結論
GameWithは、国内最大級のゲーム攻略サイトを起点に、広告、eスポーツ、ゲーマー向け光回線、NFTゲーム関連事業を展開する会社である。筆者の結論は「割高」だ。2026年5月期に黒字転換したものの、2027年5月期第1四半期には再び赤字となった。10年先に残る利益と、株主へ実際に戻る現金を慎重に考えると、現在の時価総額には十分な安全域がない。
最大の強みは、月間約3.5億PVを集める攻略メディアとゲーム会社との取引関係である。しかし、攻略情報を探してサイトを訪れるという行動自体が、生成AIやAIエージェントによって変わる。ゲームを実際にプレイして得る一次情報には価値が残っても、検索結果からサイトへ流入するPVと広告収入が同じように残るとは限らない。
成長の候補はeスポーツと光回線だ。DetonatioN FocusMeには知名度があり、GameWith光の累計契約数も約6,900回線まで伸びた。ただし、前者は大会賞金や大型スポンサー契約による損益の振れが大きく、後者は通信会社との競争と仕入れ料金に左右される。どちらも、今のところ長期にわたる高い資本収益率を証明した事業ではない。
2026年5月期末には約23.2億円の純現金があり、財務面の余裕は大きい。一方、2026年8月末の現預金は約20.35億円へ減少した。創業以来の無配当と新規事業への投資を考えると、帳簿上の現金すべてを少数株主が自由に引き出せるわけではない。10年後の中立では営業利益約2.52億円、時価総額約28億円を見込むが、そこへ至る時間と不確実性を割り引いた本質価値は現在の約28億円を下回る。強い上振れ余地は認めつつ、長く保有するには利益の再現性と資本配分の改善が必要だ。
バリュー投資の観点から
長く保有する株主にとって、GameWithは財務が良いことと、事業が優良であることを分けて考える必要がある会社だ。手元に現金が多く、負債も少ないという事実は、景気後退や広告不況を生き残る力になる。しかし、現金を使って取得したeスポーツチームや新規事業が、元の現金以上の価値を持つかどうかは別の問いである。
攻略メディアのブランドと読者基盤には価値がある。記事制作の経験、ゲーム会社との関係、検索結果で長年築いてきた地位は簡単には作れない。ただし、その価値の一部は検索エンジンが利用者をサイトへ送り続けることに依存している。AIが直接攻略手順を示す世界では、利用者に選ばれ続けても広告表示回数が減るかもしれない。堀は存在するが、その外側から新しい技術に侵食される性質を持つ。
さらに、株主が受け取れる利益は会計上の純利益だけで決まらない。ゲームの移り変わりに合わせたライターの採用と育成、新たなタイトルへの対応、eスポーツ選手への投資、回線契約獲得費用などが継続的に必要になる。純利益が改善しても、それを次の成長投資へすべて使えば、少数株主の現金収入にはつながらない。
最も評価を左右するのは資本配分だ。利益を生みにくい分野への追加投資を抑え、既存メディアの収益を守り、余った現金を株主に返せるなら企業価値は上がる。一方、売上高70億円という規模目標を追うために利益率の低い事業へ投資を続ければ、会社は大きくなっても一株当たりの価値は増えない。筆者はこの会社を、現金の多い成長株としてではなく、再投資の成否を厳しく監視すべき事業再構築の途中にある会社として見る。
何で稼ぐ会社か
収益の中心はゲーム攻略情報メディア「GameWith」である。実際にゲームをプレイするライターが攻略記事を作り、利用者の閲覧に伴うネットワーク広告収入を得る。同時にゲーム会社から有料攻略サイトの制作、タイアップ記事、販促企画などを受託する。2026年5月期のメディア売上高は23.13億円、セグメント営業利益は6.23億円で、全社利益を支えている。
メディア広告の数量はPV、単価はPV当たり広告収入である。会社開示の月間平均約3.5億PVから年間約42億PVとなる。年間の媒体広告収入と受託収入の厳密な内訳は確認できないため、2027年5月期第1四半期の収益構成を参考に、2026年5月期の広告枠収入を約10.08億円、受託・ソリューションを約13.05億円に分けた。前者は約0.24円/PV、後者は年間約120件の案件換算で約1,090万円/件という推定であり、開示された実契約数ではない。
eスポーツ・エンタメ事業では、子会社DetonatioNがプロチーム「DetonatioN FocusMe」を運営する。スポンサー、タイアップ、イベント、リーグからの支援、大会賞金、ファン向け商品などから収入を得る。2026年5月期は売上高11.62億円、営業損失0.16億円だった。大会での好成績による大型賞金が増収を支えており、翌年も同じ収益が続くとは考えない。
ISP事業は高速・低遅延を訴求する「GameWith光」である。アルテリア・ネットワークスとの提携を利用して回線サービスを提供し、月額料金を得る。2026年5月期は売上高4.31億円、営業損失0.12億円、累計契約数約6,900回線だった。単純換算では1回線当たり年間約6.25万円の売上となるが、累計契約数と年間平均稼働回線数は同一ではないため、単価は概算である。
