結論
キャリアデザインセンターは「type」「女の転職type」とITエンジニア派遣を柱とする人材サービス会社だ。バリュー投資の観点では、専門市場に根差した顧客接点と増配を評価しても、現在の時価総額に対してはやや割高と判断する。10年後の企業価値を左右するのは、求人需要が増えるかよりも、採用仲介やIT開発に人間の作業量がどこまで残るかである。
2025年9月期には186億円規模の売上と11億円の純利益を確保し、自己資本も厚い。しかし収益の約半分は人月で請求するIT派遣で、約2割は紹介成約に依存する。AIエージェントが応募の選別から開発・テストまで実務を引き受ければ、人手不足という追い風だけでは10年間の稼働人数を守れない。転職メディアの利用者基盤も本物の強みだが、検索流入や求人広告の値決め力を独占してはいない。
筆者が重視するのは、経営が不採算の新卒紹介から退く一方、増配を重ねていることだ。2026年9月期には普通配当と特別配当を合わせた株主還元を増やし、長期保有者への現金還元は下値を支える。とはいえ現預金の大半は有事の人件費に備える運転資金であり、帳簿上の純現金をすべて事業価値へ二重に足すことはできない。10年後の事業価値と累積還元を資本コストで現在価値へ戻すと、適正時価総額は約103億円であり、基準時価総額約139億円を約26%下回る。予測に大きな幅があるからこそ、安全域を厳しく見る必要がある。
バリュー投資の観点から
長く保有する株主が買うのは求人件数の景気循環ではなく、10年先にも使われる採用の仕組みである。同社の良さは、人材を探す企業と転職希望者の双方に繰り返し接点を持ち、媒体から紹介、派遣まで顧客との関係を広げられることだ。固定資産が少なく、これまでの自己資本利益率も高い。稼いだ利益を外形的な売上拡大だけに費やさず、増配と不採算事業の整理に向けている点は、資本配分の改善として買える。
しかし、堀が深いかと問われれば答えは慎重になる。「type」は使われている媒体だが、求人企業が他社へ移る際に規制上の大きな障壁はない。人材紹介の候補者探索も、派遣先での反復作業も、AIが処理できる範囲は広がる。人手不足が深くなっても、顧客が買うのは働いた時間ではなく、採用や開発の成果だ。人月と手数料で売上を測る現在の姿が10年後もそのまま続く保証はない。
オーナー利益には売上を維持する広告費、登録者の獲得費、エンジニアの採用教育費、システム更新費が欠かせない。設備投資が軽いというだけで純利益を全額自由な現金とみるべきではない。また年商の2割に相当する現預金は、不況時の社員への支払いを続けるためのものだ。価値は主として将来の稼ぐ力と実際の株主還元から生まれる。
現状の時価総額は、専門媒体と高いROEを褒めるだけなら魅力的に見える。それでも、安定して残る成約人数と派遣稼働人数を厳しく見れば、本質価値との間に十分な安全域はない。どの求人サービスが10年後の顧客接点を握るか確信できない以上、高い評価を先払いする理由は乏しい。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの入口は企業の採用予算だ。メディア情報事業は「type」「女の転職type」「Direct type」と転職フェアを運営し、企業から掲載料や採用サービスの利用料を受け取る。2025年9月期のメディア売上は約59億円で、受注件数は年間約9,400件だった。女性やITエンジニアに絞った会員と採用企業の接点が、総合求人媒体にはない商談の入口を作る。
人材紹介は採用が決まった場合に手数料を得る成功報酬型だ。一般領域で年間約2,000人の成約があり、管理職・高度専門職を扱うミドル領域は人数が少ない代わりに単価が高い。2026年の説明資料では、一般領域の採用基準が厳しくなる半面、ミドルの高単価成約が伸びている。新卒向けメディアは企業の合同説明会や個別イベントへの参加料が収益源で、労働集約的な紹介とは別の需要を取り込む。
最大の事業は「type IT派遣」である。有期雇用は四半期末に1,600人を超えるエンジニアを稼働させ、案件の継続と新規登録が売上を動かす。無期雇用は正社員のエンジニアを採用・育成して派遣するため、採用費が先行し、2025年9月期は赤字だった。2026年には稼働人数が増えたが、人数の増加がそのまま株主利益に結び付く構造ではない。
報告会計上は人材サービスの単一セグメントだが、投資価値を測るときには求人媒体、一般紹介、ミドル紹介、新卒メディア、新卒紹介、有期IT派遣、無期IT派遣の七つに分ける。2026年9月末の新卒紹介終了は決定済みなので、この事業の将来収入は見込まない。
優良さと弱いところ
強みは「type」ブランドの専門性と、同じ会員・求人企業に媒体、紹介、派遣を提案できることである。人材不足が深刻なエンジニアと、独自の働き方ニーズを持つ女性に営業資源を集中させてきた。2026年の会社資料では広告宣伝費を抑えながら会員登録や応募が増え、集客効率の改善も確認できる。高い顧客獲得費を払わなければ応募者が集まらない競合に対し、一定の差を作れる可能性はある。
ただし、これを長期の強い堀とは呼ばない。企業が求人媒体を複数使うのは容易で、掲載単価には同業の低価格販売が響く。採用支援の成功報酬も、候補者の希少性と企業の採用予算に左右される。年5%未満の解約率、法令上の切替障壁、顧客業務を支える独占的な記録の正本などの定量的な証拠は確認できず、AIに置換されない独自データ基盤と断定できない。
2025年9月期のROEは約24%で、借金をほぼ使わずに利益を上げる効率は高い。一方、2020年には営業赤字に転じ、2021年の純利益には本業の営業利益との乖離がある。過去の高ROEを10年先へ直線的に延ばすのは危険である。IT派遣の案件供給量が減ると売上は縮み、常用型の雇用や広告費、システム投資は短期には下げにくい。堀は限定的、財務と顧客の専門性は良好という二面を持つ会社だ。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
