格1案件当たり工事・保守売上(円、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 8,000 | 300,000 | 24 | 1 |
| 10 年後 中立 | 7,600 | 390,000 | 30 | 2 |
取り方:新管理区分ネットワーク56.12億円のうち、現地作業型を24.00億円と推定した。実際の工事件数と現場・常駐売上の内訳は非開示のため、現地1案件相当30万円で年間8,000件とする分析用の等価数量であり会社発表の案件数ではない。ネットワーク計画・通信事業者市場規模は2026年有報に依拠。固定の現地作業はAIで省人化しても需要が消えない。営業利益は非開示配賦。
常駐技術者・事務支援・BPO
顧客先での技術者常駐、運用監視の定型作業、業務支援、派遣子会社の人材提供など。
| 数量売上対象の年間稼働人員換算(人年、推計) | 価格1人年の顧客請求売上(円、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 340 | 9,447,059 | 32 | 3 |
| 10 年後 中立 | 221 | 12,200,000 | 27 | 2 |
取り方:新管理区分ネットワーク56.12億円から現場24.00億円を引いた32.12億円を、人月・常駐・BPO型の推定売上とした。親会社と派遣子会社の従業員合計560人、現場パートナーを含む稼働状況を踏まえて年340人相当と仮定し、単価は32.12億円÷340人=約944.7万円/人年。内訳とFTEは未開示で、会計区分ではない。AIエージェント代替の人月型:中立の数量は現状の0.65倍、価格は1.29倍以内、長期gは名目0%。営業利益配賦は推計。
BLASなどの外販SaaS
工事の進捗、施工品質、報告書、案件データを管理するクラウドツールなどの外部販売。
| 数量年契約の顧客相当数(契約、分析上の推計) | 価格1年契約相当の売上(円、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 100 | 230,000 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 80.0 | 253,000 | 0 | 0 |
取り方:会社の2026年SaaS売上23百万円を使用。契約数・ID課金別売上は未公表であり、100契約相当×年23万円は実際の契約数を示さない分析上の仮定。2030年計画の5.20億円を将来の既成事実とせず、画面中心SaaSのAIエージェント代替を適用し、中立数量0.80倍、価格1.10倍、長期gは0%以下とする。営業利益配賦も推計。
リスクと懸念
AIエージェント代替と人月売上の縮小
常駐技術者、監視、報告書作成、配員、BPOは、人が工数を掛けるほど売上が増える収益源である。AIエージェントが発注側で業務を直接遂行すれば、客先に必要な人数が減り、残る作業も成果報酬に切り替わる。中立で稼働人数35%減を既に織り込み、さらに速い置き換えを下側の筋書きで見る。
全国パートナー網の非専属性
協力会社545社という数は優位だが、契約で専属化されたネットワークではない。大手工事会社や設備メーカーが発注と検査を内製化したり、施工員を直接囲い込んだりすれば、中間管理会社としての手数料が薄くなる。価格を引き上げても顧客が離れないという実績はまだ開示で確認できない。
中期計画と稼働採算の未達
2026年6月期には前中期計画の売上96.12億円に対し実績84.27億円、EBITDA目標7.53億円に対し実績2.94億円だった。新計画は2030年に営業利益12.48億円を掲げるが、単発工事を継続保守へ変えなければ規模拡大だけで利益率は改善しない。施工一件ごとの粗利益と管理工数を確認したい。
設備更新の谷と入札価格
水道メーター、電力設備、監視カメラは長く必要だが、普及の初期工事と次の一斉更新の間には空白ができる。国・自治体の予算、メーカーの納期、通信事業者の設備投資削減が同時に起きれば案件が減る。外注費と事務所賃料はすぐ減らせず、案件単価の値下がりが営業利益に大きく効く。
M&A・希薄化と少数株主への還元
