結論
ピー・ビーシステムズは、企業の仮想化基盤やセキュリティを構築し、サーバーやソフトウェアも一緒に売る福岡発の独立系IT企業である。結論は割高だ。10年後も守るべき基幹システムは残るが、施工の人手と販売する機器の両方に安定した成長を期待するには、今の時価総額約29億円は重い。
収益の中心はセキュアクラウドシステム事業で、2025年9月期の売上の約97%を占める。人が提供する技術サービスの売上に、その約3.1倍のハードウェア・ソフトウェア販売が付く独特の商売だ。CitrixやMicrosoft、DELLとの技術連携は案件獲得に役立つが、他社を締め出す独占権ではない。もう一方のMetaWalkersなどの没入型映像事業は実際の導入が増えたが、なお大型案件次第で利益が大きく振れる。
2026年6月末までの9か月ではセキュリティ顧客が62社に達し、保守・更新を伴う収入も生まれている。これは10年先まで残りうる価値だ。ただし2025年には売上の落ち込みと人材投資で営業利益率が大幅に低下した。AIエージェントは開発、構築、運用の標準作業を短くし、人月で請求できる仕事の量を減らす。機器更新の実需を残しても、企業全体の超過利益を永続すると判断する根拠は足りない。
中立では10年後の売上を約30億円、純利益を約1.6億円とみる。株主還元を含めた確率加重の現在価値はおおむね16億円で、基準時価総額を約44%下回る。会社の2030年ROE30%目標が実現する場合は別だが、現段階では、実績のある小さな技術力と、広い経済的な堀を分けて評価すべきだ。
バリュー投資の観点から
長く保有する株主にとって問うべきなのは、10年後にこの会社の技術を指名買いする顧客が残るかということだ。基幹業務の停止を許さない顧客に、仮想化とセキュリティを一緒に納める仕事は消えない。2026年にセキュリティ関連顧客が増え、更新・保守が売上の約6割を占めた点は、単発の機器売りから一歩進んだ証拠である。顧客の復旧手順や現場条件を知る技術者は、AIだけでは簡単に代わらない。
しかし、それは同社が値決め権を持つこととは違う。仮想化製品の権利はメーカーにあり、顧客が同社以外のSI企業へ発注する余地もある。デルバイとキトラスの長寿命は好材料だが、売上寄与が小さすぎる。解約率、継続率、単価引き上げの開示も足りず、数十年先まで高い増分ROICを稼ぐ強い堀を認定することはできない。
経営陣には技術力を育てる意思があり、2024年以降の採用や東京営業の拡充が若手の稼働率改善につながりつつある。しかし2025年の営業利益の減少は、成長投資が必ずしもその年の利益を伴わないと教える。資金の置き場はさらに難しい。配当と自社株取得は実際に行われたが、好業績時の一時的な現金を永続的な還元力と取り違えてはならない。借り入れで買収を重ねるより、本業の継続契約を積み上げる方が確かだろう。
オーナー利益を考えると、報告上の純利益から運転資金の増加、技術者育成、機器更新のために必要な現金を見ておく必要がある。顧客の基幹システムを守る需要は堅いが、売上の約4分の3は仕入を伴う製商品であり、メーカーの条件変更一つで利益が変わる。事業を理解できる範囲と見ても、今の時価総額には十分な安全域がない。見込み違いに耐えられる値段で評価すべきである。
何で稼ぐ会社か
稼ぎ頭のセキュアクラウドシステム事業は、企業の既存サーバーとクラウドをつなぐ仮想化基盤、ランサムウェアからの復旧、製造現場の情報基盤を扱う。Citrix、VMware、Microsoft、OracleやDELLの製品を組み合わせ、導入コンサルティングから設計、構築、保守まで請け負う。2025年9月期の売上約25.5億円のうち、技術サービスは6.19億円、同時に販売するソフトウェアとハードウェアは19.34億円だった。後者の売上総利益率は20.5%、前者は43.8%で、機器だけを転売している会社とも、技術者だけを派遣する会社とも異なる。
顧客との接点は、大手SI企業などの元請け74社と、エンドユーザー132社である。会社の資料では売上の約9割が直接取引であり、売上規模100億〜500億円程度の中堅企業や公共団体に狙いを定めている。クラウドとサイバーセキュリティを一度に提案できるのが強みだ。2026年6月までのセキュリティ関連売上は1.20億円、顧客62社で、その約6割が更新・保守の継続収入になっている。一方、製商品の納期遅延や顧客の検収日によって売上が四半期をまたぐ。
小さな自社製品には帳票連携の「デルバイ」と通信連携の「キトラス」があるが、2025年のセキュアクラウド売上に占める比率はわずか0.2%だった。これを全社の高収益ソフトウェア基盤として評価することはできない。AIによるコード生成を顧客案件に取り入れていても、製品としてAIエージェントから十分な反復売上を得た金額開示はまだない。
エモーショナルシステム事業は、ゴーグル不要の没入型VR装置「MetaWalkers」と映像投影の「MetaAnywhere」をテーマパーク、自治体、防災教育、イベントへ販売する。2025年は売上0.81億円で赤字だったが、2026年第3四半期累計では大型遊興施設の納品も進み売上1.26億円、配賦後の営業利益0.08億円となった。実物の展示や設営を要する商売であり、ソフト開発のAI代替とは違うが、案件の単発性が高い。
