結論
ハイブリッドテクノロジーズは日本の顧客向けの開発をベトナムの技術者と組み合わせる会社から、ベトナム国内のシステム導入、人材派遣、営業代行も抱える企業集団へ姿を変えている。筆者の結論は『割高』である。売上が増えることと、今の株主に帰属する利益が増えることは、まったく別の話だからだ。
2025年9月期の売上収益は約30億円だったが、2026年9月期はNGSCの連結などで約69億円の会社予想になった。しかし国内開発は2026年の第3四半期累計で前年同期比約2割減収となり、連結営業利益が増えても親会社帰属利益は赤字だった。NGSCに対する持分は40%しかなく、残りの株主への利益配分を忘れると価値を大きく誤る。
十年先に残る仕事は、顧客の業務を深く理解し、安全に設計・導入する仕事である。単純な実装、テスト、資料作成、営業架電を人月で請け負う量は、AIエージェントで減ると考える。現時点で同社に、価格を引き上げても顧客が離れないことを示す継続率や独占的な業務データは見つからない。
2026年10月の持株会社化や新規買収が経費削減と高付加価値化につながる余地はある。ただ、直近の借入増加、営業キャッシュフローの赤字、巨額ののれんを踏まえると、改善を既成事実として高く買うことはできない。事業価値を将来の親会社利益から求めた結果、確率加重した現在価値は直近の時価総額約36億円を大きく下回る。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって肝心なのは、技術者の人数や買収件数ではなく、親会社の取り分として残る現金である。国内で設計したものをベトナムで開発する仕組みは顧客に便利だが、競合も同様の拠点をつくれる。人材の質に差があっても、人員を増やさないと売上を増やせないなら、拡大のたびに採用費、教育費、管理者、運転資金が必要になる。
この企業はかつて高い営業利益率を実現したが、競争優位が広がるにつれて利益率も高まったわけではない。むしろ規模拡大と買収の後に営業利益が細り、非支配持分や借入費用の存在が目立つ。新しく投入する1億円が、その資本コストを十分上回る利益を親会社株主にもたらすという証拠はまだ乏しい。
最も心配なのはAIエージェント代替である。設計や顧客折衝の仕事は残るとしても、人月の大きさを利益の源にする商売では、技術進歩が取引量を減らしうる。クラウドプロの成果報酬やNGSCの導入経験に可能性はあるが、自社だけが持つ規制上の記録や固有データによって収益が守られるとは確認できない。好況時の利益を十年後まで単純に延ばせない。
残余資産の点でも、2025年時点の純現金は買収後の2026年には借入超過へ変わった。のれんは工場や預金のように売れない。親会社の支配権を握る株主と一般株主の利害も常に一致するとは限らない。筆者は改革が成功してから収益力を高く評価したいと考える。今の時価総額を払うには、十年後のオーナー利益に対する安全域が不足している。
何で稼ぐ会社か
収益の核は、国内企業から請けるシステム開発とベトナムの開発チームである。顧客の企画から要件定義、開発、運用までに入り込み、技術者の稼働人数と請求単価が売上を左右する。国内開発にはWur、ドコドア、ハイブリッドビジネスコンサルティングなどで補う企画・制作・上流支援も含まれる。2026年10月からはオフショア事業をハイブリッドワン、国内ソリューションをShuHaRiへ移した。
第二の柱は、2025年10月から連結を始めたベトナムのNGS Consulting(NGSC)である。現地企業向けにERPやITインフラの設計・導入、システム開発、機器販売を行い、2026年の海外事業売上を大きく押し上げた。ただし第2四半期の約6.47億円は一時的なハードウェア販売で、継続する開発売上と同じ寿命を与えられない。NGSCは40%持分での実質支配に基づく連結であり、売上と営業利益の全額が表示されても純利益の全額は当社の取り分ではない。
国内の人材領域では、ハイブリッドテックエージェントや買収したグルーヴ・システム、譲受したSES事業が技術者を顧客先へ供給する。2026年第3四半期には稼働人数291人、月当たり単価70.2万円という数量と価格が示された。買収で稼働人数が増えても、引き受けた契約の単価が低ければ利益率は上がらない。
2026年10月取得のクラウドプロは、SaaS企業の商談創出を成果報酬などで支援する。2026年3月期の単体売上は約1.19億円で、これを新しいAI BPO領域の種とする方針だ。成果報酬は従来の人月契約より良い形になりうるが、買い手自身も営業エージェントを使える時代には、成功報酬率まで保護されるわけではない。
優良さと弱いところ
会社の長所は、ベトナムの人材に接続でき、日本側で案件を管理する体制を築いた点にある。NGSCはSchneider Electricの重要ITインフラ関連パートナー認証も得ており、現地の企業向け導入経験には一定の価値がある。しかし、認証と開発経験だけで独占的な地位にはならない。業務の記録を法的に管理する基盤、解約率5%未満の継続契約、値上げを繰り返し通した実績など、強い堀を認める証拠が二つ以上そろった事業は確認できなかった。