その他には、Kyuzanが手掛けるNFTゲーム「EGGRYPTO」のプロモーションなどの受託と関連開発がある。2026年5月期の売上高は1.41億円、営業損失は0.97億円で、現時点では利益の柱とはいえない。全社共通費も約3.95億円かかるため、メディア単独で利益を稼いでも連結営業利益は約1.02億円にとどまる。この本社費の重さが企業価値を考えるうえで欠かせない。
優良さと弱いところ
GameWithには一定のブランドと集客規模がある。長年の攻略記事、タイトルごとの運営経験、ゲーム会社との取引関係は、新規参入企業が短期間で再現しにくい。2024年12月には公式攻略サイト制作の累計受注実績が200件を超え、会社資料では累計取引社数500社以上を掲げている。ゲームを実際にプレイすることで得る一次情報も、単純な文章生成とは異なる価値を持つ。
ただし、それは顧客が他社へ移れないほど強い堀ではない。利用者はGame8、アルテマ、AppMedia、動画、SNS、AIによる回答を併用できる。広告枠の単価は広告主の需要と広告配信市場に大きく左右され、会社が自由に価格を決めることは難しい。2026年5月期には広告枠最適化による単価改善があったが、2027年5月期第1四半期には再び単価が下がった。これは恒久的な値上げ力の証明ではない。
資本効率の悪化はさらに重要だ。2018年5月期の営業利益率は40%を超えていたが、2026年5月期には2.5%まで低下した。以前は軽い資産で高収益を生む媒体企業だったものが、eスポーツやNFT、回線などへの投資を通じて収益構造を変えてきた。投資先の成長は見えるものの、その資本から得られる連結の追加利益はまだ小さい。
財務は強みである。純有利子負債はマイナス23.2億円、自己資本比率は76%であり、有利子負債の借り換えに追われる状態ではない。しかし現金を持つことと、現金を高い利回りで再投資できることは別問題だ。DetonatioNの買収後も同事業の安定黒字化には至っておらず、NFT関連の投資回収も未完成である。堀の広さは普通以下、財務の防御力は高いという、評価の分かれる会社である。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
ゲーム攻略メディアは、ゲーム市場の規模とインターネット広告市場の双方に依存する。2024年の国内ゲーム市場は約2.59兆円、2025年の国内インターネット広告費は約4.05兆円だった。しかし、そのすべてが攻略サイトの収入になるわけではない。広告全体が伸びても、検索エンジンやAIによる回答画面へ利用者の接点が移れば、攻略サイトに残る広告予算は縮小する。
国内の競合にはGunosyグループのGame8、アルテマ、AppMediaがある。各社が公表する月間PVの目安は、Game8が約5億、GameWithが約3.5億、アルテマが最大約1.5億、AppMediaが約1.5億である。単純合計ではGameWithは約30%を占めるが、測定時期や最大値と平均値が異なり、市場全体を網羅していない。これは主要4媒体の比較用の参考比率であり、正式な市場シェアではない。2036年の中立では、AIによる流入減少と競合の強化でこの相対的な位置もやや低下すると見る。
eスポーツ市場には実際の成長がある。日本eスポーツ協会によれば、2024年の国内市場規模は約161億円で、2026年には200億円超が見込まれる。スポンサーとイベント運営が大きな収益源であり、DetonatioN FocusMeはCrazy Raccoon、ZETA DIVISION、REJECTなどと企業予算やファンの時間を争う。GameWithの同事業売上高を国内市場規模と単純比較すれば7%程度になるが、海外大会賞金など集計範囲が異なるため実際のシェアを表すものではない。
光回線は成熟市場だ。MM総研によれば2026年3月末の国内FTTH契約は4,168万回線である。GameWith光の累計約6,900回線は市場全体の約0.017%にすぎない。NTT系、KDDI系、ソフトバンク系、NUROなどの大手が強く、回線品質によるニッチ需要はあっても、価格を支配する力はない。一方、小さなシェアから特定のゲーマー層を開拓する余地はある。
NFTゲーム市場については、会社の受託収入と直接比較できる信頼性の高い市場規模・シェアを確認できない。既存ゲーム市場の大きさをそのまま獲得可能市場とは扱わない。10年間の主な変化は、AIによる攻略情報の提供経路の変化、広告制作業務の自動化、eスポーツのスポンサー市場拡大、光回線の成熟化である。これらの影響は各事業で異なり、全社に一律の成長率を適用するべきではない。
資本政策と M&A
