結論
パーソルホールディングスは、国内派遣で最大手級の人材会社だ。派遣、業務の請け負い(BPO)、エンジニア派遣、転職の「doda」、豪州とアジアの派遣を手がける。売上は 1.6 兆円、営業利益は 665 億円と薄利である。筆者の結論は割高だ。10 年の本質価値は、今の時価総額を 6 割ほど下回る。
売上の大半は、人の時間で売る仕事だ。国内派遣の事務系、BPO、エンジニア派遣は、AI エージェントが肩代わりする対象に当たる。顧客が派遣を使う理由は人手不足だが、エージェントが事務を処理できれば、その理由が薄れる。数量は今の 0.6〜0.7 倍に縮むと中立で置いた。単価は物価の 1.34 倍に届かない。
転職の doda は画面で求人を探す型で、AI エージェントが入口を奪えば値下げ圧力を受ける。豪州の派遣は現場の体が要るぶん、縮み方は緩い。欧州の AI 派遣 Gojob は、半年で 217 億円の売上が出ており、ここだけは旧来どおりの伸びを認めた。資本コストは 9.5% と重く、堀も浅いので、中立の 10 年後の利益は今の 4 分の 3 に細る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、これは「悪くない商売だが、AI の時代に持ち続けたい商売ではない」と見る。派遣は景気で振れ、顧客が料金を決める。利益率は 4% 台で、少しの誤算で利益が大きく動く。堀と呼べるものは、顧客との取引の長さくらいだ。
良い点もある。配当を中心に純利益の 6 割を返し続け、純現金もある。経営は誠実だ。だが 10 年後に事業が今より強いかと問われれば、事務の派遣・BPO・紹介は弱くなると答える。AI エージェントが肩代わりする部分が大きいからだ。成果報酬へ移れた証拠も、AI エージェントを売り物にして金額が出た開示も、Gojob を除けば無い。
オーナー利益は純利益に近いが、その水準が先で下がる。安全域は、今の値段にはない。確率は縮む側に置いたが、中立で既に縮む姿を描いたので、確率でまで重ねては引いていない。
何で稼ぐ会社か
事業は5つの塊に分かれる。最も大きいのは国内の人材派遣(Staffing)で、売上は約6,000億円だ。パーソルテンプスタッフを中核に、事務・製造・ITなど幅広い職種に人を送り、稼ぐのは派遣料から賃金を引いた差である。利益率は5%前後と薄いが、取引先が多く分散しているため、特定の顧客に左右されにくい。
BPOとテクノロジーは、企業の事務や設計の仕事を丸ごと請け負う事業だ。人手不足で外注が増え、直近はBPOが2割増収、エンジニアは8%増えた。人を貸すだけの派遣より、業務の中身を預かる分だけ値段を自分で決めやすい。
転職事業(Career)は、求人サイトと人材紹介の「doda」、副業・フリーランスの「HiPro」からなる。売上は1,500億円と小さいが、営業利益率は2割ほどで、全社でいちばん効率よく稼ぐ。紹介が決まった時に年収の3割前後の手数料が入る、成果報酬の事業だ。
豪州とアジアの事業(Asia Pacific)は売上5,000億円と大きいが、利益は薄い。豪州のProgrammedは施設の保守・管理が柱で、景気の影響を受けにくい。ここは成長の源というより、規模を支える土台である。
2025年10月には、フランスのAI派遣サービス「Gojob」の85%を約220億円で買収した。人手の足りない現場向けの仕事紹介をAIで自動化する会社で、この技術を国内に持ち込むのが狙いだ。
優良さと弱いところ
筆者は、パーソルを「堀(他社がまねできない強み)は浅いが、規模と安定で稼ぐ会社」と見る。派遣は切り替えが簡単で、堀は厚くない。それでも国内で最大手級の規模があり、派遣スタッフの満足度調査ではパーソルテンプスタッフが首位に立つ。信用と採用の力が、価格競争の中でも値引きを抑えている。
資本効率は高い。自己資本利益率(ROE)は19%台で、中期計画では20%以上を掲げる。ただし数字の見かけほど強くはない。自己資本が2,200億円と小さい上、薄利の事業が資産を軽く使って回しているからだ。稼ぐ力の源は、売上の大きさではなく、転職と請け負いの利益率にある。
弱点は3つある。第一に、景気で需要が同時に落ちる。第二に、転職サービスの会員基盤はAIとの競争で置き換えられる恐れがある。第三に、豪州・アジアの利益が1%台と低く、システム刷新などの費用で簡単に減る。
経営の資本配分には好感が持てる。配当性向は6割で、原則減配しないと約束した。買収は先に述べたGojobのように、成長に直結するものを選んでいる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
人材サービスの国内市場は大きく、派遣だけで年9兆円を超える。矢野経済研究所によると、2024年度は9.3兆円で、前年から3%増えた。紹介を加えると10兆円に迫る。人手不足が続く限り、派遣と紹介の需要は底堅い。物価と賃金が毎年3%ほど上がる世界では、派遣料も同じ速さで上がる。
ただし数量は増えない。働き手の数が減るので、派遣スタッフの総数は横ばいが基本で、伸びるのは正社員が採れない企業の外注の分だけだ。人数を増やせないぶん、業界は単価を上げ、請け負いやAI活用で一人当たりの稼ぎを増やす方向へ進んでいる。
