結論
コラボスは、企業のコールセンターに電話交換機と顧客管理システムを月額課金で貸す会社である。筆者の結論は「割高」だ。10年保有を想定した現在の本質価値は約9.0億円で、基準時価総額17.55億円を約49%下回る。主力商品の利用席数が縮む一方、新製品の売上増加が利益の増加につながるかは、まだ見届ける必要がある。
売上の半分以上を占める「@nyplace」は、2026年3月期に売上が約2割減った。2027年3月期第1四半期には課金席数が前年同期比約3割減り、既存顧客の縮小と新製品への切り替えが同時に起きている。「VLOOM」は課金回線数を増やし、音声認識やAIによる自動応対も商品に組み込んだ。しかし、人が扱う席と電話の同時接続回線は別の商品単位であり、置き換え後の採算まで同じとは限らない。
手元の純現金約12.3億円は大きな安全弁だが、借入金だけでなくリースとサービス継続費用も引いた余剰部分は限られる。前の中期計画は2026年の売上目標31億円に対し実績約17億円だった。新計画は2029年に売上20億円、営業利益1億円を掲げるものの、2026年10月23日の開示ではVLOOM案件の後ろ倒しで中間売上予想が下がった。価格ではなく、顧客数と更新後の利益率の実証を優先したい。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の見方では、まず10年後にも顧客がお金を払う理由を問う。企業に電話がかかり、その通話を安全につなぎ記録する仕組みは残るだろう。だが、応対担当者が画面を開く回数や必要な席数まで守られるわけではない。コラボスの売上の大半は、今なおそうした席や利用チャネルに結びついており、AIが便利になるほど同じ顧客から受け取る金額が減るおそれがある。
オーナー利益は会計上の純利益より厳しく見る。回線費用、データセンターの更新、機能開発、顧客の切り替え支援に毎年お金が要る。2026年3月期の最終利益は約1億円だったが、一過性の戻入れや税効果を取り去った出発点は翌期会社予想の約0.5億円が近い。新製品の販売費用も増やすなかで、投じた1円が資本コストを超える利益を生むかが、複利の分かれ目になる。
現金の厚さは確かな魅力である。ただし純現金約12.3億円のすべてが自由に配れるお金ではなく、金融リースや数か月分のサービス運営費用を考える必要がある。資産を安く買っても、残った現金が低採算の開発費や補助金のような優待に流れ続ければ、少数株主の価値は増えない。
現時点で信じられる堀は、電話基盤の顧客移行の難しさという限定的なものだ。それに恒常的な値上げ力やネットワーク効果まで乗せる材料はない。VLOOMの回線数増加が高い粗利と継続的な受注につながり、還元に回すお金も増えて初めて、強気の長期保有が合理的になる。現在は安全域よりも、転換に伴う不確実性が目立つ。
何で稼ぐ会社か
収益源は一つの報告セグメントである「クラウドサービス事業」だが、中身は性格の違う六つの製品群に分かれる。電話の交換・振り分けを担う「@nyplace」は2026年3月期に約9.20億円を売り、主にオペレーターの席数と通信利用で課金する。旧来のPBX技術を基にするため、顧客の業務に深く入り込む一方、相手の人員削減がそのまま席数の減少につながる。
「COLLABOS PHONE」はクラウド電話を同時接続チャネル単位で提供し、年約3.82億円を稼ぐ。「COLLABOS CRM」と営業発信向けの「Outbound Edition」は、それぞれ約0.87億円と0.36億円で、顧客情報の閲覧や応対記録を行うID課金が中心だ。導入後には設定変更や通話連携の費用も入るが、システム上で人が画面を操作する仕事には、AIエージェントによる代替圧力がかかる。
成長の希望は、自社開発の電話基盤「VLOOM」と、分析ツール「UZ」、マーケティング向け「GOLDEN LIST」「GROWCE」である。VLOOMの売上は約1.16億円と前年の約2倍になり、回線数は増えている。人ごとのIDではなく同時接続回線で課金し、音声認識・要約・自動応対を付ける点が旧製品と異なる。分析などの付加サービスは合計約1.58億円を売るが、個別商品の契約数や継続課金比率は非開示だ。
主要顧客はBPO事業者、通販・金融などの顧客対応部門や自治体で、コラボス自身が電話応対スタッフを大量派遣して利益を稼ぐ形ではない。月額利用料に通信費、導入設定などが重なるため、公表メニュー単価と決算上の1席・1回線あたり売上は一致しない。数量と価格は製品ごとに分けて見ないと、縮んだ席数を値上げや新製品が補ったかを見誤る。
優良さと弱いところ
既存顧客のシステムに組み込まれていることは強みだ。電話番号の運用、着信振り分け、応対履歴との連携を切り替えるには試験や教育が必要で、障害を嫌う顧客は容易には移らない。2026年までに「@nyplace」の基盤更新も進め、維持管理費を圧縮して減収下でも黒字を守った。電話の通話経路そのものは、AIが応対する時代にもなくなりにくい。
ただし、強い堀を示す公開証拠は足りない。全社の年間解約率が5%未満といった数字、法改正ごとの継続的な値上げ、独自データを他社が再現できない証拠はいずれも確認できない。特定顧客の業務縮小で主力の売上が落ち、顧客自身がVLOOMへ乗り換えている事実は、製品間で既存収入が食い合う脆さも示す。顧客に必要な電話基盤を持つことと、価格を自由に決められることは別である。
収益の履歴は資本効率の弱さを語る。かつて営業利益率は15%を超えたが、直近は4%台である。2024年3月期には大幅損失を計上し、その後も利益回復は限定的だ。2026年3月期の純利益には新株予約権戻入益など一時的な押し上げがあるため、経常的な稼ぎをそのまま高く評価できない。
新しいVLOOMは売上が増えているが、2027年3月期第1四半期の直接原価を差し引いた粗利率は約20%にとどまる。ここから開発費や営業人員の費用を負担するため、追加投資の利回りが資本コストを超えたとはまだ言えない。純現金を維持しつつ、小さな開発投資が利益を生むかを順番に確かめる会社である。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