経営は、攻略メディアで稼いだ資金を周辺分野へ投じてきた。2019年にはアットウィキ事業を取得し、2021年にはDetonatioNを子会社化した。2022年にはアルテリア・ネットワークスとの回線関連の合弁事業を開始し、デジタルハーツホールディングスとも資本業務提携した。これらはゲーム利用者との接点を増やす戦略として一貫性があるが、連結利益とROEの持続的な改善という成果はまだ十分ではない。
2025年に示した5か年の中期経営計画は、2029年5月期の売上高70億円を目標とする。2026年5月期実績は40.47億円まで伸びたが、2027年5月期は業績予想を非開示としている。中期計画には売上高の数値目標がある一方、営業利益、ROE、配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額について確認できる定量的な約束はない。
創業以来、継続的な配当の実績はなく、2027年5月期も無配予想である。2024年には限定的な記念優待があったが、恒常的な優待制度は確認できない。過去5年の流通株数には小幅な減少が見られるものの、積極的な株主還元企業とは評価しにくい。中立で見込む将来の還元も、新規投資が落ち着いた後の限定的な自己株買いという仮定であり、会社の約束ではない。
創業者が約31%、アルテリア・ネットワークスが約21%を保有する。上位10株主の保有比率は約69%に達するが、各株主が共同で支配しているとまではいえない。アルテリアによる完全子会社化などは将来の選択肢にすぎず、2026年10月24日までに公表されたTOBや上場廃止予定は確認していない。継続企業の前提に関する注記も直近の四半期短信では該当事項なしである。買収プレミアムは本質価値に織り込まない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
GameWithの価値を支えるのは、月間3.5億PVを集めるメディアとゲーム会社との接点である。生成AIが普及しても、アップデート直後の攻略情報、実際のプレイ経験、検証データには独自の価値が残る。公式攻略サイトの制作実績が200件を超えたことも、ゲーム会社との関係が単純な広告枠の販売にとどまらない証拠だ。AIを制作の効率化に使いながら、一次情報の質と提供速度を高められる余地がある。
eスポーツではDetonatioN FocusMeの競技実績と知名度が強みになる。スポンサー市場がゲーム会社以外にも広がれば、大会賞金への依存を減らせる。GameWith光も市場全体では小規模だが、ゲーム利用者という明確な顧客層を持ち、低遅延と安定した通信品質を訴求できる。既存メディアとeスポーツを利用した顧客獲得で、通信会社と同じ広告費をかけずに契約を増やせる可能性がある。
純現金約23億円に対して現在の時価総額は約28億円であり、市場が既存事業と新規事業につけている追加価値は大きくない。メディアが一定の利益率を維持し、eスポーツとISPが黒字化し、赤字のNFT関連事業を整理できれば、連結の稼ぐ力は現在より大きくなる。中期計画の売上高70億円を収益性を伴って実現できれば、余剰資金の還元も可能になる。現金が投資の失敗を吸収する間に、複数の新しい利益源を育てる余地はまだ残されている。
慎重な見方
現在の会社は、かつての高収益な攻略サイト運営会社とは異なる。2018年5月期に40%を超えていた営業利益率は、2026年5月期に2.5%まで低下した。メディアの利益で新規事業の赤字と本社費を賄う構造が続き、2027年5月期第1四半期には全社で赤字に転落した。売上高が増えても純利益やROEが改善しないのであれば、規模を大きくすること自体には価値がない。
AIエージェント代替は、この会社の中心的な収益源を直撃する。利用者はゲーム攻略の答えをAIから直接得られるようになり、検索サイトを経由する必要が薄れる。ゲーム会社も紹介記事や攻略サイト制作、広告運用を自動化できる。これは単なる広告不況ではなく、媒体が集客し、制作を受託して稼ぐという事業の前提を変える。GameWithの独自データには価値が残っても、それが同じ収益規模で売れる保証はない。
eスポーツの競争力にも不確実性が大きい。勝利すれば賞金やスポンサーが増えるが、競技成績には再現性がなく、選手の獲得と維持には費用がかかる。ISPは光回線の卸売事業者や大手通信会社の料金政策に影響され、ユーザー数の増加が高い利益率に直結しない。NFT事業にはタイトル寿命と投資回収の問題が残る。
純現金が多くても、経営がそれを配当や自社株買いで返すとは限らない。実際に創業以来無配が続いており、資金は新規事業へ投じられてきた。AIで売上が縮み、赤字事業への投資が続けば、現在の純現金も減っていく。帳簿上の現金だけを理由に、現在の株価に十分な安全域があるとは判断できない。
どちらに重みを置いたか