競争は、リクルートスタッフィング、パソナ、アデコ、スタッフサービスなどと続く。海外の拠点では、現地の大手や国際大手との競争がある。強い者が規模を使って営業費を薄める構造で、中小の派遣会社は淘汰されやすい。
業界共通の最大の論点は、AIが何を奪い、何を新しく生むかだ。事務の定型業務は派遣の主力の仕事で、AIに置き換わる恐れがある。逆に、AIの導入を手伝う人、AIが出した答えを確かめる人の需要は増える。どちらが勝つかで、10年後の人材会社の姿が変わる。
AI エージェントとの関係では、国内派遣・BPO・エンジニア派遣は人月で売る型、転職は画面型、豪州の派遣は現場の体が要る型に近い。数量は人月型で今の 0.6〜0.7 倍を中立とし、価格は物価の 1.34 倍に届かない 1.28 倍とした。転職の価格は 1.08 倍とした。
資本政策と M&A
還元は配当が軸だ。26年3月期の配当性向は約6割で、27年3月期は1株の配当をさらに引き上げる計画である。中期計画では配当性向50%以上を基本とし、原則として減配しないと明言した。自社株買いは機動的に行い、25年3月期に200億円を実施した。
3年間で、税引き後の稼ぎから約1,800億円を成長投資と還元に半々で振り分ける。成長投資は、AIとM&Aが中心だ。投資の条件として、投下資本利益率(ROIC)が資本コストを上回ることを求めている。
M&Aは前向きだ。Gojobを含め、今後もAIや人手の足りない現場向けの事業を買う可能性が高い。ただし買収は当たり外れが大きいので、買い方は見ておく必要がある。創業者の篠原欣子氏と同氏の財団が合わせて2割弱を持つため、買収される可能性は低いと筆者は見る。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
パーソルの強みは、日本の人手不足がそのまま追い風になることだ。企業は正社員を採れず、派遣や外注への依存が年々高まる。Staffingの就業者は増え、請求単価も年2%台で上がっている。賃金が毎年上がる世界では、派遣料もそれに連れて上がる。
利益の伸びは売上より速い。中期計画は調整後EBITDAを毎年10%伸ばす目標で、26年3月期はすでに12.6%伸びた。理由は、利益率2割の転職事業と、請け負い型のBPO・エンジニア事業が伸びているためだ。この構成比が上がるほど、全社の利益率は上がる。
AIは敵ではなく武器になる。Gojobが示すように、現場の仕事の割り振りをAIで自動化すれば、人手のかかる営業費が減る。転職でもAIで紹介の決定率を上げられる。さらに、配当性向6割の還元が続くため、株価の下値は固い。
今の時価総額は、このうち強いところをほとんど評価していない。利益が中計どおりに伸び、倍率が元に戻るだけで、値段は大きく変わる。
Gojob は AI で求職者と仕事を結ぶ派遣で、半年で 217 億円の売上が既に出ている。人の時間を売る型から、AI で仕事を割り振って手数料を取る型へ移れた証拠だ。この型が国内にも広がれば、事務の縮みを補える。
慎重な見方
派遣と紹介は、景気の影響を最も受ける事業だ。リーマン期に派遣と紹介の需要は大きく落ち込み、紹介は半減に近い減り方をした。今回も同じことが起きれば、利益は2年で1割以下に縮む。薄利の事業なので、売上が2割減るだけで営業利益はほぼ消える。
長期ではAIが最大の敵だ。事務の定型業務は派遣の主力で、AIが代わりにこなせば派遣の需要そのものが縮む。転職サービスも、AIエージェントが企業と求職者を直接つなげば、紹介手数料が下がる。直近のdodaがID統合で会員を逃がしたことは、基盤の脆さを見せた。
海外も不安だ。豪州・アジアの利益は売上の1%台で、システム刷新などの費用で簡単に減る。直近の増収も、Gojobの取り込みと豪ドル高の力が大きく、本業の実力ではない。
高いROEも、自己資本が小さいことの裏返しにすぎない。買収で膨らんだのれんの減損が起きれば、自己資本はさらに削られる。
株価の面でも、AI不安の強い時期は倍率が一気に縮みやすい。利益が増えても、倍率が縮めば株価は上がらない。今の割安さが埋まる保証はない。
事務の派遣と BPO は、AI エージェントが最初に肩代わりする仕事だ。顧客が内製に回れば数量が減り、料金を決める立場の顧客は値下げも求める。薄い利益率では、売上の縮みが固定費の重さで利益を削る。
どちらに重みを置いたか
国内で大きな顧客基盤を持つ点では強気の見方が上だが、事務の派遣・BPO・紹介が AI エージェントに置き換わる点では慎重な見方が上だ。Gojob だけが金額の開示を伴うので、そこだけは旧来どおりの伸びを認めた。会社ごとに見ると、Gojob と豪州の現場派遣を持つ分、事務一辺倒の会社よりは縮み方が浅い。やや悲観と悲観を合わせて 40% とした。中立が既に縮む筋書きなので、確率でまで重ねては引いていない。中立は 37%。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 206 円4,612 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 95 円2,122 億円)。 今の値に割り戻すと 169 円3,786 億円、今との差 −43.4%、 期待の年率 +0.1%(資本コスト 7.2%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 396 円8,893 億円 | 148 円3,326 億円 | +82.7% | +6.2% | 33 円733 億円 |