優良さと弱いところ
守りの強さは、複数のメーカー製品を実際の業務現場でつなぎ、安全に稼働させる技術にある。Citrixの上位パートナーとして長く構築経験を積み、MicrosoftやDELLなどとも協業してきた。医療機関の電子カルテ基盤や製造業の基幹システムでは、停止が許されないため切替作業に慎重さが要る。セキュリティと既存基盤を一緒に担当できる顧客関係は、新規参入者より有利に働くだろう。
ただし、値上げしても客が離れない力を示す解約率や同一顧客単価の推移は開示されていない。ライセンス価格を決めるのはCitrix、Microsoft、VMwareなどのメーカーであり、同社はその価格を顧客へ転嫁できるかに左右される。既存の小規模自社ソフトも全社売上への寄与が極めて薄く、規制上の記録の正本や独自データを握る会社とは呼べない。2024年の営業利益率11.7%が2025年には4.7%へ下がった事実は、堀の狭さを示している。
資本効率は過去7年のROE中央値が20.5%と見栄えが良いが、自己資本の小ささと自社株買いも影響する。2025年のROEは7.4%まで低下し、資本コストを割った。2026年には若手技術者の売上稼働率が改善し、第3四半期時点で営業利益が回復したが、まだ年度を通じて持続したわけではない。新しい採用や専用機材に投じる増分資本が、株主の要求収益を長く超えるかは別の検証が必要だ。
財務面では2025年9月末の純現金約4.8億円、自己資本約11.5億円が緩衝材になる。しかし大きな機器案件では仕入資金が先に動き、2025年の配当と自己株取得は当期純利益を大幅に上回った。資本配分の規律を評価する余地はあるが、現金の厚みだけで高い企業価値を正当化できない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内企業の基幹システム刷新、ハイブリッドクラウド、ランサムウェア対策は10年後も必要だ。IDCの国内ITサービス市場は2024年に約7.02兆円、2029年の見通しは約9.66兆円であり、企業向けIT投資の母市場は大きい。別のIDC推計では、国内クラウド市場が2024年の約9.71兆円から2029年に約19.20兆円へ拡大する。ただし後者にはクラウド利用料金も含まれるため、構築業者がその伸びをそのまま売上にできるわけではない。
同社の2025年セキュアクラウド売上は、広義の国内ITサービス市場の約0.04%にすぎない。この比率はハードウェア販売を含むため厳密な業界シェアではなく、規模を比べるための参考値である。国内仮想化基盤構築に絞った会社別市場規模やシェアは公開資料から確認できず、同社・競合の厳密な順位も算出できない。NTTデータ、富士通、NEC、SCSK、伊藤忠テクノソリューションズ、BIPROGYなどの大型SI企業が顧客基盤で勝り、同社は中堅向けのニッチな構築技術とメーカー連携で戦う。
VMware製品の費用上昇を受け、Hyper-VやAzure Localへの移行相談が増えたことは商機である。だが、最初の移行が終われば再び同じ規模の移行需要が生まれるとは限らない。ライセンスや機器のメーカー集中も、顧客の値下げ要求を受ける側の利益率を圧迫する。一方、侵入検知や復旧、監査証跡、物理的なサーバー交換はAIが自動化しても完全には消えず、保守の継続売上が残りやすい。
業界全体の名目成長と、同社の有償工数の成長は分けるべきだ。AIエージェントが設計書、プログラム、監視、テストを担えば、人月や工数に対応する受注数量は縮小する。中立では技術サービスの実質数量を10年で約0.68倍とし、技術価格も物価の上昇率には届かないと判断する。機器・ライセンスの取引数量は約0.88倍にとどめる。映像装置の市場は、防災訓練や観光体験という実需がある一方、予算の決定者が少なく、MetaWalkers固有のシェアは未開示だ。
資本政策と M&A
資本政策は2024年以降、大きく株主還元に傾いた。2024年9月期の配当総額は約0.63億円、2025年9月期は約1.16億円だった。2025年には約52.1万株を約3.06億円で取得したため、同年度の配当と自社株買いは純利益約0.86億円を大きく超えた。2026年も配当総額は現存株数から約1.31億円を予定する。これは自社株買いで流通株数を減らした一方、持ち続ける株主へ資金を戻した実績として評価できる。
会社の2025年11月公表「事業計画及び成長可能性に関する事項」は、2030年9月期までにROE30%を達成し維持することを掲げる。2026年9月期は売上30億円、営業利益2.45億円、純利益1.65億円、ROE14%が当初の会社計画であり、受注額31.82億円、エンジニア売上稼働率70%をKPIとした。資料には2030年に純利益約6億円を必要とする参考的な成長イメージがあるが、2030年の売上高、営業利益額は確定的な数値の約束ではない。配当性向、DOE、総還元性向、自社株取得額についても将来の固定的な数字の約束なし。