現金の厚さとブランドの存在は認めるが、10年間の利益を安定して予測できるという点では慎重な見方が優勢だ。2026年5月期の黒字化が翌四半期に続かなかった事実は重い。ただし、AIによる媒体縮小は中立の数量と長期成長率に反映しており、確率で同じ不利益を重ねていない。下側へ確率を寄せる理由は、eスポーツの賞金依存、新規事業の投資負担、足元の収益変動という別の不確実性である。純現金による下支えは大きいが、10年間の資本コストを満たす利益と還元はまだ不足している。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/05 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 206 円36 億円(+ 還元の換算額還元の合計 16 円3 億円)。 今の値に割り戻すと 104 円18 億円、今との差 −28.9%、 期待の年率 +4.4%(資本コスト 8.3%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 558 円98 億円 | 69 円12 億円 | +329.6% | +17.1% | 44 円8 億円 |
| やや楽観 | 16% | 319 円56 億円 | 34 円6 億円 | +142.4% | +9.9% | 57 円10 億円 |
| 中立 | 32% | 168 円29 億円 | 18 円3 億円 | +27.1% | +2.6% | 59 円10 億円 |
| やや悲観 | 30% | 139 円24 億円 | 0 円0 億円 | −4.9% | −0.5% | 42 円7 億円 |
| 悲観 | 15% | 133 円23 億円 | 0 円0 億円 | −8.6% | −0.9% | 20 円3 億円 |
| 加重平均 | 100% | 206 円36 億円 | 16 円3 億円 | +51.8% | +4.4% | 222 円39 億円 |
今の株価時価総額 146 円25 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 7% メディアの一次情報が残り、eスポーツと光回線が収益の柱に成長 利益 6 億円 · PER 12.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 558 円98 億円
攻略情報の取得経路がAIへ移る中でも、GameWithは実際のゲームプレイから得る一次情報とコミュニティを維持する。メディアの年間PVは現状よりやや減るが、広告枠の改善とゲーム会社からの直接受注により、媒体の利益率を守る。公式攻略サイトの取引関係も維持され、制作受託がAIによって消える速度を上回る営業効率の改善が進む。
DetonatioN FocusMeは競技成績と知名度を維持し、スポンサーをゲーム業界以外へ広げる。大会賞金への依存が下がり、継続契約が増える。GameWith光は品質に敏感なゲーマー向け回線として約1.9万回線の規模に育つ。既存の媒体とチームを活用するため、契約獲得費用の効率も改善する。
EGGRYPTO関連事業は新作を含めて黒字化し、赤字を拡大させる投資を繰り返さない。経営は資本配分を利益重視に転換し、余剰資金の一部を株主還元へ回す。10年後の売上高は約70億円、営業利益は約11億円となり、かつての媒体一本に頼らない収益力を持つ会社へ変わる。AI関連の新製品売上を未確認のまま上乗せした筋書きではない。
- メディア広告:数量 38.0(年間ページビュー数(億PV))× 価格 0.32(1億PV当たり媒体広告売上(億円))→ 売上 12 億円・営業利益 5 億円。PVは現在の0.90倍。単価は1.33倍で物価相当まで。制作効率と広告枠管理によって40%の事業利益率を維持する。
- メディアソリューション・制作受託:数量 112(年間有料制作・タイアップ案件換算数(件))× 価格 0.14(案件換算1件当たり売上(億円))→ 売上 16 億円・営業利益 4 億円。AI代替を受けても案件数は現在の0.93倍。単価は約1.32倍。付加価値の高い直接契約を維持する。
- eスポーツ・エンタメ:数量 65.0(スポンサー・興行・賞金等の年間契約案件換算数(件))× 価格 0.38(案件換算1件当たり売上(億円))→ 売上 25 億円・営業利益 3 億円。スポンサーと興行案件が増加し、賞金に依存しない契約収益が広がる。
- ISP・GameWith光:数量 19,000(年間稼働回線換算数(回線))× 価格 0.00(1回線当たり年間売上(億円))→ 売上 15 億円・営業利益 3 億円。約1.9万回線相当へ拡大し、契約獲得費用と卸売コストを抑える。
- NFTゲーム関連・その他:数量 30.0(年間企画・運営契約換算数(件))× 価格 0.08(契約換算1件当たり売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。既存ゲームの運営効率化と新作の一定の成功で黒字化する。