| やや楽観 | 17% | 326 円7,316 億円 | 126 円2,819 億円 | +51.5% | +4.2% | 77 円1,723 億円 |
| 中立 | 37% | 247 円5,546 億円 | 104 円2,327 億円 | +17.7% | +1.6% | 130 円2,913 億円 |
| やや悲観 | 27% | 122 円2,748 億円 | 77 円1,732 億円 | −33.0% | −3.9% | 54 円1,210 億円 |
| 悲観 | 13% | 14 円314 億円 | 39 円877 億円 | −82.2% | −15.8% | 7 円155 億円 |
| 加重平均 | 100% | 206 円4,612 億円 | 95 円2,122 億円 | +0.7% | +0.1% | 300 円6,734 億円 |
今の株価時価総額 298 円6,688 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.2% を下回るほど割高。
楽観 6% 事務を守り Gojob が伸びる 利益 596 億円 · PER 13.7 倍 · 株価時価総額 396 円8,893 億円
事務の置き換えは緩やかで、国内の派遣は今の 0.99 倍にとどまる。BPO と技術者派遣は 0.9 倍、転職は画面型で 0.95 倍。単価は物価並みの 1.34 倍まで上がる。Gojob は金額の開示があるので、旧来の置き方どおり大きく伸びる。ただし国内の数量が今を超えないのは、AI エージェントを売り物にして売上が出た開示が、Gojob の外には無いからだ。10 年後の売上は 21,943 億円(今の 1.42 倍)、純利益は 596 億円。 内訳は国内人材派遣(売上 8,126 億円・数量 1.00 倍・価格 1.34 倍)、BPO・テクノロジー(売上 3,069 億円・数量 0.85 倍・価格 1.34 倍)、転職・人材紹介(売上 1,670 億円・数量 0.95 倍・価格 1.15 倍)、豪州・アジア(売上 6,652 億円・数量 1.00 倍・価格 1.34 倍)、Gojob(売上 2,425 億円・数量 8.33 倍・価格 1.34 倍)。 営業利益は 934 億円(利益率 4.3%)、10 年の還元は計 3,326 億円、時価総額は 8,189 億円になる。
- 国内人材派遣(Staffing):数量 14.0(派遣就業者数(万人、推定))× 価格 582(1人当たり年間の請求額(万円、名目))→ 売上 8,127 億円・営業利益 401 億円。人月・工数で売るの型。数量 1.00 倍・価格 1.34 倍・利益率 4.9%(AI エージェント代替で置き直し)
- BPO・テクノロジー:数量 3.0(従事者数(万人、BPOとエンジニア計・推定))× 価格 1,026(1人当たり年間売上(万円、名目))→ 売上 3,069 億円・営業利益 172 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.85 倍・価格 1.34 倍・利益率 5.6%(AI エージェント代替で置き直し)
- 転職・人材紹介(Career):数量 11.2(紹介・媒体・フリーランスの成約換算件数(万件、推定))× 価格 150(1件換算の売上(万円、名目))→ 売上 1,670 億円・営業利益 329 億円。席・画面が価値の中心の型。数量 0.95 倍・価格 1.15 倍・利益率 19.7%(AI エージェント代替で置き直し)
- 豪州・アジア(Asia Pacific):数量 6.5(従事者数(万人、推定))× 価格 1,023(1人当たり年間売上(万円、名目・為替は150円/ドル換算の現状固定))→ 売上 6,652 億円・営業利益 87 億円。人月・工数で売るの型。数量 1.00 倍・価格 1.34 倍・利益率 1.3%(AI エージェント代替で置き直し)
- Gojob(欧州のAI派遣):数量 5.5(派遣就業者数(万人、26年3月期は半年分の寄与・推定))× 価格 441(1人当たり年間売上(万円、名目))→ 売上 2,425 億円・営業利益 121 億円。現場の体の型。数量 8.33 倍・価格 1.34 倍・利益率 5.0%(AI エージェント代替で置き直し)
倍率:事業の純利益 596 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 18.8% が k 7.25% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 11.1%、10 年より先の名目の伸び g -0.1% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.7 倍。全体の PER 13.73 倍、時価総額 8,189 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:Gojob は金額の開示があるが、事務の派遣・BPO・紹介を支える開示は無い。楽観でも国内の数量は今を超えず、6%。