顧客対応システムの需要そのものは消えない。人手不足は、通話録音、音声認識、FAQ検索、自動応対の導入を促す。コラボスの新中計が引用する調査では、国内クラウド型CRM市場は2026年度予想の約7,518億円から2029年度の約1兆448億円へ広がる。ただしこれは一般的なCRMも含む広い市場で、コラボスの電話・応対システムだけの売上機会ではない。
電話系の比較にはクラウドPBX市場が近い。外部の競合資料は国内市場を2026年に約420億円と推計するが、通常の企業内電話まで含まれる。仮に同社の三つの電話製品の年商約14.2億円と比べれば3%台だが、両者の品目・年次は一致せず、正式なシェアとは呼べない。クラウド型コンタクトセンターに対象を絞った会社別の最新シェアは確認できず、競争位置は売上規模と導入数から慎重に考えるほかない。
競争相手は国内のNEC、NTT系サービス、テクマトリックスなどに加え、Amazon Connect、Genesys Cloud CX、NICE CXoneといった国際的な基盤である。大手は音声、チャット、顧客記録、AIを一体で提供でき、既存電話の席課金に値下げ圧力をかける。既存の委託コールセンター市場が大きくても、その委託費用全体がコラボスの獲得可能なソフト売上になるわけではない。
10年後の争点は、電話回線の利用量と人の席数が同じ方向に動くかどうかだ。AIエージェントが通話を処理すれば、人の席は減っても接続と録音の基盤は残りうる。反対に、顧客がAmazonなどの通話APIとAIを直接組み合わせれば、基盤まで飛び越される。中立では既存のID・席数が約2~3割縮み、VLOOMの同時接続回線が増えるとみるが、売上の単価は物価3%ほど上がらない。用途と請求単位の違いが将来の差を生む。
資本政策と M&A
資本配分では、言葉より計画の達成率を重視したい。2023年に示した前中計は2026年3月期売上31億円を目指したが、実際は約17億円だった。新サービスの開発を進めても、古い大口契約の減少を埋め切れなかったためだ。2024年3月期には赤字と純資産の目減りも経験している。大型買収による急拡大より自社サービスへの投資が中心だが、再投資の成果は十分とは言えない。
2026年6月公表の新中計は2029年3月期売上20億円、営業利益1億円、売上営業利益率5%を目標にする。2027年と2029年の図示計画には、それぞれ開発投資約0.5億円、株主還元約0.5億円が盛り込まれ、人への投資は約0.9億円から1.2億円へ増える。ROE、DOE、配当性向、総還元性向の拘束的な数値目標や自社株買い総額については数字の約束がない。
2026年3月期から配当と長期保有者向けデジタルギフトを始めた。配当は年約0.28億円、優待の費用見込みは約0.20億円で、現時点の還元規模は合わせて年約0.48億円となる。過去5年の厚い増配や大きな自社株買いの実績は乏しいため、余剰現金が帳簿どおり全額株主へ戻るとは考えず、回収可能性を4分の3と評価する。創業経営陣の持株は大きいが、未発表のMBOや買収価格を価値に足さない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
コールセンターがAI化しても、顧客からの電話が途絶えるわけではない。人の応対時間が減っても、着信の接続、本人確認、録音、音声の文字化、問い合わせ内容の保存は必要だ。「VLOOM」はIDではなく同時接続チャネルを課金単位とし、すでに実売上を前年の約2倍に増やしている。2027年3月期第1四半期の平均チャネル数も前年同期から5割以上増え、会社が単なる構想を語っている段階ではなくなった。
国内のクラウド型CRM市場は成長しており、同社の規模は市場全体から見れば小さい。Amazon ConnectやGenesysなどが大手案件を取るとしても、国内の運用習慣に合わせて細かな支援を行う小型企業には商機が残る。既存「@nyplace」利用者のVLOOM移行が円滑に進み、他社の電話基盤からの乗り換えも増えれば、保守費用の重い旧基盤を整理しながら回線売上を積み上げられる。顧客企業への直接営業とパートナー販売がともに効けば、大型買収に頼らなくても売上を伸ばせる。
経営陣には費用削減の実績もある。2026年3月期にはデータセンターのラックや回線を整理し、売上が減っても営業利益をほぼ維持した。自己資本比率は8割を超え、短期的に赤字が出ても投資を続けられる。2029年中計の営業利益1億円はむしろ低い目標であり、VLOOMの規模が十分に大きくなれば利益率が再び二桁へ向かう余地がある。配当と優待に加えて資本効率を意識した自社株買いが実行されれば、現金の評価も上がる。
慎重な見方
直近の数字は既存事業の減速の深さを示す。「@nyplace」の年商は1年で約2割減り、2027年3月期第1四半期の平均課金席数は約3割減少した。新製品の増収は見栄えが良いが、旧製品からの乗り換えも含むので、全社売上は2026年3月期に前年比1割以上落ちた。2023年に掲げた2026年売上31億円という目標はほぼ半分しか実現していない。計画が毎回新製品の普及を楽観し、既存顧客の撤退を見落とすなら、次の計画も額面どおりには受け取れない。
VLOOMは大きく伸びても、通信料やクラウド設備の原価を伴う。2027年3月期第1四半期の直接粗利率は約2割で、これから営業や開発の費用を払わなければならない。AIエージェントが人の席を減らすほど、ID課金のCRMや分析画面の利用は減る。AIモデルと電話APIを接続できるAmazonや大規模クラウド企業が一括して提供すれば、コラボスの顧客基盤が離れなくても単価は下がる。録音と個人情報を扱う負担や障害対応費だけが残る可能性もある。
2026年10月23日には新規VLOOM案件の後ずれを理由に中間売上予想を引き下げた。営業利益の上方修正は、通信原価や採用費の発生が先送りされた面が大きい。財務には現金があるが、金融リースの支払いもあり、固定費の高い時期に赤字が続けば少しずつ失われる。2024年3月期の純損失約8億円は、資産価値が必ずしも帳簿どおり残らないことを思い出させる。配当と優待だけを理由に、低い事業ROEと不確かな新製品の利益を見逃すべきではない。
