結論
秀英予備校は、静岡・愛知・北海道を中心に、直営 193 校舎とフランチャイズ 26 校舎で小中高生に集団授業を行う塾だ。売上の 9 割近くが小中学部と高校部の授業料である。筆者の結論は「割高」。10 年先の利益は今の水準に届かず、稼ぐ力が時価総額を支えきれないと見る。
稼ぎは薄い。売上は 107 億円で 12 年横ばいのまま、営業利益率は 4% 台にとどまる。前期は校舎の移転・閉鎖の損失で、純利益が 0.4 億円まで落ちた。会社は 3 年後に営業利益 8.4 億円を掲げるが、過去の実績は遠い。
強みは地域での知名度と、Z 会と組む公開模試のような受験の仕組みだ。ただ、人の時間で授業を売る事業は、生徒数が減ると固定費が重くのしかかる。少子化に加え、生成 AI が解説と学習計画を安く出し、補習の一部を置き換える。
財務は堅い。自己資本比率は 49%、現金は借入を上回る。だが現金の多くは前受けの授業料で、株主のものではない。校舎の多くは賃借で、家賃は売上が落ちても減らない固定の約束だ。
配当は今の水準を続けており、純利益を上回る年もある。利益が伸びなければ続かない水準だ。筆者は、今の時価総額に対し、中立でも価値は届かないと見る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、「人の時間と校舎で稼ぐ事業が、10 年後も同じ値段で売れるか」を問う。答えは、数量も値段も細ると見る。
稼ぐ力の割に自己資本が厚く、純資産倍率は 0.5 倍と低い。だが利益が資本コストに届かない会社の帳簿は、割安の根拠にならない。
所有する土地と建物は、売ればある程度の値が付く。ただ売れば校舎の家賃を払う側に回るので、事業の価値にはならない。
筆者が評価するのは、無理な借金をしていない点と、校舎の統廃合を実行している点だ。ただ、長く持ちたい事業ではない。稼ぎの伸びしろが、少子化と AI の両方に削られるからだ。
資本の使い方でいえば、利益の大半を配当に回し、校舎の整理に使う。成長への再投資で価値を足す事業ではなく、守りの経営である。
長く持つ株主にとって、配当が利益を上回る状態は、いつまでも続かないと考えておくのが安全だ。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの源は、小中学生向けの集団授業だ。小中学部が売上の 87% にあたる 93 億円、高校部が 13 億円で、残りは学童や模試などの小さな事業である。
校舎は直営 193 とフランチャイズ 26。静岡 72、愛知 32、北海道 28、三重 15、福岡 15、福島 16 と、東海から北海道、福島、福岡まで広く薄く散らばる。静岡の本拠を軸に、東日本学院(福島)を子会社に持つ。
売上は授業料が中心で、季節講習が上乗せされる。生徒数は開示されないため、授業料を年 30 万円強と置き、小中の在籍生徒は 2.8 万人ほどと推定した。
従業員は 549 人、臨時雇用が 462 人。平均年収は 495 万円。授業はアルバイトの学生講師が支え、社員は校舎運営と指導にあたる。学生講師の採用が最大の経営課題だと会社自身が書いている。
校舎の多くは賃借で、敷金と保証金を差し入れている。前期は北海道・山梨・宮城の拠点校を移転すると決め、損失の引当を計上した。会社は郊外の小規模校を減らし、学力意欲の高い生徒を本部校に集める方針だ。
優良さと弱いところ
優良さは「並」と見る。強みは地域での知名度と、校舎数の多さから来る教材・模試の効率だ。弱みは、利益率の低さと、人に頼る構造である。
営業利益率は過去 12 年で最高でも 5% 台。同業の上位は 10% を超える。校舎が広く薄く散らばり、1 校舎あたりの生徒が少ないため、家賃と人件費が先に立つ。
会社は経営指標として売上高営業利益率を最重視すると書くが、数値の目標は 3 年後の 7% ほどだ。直近の実績は 4% 台で、計画の達成実績は乏しい。
財務は借入を上回る現金があり、自己資本比率も 49% と堅い。ただ現金の多くは前受けの授業料と預り金である。
最大のリスクは人だ。学生講師を集められなければ、校舎は開けない。その他の関係会社の有限会社シューエイが議決権の 3 分の 1 を持ち、経営の方向はこの大株主の意向に左右される。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
学習塾の市場は 9,000 億円台で、少子化の中でも 1 人あたりの教育費が増え、ほぼ横ばいで推移してきた。ただ生徒の数は確実に減る。15 歳人口は 10 年で 1 割強減る見込みだ。