利益の質には厳しい評価が必要だ。2022年9月期の営業利益率は約12%だったが、2025年9月期には1%未満に落ち込んだ。2026年に売上が倍増しても国内事業の減収、取得会社の管理費、のれん償却や金融費用が重く、親会社の利益は回復していない。過去の高い利益率を恒久的な値決め力の証拠と扱えない。
また、海外子会社を少数持分で支配しているため、資本を追加で投じたときの増分利益が親会社株主へどれだけ残るかが見えにくい。2026年第3四半期の連結四半期利益はプラスでも、非支配持分への帰属を引くと親会社帰属損失だった。ROICが資本コストを超えていると判断するには、買収後の投下資金と現金回収を追う必要がある。
技術者の採用力や既存顧客との関係は競争を和らげるが、最終的な値段を自社で決める力は弱い。2026年の組織再編による経費削減と、AIを売る側への転換が実際の現金利益として表れるかが、十年後の会社の質を決める。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内ITサービス市場は、添付の業種資料とIDCの推計で2025年約7.5兆円、2030年約10兆円という成長市場である。ただし市場全体が膨らんでも、その仕事を人月で売る会社の収入が同じ割合で膨らむとは限らない。顧客はAIエージェントを使い、自ら要件整理、コード生成、試験、障害分析を進められる。残る外注はシステム全体の責任、機密保護、古い基幹系との接続、現場での導入などに絞られていく。
同社の国内開発売上を2026年の年換算約22億円とみれば、国内ITサービス全体に対する売上シェアは約0.03%である。競合にはTIS、SCSK、SHIFT、システナ、Sun Asterisk、FPT Softwareなどがいる。大手には長期運用契約や業界固有の標準システムがあり、当社が自動的にシェアを奪える理由はない。シェアを維持するだけでも、顧客の内製化と大手の案件集約を上回る獲得力が要る。
ベトナムITサービス市場は民間調査で2026年約26億ドルと推計される。海外開発部分の当社の年換算売上は約22億円で、同市場に対しておよそ0.6%の規模にすぎない。現地のFPT、CMC、Viettelや外資と競い、単一企業の支配的なシェアは持たない。FPTは国内ITサービスだけでも同社の海外部門を大きく上回る。機器販売は案件ごとの大型納入で振れ、同市場との厳密なシェア比較はできない。
人材領域は日本のデジタル人材関連サービス約1.5兆円の大市場に属するが、単価と稼働人員に従う小規模プレーヤーである。クラウドプロが入るBPO全体も5兆円程度と大きいが、営業代行だけの市場規模や主要会社のシェアは同じ定義で開示されていない。大きな市場の存在と、個社の収益力を混同してはならない。
資本政策と M&A
資本配分は配当より買収を優先してきた。2023年のハイブリッドテックエージェント、2024年のWurとドコドア、2025年のハイブリッドビジネスコンサルティング、NGSC、2026年のグルーヴ・システム関連事業や営業代行のクラウドプロへと対象を広げた。クラウドプロ取得の概算総額3.71億円は、取得対象の直近営業利益0.39億円に対して小さくない支出である。買収が売上の足し算ではなく親会社の現金利益に転化するかを厳しく見るべきだ。
2025年11月の『事業計画及び成長可能性に関する事項』には2026年9月期の売上51.19億円、営業利益1.65億円という単年度予想があった。2026年8月の修正では売上68.59億円、営業利益1.87〜2.51億円となったが、親会社帰属損益は赤字を予想した。確認できた資料に、複数年の売上・利益・ROEを拘束する中期計画や、配当性向・DOE・総還元性向の数字の約束はない。
2025年9月期まで配当はなく、2026年も配当予定はない。一方、2026年2〜5月に20万株を約0.558億円で取得したことは還元の実績である。もっとも、発行株式に対する割合は1.74%で、継続的な資本政策を確信するほどではない。Soltecとエアトリが議決権行使で連携し、支配力が強い点も少数株主の現金回収には割り引いて考える。
2026年10月の持株会社化は上場廃止の手続きではない。現時点でTOB・MBOの発表は確認されないが、親会社の将来の完全子会社化は選択肢として残る。買収価格や時期を想像して利益に上乗せはしない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
日本のレガシーシステム刷新とベトナムのIT近代化は、一過性ではない。企業がAIを導入するほど、権限管理、データ整備、既存基幹系との接続、セキュリティ監査が必要になる。ハイブリッドワンとShuHaRiは、単純なプログラム作成ではなく、この難しい入口を扱う会社へ転換できる。NGSCの現地実績とSchneider Electricのパートナー認証が本格的な大型案件につながれば、日本発の小さな開発会社にとどまる理由はない。
2026年には海外部門が急拡大し、国内のSESも譲受によって短期に稼働人数を増やした。稼働単価が低い契約を更新時に入れ替え、国内の不振部門を統廃合すれば、販管費負担は軽くなる。AIを社内の開発・管理に使って生産性を上げられれば、提供作業量が減る中でも粗利の取り分を維持できる。ベトナムでは機器導入や現場での責任が残り、すべての収入がAIで消えるわけではない。