どちらに重みを置いたか
上向きの根拠は、VLOOMの実際のチャネル増加と純現金の厚さにある。しかし古い席数の減少が速く、新製品の粗利率と受注時期が不安定で、前中期計画の大幅未達も重い。したがって楽観とやや楽観の合計28%に対し、やや悲観と悲観を42%とする。下に寄せるのはAIを機械的に二重計上するためではなく、顧客移行の損失と投資回収の不確実性が同時に見えているからだ。10年後の事業価値に還元を足して現在に割り引くと、基準時価総額には大きく届かない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 303 円14 億円(+ 還元の換算額還元の合計 80 円4 億円)。 今の値に割り戻すと 199 円9 億円、今との差 −46.4%、 期待の年率 +0.4%(資本コスト 7.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 765 円36 億円 | 155 円7 億円 | +147.9% | +10.7% | 83 円4 億円 |
| やや楽観 | 19% | 447 円21 億円 | 118 円6 億円 | +52.4% | +4.9% | 107 円5 億円 |
| 中立 | 30% | 229 円11 億円 | 95 円4 億円 | −12.8% | −1.6% | 97 円5 億円 |
| やや悲観 | 27% | 203 円9 億円 | 49 円2 億円 | −32.1% | −4.2% | 68 円3 億円 |
| 悲観 | 15% | 172 円8 億円 | 14 円1 億円 | −49.9% | −6.9% | 28 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 303 円14 億円 | 80 円4 億円 | +3.3% | +0.4% | 383 円18 億円 |
今の株価時価総額 371 円17 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 旧基盤を整理し、VLOOMが他社顧客を取る 利益 2 億円 · PER 12.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 765 円36 億円
既存商品の減少に歯止めがかかり、会社は移行支援を通じて旧顧客の大半をつなぎ止める。@nyplaceの課金席数は現状よりわずかに減る程度で、基盤の更新や高機能オプションによって実効単価を引き上げる。CRMはAIが単純入力を代行するためIDの増加は期待せず、移行費や設定収入で採算を保つ。新規の大型顧客は、他社のクラウド電話基盤からVLOOMに切り替わる。
VLOOMは1万社単位の顧客を取る必要はない。顧客企業ごとの同時接続回線が増え、回線数は5,500へ伸びる。通信を継続利用する基盤の役割を残しつつ、音声認識と要約をセットで使える利便性が販売を助ける。ただしAI機能単独の売上は確認できていないため、未開示のAI追加料金は計上しない。分析商品の換算契約数も増やさない。
売上が24億円強に回復する過程で、旧データセンターの撤退と新基盤の規模拡大が重なり、VLOOMの回線粗利率も大きく改善する。自前開発が通信・クラウド原価の節約につながり、営業利益は過去の好調期を上回る。経営陣は事業に必要な費用を確保したうえで利益の一部を還元し、保有現金を大幅に毀損しない。競合は強いままだが、小さな市場シェアの上積みが大きな利益を生む。
- @nyplace:数量 3,600(課金席数(期中平均の席))× 価格 21,500(1席あたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。旧来の課金席数。大口契約縮小とAI応対に伴う実質数量の増減、月額実効単価は別評価。
- COLLABOS PHONE:数量 2,200(同時接続チャネル数(期中平均))× 価格 14,900(1チャネルあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。同時接続回線。VLOOMへの社内移行と旧電話を希望する顧客の残存を考慮。
- COLLABOS CRM:数量 1,100(課金ID数(期中平均))× 価格 6,600(1IDあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。着信画面の課金ID。人の画面操作をAIが置き換えるため数量は弱含み。
- COLLABOS CRM Outbound Edition:数量 470(課金ID数(期中平均))× 価格 6,300(1IDあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。発信オペレーターID。自動発信・生成AIの置き換えで数量が縮小。
- VLOOM:数量 5,500(同時接続チャネル数(期中平均))× 価格 12,000(1チャネルあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。電話接続チャネルの販売数量。IDではなく商用回線として既存受注を起点に推計。
- UZ・GROWCE・GOLDEN LISTなど付加サービス:数量 110(UZ月12万円換算の年間契約数(実際の契約社数ではない))× 価格 132,000(換算契約あたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。UZ月12万円換算の数量であり実契約ではない。AI分析の置き換えを考慮。
倍率:予想ROE 11.34%、k 7.75%、堀は弱いので資本コストを上回る部分の残存率1/3。長期gは名目マイナス0.5%とし、RONIC=k+1/3×(ROE−k)、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)を適用する。ROE≦kの場合は上限1÷(k−g)とする。純利益から余剰現金5.5億円の税後想定利息0.077億円を除きPERを掛け、余剰現金の回収可能価値5.5×0.75=4.125億円を別に足す。過去・現在の市場PERには依拠しない。