日本の人材サービスは人手不足が追い風でも、仲介料が守られるとは限らない。厚生労働省の2024年度集計では有料職業紹介の手数料収入は約9,835億円、常用就職は約89万件だった。同社の一般・ミドル紹介売上は約31億円で全国収入の約0.3%に相当する。パーソルキャリアやJAC Recruitment、リクルート系サービスに比べ規模は小さく、エンジニア・女性の専門市場で勝負する構図である。
派遣市場は2024年度の総売上が約9.9兆円に達し、同社のIT派遣売上の全国比は約0.09%だ。大手のパーソル、スタッフサービス、リクルートスタッフィングは営業網と登録者で優位に立つ。一方、同社は稼働率や案件との組合せの質で差別化している。全国市場の比率を、そのまま首都圏IT派遣でのシェアとは解釈しない。
求人情報提供サービス市場は2024年度に約6,661億円であり、同社の転職メディア売上は単純比較で1%弱にとどまる。Indeed、求人ボックス、マイナビ転職、doda、エン転職と競うため、利用者数だけで価格が上がる市場ではない。会員登録の伸びと2026年の受注件数減少が併存するのは、集客力と課金力が別物であることを示す。媒体別の厳密な市場シェアや各競合の同一定義でのシェアは開示が揃わず、数字を作らない。
10年ではAIエージェントが求職者の探索、面談調整、書類選別、単純なシステム開発、検証工程を代替し、採用会社が使う広告・紹介・派遣の単位数を押し下げるとみる。現場で責任を負う上級技術者や管理職の見極めは残るものの、成約や稼働の量は伸びにくい。物価が年3%上がっても、価格競争にさらされる媒体掲載料には全額転嫁できない。
資本政策と M&A
旧中期経営計画「Beyond200」は2026年9月期に売上高200億円、経常利益24億円、経常利益率12%、ROE15%以上を掲げた。広告宣伝95億円、システム25億円、人材45億円の5年間の投資計画も示した。売上の節目は現行計画に残るが、2026年7月時点の通期経常利益見通しは19億円であり、旧計画の利益目標には届かない見込みだ。2026年11月には新たな中計の公表を予定している。
旧計画の株主還元方針は配当性向30%程度だったが、現行の公表方針は普通配当の配当性向50%以上である。2026年9月期の配当予想総額は約8.5億円で、予想純利益に対する割合は約66%となる。2021年からの段階的な増配は株主にとって確かな実績だ。余剰現金の還元には前向きだが、会社は不況に備えて年商の20%相当の現預金を残す方針であり、現預金の大半は自由な買収資金ではない。
かつての派遣子会社の吸収合併は事業構成を変えたが、近年の成長は大型買収より自社の営業・人材採用・媒体投資が中心である。利益の出ない新卒紹介を2026年9月で終える判断は評価できる。創業経営者の保有比率は約24%で上位10株主合計も約42%にとどまり、支配だけを理由に現金を割り引かない。10月1日に指定された監理銘柄は10月16日に解除されたため、上場廃止を既定事実として評価しない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
「type」と「女の転職type」は全国の総合求人媒体に対して小さいが、IT技術者と女性転職者という輪郭のはっきりした市場で知名度を積み重ねてきた。媒体に登録した転職希望者を人材紹介へつなぎ、採用企業へ派遣人材も提案できる仕組みは、単独の求人広告業者には容易に複製できない。2026年には広告費を抑えながら会員登録と応募が増えており、媒体の顧客獲得費を下げる余地も確認できる。収益性の高いミドル紹介が伸びれば、一般紹介の成約件数が弱くても利益の質を改善できる。
IT派遣は自動化で需要が消えるだけではない。企業が複雑な既存システムをAI対応へ作り替えるとき、顧客の責任を負う人間のエンジニアや導入設計者はなお必要だ。単純工程が減っても、専門性の高い仕事に人材を配置できれば売上と利益を守れる。人材の長期雇用と教育投資が実を結べば無期派遣の赤字も消える。
経営は大型の買収で背伸びするより、既存顧客の深掘りと事業の取捨選択に向かっている。新卒紹介を終え、普通配当の方針を引き上げたことは、増分利益を株主に返す規律を表す。これは企業価値の上限を広げる派手な成長物語ではないが、十分な現金還元を受けながら専門ブランドが生き残る筋は現実的に存在する。
慎重な見方
2026年の受注データは、求人媒体の利用者数が増えても採用企業の契約件数が減りうると示している。広告を掲載すれば応募が集まる時代から、企業が採用成果を厳しく比較して課金する時代へ移りつつある。Indeedや求人ボックスのような横断サービスが検索の入口を握り、応募者の情報整理をAIが代替すれば、同社が単独で価格を引き上げる力は弱まる。ミドル紹介の好調も、高単価案件の少数成約が利益を支えている面が大きい。
最も大きい変化はIT派遣の工数が短くなることだ。AIによるコード生成、テスト、資料作成や運用自動化で同じ成果に必要な人数が減れば、エンジニア不足でも派遣会社への請求額は伸びない。正社員型派遣では稼働案件が減っても人件費が先に残り、利益率が急激に悪化する可能性がある。景気後退で求人数が細る時期にAI投資が進めば、媒体広告、紹介成約、派遣稼働の三つが同時に傷む。
さらに新卒紹介の終了は損失削減として適切でも、過去に投入した集客・教育費が高い将来収益を生むとは限らなかった証拠でもある。保有する現預金は従業員給与と未払費用を賄う性質が強く、事業の劣化に対する株主の全額回収保証ではない。上場維持基準への適合で短期の不透明感は薄れたが、資本の効率的な配分が10年続くかは、これからの実績で確かめるしかない。