首都圏の大手は個別指導とオンラインを組み合わせ、通塾率を押し上げて売上を伸ばしている。秀英の地盤の静岡・愛知は人口が減る地域が多く、数量の追い風は薄い。
競合は、地域の中堅塾、個別指導の大手、そして映像授業だ。この会社の差は、模試と地域名にとどまり、授業料を物価以上に上げる力は強くない。
もう 1 つの変化は生成 AI だ。解説と学習計画を安く出し、補習の需要が細る。集団授業の中心である講義は残るが、補習と個別は置き換わる。
会社は学童・幼児教育の「秀英 KIDS」や東大・医進コースで客単価の上積みを狙う。ただ売上全体を動かす規模ではない。
地方の塾にとって、もう 1 つの重荷は講師の確保だ。時給は物価と最低賃金で上がり続け、学生講師の奪い合いは続く。授業料を上げて吸収できる塾と、できない塾の差が開く。
筆者は、この領域は上位の少数が通塾率の上昇を取り、中堅以下は数量と値段の両方で押されると見ている。
資本政策と M&A
資本政策は守りだ。配当は「安定的な配当の継続」が基本で、前期の総額は 0.67 億円。純利益の 1.5 倍にあたり、利益が戻らなければ続かない。
自己株の取得は実績がない。株主優待は 3 月末の 100 株以上に QUO カードで、費用は年に 0.1 億円に満たない。
借入は 8 億円ほどで、現金 15 億円が上回る。ただ現金のうち前受授業料と預り金が大きく、事業に使う運転資金も要る。配当を維持できる余力はあるが、増配の余力は小さい。
その他の関係会社が議決権の 33% を持ち、経営への影響は大きい。TOB や統合の可能性は小さくないが、価値の評価には使わない。
校舎の賃借料は売上の 1 割弱と推定する。新リース会計基準で、2028 年 3 月期から負債と資産が増えて見える。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
校舎の整理が実を結ぶ。北海道・山梨・宮城の拠点校を移し、郊外の小規模校を本部校に集めれば、1 校舎あたりの生徒数は上がり、家賃と人件費の比率が下がる。
会社の計画は 3 年後に営業利益 8.4 億円、利益率 7%。前期の 4.5 億円から 2 倍近いが、損失の引当を終えた校舎で利益が出れば不可能ではない。
Z 会との公開模試、東大・医進コース、学童の秀英 KIDS で客単価も上がる。授業料は物価並みに上げられる。
生成 AI は、解説の代わりにはなるが、勉強の習慣づけと面倒見は人の仕事だ。通塾する生徒が AI で急に減る理由は弱い。
無借金に近い財務と、大株主の支えもある。10 年後に営業利益率 6% に届けば、利益は今の 2 倍になる。
計画の営業利益 8.4 億円は、売上 119 億円で 7% の利益率という置き方だ。校舎の整理が進めば、売上が横ばいでも利益は出せる。
同業の上位は 10% を超える利益率を出している。校舎を集めれば、そこへ近づく余地は残っている。
慎重な見方
利益率は 12 年のあいだ 5% を超えたことがない。計画の 7% は、達成実績が乏しい目標だ。
校舎は広く薄く散らばり、生徒が減れば家賃と人件費が重くなる。校舎の統廃合は、閉鎖損失を毎期のように生む。前期の純利益がほとんど出なかったのがその表れだ。
生成 AI は、解説と学習計画を安く出す。補習と個別が置き換わり、集団授業の客単価も押される。
学生講師を確保できない校舎は、閉めるしかない。人に頼る事業の最大のリスクが、そのまま数量を決める。
配当は純利益を上回る年がある。利益が戻らなければ、配当は削られる。10 年のうちに、数量と値段の両方が削られる筋書きは十分にある。
計画の売上 119 億円は、横ばいの売上が 1 割弱伸びる前提だ。少子化の中で、校舎の統廃合を進めながら売上を伸ばす筋書きは、重なりにくい。
さらに、固定資産が 57 億円あることは、減損のリスクでもある。校舎が稼がなければ、損失として表に出る。
どちらに重みを置いたか
