結論
学研ホールディングスは、学研教室や出版だけでなく、高齢者住宅と認知症グループホームを収益の柱とする企業である。筆者の結論は「適正」だ。長く続く事業を複数持ち、今の時価総額に対して一定の収益基盤があるものの、株主が十分な安全域を得られるほど資本効率が高いとは判断できない。
最大の強みは、教育では親が知るブランドと教室網、介護では現場の運営経験と高い入居率だ。いずれも単なる情報商品より模倣しにくい。しかし、教室や語学研修にはAIエージェントによる代替が迫る。介護では需要が増えても、職員の賃金と新設施設の費用が増え、売上の伸びほど利益が増えない。
2025年9月期には売上高が1,991億円まで拡大したが、営業利益率は4.1%にとどまった。高齢者住宅では増収にもかかわらず営業利益がほぼ横ばいであり、資本を追加投入した利益が十分に残っているとは言い難い。過去10年のROE中央値も6.3%で、ここで考える株主資本コストに届かない。
さらに2026年7月にはレアジョブを完全子会社化し、既存の自己株式を対価として交付した。10月には学研ココファンの売却に向けた入札開始を認めており、将来の事業構成そのものが変わりうる。取得事業の収益と既存株主の持分希薄化をともに考慮した10年の確率加重価値は約451億円となり、添付の基準時価総額431億円との差は約プラス4.6%である。事業は残るが、現在の価格に厚い安全域はない。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって、学研の価値を決めるのは売上高の大きさより、稼いだ資本が次の利益をどれだけ生むかである。学研教室の教材や継続会員には価値があり、高齢者の生活支援にも長い需要が見込める。しかし、その需要を満たすために毎年多額の建設費、人件費、システム更新費が必要なら、利益のすべてを株主が自由に受け取れるわけではない。
特に高齢者住宅は、入居率が高くても新たな施設の採算が悪ければ資本を増やすほど株主の利回りが低下する。低金利時代に契約した建物や施設の固定的な家賃は、物価と金利が高くなる世界で重荷となる。既存資産の減価償却費は自動的に物価上昇しないが、新しい施設の建築と更新に必要な現金は増える。会計上の利益と所有者が使える現金を混同しないことが肝心だ。
教室のブランドを高く評価しても、学習の内容そのものがAIで安く提供される環境では、従来の授業時間に高い継続価値を認めにくい。一方、介護の現場は簡単にはAIに置き換わらない。だから教育の衰退と介護の成長を全社で相殺して終わりにせず、両方が必要とする資本を別々に考える必要がある。
筆者が最も気にするのは経営者の次の資本配分である。ココファンの売却を検討するなら、売却対価の税引き後の額と失う利益を比べるべきだ。レアジョブへの株式対価にも同じ目を向ける。資本コストを下回る買収を重ねるくらいなら、負債返済と株主還元の方が価値を守れる。
今の評価は、優れたブランドを安値で手に入れる機会とまでは言えない。10年の事業価値には上振れの余地がある一方、既存株主の持分が薄まったこと、介護再編の条件が未確定であること、教育の予測がAIによって難しくなったことを考えると、安全域は小さい。
何で稼ぐ会社か
学研の稼ぎは、子供への教育、学習内容の出版と提供、高齢者の生活支援という三つの活動に集約できる。教育では学研教室、進学塾、市進グループなどが保護者から授業料を受け取り、出版では学習参考書、児童書、教材、デジタルコンテンツを販売する。医療福祉では、高齢者住宅の家賃や生活支援、訪問介護、認知症グループホームの介護サービスなどから収入を得る。
2025年9月期の新しい事業区分では、教育が約1,088億円、医療福祉が約869億円を占める。教育の内側では教室・塾が約534億円と大きい。医療福祉では高齢者住宅が約465億円、認知症グループホームが約403億円に達する。出版の会社という印象だけで評価すると、介護施設を増やすために必要な資本と労働力を見落としてしまう。
教育の商売は一様ではない。学研教室は継続して通う会員と教室数が基礎となり、出版は販売部数と実現単価に左右される。看護師向け研修やオンライン英会話は、病院との継続契約や学習者数が収益源となる。ベトナムのDTP Education Solutionへの投資によって、国内の少子化とは違う人口構造を持つ市場にも進出した。
2026年7月31日には、オンライン英会話を手掛けるレアジョブが完全子会社になった。同社の2026年3月期売上高は約96億円で、2025年9月期の学研連結売上には含まれない。したがって将来の収益には取得による増分を含める必要がある。ただし、英会話の対人指導はAIが最も代替しやすい領域の一つでもあり、買収した売上がそのまま10年後まで残るとは考えない。
介護は教育とは反対に、サービスを物理的な現場で提供する。高齢者住宅の居室を増やし、入居率を保ち、職員を確保して初めて収益が生まれる。AIによる事務効率化は利益を助けても、食事、入浴、移動、認知症への対応を一斉に無人化することはできない。この事業の収益を決めるのは、居室数、入居率、利用者単価、そして人件費と家賃である。
優良さと弱いところ
学研には長年築いてきた信用がある。幼児や小学生の保護者にとって、名前を知っている教材や教室を選べることには意味がある。全国の教室網、学校・園への販売ルート、参考書の制作経験も、新規参入企業が短期に複製するのは難しい。2025年には学研教室の月謝改定や既刊参考書の価格見直しが利益改善に寄与しており、値上げが全く通らない事業ではない。
ただし、この信用を強い独占力と取り違えてはいけない。塾は地域ごとに競合し、授業を続けるかどうかは保護者が比較的容易に判断できる。市進、明光義塾、森塾などに加え、学校外の学習をAIに任せる選択肢も広がる。ブランドは顧客獲得費用を抑えるが、10年後も同じ授業料収入を保証するほどの乗り換え障壁ではない。
介護の強みは運営実績にある。2025年9月期の高齢者住宅入居率は95.8%、認知症グループホームは97.6%だった。施設開設、職員採用、地域との連携、介護品質の維持には経験が必要である。もっとも、施設は競争相手も開設でき、介護報酬は制度に影響される。学研だけが自由に値段を上げられる事業ではない。
最も気になるのは増分の稼ぎだ。2025年9月期の高齢者住宅売上は前年から約41億円増えたのに、営業利益の増加は約0.1億円にとどまった。新設施設の立ち上げ費用や人件費が重く、需要拡大がすぐに高い投下資本利益率へつながっていない。出版と教室には改善の実績があるものの、全社ROEは長期的に資本コスト付近で推移している。
全社の堀は普通程度と判断する。教室のブランドと介護の運営基盤は相応に残るが、独自データの排他的所有、規制上の独占、極めて低い解約率などを全社の強い堀と認定できる証拠はない。教育と医療福祉を併せ持つことが、株主資本の高利回りを自動的に生むわけでもない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の教育市場は、金額と利用者数を分けて見る必要がある。矢野経済研究所によれば、2025年度の主要15分野の教育産業市場は約2兆8,705億円で、前年比の伸びは0.5%だった。企業研修やデジタル教育が成長を支える一方、子供向けの学習サービスは伸び悩む。学習塾・予備校の市場規模は概ね1兆円前後であり、学研の教室・塾売上約534億円は単純比較で5%強に相当する。ただし、学研教室や関連教材が含まれるため、厳密な同一市場シェアではない。