どちらに重みを置いたか
専門ブランド、直販の顧客接点、増配の実績は長期株主にとって好材料である。一方、同社固有の2026年の受注減と新卒紹介撤退は、成功報酬・稼働人数という数量が弱くなれば高ROEも崩れることを示す。AI代替による人月数量の縮小はすでに中立の予測へ入れ、悲観確率では重ねて数えない。景気と値下げ競争の同時発生に備えて下側を38%とし、上側29%より重くした。結果、配当を含めても現在の評価には安全域が乏しく、やや割高と判断する。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/09 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 2,538 円134 億円(+ 還元の換算額還元の合計 1,071 円57 億円)。 今の値に割り戻すと 1,941 円103 億円、今との差 −24.6%、 期待の年率 +4.1%(資本コスト 7.8%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11% | 5,310 円281 億円 | 1,797 円95 億円 | +176.2% | +12.8% | 782 円41 億円 |
| やや楽観 | 18% | 4,199 円222 億円 | 1,542 円82 億円 | +123.1% | +10.0% | 1,033 円55 億円 |
| 中立 | 33% | 2,942 円156 億円 | 1,248 円66 億円 | +62.9% | +6.0% | 1,383 円73 億円 |
| やや悲観 | 24% | 666 円35 億円 | 634 円34 億円 | −49.5% | −8.4% | 312 円16 億円 |
| 悲観 | 14% | 482 円25 億円 | 227 円12 億円 | −72.5% | −13.7% | 99 円5 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,538 円134 億円 | 1,071 円57 億円 | +40.3% | +4.1% | 3,609 円191 億円 |
今の株価時価総額 2,573 円136 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 11% 専門人材の価値を守り、媒体と派遣が生き残る 利益 21 億円 · PER 13.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 5,310 円281 億円
ITエンジニアと女性採用に絞った「type」の認知が維持され、関西での営業拡大も実を結ぶ。求人企業は成果を厳しく求めるが、同社の媒体は応募の質と採用後の定着に強みを示し、契約件数を維持できる。2026年に始めた成果課金の工夫も採算を損なわず、広告・宣伝の効率化が固定費を下げる。ミドル紹介では高難度の採用に相談員が深く関わり、高い成約単価が保たれる。
派遣先での単純なコーディングはAIが担うようになる。それでも派遣人材は上流設計、セキュリティ、顧客との要件調整へ移り、全社の稼働人数を大きく失わずに済む。無期雇用の採用費は次第に回収され、固定費負担から安定的な利益の柱へ転じる。事業をAIエージェントそのものへ転換して売上が爆発的に伸びる想定ではなく、専門職の付加価値を守る筋である。
不採算だった新卒紹介は終了したままで、増配方針と自社株の整理が資本効率を保つ。人材事業者との小規模な協業はありうるが、割高な大型買収や増資に頼らず、蓄積した会員と顧客の接点から利益を増やす。
- 転職求人メディア・広告:数量 9,376(年間求人メディア受注件数(件))× 価格 0.01(受注1件あたり対応売上(億円・名目))→ 売上 77 億円・営業利益 11 億円。実質数量は2025年の1.00倍、名目単価1.31倍。
- 人材紹介・一般領域:数量 1,936(年間成約人数(人))× 価格 0.02(成約1人あたり手数料(億円・名目))→ 売上 35 億円・営業利益 6 億円。実質数量は2025年の0.97倍、名目単価1.34倍。
- 人材紹介・ミドル専門職:数量 153(年間成約人数(人))× 価格 0.04(成約1人あたり手数料(億円・名目))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。実質数量は2025年の1.00倍、名目単価1.34倍。
- 新卒向け就活イベント・メディア:数量 1,129(年間取引社数の四半期延べ合計(社))× 価格 0.01(取引社数の延べ1社あたり収入(億円・名目))→ 売上 11 億円・営業利益 3 億円。実質数量は2025年の1.10倍、名目単価1.30倍。
- 新卒紹介・終了事業:数量 0.0(年間内定承諾人数(人))× 価格 0.01(1人あたり成功手数料(億円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2026年9月末終了決定の新卒紹介は売上ゼロ。
- ITエンジニア派遣・有期雇用:数量 1,655(年間平均の四半期末稼働人数(人))× 価格 0.07(平均稼働1人あたり年間請求(億円・名目))→ 売上 110 億円・営業利益 8 億円。実質数量は2025年の1.00倍、名目単価1.34倍。
- ITエンジニア派遣・無期雇用:数量 63.0(年間平均の四半期末稼働人数(人))× 価格 0.09(平均稼働1人あたり年間請求(億円・名目))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。実質数量は2025年の1.00倍、名目単価1.34倍。