2025年9月期の大規模自社株取得は株主に好ましい半面、利益と比べて一時的な規模が大きい。今後も同水準を機械的に繰り返す想定はしない。株主優待は対象8,423人への少額のカードとカレンダーであり、調達費・発送費込みで年0.06〜0.09億円程度と推計し、10年間の還元に含めた。大型買収による拡大実績は確認できず、仮にM&Aを行うなら短期の売上より技術者の定着率と買収後の稼働率を問うべきだ。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
仮想化、サイバーセキュリティ、AIを活用した基幹システム刷新が同時に進むため、中堅企業には技術者不足を埋める実装パートナーが必要だ。メーカー製品を単に右から左へ流すのではなく、異なる基盤を設計し直し、復旧まで責任を持つ企業は限られる。Citrixの上位パートナーとしての経験と、Microsoft、DELL、Oracleへの横断的な接点は受注につながる。VMwareの費用高騰をきっかけに他製品への移行が広がれば、案件数と製商品販売の双方が増える。
2026年6月までの累計では、セキュアクラウドの技術サービス売上が前年同期を約29%上回った。セキュリティ売上も1.20億円に達し、62社の顧客の約6割から継続収入が生まれている。つまり、AI導入で案件当たり工数が減っても、1人の技術者が多くの案件を扱い、より多くの機器やセキュリティ製品を販売できる。現場での復旧作業、認証・監査、メーカー保証には責任主体が残るため、AIエージェントが販売契約を丸ごと奪うとは限らない。
MetaWalkersやMetaAnywhereも、自治体の防災、金融機関の体験イベント、大型遊興施設の改装など、実物を置く場面で採用が進み始めた。2026年第3四半期のエモーショナル事業は黒字となり、設置ノウハウが広がれば原価を抑えられる。2030年ROE30%という会社目標は容易ではないが、新卒採用者の売上稼働率が改善しているため、経営改善の手掛かりは存在する。2025年の利益落ち込みを長期の標準とみなすのも早計であり、利益が再び上がれば自社株買いと配当を両立できる。
慎重な見方
収益は見た目よりも人月受注と仕入製品の二つに依存している。AIエージェントが設計、移行試験、監視の大部分を代行すれば、顧客は同じ成果を少ない工数で買える。元請企業が内製化すれば、独立系の構築会社が担う範囲も狭まる。仮想化やライセンス製品はCitrix、Microsoft、Broadcom傘下のVMwareなどが条件を決め、代理販売業者には値上げ交渉力が乏しい。顧客がクラウド事業者と直接契約する流れが強まれば、機器販売を含む同社の受注数量が大きく減りうる。
実際に2025年は売上が前年より15%減り、営業利益は3.6億円から1.2億円に急減した。2026年の回復も楽観視はできない。第3四半期時点で通期計画に対する営業利益の進捗率は約39%であり、機器納期の遅れが残る。営業利益率が一度下がれば、技術者の固定給や研修費をすぐ削れず、製商品の粗利益だけでは支えられない。既存ソフト製品の売上はわずかで、AI時代に記録の正本を握る事業への転換はできていない。
エモーショナル事業の大型案件は単発で、2026年6月末の受注残はほぼ使い切った。VR装置の新規設置を次々に取るのか、安定した保守収入へ変えられるのかも不透明だ。2025年には自己株買いと配当が年度の利益を大きく超えたが、その財源は無限ではない。2030年ROE30%を指標にしても、自己資本を縮めるだけの買い戻しでは事業の稼ぐ力は改善しない。技術の世代交代に遅れた場合、売れる資産だけが最後の防波堤になる。
どちらに重みを置いたか
必要性が残るインフラと、数字で確認できる保守収入の拡大は評価する。しかし全社売上の大半がメーカー製品に付随するため、顧客数の増加がそのまま利益の持続性に結びつくとは限らない。中立の技術サービス数量はAI代替を織り込んで縮めてあり、その同じリスクを資本コストや確率で重複して罰していない。下側の確率を40%、上側を30%にした主因は、2025年の減収減益、2026年の納期・検収による計画未達、単発の大型VR案件への依存である。2030年の野心的なROE目標より、更新契約と実際のフリーキャッシュフローの蓄積を優先する。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/09 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 369 円22 億円(+ 還元の換算額還元の合計 155 円9 億円)。 今の値に割り戻すと 282 円16 億円、今との差 −43.3%、 期待の年率 +0.6%(資本コスト 7.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11% | 948 円55 億円 | 313 円18 億円 | +153.6% | +11.6% | 139 円8 億円 |
| やや楽観 | 19% | 629 円37 億円 | 228 円13 億円 | +72.5% | +6.6% | 163 円9 億円 |
| 中立 | 30% | 352 円21 億円 | 178 円10 億円 | +6.6% | +0.8% | 159 円9 億円 |
| やや悲観 | 25% | 109 円6 億円 | 78 円5 億円 | −62.5% | −11.2% | 47 円3 億円 |