やや楽観 17% 派遣は縮むが豪州と Gojob が支える 利益 468 億円 · PER 13.7 倍 · 株価時価総額 326 円7,316 億円
国内派遣は今の 0.9 倍、BPO・技術は 0.85 倍に縮むが、豪州の現場派遣と Gojob が全体の売上を押し上げる。転職は 0.88 倍で、価格は 1.12 倍にとどまる。事務のエージェント化は進むが、大企業の導入は段階的だ。10 年後の売上は 19,398 億円(今の 1.25 倍)、純利益は 468 億円。配当は純利益の 6 割を目安に続く。AI エージェントの導入は進むが、顧客が使いこなすまでの時間が、縮む速さを和らげる。 内訳は国内人材派遣(売上 7,062 億円・数量 0.89 倍・価格 1.31 倍)、BPO・テクノロジー(売上 2,667 億円・数量 0.76 倍・価格 1.31 倍)、転職・人材紹介(売上 1,507 億円・数量 0.88 倍・価格 1.12 倍)、豪州・アジア(売上 6,178 億円・数量 0.95 倍・価格 1.31 倍)、Gojob(売上 1,984 億円・数量 6.82 倍・価格 1.34 倍)。 営業利益は 732 億円(利益率 3.8%)、10 年の還元は計 2,819 億円、時価総額は 6,429 億円になる。
- 国内人材派遣(Staffing):数量 12.4(派遣就業者数(万人、推定))× 価格 569(1人当たり年間の請求額(万円、名目))→ 売上 7,062 億円・営業利益 331 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.89 倍・価格 1.31 倍・利益率 4.7%(AI エージェント代替で置き直し)
- BPO・テクノロジー:数量 2.7(従事者数(万人、BPOとエンジニア計・推定))× 価格 1,003(1人当たり年間売上(万円、名目))→ 売上 2,667 億円・営業利益 142 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.76 倍・価格 1.31 倍・利益率 5.3%(AI エージェント代替で置き直し)
- 転職・人材紹介(Career):数量 10.3(紹介・媒体・フリーランスの成約換算件数(万件、推定))× 価格 146(1件換算の売上(万円、名目))→ 売上 1,507 億円・営業利益 282 億円。席・画面が価値の中心の型。数量 0.88 倍・価格 1.12 倍・利益率 18.7%(AI エージェント代替で置き直し)
- 豪州・アジア(Asia Pacific):数量 6.2(従事者数(万人、推定))× 価格 1,000(1人当たり年間売上(万円、名目・為替は150円/ドル換算の現状固定))→ 売上 6,178 億円・営業利益 77 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.95 倍・価格 1.31 倍・利益率 1.2%(AI エージェント代替で置き直し)
- Gojob(欧州のAI派遣):数量 4.5(派遣就業者数(万人、26年3月期は半年分の寄与・推定))× 価格 441(1人当たり年間売上(万円、名目))→ 売上 1,984 億円・営業利益 69 億円。現場の体の型。数量 6.82 倍・価格 1.34 倍・利益率 3.5%(AI エージェント代替で置き直し)
倍率:事業の純利益 468 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 16.4% が k 7.25% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 10.3%、10 年より先の名目の伸び g -0.1% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.7 倍。全体の PER 13.74 倍、時価総額 6,429 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:事務の置き換えが緩やかで、Gojob の伸びが全体を支える筋書き。17%。
中立 37% 売上は横ばい、純利益は 4 分の 3 利益 324 億円 · PER 13.8 倍 · 株価時価総額 247 円5,546 億円
国内派遣は事務系が肩代わりされ、数量は今の 0.72 倍。BPO・技術は 0.62 倍。転職は画面型で 0.8 倍、価格は 1.08 倍。豪州は現場の派遣が残って 0.85 倍。Gojob は伸びる。10 年後の売上は 15,989 億円(今の 1.03 倍)と今を少し上回るが、利益率は薄くなり、純利益は 324 億円(今は約 430 億円)に細る。売上が保たれても、事務系の薄い利益が先に消えるからだ。 内訳は国内人材派遣(売上 5,606 億円・数量 0.72 倍・価格 1.28 倍)、BPO・テクノロジー(売上 2,117 億円・数量 0.62 倍・価格 1.28 倍)、転職・人材紹介(売上 1,321 億円・数量 0.80 倍・価格 1.08 倍)、豪州・アジア(売上 5,401 億円・数量 0.85 倍・価格 1.28 倍)、Gojob(売上 1,543 億円・数量 5.30 倍・価格 1.34 倍)。 営業利益は 507 億円(利益率 3.2%)、10 年の還元は計 2,327 億円、時価総額は 4,454 億円になる。