クラウドプロには直近で実際の売上と営業利益があり、成果報酬型への転換の足場として使える。親会社が買収した他社の販売網と組み合わせれば、単なる営業代行から顧客の業績に連動した契約へ進む可能性がある。持株会社化は事業別の採算を可視化し、不要な管理費を切れる。過去の高い利益率への復帰が決して不可能ではないという根拠は、こうした実行可能な改革にある。
慎重な見方
会社の売上を押し上げているのは持続的な値上げや既存顧客の利用拡大ではなく、相次ぐ買収と一時的な大型機器販売である。2026年第3四半期は国内開発が2割減収し、売上の増えた海外事業も40%しか持分がない。非支配持分の利益を引くと親会社の決算は赤字になる。これでは連結営業利益をそのまま高く評価することはできない。
最大の危険は、販売方法そのものが古くなることである。AIエージェントが実装、試験、保守、営業リスト作成を請け負えば、発注企業が必要とする外部工数は少なくなる。安価なベトナム人材を組み合わせる利点も、AIの利用料と比較される。国内大手との価格競争が厳しくなれば、稼働人数を維持しても請求単価が上がらない。営業BPOでも買い手による内製化が起きる。
借入増加と営業キャッシュフローの流出は、売上を買っている最中の企業には重い。2026年6月末には借入金が現金を大きく超え、連結ののれんは約15億円に膨らんだ。取得会社の業績が悪化すれば減損と資本の毀損が重なる。支配株主が還元より新たな買収を優先すれば、少数株主が帳簿の純資産を回収できる保証もない。中立で黒字を取り戻すための組織改革すら未達に終わる可能性を無視できない。
どちらに重みを置いたか
需要市場の広がりと持株会社化による改善余地は認めるが、親会社利益の弱さという反証の方が重い。2026年の成長の多くが買収由来であり、NGSCは持分40%、国内開発は減収、現金回収は悪化している。上側の確率を30%、やや悲観と悲観の合計を39%とし、わずかに下側へ傾けた。AI代替による工数減少は中立の数量と長期成長率に既に織り込んでおり、同じ懸念を資本コストや確率に機械的に重ねてはいない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/09 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 111 円13 億円(+ 還元の換算額還元の合計 11 円1 億円)。 今の値に割り戻すと 56 円6 億円、今との差 −79.8%、 期待の年率 −8.2%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 385 円44 億円 | 53 円6 億円 | +57.1% | +5.0% | 53 円6 億円 |
| やや楽観 | 18% | 115 円13 億円 | 18 円2 億円 | −52.6% | −7.6% | 24 円3 億円 |
| 中立 | 31% | 76 円9 億円 | 4 円1 億円 | −71.3% | −12.0% | 25 円3 億円 |
| やや悲観 | 24% | 64 円7 億円 | 0 円0 億円 | −77.1% | −13.7% | 15 円2 億円 |
| 悲観 | 15% | 35 円4 億円 | 0 円0 億円 | −87.3% | −18.6% | 5 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 111 円13 億円 | 11 円1 億円 | −56.3% | −8.2% | 122 円14 億円 |
今の株価時価総額 279 円32 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 12% 高難度案件へ転じ再編も奏功 利益 4 億円 · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 385 円44 億円
ハイブリッドワンとShuHaRiへの再編がうまく働く。国内で単純な画面作成やテストの仕事は減るが、金融・公共・重要インフラの要件調整と最終責任を引き受ける案件が残り、同社は難しい部分へ技術者を集中させる。国内の市場シェアは小さいままだが、大手SIerから技術難度の高い部分を受託し、数量の落ち込みを避ける。
NGSCはベトナムでERPとデータセンター導入の実績を重ね、FPTなど大手に全面対抗するのでなく専門の工事・導入部分を獲得する。機器納入も継続的に受注するが、成長の本体は請求単価を維持する能力だ。2026年からの人材子会社の統合と管理業務の自動化により、過重だったグループ本社費が大幅に減る。クラウドプロは既存の成功報酬契約を維持し、過度な営業人員拡大をせず利益を残す。
買収済み事業を横につなぎ、親会社への配当可能利益も増える。ただし海外の残余持分60%は引き続き他株主に帰属するため、連結利益のすべてが当社に残るわけではない。会社の回復に加えて株主への小規模な現金還元も進む、最良の十年となる。
