結論
学情は「Re就活」と「Re就活キャンパス」を軸に、若手人材の採用広告、合同企業説明会、人材紹介を営む会社である。長く持つ株主の見方では、事業には確かな強みがあるものの、現在の時価総額227億円に対して評価は「やや割高」と考える。10年後も若手の採用支援は必要だが、今と同じ求人広告や仲介手数料の取り方が続くとは限らないからだ。
最大の強みは、初めて転職する20代に焦点を絞った認知度と、企業の採用担当者を集められるイベント運営力である。求人サイトで出会い、説明会で企業を知り、必要なら紹介サービスへ進むという接点の多さは、小さな求人媒体との差別化になる。2025年10月期には売上高110億円、営業利益23億円を稼ぎ、自己資本比率も高い。財務の厚さは、技術転換に対応する時間を買えるという意味で価値がある。
ただし、堀、つまり競合が容易に奪えない利益の源泉は、まだ深いとは言い切れない。累計登録会員数の大きさは評価できても、企業の継続利用率や値上げを受け入れる力が十分に数値で示されていない。求人を探し、候補者を選び、連絡する仕事をAIエージェントが代行すれば、採用企業が求人サイトを操作する機会そのものが減る。人材紹介の事務作業や採用支援の受託業務も同じ圧力を受ける。
一方、会社には手厚い金融資産と増配・自社株買いの実績がある。10年間の事業利益だけでなく、配当、買い戻し、事業に不要な現金の蓄積も株主の価値として数えた。それでも、確率で重みを付けた現在価値は約201億円、基準時価総額との差は約マイナス11%となる。これは事業が衰退すると決めつけた結果ではない。強い媒体を持っていても、採用の仕組みが変わる時代には、見通せない部分を安く買う必要があるという結論である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず10年後もこの会社の顧客が何にお金を払うかを考えたい。企業が若い人材を採りたいという需要は消えない。しかし、求人票を多く掲載することと、採用成功に欠かせない存在であり続けることは別だ。求人検索をAIが代行する時代には、閲覧数を増やすこと自体の価値が薄れ、採用成果や実際に会える場の価値が相対的に高まる可能性がある。
学情が持つ最も長持ちしそうな資産は、特定の年代への認知、採用企業との関係、全国のイベントを企画して人を集める経験である。これらは広告配信の仕組みだけをまねても直ちには手に入らない。反対に、採用企業が使う管理画面や紹介担当者の事務処理には、特別に長い寿命を認められない。媒体、対面、仲介を同じ倍率で評価してはいけない理由はここにある。
もう一つ見たいのは、利益を再投資した後で株主の手元に何が残るかだ。2025年10月期の営業利益率はなお高いが、近年は売上拡大に対して利益の伸びが鈍った。システム投資と広告宣伝を続けなければ会員や企業を維持できないなら、会計上の利益をすべて自由に使える利益とみなすべきではない。必要な開発投資を差し引いた後にも現金が増えるなら、それは株主の価値になる。
この会社には買収に追われなくても事業を磨ける財務余力がある。余剰現金を眠らせず、価値を生む投資に使い、使い道がなければ配当と買い戻しで返す経営なら、所有する魅力は高まる。だが、安定した純現金を持つことと、どんな株価でも安全に買えることは違う。筆者は対面イベントの競争力を評価しながらも、採用媒体の10年後の価格決定力には慎重であり、今の価格に十分な安全域があるとは判断しない。
何で稼ぐ会社か
学情の稼ぎの中心は、採用したい企業から広告掲載料を受け取ることである。「Re就活」は主に20代や第二新卒の転職者向けで、企業は掲載期間や広告の見せ方に応じて料金を支払う。「Re就活キャンパス」は新卒採用向けのサービスで、インターンシップや早期の企業研究にも対応する。2025年10月期には前者が約32億円、後者が約20億円の売上高となり、両媒体が全社売上の大きな柱を占めた。
もう一つの柱は「転職博」「就職博」などの採用イベントである。企業は出展枠を購入し、学生や転職希望者と直接話す機会を得る。2025年10月期のイベント売上高は約32億円に達した。会場費や集客費はかかるが、一定数の企業と求職者を一度に集められれば収益性が高い。開催地域ごとの企業関係、会場運営の経験、来場者を呼ぶ媒体との連携が、この事業の強みである。
人材紹介では、求人企業と候補者の成約に応じて紹介手数料を得る。2025年10月期の売上高は約8億円で、媒体ほど大きくないものの、採用の成果に近い収益を得られる。行政や地域企業の採用支援を担うソーシャルソリューション事業もあり、自治体の事業委託や採用広報を請け負う。ここでは顧客の予算、入札、必要な担当者の工数が売上を決める。
同社の開示上は就職情報事業がほぼ単一セグメントであり、商品ごとの営業利益までは示されていない。そこで、媒体の掲載枠、イベントの出展ブース、人材紹介の成約件数、行政案件の契約数という実際の販売単位に分けて考える。販売件数が公表されていない部分は、商品別売上と公表料金、イベント実績などから推定した数量であり、会社発表の実数ではない。大切なのは、会員が増えたという宣伝だけでなく、企業が何件購入し、いくら支払い、どれだけ利益が残ったかを追うことだ。
優良さと弱いところ
若手採用への特化には意味がある。リクルート、マイナビ、パーソル系のサービスが幅広い年齢層や職種を扱う中、学情は初めての転職や第二新卒という、企業が将来の育成も考えて採用する領域で認知を築いた。採用イベントを持つため、ネット上での広告接触だけで終わらず、実際に企業と人を会わせられる。利用者と採用企業が互いに集まるほど媒体が使いやすくなる、弱いながらもネットワーク効果はある。
ただし、その効果を永続的な独占力と取り違えてはならない。公表される登録者数は累計であり、毎年の有効な求職者数や採用企業の解約率ではない。顧客が他媒体へ乗り換えるのに年単位のシステム移行を要するわけでもない。求人広告の料金表は確認できるが、競争下で物価を超える値上げを継続した証拠は乏しい。独自の応募データは蓄積されるものの、それだけで法令対応の記録基盤に匹敵する堀があるとは評価しない。
財務は明確な長所である。2025年10月期末の自己資本は約149億円、純有利子負債はマイナス約47億円で、財務上の破綻を恐れて成長投資を止める必要は小さい。過去10年のROE中央値も約12%で、単なる赤字成長企業ではない。広告媒体を開発し、その売上を増やす投資が成功すれば、追加の設備負担は比較的小さくて済む。