競合はベネッセ、Z会、河合塾、明光義塾、森塾など幅広い。学研には低年齢からの継続利用という強みがあるが、人口減少を市場シェアの維持だけで打ち消すのは難しい。AI家庭教師は解説、問題作成、採点、復習計画を低い追加費用で提供する。教室でしか得られない見守りや学習習慣には需要が残るとしても、同じ時間数の授業が売れ続けるとは考えない。
医療福祉は別の成長曲線を持つ。サービス付き高齢者向け住宅の登録戸数は2025年12月末に約29.2万戸だった。学研グループの高齢者住宅は2025年9月末時点で約1.29万戸であり、市場区分の違いに注意した粗い比較では約4%に当たる。認知症グループホームの国内事業所は約1.4万か所あり、学研の約388拠点は関連施設を含むため、そのまま割り算はできないが、全国で数%規模の事業基盤と捉えられる。
SOMPOケア、ニチイ関連事業者、ベネッセスタイルケアなども高齢者の生活を支える。高齢化による需要増は広い業界に共通するが、介護職員の不足、処遇改善費、建築費の上昇も共通する。稼働率を高く保つことと、増設した資本に高い利益を生ませることは別の課題だ。介護報酬改定で受け取れる金額が伸びなければ、需要の強い市場でも企業利益は細りうる。
ベトナムの教材・出版事業は、国内より若い人口と教育投資の拡大を取り込める可能性がある。ただし現地の教科書制度、採択、配本網、競争企業によって実際のシェアは決まる。国内の教育需要が停滞するから海外売上が必ず伸びる、という単純な埋め合わせはしない。10年後は介護の実質供給量が増え、国内の対人授業量は減るという非対称な市場を中心に考える。
資本政策と M&A
中期経営計画「Gakken2027」は、2027年9月期に売上高2,150億円、EBITDA145億円、営業利益95億円、純利益45億円、ROE8%以上を掲げる。株主還元ではDOE2.5%以上と配当性向30%以上を基準に、安定配当と機動的な自己株買いを行う方針だ。今後2年間のキャッシュアロケーション原資として約250億円も示している。これは具体的な数字の約束であり、単なる還元強化の標語とは違う。
実績面では、直近の中期計画期間に総額30億円の自己株式取得が行われ、配当も増えた。一方、2018年以降の事業買収によって売上は大きく伸びたが、ROEの持続的な上昇は確認できない。市進、桐原書店、DTP、医療福祉の事業承継など、買収先の利益と必要資本を分けて見なければ資本配分を評価できない。
2026年7月のレアジョブ完全子会社化では、予定対価として学研の自己株式2,965,633株が用いられた。これは現金支出を抑える反面、自己株式が市場に戻るため、従来株主の持分を薄める。レアジョブの2026年3月期営業利益は約0.8億円と小さく、取得した売上規模だけで対価を正当化することはできない。
さらに2026年10月13日、会社は学研ココファンの株式売却に向けた入札プロセスを開始した事実を認めた。ただし売却の決定、買い手、価格は未公表である。介護事業の一部売却が実現すれば、有利子負債の圧縮や資本効率改善の機会となる。一方、収益を生む事業を安く売却し、その対価を低収益の教育関連買収に再投入すれば価値は減る。
10年の還元はDOEを出発点に、利益の増減に応じて配当と自己株買いを調整した。中立の累計還元175億円には株主優待の原価概算約3億円を含む。優待の実際の会社負担額は十分に確認できず、この額は検証が必要な推定である。臨時の記念優待は恒常的な還元としては扱わない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
教育と介護という二つの市場を、まったく別の需要の波として持っていることは強みだ。国内の子供が減っても、高齢者の生活を支える居室と介護サービスの需要は続く。学研は高齢者住宅で高い入居率を保ち、認知症グループホームでも事業承継を重ねてきた。既存施設の立ち上げ費用が一巡し、職員の配置や食事調達を共通化できれば、これまで増収の陰に隠れていた利益を回収できる。
出版と教材にも一律に悲観する必要はない。対人授業の一部をAIが置き換えても、子供の学習習慣、保護者への報告、教育課程に沿った問題設計、学校採択との関係は残る。学研には長年の制作経験と販売網があり、出版社が教材を制作する費用をAIで削減できる可能性もある。2025年の月謝改定や参考書の値上げは、ブランドが一定の価格決定力を持つ証拠だ。
海外も国内少子化への有力な対抗策となる。ベトナムのDTPは教科書と学校への販売接点を持ち、教育需要の増える地域で事業を拡張できる。学研の教材制作力と現地の流通・学校関係が結びつけば、国内にはない数量成長が生まれる。新刊と知的財産の海外利用料が増えれば、在庫や施設を比例して増やさずに利益を伸ばせる。
財務面では、過去に増配と自己株取得を実施してきた。会社はROEとDOEの具体的な目標を掲げ、資本効率を重視する姿勢も示している。ココファンの売却が高い価格で成立し、対価を借入返済や株主還元に充てるなら、現在の事業価値にまだ表れていない資本配分の利益が生じる。
この筋書きでは、介護の居室と拠点が増え、出版・海外事業の利益率も改善する。株主への還元が累積するため、10年後の会社の値段だけでは測れない利益も残る。売上規模の割に市場から低く評価されている現状は、事業再編の成果が出た場合には大きな上振れ余地となる。
慎重な見方
教育という言葉だけでは将来の収益を保証できない。学研教室の本当の売り物は、子供が継続して通う時間と保護者が払う月謝である。AIが家庭で個別の問題を作り、弱点を診断し、対話しながら解説できるようになれば、従来の授業時間の一部は不要になる。教室の見守りは残っても、教える行為の単価には強い下押し圧力が働く。
オンライン英会話と社会人研修はさらに厳しい。AIは対話練習、添削、発音指導、教材作成を低い限界費用で提供する。レアジョブの完全子会社化によって取得した売上が、10年後も同じ粗利を生むとは限らない。学研がAIを業務に導入しても、競合と利用者が同じ技術を利用できる以上、その利益を自社だけで保持することは難しい。
介護では、需要増加がそのまま株主利益になるとの見方が危うい。高齢者住宅の売上は大きく増えたが、直近の営業利益はほぼ増えていない。新施設の賃料、職員の採用、夜勤体制、食費が増えれば、高い入居率でも利益は薄くなる。介護報酬の改定は会社の自由にならず、規制と人手不足に挟まれる構造が続く。
財務も盤石ではない。純有利子負債は約146億円あり、低金利時代の利払いをそのまま将来に延ばせない。さらに施設の賃借料は、貸借対照表の借金だけでは把握しにくい固定的な支払いだ。更新投資に現金を使い、取得した事業で減損が生じれば、帳簿上の自己資本が残っていても、株主に戻せる資産は少なくなる。
最大の不確実性は資本配分にある。ココファンを売却するなら、何をいくらで売り、どの利益を失い、対価をどこへ投じるかで会社の姿は一変する。十分な価格を得られず、代わりにAIで競争が激しくなる教育事業を買い続ければ、持続的な稼ぐ力はむしろ弱くなる。過去の売上成長を根拠に高い将来利益を想定するのは危険だ。