確率:2016年以降の最高利益率へ回復するには他社からの回線獲得に加え、VLOOMの現在約20%という粗利率の大幅改善が必要だ。達成余地はあるが、旧商品減収の実績と投資回収の不確実性から9%に限る。
やや楽観 19% 新旧交代が進み、売上の横ばい圏を脱す 利益 1 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 447 円21 億円
旧商品の顧客が減り続けるものの、受託業務を大きく縮小していた顧客の契約が一巡する。@nyplaceは3,250席、従来型PHONEは2,000チャネルほどまで減る一方、契約延長に伴う通信利用料や上位機能の利用が単価を支える。COLLABOS CRMのID数も減少するが、既存顧客のシステム連携を守り、急激な全面移行を避ける。
VLOOMは外部からの新規案件を取り込み、年平均3,600チャネル程度まで積み上がる。音声認識やAI自動応対の機能が導入のきっかけにはなるが、価格に織り込むのは確認できる電話接続の利用料であり、未開示のAI別料金は頼りにしない。分析サービスは画面操作の省力化を受け、換算契約数が小幅に減る。
電話の基本機能への需要は維持され、売上は約19億円と2026年実績を超える。ただし開発投資や通話料金の負担が残り、過去の営業利益率16%に戻るわけではない。2029年中計の利益目標を上回る程度の黒字となり、配当と優待が継続する。強い独占ではないため、増えた利益を何度も高利回りで再投資できるとは考えない。
- @nyplace:数量 3,250(課金席数(期中平均の席))× 価格 21,200(1席あたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。旧来の課金席数。大口契約縮小とAI応対に伴う実質数量の増減、月額実効単価は別評価。
- COLLABOS PHONE:数量 2,000(同時接続チャネル数(期中平均))× 価格 14,000(1チャネルあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。同時接続回線。VLOOMへの社内移行と旧電話を希望する顧客の残存を考慮。
- COLLABOS CRM:数量 1,050(課金ID数(期中平均))× 価格 6,350(1IDあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。着信画面の課金ID。人の画面操作をAIが置き換えるため数量は弱含み。
- COLLABOS CRM Outbound Edition:数量 450(課金ID数(期中平均))× 価格 6,150(1IDあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。発信オペレーターID。自動発信・生成AIの置き換えで数量が縮小。
- VLOOM:数量 3,600(同時接続チャネル数(期中平均))× 価格 11,650(1チャネルあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。電話接続チャネルの販売数量。IDではなく商用回線として既存受注を起点に推計。
- UZ・GROWCE・GOLDEN LISTなど付加サービス:数量 105(UZ月12万円換算の年間契約数(実際の契約社数ではない))× 価格 130,000(換算契約あたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。UZ月12万円換算の数量であり実契約ではない。AI分析の置き換えを考慮。
倍率:予想ROE 7.77%、k 7.75%、堀は弱いので資本コストを上回る部分の残存率1/3。長期gは名目マイナス0.5%とし、RONIC=k+1/3×(ROE−k)、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)を適用する。ROE≦kの場合は上限1÷(k−g)とする。純利益から余剰現金5.5億円の税後想定利息0.077億円を除きPERを掛け、余剰現金の回収可能価値5.5×0.75=4.125億円を別に足す。過去・現在の市場PERには依拠しない。
確率:VLOOMの回線数増加とデータセンター再編には実績があり、限定的な成長は十分ありうる。ただし旧席数の減少が止まった証拠も新製品の十分な粗利もなく、上側の主筋として19%にする。
中立 30% VLOOMの成長が旧席課金の減少を一部補う 利益 1 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 229 円11 億円
顧客の業務縮小とAIエージェントの普及で、人が座る応対席はさらに減る。@nyplaceの平均課金席数は3,000席となり、CRMは950ID、発信向けCRMは400IDまで細る。数量の減少は基盤の業務停止を意味せず、顧客は必要な電話と履歴保存を使い続ける。値上げは顧客が一部認めるものの、単価の上昇は10年の物価累計約34%に届かない。
VLOOMは現在の顧客基盤から約2,300チャネルまで広がり、旧製品からの移行だけでなく新規案件も少しずつ取る。電話接続の課金は席数とは異なるため、AI利用が増えても全てが失われるわけではない。一方、Amazon ConnectやGenesysなどとの競争で利用単価はほぼ横ばいだ。分析やマーケティング商品もAIによる置き換えが進み、実質の契約量は減少する。
売上は10年後に約16億円となり、会社の2029年目標20億円を持続的な到達水準とは見なさない。コスト削減を続けて全社の営業利益率は約5%を確保するが、純利益は約0.57億円にとどまる。配当と優待は利益に見合う規模で続く。自己資本が少しずつ積み上がる結果、ROEは資本コストを下回り、内部留保による長期的な価値創造は限定的になる。