しかし、増分利益率には疑問が残る。2023年10月期から2025年10月期に売上高は約22億円増えたのに、営業利益はほぼ横ばいだった。販促、会員獲得、システム改修、人材育成に利益を使う局面だったとしても、それらの投資が資本コストを上回る追加利益を生む証明にはまだなっていない。再投資の収益率を過去のROEだけで正当化せず、実際に営業利益が増えるかを見続ける必要がある。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
日本では若い働き手が減る一方、企業の採用難は続いている。求職者一人を採用するために企業が払う費用は上がりやすく、転職を前提とする雇用慣行も若手向けサービスには追い風となる。ただし、人口が減る国で採用候補者の実数が際限なく増えるわけではない。採用需要が強い時期ほど、媒体会社同士の会員獲得競争も激しくなる。
全国求人情報協会によれば、2024年度の求人情報提供サービス市場は6,661億円だった。学情の2025年10月期の主要Web媒体とダイレクトリクルーティングを合わせた約53億円は、この広い市場に対して単純計算で約0.8%に相当する。ただし対象年度とサービスの範囲が異なるため、これは厳密な市場シェアではない。2025年の求人広告件数は約2,887万件で、求人件数の多さがそのまま広告単価の高さにつながる市場でもない。
人材紹介については、矢野経済研究所が2024年度のホワイトカラー職種の紹介市場を4,490億円と推計している。学情の紹介売上約8億円は広い市場の約0.2%にすぎない。競合にはリクルート、マイナビ、dodaを展開するパーソル系企業、エン、ビズリーチなどがある。個別の採用イベント市場や自治体の就労支援委託市場には同じ定義で比較できる確かな統計がなく、学情と各競合の厳密な市場シェアは確認できない。
10年で最も大きく変わるのは、候補者と企業の接点である。AIエージェントが求人を探し、応募書類を作り、候補者への連絡や一次選考まで処理するようになれば、人が求人サイトを訪れたり、採用担当者が検索画面を操作したりする回数は減りうる。求人の掲載そのものより、採用成果、認証された人材情報、対面の相互理解に対価が移る可能性がある。
学情のイベントは、この変化に対する防波堤となる。会場での面談や企業文化の確認には、完全な自動化が難しい部分が残る。一方、イベントの集客にはWeb広告や大学との関係が必要で、人件費と会場費も物価に連動して増える。2026年10月期第3四半期にはイベントと紹介事業が成長したが、若手向け採用市場全体の長期成長率をそのまま同社の取り分にすることはできない。
資本政策と M&A
2023年に示した2024年10月期から2026年10月期までの中期経営計画は、最終年度の売上高133億円、経常利益34.5億円を目標とした。資金配分では、期初の現預金・有価証券約116億円と3年間の営業キャッシュフロー約65億円を原資に、事業拡大・開発へ71億円、維持投資へ20億円、配当へ25億円を見込み、約65億円の手元流動性を残す構想だった。ROEについての具体的な数値目標は確認できず、自社株買いも機動的に検討するという位置付けだった。
会社はその後、2026年10月期の業績予想を売上高120億円、営業利益26億円へ引き下げた。以前の営業利益予想32.5億円と比べても、成長投資を続けながら利益を伸ばす難しさが表れている。配当性向は40〜50%を目安とし、2025年10月期の増配に加えて約5.35億円の自己株式を取得した。2026年には約6.50億円、39万5,300株の買い戻しを10月初めまでに完了しており、還元を実行する意思は確認できる。
株主優待は500株以上の保有者に3,000円相当の金券を贈る制度である。対象人数の実績は確認できないため、仮に約2,000人とすれば会社負担は年約0.06億円となり、10年間の還元にもこの費用を含めた。株主数の推定に伴う誤差は、全体価値への影響が小さい。
大きな買収によって事業構造を一変させた実績は乏しく、今の評価には未公表の買収利益を入れていない。株主上位10名の保有割合は2025年10月末で約55%であり、強い支配と還元拒否の両方がそろう会社ではない。増配と株数削減の実績を踏まえ、事業に不要な現金の株主への戻り方は100%とする。ただし、その資金が高い収益率で再投資されるか、単に積み上がるかは今後の重要な判断材料である。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
学情の強みは、単に求人広告の枠を売っていることではない。企業の採用活動が早期化し、卒業予定者と第二新卒の境目が曖昧になる中で、学生時代から転職初期まで接点を持てる会社は限られる。「Re就活キャンパス」から「Re就活」へ続く関係を育てられれば、一度獲得した利用者と企業の接点を長く活用できる。大規模な全国媒体と比べて規模は小さくても、若手採用に絞った企業の広告予算を取り込める余地はある。
対面イベントの経済性も過小評価すべきではない。採用担当者は応募書類やAI面接だけで、若い候補者の動機や職場との相性を判断できるわけではない。イベントで直接話す機会には価値が残り、採用企業が人材獲得に苦労するほど、その場所を提供する企業への支払い意欲は強まる。2026年10月期の第3四半期累計ではイベント売上が前年同期比で二桁増となり、現実の需要も確認できる。
資本配分にも改善の兆しがある。増配を続け、2025年と2026年には相応の自社株買いを実行した。現金・有価証券の蓄積は、サービスの刷新や景気後退に耐える余裕でもある。若手向け媒体とイベントを組み合わせた販売力を維持し、利用者獲得費用を抑制できれば、売上高は物価上昇とともに増え、営業利益率も回復する。人材紹介では手作業を減らして担当者一人当たりの成約数を高められる可能性があるが、その成果が継続して数字に現れることを条件とする。
こうした経路が続けば、10年後には対面イベントの出展枠が増え、媒体も競争力を保つ。現在より大きな利益を稼ぎ、配当と買い戻しを続けながらなお金融資産を蓄積する会社となる。企業の採用難が構造的に続く以上、若手という明確な顧客層を持つブランドの価値は軽く見るべきではない。
慎重な見方
学情の弱点は、最も価値があるように見える媒体の利用者接点を、自社だけでは守れないことである。企業が求人広告に払うのは、求職者がその広告を見て応募するからだ。AIエージェントが求人情報を集約し、求職者の代わりに候補を選んで応募するようになれば、求職者は媒体の画面を訪れなくなる。企業は掲載回数より、採用できた人数に対して払いたがる。その時、従来の掲載型広告の価格を維持できる保証はない。
採用担当者が候補者を検索して連絡するダイレクトリクルーティングも、利用者の操作画面そのものが代替対象となる。人材紹介の担当者が行う求人の整理、応募書類の確認、連絡調整も自動化しやすい。採用支援の需要が残っても、そこに必要な人数と時間は減りうる。現在の人手不足から10年後の仲介業者の利益成長を直接導くことはできない。