どちらに重みを置いたか
介護の物理的な需要と学研ブランドの持続性では強い見方に説得力がある。一方、資本を投じても利益が増えにくい実績と、対人教育のAI代替は無視できない。ここでは後者を中立の数量に直接反映し、やや悲観と悲観の確率を合計38%にした。ただし、AIの影響を資本コストの寿命項目にも上乗せする二重の悲観は避ける。
ココファン売却は成立も対価も決まっていないため、中立では現在の介護事業が継続すると考えた。売却の価値を根拠なく上乗せしない代わりに、成立した際には売却利益、失う営業利益、負債返済額を一体で再評価する。レアジョブの取得事業と株式希薄化を双方計上すると、本質価値は現在の基準時価総額と大きく離れない。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/09 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 1,600 円666 億円(+ 還元の換算額還元の合計 387 円161 億円)。 今の値に割り戻すと 1,089 円453 億円、今との差 +7.1%、 期待の年率 +7.8%(資本コスト 7.0%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 3,972 円1,653 億円 | 695 円289 億円 | +358.9% | +18.6% | 467 円194 億円 |
| やや楽観 | 22% | 2,674 円1,113 億円 | 567 円236 億円 | +218.7% | +14.0% | 713 円297 億円 |
| 中立 | 30% | 1,362 円567 億円 | 392 円163 億円 | +72.5% | +6.4% | 526 円219 億円 |
| やや悲観 | 26% | 618 円257 億円 | 249 円104 億円 | −14.7% | −1.8% | 225 円94 億円 |
| 悲観 | 12% | 381 円158 億円 | 85 円35 億円 | −54.2% | −8.1% | 56 円23 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,600 円666 億円 | 387 円161 億円 | +95.4% | +7.8% | 1,987 円827 億円 |
今の株価時価総額 1,017 円423 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 介護の規模拡大と出版・海外の収益改善 利益 108 億円 · PER 16.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3,972 円1,653 億円
高齢者住宅の居室を大きく増やし、入居率を高い水準で保つ。建設費の上昇は続くが、既存施設の運営ノウハウを使って稼働開始までの期間を短縮し、食事調達と施設管理の共通化が進む。認知症グループホームも事業承継によって拠点を増やし、介護報酬と保険外サービスの両方で単価を上げる。
出版では児童書や学習参考書に加え、海外に販売できる知的財産が育つ。ベトナムのDTPは学校販路を広げ、国内の人口減少を上回る数量を獲得する。学研教室の対人授業数は大きく増えないが、見守りと教材を組み合わせたサービスとして残り、学習成果への信頼が値上げを支える。
レアジョブは対人英会話のAI代替を受けながらも、学校法人向けの導入や子供支援などを拡大し、取得時の顧客基盤を維持する。ココファンについては、有利な条件がないままの売却を避け、介護の稼ぐ力を手放さない。財務余力が生じた分は株主還元にも回る。
売上と利益がともに拡大し、10年後の純利益は108億円、ROEは約12%になる。これは過去の収益水準を大きく超えるため、施設投資の採算改善と海外事業の成功が同時に必要な上限寄りの筋書きである。
- 学研教室・学習塾:数量 390,000(学研教室・塾の会員延べ人数(人年、複数科目の重複を含む))× 価格 0.00(会員延べ1人年当たり売上(億円、名目))→ 売上 718 億円・営業利益 43 億円。会員数は維持。月謝と関連サービス単価が上昇し、運営効率が改善する。
- 出版・教材・知的財産:数量 23.0(書籍・教材の販売冊数換算(百万冊相当、推定))× 価格 21(100万冊換算当たりの売上(億円、名目))→ 売上 472 億円・営業利益 52 億円。書籍・教材換算数量増とライセンス収益の拡大。
- 語学・社会人教育・看護研修:数量 60,000(年間有料学習者の契約換算人数(人年、推定))× 価格 0.00(有料学習者換算1人年当たりの売上(億円、名目))→ 売上 87 億円・営業利益 6 億円。AI代替を受けつつ、病院・企業との契約関係を維持。
- 保育・幼児・園学校向けサービス:数量 135(子育て支援拠点の換算施設数(施設、推定))× 価格 2.35(1施設換算当たりの売上(億円、名目))→ 売上 317 億円・営業利益 11 億円。学童・発達支援の拠点数が増え、立ち上げ費用を吸収する。
- 海外教材・ベトナムDTP:数量 27,000(取引学校換算数(校、推定))× 価格 0.01(取引学校換算1校当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 167 億円・営業利益 27 億円。ベトナムの学校販路と教材ライセンスが拡大。
- 高齢者住宅・生活支援:数量 23,000(高齢者住宅の居室数(戸、認知症グループホーム居室を除く))× 価格 0.05(1居室当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 1,190 億円・営業利益 71 億円。居室増と高付加価値化。入居率の維持と施設効率化が利益率を押し上げる。
- 認知症グループホーム・地域介護:数量 560(認知症グループホーム等の換算運営拠点数(施設))× 価格 1.60(1拠点当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 896 億円・営業利益 54 億円。事業承継と保険外収益の増加で拠点当たり採算が改善。
- その他・物流等:数量 6.0(物流・役務の処理件数換算(百万件、推定))× 価格 9.00(100万件換算当たり売上(億円、名目))→ 売上 54 億円・営業利益 0 億円。物流・周辺サービスは規模拡大するが利益は控えめ。
- レアジョブ取得事業:数量 80,000(2026年取得事業の年間利用顧客換算人数(人年、推定))× 価格 0.00(利用顧客換算1人年当たり売上(億円、名目))→ 売上 128 億円・営業利益 9 億円。2026年取得時の推定顧客換算数を維持。単価上昇は物価程度に抑える。
倍率:10年後のROEは108÷894.2=約12.1%、資本コストkは7.0%。moat=normalに従い超過ROEの半分が残るとしてRONIC約9.54%とする。g_long2.5%から正当化PER=(1−0.025÷RONIC)÷(0.07−0.025)=約16.40倍。楽観の倍率はこの上限そのものを採用し、現在の市場倍率は参照しない。