- @nyplace:数量 3,000(課金席数(期中平均の席))× 価格 20,200(1席あたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。旧来の課金席数。大口契約縮小とAI応対に伴う実質数量の増減、月額実効単価は別評価。
- COLLABOS PHONE:数量 1,850(同時接続チャネル数(期中平均))× 価格 13,500(1チャネルあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。同時接続回線。VLOOMへの社内移行と旧電話を希望する顧客の残存を考慮。
- COLLABOS CRM:数量 950(課金ID数(期中平均))× 価格 6,300(1IDあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。着信画面の課金ID。人の画面操作をAIが置き換えるため数量は弱含み。
- COLLABOS CRM Outbound Edition:数量 400(課金ID数(期中平均))× 価格 6,050(1IDあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。発信オペレーターID。自動発信・生成AIの置き換えで数量が縮小。
- VLOOM:数量 2,300(同時接続チャネル数(期中平均))× 価格 11,550(1チャネルあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。電話接続チャネルの販売数量。IDではなく商用回線として既存受注を起点に推計。
- UZ・GROWCE・GOLDEN LISTなど付加サービス:数量 95.0(UZ月12万円換算の年間契約数(実際の契約社数ではない))× 価格 130,000(換算契約あたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。UZ月12万円換算の数量であり実契約ではない。AI分析の置き換えを考慮。
倍率:予想ROE 3.90%、k 7.75%、堀は弱いので資本コストを上回る部分の残存率1/3。長期gは名目マイナス0.5%とし、RONIC=k+1/3×(ROE−k)、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)を適用する。ROE≦kの場合は上限1÷(k−g)とする。純利益から余剰現金5.5億円の税後想定利息0.077億円を除きPERを掛け、余剰現金の回収可能価値5.5×0.75=4.125億円を別に足す。過去・現在の市場PERには依拠しない。
確率:足元で判明している旧席数の減少、新電話基盤の課金回線増加、新中計の営業利益率5%程度を同時に織り込む中心筋書きである。大幅な新規シェア獲得や高いAI追加料金は証明されていないため採用しない。
やや悲観 27% 電話基盤は残るが、追加投資の利益が細る 利益 0 億円 · PBR 0.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 203 円9 億円
大口顧客は応対業務をAIに置き換え、従来の電話席とCRM利用者数を段階的に減らす。@nyplaceは2,830席、COLLABOS PHONEは1,716チャネル、CRMは872IDへ縮む。既存の電話番号と録音環境はまだ使われるが、値段を上げるほど他社クラウドへの乗り換えが増えるため、実効価格はほぼ横ばいにとどまる。
VLOOMは旧商品からの置き換えこそあるものの、新規の大型案件を得る競争でAmazon Connectなどに押される。平均1,000チャネル程度で成長が止まり、必要なクラウド通信費を賄うだけで、十分な開発利益が残らない。分析製品も顧客の社内AIによって利用範囲が狭まる。既存顧客のシステム移行作業が売上を支えるが、件数が増えても利益には結びつきにくい。
売上は約12億円に縮み、全社営業利益はわずかな黒字となる。配当と優待は利益と財務の状況に応じて圧縮され、設備や移行対応に現金も使われる。会計上の利益が極めて小さいので、事業だけの収益価値より、経過期間中に残る清算可能資産を重視する。ただし顧客の前受金やリース契約を無視して現在の純現金を全額残すとは考えない。
- @nyplace:数量 2,830(課金席数(期中平均の席))× 価格 19,000(1席あたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。旧来の課金席数。大口契約縮小とAI応対に伴う実質数量の増減、月額実効単価は別評価。
- COLLABOS PHONE:数量 1,716(同時接続チャネル数(期中平均))× 価格 13,000(1チャネルあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。同時接続回線。VLOOMへの社内移行と旧電話を希望する顧客の残存を考慮。
- COLLABOS CRM:数量 872(課金ID数(期中平均))× 価格 5,830(1IDあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。着信画面の課金ID。人の画面操作をAIが置き換えるため数量は弱含み。
- COLLABOS CRM Outbound Edition:数量 375(課金ID数(期中平均))× 価格 5,600(1IDあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。発信オペレーターID。自動発信・生成AIの置き換えで数量が縮小。
- VLOOM:数量 1,000(同時接続チャネル数(期中平均))× 価格 10,000(1チャネルあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。電話接続チャネルの販売数量。IDではなく商用回線として既存受注を起点に推計。