- 国内人材派遣(Staffing):数量 10.1(派遣就業者数(万人、推定))× 価格 556(1人当たり年間の請求額(万円、名目))→ 売上 5,606 億円・営業利益 235 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.72 倍・価格 1.28 倍・利益率 4.2%(AI エージェント代替で置き直し)
- BPO・テクノロジー:数量 2.2(従事者数(万人、BPOとエンジニア計・推定))× 価格 980(1人当たり年間売上(万円、名目))→ 売上 2,117 億円・営業利益 101 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.62 倍・価格 1.28 倍・利益率 4.8%(AI エージェント代替で置き直し)
- 転職・人材紹介(Career):数量 9.4(紹介・媒体・フリーランスの成約換算件数(万件、推定))× 価格 140(1件換算の売上(万円、名目))→ 売上 1,321 億円・営業利益 229 億円。席・画面が価値の中心の型。数量 0.80 倍・価格 1.08 倍・利益率 17.3%(AI エージェント代替で置き直し)
- 豪州・アジア(Asia Pacific):数量 5.5(従事者数(万人、推定))× 価格 978(1人当たり年間売上(万円、名目・為替は150円/ドル換算の現状固定))→ 売上 5,401 億円・営業利益 60 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.85 倍・価格 1.28 倍・利益率 1.1%(AI エージェント代替で置き直し)
- Gojob(欧州のAI派遣):数量 3.5(派遣就業者数(万人、26年3月期は半年分の寄与・推定))× 価格 441(1人当たり年間売上(万円、名目))→ 売上 1,543 億円・営業利益 39 億円。現場の体の型。数量 5.30 倍・価格 1.34 倍・利益率 2.5%(AI エージェント代替で置き直し)
倍率:事業の純利益 324 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 13.4% が k 7.25% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 9.3%、10 年より先の名目の伸び g -0.1% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.8 倍。全体の PER 13.75 倍、時価総額 4,454 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:人月型の数量が 0.6〜0.7 倍に縮み、Gojob と豪州が下支えする筋書きを中立とし 37%。
やや悲観 27% 事務の派遣と BPO が内製される 利益 150 億円 · PER 13.6 倍 · 株価時価総額 122 円2,748 億円
大手の顧客が事務の派遣と BPO を AI エージェントで内製し、国内派遣は今の 0.61 倍、BPO・技術は 0.52 倍に縮む。転職は 0.68 倍、価格は物価の半分ほどしか上がらない。豪州も景気の悪化で 0.7 倍。Gojob の伸びは鈍る。10 年後の売上は 11,657 億円(今の 0.75 倍)、純利益は 150 億円。のれんの減損も出る。顧客の内製化は大手から始まり、取引の長い大口ほど先に動くと筆者は見る。 内訳は国内人材派遣(売上 4,262 億円・数量 0.61 倍・価格 1.15 倍)、BPO・テクノロジー(売上 1,610 億円・数量 0.52 倍・価格 1.15 倍)、転職・人材紹介(売上 1,040 億円・数量 0.68 倍・価格 1.00 倍)、豪州・アジア(売上 3,996 億円・数量 0.70 倍・価格 1.15 倍)、Gojob(売上 750 億円・数量 2.58 倍・価格 1.34 倍)。 営業利益は 235 億円(利益率 2.0%)、10 年の還元は計 1,732 億円、時価総額は 2,047 億円になる。
- 国内人材派遣(Staffing):数量 8.5(派遣就業者数(万人、推定))× 価格 500(1人当たり年間の請求額(万円、名目))→ 売上 4,262 億円・営業利益 137 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.61 倍・価格 1.15 倍・利益率 3.2%(AI エージェント代替で置き直し)
- BPO・テクノロジー:数量 1.8(従事者数(万人、BPOとエンジニア計・推定))× 価格 880(1人当たり年間売上(万円、名目))→ 売上 1,610 億円・営業利益 59 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.52 倍・価格 1.15 倍・利益率 3.6%(AI エージェント代替で置き直し)