さらに、事業の収益力は既に安定した右肩上がりではない。2023年から2025年にかけて売上を大きく増やしても、営業利益はほぼ横ばいだった。媒体の会員獲得競争やイベントの来場者集客には費用がかかり、新しい機能への開発投資も継続する。2026年の業績予想引き下げは、需要の強さと利益率の高さが必ずしも両立しないことを示している。
採用イベントは人が実際に集まる価値を持つものの、会場、人員、集客広告の固定的な支出を抱える。企業が採用予算を削る局面では出展枠が埋まらず、一気に利益が落ちる。人口減少で候補者が減れば、イベントの回数を増やしても成長しない。純現金は大きな防御力だが、利益が長く減る会社の株主が資産の売却を決められるわけではない。帳簿に価値が残っても、利益を生まなければ株価が戻るとは限らない。
どちらに重みを置いたか
若手への認知と対面イベントの強さでは、事業の持続を支持する見方に説得力がある。しかし、求人媒体の訪問経路と採用担当者の操作業務がAIによって変わる時に、既存の単価が維持できるかという問いには十分な証拠がない。しかも、最近の増収が営業利益の増加につながりにくくなっている。
確率は楽観側27%、中立32%、悲観側41%とし、下側を14ポイント厚くした。下に寄せる理由は、AIの影響だけではなく、利用者獲得費用、人口構成の変化、イベントの固定費、行政案件の更新といった学情固有の不確実性が重なるためである。中立の数量には既にAI代替を織り込んでおり、資本コストや事業寿命で同じ損失を重ねていない。純現金と還元実績を評価しても、現在の株価には小さな安全域すら十分でないという判断になる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/10 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 2,171 円286 億円(+ 還元の換算額還元の合計 641 円84 億円)。 今の値に割り戻すと 1,530 円201 億円、今との差 −4.2%、 期待の年率 +6.7%(資本コスト 7.2%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 3,638 円478 億円 | 1,016 円134 億円 | +191.4% | +13.2% | 419 円55 億円 |
| やや楽観 | 18% | 3,162 円416 億円 | 856 円113 億円 | +151.6% | +11.2% | 723 円95 億円 |
| 中立 | 32% | 2,576 円339 億円 | 727 円96 億円 | +106.8% | +8.7% | 1,057 円139 億円 |
| やや悲観 | 26% | 1,250 円164 億円 | 490 円64 億円 | +8.9% | +1.0% | 452 円59 億円 |
| 悲観 | 15% | 836 円110 億円 | 238 円31 億円 | −32.7% | −4.3% | 161 円21 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,171 円286 億円 | 641 円84 億円 | +76.1% | +6.7% | 2,813 円370 億円 |
今の株価時価総額 1,597 円210 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 若手への接点と対面イベントが強みとして残る 利益 27 億円 · PER 14.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3,638 円478 億円
若手採用の競争が続き、企業は求人サイトだけで候補者を見極めることの限界を感じる。学情は学生と第二新卒の両方に接するブランドを保ち、企業にとって採用活動の複数の場を一度に手配できる相手となる。累計登録者の数だけでなく、実際の応募やイベント来場が増えることが強みを裏付ける。
媒体の掲載数は人口減少とAIによる検索集約のため大幅には増えない。それでも顧客との関係を保ち、広告の品質と採用効果を改善することで単価を維持する。イベントでは有料出展ブースが現在より約18%増え、優良な開催場所を押さえる運営力が差別化になる。人材紹介は省人化の影響で成約に必要な人員が減るが、企業から受け取る成果報酬は残る。
利益率は過去の高収益期に近づき、営業利益は32億円台になる。事業拡大のための金融負担は小さく、配当と買い戻しを続けながら余剰現金も蓄積する。大きな買収は前提にせず、既存の媒体とイベントの連携が成功する筋書きである。AIそのものの売上が急拡大するという未確認の期待は織り込まない。
- Re就活・20代向け求人Web媒体:数量 4,950(4週間掲載相当の有料求人広告枠数・年間、推定)× 価格 0.01(1掲載枠相当の平均売上高・億円)→ 売上 43 億円・営業利益 17 億円。掲載枠数は現状の99%、平均単価は1.34倍。媒体はAIの下でも若手との直接接点を維持する。
- Re就活30・Re就活テック等のダイレクトリクルーティング:数量 100(法人の年間有料利用契約相当数・推定)× 価格 0.01(1契約当たり年間売上高・億円)→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。操作画面依存のため契約数量は増やさず、単価も1.15倍までとする。
- Re就活キャンパス・新卒採用Web媒体:数量 1,710(企業の年間掲載・採用広報契約相当数・推定)× 価格 0.01(1契約相当の平均売上高・億円)→ 売上 25 億円・営業利益 9 億円。企業契約数は95%、単価は1.31倍。学生の実人数が減っても早期採用予算を獲得する。
- 就職博・転職博・Career Design Forum等の対面採用イベント:数量 10,915(企業の有料出展ブース数・年間、推定)× 価格 0.00(1ブース当たり売上高・億円)→ 売上 52 億円・営業利益 15 億円。出展ブース数は1.18倍、単価は1.40倍。対面で会える機会に高い価値が残る。
- Re就活エージェント等の人材紹介:数量 383(年間の採用成約件数・推定)× 価格 0.02(1成約当たり紹介手数料・億円)→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。成約件数は現状の約75%。AI代替が進んでも成果報酬の一部を維持する。