| 悲観 | 15% | 86 円5 億円 | 29 円2 億円 | −77.0% | −15.0% | 17 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 369 円22 億円 | 155 円9 億円 | +5.5% | +0.6% | 524 円31 億円 |
今の株価時価総額 497 円29 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 11% 自社技術と機器の両輪が伸びる 利益 4 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 948 円55 億円
企業は仮想化基盤を一度クラウドへ移して終わりにせず、耐障害性やサイバー防御を定期的に更新する。顧客がVMware一辺倒からMicrosoft、Citrix、Oracleなどへ分散し、同社の複数メーカーに対応できる実装力が選ばれる。AIを使った開発効率化は進むが、現場の設計・復旧責任が残り、技術サービスの有償人年は現在の95%を維持する。技術サービスと同時に販売する機器・ライセンスは案件数が増え、実質数量で今の約1.35倍まで広がる。
2026年に確認されたセキュリティ顧客の増加が定着し、保守更新だけでなく高付加価値ストレージやセキュリティ製品を継続販売できる。MetaWalkersとMetaAnywhereは自治体、防災教育、常設遊興施設で繰り返し採用され、映像事業の標準案件は現在の4倍となる。開発・設置ノウハウの蓄積が利益率を引き上げ、営業利益は6億円台に乗る。大型買収や増資に依存せず、新卒の戦力化と既存パートナーとの協業で利益を増やす道だ。これは物理設備の需要も継続する場合に限る強い上振れであり、AIエージェントそのものを販売して伸びるという根拠のない仮定は入れていない。
- セキュアクラウド:技術サービス:数量 26.6(年間売上稼働人年(人年、2025年会社人数から推計))× 価格 0.30(売上稼働人年当たり技術サービス売上(億円/人年、名目))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。人月・工数型。楽観でもAI新商品の独立売上は未証明なので数量1倍以下。
- セキュアクラウド:製商品・ライセンス:数量 278(取引先換算社数(社年:エンドユーザーと元請の合計、真の受注案件数ではない))× 価格 0.13(取引先換算社年当たり製商品売上(億円/社年、名目))→ 売上 37 億円・営業利益 4 億円。メーカー販売。AIで設計工数が減っても物理サーバーとセキュリティ更新は残る。
- エモーショナルシステム:数量 32.0(標準案件換算件数(件/年。大型設備を複数小型イベント相当に換算した推計))× 価格 0.16(標準案件当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。装置・現場型。標準案件換算は会社非開示のため保守的な推計。
倍率:純現金4.8億円のうち運転資金を除く当初余裕資金1.0億円について、1.0億円を区分。k7.75%、AI代替を反映したg_long=0%、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=1/k=12.90倍。事業利益4.28億円から余裕資金の受取利息0.014億円を除いて掛け、余裕資金1.00億円を株主への戻り方1.0で加算。ROEは10年後の自己資本から結果として測る。楽観から中立の理論上限そのものを適用。2036年自己資本は今の11.5億円+10年間の純利益累計推定30.0億円−配当・買戻し等の還元累計18.5億円=23.0億円と整合させた。
確率:現在の保守契約やメーカー協業から実現の道はあるが、売上の主力機器と小規模なVRの両方を継続して拡大する必要があるため11%。
やや楽観 19% セキュリティ更新が機器需要を補う 利益 3 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 629 円37 億円
2026年に増えたセキュリティ顧客がリピート契約へ転じ、導入済み基盤の監視、復旧、更新が安定収益の一部となる。CitrixやMicrosoftの製品を組み合わせる能力が高く評価され、企業のクラウド刷新で再受注を確保する。技術サービスの有償工数はAIによって縮むものの、難しい設計や障害対応が残るため現在の8割を守る。機器・ライセンス販売はセキュリティ強化とハイブリッド構成への転換が追い風となり、取引先換算の数量で約15%増える。
MetaAnywhereの大型設備の実績が新規案件の信用となり、イベント偏重から常設設備と保守へ売上構成が移る。テーマパークや地方自治体との共同案件が増えるが、独占的な娯楽プラットフォームになるわけではない。会社の人材育成が実を結び、案件獲得と納品までの時間が短くなることで、機器の仕入原価の上昇も吸収する。配当と自社株取得は利益の6割前後に抑え、成長に必要な現金を残しながら株主へ還元する。