確率:介護の新設拠点が高稼働を保ち、価格改定と業務改善が定着し、海外教材のシェアも拡大する複数の成功を必要とする。AIによる対人授業の縮小を補う新しい収益源が十分に育つ場合に限るため、確率は10%とする。
やや楽観 22% 介護と海外が成長し、教育の減少を補う 利益 77 億円 · PER 15.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,674 円1,113 億円
介護事業は大きな混乱なく拠点を増やす。高齢者住宅と認知症グループホームは入居率を保ち、新施設の運営費が一巡するにつれて利益率が改善する。ただし介護報酬と人件費の制約は残り、強気の筋書きほど自由に単価を引き上げることはできない。
学研教室と塾は少子化とAIの影響で会員が減る。残る教室では教材と学習管理の品質を高め、月謝を物価に近い範囲で引き上げる。出版は売れる教材と知的財産に集中して返品や在庫を抑え、ベトナムでは取引学校数を増やす。
レアジョブはAI英会話との競争で利用者を減らすが、法人契約や子供支援を通じて一定の事業を残す。ココファンの売却入札については、条件が折り合わず中核施設を保有し続けるか、企業価値を大きく損なわない限定的な組み替えにとどまる。
収益改善は進むが、株主資本が急速に増えすぎることもない。10年後には営業利益約179億円、純利益77億円まで成長する。これは新しい施設の追加投資が相応の利益を生み始める筋書きであり、現状の延長だけでは達成できない。
- 学研教室・学習塾:数量 350,000(学研教室・塾の会員延べ人数(人年、複数科目の重複を含む))× 価格 0.00(会員延べ1人年当たり売上(億円、名目))→ 売上 641 億円・営業利益 33 億円。会員約1割減を価格改定と教室効率化で補う。
- 出版・教材・知的財産:数量 20.0(書籍・教材の販売冊数換算(百万冊相当、推定))× 価格 19(100万冊換算当たりの売上(億円、名目))→ 売上 380 億円・営業利益 38 億円。実質数量横ばい、出版IPと教材の単価改善。
- 語学・社会人教育・看護研修:数量 54,000(年間有料学習者の契約換算人数(人年、推定))× 価格 0.00(有料学習者換算1人年当たりの売上(億円、名目))→ 売上 79 億円・営業利益 4 億円。AI代替で利用量減。法人研修の一部は維持。
- 保育・幼児・園学校向けサービス:数量 125(子育て支援拠点の換算施設数(施設、推定))× 価格 2.20(1施設換算当たりの売上(億円、名目))→ 売上 275 億円・営業利益 8 億円。学童・発達支援が伸びるが、職員費用が残る。
- 海外教材・ベトナムDTP:数量 24,000(取引学校換算数(校、推定))× 価格 0.01(取引学校換算1校当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 142 億円・営業利益 23 億円。現地教材と学校向け販売が成長。
- 高齢者住宅・生活支援:数量 20,500(高齢者住宅の居室数(戸、認知症グループホーム居室を除く))× 価格 0.05(1居室当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 1,024 億円・営業利益 57 億円。新設戸数を増やし、稼働率を維持する。
- 認知症グループホーム・地域介護:数量 520(認知症グループホーム等の換算運営拠点数(施設))× 価格 1.48(1拠点当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 770 億円・営業利益 40 億円。拠点拡張と適正な利用料改定。
- その他・物流等:数量 5.3(物流・役務の処理件数換算(百万件、推定))× 価格 8.90(100万件換算当たり売上(億円、名目))→ 売上 47 億円・営業利益 0 億円。付帯業務は小幅増収。
- レアジョブ取得事業:数量 70,000(2026年取得事業の年間利用顧客換算人数(人年、推定))× 価格 0.00(利用顧客換算1人年当たり売上(億円、名目))→ 売上 110 億円・営業利益 6 億円。取得後の顧客換算数は約12.5%減。授業単価は物価程度に上昇。
倍率:ROEは77÷811.2=約9.49%で、k7.0%を上回る。普通の堀として超過分の半分が残るRONIC約8.25%、長期名目成長2.5%から正当化PER約15.49倍とする。上限から裁量的に減額せず、純利益成長と投下資本の質で差を表す。
確率:介護需要の増加と既存施設の高稼働は確認できるが、建設費と職員不足が利益率を制約する。国内教育の数量減を海外・介護が補い、資本効率が少し改善する可能性を22%とする。
中立 30% 介護は増えるが、教育の収益は細る 利益 43 億円 · PER 14.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,362 円567 億円
国内の子供向け教育は、利用者の実質数量を大きく減らす。学研教室と塾では、2025年の延べ会員約39万人から10年後には約27.5万人になる。残る利用者には学習管理や見守りを提供し、価格改定は進めるものの、AI家庭教師と比較されるため利益率は低下する。語学・社会人教育も対人授業の数量を減らす。
出版は紙の参考書が減るが、実用書、教材、知的財産の利用料が一定の収益を支える。ベトナムのDTPなど海外事業は取引学校を増やし、国内の減少を部分的に補う。レアジョブは取得後の売上が連結に加わる一方、AI英会話の影響で利用量が減り、2026年の取得事業売上規模をそのまま維持できない。
高齢者住宅は居室を約1.83万戸へ増やす。認知症グループホームも拠点数を増やし、2025年の高い入居率に近い水準を保つ。しかし介護職員の賃金、建物の賃借料、新施設の更新費がかかり、利益率の改善は限定的だ。現在のココファン売却検討は成立条件が未定のため、中立では売却を確定事実として扱わない。
10年後の営業利益は約103億円、純利益は42.5億円となる。売上高は物価上昇と介護の数量増で拡大しても、ROEは約5.7%にとどまる。過去の収益水準と資本効率を踏まえると、堅実に事業が存続しても株主が大きな超過利回りを得るとは限らない。
- 学研教室・学習塾:数量 275,000(学研教室・塾の会員延べ人数(人年、複数科目の重複を含む))× 価格 0.00(会員延べ1人年当たり売上(億円、名目))→ 売上 503 億円・営業利益 15 億円。対人指導の数量は0.705倍、単価は約1.34倍。AIエージェント代替を中立に反映。
- 出版・教材・知的財産:数量 17.0(書籍・教材の販売冊数換算(百万冊相当、推定))× 価格 18(100万冊換算当たりの売上(億円、名目))→ 売上 306 億円・営業利益 26 億円。冊数換算0.85倍。価格改定と知的財産収入が減少を一部補う。
- 語学・社会人教育・看護研修:数量 42,000(年間有料学習者の契約換算人数(人年、推定))× 価格 0.00(有料学習者換算1人年当たりの売上(億円、名目))→ 売上 61 億円・営業利益 3 億円。利用契約換算数0.70倍、単価約1.27倍。人月・研修型のAI代替。