- ソーシャルソリューション・自治体採用支援:数量 47.0(年間の受託プロジェクト相当件数・推定)× 価格 0.22(1案件当たり平均売上高・億円)→ 売上 10 億円・営業利益 2 億円。案件数は約85%、単価は1.31倍。自治体の採用支援予算が残る。
- 新卒採用個別商品・その他の採用支援:数量 975(年間の採用広報・個別支援契約相当数・推定)× 価格 0.01(1契約当たり平均売上高・億円)→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。工数型サービスの数量は現状の75%、単価は1.30倍にとどめる。
倍率:資本コストkは7.25%。10年後の余剰現金108億円とその税後利息1.512億円を除く事業純利益は約25.05億円、事業自己資本は約130.7億円で、事業ROEは約19.2%となる。普通の堀なので超過収益の残存率を2分の1とし、RONICは約13.2%。長期名目成長率g1%から、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=約14.79倍。現在や過去の市場PERを参照しない。時価総額は事業利益にこの倍率を掛け、蓄積した余剰現金108億円を加える。
確率:求人広告の画面操作が変化しても、若手への認知と対面での集客が企業から評価され続ける最良に近い経路。ただし媒体の値決め力が検証されていないため、確率を高くしない。
やや楽観 18% 媒体は小幅に縮むがイベントと還元が補う 利益 22 億円 · PER 14.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3,162 円416 億円
企業の若手採用需要は続き、学情は採用広告とイベントを組み合わせる営業で既存顧客を維持する。求職者が求人を探す入り口にはAIサービスも加わるが、企業研究や対面の情報収集では学情の媒体とイベントが選ばれる。リクルートやマイナビなどとの競争で圧倒的なシェア拡大は起きないものの、若手に特化した媒体としての居場所は残る。
Web媒体の有料掲載枠は緩やかに減るが、イベントの出展ブースは現在を上回る。イベント収入が広告媒体の伸び悩みを補い、営業利益率も現在の水準をおおむね維持する。人材紹介と採用受託ではAIによって必要な工数が減るため、売上を無理に増やさない。経営は新しい広告商品を試しながら、採算の悪い施策を減らす。
事業利益は現在をやや上回り、売上高も名目では増える。ただし、その大半は物価上昇による単価の変化で、実質数量は横ばいか減少する。大型買収に頼らず、手元現金を活用し、増配と自社株買いを続けることで株主への取り分を保つ10年間となる。
- Re就活・20代向け求人Web媒体:数量 4,800(4週間掲載相当の有料求人広告枠数・年間、推定)× 価格 0.01(1掲載枠相当の平均売上高・億円)→ 売上 40 億円・営業利益 16 億円。掲載枠は96%、単価は1.28倍。強い若手ブランドで媒体の価値を保つ。
- Re就活30・Re就活テック等のダイレクトリクルーティング:数量 90.0(法人の年間有料利用契約相当数・推定)× 価格 0.01(1契約当たり年間売上高・億円)→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。操作画面型の契約は90%、単価は1.13倍。
- Re就活キャンパス・新卒採用Web媒体:数量 1,638(企業の年間掲載・採用広報契約相当数・推定)× 価格 0.01(1契約相当の平均売上高・億円)→ 売上 23 億円・営業利益 7 億円。新卒採用の企業契約数は91%、単価は1.25倍。
- 就職博・転職博・Career Design Forum等の対面採用イベント:数量 9,990(企業の有料出展ブース数・年間、推定)× 価格 0.00(1ブース当たり売上高・億円)→ 売上 46 億円・営業利益 12 億円。ブース数は1.08倍、単価は物価並みの1.34倍。
- Re就活エージェント等の人材紹介:数量 367(年間の採用成約件数・推定)× 価格 0.02(1成約当たり紹介手数料・億円)→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。成約件数は約72%、単価は1.29倍。工数削減の一部を利益に残す。
- ソーシャルソリューション・自治体採用支援:数量 43.0(年間の受託プロジェクト相当件数・推定)× 価格 0.21(1案件当たり平均売上高・億円)→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。受託案件数は約78%、単価は1.27倍。
- 新卒採用個別商品・その他の採用支援:数量 936(年間の採用広報・個別支援契約相当数・推定)× 価格 0.01(1契約当たり平均売上高・億円)→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。広告制作等の契約数は72%、単価は1.28倍。
倍率:10年後の余剰現金117億円の税後利息約1.64億円を純利益から除くと、事業純利益は約20.36億円。事業自己資本119.3億円に対するROEは約17.1%。k7.25%、超過収益の残存率2分の1でRONICは約12.2%、g_long1%から正当化PER約14.68倍となる。事業純利益にこの倍率を掛け、余剰現金117億円を加えた。
確率:若手市場における認知と対面イベントの実績は既に存在する。一方、求人の検索経路が変わるため、媒体の掲載数量がそのまま増え続ける想定にはしない。
中立 32% 求人媒体の数量は減り、対面イベントが事業を支える 利益 17 億円 · PER 14.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,576 円339 億円
10年後も企業は若い人材を求めているが、候補者が求人を見つける方法は大きく変わる。AIエージェントが検索や応募を代行するため、求人広告サイトを人が訪問して情報を比較する回数は減る。学情は若手の応募接点を維持するものの、採用企業から販売できる掲載枠の数は減少する。新卒媒体でも、人口減少と採用活動の早期化によって契約数が細る。
対面イベントは残る。企業と若手が直接会い、仕事への理解や相性を確かめる場所には価値がある。ただし、出展ブース数は現在より少し減ると考える。採用支援の顧客数が急増するとは見込まず、媒体とイベントの相乗効果によって一定の利益率を保つ。人材紹介は成約数が約3分の2となり、行政向けの受託業務も省人化と再入札で減る。