- セキュアクラウド:技術サービス:数量 22.4(年間売上稼働人年(人年、2025年会社人数から推計))× 価格 0.29(売上稼働人年当たり技術サービス売上(億円/人年、名目))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。人月・工数型。楽観でもAI新商品の独立売上は未証明なので数量1倍以下。
- セキュアクラウド:製商品・ライセンス:数量 237(取引先換算社数(社年:エンドユーザーと元請の合計、真の受注案件数ではない))× 価格 0.13(取引先換算社年当たり製商品売上(億円/社年、名目))→ 売上 30 億円・営業利益 3 億円。メーカー販売。AIで設計工数が減っても物理サーバーとセキュリティ更新は残る。
- エモーショナルシステム:数量 20.0(標準案件換算件数(件/年。大型設備を複数小型イベント相当に換算した推計))× 価格 0.15(標準案件当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。装置・現場型。標準案件換算は会社非開示のため保守的な推計。
倍率:純現金4.8億円のうち運転資金を除く当初余裕資金1.0億円について、1.0億円を区分。k7.75%、AI代替を反映したg_long=0%、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=1/k=12.90倍。事業利益2.82億円から余裕資金の受取利息0.014億円を除いて掛け、余裕資金1.00億円を株主への戻り方1.0で加算。ROEは10年後の自己資本から結果として測る。楽観から中立の理論上限そのものを適用。2036年自己資本は今の11.5億円+10年間の純利益累計推定23.0億円−配当・買戻し等の還元累計13.5億円=21.0億円と整合させた。
確率:セキュリティ顧客62社、6割の継続収益という実績が根拠で19%。ただし移行特需と大型設置がどちらも続く保証はない。
中立 30% 設備需要は残るが有償工数は縮む 利益 2 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 352 円21 億円
基幹システムを止めないための仮想化、バックアップ、セキュリティ投資は続き、同社にも導入・更新案件が入る。ただし大手SI企業やクラウド事業者と競争し、同社だけが急速に市場シェアを伸ばす構図にはならない。AIエージェントが設計、コード生成、試験、監視を広く担うため、有償の技術サービス人年は2025年の約68%へ減る。技術単価は専門業務の対価を守るものの、10年の物価上昇には届かず約1.28倍になる。
機器・ライセンスの販売は仮想化基盤、サイバー防御、データ保管装置の更新で残るが、直接契約やクラウド移行で販売機会が減り、取引先換算の数量は約88%になる。メーカー製品の値段は物価と同程度に上がるため、売上全体は2025年より名目で緩やかに大きい。2026年の大型VR納品の反動はあるが、MetaWalkers等は防災、遊興施設の小規模案件を重ね、年14件の標準案件換算に定着する。利益率は2024年の山には戻らず、純利益は約1.6億円で落ち着く。余剰資金を増やしすぎない範囲で配当と自社株買いを継続し、自己資本は増えるがROEは過去中央値より下がる。
- セキュアクラウド:技術サービス:数量 19.0(年間売上稼働人年(人年、2025年会社人数から推計))× 価格 0.28(売上稼働人年当たり技術サービス売上(億円/人年、名目))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。人月・工数型。楽観でもAI新商品の独立売上は未証明なので数量1倍以下。
- セキュアクラウド:製商品・ライセンス:数量 181(取引先換算社数(社年:エンドユーザーと元請の合計、真の受注案件数ではない))× 価格 0.13(取引先換算社年当たり製商品売上(億円/社年、名目))→ 売上 23 億円・営業利益 2 億円。メーカー販売。AIで設計工数が減っても物理サーバーとセキュリティ更新は残る。
- エモーショナルシステム:数量 14.0(標準案件換算件数(件/年。大型設備を複数小型イベント相当に換算した推計))× 価格 0.14(標準案件当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。装置・現場型。標準案件換算は会社非開示のため保守的な推計。
倍率:純現金4.8億円のうち運転資金を除く当初余裕資金1.0億円について、1.0億円を区分。k7.75%、AI代替を反映したg_long=0%、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=1/k=12.90倍。事業利益1.55億円から余裕資金の受取利息0.014億円を除いて掛け、余裕資金1.00億円を株主への戻り方1.0で加算。ROEは10年後の自己資本から結果として測る。楽観から中立の理論上限そのものを適用。2036年自己資本は今の11.5億円+10年間の純利益累計推定15.5億円−配当・買戻し等の還元累計10.5億円=16.5億円と整合させた。