- UZ・GROWCE・GOLDEN LISTなど付加サービス:数量 85.0(UZ月12万円換算の年間契約数(実際の契約社数ではない))× 価格 120,000(換算契約あたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。UZ月12万円換算の数量であり実契約ではない。AI分析の置き換えを考慮。
倍率:営業利益がほぼ消えるためPERの上限を稼ぐ力に当てず、現在の自己資本約13.6億円と2036年に清算可能と見込む資産を比較する。純現金12.3億円はリース約1.06億円、配当・優待や継続開発投資、契約終了費用等の10年間の流出後に全額残るとは限らず、清算回収額を9.4億円とする。過去の株価PBRを根拠にしない。
確率:下に寄せる理由:@nyplaceの最新四半期課金席数が前年同期比約3割減り、VLOOMの大型案件も2026年10月に後ずれした。旧顧客の撤退と移行先製品の低粗利が重なる可能性を無視できない。
悲観 15% AIと競合に挟まれ、旧基盤から撤退を迫られる 利益 −1 億円 · PBR 0.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 172 円8 億円
AIエージェントによる自動応対が普及し、電話の着信自体は残っても人が利用する席と画面が不要になる。@nyplaceの平均課金席数は2,000席、CRMは700IDへ落ち込み、顧客は必要な通話経路だけを他社サービスへ移す。大口顧客の契約終了が重なり、固定費を十分早く落とせない。既存サービスのデータセンターとサポート体制が費用として残る。
新製品への期待も裏切られる。VLOOMのチャネルは650程度にとどまり、通信原価と顧客獲得費が売上を上回る。AI音声認識や応対履歴も競合が標準機能として安く提供し、UZなどの分析サービスは顧客の社内AIに代替される。競合への売却や事業縮小の選択肢は残るが、発表されていないTOB・MBOの買付プレミアムは利益に加えない。
10年後の売上は約8億円まで減り、営業損失が続く。前半の配当・優待は取りやめに向かい、自己資本を使って契約終了や設備撤退を処理する。ここでは赤字企業の利益に倍率を掛けず、現金が流出した後も換金できる資産から必要な支払いを差し引いて価値をみる。現在の純現金を全額保てるとは限らず、撤退の実行に時間がかかれば回収額はさらに低くなりうる。
- @nyplace:数量 2,000(課金席数(期中平均の席))× 価格 17,500(1席あたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。旧来の課金席数。大口契約縮小とAI応対に伴う実質数量の増減、月額実効単価は別評価。
- COLLABOS PHONE:数量 1,400(同時接続チャネル数(期中平均))× 価格 11,500(1チャネルあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。同時接続回線。VLOOMへの社内移行と旧電話を希望する顧客の残存を考慮。
- COLLABOS CRM:数量 700(課金ID数(期中平均))× 価格 5,200(1IDあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。着信画面の課金ID。人の画面操作をAIが置き換えるため数量は弱含み。
- COLLABOS CRM Outbound Edition:数量 300(課金ID数(期中平均))× 価格 5,000(1IDあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。発信オペレーターID。自動発信・生成AIの置き換えで数量が縮小。
- VLOOM:数量 650(同時接続チャネル数(期中平均))× 価格 8,500(1チャネルあたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。電話接続チャネルの販売数量。IDではなく商用回線として既存受注を起点に推計。
- UZ・GROWCE・GOLDEN LISTなど付加サービス:数量 70.0(UZ月12万円換算の年間契約数(実際の契約社数ではない))× 価格 105,000(換算契約あたり月額実効売上(円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。UZ月12万円換算の数量であり実契約ではない。AI分析の置き換えを考慮。
倍率:10年の構造的な負けで赤字が続くため利益倍率は適用しない。今の自己資本約13.6億円を基準に、現金預金と回収可能資産からリース・契約終了・人員整理費と10年間の累積資金流出を差し引いた8.0億円を清算回収額とする。過去のPBRの谷は用いない。
確率:下に寄せる理由:主力製品の前年減収が既に大きく、2024年3月期には大幅赤字で資産の毀損を経験した。外部の巨大なクラウド電話とAI提供企業に対抗できなければ、製品撤退と現金流出が重なる。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
@nyplace
旧来型のクラウドPBX・CTI。人の応対席と通信利用が中心で、顧客の座席削減の影響を大きく受ける。
| 数量課金席数(期中平均の席) | 価格1席あたり月額実効売上(円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 4,038 | 18,986 | 9 | 0 |
| 10 年後 中立 | 3,000 | 20,200 | 7 | 0 |
取り方:2026年3月期売上約920百万円、平均4,038席。価格は9.20億円÷4,038席÷12か月で求めた実効月額約18,986円で、公開メニューの席単価や初期費用とは一致しない。FY2027第1四半期は平均3,233席と前年同期比約30%減。席課金型につきAIエージェント代替の中立数量は0.70~0.90倍。製品別営業利益は開示されないため、now.op_okuは全社営業利益約0.74億円に一致するよう直接粗利の傾向を参考に割り当てた分析上の仮置きであり、会社開示値ではない。
COLLABOS PHONE