- 開発領域・日本事業:数量 220(年間の請求稼働技術者換算人数(人・推定))× 価格 1.11(1人1か月当たり平均請求売上(百万円))→ 売上 29 億円・営業利益 5 億円。請求人数は横ばい、単価は物価並みの1.34倍。高難度案件への転換で利益率改善。
- 開発領域・海外事業の開発・導入:数量 340(年間の開発・導入案件の請求技術者換算人数(人・推定))× 価格 0.74(1人1か月当たり現地顧客からの売上(百万円))→ 売上 30 億円・営業利益 6 億円。ベトナムIT市場で専門導入案件を維持、請求数量は横ばい。
- 開発領域・海外事業の機器納入:数量 1.3(大型納入案件数(件/年・期待値))× 価格 9.80(1案件当たり売上(億円))→ 売上 12 億円・営業利益 1 億円。年間1.25件相当の大型納入が続く例外的な場合。
- 人材領域・SES:数量 200(年度平均の請求稼働技術者(人))× 価格 0.94(1人1か月当たり平均売上(百万円))→ 売上 23 億円・営業利益 2 億円。技術者相当人数は横ばい、単価は物価並み。
- AI BPO領域(クラウドプロ):数量 10.0(年間利用顧客社数(社・開示なしの分析仮定))× 価格 0.16(1社当たり年間成功報酬などの売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AI収益の新設を仮定せず既存顧客規模を維持。
倍率:k8.5%、g_long0%。親会社ROEは3.7÷32.0=11.6%だが、AI代替を受ける工数型の長期成長は0%と判断し、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=1/0.085=11.76倍を上限そのものとする。海外子会社の非支配持分を純利益から除いた。
確率:国内再編が成功し、インフラ・機密性の高い設計とベトナムの導入支援が安定する強い展開。案件数はAI代替を踏まえても今の請求人数換算を上回らないため、過大なAI成長の仮定は入れない。
やや楽観 18% 開発効率化で利益を守る 利益 1 億円 · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 115 円13 億円
日本の開発受注はAIによって実装工数が減るが、システム移行やセキュリティの責任を負う部分には外注が残る。グループは技術者の配置転換を進め、低採算のソリューション案件を縮小する。大手のTISやSCSKが受ける大規模案件の周辺で、限定した専門性を提供して市場シェアの流出を抑える。
NGSCは現地のERP導入で営業を続け、ベトナムIT市場の伸びを背景に利益率を保つ。ただし機器販売は入札ごとに振れるため、直近の大型納入を毎年の約束とはみない。買収したSES事業は稼働単価が緩やかに上がり、採用人数の縮小に合わせて管理費も削減する。
持株会社化が管理業務の重複を解消し、本社費が現在より軽くなる。クラウドプロは成果報酬の受注を維持するものの、人が行っていた営業支援の大部分はAIに置き換わる。非支配株主への利益配分や金利負担を吸収した後、親会社が小幅の黒字と還元を継続できる展開である。
- 開発領域・日本事業:数量 180(年間の請求稼働技術者換算人数(人・推定))× 価格 1.06(1人1か月当たり平均請求売上(百万円))→ 売上 23 億円・営業利益 3 億円。人月数量0.82倍、価格1.28倍。
- 開発領域・海外事業の開発・導入:数量 290(年間の開発・導入案件の請求技術者換算人数(人・推定))× 価格 0.71(1人1か月当たり現地顧客からの売上(百万円))→ 売上 25 億円・営業利益 4 億円。人月数量0.85倍、価格1.28倍。
- 開発領域・海外事業の機器納入:数量 1.0(大型納入案件数(件/年・期待値))× 価格 9.40(1案件当たり売上(億円))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。機器大型納入が年1件相当維持。
- 人材領域・SES:数量 160(年度平均の請求稼働技術者(人))× 価格 0.92(1人1か月当たり平均売上(百万円))→ 売上 18 億円・営業利益 1 億円。稼働数量0.80倍、価格1.31倍。
- AI BPO領域(クラウドプロ):数量 9.0(年間利用顧客社数(社・開示なしの分析仮定))× 価格 0.15(1社当たり年間成功報酬などの売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。既存顧客の約9割、成果報酬単価は1.27倍。
倍率:k8.5%、g_long0%。親会社ROE4.9%はk未満であり、稼ぐ力を超える成長価値を認めない。正当化PERの上限1/k=11.76倍をそのまま使用し、現在や同業の株価倍率を参照しない。
確率:受託工数は縮むが、顧客との継続関係と再編で採算を維持できる場合。クラウドプロの拡販より既存事業の販管費削減が利益改善の中心となる。
中立 31% 工数減少を管理費削減で吸収し小幅黒字 利益 1 億円 · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 76 円9 億円