全社の売上高は名目でおおむね現在並みとなるが、物価を考慮した実質規模は縮む。営業利益は19億円台に低下する。財務余力を使った広告・システムへの再投資は続ける一方、大型買収や急拡大を前提にせず、純利益の半分程度を中心に株主へ還元する。残った利益から事業に必要な自己資本を差し引いた現金が、10年後の株主価値を支える。
- Re就活・20代向け求人Web媒体:数量 4,400(4週間掲載相当の有料求人広告枠数・年間、推定)× 価格 0.01(1掲載枠相当の平均売上高・億円)→ 売上 34 億円・営業利益 13 億円。掲載枠数は現在の0.88倍、単価は1.20倍。AIによるサイト訪問・掲載需要の減少を織り込む。
- Re就活30・Re就活テック等のダイレクトリクルーティング:数量 80.0(法人の年間有料利用契約相当数・推定)× 価格 0.01(1契約当たり年間売上高・億円)→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。契約数量は0.80倍、単価は1.10倍。採用担当者の画面操作が自動化される。
- Re就活キャンパス・新卒採用Web媒体:数量 1,530(企業の年間掲載・採用広報契約相当数・推定)× 価格 0.01(1契約相当の平均売上高・億円)→ 売上 20 億円・営業利益 6 億円。企業契約数は0.85倍、単価は1.18倍。物価上昇をすべて転嫁できない。
- 就職博・転職博・Career Design Forum等の対面採用イベント:数量 8,788(企業の有料出展ブース数・年間、推定)× 価格 0.00(1ブース当たり売上高・億円)→ 売上 40 億円・営業利益 10 億円。出展ブース数は0.95倍、単価は物価に近い1.31倍。
- Re就活エージェント等の人材紹介:数量 332(年間の採用成約件数・推定)× 価格 0.02(1成約当たり紹介手数料・億円)→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。成約件数は約0.65倍、紹介単価は1.25倍。工数型のAI代替の中立範囲に従う。
- ソーシャルソリューション・自治体採用支援:数量 39.0(年間の受託プロジェクト相当件数・推定)× 価格 0.21(1案件当たり平均売上高・億円)→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。受託件数は約0.71倍、単価は1.24倍。入札と事務自動化を反映する。
- 新卒採用個別商品・その他の採用支援:数量 910(年間の採用広報・個別支援契約相当数・推定)× 価格 0.01(1契約当たり平均売上高・億円)→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。工数型契約の数量は0.70倍、単価は1.22倍。
倍率:10年後の余剰現金122億円を事業から切り分け、その税後利息約1.71億円を純利益から除外する。事業純利益14.93億円、事業自己資本104.2億円、事業ROE約14.3%。k7.25%、普通の堀の残存率2分の1によりRONIC約10.8%。10年より先の名目成長率1%を用いた正当化PERは約14.52倍となる。事業純利益とこの倍率から約216.8億円を得て、蓄積現金122億円を加える。現金をROEと時価総額の双方で二重計上しない。
確率:ブランドとイベント基盤があるため採用需要の消滅は想定しない。ただし若手人口の減少、求人検索のAI化、企業の採用予算配分の変更を数量に織り込む。収益力は維持と縮小の中間にある。
やや悲観 26% 媒体の集客力と紹介手数料が継続的に削られる 利益 7 億円 · PER 13.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,250 円164 億円
AIエージェントによる求人検索と候補者への連絡が広く普及し、採用企業は従来型の求人広告を以前ほど購入しなくなる。利用者は複数の求人サイトを直接訪れるより、自分の代理として働くサービスへ希望条件を伝える。学情の若手ブランドは残るものの、有料掲載枠は現在の約7割まで減る。新卒媒体でも契約企業が減り、値上げだけでは売上を補えない。
採用イベントも無傷ではない。企業が採用費用を見直し、開催回数や出展規模を絞るため、ブース数は現在の8割程度まで減る。会場と営業の固定費が残るので利益率は低下する。人材紹介は面談や事務連絡の自動化が進み、成約件数が約半分になる。行政案件は低価格の再入札にさらされ、個別採用支援の収益力も弱くなる。
会社は無借金に近い財務を使って事業を建て直そうとするが、追加投資の収益率は低い。利益の減少に合わせて配当と買い戻しを減らす一方、過去に稼いだ資金の一部は金融資産として残る。ただし事業転換費用や採算の悪い契約の整理で、その現金の一部も使う。企業そのものの存続は十分可能だが、以前の利益水準への復帰は容易でない10年間となる。
- Re就活・20代向け求人Web媒体:数量 3,600(4週間掲載相当の有料求人広告枠数・年間、推定)× 価格 0.01(1掲載枠相当の平均売上高・億円)→ 売上 25 億円・営業利益 8 億円。広告枠数は0.72倍、単価は1.09倍。AI経由の採用が増え、広告の値決め力が弱まる。
- Re就活30・Re就活テック等のダイレクトリクルーティング:数量 60.0(法人の年間有料利用契約相当数・推定)× 価格 0.01(1契約当たり年間売上高・億円)→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。操作画面型契約は0.60倍。AIによる中抜きが強まる。
- Re就活キャンパス・新卒採用Web媒体:数量 1,260(企業の年間掲載・採用広報契約相当数・推定)× 価格 0.01(1契約相当の平均売上高・億円)→ 売上 15 億円・営業利益 4 億円。新卒媒体の契約数は0.70倍、単価は1.10倍。
- 就職博・転職博・Career Design Forum等の対面採用イベント:数量 7,400(企業の有料出展ブース数・年間、推定)× 価格 0.00(1ブース当たり売上高・億円)→ 売上 30 億円・営業利益 6 億円。出展ブースは0.80倍。価格は物価より弱い1.18倍にとどまる。
- Re就活エージェント等の人材紹介:数量 281(年間の採用成約件数・推定)× 価格 0.02(1成約当たり紹介手数料・億円)→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。紹介成約件数は約0.55倍、単価は1.18倍。営業利益はほぼ残らない。