倍率:k8.25%、g_long1%、moat弱で超過ROEが残る割合は1/3。余剰現金18億円に対する税後利息0.252億円を純利益から外し、事業ROEは(6.362-0.252)/(44.5-18)=約23.1%。RONICは約13.19%、正当化PERは約12.75倍。10年後の事業純利益6.11億円×12.75倍に、余剰現金18億円×戻り方0.75を加える。累計純利益約29.4億円、還元12億円で自己資本は27.1+29.4-12=44.5億円となる。
確率:メディアのAI流入減少を限定的に抑え、eスポーツのスポンサー拡大、光回線の規模拡大、NFT関連の黒字化、全社コスト効率化が同時に実現する必要がある。会社固有の複数の成功を必要とするため低めの7%とする。
やや楽観 16% メディア収益を守り、周辺事業が着実に黒字化 利益 3 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 319 円56 億円
AIによって攻略情報の検索流入は減るが、GameWithはタイトルごとの実測データと攻略ノウハウを提供し続ける。利用者が媒体に直接訪問する割合を高め、収益性の高い広告枠を残す。制作受託は案件数が減少するものの、ゲーム会社との継続的な関係を生かし、複雑なキャンペーンや公式運営を担う案件が残る。
eスポーツは海外大会の賞金に過度に依存せず、スポンサー、イベント、物販を拡大する。GameWith光は約1.5万回線の契約規模に達し、利益を安定して生む。ゲーム業界全体が拡大する中で、同社もゲーム情報以外の売上構成を高められる。
NFT関連の大幅な成長は見込まず、赤字を解消する程度とする。本社費は自動化と管理業務の集約で抑えられる。2036年の売上高は約58億円、営業利益は約5.8億円へ改善し、長期保有に耐えられる利益水準に近づく。資本配分も改善し、累積利益の一部を自己株買いなどに回す。
- メディア広告:数量 34.0(年間ページビュー数(億PV))× 価格 0.32(1億PV当たり媒体広告売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 4 億円。PVは現在の0.81倍、広告単価は1.31倍。一次情報の競争力を残す。
- メディアソリューション・制作受託:数量 98.0(年間有料制作・タイアップ案件換算数(件))× 価格 0.14(案件換算1件当たり売上(億円))→ 売上 14 億円・営業利益 3 億円。制作案件数は現在の0.82倍。直接取引と高度な案件が残る。
- eスポーツ・エンタメ:数量 55.0(スポンサー・興行・賞金等の年間契約案件換算数(件))× 価格 0.37(案件換算1件当たり売上(億円))→ 売上 20 億円・営業利益 2 億円。スポンサー契約とファン関連収入が増加し、競技成績への依存が下がる。
- ISP・GameWith光:数量 15,000(年間稼働回線換算数(回線))× 価格 0.00(1回線当たり年間売上(億円))→ 売上 12 億円・営業利益 2 億円。約1.5万回線相当へ増加し、固定費が薄まる。
- NFTゲーム関連・その他:数量 25.0(年間企画・運営契約換算数(件))× 価格 0.07(契約換算1件当たり売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。事業規模はやや拡大するが、利益貢献は限定的とする。
倍率:事業の純利益は3.298-0.252=3.046億円、事業自己資本は39-18=21億円でROE約14.5%。k8.25%、超過ROEが残る割合1/3からRONIC約10.33%。g_long1%として正当化PERは約12.46倍。事業純利益×PERに余剰現金13.5億円を加える。期間累計純利益約17.9億円、還元6億円で自己資本は約39億円となる。
確率:eスポーツと光回線に成長余地があることを評価する。ただし、メディア受託のAI代替と新規投資の成果を同時に乗り越える必要があり、上側でも確実性は高くない。
中立 32% AIで媒体の量は縮むが、eスポーツとISPが補って小幅増収 利益 1 億円 · PER 12.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 168 円29 億円
攻略情報の提供需要は残るが、ゲームの操作方法や攻略順序をAIが直接説明するようになり、媒体の年間PVは現在より減少する。GameWithは自前のプレイデータと記事制作体制を維持しており、一定の広告単価を確保する。それでも集客量の減少を単価だけで補うことはできない。ゲーム会社向け制作受託もAIエージェントによる自動化で案件数が縮み、メディア全体の売上は減少する。