倍率:現在株価とは無関係に計算。k 7.75%、g_long 0.5%、堀弱い(超過ROE残存1/3)、余剰現金2億円を営業外で分離。余剰現金を外した事業ROE 17.4%、RONIC 11.0%より正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=13.164倍。上限そのものを採用し、PERを恣意的に割り引かない。
確率:専門領域のブランドが維持され、媒体の受注を守りながらIT人月の労働需要の数量を維持できる必要がある。AIエージェントを自社収益として新たに売る実績を確認できないため、強気でも人月数量は現状以下とし、実現確率を抑える。
やや楽観 18% 専門領域が底堅く、業務効率化が進む 利益 17 億円 · PER 13.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 4,199 円222 億円
媒体の受注件数は大きく伸びないが、企業の採用活動が専門特化型へ分散し、「女の転職type」とエンジニア向けサイトが一定の価格を維持する。一般紹介では企業が採用基準を厳しく保つため成約人数は減るものの、ミドル紹介の高単価案件が補う。新卒イベントは選考のオンライン化が進んでも、企業と学生が直接会う機会として残る。
IT派遣はAIエージェントによるコーディングとテストの時間短縮が顧客の発注量を減らす。会社は派遣先の案件構成を上位工程へ寄せ、採用人員も過度に増やさないことで利益率を守る。正社員型派遣への投資は黒字化するが、派遣人数が過去のように毎年増える前提は採らない。
採用広告、紹介、派遣の組合せによる営業効率は高まり、会社の現金還元方針も定着する。新規大型買収は見込まず、限られた増分利益を会員獲得と既存顧客の深耕へ使う。強みは続くが、業界の中心を支配するプラットフォームになるわけではない。
- 転職求人メディア・広告:数量 9,188(年間求人メディア受注件数(件))× 価格 0.01(受注1件あたり対応売上(億円・名目))→ 売上 71 億円・営業利益 10 億円。実質数量は2025年の0.98倍、名目単価1.23倍。
- 人材紹介・一般領域:数量 1,697(年間成約人数(人))× 価格 0.02(成約1人あたり手数料(億円・名目))→ 売上 30 億円・営業利益 4 億円。実質数量は2025年の0.85倍、名目単価1.30倍。
- 人材紹介・ミドル専門職:数量 135(年間成約人数(人))× 価格 0.04(成約1人あたり手数料(億円・名目))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。実質数量は2025年の0.88倍、名目単価1.30倍。
- 新卒向け就活イベント・メディア:数量 1,026(年間取引社数の四半期延べ合計(社))× 価格 0.01(取引社数の延べ1社あたり収入(億円・名目))→ 売上 10 億円・営業利益 3 億円。実質数量は2025年の1.00倍、名目単価1.28倍。
- 新卒紹介・終了事業:数量 0.0(年間内定承諾人数(人))× 価格 0.01(1人あたり成功手数料(億円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2026年9月末終了決定の新卒紹介は売上ゼロ。
- ITエンジニア派遣・有期雇用:数量 1,407(年間平均の四半期末稼働人数(人))× 価格 0.06(平均稼働1人あたり年間請求(億円・名目))→ 売上 90 億円・営業利益 6 億円。実質数量は2025年の0.85倍、名目単価1.30倍。
- ITエンジニア派遣・無期雇用:数量 55.0(年間平均の四半期末稼働人数(人))× 価格 0.09(平均稼働1人あたり年間請求(億円・名目))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。実質数量は2025年の0.87倍、名目単価1.30倍。
倍率:現在株価とは無関係に計算。k 7.75%、g_long 0.5%、堀弱い(超過ROE残存1/3)、余剰現金2億円を営業外で分離。余剰現金を外した事業ROE 15.1%、RONIC 10.2%より正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=13.117倍。上限そのものを採用し、PERを恣意的に割り引かない。
確率:女性・エンジニアの顧客資産とミドル紹介の最近の伸び、媒体広告費の効率化から可能性を残すが、2026年の一般紹介成約減と媒体値下げ競争から上位筋に過大な確率は与えない。
中立 33% 人月数量が減り、媒体のブランドで補う 利益 12 億円 · PER 13.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,942 円156 億円
国内のエンジニア不足は続くが、顧客企業はAIエージェントを業務へ組み込む。同じ開発成果を得るのに必要な外部技術者の時間が減り、IT派遣の有期・無期を合わせた稼働人数はゆっくり減少する。賃金上昇は請求価格にある程度転嫁できても、労働者の数の減少を埋めるまでには至らない。2026年に増えていた正社員型派遣は採用を絞り、赤字を解消する。
「type」と「女の転職type」の会員基盤は残る。だが検索エンジンやAIの推薦が転職活動の入口を変え、企業の広告予算は複数媒体と成果課金へ分散する。メディアは契約件数が少し減り、名目価格の伸びは物価に届かない。一般紹介の成約はAIの直接マッチングで減る一方、高度専門職は人が見極める必要があるためミドルの単価は比較的持ちこたえる。