- 保育・幼児・園学校向けサービス:数量 112(子育て支援拠点の換算施設数(施設、推定))× 価格 2.05(1施設換算当たりの売上(億円、名目))→ 売上 230 億円・営業利益 5 億円。共働き・発達支援需要を取り込むが、少子化と人件費の制約が残る。
- 海外教材・ベトナムDTP:数量 20,500(取引学校換算数(校、推定))× 価格 0.01(取引学校換算1校当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 120 億円・営業利益 16 億円。学校販路が増え、国内より高い実質数量成長を確保。
- 高齢者住宅・生活支援:数量 18,300(高齢者住宅の居室数(戸、認知症グループホーム居室を除く))× 価格 0.05(1居室当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 875 億円・営業利益 39 億円。居室数は約1.42倍、実現単価は約1.33倍。介護賃金と賃料で利益率は抑えられる。
- 認知症グループホーム・地域介護:数量 475(認知症グループホーム等の換算運営拠点数(施設))× 価格 1.39(1拠点当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 660 億円・営業利益 26 億円。拠点数は約1.22倍。価格はほぼ物価並み。
- その他・物流等:数量 4.5(物流・役務の処理件数換算(百万件、推定))× 価格 8.70(100万件換算当たり売上(億円、名目))→ 売上 39 億円・営業利益 −1 億円。周辺業務の物量減と費用増。
- レアジョブ取得事業:数量 50,000(2026年取得事業の年間利用顧客換算人数(人年、推定))× 価格 0.00(利用顧客換算1人年当たり売上(億円、名目))→ 売上 78 億円・営業利益 2 億円。2026年取得後の推定顧客80,000人年に対して数量0.625倍。AI代替後の事業。
倍率:ROEは42.5÷752.2=約5.65%で、k7.0%を下回る。資本コスト未満の利益を再投資しても超過価値は生まれないため、利益ベースの上限を1÷k=14.286倍とする。名目長期成長率2.5%は数量と価格の将来見通しを表すが、低ROE企業の倍率を無理に引き上げる根拠には用いない。
確率:今の介護需要と会社の拠点拡大方針は根拠がある一方、増収を利益に変える力はまだ弱い。教育と研修のAI代替、職員費用、金利上昇を同時に反映し、最も起こりやすい中心の筋書きとして30%とする。
やや悲観 26% 教育の数量減と介護費用の増加が続く 利益 22 億円 · PER 11.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 618 円257 億円
学研教室と塾は、少子化に加えてAI家庭教師の普及が進み、従来の授業時間に対する支出を減らされる。教室を閉じる費用と残存拠点の固定費が増え、残る会員への値上げも限定的となる。オンライン英会話と研修は、独自の記録基盤や規制による保護がない部分から代替が進む。
出版は参考書の冊数が減り、AIで生成した教材との価格競争が起きる。ベトナムでは学校販路を維持するが、教育制度の変更や現地競争によって単価の改善が鈍る。レアジョブの取得事業でも、対人英会話の顧客が減少する。
介護は必要とされ続けるが、採用難によって職員配置の費用が増える。施設数をある程度増やしても、新規施設の立ち上げ費用と更新投資が利益を圧迫する。ココファンの売却をめぐる交渉が長期化すれば、将来の投資配分も決めにくくなる。
売上は物価によって一定程度下支えされても、営業利益は約58億円に減る。純利益は約22億円となり、ROEは資本コストを大幅に下回る。株主還元を縮小して資金を確保するが、企業価値を増やす再投資先が不足する状態である。
- 学研教室・学習塾:数量 240,000(学研教室・塾の会員延べ人数(人年、複数科目の重複を含む))× 価格 0.00(会員延べ1人年当たり売上(億円、名目))→ 売上 389 億円・営業利益 4 億円。会員数0.62倍。AI代替と教室固定費で採算低下。
- 出版・教材・知的財産:数量 15.5(書籍・教材の販売冊数換算(百万冊相当、推定))× 価格 17(100万冊換算当たりの売上(億円、名目))→ 売上 259 億円・営業利益 21 億円。冊数減と競争で価格上昇が物価に及ばない。
- 語学・社会人教育・看護研修:数量 36,000(年間有料学習者の契約換算人数(人年、推定))× 価格 0.00(有料学習者換算1人年当たりの売上(億円、名目))→ 売上 50 億円・営業利益 1 億円。AIエージェント代替で契約数量0.60倍。
- 保育・幼児・園学校向けサービス:数量 105(子育て支援拠点の換算施設数(施設、推定))× 価格 1.95(1施設換算当たりの売上(億円、名目))→ 売上 205 億円・営業利益 2 億円。施設を維持するが園児数減少と職員費用に苦しむ。
- 海外教材・ベトナムDTP:数量 18,000(取引学校換算数(校、推定))× 価格 0.01(取引学校換算1校当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 98 億円・営業利益 10 億円。海外販路は残るがシェア拡大が鈍化する。
- 高齢者住宅・生活支援:数量 16,000(高齢者住宅の居室数(戸、認知症グループホーム居室を除く))× 価格 0.05(1居室当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 760 億円・営業利益 30 億円。居室数は増えるが採算改善に至らない。
- 認知症グループホーム・地域介護:数量 450(認知症グループホーム等の換算運営拠点数(施設))× 価格 1.33(1拠点当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 599 億円・営業利益 20 億円。介護人件費と制度上の価格制約が収益を圧迫。
- その他・物流等:数量 4.3(物流・役務の処理件数換算(百万件、推定))× 価格 8.20(100万件換算当たり売上(億円、名目))→ 売上 35 億円・営業利益 −2 億円。付帯業務が縮小。
- レアジョブ取得事業:数量 41,000(2026年取得事業の年間利用顧客換算人数(人年、推定))× 価格 0.00(利用顧客換算1人年当たり売上(億円、名目))→ 売上 57 億円・営業利益 0 億円。取得時の想定顧客換算数の約半分まで減る。
倍率:ROEは約3.34%とk7.0%を下回る。稼ぐ力の上限1÷k=14.286倍より低い11.5倍を採用する。国内教育の顧客基盤縮小と介護の更新投資が長期的な再投資余地を減らすため、悲観側では事業の縮小を利益と評価の両方に反映するが、現在の市場倍率は参照しない。
確率:子供向け授業と語学研修ではAI代替が中立より速く進み、介護では賃金上昇が価格改定を上回る場合。過去に増収しても高齢者住宅利益が伸びなかった事実から、十分に起こりうる悪化として26%を配分する。
悲観 12% 教育の競争力と介護の資本効率を同時に失う 利益 −10 億円 · PBR 0.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 381 円158 億円