eスポーツ市場は拡大するが、DetonatioN FocusMeの収益はスポンサー、イベント、ファンビジネスが中心になり、賞金による大きな上振れは平準化する。ISPは小さな市場シェアを徐々に広げ、約1.25万回線相当の契約規模に成長する。通信料金には競争圧力があり、物価と同じだけの値上げが常に通るとは考えない。
NFT関連事業は新作の成功を見込まず、規模を抑えて損失を縮小する。全社共通費はAIによる業務効率化と管理部門の縮小で一定程度抑えるが、人件費や制作費のインフレは残る。2036年の売上高は約45.7億円、営業利益は約2.52億円、純利益は約1.44億円となる。これまでの高収益媒体企業へ完全に戻るのではなく、複数事業を抱える低成長のゲーム関連企業として存続する。
- メディア広告:数量 28.0(年間ページビュー数(億PV))× 価格 0.30(1億PV当たり媒体広告売上(億円))→ 売上 8 億円・営業利益 3 億円。AI回答による流入減でPVは現在の0.67倍。単価は1.25倍にとどまり、物価上昇を完全には転嫁できない。
- メディアソリューション・制作受託:数量 78.0(年間有料制作・タイアップ案件換算数(件))× 価格 0.14(案件換算1件当たり売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 2 億円。AIエージェント代替により案件数は現在の0.65倍。単価は1.28倍で、物価上昇以下。
- eスポーツ・エンタメ:数量 44.0(スポンサー・興行・賞金等の年間契約案件換算数(件))× 価格 0.36(案件換算1件当たり売上(億円))→ 売上 16 億円・営業利益 1 億円。国内市場の実質的な成長とスポンサー契約増を反映するが、大会賞金の再現を前提としない。
- ISP・GameWith光:数量 12,500(年間稼働回線換算数(回線))× 価格 0.00(1回線当たり年間売上(億円))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。約1.25万回線相当へ増加。単価は現在の約1.20倍に抑える。
- NFTゲーム関連・その他:数量 18.0(年間企画・運営契約換算数(件))× 価格 0.07(契約換算1件当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。成熟したタイトルの維持運営が中心となり、小幅な赤字が残る。
倍率:純利益1.438億円から余剰現金18億円の税後利息0.252億円を除くと事業純利益1.186億円。事業自己資本は30.6-18=12.6億円、ROE約9.41%。k8.25%、moat弱の残存割合1/3よりRONIC約8.64%。g_long1%を用いると正当化PERは約12.20倍となる。事業純利益×12.20倍と、余剰現金18億円×0.75の13.5億円を合わせる。期間累計純利益約6.6億円、還元3.1億円で自己資本27.1+6.6-3.1=30.6億円。ROEは利益と自己資本の結果であり、成長率を逆算するためには使っていない。
確率:広告媒体の縮小と受託制作のAI代替をすでに数量へ反映した中心シナリオ。ISPの小さなシェアからの成長は見込むが、利益率の劇的な改善や新規NFTゲームの大成功は認めない。足元の赤字転落も踏まえ、継続的な黒字化を無条件には置かない。
やや悲観 30% 広告と受託制作が縮小し、事業整理で現金を守る 利益 0 億円 · PBR 0.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 139 円24 億円
ゲームの攻略方法をAIが直接答えることが普通になり、検索サイト経由でGameWithへ来る利用者が大幅に減る。メディア広告のPVは現在の半分となり、広告単価も物価の上昇に追いつかない。ゲーム会社向け制作案件もAIによる内製化で減少する。媒体には一次情報の価値が残るが、これまでの売上規模を維持できない。
eスポーツでは競技成績が振るわず、大型スポンサーの更新が難しくなる。GameWith光は契約を増やすものの、仕入れ価格と販売価格の競争で利益をほとんど出せない。NFT関連の新作は目立った収益につながらず、会社は追加投資を抑制する。全社の売上高は約31億円に縮小する。
経営は事業売却、人員整理、管理部門の圧縮を進め、赤字の拡大を防ぐ。ただし、営業利益は小幅な赤字にとどまり、株主還元は実施されない。事業としての収益価値は低くなり、評価を支えるのは残された現金と売却可能な資産となる。買収による救済を前提にせず、弱い事業を抱えながら資産を維持する会社としての姿である。
- メディア広告:数量 21.0(年間ページビュー数(億PV))× 価格 0.27(1億PV当たり媒体広告売上(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。PV半減、広告単価は現在の1.125倍にとどまる。