2026年9月末で新卒紹介の売上はなくなり、就活イベントのみを残す。利益率は媒体の効率化と派遣の採用抑制で保たれるものの、高い成長率は失われる。配当による株主還元は継続し、事業の本質価値は10年間の成果に見合った水準へ落ち着く。
- 転職求人メディア・広告:数量 8,720(年間求人メディア受注件数(件))× 価格 0.01(受注1件あたり対応売上(億円・名目))→ 売上 64 億円・営業利益 8 億円。実質数量は2025年の0.93倍、名目単価1.17倍。
- 人材紹介・一般領域:数量 1,397(年間成約人数(人))× 価格 0.02(成約1人あたり手数料(億円・名目))→ 売上 24 億円・営業利益 2 億円。実質数量は2025年の0.70倍、名目単価1.25倍。
- 人材紹介・ミドル専門職:数量 115(年間成約人数(人))× 価格 0.03(成約1人あたり手数料(億円・名目))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。実質数量は2025年の0.75倍、名目単価1.29倍。
- 新卒向け就活イベント・メディア:数量 975(年間取引社数の四半期延べ合計(社))× 価格 0.01(取引社数の延べ1社あたり収入(億円・名目))→ 売上 9 億円・営業利益 3 億円。実質数量は2025年の0.95倍、名目単価1.25倍。
- 新卒紹介・終了事業:数量 0.0(年間内定承諾人数(人))× 価格 0.01(1人あたり成功手数料(億円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2026年9月末終了決定の新卒紹介は売上ゼロ。
- ITエンジニア派遣・有期雇用:数量 1,208(年間平均の四半期末稼働人数(人))× 価格 0.06(平均稼働1人あたり年間請求(億円・名目))→ 売上 76 億円・営業利益 4 億円。実質数量は2025年の0.73倍、名目単価1.28倍。
- ITエンジニア派遣・無期雇用:数量 46.0(年間平均の四半期末稼働人数(人))× 価格 0.09(平均稼働1人あたり年間請求(億円・名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。実質数量は2025年の0.73倍、名目単価1.28倍。
倍率:現在株価とは無関係に計算。k 7.75%、g_long 0.5%、堀弱い(超過ROE残存1/3)、余剰現金2億円を営業外で分離。余剰現金を外した事業ROE 12.0%、RONIC 9.2%より正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=13.042倍。上限そのものを採用し、PERを恣意的に割り引かない。
確率:2026年3Qにはメディア契約数と一般紹介の成約が下押しされる一方、派遣稼働は増加。AIエージェント代替を各事業の10年の実質数量・単価へ既に反映した中心であり、悲観確率に同じ縮小を重ねない。
やや悲観 24% 求人広告の競争激化と派遣工数の減少 利益 3 億円 · PER 11.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 666 円35 億円
求人広告の安売りが常態化し、会員数の伸びが広告収入に結び付かなくなる。Indeedや求人ボックスへの採用予算の流出に加え、AIエージェントが応募者の検索や面談準備を支援するため、採用企業は有料媒体と紹介会社を併用する必要性を減らす。一般紹介は成約数が落ち、ミドルの高単価案件も競争が厳しくなる。新卒イベントの開催回数と参加企業数も減少する。
IT派遣はAIの活用で人月発注が縮小し、稼働人数が減る。請求価格を賃金上昇ほど転嫁できず、営業利益率は低い。正社員型派遣の固定給与が利益を圧迫し、採用縮小に伴う費用が残る。労働者不足という社会の問題が、そのまま外部エンジニアの工数需要にはならない。
経営は追加の広告費削減と人員配置の再編で損益分岐点を下げるが、かつての高収益体質を取り戻せない。大型M&Aで数字を買い足すことはせず、利益に合わせて配当と自社株買いを縮小する。資産は残っても株主に配れる利益は小さくなる。
- 転職求人メディア・広告:数量 6,844(年間求人メディア受注件数(件))× 価格 0.01(受注1件あたり対応売上(億円・名目))→ 売上 47 億円・営業利益 3 億円。実質数量は2025年の0.73倍、名目単価1.10倍。
- 人材紹介・一般領域:数量 1,098(年間成約人数(人))× 価格 0.02(成約1人あたり手数料(億円・名目))→ 売上 17 億円・営業利益 1 億円。実質数量は2025年の0.55倍、名目単価1.13倍。
- 人材紹介・ミドル専門職:数量 84.0(年間成約人数(人))× 価格 0.03(成約1人あたり手数料(億円・名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。実質数量は2025年の0.55倍、名目単価1.17倍。
- 新卒向け就活イベント・メディア:数量 739(年間取引社数の四半期延べ合計(社))× 価格 0.01(取引社数の延べ1社あたり収入(億円・名目))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。実質数量は2025年の0.72倍、名目単価1.14倍。
- 新卒紹介・終了事業:数量 0.0(年間内定承諾人数(人))× 価格 0.01(1人あたり成功手数料(億円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2026年9月末終了決定の新卒紹介は売上ゼロ。
- ITエンジニア派遣・有期雇用:数量 960(年間平均の四半期末稼働人数(人))× 価格 0.06(平均稼働1人あたり年間請求(億円・名目))→ 売上 56 億円・営業利益 1 億円。実質数量は2025年の0.58倍、名目単価1.18倍。