- 転職・人材紹介(Career):数量 8.0(紹介・媒体・フリーランスの成約換算件数(万件、推定))× 価格 130(1件換算の売上(万円、名目))→ 売上 1,040 億円・営業利益 143 億円。席・画面が価値の中心の型。数量 0.68 倍・価格 1.00 倍・利益率 13.8%(AI エージェント代替で置き直し)
- 豪州・アジア(Asia Pacific):数量 4.6(従事者数(万人、推定))× 価格 878(1人当たり年間売上(万円、名目・為替は150円/ドル換算の現状固定))→ 売上 3,996 億円・営業利益 34 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.70 倍・価格 1.15 倍・利益率 0.9%(AI エージェント代替で置き直し)
- Gojob(欧州のAI派遣):数量 1.7(派遣就業者数(万人、26年3月期は半年分の寄与・推定))× 価格 441(1人当たり年間売上(万円、名目))→ 売上 750 億円・営業利益 0 億円。現場の体の型。数量 2.58 倍・価格 1.34 倍・利益率 0.0%(AI エージェント代替で置き直し)
倍率:正当化 PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 4.5%・k 7.25%・RONIC 9.0%(残る割合 0.33)、名目 g -0.2%(事務派遣・BPO・紹介の工数と画面が縮む型が中心)で 13.61 倍
確率:大手顧客が事務の派遣・BPO をエージェントで内製する筋書き。27%。
悲観 13% 人月で売る事業が成り立たない 利益 −9 億円 · PBR 0.1 倍 · 株価時価総額 14 円314 億円
事務の派遣・BPO・紹介の大半をエージェントが処理し、国内の数量は今の 0.5 倍に落ちる。単価は据え置き、固定費の重さで利益が消える。顧客は派遣を頼む理由を失い、紹介の画面も飛ばされる。豪州も 0.5 倍に縮む。売上は 10 年で半分前後の 7,456 億円、純利益は -9 億円と赤字すれすれに落ちる。値は稼ぐ力でなく、純現金と売れる資産の床で測る。派遣という売り方そのものが、顧客に選ばれなくなる筋書きだ。 内訳は国内人材派遣(売上 3,032 億円・数量 0.50 倍・価格 1.00 倍)、BPO・テクノロジー(売上 1,145 億円・数量 0.43 倍・価格 1.00 倍)、転職・人材紹介(売上 688 億円・数量 0.50 倍・価格 0.90 倍)、豪州・アジア(売上 2,482 億円・数量 0.50 倍・価格 1.00 倍)、Gojob(売上 109 億円・数量 0.50 倍・価格 1.00 倍)。 営業利益は -8 億円(利益率 -0.1%)、10 年の還元は計 877 億円、時価総額は 314 億円になる。
- 国内人材派遣(Staffing):数量 7.0(派遣就業者数(万人、推定))× 価格 434(1人当たり年間の請求額(万円、名目))→ 売上 3,032 億円・営業利益 37 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.50 倍・価格 1.00 倍・利益率 1.2%(AI エージェント代替で置き直し)
- BPO・テクノロジー:数量 1.5(従事者数(万人、BPOとエンジニア計・推定))× 価格 765(1人当たり年間売上(万円、名目))→ 売上 1,145 億円・営業利益 16 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.43 倍・価格 1.00 倍・利益率 1.4%(AI エージェント代替で置き直し)
- 転職・人材紹介(Career):数量 5.9(紹介・媒体・フリーランスの成約換算件数(万件、推定))× 価格 117(1件換算の売上(万円、名目))→ 売上 688 億円・営業利益 47 億円。席・画面が価値の中心の型。数量 0.50 倍・価格 0.90 倍・利益率 6.9%(AI エージェント代替で置き直し)
- 豪州・アジア(Asia Pacific):数量 3.3(従事者数(万人、推定))× 価格 764(1人当たり年間売上(万円、名目・為替は150円/ドル換算の現状固定))→ 売上 2,482 億円・営業利益 8 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.50 倍・価格 1.00 倍・利益率 0.3%(AI エージェント代替で置き直し)
- Gojob(欧州のAI派遣):数量 0.3(派遣就業者数(万人、26年3月期は半年分の寄与・推定))× 価格 329(1人当たり年間売上(万円、名目))→ 売上 109 億円・営業利益 −3 億円。現場の体の型。数量 0.50 倍・価格 1.00 倍・利益率 -2.3%(AI エージェント代替で置き直し)
倍率:悲観の床は稼ぐ力でなく、純現金と売れる資産の税後(floor_assets_oku 314 億円)を今の自己資本 2195 億円で割った 0.14 倍。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PBR 0.143 倍・時価総額 314 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:事務系の派遣・BPO・紹介が総崩れとなる筋書き。13%、やや悲観と合わせて 40%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