- ソーシャルソリューション・自治体採用支援:数量 33.0(年間の受託プロジェクト相当件数・推定)× 価格 0.19(1案件当たり平均売上高・億円)→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。行政案件数は0.60倍、単価は1.15倍。
- 新卒採用個別商品・その他の採用支援:数量 754(年間の採用広報・個別支援契約相当数・推定)× 価格 0.01(1契約当たり平均売上高・億円)→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。個別支援契約数は0.58倍、単価は1.15倍。
倍率:余剰現金90億円の税後利息1.26億円を除く事業純利益は約5.51億円、事業ROEは約4.6%でk7.25%に届かない。資本コスト未満のROEには長期成長による価値創造を数えず、PER上限を1÷kの13.79倍とする。やや悲観の継続的な採算悪化を考え、これを超えない13.5倍とし、事業価値と余剰現金90億円を合計する。
確率:下に寄せる理由:若手採用の広告費がAIによる成果報酬型へ移り、企業の採用広報予算が既存媒体から離れる可能性がある。固定的な集客・開発費が残り、実際の利益低下が売上減少より大きくなる。
悲観 15% 仲介の優位を失い、収益力より換金可能資産が価値の中心になる 利益 −4 億円 · PBR 0.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 836 円110 億円
採用活動の大半でAIによる候補者探索と一次選考が標準になり、求人サイトへの直接訪問は大きく減る。学情が保有する会員データは残っても、企業がその広告枠を買い続ける理由は薄れる。Re就活の掲載数量は現在の半分になり、新卒媒体も同程度まで縮む。ダイレクトリクルーティングの操作画面は他の仕組みに置き換えられ、人材紹介と採用受託は利益を確保できなくなる。
対面イベントも、企業の採用予算削減と若年人口の減少に直面する。会場を借りて開催しても出展者が十分に集まらず、残った出展契約では固定費を賄いにくい。競争の中心はリクルートや大手採用プラットフォーム、AIを直接提供する企業に移り、学情の地域営業網だけでは利用者を呼び戻せない。
営業損益は赤字となる。過去の黒字期に積み上げた自己資本は帳簿上残るものの、その全額が株主へ分配できるわけではない。ソフトウェアの帳簿価額は清算時に大きく減価し、採用支援のブランドも換金できるとは限らない。会社が事業縮小を進めても、長年培った優良さを回復しない。価値を支えるのは過去に蓄えた金融資産と換金できる不動産などであり、利益の成長倍率ではない。
- Re就活・20代向け求人Web媒体:数量 2,500(4週間掲載相当の有料求人広告枠数・年間、推定)× 価格 0.01(1掲載枠相当の平均売上高・億円)→ 売上 15 億円・営業利益 3 億円。媒体掲載数は0.50倍、単価は現在の0.95倍。物価上昇も転嫁できない。
- Re就活30・Re就活テック等のダイレクトリクルーティング:数量 40.0(法人の年間有料利用契約相当数・推定)× 価格 0.01(1契約当たり年間売上高・億円)→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。操作型サービスは数量0.40倍、単価0.92倍。
- Re就活キャンパス・新卒採用Web媒体:数量 900(企業の年間掲載・採用広報契約相当数・推定)× 価格 0.01(1契約相当の平均売上高・億円)→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。新卒媒体の契約数は0.50倍、単価0.98倍。
- 就職博・転職博・Career Design Forum等の対面採用イベント:数量 5,365(企業の有料出展ブース数・年間、推定)× 価格 0.00(1ブース当たり売上高・億円)→ 売上 19 億円・営業利益 2 億円。ブース数は0.58倍、単価1.05倍。会場と集客の固定費が残る。
- Re就活エージェント等の人材紹介:数量 214(年間の採用成約件数・推定)× 価格 0.02(1成約当たり紹介手数料・億円)→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。紹介件数は約0.42倍、単価1.08倍。採用仲介の利益が消える。
- ソーシャルソリューション・自治体採用支援:数量 25.0(年間の受託プロジェクト相当件数・推定)× 価格 0.18(1案件当たり平均売上高・億円)→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。行政案件数は約0.45倍、単価1.06倍。
- 新卒採用個別商品・その他の採用支援:数量 585(年間の採用広報・個別支援契約相当数・推定)× 価格 0.01(1契約当たり平均売上高・億円)→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。個別支援契約数は0.45倍、単価1.06倍。
倍率:2035年の営業損益は赤字であり、赤字純利益に永続PERを掛けない。過去の谷のPBRは根拠に使わず、現在の自己資本148.6億円に対して0.74倍の換金可能な株主価値を認める。得られる約110億円は、純現金・有価証券・回収可能債権・売却可能不動産から負債を差し引いた推定資産床106.4億円を上回る。10年後の帳簿自己資本196億円に床の倍率を掛けて価値を膨らませない。
確率:若手向け求人媒体の直接訪問が急減し、採用企業との関係も大手・AI仲介業者に移る構造的な敗北を想定する。現在の対面イベント基盤と純現金があるため、直ちに倒産する筋にはしない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
Re就活・20代向け求人Web媒体
20代、第二新卒、若手の転職希望者を集め、求人企業へ掲載枠を販売する自社媒体。AI代替の型は、独自の利用者基盤を持つ広告プラットフォームとする。
| 数量4週間掲載相当の有料求人広告枠数・年間、推定 | 価格1掲載枠相当の平均売上高・億円 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/10 | 5,000 | 0.01 | 32 | 13 |
| 10 年後 中立 | 4,400 | 0.01 | 34 | 13 |