学習サービスは、保護者が授業時間ではなくAI教材と必要最小限の対面指導を購入する形へ移る。学研教室の一部は生き残るが、会員数は大きく減る。拠点を閉鎖しても家賃や人員整理の費用が残り、かつての教室網の広さは強みより固定費負担となる。
出版では参考書の販売部数が減り、教材のデジタル化による価格競争が進む。レアジョブは対人英会話の数量を大きく失い、買収時に期待した相乗効果が実現しない。海外では競争企業と教育制度変更によって学校販路が縮小する。
高齢者住宅と認知症グループホームの需要自体は消えない。しかし職員不足と介護報酬の制約によって利益率は低下する。高齢者住宅の増設を抑え、老朽施設の更新や撤退の費用が発生する。ココファンの売却交渉が不利な価格で決着するか、成立しないまま資金負担が残る可能性もある。
過去の買収に伴うのれんと無形資産の減損が重なり、10年間の累積純利益は損失となる。最終年の営業利益は赤字、純利益も赤字に転落する。会社が完全に消滅するとは考えないが、教育ブランドと介護拠点の双方でかつての優良さを失った状態である。悲観の価値は会計上の自己資本全額ではなく、換金できる資産から負債と処分費用を差し引いた水準まで下がる。
- 学研教室・学習塾:数量 160,000(学研教室・塾の会員延べ人数(人年、複数科目の重複を含む))× 価格 0.00(会員延べ1人年当たり売上(億円、名目))→ 売上 246 億円・営業利益 −5 億円。会員数は約0.41倍。閉鎖費用と残存固定費で赤字。
- 出版・教材・知的財産:数量 9.0(書籍・教材の販売冊数換算(百万冊相当、推定))× 価格 14(100万冊換算当たりの売上(億円、名目))→ 売上 126 億円・営業利益 6 億円。冊数は半分以下。AI教材との価格競争で実質単価も低下。
- 語学・社会人教育・看護研修:数量 24,000(年間有料学習者の契約換算人数(人年、推定))× 価格 0.00(有料学習者換算1人年当たりの売上(億円、名目))→ 売上 30 億円・営業利益 −2 億円。対人研修需要が約0.40倍となり、固定費を吸収できない。
- 保育・幼児・園学校向けサービス:数量 78.0(子育て支援拠点の換算施設数(施設、推定))× 価格 1.60(1施設換算当たりの売上(億円、名目))→ 売上 125 億円・営業利益 −4 億円。園児減少と施設閉鎖で赤字。
- 海外教材・ベトナムDTP:数量 11,000(取引学校換算数(校、推定))× 価格 0.00(取引学校換算1校当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 52 億円・営業利益 2 億円。海外学校販路を失い、価格競争が進む。
- 高齢者住宅・生活支援:数量 13,000(高齢者住宅の居室数(戸、認知症グループホーム居室を除く))× 価格 0.04(1居室当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 488 億円・営業利益 10 億円。居室数はほぼ横ばい。価格の実質的な伸びが失われ、固定費負担が残る。
- 認知症グループホーム・地域介護:数量 360(認知症グループホーム等の換算運営拠点数(施設))× 価格 1.10(1拠点当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 396 億円・営業利益 8 億円。拠点の整理と職員費用増で収益低下。
- その他・物流等:数量 3.5(物流・役務の処理件数換算(百万件、推定))× 価格 7.40(100万件換算当たり売上(億円、名目))→ 売上 26 億円・営業利益 −1 億円。周辺サービスの縮小。
- レアジョブ取得事業:数量 25,000(2026年取得事業の年間利用顧客換算人数(人年、推定))× 価格 0.00(利用顧客換算1人年当たり売上(億円、名目))→ 売上 31 億円・営業利益 −2 億円。取得時の顧客換算数量から大幅減。のれん等の減損リスクも高まる。
倍率:最終年は営業・純利益とも赤字であるため、PERではなく今の自己資本514.2億円を基準に換金可能価値を測る。2025年ののれん約96億円とその他無形固定資産約101億円を清算時の額面価値から外し、介護施設造作、在庫、繰延税金資産、保証金等にも合計約150億円の処分・回収減額を想定する。残る資産価値は約165億円であり、PBR0.33による約170億円はその近傍となる。将来積み上げた自己資本411.2億円には倍率を掛けない。
確率:AIによる対人授業・語学サービスの急速な代替、介護人材不足、取得事業の減損、事業再編の失敗が重なる複合事象である。発生頻度は高くないが、過去に大きな損失を経験した会社であり、12%を無視できない下方確率として配分する。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
学研教室・学習塾
学研教室、進学塾、市進グループなど。継続会員が払う月謝と受験・教育関連サービスが収益源となる。
| 数量学研教室・塾の会員延べ人数(人年、複数科目の重複を含む) | 価格会員延べ1人年当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 390,000 | 0.00 | 534 | 23 |
| 10 年後 中立 | 275,000 | 0.00 | 503 | 15 |
取り方:会社公表の学研教室等会員約312,000人と塾会員約78,000人を合算した延べ390,000人を数量とする。科目による二重計上を含むため純粋な実人数ではない。売上約534億円を割って平均実現単価を約13.7万円とした。2025年4月の月謝改定実績を価格維持力の根拠とする。中立の10年数量は現在の約0.705倍、価格は約1.34倍で、AIエージェント代替の人月・研修型の範囲に入る。
出版・教材・知的財産
児童書、学習参考書、実用書、教材、ライセンスとデジタルコンテンツの販売。
| 数量書籍・教材の販売冊数換算(百万冊相当、推定) | 価格100万冊換算当たりの売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 20.0 | 13 | 268 | 28 |
| 10 年後 中立 | 17.0 | 18 | 306 | 26 |
取り方:中期計画の新事業区分で出版・コンテンツサービス約337億円から語学・社会人教育約69億円を分け、出版・教材側を約268億円とした。書籍冊数の全社統一開示は確認できず、年間2,000万冊相当という分析上の換算数量を使った。平均売上約1,340円には教材やライセンス収入が混ざるため、実際の本の店頭平均価格を示すものではない。実用書や学参の価格改定実績と学校向けデジタルサービスの競争を考慮する。
語学・社会人教育・看護研修
Kimini英会話、看護師向けeラーニング、資格・企業研修など。契約学習者と病院・企業が料金を支払う。
| 数量年間有料学習者の契約換算人数(人年、推定) | 価格有料学習者換算1人年当たりの売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 60,000 | 0.00 | 69 | 5 |