国内人材派遣(Staffing)
パーソルテンプスタッフを中核とする国内の派遣・紹介事業。事務・製造・ITなどへ人を送る。
| 数量派遣就業者数(万人、推定) | 価格1人当たり年間の請求額(万円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 14.0 | 434 | 6,081 | 300 |
| 10 年後 中立 | 10.1 | 556 | 5,606 | 235 |
取り方:売上約6,081億円を、就業者数の推定14万人で割り、1人当たり年間約434万円とした(人数は開示で確認できず推定。26年3月期は就業者 +1.8%・請求単価 +2.2%)。営業利益は調整後EBITDA 348億円から償却を引いた推定300億円。数量は人口減で横ばい、価格は賃金に連れて物価並みに上がる。【AI エージェント代替】人月で売る型(事務系が中心)。10 年の数量は中立で今の 0.72 倍、価格は 1.28 倍。
BPO・テクノロジー
企業の事務を請け負うBPOと、エンジニア派遣・請負のテクノロジー事業。
| 数量従事者数(万人、BPOとエンジニア計・推定) | 価格1人当たり年間売上(万円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 3.5 | 765 | 2,679 | 150 |
| 10 年後 中立 | 2.2 | 980 | 2,117 | 101 |
取り方:BPO売上1,431億円とテクノロジー売上1,248億円の合計2,679億円を、従事者数の推定3.5万人(エンジニア約1.1万人、BPO約2.4万人)で割り、1人当たり約765万円とした(人数は推定。エンジニア数は +7.9%、単価は +2.5%)。営業利益は調整後EBITDA 204億円から償却を引いた推定150億円。数量は外注化の需要で実質年3%前後伸びる。【AI エージェント代替】人月で売る型。10 年の数量は中立で今の 0.62 倍、価格は 1.28 倍。
転職・人材紹介(Career)
転職サイト・紹介の「doda」と、副業・フリーランスの「HiPro」。成果報酬型。
| 数量紹介・媒体・フリーランスの成約換算件数(万件、推定) | 価格1件換算の売上(万円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 11.8 | 130 | 1,529 | 301 |
| 10 年後 中立 | 9.4 | 140 | 1,321 | 229 |
取り方:売上1,529億円を、1件換算130万円(紹介手数料は年収の3割前後、媒体や副業は小口のため平均を下げた)で割り、成約換算11.8万件とした(件数は推定)。営業利益は調整後EBITDA 349億円から償却を引いた推定301億円(利益率約20%)。人材紹介の国内市場は4,490億円(矢野経済 2024年度)で、パーソルは媒体やフリーランスを含めて同程度の規模を持つ。【AI エージェント代替】画面型。10 年の数量は中立で今の 0.80 倍、価格は 1.08 倍(物価の 1.34 倍を下回る。エージェントが画面を飛ばし、値下げ圧力が掛かるため)。
豪州・アジア(Asia Pacific)
豪州の施設管理・派遣(Programmed)とアジアの派遣・アウトソーシング。
| 数量従事者数(万人、推定) | 価格1人当たり年間売上(万円、名目・為替は150円/ドル換算の現状固定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 6.5 | 764 | 4,964 | 65 |
| 10 年後 中立 | 5.5 | 978 | 5,401 | 60 |
取り方:売上4,964億円を、従事者数の推定6.5万人で割り、1人当たり約764万円とした(人数は推定)。調整後EBITDAは105億円で前期比 10%減(システム刷新費17億円など)。営業利益は償却を引いた推定65億円。為替は現状で固定し、現地の賃金上昇は物価並みとした。【AI エージェント代替】現場の体が要る派遣が多く、人月型より緩やかに置いた。10 年の数量は中立で今の 0.85 倍、価格は 1.28 倍。
Gojob(欧州のAI派遣)
2025年10月に買収したフランスのAI派遣プラットフォーム。人手の足りない現場向け。
| 数量派遣就業者数(万人、26年3月期は半年分の寄与・推定) | 価格1人当たり年間売上(万円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 0.7 | 329 | 217 | −20 |
| 10 年後 中立 | 3.5 | 441 | 1,543 | 39 |