取り方:2025年10月期有価証券報告書のRe就活売上高32.43億円を使用。公式料金表では4週間掲載の料金がプラン・地域によりおおむね数十万〜百数十万円の範囲にある。これを踏まえ、年間約5,000枠、平均64.86万円相当と推定した。枠数の開示はないため実数ではない。営業利益12.95億円は全社利益を商品へ配分するための推定貢献利益であり、会社開示のセグメント利益ではない。累計会員数は掲載購入件数に代用しない。
Re就活30・Re就活テック等のダイレクトリクルーティング
企業の採用担当者が候補者を探して接触する採用支援サービス。採用担当者の操作画面に価値が依存するため、AI代替では業務SaaS・画面中心の型に近いものとして扱う。
| 数量法人の年間有料利用契約相当数・推定 | 価格1契約当たり年間売上高・億円 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/10 | 100 | 0.01 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 80.0 | 0.01 | 1 | 0 |
取り方:2025年10月期のダイレクトリクルーティング売上高は約0.62億円。契約数と席単価は開示されていないため、年間100契約相当、1契約約62万円とする再構成値である。実際の請求が純粋なID課金と確認されたわけではない。採用担当者による検索・スカウト操作をAIが代行するリスクを優先し、中立の数量を10年で0.8倍、単価を1.1倍とする。
Re就活キャンパス・新卒採用Web媒体
大学生向け求人情報、インターンシップ情報、企業研究の接点を提供し、企業の採用広報契約を獲得する自社媒体。AI代替の型は自社利用者を持つ広告プラットフォームとする。
| 数量企業の年間掲載・採用広報契約相当数・推定 | 価格1契約相当の平均売上高・億円 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/10 | 1,800 | 0.01 | 20 | 7 |
| 10 年後 中立 | 1,530 | 0.01 | 20 | 6 |
取り方:2025年10月期のRe就活キャンパス売上高20.02億円を使用。新卒向け求人サイトの公表料金には期間と掲載内容に応じて数十万円から百万円超の幅があるため、年間約1,800契約、平均約111万円と仮定した。契約数は開示されておらず、推定である。大学生の登録数は顧客企業の契約数と異なるため、数量として直接は使わない。営業利益は社内配賦を想定した分析上の値である。
就職博・転職博・Career Design Forum等の対面採用イベント
学生や転職希望者と採用企業を実際の会場で結び付けるイベント。対面の説明、選考、相互理解には人の参加が必要で、AI代替の影響は事務運営部分に限って評価する。
| 数量企業の有料出展ブース数・年間、推定 | 価格1ブース当たり売上高・億円 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/10 | 9,250 | 0.00 | 32 | 9 |
| 10 年後 中立 | 8,788 | 0.00 | 40 | 10 |
取り方:2025年10月期のイベント売上高31.77億円を起点とする。2026年10月期上半期の説明資料にある開催・出展実績と同期間のイベント売上約15.37億円を参考に、年間約9,250ブース、平均約34.35万円と逆算した。会場ごとの規模、複数ブース購入、協賛、開催時期の違いを平均化した推定であり、2025年の実出展ブース総数の開示値ではない。利益は会場費・営業費などの共通費を別にする推定貢献利益である。
Re就活エージェント等の人材紹介
企業へ候補者を紹介し、採用が成立した時に成果報酬を受け取る。選考支援や面談に人の工数を要し、AI代替では人月・事務系人材サービスの型とする。
| 数量年間の採用成約件数・推定 | 価格1成約当たり紹介手数料・億円 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/10 | 510 | 0.02 | 8 | 1 |
| 10 年後 中立 | 332 | 0.02 | 7 | 1 |
取り方:2025年10月期の人材紹介売上高8.16億円を使用。若手人材の想定年収と、紹介料が年収の30〜35%程度という業界慣行を踏まえ、平均160万円、年間510成約と再構成した。実際の成約数、平均年収、平均料率は未開示である。2026年第3四半期には紹介単価上昇が報告されたが、それを10年間の実質値上げ力の証拠とはしない。
ソーシャルソリューション・自治体採用支援
行政や地域企業の採用・就労支援、情報提供、広報などを受託する。案件の実施人員や運営工数への対価が多いとみて、AI代替ではBPO・受託サービスの型とする。
| 数量年間の受託プロジェクト相当件数・推定 | 価格1案件当たり平均売上高・億円 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/10 | 55.0 | 0.17 | 9 | 1 |
| 10 年後 中立 | 39.0 | 0.21 | 8 | 1 |
取り方:会社の商品別説明からソーシャルソリューションに相当する2025年10月期売上高約9.15億円を起点とする。契約の規模に大きな差があるため、年間55案件、平均約1,664万円とみなしたモデル上の単位である。公表された落札件数の合計ではない。自治体予算、再入札、内製化、AIによる事務工数削減を数量と単価の両方に反映する。
新卒採用個別商品・その他の採用支援
新卒採用の個別広報、制作、企業向け採用支援など。制作・運営に人の工数が必要な部分として、AI代替では広告制作・BPOに準じる型とする。
| 数量年間の採用広報・個別支援契約相当数・推定 | 価格1契約当たり平均売上高・億円 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/10 | 1,300 | 0.01 | 8 | 1 |
| 10 年後 中立 | 910 | 0.01 | 7 | 1 |
取り方:2025年10月期の商品別売上から、個別採用商品等約5.92億円とその他売上約2.10億円を合わせて8.02億円とした。年間約1,300契約、平均約61.7万円という再構成であり、会社が開示する契約件数ではない。原稿制作、運用、管理業務はAIによる工数削減が料金低下にもつながると考える。
リスクと懸念
AI エージェント代替と求人広告の中抜き
求人検索、応募書類作成、候補者選定、スカウト送信がAIに移れば、利用者と採用担当者が求人サイトを直接操作する機会は減る。学情の媒体は利用者との接点を持つため完全な受託サービスより強いが、広告枠の販売数量と単価がともに影響を受けうる。採用担当の操作画面を売るダイレクトリクルーティングにも同じ構造変化が及ぶ。