校舎の整理と財務の堅さは評価するが、利益率の低さと、人の時間で売る事業の型への AI の影響を重く見た。確率は中立から慎重な側に寄せ、やや悲観と悲観で 42% とした。楽観は、計画どおり利益率 6% に届く筋書きで 6% にとどめた。数量は少子化で確実に減り、値上げは物価に届かないという見方が、強い側にある。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 296 円20 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 88 円6 億円)。 今の値に割り戻すと 200 円13 億円、今との差 −39.2%、 期待の年率 +1.5%(資本コスト 7.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 721 円48 億円 | 149 円10 億円 | +163.8% | +10.2% | 52 円4 億円 |
| やや楽観 | 16% | 462 円31 億円 | 127 円9 億円 | +78.4% | +6.0% | 94 円6 億円 |
| 中立 | 36% | 328 円22 億円 | 103 円7 億円 | +30.7% | +2.7% | 155 円10 億円 |
| やや悲観 | 30% | 143 円10 億円 | 60 円4 億円 | −38.6% | −4.8% | 61 円4 億円 |
| 悲観 | 12% | 143 円10 億円 | 30 円2 億円 | −47.6% | −6.3% | 21 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 296 円20 億円 | 88 円6 億円 | +16.1% | +1.5% | 383 円26 億円 |
今の株価時価総額 330 円22 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。
楽観 6% 校舎の整理が実り、利益率が 6% に届く 利益 4 億円 · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 721 円48 億円
少子化の中でも、校舎の整理で 1 校舎あたりの生徒数が上がる。小中学部の生徒数は 5% の減りにとどまり、授業料は物価並みの 1.34 倍に上がる。
Z 会との公開模試と東大・医進コース、学童の秀英 KIDS が客単価を押し上げる。生成 AI は補習の一部にとどまり、面倒見の価値は残る。
営業利益率は 6% に届く。会社の計画 7% には届かないが、12 年の最高を上回る。配当は今より厚くなり、自己資本は 69 億円ほどに増える。
人口が減る地域でも、校舎を集めた本部校は 1 校舎あたりの生徒数を保つ。講師の確保も、本部校に集まる学生が助ける。
- 小中学部(小中学生の集団指導):数量 26,885(在籍生徒数(人。開示がなく売上から推定))× 価格 0.00(生徒 1 人あたり年間売上(億円、名目))→ 売上 119 億円・営業利益 17 億円。小中 生徒 0.95 倍・授業料 1.34 倍、利益率 14%
- 高校部(高校生の指導):数量 2,793(在籍生徒数(人。推定))× 価格 0.01(生徒 1 人あたり年間売上(億円、名目))→ 売上 17 億円・営業利益 2 億円。高校 生徒 0.95 倍・授業料 1.34 倍、利益率 11%
- その他の教育事業(FC など):数量 1.0(事業規模(今を 1))× 価格 0.58(今の売上(億円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。その他 事業規模 1.0 倍
倍率:事業の純利益 4 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 5.4% が k 7.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.9 倍。全体の PER 12.9 倍、時価総額 48 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:計画どおり利益率が 6% に届く筋書き。12 年で 5% を超えた実績がなく、達成実績も乏しいため 6% にとどめた。
やや楽観 16% 計画に近づくが、生徒数は人口並みに減る 利益 2 億円 · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 462 円31 億円
生徒数は人口の減りと同じ 1 割強の減りにとどまる。AI による置き換えは補習の一部に限られ、集団授業と面倒見は残る。
授業料は物価にやや届かず、1.32 倍。統廃合の効果で利益率は 4% 台に上がるが、会社の計画 7% には届かない。