- ITエンジニア派遣・無期雇用:数量 35.0(年間平均の四半期末稼働人数(人))× 価格 0.08(平均稼働1人あたり年間請求(億円・名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。実質数量は2025年の0.56倍、名目単価1.18倍。
倍率:長期ROEが約4%でk 7.75%を下回るため、利益を増殖させず、稼ぐ力の上限1/k=12.90倍以下のPER11倍とする。事業縮小時の余剰現金は運転資金へ使い、追加評価ゼロ。純利益3.2億円×11倍=35.2億円は売却可能資産の税後約20億円より大きい。
確率:2026年の新卒紹介撤退、求人メディアの低価格競争、一般紹介の成約減という会社固有の弱さが同時にある。下に寄せる理由:人月数量の縮小に景気後退や広告市場の直接競争が重なると収益が急減するため。
悲観 14% 仲介機能が構造的に失われる 利益 −2 億円 · PBR 0.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 482 円25 億円
AIエージェントが求人探索、一次選別、面接調整を企業内で処理し、外部紹介会社に高い成功報酬を払う案件が急減する。媒体の会員登録数も応募の質を保証できず、掲載単価は競争的になる。typeの専門ブランドは残っても、採用企業が代替サービスへ移る際の障壁が小さいため、稼ぎの土台を守り切れない。
同時にソフトウエア開発の大半の反復作業が自動化され、IT派遣の稼働規模は以前の半分に近づく。請求価格が多少上がっても人数減を補えず、無期雇用の固定給与と業務縮小のコストで赤字に転じる。新卒紹介はすでに終了しているため、そこからの再成長を計上しない。媒体や人材DBのシステムに投じた資本も回収できず、約11億円のソフトウエア等を減損・整理する可能性を織り込む。
経営は不採算部門を閉じ、配当を段階的に縮小する。株式市場でのMBOや他社への売却は可能性として残るが、確定したTOBはなく救済額を予断しない。かつての高いROEは失われ、投資価値の中心は残存現金と回収可能な債権になる。
前半には既存の紹介・派遣顧客からまだ黒字が生まれるが、2030年代に案件が急速に細って赤字に転じる。累積利益の一部は配当され、帳簿資本が残っても専用システムや雇用維持費の換金性は低い。
- 転職求人メディア・広告:数量 5,626(年間求人メディア受注件数(件))× 価格 0.01(受注1件あたり対応売上(億円・名目))→ 売上 39 億円・営業利益 −1 億円。実質数量は2025年の0.60倍、名目単価1.10倍。
- 人材紹介・一般領域:数量 898(年間成約人数(人))× 価格 0.01(成約1人あたり手数料(億円・名目))→ 売上 13 億円・営業利益 −1 億円。実質数量は2025年の0.45倍、名目単価1.04倍。
- 人材紹介・ミドル専門職:数量 69.0(年間成約人数(人))× 価格 0.03(成約1人あたり手数料(億円・名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。実質数量は2025年の0.45倍、名目単価1.08倍。
- 新卒向け就活イベント・メディア:数量 564(年間取引社数の四半期延べ合計(社))× 価格 0.01(取引社数の延べ1社あたり収入(億円・名目))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。実質数量は2025年の0.55倍、名目単価1.08倍。
- 新卒紹介・終了事業:数量 0.0(年間内定承諾人数(人))× 価格 0.01(1人あたり成功手数料(億円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2026年9月末終了決定の新卒紹介は売上ゼロ。
- ITエンジニア派遣・有期雇用:数量 745(年間平均の四半期末稼働人数(人))× 価格 0.06(平均稼働1人あたり年間請求(億円・名目))→ 売上 41 億円・営業利益 −1 億円。実質数量は2025年の0.45倍、名目単価1.12倍。
- ITエンジニア派遣・無期雇用:数量 25.0(年間平均の四半期末稼働人数(人))× 価格 0.07(平均稼働1人あたり年間請求(億円・名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。実質数量は2025年の0.40倍、名目単価1.10倍。
倍率:最終純利益が赤字でPERが意味を持たない。今の自己資本46.3億円に0.55倍を掛けた25.47億円を終価とする。2036年の自己資本71.7億円へ同じPBRを掛けていない。減損11億円を含む悲観ケースで、回収可能な税後資産20億円を下回らない床を採用。過去の市場PBRは使わない。
確率:リーマン危機とコロナ期に同社は営業赤字を経験した。下に寄せる理由:紹介・媒体・派遣が同じ企業採用予算に連動するため同時悪化しうるうえ、正社員型派遣の固定費が残る。AI減少を確率で重ねない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
転職求人メディア・広告
type・女の転職type・Direct typeの自社媒体と転職フェア。企業が掲載・採用支援の利用料を払う。
| 数量年間求人メディア受注件数(件) | 価格受注1件あたり対応売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 9,376 | 0.01 | 59 | 7 |
| 10 年後 中立 | 8,720 | 0.01 | 64 | 8 |