若年人口の減少と媒体のネットワーク効果の逆転
20代の働き手が減れば、企業の採用難は強まる一方、媒体に集まる候補者の実人数は減る可能性がある。登録者の累計が増えていても、実際に応募する有効会員が減れば企業の広告効果は落ちる。効果が落ちた企業が掲載を減らし、さらに利用者が離れる逆回転が起きると、ブランドがあっても価格決定力を失う。
会員獲得費用とシステム投資の固定化
若手利用者を集める広告宣伝費、サイト改修費、人材育成費は事業を維持するためにも必要となる。2023年から2025年の売上拡大が営業利益の増加に十分つながらなかった点は、限界利益率を慎重にみる理由である。AIを導入するための開発費が増えても、新しい売上に結びつかなければ、会計上の利益と自由に使える現金の差が広がる。
対面イベントの出展枠減少と固定費
対面イベントは差別化になるが、会場の確保、開催準備、集客の費用は出展枠が減っても同じ割合では減らない。企業の採用予算が景気後退で減る時には、ブース販売数の減少が利益率を急激に押し下げる可能性がある。物価上昇で会場費や運営費が増える一方、企業へ価格を十分転嫁できるとは限らない。
採用市場の季節性と会社計画の未達
2026年10月期第3四半期累計の営業利益は9.64億円で、通期予想26億円には最終四半期の大幅な利益計上が必要となる。学情は新卒・中途採用の時期に左右されるため、期中の利益進捗だけで未達と断定できないが、広告宣伝費や開発費が先行する中で計画達成の確度は下がりやすい。受注と売上計上のずれを継続して確認する必要がある。
行政受託の更新と人材紹介の手数料圧力
自治体向けの採用支援は、事業年度ごとの予算、入札条件、政策変更で受注が変わる。人材紹介では2026年に紹介単価の改善が見られたが、AIによる候補者検索と企業の直接採用が普及すれば、仲介手数料を維持するのは難しくなる。営業担当者の生産性改善による利益増加と、顧客が求める料金引き下げのどちらが勝るかは不確かである。
余剰金融資産の流動性と資本配分
有価証券を含めた金融資産の厚さは魅力だが、その全額が即時に株主へ返されるわけではない。投資有価証券の価格変動、事業に必要な現金の見積もり、将来の買収や開発投資によって実際の取り分は変わる。価値の小さい事業への再投資を続ければ、帳簿上の現金が将来の株主利益に結びつかず、算定価値を下回る結果となりうる。
今後の分かれ目
- Re就活の有料掲載契約数が減っても、企業当たりの採用成果と実質単価が複数年改善し続けたら
- 広告枠の数量減少を補う値決め力が確認できる。中立の媒体単価と営業利益率を引き上げ、長期のg_longも再検討する。
- 媒体の登録者数は伸びる一方で、実応募数や有料掲載企業の継続率が明確に下がったら
- 累計会員数に依存したネットワーク効果が弱まる。中立のWeb媒体数量を引き下げ、やや悲観の確率を高める。
- 採用イベントの出展ブース数とブース平均売上が同時に増え、会場費を差し引いた利益も増加したら
- 対面イベントの堀が深まっていると判断する。イベント数量と利益率を改善し、媒体への依存度が下がる効果を評価する。
- 人材紹介の成約単価が上がっても、成約件数が継続して減少したら
- 採用仲介のAI代替が進んでいる可能性を検証する。紹介事業の数量を減らし、単価上昇だけで成長を説明しない。
- 中期計画に対する営業利益未達が続き、広告宣伝費や開発投資の増分利益率が改善しなかったら
- 事業の再投資利回りが資本コストを下回ると考え、媒体とイベントの利益率を下方修正する。余剰資金の配当・自社株買いへの転換が十分かも確認する。
- 保有有価証券を整理し、配当・自社株買いを利益と現金創出力に見合う形で継続したら
- 余剰現金が株主に帰属するという評価の確信度が高まる。ただし一時的な買い戻しだけで事業の成長率や利益倍率は上げない。
- 公表資料で有料顧客の解約率が十分低く、採用成果データの独自性と継続値上げの実績が確認できたら
- 単なる求人広告媒体から、代替しにくい採用基盤へ移行している可能性がある。強い堀の条件を満たす事業の割合を見直し、長期の超過収益が残る度合いを引き上げる。
見ておくもの
- Re就活の月間応募数だけでなく、有料掲載契約数、企業継続率、1契約当たり実現売上高の変化
- Re就活キャンパスの有効な学年別会員、応募・面談につながる活動率、企業契約件数
- 就職博・転職博等の開催数、出展ブース数、平均出展単価、来場者数、開催別採算
- Re就活エージェントの成約件数、成約単価、担当者一人当たり決定数
- 広告宣伝費とソフトウェア開発投資の増加に対する増分営業利益
- 2026年10月期の通期実績と、その後の新中期経営計画における営業利益・ROE・還元目標
- 短期有価証券、長期定期預金、投資有価証券を含めた実質的な余剰金融資産
- 配当性向、発行済株式から自己株式を除いた株数、買い戻しの実行金額
- AIによる求人検索・スカウト代行が媒体の訪問、掲載単価、企業の採用成果に与える変化
- 主要競合の若手採用商品、大学向けサービス、対面採用イベントへの投資と料金改定
倍率と資本コストの決め方
2025年10月期の売上高110.2億円と営業利益23.3億円から出発し、商品別の販売数量と単価を別々に推定した。中立では求人広告枠と人材紹介の数量が減り、イベントが比較的残る。物価3%の10年累積約1.34倍は価格側だけに反映し、数量に混ぜない。営業利益から過去の純利益比率と現金利息を反映し、自己資本を利益と還元で流した。10年で蓄積する余剰現金は事業に必要な資本から分離し、事業純利益からその利息を除いて倍率を求めた。楽観から中立のPERは市場の過去倍率でなく、k7.25%、事業ROE、超過収益の残存率2分の1、g_long1%から導いた上限そのものを用いた。悲観は現在の換金可能資産を床とする。5つの時価総額と還元を10年間割り引くと現在価値は約201億円で、基準時価総額約227億円との差は約マイナス11.5%となる。したがって結論は『やや割高』である。株価や同業PERから逆算していない。基準株数は添付の2026年8月末値とし、その後の自己株買いによる株数変化は日次更新時に照合する。将来の新リース会計基準による貸借対照表の表示変更は、事業の現金創出力と区別する。
資本コスト 7.2% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%の合計7.5%を基本とし、財務の純現金による0.25ポイントの軽減だけを加味する。景気循環と値決め力は中立で、個別のAI・採用市場リスクは数量、価格、長期成長率に表す。