取り方:26年3月期の寄与は半年分で217億円。就業者の年換算は約1.3万人と置き、半年分の0.66万人に単価約329万円を掛けた(人数・単価は推定)。27年3月期第1四半期は売上122億円で、現地通貨で51%増。営業利益は買収後の償却と先行費用で推定マイナス20億円。(数量は実物:就業者数で、半年分を年換算すると約1.3万人から3.5万人へ。市場の名目の伸びからは置いていない)【AI エージェント代替】AI 派遣を自社の売り物にして売上が出ている開示(半年で 217 億円)があるので、旧来の置き方を残した。
リスクと懸念
AI エージェント代替で人月と画面の売り上げが縮む
売上の約 3 分の 2 は、人の時間で売る派遣・BPO・技術者派遣と、画面で探す転職だ。事務の定型業務は AI エージェントが得意で、顧客が派遣に頼る理由が薄れる。数量は今の 0.6〜0.7 倍、単価は物価の 1.34 倍に届かないと中立で置いた。Gojob を除き、AI エージェントを自社の売り物にして金額が出た開示は無い。
景気の悪化で派遣と紹介が同時に落ちる
派遣と紹介は、企業が真っ先に絞る費用だ。薄利の事業なので、売上が2割落ちれば営業利益はほぼ消える。リーマン期には紹介が半減に近い落ち込みを見せた。同じ規模の不況がくれば、配当の原資も細る。3年以内に不況が来るかどうかが、最大の短期リスクである。
AIが事務の定型業務と紹介を置き換える
派遣の主力は事務の定型業務で、生成AIが得意とする分野と重なる。AIエージェントが企業と求職者を直接つなげば、紹介手数料も下がる。派遣・BPO・転職の三つに同時に効く、構造の最大の論点だ。置き換えが始まる時期と速さは誰にも読めないため、筆者は10年の悲観を厚めに置いた。
転職事業の会員基盤のつまずき
dodaとdoda XのID統合で、ログインの導線に不備が出て、一部の利用者が離れた。26年3月期の転職事業の売上は約2%押し下げられ、27年3月期の第1四半期も減収減益になった。利益率が2割の稼ぎ頭なので、回復が遅れれば全社の利益に響く。
豪州・アジアの利益の薄さと為替
豪州・アジアの売上は5,000億円と大きいが、利益率は1%台にすぎない。システム刷新などの費用で調整後EBITDAが10%減った例がある。直近の増収には豪ドル高も効いており、為替が戻れば円換算の売上は縮む。
買収の失敗とのれんの減損
中期計画は成長投資の半分をAIとM&Aに振り向ける。Gojobは買収後に先行費用がかさみ、赤字から抜け出す途中だ。買収が計画どおりに育たなければ、のれんの減損で自己資本が削られる。買収の費用は先に出て、成果は数年後に出るため、評価が定まるまで時間がかかる。
規制・労働法制の変化
日本では派遣の待遇改善や同一労働同一賃金の動きが続く。賃金の下限が上がる分は単価に転嫁できるが、転嫁が遅れれば利益率は圧迫される。欧州ではAIを使った採用判断への規制が強まる可能性もあり、Gojobの事業にも影響しうる。
今後の分かれ目
- Gojob の売上が会社の想定を超えて伸び、AI 派遣が欧州以外にも広がる
- 人の時間を売る型から、AI で仕事を割り振る型へ移れた証拠になる。国内の事務系の縮みを補い、やや楽観に近づく。
- doda会員の回復が早く、紹介の決定数が来期に増加へ転じる
- 転職事業の利益率2割が保たれ、やや楽観の筋書きに近づく。
- 派遣の就業者が増加を続け、請求単価が物価を上回って上がる
- 国内派遣の利益率が5%を超え、楽観の筋書きに近づく。
- AIエージェントによる求職者と企業の直接マッチングが急速に広がる
- 紹介手数料と派遣の需要が下がり、10年のやや悲観・悲観の筋書きに近づく。
- 世界景気がリーマン級に悪化する
- 派遣と紹介が同時に落ち、10年の悲観の筋書きが現実味を帯びる。
- 豪州・アジアの利益率が2%台に乗る
- 全社の利益の伸びが加速し、中計の調整後EBITDA 10%成長の達成が見えてくる。
見ておくもの
- dodaの四半期ごとの売上・紹介決定数の伸び
- Staffingの就業者数の増減と請求単価の伸び率
- 豪州・アジアの調整後EBITDA率(1%台からの変化)
- Gojobの売上成長率と黒字化の時期
- 調整後EBITDAの通期の伸び(中計の年10%に対して)
- 配当性向と自社株買いの有無
倍率と資本コストの決め方
今の株価や過去・同業の倍率は見ずに、型ごとの数量・価格・利益率から 10 年後の利益を積み、倍率は式(正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g))で置いた。k は 7.5% に quality +1.50% を足した 9.00%、名目 g は人月・席の型で 0% 以下(事務派遣・BPO・紹介の工数と画面が縮む型が中心)。自己資本は今の値に期間の純利益を足して還元を引いて流した。堀は弱いとして、残る割合を 1/3 とした。悲観の床は純現金で測る。リースの会計は新基準で 2028/03 期から BS に載るが、10 年後の数字は今と同じ形にそろえた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 11.13→13.73 倍・やや楽観 PER 11.11→13.74 倍・中立 PER 11.11→13.75 倍・やや悲観 PER 11.11→13.61 倍)。
資本コスト 7.2% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。