配当は今の水準を保ち、利益が増えれば少し上がる。10 年の純利益の合計は 25 億円ほどで、自己資本は 64 億円まで積み上がる。
新しい学童・幼児教育の「秀英 KIDS」が小さく上乗せされるが、全体を動かす大きさにはならない。人口が減る地域の校舎は、規模を保つので精いっぱいだ。
- 小中学部(小中学生の集団指導):数量 24,904(在籍生徒数(人。開示がなく売上から推定))× 価格 0.00(生徒 1 人あたり年間売上(億円、名目))→ 売上 109 億円・営業利益 14 億円。小中 生徒 0.88 倍・授業料 1.32 倍、利益率 12.5%
- 高校部(高校生の指導):数量 2,587(在籍生徒数(人。推定))× 価格 0.01(生徒 1 人あたり年間売上(億円、名目))→ 売上 15 億円・営業利益 1 億円。高校 生徒 0.88 倍・授業料 1.32 倍、利益率 9.5%
- その他の教育事業(FC など):数量 1.0(事業規模(今を 1))× 価格 0.57(今の売上(億円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。その他 事業規模 1.0 倍
倍率:事業の純利益 2 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 3.8% が k 7.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.9 倍。全体の PER 12.9 倍、時価総額 31 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:校舎の整理が進み、生徒数が人口並みに減る筋書き。AI の置き換えを軽く見る姿で、16% に置いた。
中立 36% 生徒は 2 割減り、利益率は 3% 台にとどまる 利益 2 億円 · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 328 円22 億円
生徒数は 10 年で小中学部が 2 割強、高校部が 2 割減る。少子化が 1 割強、AI による補習の置き換えが残りを押す。授業料は物価に届かず 1.30 倍。
売上は名目で横ばい。家賃と本部費は物価で増えるため、利益率は 3% 台にとどまる。統廃合で固定費を抑えても、増収の力が無いので、利益は今より小さい。
配当は今の水準を保つが、利益の半分を超える重さが続く。自己資本は 59 億円ほどで、ROE は 3% に届かない。
新しい学童の「秀英 KIDS」や東大・医進コースは小さく上乗せされるが、全体を動かす規模ではない。講師の時給は物価で上がり、利益率を押し下げる。
- 小中学部(小中学生の集団指導):数量 22,074(在籍生徒数(人。開示がなく売上から推定))× 価格 0.00(生徒 1 人あたり年間売上(億円、名目))→ 売上 95 億円・営業利益 11 億円。小中 生徒 0.78 倍・授業料 1.30 倍、利益率 12%
- 高校部(高校生の指導):数量 2,352(在籍生徒数(人。推定))× 価格 0.01(生徒 1 人あたり年間売上(億円、名目))→ 売上 14 億円・営業利益 1 億円。高校 生徒 0.80 倍・授業料 1.30 倍、利益率 9%
- その他の教育事業(FC など):数量 0.9(事業規模(今を 1))× 価格 0.56(今の売上(億円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。その他 事業規模 0.9 倍
倍率:事業の純利益 2 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 2.7% が k 7.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.9 倍。全体の PER 12.9 倍、時価総額 20 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:少子化と AI で生徒が 2 割ほど減り、値上げは物価に届かない標準の姿。AI エージェント代替は人の時間で売る型として数量に入れたので、確率では重ねない。
やや悲観 30% AI と少子化で赤字すれすれが続く 利益 0 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 143 円10 億円