確率:2025年の売上構成と最新の受注状況に最も整合的で30%。AI工数縮小はすでに中立数量へ織り込み、確率で追加の一律罰は与えない。
やや悲観 25% メーカー直接契約で付随販売を失う 利益 0 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 109 円6 億円
大手顧客がクラウド事業者と直接契約し、ソフトウェアの更新も自動化される。同社の得意な基盤構築は残るが、顧客が人月を減らして成果だけを買うため、技術サービスの有償量は現在の55%に縮む。機器の取引先換算数量も65%へ下がり、販売価格は物価に追いつかない。市場そのものは大きいのに、同社が獲得する仕事の割合が低くなるという負け方である。
セキュリティ契約は残るが、メーカーが直接保守を契約する流れに押され、差別化できるのは一部の難工事に限られる。映像事業の大型設置の継続受注はなく、イベント案件の少ない時期が続く。人員整理とオフィス縮小を進めるが、採用済みの技術者の固定費は短期には残る。利益はほぼ消え、配当も長期平均では縮小する。新たな成長投資より売掛債権の回収と余剰機材の売却を優先し、現金の流出を抑える。稼ぐ力だけでは価値が乏しいため、企業価値の下限は預金と負債清算後に換金できる資産から判断する。
- セキュアクラウド:技術サービス:数量 15.4(年間売上稼働人年(人年、2025年会社人数から推計))× 価格 0.25(売上稼働人年当たり技術サービス売上(億円/人年、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。人月・工数型。楽観でもAI新商品の独立売上は未証明なので数量1倍以下。
- セキュアクラウド:製商品・ライセンス:数量 134(取引先換算社数(社年:エンドユーザーと元請の合計、真の受注案件数ではない))× 価格 0.11(取引先換算社年当たり製商品売上(億円/社年、名目))→ 売上 15 億円・営業利益 0 億円。メーカー販売。AIで設計工数が減っても物理サーバーとセキュリティ更新は残る。
- エモーショナルシステム:数量 8.0(標準案件換算件数(件/年。大型設備を複数小型イベント相当に換算した推計))× 価格 0.12(標準案件当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。装置・現場型。標準案件換算は会社非開示のため保守的な推計。
倍率:技術サービスが細り純利益0.30億円・ROE約1.8%となるため、稼ぐ力は資本コスト7.75%に届かない。正当化PER上限12.90倍による事業利益と余裕資金の価値は約4.49億円にとどまり、税後の純現金・換金可能資産の床5.75億円を下回る。したがって今の自己資本11.5億円に資産回収率0.50倍を掛け、5.75億円と評価する。これは過去の市場PBRを使ったものではなく、2036年まで留保した利益で膨らむ自己資本16.6億円にも掛けない。
確率:下に寄せる理由:2025年の営業利益減少、2026年の機器納期遅延、元請とメーカーへの交渉力の弱さから25%。AI工数減の二重計上ではない。
悲観 15% 構築工程が汎用化し赤字体質へ 利益 −1 億円 · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 86 円5 億円
AIエージェントとクラウド事業者の標準サービスが、従来は受託開発や移行作業で有料だった工程の多くを取り込む。大手SI企業も設計と調達を内製し、下請け構築の受注は急減する。技術サービス人年は今の35%に減り、メーカー製品を扱う取引先換算数量は43%に落ちる。専門性で守れた単価も上がらず、技術サービスの売上は従来の3分の1程度になる。
残る機器案件は価格競争が厳しく、ストレージやサーバーの粗利益では固定給と拠点費を賄えない。MetaWalkers・MetaAnywhereも大手設備会社と映像配信プラットフォームに競り負け、イベントが減る。大型買収で穴を埋めようとしても買収資金を減らすだけで、事業を立て直す証拠にはならない。2030年前後から損失が重なり、配当は序盤のみで停止する。序盤の株主還元の後は支出を絞り、事業規模の縮小に合わせて売掛債権と在庫を現金化する。最終価値は純現金と税後で売れる資産に限定される。大型の債務超過や倒産まで至る想定ではなく、守れる資産の下限を重視するが、顧客と技術の堀は大きく失われた10年である。
- セキュアクラウド:技術サービス:数量 9.8(年間売上稼働人年(人年、2025年会社人数から推計))× 価格 0.22(売上稼働人年当たり技術サービス売上(億円/人年、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。人月・工数型。楽観でもAI新商品の独立売上は未証明なので数量1倍以下。
- セキュアクラウド:製商品・ライセンス:数量 88.6(取引先換算社数(社年:エンドユーザーと元請の合計、真の受注案件数ではない))× 価格 0.10(取引先換算社年当たり製商品売上(億円/社年、名目))→ 売上 9 億円・営業利益 0 億円。メーカー販売。AIで設計工数が減っても物理サーバーとセキュリティ更新は残る。