- メディアソリューション・制作受託:数量 62.0(年間有料制作・タイアップ案件換算数(件))× 価格 0.13(案件換算1件当たり売上(億円))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。制作案件数は現在の0.52倍。AIによる内製化が進む。
- eスポーツ・エンタメ:数量 33.0(スポンサー・興行・賞金等の年間契約案件換算数(件))× 価格 0.32(案件換算1件当たり売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 0 億円。スポンサー更新が鈍化し、競技・選手関連の固定費が残る。
- ISP・GameWith光:数量 9,000(年間稼働回線換算数(回線))× 価格 0.00(1回線当たり年間売上(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。小幅な契約増は続くが、競争によって利益率が低い。
- NFTゲーム関連・その他:数量 10.0(年間企画・運営契約換算数(件))× 価格 0.07(契約換算1件当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。新作が不振となり、既存運営の縮小を進める。
倍率:2036年の営業損益は赤字で、正の成長価値を付けない。基準とする自己資本は将来の25億円でなく2026年5月期の27.1億円であり、0.895×27.1=24.25億円。これは純現金23.2億円の床をわずかに上回る資産残存価値で、過去の市場PBRを参照した倍率ではない。期間累計純損失約2.1億円、還元0で自己資本25億円とする。
確率:下に寄せる理由:2027年5月期第1四半期の赤字転落、eスポーツの賞金・スポンサー案件による変動、NFT関連の継続赤字、配当実績の乏しさがある。中立に織り込んだAIによる数量縮小とは別に、経営の投資回収が遅れる可能性を重く見る。
悲観 15% 攻略媒体の経済性が崩れ、事業縮小と資産保全が中心になる 利益 0 億円 · PBR 0.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 133 円23 億円
検索エンジンやAIエージェントがゲーム攻略の主な窓口となり、GameWithのサイトへ直接訪問する必要性が大きく薄れる。PVは現在の約3割に減少し、広告収入も縮小する。ゲーム会社が攻略記事の制作や広告運用を社内のAIで処理するようになり、受託制作も大きく失われる。蓄積した記事やブランドは残っても、それを利益に変える仕組みが壊れる。
eスポーツでは主要競技のスポンサー契約が縮小し、選手や運営体制を大幅に整理する。GameWith光の契約数は伸びず、価格競争で収益性が下がる。NFTゲーム関連の新作も事業を支えられず、運営縮小と開発中止が進む。全社の売上高は約18億円と、2026年5月期の半分以下になる。
会社は大規模な事業整理を進め、本社費を大きく圧縮する。2036年時点の営業損失は限定的となるが、それは成長回復ではなく、赤字事業と人員の縮小によるものだ。高いPERを付ける理由は失われ、残る現金と売却可能な資産が価値の中心になる。配当も自社株買いもなく、既存株主が受け取る総額は現在の時価総額を下回る。
- メディア広告:数量 13.0(年間ページビュー数(億PV))× 価格 0.23(1億PV当たり媒体広告売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。PVは現在の0.31倍。広告単価もほぼ横ばい以下となる。
- メディアソリューション・制作受託:数量 45.0(年間有料制作・タイアップ案件換算数(件))× 価格 0.11(案件換算1件当たり売上(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。制作案件数は現在の0.38倍。案件単価もほぼ上がらない。
- eスポーツ・エンタメ:数量 20.0(スポンサー・興行・賞金等の年間契約案件換算数(件))× 価格 0.29(案件換算1件当たり売上(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。スポンサーと賞金が減り、競技部門の整理を進める。
- ISP・GameWith光:数量 6,300(年間稼働回線換算数(回線))× 価格 0.00(1回線当たり年間売上(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。契約が横ばいから減少し、低利益率の事業となる。
- NFTゲーム関連・その他:数量 5.0(年間企画・運営契約換算数(件))× 価格 0.05(契約換算1件当たり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。新規投資を停止し、残存する運営費を負担する。