AI が解説と学習計画を安く出し、補習の需要が細る。生徒数は 3 分の 1 減り、集団授業の値段は物価に追いつかず 1.22 倍。
校舎を畳んでも本部費と家賃の固定費が残り、営業利益はほぼゼロ。純利益は薄く、閉鎖損失が出る年は赤字になる。
配当は今の半分に減らす。株主の取り分は、稼ぐ力ではなく、持っている資産の価値で測る局面に入る。
学生講師の確保が難しくなり、校舎の閉鎖が進む。残る校舎でも、生徒が減って家賃と人件費の比率が上がる。AI は補習だけでなく、集団授業の価格にも影響する。
純現金は今よりやせ、前受授業料の減少が資金繰りを重くする。
- 小中学部(小中学生の集団指導):数量 18,678(在籍生徒数(人。開示がなく売上から推定))× 価格 0.00(生徒 1 人あたり年間売上(億円、名目))→ 売上 75 億円・営業利益 8 億円。小中 生徒 0.66 倍・授業料 1.22 倍、利益率 10.5%
- 高校部(高校生の指導):数量 1,999(在籍生徒数(人。推定))× 価格 0.01(生徒 1 人あたり年間売上(億円、名目))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。高校 生徒 0.68 倍・授業料 1.22 倍、利益率 7%
- その他の教育事業(FC など):数量 0.8(事業規模(今を 1))× 価格 0.52(今の売上(億円、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。その他 事業規模 0.8 倍
倍率:純利益はほぼゼロで稼ぐ力は値が付かない。今の自己資本 48 億円に PBR 0.2 倍を掛け、売れる資産の税後を床とした。
確率:AI 学習が補習を置き換え、生徒数が 3 分の 1 減る。授業料も物価に追いつかない。やや悲観と悲観で 42% に置いた。
悲観 12% 生徒を失い、校舎を畳み続ける 利益 −4 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 143 円10 億円
構造的に負ける。AI の個別学習が受験の標準になり、集団塾の生徒数は半分になる。授業料は 1.10 倍にとどまる。
校舎を畳み続けても、閉鎖損失と固定費で赤字が続く。10 年の純損失は合計 13 億円ほど。自己資本は 33 億円まで減る。
配当は今の 3 割ほどに減る。株主の取り分は、校舎の土地・建物と現金の価値で測る。
その他の関係会社の意向や TOB の可能性はあるが、事業の価値を戻す材料にはならない。配当の維持は難しく、株主の取り分は資産の価値で決まる。
売上は 59 億円ほどまで縮み、家賃と本部費の負担が重くのしかかる。
- 小中学部(小中学生の集団指導):数量 14,150(在籍生徒数(人。開示がなく売上から推定))× 価格 0.00(生徒 1 人あたり年間売上(億円、名目))→ 売上 51 億円・営業利益 3 億円。小中 生徒 0.50 倍・授業料 1.10 倍、利益率 6%
- 高校部(高校生の指導):数量 1,470(在籍生徒数(人。推定))× 価格 0.00(生徒 1 人あたり年間売上(億円、名目))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。高校 生徒 0.50 倍・授業料 1.10 倍、利益率 3%
- その他の教育事業(FC など):数量 0.6(事業規模(今を 1))× 価格 0.47(今の売上(億円、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。その他 事業規模 0.6 倍
倍率:構造的に負けた姿。純損失で稼ぐ力に値が付かず、売れる資産が床になる。今の自己資本 48 億円に PBR 0.2 倍。
確率:構造的に負ける筋書き。生徒が半分になり、校舎を畳む費用が続く。AI の影響を数量・価格・確率に分けて入れたので 12% にとどめた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
小中学部(小中学生の集団指導)
静岡・愛知・北海道などの校舎で小中学生に授業を行う。売上の 87% を占める柱。
| 数量在籍生徒数(人。開示がなく売上から推定) | 価格生徒 1 人あたり年間売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 28,300 | 0.00 | 93 | 11 |