国内IT市場そのものは拡大するが、簡単な実装と試験を外部の人月で買う必要は減る。国内開発の請求人数相当は現在の3分の2弱となり、単価は人手不足により上がるものの物価を超える値上げ力はない。顧客の内製化が進み、市場全体に対する同社のごく小さなシェアもやや低下する。
ベトナムのNGSCも、FPTやCMCとの競争に加え、自動化で請求工数を減らす。現地の設備・インフラに直結した導入業務は残るが、2026年の一度きりの機器大量納入を平常時の売上にしない。国内SESの稼働人数も減り、平均単価の増加だけでは数量減を補えない。クラウドプロの成功報酬契約は残る一方、顧客が営業エージェントを内製するため、契約数は伸びない。
管理費の重複解消とAIによるバックオフィスの省力化は一定程度進む。これがなければ連結黒字の維持さえ難しくなるが、持株会社化で十分な管理費削減を達成しても、非支配持分と借入費用が親会社利益を細らせる。会社は存続し、わずかな親会社黒字を得るものの、株主へのまとまった現金還元を生むには至らない。
- 開発領域・日本事業:数量 145(年間の請求稼働技術者換算人数(人・推定))× 価格 1.06(1人1か月当たり平均請求売上(百万円))→ 売上 18 億円・営業利益 2 億円。AI人月型:数量0.659倍、価格1.277倍。
- 開発領域・海外事業の開発・導入:数量 230(年間の開発・導入案件の請求技術者換算人数(人・推定))× 価格 0.69(1人1か月当たり現地顧客からの売上(百万円))→ 売上 19 億円・営業利益 3 億円。AI人月型:数量0.676倍、価格1.255倍。
- 開発領域・海外事業の機器納入:数量 0.5(大型納入案件数(件/年・期待値))× 価格 9.80(1案件当たり売上(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。スポット売上の平準化。平均2年に約1件相当。
- 人材領域・SES:数量 125(年度平均の請求稼働技術者(人))× 価格 0.87(1人1か月当たり平均売上(百万円))→ 売上 13 億円・営業利益 1 億円。AI人月型:数量0.625倍、価格1.234倍。
- AI BPO領域(クラウドプロ):数量 7.0(年間利用顧客社数(社・開示なしの分析仮定))× 価格 0.15(1社当たり年間成功報酬などの売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。営業BPO型:契約数0.70倍、成功報酬単価1.26倍。
倍率:中立ROEは0.70÷20.8=3.37%でk8.5%を大きく下回る。長期gはAI人月縮小を反映して0%、PERは利益ベースの上限1/k=11.76倍とする。年率3%の物価は各単価に含め、長期成長率へ上乗せしない。
確率:市場全体は伸びるが受託工数が減り、会社は一定の統廃合を実現する。国内事業の減収実績とNGSCの非支配持分を踏まえ、過去の営業利益率への全面回復は中立にしない。
やや悲観 24% 顧客の内製化が速まり再編が空振り 利益 −1 億円 · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 64 円7 億円
国内顧客はAIでソフトウェアを自ら直し、大手SIerには基幹系の保守だけを任せるようになる。同社には周辺の小型案件が残るが、請求できる人数は今の半分前後まで落ちる。社員を遊ばせられないため単価交渉にも弱くなり、低採算案件を断るほど売上がさらに細る。日本市場全体の需要増加をシェア喪失が打ち消す。
ベトナムでもFPTやCMCなどがAI支援開発を先行させる。NGSCの機器導入は一部残るが、大型案件の頻度は下がる。国内SESでは安い単価の契約が残り、2026年に買った人員の収益性は回復しない。営業代行は顧客がAIエージェントを直接使用するため、報酬を得られる商談が減る。
持株会社化は帳簿上の部門別採算を明らかにするが、拠点の閉鎖や人員削減には費用がかかる。連結営業赤字となり、親会社利益も赤字が続く。親会社資本は買収資産の減損と累積損失で減るが、国内顧客との関係や一部の事業売却余地は残るため、完全な清算ではない。
- 開発領域・日本事業:数量 115(年間の請求稼働技術者換算人数(人・推定))× 価格 0.97(1人1か月当たり平均請求売上(百万円))→ 売上 13 億円・営業利益 1 億円。数量0.52倍、物価に届かない単価増。
- 開発領域・海外事業の開発・導入:数量 180(年間の開発・導入案件の請求技術者換算人数(人・推定))× 価格 0.61(1人1か月当たり現地顧客からの売上(百万円))→ 売上 13 億円・営業利益 1 億円。数量0.53倍、現地価格競争。
- 開発領域・海外事業の機器納入:数量 0.4(大型納入案件数(件/年・期待値))× 価格 8.80(1案件当たり売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。機器調達競争で案件頻度と利幅が縮む。
- 人材領域・SES:数量 90.0(年度平均の請求稼働技術者(人))× 価格 0.78(1人1か月当たり平均売上(百万円))→ 売上 8 億円・営業利益 0 億円。稼働人数0.45倍、固定費が重い。