| 10 年後 中立 | 42,000 | 0.00 | 61 | 3 |
取り方:中期計画に示された語学・社会人教育の売上約69億円を採用する。オンライン英会話の会員数などは開示されるが、病院との法人契約を含む人数は統一できないため、学習者60,000人年を契約換算した推定値である。中立ではAIエージェント代替により数量を42,000人年とし、今の0.70倍にする。名目単価は1.27倍で、授業の成果報酬化が確認できないため物価上昇率を超える価格改善を前提としない。
保育・幼児・園学校向けサービス
保育園、学童、児童発達支援、園や学校向け教材・サービスを組み合わせた事業。
| 数量子育て支援拠点の換算施設数(施設、推定) | 価格1施設換算当たりの売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 103 | 1.57 | 162 | 1 |
| 10 年後 中立 | 112 | 2.05 | 230 | 5 |
取り方:会社公表の子育て支援施設約103拠点を数量の代表値とした。売上は新事業区分の保育・幼児と園学校関連を合わせて約162億円であり、施設運営以外の学校向け販売も含む。したがって1施設当たり売上は実際の保育所収入ではなく、複合事業を施設数に換算した分析用の単価である。学童・発達支援の開設と園児数減少を別々の要因として考慮する。
海外教材・ベトナムDTP
ベトナムの教科書・教育コンテンツと、海外学校への販売・ライセンス事業。
| 数量取引学校換算数(校、推定) | 価格取引学校換算1校当たり年間売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 12,500 | 0.00 | 53 | 7 |
| 10 年後 中立 | 20,500 | 0.01 | 120 | 16 |
取り方:中期計画のグローバル事業売上約53億円を使用する。学校別取引額と取引学校実数の統一開示は確認できず、DTP等の学校販路を12,500校相当とする推定である。学校1校当たりの教材購入・ライセンス収入を平均化して売上を再現した。DTP連結による初年度の売上増加と、将来の実質取引校数拡大を区別している。
高齢者住宅・生活支援
学研ココファン等の高齢者住宅、賃料、生活支援、介護関連サービス。
| 数量高齢者住宅の居室数(戸、認知症グループホーム居室を除く) | 価格1居室当たり年間売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 12,918 | 0.04 | 465 | 24 |
| 10 年後 中立 | 18,300 | 0.05 | 875 | 39 |
取り方:会社公表の2025年9月末高齢者住宅総戸数12,918戸を採用し、認知症グループホームの6,353居室はここに混ぜない。売上465億円を戸数で割り、家賃・生活支援・訪問介護などを含む1居室年間約360万円を実現単価とした。2025年9月期の入居率95.8%と2025年3月の価格改定を確認した。中立では戸数18,300戸、単価約1.33倍とする。2026年10月時点のココファン売却は未決定であり、成立による除外や売却収入を中立の数量と価値に先取りしない。
認知症グループホーム・地域介護
認知症対応型共同生活介護施設と関連する介護・生活支援サービス。
| 数量認知症グループホーム等の換算運営拠点数(施設) | 価格1拠点当たり年間売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 388 | 1.04 | 403 | 22 |
| 10 年後 中立 | 475 | 1.39 | 660 | 26 |
取り方:グループ公表の認知症グループホーム等約388拠点を数量とし、約403億円の売上を割った。居室単位の高齢者住宅とは異なり、こちらは拠点単位の数量である。関連サービスや施設形態の違いを含むため、約1.04億円は代表施設の売上ではなく平均換算額となる。2025年9月期の入居率97.6%、同年2月からの段階的な価格改定実績を反映する。
その他・物流等
グループ物流、周辺サービス、売上区分間の小額の差を含む補助的な事業。
| 数量物流・役務の処理件数換算(百万件、推定) | 価格100万件換算当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 5.0 | 7.40 | 37 | −2 |
| 10 年後 中立 | 4.5 | 8.70 | 39 | −1 |
取り方:新事業区分のその他売上約33億円と、事業別売上を億円単位に丸めた差約4億円を含む小区分として37億円を置く。処理件数は会社開示の実数ではなく、年間500万件換算の分析用仮定。個別区分の利益が未開示のため営業利益マイナス2億円は推定とし、全社との調整は別に計上する。
レアジョブ取得事業
2026年7月に完全子会社化したレアジョブのオンライン英会話、リスキリング、子供・子育て支援事業。
| 数量2026年取得事業の年間利用顧客換算人数(人年、推定) | 価格利用顧客換算1人年当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 0.0 | 0.00 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 50,000 | 0.00 | 78 | 2 |
取り方:2025年9月期にはレアジョブが学研の完全連結子会社ではなかったため、当該期の追加連結売上を0とする。取得後の参考規模として、レアジョブ2026年3月期売上高96.01億円を、年間利用者80,000人年×名目12万円という推定換算で表現する。これは利用者実数ではない。中立の2036年数量50,000人は、取得後の想定起点80,000人に対して0.625倍であり、AIエージェント代替の人月・対人研修型の縮小を反映する。子供支援など物理的サービスが一部含まれることも踏まえた複合事業としている。
リスクと懸念
AIエージェント代替による授業・研修収入の縮小
学研教室、学習塾、オンライン英会話、企業研修は、利用者が人間の指導時間や教材制作にお金を払う部分を持つ。AIが問題作成、個別説明、採点、対話練習を低い費用で提供すれば、同じ授業時間を購入する理由が薄れる。中立では教室・塾の延べ会員数量を10年で約0.71倍、従来の語学・社会人教育を0.70倍、レアジョブ取得事業を取得時推定数量の0.625倍とした。これは資本コストの上乗せには重複させていない。
介護職員不足と介護報酬・賃料の固定性
高齢者住宅の入居率が高くても、介護職員を確保できなければサービスを増やせない。処遇改善、夜勤人員、食費、光熱費、建物賃料の上昇が販売価格を上回ると、増収であっても利益が減る。介護報酬は公的制度で決まり、全額を自由に転嫁できない。住宅や施設を借りる契約は継続的な固定費であり、入居率低下時にすぐ削減できない点も慎重に見る。
ココファン売却条件と事業構成の急変