取り方:2025/09の四半期開示で受注件数2,357+2,334+2,316+2,369=9,376件。メディア売上59.08億円は2026/07/31説明資料20頁の2025/09各四半期売上合計。売上を契約件数で割った0.00630億円は掲載契約・イベント等を含む推定実現単価で、個別広告商品の定価ではない。国内求人情報提供市場6,661億円(全国求人情報協会2024年度)に対する概算比率約0.9%。2026年3Q受注件数は前年同期比減、安売り競争が継続。自社媒体なのでAI型は媒体の利用者を堀とする広告枠販売、10年後の来訪減と実質単価競争を反映。
人材紹介・一般領域
type転職エージェントのIT技術者・営業・女性向けの成功報酬型紹介。
| 数量年間成約人数(人) | 価格成約1人あたり手数料(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 1,996 | 0.01 | 27 | 3 |
| 10 年後 中立 | 1,397 | 0.02 | 24 | 2 |
取り方:2025/09の成約524+558+498+416=1,996人(2026/07/31説明資料14頁)。2025/09四半期紹介売上7.01+5.97+8.13+6.10=27.21億円から単価約136万円。厚労省2024年度有料職業紹介の就職88.9万件、手数料9,835億円に対し成約数約0.22%・売上約0.28%の粗い全国比較であり、職種と年度は一致しない。AIエージェントの直接探索・面談事務代替により中立の成約数量は0.70倍、価格は1.25倍で物価を下回る。
人材紹介・ミドル専門職
管理職・高度専門職向けの高単価成功報酬紹介。
| 数量年間成約人数(人) | 価格成約1人あたり手数料(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 153 | 0.03 | 4 | 1 |
| 10 年後 中立 | 115 | 0.03 | 4 | 1 |
取り方:2025/09は成約37+29+47+40=153人(同説明資料15頁)。四半期紹介売上0.72+0.89+1.17+1.37=4.15億円、1件約271万円。全国の紹介市場9,835億円に対し売上比約0.04%。高度人材の人間の見極めは残るが、職務経歴書選別・探索・面談調整はAIエージェントが代替するため人月型を準用し、中立件数は0.75倍、単価は1.29倍。
新卒向け就活イベント・メディア
type就活の対面・オンライン採用イベント、学生集客と企業参加料。
| 数量年間取引社数の四半期延べ合計(社) | 価格取引社数の延べ1社あたり収入(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 1,026 | 0.01 | 8 | 3 |
| 10 年後 中立 | 975 | 0.01 | 9 | 3 |
取り方:2025/09の四半期受注社数224+277+242+283=1,026社(同説明資料16頁)。売上2.25+1.74+2.54+1.32=7.85億円なので、1社の四半期延べ契約当たり約76万円。複数回出展企業が重複するので固有企業数ではない。求人情報提供市場6,661億円に対する0.12%は異なる形式の市場を一部含むため参考に過ぎず、新卒イベント単独の全国市場シェアは公表比較資料が不足。面談の場は物理的だが事前選別をAI化する数量圧力を織り込む。
新卒紹介・終了事業
新卒向け人材紹介。2026年5月に2026年9月末で終了すると公表済み。
| 数量年間内定承諾人数(人) | 価格1人あたり成功手数料(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 349 | 0.01 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 0.01 | 0 | 0 |
取り方:2025/09の内定承諾55+104+112+78=349人(同説明資料17頁)。同年度売上0.38+0.72+0.66+0.22=1.98億円、1人約57万円。2026年5月19日付で事業終了決定。2036/09の全筋書きで取扱数量と売上はゼロとし、存続するふりをしない。
ITエンジニア派遣・有期雇用
type IT派遣。派遣元に所属するエンジニアの顧客企業への提供で稼働期間に応じて請求。
| 数量年間平均の四半期末稼働人数(人) | 価格平均稼働1人あたり年間請求(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 1,655 | 0.05 | 82 | 4 |
| 10 年後 中立 | 1,208 | 0.06 | 76 | 4 |
取り方:2025/09の四半期末稼働人数1,600+1,661+1,670+1,689を4で割って約1,655人(同説明資料18頁)。派遣売上20.08+19.33+21.23+21.15=81.79億円で1人年間約494万円。全国派遣市場は厚労省2024年度約9兆9,005億円(日本人材派遣協会掲載)で当社有期派遣の比率約0.083%、IT特化市場のシェアではない。AIエージェントがコーディング・テスト・運用の工数を代替する人月型。中立の人数0.73倍・単価1.28倍は2025年からの名目変化。
ITエンジニア派遣・無期雇用
正社員型エンジニアを直接雇用して顧客へ派遣する育成投資型。
| 数量年間平均の四半期末稼働人数(人) | 価格平均稼働1人あたり年間請求(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 63.0 | 0.07 | 4 | −2 |