- エモーショナルシステム:数量 4.0(標準案件換算件数(件/年。大型設備を複数小型イベント相当に換算した推計))× 価格 0.11(標準案件当たり売上(億円/件、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。装置・現場型。標準案件換算は会社非開示のため保守的な推計。
倍率:2036年の純利益はマイナス0.55億円であり、事業の永続利益にPERを掛ける評価はできない。2025年9月期の純現金4.8億円に、負債と契約履行費を清算した後に換金できる資産の正味額を加えた税後の資産床5.06億円を採用する。今の自己資本11.5億円に資産回収率0.44倍を掛けると5.06億円となる。過去の谷の市場PBRを根拠にせず、2036年の自己資本8.8億円へ床のPBRを掛けてもいない。自己資本8.8億円は今の11.5億円に期間累計純損失1.0億円と還元1.7億円を反映した値である。
確率:下に寄せる理由:自社の独占的ソフトウェアが売上の0.2%しかなく、技術標準化とVRの単発性が重なると一気に稼ぎを失うため15%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
セキュアクラウド:技術サービス
システムの仮想化・移行・セキュリティ構築・保守など人の工数を売る部分。AI代替の人月・工数型。
| 数量年間売上稼働人年(人年、2025年会社人数から推計) | 価格売上稼働人年当たり技術サービス売上(億円/人年、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 28.0 | 0.22 | 6 | 1 |
| 10 年後 中立 | 19.0 | 0.28 | 5 | 1 |
取り方:会社成長計画17ページの技術サービス619百万円を使用。従業員73人の70%が技術系との仮定と、開示された売上稼働率54.7%から73×0.70×0.547=約28人年と推定。技術者構成比は非開示なので価格約0.221億円/人年は仮定に依存する。AIエージェント代替の「人月・工数」型に該当し、中立数量を0.68倍、単価を1.28倍とする。2025年のセキュアクラウド全社費用配賦後営業利益1.44億円を技術サービスと製商品へ概算配賦し、当該部分の営業利益を0.54億円と推計。
セキュアクラウド:製商品・ライセンス
Citrix、Microsoft、DELL等の仮想化ソフト、セキュリティ製品、サーバー、ストレージの販売。工事に付随するが物理的な更新需要も持つ。
| 数量取引先換算社数(社年:エンドユーザーと元請の合計、真の受注案件数ではない) | 価格取引先換算社年当たり製商品売上(億円/社年、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 206 | 0.09 | 19 | 1 |
| 10 年後 中立 | 181 | 0.13 | 23 | 2 |
取り方:会社成長計画17ページで製商品売上1,934百万円と粗利率20.5%を確認。同計画12ページの直接の顧客132社と大手SIer等の元請74社を計206取引先の代理指標とし、19.34億÷206社=約0.0939億円/社年。顧客数は受注件数とは異なり、案件単価も非開示。中立は顧客換算数量0.88倍、名目単価1.34倍。機器の物理更新・セキュリティ需要が残る一方、AIによる導入工数減少とクラウド直接契約で付随販売のシェアが落ちるとみる。技術サービスと共通の販管費を配賦した営業利益は0.90億円と推計。社数は代理変数で個別取引規模の格差を均している。
エモーショナルシステム
MetaWalkers・MetaAnywhereの装置、映像空間構築、設営・イベント運営。物理的な現場需要が中心。
| 数量標準案件換算件数(件/年。大型設備を複数小型イベント相当に換算した推計) | 価格標準案件当たり売上(億円/件、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 8.0 | 0.10 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 14.0 | 0.14 | 2 | 0 |
取り方:2025年の売上81百万円を出発点とし、2026年3Qで確認できるイベント6件と大型設備案件1件を参考に、年8標準案件相当と暫定換算。実際の2025年装置台数・案件数・平均単価は非開示で、0.1014億円は売上から逆算した分析用単価である。物理設備・現地上映は人月SIほどAIに代替されないが、単発の大型案件の継続は未確認。2025年の全社費用配賦後セグメント損益約マイナス0.19億円を使用。
リスクと懸念
AIエージェント代替と顧客の内製化
技術サービスの収入は業務設計、プログラミング、システム移行、監視の有償工数で決まる。AIエージェントが標準工程を引き受ければ、同じ成果のための人月が減る。生成AIの導入実例はあるが、代替された工数以上の新たな外販収益を自社のAI製品で獲得した金額開示はない。中立の数量縮小と長期成長率0%に反映し、資本コストの寿命には重ねない。