- AI BPO領域(クラウドプロ):数量 5.0(年間利用顧客社数(社・開示なしの分析仮定))× 価格 0.13(1社当たり年間成功報酬などの売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。顧客数が半減、手数料も伸びない。
倍率:赤字事業へ正のPERは掛けない。床のPBRは将来積み上がった自己資本ではなく、買収後の直近2026年6月末の親会社帰属持分19.84億円を基準にする。事業の損失・のれんの換金不能性を反映した実体資産の評価率0.363で、19.84×0.363≒7.20億円。2036年時点の自己資本12億円はROE・毀損の追跡用で、倍率の元本には使わない。過去の株価倍率も参照しない。
確率:国内開発は既に前年同期比2割減収で、新設子会社の改善実績が不十分。AI代替の浸透が中立より速く進み、買収子会社の採算も低下する可能性を重くみる。
悲観 15% AI代替と減損が重なり稼ぐ力を喪失 利益 −3 億円 · PBR 0.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 35 円4 億円
顧客が要件整理から実装、保守、営業活動の大半をAIエージェントで処理するようになる。同社が売れるのは、既存環境への少数の導入支援と一時的な機器納入だけだ。大手SIerの下請け需要も減り、日本事業の請求人数は現在の4割ほどに縮む。技術者を大量に抱える体制が重荷となり、経営は大幅な縮小を迫られる。
NGSCはFPTや現地大手との価格競争で事業基盤を失う。海外の連結売上は残っても、60%の非支配株主に配分されるため、親会社の支えにはなりにくい。SESは稼働不足と解約、クラウドプロは営業エージェントの普及による顧客減少に苦しみ、両事業とも利益を生まない。大型ハードウェアの受注も途絶えがちになる。
過去の買収で積み上がったのれんが減損され、親会社資本は大きく毀損する。事業は赤字で、残る拠点・債権・売却可能な事業を現金化して債権者への返済に充てる形となる。株主に残るのは限られた回収可能資産であり、配当や自社株買いを期待できない。
- 開発領域・日本事業:数量 90.0(年間の請求稼働技術者換算人数(人・推定))× 価格 0.87(1人1か月当たり平均請求売上(百万円))→ 売上 9 億円・営業利益 0 億円。請求人数0.41倍、価格ほぼ横ばい。
- 開発領域・海外事業の開発・導入:数量 120(年間の開発・導入案件の請求技術者換算人数(人・推定))× 価格 0.57(1人1か月当たり現地顧客からの売上(百万円))→ 売上 8 億円・営業利益 0 億円。AIと現地大手との競争で数量0.35倍。
- 開発領域・海外事業の機器納入:数量 0.2(大型納入案件数(件/年・期待値))× 価格 8.00(1案件当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。大型案件の継続性が消える。
- 人材領域・SES:数量 60.0(年度平均の請求稼働技術者(人))× 価格 0.75(1人1か月当たり平均売上(百万円))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。稼働数量0.30倍、解約・固定費で赤字。
- AI BPO領域(クラウドプロ):数量 3.0(年間利用顧客社数(社・開示なしの分析仮定))× 価格 0.13(1社当たり年間成功報酬などの売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。契約先0.30倍、成功報酬契約が縮小。
倍率:営業赤字と親会社赤字が続く場合に正のPERは使わない。2026年6月末の親会社所有者帰属持分19.84億円を起点とし、換金できない連結のれん15.20億円を除いた4.64億円から回収損と売却・税費用0.64億円を控除する。事業の継続価値には上乗せせず、回収可能純資産4.0億円を時価総額とする。PBRは4.0÷19.84=約0.2016倍であり、2036年の自己資本8.0億円にも過去の市場PBRにも掛けていない。2025年9月末の純現金3.7億円は2026年6月末の借入増加後には存在しないため二重に足さない。
確率:創業来の強みであるベトナム人材を低コストで提供する仕組みがAIで陳腐化し、買収のれんが現金を生まない事態。GC注記があるという意味ではなく、厳しい構造変化を扱う。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
開発領域・日本事業
日本顧客向けのオフショア・国内システム開発、アプリ、要件定義、導入・保守。ShuHaRiとハイブリッドワンへの再編対象。
| 数量年間の請求稼働技術者換算人数(人・推定) | 価格1人1か月当たり平均請求売上(百万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/09(通期推定) | 220 | 0.83 | 22 | 3 |