買収した派遣・施工会社の利益が資本コストに届かなければ、買収による売上成長は株主価値を増やさない。2025年に付与した新株予約権は最大98,900株、既存株数の約5.4%相当に達し、業績条件の達成時ほど株主の取り分が薄まる。無配で買収投資を優先する資本配分にも継続的な監視が必要だ。
運転資金、資産価値、上場維持基準
受注が伸びるほど売掛金・契約資産の回収待ちと外注先への支払いが増える。期末の純現金3.6億円をそのまま余剰資金と見ることはできない。また会社は2030年の時価総額100億円を上場維持のための経営目標に掲げるが、これは市場評価の約束ではない。達成できなければ将来の市場区分や上場維持策を検討する必要がある。
今後の分かれ目
- IoT新管理区分の粗利益率と保守・運用の継続売上比率が2年以上連続して上がったら
- 単発施工を保守へ転換できた証拠になる。IoT等価作業件数と単価、利益率の持続性を上方に見直し、やや楽観の確率を増やす。
- 実施工台数・等価案件数、単価、顧客別継続率を会社が再び数量KPIとして公表したら
- 旧2023年の年間80万台から推定した数量モデルを実績で置き換え、管理区分再編による見かけの成長を取り除く。
- 2030年計画の売上144.61億円と営業利益12.48億円に向けて、営業利益率が実際に8%近く定着したら
- 粗利益と管理費率の改善が確認できれば中立の事業利益と増分資本利益率を上方修正する。目標の発表だけでは修正しない。
- 常駐人員の稼働数が減る一方で、人材単価と現場作業の粗利益も維持できなくなったら
- AIエージェント代替と競争入札が想定以上に進んだと判断する。人月部分の数量・価格を下げ、やや悲観以下の確率を増やす。
- BLAS外販の解約率5%未満、規制対応を理由とした継続値上げ、移行に1年以上要する事例のうち2つ以上が開示されたら
- その契約で強い切替費用の堀を認め、SaaS部分だけを『記録の正本』型へ変更できる。会社全体に証拠を横滑りさせない。
- 買収で純有利子負債/調整後EBITDAが2.5倍を超え、買収事業の営業利益率も低迷したら
- 買収費と借り換え金利の負担を純利益に反映し、過剰投資と将来の株式発行に関する悲観シナリオを重くする。
見ておくもの
- 2027年以降のIoT・ネットワーク・SaaS別の売上と粗利益率、区分変更後の前年同基準比較
- IoTの年間新設・交換・保守等価件数、1件当たり売上、保守契約継続率の開示有無
- 全国協力会社545社を起点とする稼働会社数と自社・パートナーの作業品質、手戻り率
- 常駐人員・BPO売上の推移、AIエージェント導入による契約工数の減少
- 2030計画の営業利益12.48億円、調整後EBITDA13.48億円への進捗と買収のれん
- 営業キャッシュフローと売掛金・契約資産・仕掛品、借入残高、還元実行額
- 第4回・第5回新株予約権の2028〜2032年の権利行使状況と希薄化
- 2030年の東証グロース時価総額100億円に向けた上場維持方針の変化
倍率と資本コストの決め方
現在の株価や他社のPERを売上・利益・倍率の算定に使わない。IoTの旧年間80万台という実績を2026年の等価件数と仮置きしたこと、ネットワーク56.12億円の現場24.00億円・人月32.12億円への分析用分割は非開示の推定であることを明記した。数量は物価を含まない実質作業件数、単価は名目とし、AIエージェント代替は人月・SaaSの10年数量と長期gにだけ反映した。中立の常駐人数0.65倍とSaaS契約0.80倍を、寿命の資本コストに重ねていない。上側の正当化PERは2036年のROE・資本コスト8.5%・長期成長1.5%から算出し、人為的な上限割引をしない。悲観は過去のPBRの底を使わず、帳簿上ののれん等を除く売却可能資産の床7.2億円を守った。2027年4月以降に始まる期の新リース会計適用による表示替えがあっても、10年後は家賃を営業費用に含める比較可能な利益で測る。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%と株式プレミアム4.5%を合計した7.5%に、過去の利益変動と値決め力の弱さを合わせた1%を加算する。