製商品・メーカーへの依存
売上の約4分の3を占めるのは仕入が必要なサーバー、ストレージ、仮想化ソフトなどである。CitrixやMicrosoft等のパートナー認定は優位だが、仕入条件やライセンス価格を独占的に決める力はない。クラウド事業者との直接契約や大手SIerの内製化が進めば、機器販売の数量と粗利が同時に削られる。
受注・検収の期ずれと固定費
2026年第3四半期は製品納期の長期化で売上が計画を下回り、営業利益の進捗率は39%にとどまった。大型案件は検収の数週間の違いでも年度利益を動かす。若手採用や東京営業部の費用は受注が遅れてもすぐに減らず、2025年に見られた利益率の大幅悪化が繰り返されうる。
VR・映像事業の案件偏在
エモーショナル事業は大型テーマパーク向けMetaAnywhereの納品で黒字化したが、2026年6月末の受注残はほぼ消化した。防災研修や自治体事業は競争入札と年度予算に左右される。装置の保守収入や常設採用先が積み上がらなければ、数件のイベント受託を長期の成長事業と呼ぶことは難しい。
資本政策と希薄化
2025年は自社株買い約3.06億円と配当約1.16億円の合計がその期の利益を大きく超えた。現金を減らす大規模還元は繰り返せず、将来の買収や人材投資の選択肢を狭めうる。ストックオプション等の潜在株式も既存株主の取り分を薄める。還元の量だけでなく、還元後の資本効率を追う必要がある。
サイバー事故・顧客信用
医療、製造、小売などの重要システムを構築するため、設計・設定・監視に重大な不具合があれば、損害賠償だけでなく保守契約や紹介による新規受注も失う。顧客の業務を止めない実績は競争上の長所だが、その長所は一度の深刻な障害で損なわれる可能性がある。
今後の分かれ目
- セキュリティ顧客数が62社から継続的に増え、更新・保守の売上比率が7割以上で定着したら
- 機器販売と人月の比率を見直し、反復契約の確度が上がる分だけ中立の営業利益率と数量を引き上げる。解約率と値上げ実績も確認する。
- 技術サービス売上が2026年の一時増の後に減少し、稼働率も下がったら
- AIエージェント代替と内製化が既に利益を削っている可能性を重視し、やや悲観側の数量減少の実現度を上げる。
- 製商品販売の粗利率20%前後が崩れ、ハードウェア納期遅延が複数期続いたら
- メーカー依存と運転資金負担を再評価し、機器販売の単価・営業利益率と余剰現金の見積もりを下げる。
- MetaWalkers・MetaAnywhereの常設設備受注と保守契約が複数年度にわたり増えたら
- 一時的な大型案件ではなく継続収益と確認できれば、映像事業の数量と利益率を上振れさせ、楽観側の重みを増やす。
- 2030年ROE30%が配当・自社株取得だけでなく営業利益と現金創出の増加で達成されたら
- 超過利潤が再投資でも残る証拠になる。長期の技術サービス数量と資本効率を再検討するが、解約率が不明な限り強い堀を自動認定しない。
- 年間配当と自社株買いが利益を超え続け、純現金が営業運転資金の水準を割り込んだら
- 将来の還元と悲観の資産床を縮め、財務面の安全域を引き下げる。ストックオプションの行使・希薄化も同時に確認する。
見ておくもの
- 四半期のセキュアクラウド技術サービス売上と製商品売上の構成比、売上総利益率
- エンジニア売上稼働率:2025年54.7%、2026年3Q66.6%、会社目標70%
- サイバー忍法帖を含むセキュリティ顧客数と更新・保守売上比率
- 受注高・受注残高、機器納期・検収の四半期ずれ
- MetaWalkers・MetaAnywhereのイベント件数、常設設置数、年度末受注残
- 配当総額、自社株取得額、純現金、潜在株式数と自己資本の推移
- 2030年ROE30%目標に対する営業利益とフリーキャッシュフローの進捗
倍率と資本コストの決め方
時価総額29.4億円から売上・利益を逆算していない。2025年に開示された技術サービス6.19億円、付随製商品19.34億円、映像事業0.81億円を別々の物量と単価へ分けた。技術サービスは従業員73人と稼働率から推定した人年、製商品は取引先206社を使う代理数量、映像事業は標準案件換算であり、推定単価の精度には限界がある。2026年会社予想の売上30億円・営業利益2.45億円は添付の短期予想との差があるため、2025年の確定実績を数量モデルの基礎とし、計画値は補助資料として扱った。
AI代替は技術サービス数量を10年0.68倍、名目単価1.28倍にし、長期成長率0%にも反映した。資本コストの寿命と悲観の確率では同じ縮みを重ねて罰していない。kは7.75%、楽観〜中立の理論PERはg=0%から約12.90倍となり、現在や同業の市場PERから取っていない。悲観は過去のPBR底ではなく残る純現金・換金可能資産に基づく。新リース会計基準適用による表示変更は将来の貸借対照表を動かしても、借りているオフィスの家賃を既に費用化する利益価値には二重に反映しない。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。国債3%と市場リスクプレミアム4.5%に質の調整0.25%を加えた7.75%。個別の受注・技術リスクは五つの筋書きへ振り分ける。