| 10 年後 中立 | 145 | 1.06 | 18 | 2 |
取り方:2026年6月までのセグメント開示は国内開発売上16.82億円、利益2.10億円。第4四半期売上を約5.09億円と推計し、期通算21.91億円。自社の請求人月人数は非開示なので、220人相当×83万円/月×12か月÷100=21.912億円と逆算した分析上の推定。IDCの日本ITサービス約7.57兆円に対するシェア約0.029%、競合はTIS・SCSK・SHIFT・Sun Asterisk。AIエージェント代替の『人月・工数』型。
開発領域・海外事業の開発・導入
ベトナムNGSCを中心とするERP、ITインフラ、ソフト開発・導入。機器の単発販売を除いた継続的な役務部分。
| 数量年間の開発・導入案件の請求技術者換算人数(人・推定) | 価格1人1か月当たり現地顧客からの売上(百万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/09(通期推定) | 340 | 0.55 | 22 | 3 |
| 10 年後 中立 | 230 | 0.69 | 19 | 3 |
取り方:NGSCは500人以上の技術系組織を有したとの買収資料。海外事業の2026年4〜6月累計ではなく2025年10月〜2026年6月累計売上21.26億円のうち、機器スポット約6.47億円を除き、通年継続役務を22.44億円と推計。340人換算×55万円/月×12/100。これは開示人数そのものではない。ベトナムITサービス市場2026年26.3億ドル×150円と比べ規模約0.57%。競合FPT・CMC・Viettel。AIエージェント代替の『人月・工数』型。
開発領域・海外事業の機器納入
NGSCによるIT機器、データセンター関連商材の一時的な仕入れ販売。継続的な技術者稼働とは性質が異なる。
| 数量大型納入案件数(件/年・期待値) | 価格1案件当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/09(通期推定) | 1.0 | 7.31 | 7 | 1 |
| 10 年後 中立 | 0.5 | 9.80 | 5 | 0 |
取り方:2026年の第2四半期にスポット機器売上約6.47億円を開示し、第4四半期にも一部計上予定と説明。通期1件相当7.31億円と推計し、海外事業内の継続役務から分けた。毎年この水準で反復する保証はなく、中立では半件/年相当へ落とす。機器販売は直接には人月・席課金のAI代替型に該当しない。ベトナムのITサービス統計には機器売買が含まれず市場シェアは算定不能。
人材領域・SES
国内のIT技術者派遣・準委任SES。買収や事業譲受で拡大したが、受入契約の単価と稼働率に左右される。
| 数量年度平均の請求稼働技術者(人) | 価格1人1か月当たり平均売上(百万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/09(通期推定) | 200 | 0.71 | 17 | 1 |
| 10 年後 中立 | 125 | 0.87 | 13 | 1 |
取り方:2026年第3四半期末の稼働人数291人、平均月額請求単価70.2万円は決算説明資料の実測値。買収による期中の人員増加を踏まえ、年度平均請求人員は約200人、単価70.5万円と推計。200×0.705×12/100=16.92億円は2026年の3四半期累計売上10.66億円と会社の第4四半期計画約6.25億円に整合。デジタル人材サービス市場約1.49兆円に対する規模約0.11%。AIエージェント代替の『人月・工数』型。
AI BPO領域(クラウドプロ)
SaaS会社向けの商談創出や営業代行。2026年10月1日に全株式を取得し、新しい事業領域の起点にする。
| 数量年間利用顧客社数(社・開示なしの分析仮定) | 価格1社当たり年間成功報酬などの売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/10(買収直後の年換算) | 10.0 | 0.12 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 7.0 | 0.15 | 1 | 0 |
取り方:クラウドプロの2026年3月期単体売上1.19億円、営業利益0.39億円は株式取得公表値。契約社数・成約件数・単価は非開示であり、10社×年間0.119億円は数量の説明のための仮定であって実測ではない。2026年9月期連結には含まれず、既存4事業の合計68.582億円に加えたプロフォーマ表示。成果報酬は存在するが、AIエージェント代替の『営業BPO・工数』型であり、独自DBだけでは『記録の正本』型の証拠が足りない。
リスクと懸念
AIエージェント代替
国内受託開発、海外の開発導入、SES、営業BPOは、人の稼働工数や作業成果を収入にする。AIエージェントの普及で顧客が自前で実装・試験・営業を行うほど請求数量が減る。規制上の記録の正本や解約率の低さを示す強い証拠がなく、効率化で自社の原価が下がっても顧客への請求額まで守れるとは限らない。中立でこの縮小を数量と長期gに反映した。
海外子会社の非支配持分