| 10 年後 中立 | 46.0 | 0.09 | 4 | 0 |
取り方:2025/09の無期派遣四半期末稼働41+49+71+91=252人、平均63人(同説明資料19頁)。売上0.67+0.86+1.22+1.51=4.26億円で年間平均1人約676万円。ただし採用増による期中稼働の変化が単価を歪める。2026/09第3四半期137人まで増えた一方、先行採用費により2025/09は赤字。人月型のAI代替を中立人数0.73倍、請求単価1.28倍に反映。
リスクと懸念
AIエージェント代替による人月・仲介の縮小
IT派遣の開発・テスト・運用、紹介の求人探索・書類評価・面談手配が自動化されれば、従来と同じ成果に必要な人月と仲介件数が減る。2025年9月期の売上の6割超を占める派遣・紹介に直撃する。中立の数量に有期派遣0.73倍、一般紹介0.70倍を反映しており、同じ理由を資本コストの寿命や確率で再び引いていない。
求人媒体の値下げと集客経路の変化
Indeed・求人ボックス・マイナビ転職などと広告掲載料を争う。会社自身も2026年3Qに低価格販売が続き、受注件数が減少したと説明した。検索結果をAIが要約・推薦すると自社サイトへの直接訪問が減り、登録者数が増えても採用企業からの受注につながらない場合がある。
企業の採用停止と売上の同時下落
媒体広告、人材紹介、IT派遣はいずれも採用・IT投資予算から支払われる。2009~2010年と2020年には営業赤字を経験しており、一般的な不況で複数事業が同時に傷む。固定の給与、広告費、無期雇用の採用・教育費が残れば、売上の減少より利益の減少が急になる。
無期雇用派遣の先行採用費と固定給与
無期雇用のIT派遣は稼働が増えるまで採用費と給与が先行する。2026年に稼働人数は伸びているが黒字化は未達である。AIによる案件期間短縮が先行すれば採用した人材の待機期間が増え、通常の有期雇用派遣より固定費負担が重くなる。
現預金と清算価値の取り違え
2025年の純現金は約38億円と厚いが、会社の旧中計は年商の20%相当を有事の給与支払いのため残す方針である。2025年の売上なら必要現金は約37億円になる。未払費用や契約負債も存在するため、純現金の全額を自由な株主資産と解釈したり、業績価値に重ねて加えたりできない。
事業終了・計画未達と経営の投資規律
旧中計は2026年に経常利益24億円を目標としたが、2026年7月時点の会社予想は19億円である。新卒紹介の終了も当初の育成計画と異なる結果となった。11月公表予定の次期中計で再投資額、目標利益率、配当方針が変われば、10年の資本配分と稼ぐ力の見積もりを点検し直す必要がある。
今後の分かれ目
- 次期中計で人月依存を減らす成功報酬・成果連動契約の売上比率と受注実績が金額付きで確認できたら
- AI代替の数量減を一部緩め、紹介・派遣の中立収益を見直す。単なるAI導入の説明だけでは強気の数量を増やさない。
- typeと女の転職typeの受注件数が数期連続で減る一方、応募者登録だけが増え続けたら
- 媒体ネットワークの値決め力が弱まったとみなし、メディアの単価と利益率を下方修正してやや悲観の見通しを強める。
- 一般紹介の成約人数が減ってもミドル領域の成約単価と経常利益が複数年増え続けたら
- 人が見極める高度専門領域の残存価値を高め、ミドル紹介の数量・価格だけを上方修正する。全紹介事業を同一視して楽観視しない。
- IT派遣の平均稼働人数が減り始め、無期雇用の稼働率が下がったら
- 人月数量減少と固定人件費の増加が同時に起こるため、やや悲観以下の利益率を重視する。値上げが人員減を補うか別途検証する。
- 2026年11月の新中計で普通配当50%以上に加え、数値付きの自社株買い・資本効率目標が確約されたら
- 現金が株主へ戻る可能性を再検証する。配当性向だけで成長率を上げず、利益の使い道と累積還元額を見直す。
- 上場維持基準への適合が再び崩れ、監理銘柄指定や上場廃止・TOBの正式発表があったら
- 通常の独立継続10年モデルを停止し、確定した再編条件と少数株主の受取額で再評価する。2026年10月16日の指定解除を忘れて既定の上場廃止としない。
見ておくもの
- 四半期のメディア受注件数と受注高、受注1件当たり収入の変化
- 一般紹介・ミドル紹介の成約件数と成約単価および相談員1人の生産性
- 有期・無期IT派遣の四半期末稼働人数、稼働率、案件終了率と請求単価
- 新卒紹介事業終了後の費用削減額と新卒イベントの受注社数
- 普通配当の配当性向50%以上の履行と純現金の変化
- 2026年11月公表予定の次期中期経営計画の利益・還元の数値
- 業界の有料職業紹介手数料と派遣事業売上、求人情報提供市場の推移
- AIエージェントによる開発・採用実務の代替率と成果報酬型契約の実売上
倍率と資本コストの決め方
事業ごとに2025年の実数(掲載受注9,376件、紹介成約1,996人、IT派遣の平均稼働1,655人など)と実現単価を求め、各筋書きの2036年数量と名目価格から売上を算出した。AIエージェント代替の人月型は中立数量0.70~0.75倍、単価は物価1.34倍以下とした。事業別経常利益を営業利益近似とし調整を加え、税後利益を見積もった。倍率はg_long0.5%、k7.75%、弱い堀の残存割合1/3によるRONICから導出し、現時点の市場PER・PBRや同業の売買倍率を根拠にしていない。悲観は現時点の自己資本と税後換金資産で床を確認した。2028年9月期からの新リース基準でBS表示は変わるが、営業利益は賃料を費用処理する従来の形式に揃えている。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3.0%+株式リスクプレミアム4.5%の基本7.5%に質の調整+0.25%を足す。