ソフトフォンと着信処理を同時接続チャネル単位で提供する電話基盤。
| 数量同時接続チャネル数(期中平均) | 価格1チャネルあたり月額実効売上(円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2,452 | 12,966 | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 1,850 | 13,500 | 3 | 0 |
取り方:2026年3月期売上約381.5百万円、平均2,452チャネル。実効月額は通信従量料等を含み約12,966円で、公表基本料金の月4,800円からの価格表とは異なる。VLOOMへの自社内移行も起き、AIで人の席数が減るほど旧電話チャネルが縮む可能性を考慮。製品別営業利益は開示されないため、now.op_okuは全社営業利益約0.74億円に一致するよう直接粗利の傾向を参考に割り当てた分析上の仮置きであり、会社開示値ではない。
COLLABOS CRM
着信対応時の顧客情報、履歴、応対画面を提供する席・ID課金の業務ソフト。
| 数量課金ID数(期中平均) | 価格1IDあたり月額実効売上(円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,245 | 5,808 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 950 | 6,300 | 1 | 0 |
取り方:2026年3月期売上約86.8百万円、平均1,245IDから月額実効約5,808円を逆算。公開料金は月4,800円からで、個別設定やオプション収入を含む。操作画面型SaaSとしてAIエージェント代替の中立ID0.70~0.90倍、価格1.00~1.15倍。製品別営業利益は開示されないため、now.op_okuは全社営業利益約0.74億円に一致するよう直接粗利の傾向を参考に割り当てた分析上の仮置きであり、会社開示値ではない。
COLLABOS CRM Outbound Edition
営業電話や架電リストを扱う外向け顧客管理システム。人が発信画面を操作するID課金。
| 数量課金ID数(期中平均) | 価格1IDあたり月額実効売上(円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 536 | 5,633 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 400 | 6,050 | 0 | 0 |
取り方:2026年3月期売上約36.2百万円、平均536IDから月額実効約5,633円。会社の個別契約価格は非開示。AIによる発信業務の自動化が進むため、席型と同じ中立数量0.70~0.90倍、単価1.00~1.15倍の範囲に置く。製品別営業利益は開示されないため、now.op_okuは全社営業利益約0.74億円に一致するよう直接粗利の傾向を参考に割り当てた分析上の仮置きであり、会社開示値ではない。
VLOOM
音声認識、自動要約、AIエージェント機能を備えた新しいコールセンター電話基盤。人員のIDではなく同時接続回線に課金する。
| 数量同時接続チャネル数(期中平均) | 価格1チャネルあたり月額実効売上(円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 879 | 11,013 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2,300 | 11,550 | 3 | 0 |
取り方:2026年3月期売上約116.2百万円、平均879チャネルから実効月額約11,013円を算出。公表基本料金は月6,000円からで通信料等が別にかかる。FY2027第1四半期は平均1,133チャネルで前年比約52%増。AI機能を含む商用製品として実売上が存在するが、AI機能単独の追加課金額は未開示。人の席ではない音声接続チャネルゆえ、席課金の数量縮小率を機械的に適用しない。製品別営業利益は開示されないため、now.op_okuは全社営業利益約0.74億円に一致するよう直接粗利の傾向を参考に割り当てた分析上の仮置きであり、会社開示値ではない。
UZ・GROWCE・GOLDEN LISTなど付加サービス
応対データのAI分析、マーケティング名簿、CRM連携など。操作画面と分析業務への依存が残る混合製品。
| 数量UZ月12万円換算の年間契約数(実際の契約社数ではない) | 価格換算契約あたり月額実効売上(円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 110 | 120,000 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 95.0 | 130,000 | 1 | 0 |
取り方:2026年3月期の付加サービス売上約157.96百万円を、公開されたUZの月額12万円の基準料金で割った109.7件相当という換算数量。GROWCEやGOLDEN LIST、初期費用も含み、実契約数も商品別売上も開示されない。AIによる分析・広告運用の内製化で中立の換算数量は約0.87倍、価格は約1.08倍。楽観でも換算数量を現状超にせず、AIの別建て売上増加を仮定しない。製品別営業利益は開示されないため、now.op_okuは全社営業利益約0.74億円に一致するよう直接粗利の傾向を参考に割り当てた分析上の仮置きであり、会社開示値ではない。
リスクと懸念
AI エージェント代替
人が顧客管理画面を開く回数と受電席数が減れば、@nyplaceと二つのCRMのID収入は直接細る。AIが電話の業務を代行しても通話基盤の課金が残るとは限らず、Amazon ConnectなどのAPIへ直接接続されればVLOOMの回線単価にも圧力がかかる。中立の席型数量と10年以降の成長率でこの構造を反映し、資本コストの寿命補正には重ねていない。
VLOOMの売上増加と粗利のずれ