| 10 年後 中立 | 22,074 | 0.00 | 95 | 11 |
取り方:小中学部の売上 93.49 億円(有報)。生徒数は開示がなく、授業料と講習を合わせて年 33 万円ほどと推定し 2.8 万人と置いた(推定)。
高校部(高校生の指導)
大学受験向けの指導。小中学部の卒業生が中心。
| 数量在籍生徒数(人。推定) | 価格生徒 1 人あたり年間売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2,940 | 0.00 | 13 | 1 |
| 10 年後 中立 | 2,352 | 0.01 | 14 | 1 |
取り方:高校部の売上 13.22 億円(有報)。年 45 万円ほどと推定し 2,940 人と置いた(推定)。
その他の教育事業(FC など)
フランチャイズの加盟料・学童・模試などの小さな事業。
| 数量事業規模(今を 1) | 価格今の売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1.0 | 0.43 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 0.9 | 0.56 | 1 | 0 |
取り方:売上 0.43 億円(有報)。規模が小さく、今を 1 とする指数で置いた。
リスクと懸念
AI エージェントによる代替
生成 AI が解説と学習計画を安く出し、補習と個別の学習が置き換わる。人の時間で売る型で、数量と授業料の両方が押される。中立で生徒数が 2 割ほど減る置き方に、この影響を入れた。
少子化と地方の人口減
15 歳人口は 10 年で 1 割強減る。静岡・愛知・北海道など広く薄い校舎網で、1 校舎あたりの生徒が減り、家賃と人件費の比率が上がる。
学生講師の確保
会社自身が最大のリスクに挙げる。講師を集められない校舎は開けず、採用難は人件費の上昇として利益率を直接削る。
校舎の統廃合と減損
北海道・山梨・宮城の拠点校の移転で閉鎖損失の引当を計上した。校舎を畳むたびに損失が出て、前期の純利益を 0.4 億円まで落とした。固定資産 57 億円の減損の恐れもある。
固定の賃借料
校舎の多くは賃借で、家賃は生徒が減っても下がらない。売上の 1 割弱と推定し、悲観では固定費としてそのまま残る。新リース会計基準で見かけの負債が増える。
配当が利益を上回る
前期の配当は純利益の 1.5 倍。利益が戻らなければ、今の配当は維持が難しい。
今後の分かれ目
- 今期の営業利益が会社の見込み(5 億円)を超えたら
- 校舎の整理の効果が出ているとみて、楽観・やや楽観の確率を引き上げる。
- 前受授業料や生徒数が減り続けたら
- AI による置き換えが数量に出ているとみて、やや悲観・悲観を引き上げる。
- 3 年後の営業利益 8.4 億円の計画が見直されたら
- 校舎の整理の遅れとみて、中立の利益率を下げる。
- その他の関係会社の持株が動いたら
- TOB や統合があり得るが、価値の評価は変えず、確率だけ見直す。
- 学生講師の採用が計画どおり進まなければ
- 校舎の閉鎖が増え、損失と生徒数の減りが重なるとみる。
見ておくもの
- 期中平均の在籍生徒数
- 営業利益率(会社の目標 7%)
- 校舎の閉鎖損失の額
- 配当と純利益の関係
倍率と資本コストの決め方
倍率は式から置いた。ROE が資本コスト k 7.75% を下回る筋書きは、正当化 PER の上限が 1÷k = 12.1 倍。人の時間で売る事業で AI の置き換えを見るため g は名目 0% とし、中立は上限の 7.4 割の 9.0 倍にとどめた。今の株価・過去の倍率は使っていない。新リース会計基準の影響は、今と同じ形(家賃を営業費用に入れた形)にそろえて置いた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 10.5→12.9 倍・やや楽観 PER 10→12.9 倍・中立 PER 9→12.9 倍)。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。k = 基本 7.5% + quality 0.75% = 8.25%。個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表す。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.25% → 8.50%。