2026年10月13日に、会社は学研ココファンの売却に向けた入札開始を認めたが、成約や価格は決定していない。仮に売却すれば、介護の収益基盤と資本負担の両方が会社から外れ、財務構成が大きく変わる。高値売却と負債返済は株主価値を改善しうるが、安値売却や不採算事業への再投資は逆効果となる。買い手・対価・税金・残存契約が明らかになるまで、売却益を本質価値に先取りしない。
買収の利益率と既存株主の持分希薄化
市進、桐原書店、DTPなどへの投資で事業は拡大したが、売上成長に見合うROE改善は確認できていない。2026年のレアジョブ株式交換でも、自己株式の交付によって従来株主の持分は約6.65%薄まる。取得したレアジョブの営業利益は売上規模に比べて小さく、対人英会話の将来にはAI代替リスクがある。買収価格と取得後の増分利益を見ずに規模拡大を評価することはできない。
金利上昇と更新投資による自由現金の圧迫
添付の純有利子負債は約146億円で、時価総額の約34%に相当する。借入の借り換え金利が3.5%程度へ上がると、10年後の税前金融収支は概算で年4億円悪化する。既存建物の減価償却費は取得価格のままだが、新施設や更新工事の支払額は物価・建築費とともに上昇する。利益が帳簿上は残っても、配当や自社株取得に使える現金は減りうる。
出版IP・海外教材の需要と競争
学習参考書や児童書のブランドがあっても、書店経由の販売部数には人口減少と流通変化の影響が及ぶ。AIによる教材生成が一般化すれば、既存コンテンツの一部は価格競争に直面する。ベトナムのDTPは成長機会だが、学校採択、現地規制、競合出版社、教材制作の現地化によってシェアが変わる。国内の減少を海外が必ず補うとの想定は置かない。
無形資産と株主に戻らない帳簿価値
2025年9月期の連結貸借対照表には、のれんとその他無形固定資産が合計で約197億円ある。教育や介護の買収事業で収益性が下がれば、これらは減損対象となる。自己資本が約514億円あることだけを根拠に、その額を株主の換金可能価値と見るのは危険だ。悲観の床では無形資産を額面で評価せず、施設資産、在庫、保証金等の処分費用も考慮する。
今後の分かれ目
- 学研ココファンの売却が正式に決定し、対価と譲渡対象が開示されたら
- 失う営業利益、税引き後売却代金、解消する借入・保証、残る本社費用を個別に計算する。売却価格が継続保有価値を超え、返済または還元に回るなら上方修正し、安値売却と再投資失敗なら下方修正する。
- 2027年9月期のROE8%と営業利益95億円の目標が達成され、その後も増分利益率が改善したら
- 介護・教育の投下資本採算が改善した事実として、やや楽観側の確率を引き上げる。単年度の売却益や減損戻入れによるROE改善は、持続的な利益とは区別する。
- 学研教室の会員数減少がAI導入後も止まり、月謝改定を継続できたら
- 対人指導の数量減少を現在の中立より浅く見直す。教室数だけでなく、実際の有料会員数、継続年数、単価、教室利益率を同時に確認する。
- オンライン英会話とレアジョブの有料利用者が大幅に減り、AIサービスへの移行が進んだら
- 語学・研修事業の数量と利益率を悲観側へ移し、のれん等の減損も検討する。単なるAI機能の発表ではなく、課金継続率と実際の売上を確認する。
- 高齢者住宅の新設居室が増え、同時に営業利益率と営業キャッシュフローも改善したら
- 介護事業の増分投下資本利益率が改善した証拠となるため、中立・やや楽観の利益率を上方修正する。居室数増加だけでは価値を引き上げない。
- 介護職員不足で入居率が低下するか、介護報酬改定が人件費上昇を補えなくなったら
- 施設数を増やせても利益が出ない構造として、医療福祉の利益率を下方修正する。固定賃料と撤退費用が残る場合は、やや悲観・悲観の確率も見直す。
- レアジョブの完全子会社化後の自己株式数と発行済控除自己株数が最新短信で確定したら
- 添付基準株数と株式交換後の流通株数の差を再照合する。既存株主の希薄化を重複計上せず、企業価値全体と持分当たり価値を同じ株数基準へ更新する。
見ておくもの
- 学研教室・学習塾の有料会員数、教室数、会員継続年数、月謝改定後の退会率
- 出版・コンテンツの販売部数、返品率、価格改定実績、ライセンス売上
- Kimini・レアジョブ英会話の有料利用者数、法人契約数、AI機能導入後の課金継続率
- 高齢者住宅の居室数、入居率、新規開設物件の採算、施設の賃借料
- 認知症グループホームの拠点数、入居率、介護職員確保費用、報酬改定
- 学研ココファンの売却入札、正式な売却条件、譲渡対象、売却代金の使途
- 連結営業利益率、ROE、営業キャッシュフロー、設備投資、減価償却、純有利子負債
- レアジョブ株式交換後の自己株式数、希薄化後株数、取得事業の増分利益
- 中期計画のDOE2.5%、配当性向30%以上、ROE8%の達成とその継続性
倍率と資本コストの決め方
添付の2026年10月22日時点の株価と2026年6月30日時点の株数を基準にした時価総額は約431.2億円である。ただし2026年7月のレアジョブ株式交換で自己株式約296.6万株が交付されたため、基準株数のまま現在価値を比較すると既存株主の持分を過大評価する。この差はholder_share0.93349で補正した。交換後の単純推定流通株数は約4,459万株で、同じ株価による時価総額は約462億円となる。
事業の数量は学研教室会員、書籍換算冊数、高齢者住宅居室数、認知症グループホーム拠点数などから組み立てた。実数がない区分は推定であることを各howに明示し、名目物価は価格にのみ織り込んだ。AIエージェント代替は対人教育の中立数量とg_longに入れ、資本コストの寿命項目には重ねない。物理的な介護はAI代替と同じ縮小率にしない。
10年後の中立営業利益率は約3.6%で、過去の高水準を無根拠に更新しない。税・金融費用・少数株主持分を踏まえ、中立純利益42.5億円は営業利益約103億円から算定した。添付の金利上昇による税前約4億円の悪化も反映する。既存の減価償却は物価で一律に増やさず、今後の施設新設・更新投資に伴う償却増と現金流出を別に考えた。
10年後の自己資本は、現時点の514.2億円に各筋書きの10年間の累積純利益を加え、累積還元を差し引く流れで整合させた。中立では累積純利益413億円、還元175億円、自己資本752.2億円となる。中立のPERはROEが資本コスト未満なので1÷k、上振れ側はRONICとg_longから正当化した上限を採用した。現在・過去の市場PERやPBRから価値を逆算していない。
確率加重した10年後の時価総額と累積還元を資本コスト7%で現在価値に直すと、会社全体の価値は約483億円となる。従来株主の持分0.93349を反映した価値は約451億円であり、基準時価総額431.2億円との差は約プラス4.6%、区分は適正である。今後の新リース会計基準で貸借対照表上のリース負債や営業利益の表示が変化しても、ここでは家賃を営業費用に含める従来型の事業利益で統一している。ココファン売却は未決定なので、売却対価を無条件に上乗せしていない。
資本コスト 7.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%から基本7.5%。事業の利益変動の小ささによるqualityマイナス0.5%を加味し、資本コスト7.0%とする。教育と介護の実際の事業構成を優先し、添付のメディア・放送・映像コンテンツ企業の資本コストを機械的に流用しない。