新製品の利用チャネル数は大きく増えたが、直近四半期のVLOOM直接粗利率は約20%に過ぎない。初期費用無料策、通信原価、クラウド運用、人員の開発費を差し引いても追加利益が残るかを確かめる必要がある。売上が倍増しても固定費と原価が比例して増えれば、資本効率は上がらない。
大口顧客の業務縮小と自社製品間の食い合い
@nyplaceは特定の大口契約の業務縮小と経費削減で年商が大幅に減少した。VLOOMへの切り替えが増えることは技術上の成功でも、旧電話の解約を上回る外部売上がなければ全社の増収にならない。顧客別の解約・新規純増が開示されない現状では、製品別の増減を合算してみる必要がある。
世界的大手との価格・機能競争
Amazon、Genesys、NICE、国内大手の電話基盤がAI要約、音声認識、CRM連携を標準機能として組み込めば、同社の付加機能の値決め力が弱まる。市場は拡大しても同社のシェアは縮みうる。公開料金と実効料金に差があり、実質単価が下がったかどうかも見逃せない。
資本配分と中期計画の未達
前中期計画の2026年売上31億円に対し実績は約17億円だった。追加の開発投資と人への投資が新たな固定費を生み、再び顧客獲得が遅れるとROEは資本コストを下回る。過去の2024年大幅赤字と新株予約権に関わる一時利益も、会計上の黒字を永続的な稼ぐ力と混同できない理由になる。
現金の自由度とリース・株主還元
純現金約12.3億円は時価総額に対し大きいが、借金以外にも金融リース、ホスティング費用、顧客への稼働保証がある。新しい配当と株主優待は株主還元である一方、利益が細れば固定的な負担にもなる。清算されないまま現金を低利回りの事業へ投じ続けることが、帳簿上の現金を少数株主の価値と同視できない理由だ。
個人情報・音声データの管理と障害
録音・応対履歴・顧客属性は機微な個人データであり、漏えい、誤ったAI要約、長時間の電話停止が起きれば顧客流出や補償が発生する。日本の個人情報保護規制や顧客ごとの監査要求は市場参入の負担になるが、小さな会社に独占を与える許認可ではない。大手との競争で対応費だけが増える可能性もある。
今後の分かれ目
- 2026年11月5日公表予定の中間決算で、後ずれしたVLOOM受注が翌期売上に回復しなかったら
- 新商品が旧商品減収を補う速度を下げ、やや悲観・悲観の確率を引き上げる。費用発生の延期で生じた利益上振れを収益力の改善とはみなさない。
- @nyplaceの平均課金席数が年15%以上減り続け、VLOOMの外部顧客売上が増えなかったら
- 自社製品間の移行ではなく純減が広がったと判断し、中立の数量と営業利益率を下方修正する。
- VLOOMのチャネルが3,000を超え、通信・クラウド原価控除後の粗利率が35%超で定着したら
- 新基盤の規模の経済が実証されたと見て、やや楽観・楽観の重みと将来の営業利益を引き上げる。
- 2029年3月期の売上20億円・営業利益1億円が、通期実績として達成されたら
- 旧商品減収を吸収できることの証拠になる。ただし維持投資を引いた増分ROICが7.75%を超えるか、なお確認する。
- 有料のAIエージェント機能の売上額、解約率5%未満、継続的な値上げ実績が複数年開示されたら
- 実際に強い堀を持つ部分だけ数量・単価と10年以降の成長率を上げ、収益の確実性を再評価する。全商品へ一律に適用しない。
- 利益と営業現金収支の範囲で配当と自社株買いを継続し、5年間で株数が5%以上減ったら
- 現金が株主に届く実績が強まるため余剰現金の回収係数を0.75から1.0へ改める余地がある。
- 通話停止や情報漏えいで大口顧客の契約が失われたら
- 新しい顧客獲得費と補償支出を下側の利益率に反映し、継続企業として使える現金の床も見直す。
見ておくもの
- 四半期の@nyplace平均課金席数・前年同期比と月額売上の差
- COLLABOS PHONEからVLOOMへの社内移行数、VLOOMの外部新規チャネル純増
- VLOOMの通信原価・ホスティング費を控除した直接粗利率と全社営業利益率
- COLLABOS CRMのID数・解約率とAI機能による有料アップセルの開示額
- 2026年11月5日の中間決算と通期計画の再公表、独自サービス案件の後ずれ解消
- 2029年3月期の売上20億円・営業利益1億円の達成率と実際の営業現金収支
- 配当・株主優待・自社株買いの総額、金融リース・現金預金の推移
- Amazon Connect、Genesys、NICE等との大型顧客競争およびサービス値上げの成否
倍率と資本コストの決め方
現時点の市場PER・PBRや同業銘柄の評価倍率を将来倍率の根拠にしていない。2026年実績の製品別席・チャネル・ID数に月額実効価格を掛け、2036年の売上を六つの製品で組み直した。席課金・画面型の中立数量は0.70~0.90倍、単価は1.00~1.15倍とし、VLOOMだけは収入を確認できる同時接続回線課金として別に評価した。分析商品の数量は推定の料金換算であり、実契約数を創作していない。
資本コストは7.75%、10年以降の名目利益成長はAI代替によりマイナス0.5%とした。新規投資の超過利回りが3分の1残るとみる弱い堀の式で上側のPERを算出し、純利益に含まれる余剰現金の受取利息を除いてから現金回収価値を足した。AIによる需要縮小をkの寿命や追加割増に重ねていない。悲観は現在の純現金を即日清算できるという仮定を捨て、10年間の撤退費用と現金流出後の回収可能資産を床としている。
基準株価と純株式数による時価総額約17.55億円は最後に比較した。五つの筋書きの時価総額と10年間の配当・優待・自社株買いを資本コストで割り引くと約8.99億円で、差は約マイナス49%になる。2026年10月23日の業績予想修正は数量見通しの確度を点検する材料としたが、2026年10月22日の株価基準と混同しない。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。共通前提の長期国債3%と株式リスクプレミアム4.5%の計7.5%に、値決め力と純現金の質の差0.25%を足す。2024年の赤字はその後黒字に回復しており、追加の窮境割増は付けず業績筋書きで扱う。