NGSCは40%保有でも実質支配により連結される。海外事業の売上と営業利益の全額を親会社株主が得られると誤認しやすい。2026年第3四半期累計では非支配株主に多額の利益が帰属し、親会社損益は赤字だった。将来の純利益、ROE、買収の増分利回りは必ず親会社持分で見る必要がある。
借入・運転資金・のれん
2026年6月末には借入金約19億円に対して現金約8.5億円で、2025年末の純現金とは大きく異なる。営業キャッシュフローも第3四半期累計でマイナス約4.9億円だった。売掛金の回収が遅れれば、機器の仕入と買収費用を追加借入で賄う可能性がある。のれん約15億円は換金できず、減損で資本を傷める。
買収を利益に変えられるか
Wur、ドコドア、HBC、NGSC、人材事業、クラウドプロを連続して買収・取得した。異なる顧客層と国の会社を統合する負担が膨らむと、案件間の連携より管理部門の固定費が先に増える。クラウドプロの取得総額は約3.71億円であり、既存顧客の流出や人員依存が起きれば投下資本の回収は難しい。
スポット機器売上と認識時期
NGSCの売上には2026年第2四半期の約6.47億円の一時的なハードウェア納入がある。大口機器は売上が大きくても継続契約とは限らず、仕入資金と回収期間も長い。加えて進捗基準をめぐる未計上分があり、四半期ごとの売上・利益を同じ品質の実績として年率換算すると過大評価になる。
支配株主と還元の非対称性
エアトリとSoltecの議決権連携により支配力が集中する。少数株主は企業価値が積み上がっても、配当や余剰現金の払い出しを直接決められない。2026年の自社株取得は実績だが小規模で、配当方針に数値の約束はない。完全子会社化の可能性はあっても、発表済みのTOBが存在するわけではなく価値へ上乗せできない。
今後の分かれ目
- 国内開発の受注が前年同四半期比で2四半期連続増え、同時に連結の全社調整費が明確に減ったら
- 中立の本社費削減が実績で裏づけられ、親会社利益の想定を上げる余地が出る。単なる買収増収と区別する。
- NGSCの売上から機器スポットを除いた役務売上と、親会社に帰属する純利益がともに継続して増えたら
- 海外の強みと40%持分の限界のどちらが勝つかを更新する。開示が無ければ連結営業利益だけで強気にしない。
- 国内SESの平均稼働人数が減っても、1人当たり単価・利益率が上がり続けたら
- AI時代の高付加価値化が進んだ証拠になり、数量縮小の速度を緩める。ただし値上げ実績の期間を確認する。
- 営業キャッシュフローが黒字化せず、借入金やのれんがさらに増えたら
- 買収による成長の現金収益率に疑問が増し、やや悲観・悲観の資本毀損を重く見る。
- クラウドプロでAI活用サービスの売上と継続契約率が金額付きで開示され、内製化圧力に勝ったら
- 営業BPOの工数型前提を一部見直す。ただし単なる『AI対応』の発表だけでは数量を上方修正しない。
- TOB、株式交換、上場廃止を伴う完全子会社化が正式に公表されたら
- 本長期価値モデルより公表条件と法的な手続きが優先する。現在はそのような確定案件を確認していない。
見ておくもの
- 親会社帰属利益と連結営業利益の差、非支配持分への利益帰属額
- 開発領域・日本事業の売上と実際の請求工数、継続案件の単価改定
- NGSCの開発・導入役務とスポット機器販売の内訳、営業債権回収日数
- 国内SESの稼働人数、平均月額請求単価、稼働率とセグメント利益率
- 全社調整費と持株会社再編後の管理費、のれん減損
- 営業キャッシュフロー、借入金と現金、クラウドプロの契約数と実際のAI売上
- 配当・自社株買いの実施額とエアトリ・Soltecの保有、親子上場の方針
倍率と資本コストの決め方
添付factsの基準株価317円・自己株控除後11293468株に対応する時価総額約35.80億円は、将来価値の計算後にだけ比較した。2026年の売上68.59億円は買収による通期推定であり、クラウドプロの買収直後の年換算売上1.19億円は別建てのプロフォーマなので二重に連結実績と扱わない。数量は請求稼働技術者換算人数または年間機器案件数、物価は単価側に入れた。中立の開発・SES・BPO数量はAI代替表の範囲で縮み、g_long=0%、life=0%として重複減額しない。倍率は市場PER・PBRから決めず、k=8.5%と親会社ROEから算出し、黒字の3筋書きはg=0%による上限PER11.76倍で評価した。悲観側のPBRは2026年6月末の親会社帰属持分19.84億円を基準にし、将来資本12億円・8億円を床の倍率の元本に使わない。換金できないのれんを除き、さらに回収損・処分費用を控除した売却可能資産の床は約4億円とした。2025年9月末の純現金約3.7億円は買収後の2026年6月末に純借入超過へ変わったため、旧純現金を床へ重ねて加えていない。リースの表示が新基準によって変わる場合も、現金支出と営業利益の比較可能性を優先する。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク3.0%と株式リスク4.5%に、案件単価の競争と買収後の純負債増加による品質加算1.0%を足す。継続赤字企業の特別上乗せは使わない。