倍率:構造的な競争力の喪失により利益ベースの価値はほぼ残らず、現時点の純現金23.2億円を中心に資産保全価値を考える。今の自己資本27.1億円に0.86を掛けると約23.31億円。将来の自己資本24億円に倍率を掛けたのではなく、過去の市場評価も根拠にしていない。期間累計純損失約3.1億円、株主還元0として自己資本24億円とする。
確率:AIによる攻略情報の直接回答と制作受託の代替が同時に進み、さらにeスポーツと新規事業で収益機会を失う筋書きである。完全な事業崩壊は必然ではないが、媒体依存と新規投資の損失実績から15%を認める。下に寄せる理由は既存媒体以外に確実な高収益事業が未確立なことである。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
メディア広告
自社の攻略サイトを閲覧する利用者へ表示する広告枠を販売する。AIエージェント代替の分類は自社媒体型であり、PVの減少を数量に反映する。
| 数量年間ページビュー数(億PV) | 価格1億PV当たり媒体広告売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/05 | 42.0 | 0.24 | 10 | 4 |
| 10 年後 中立 | 28.0 | 0.30 | 8 | 3 |
取り方:2026年5月期の会社開示月間平均約3.5億PVを12倍して年間42億PVとする。媒体広告とソリューションの通期個別売上は厳密に確認できないため、2027年5月期第1四半期のメディア広告208百万円、メディアソリューション249百万円、その他45百万円の構成と通期23.13億円から約10.08億円を推定した。価格0.24億円/億PVは約0.24円/PV、千PV当たり240円に相当する。営業利益もメディア全体6.23億円からの推定配分であり、個別開示値ではない。比較用の主要媒体にはGame8、アルテマ、AppMediaがある。
メディアソリューション・制作受託
ゲーム会社向けの有料攻略サイト、記事、タイアップ、販促企画等を提供する。制作と広告運用はAIエージェント代替の人月・工数型および広告制作型に分類する。
| 数量年間有料制作・タイアップ案件換算数(件) | 価格案件換算1件当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/05 | 120 | 0.11 | 13 | 3 |
| 10 年後 中立 | 78.0 | 0.14 | 11 | 2 |
取り方:メディア売上高23.1288億円から媒体広告の推定10.08億円を除いた13.0488億円を起点にする。公式攻略サイト制作の累計受注200件超、累計取引社数500社以上の開示はあるが、年間案件数と個別単価は非開示である。年間120件、1件約1,087万円はこれらの取引規模を参考にした案件換算上の仮定で、累計受注200件を年間受注200件と取り違えたものではない。中立の数量はAIエージェント代替の0.55〜0.75倍の範囲に置く。
eスポーツ・エンタメ
DetonatioN FocusMeのスポンサー契約、タイアップ、イベント、リーグ支援金、大会賞金、ファン収入を含む。競技・イベントそのものはAIによる直接代替の対象外だが、周辺の制作・運用は自動化の影響を受ける。
| 数量スポンサー・興行・賞金等の年間契約案件換算数(件) | 価格案件換算1件当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/05 | 40.0 | 0.29 | 12 | 0 |
| 10 年後 中立 | 44.0 | 0.36 | 16 | 1 |
取り方:有報のセグメント売上高11.62162億円、営業損失0.16464億円を正とする。スポンサー案件・大会賞金・イベント収入の年間件数と金額内訳は十分に公表されていないため、40件、平均約2,905万円の案件相当へ換算した。賞金収入は実際の大会入賞に依存するため、年間40件の固定契約が存在するという意味ではない。日本eスポーツ協会の国内2024年市場約161億円を需要環境の物差しとして参照する。
ISP・GameWith光
ゲーマー向けの高速・低遅延光回線を月額課金で提供する。通信インフラの実需要はAIエージェント代替の直接対象外である。
| 数量年間稼働回線換算数(回線) | 価格1回線当たり年間売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/05 | 6,900 | 0.00 | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 12,500 | 0.00 | 9 | 1 |
取り方:会社開示の累計契約数約6,900回線、セグメント売上高4.31459億円、営業損失0.12242億円を用いた。回線数で割ると年間約62,530円、月額約5,210円に相当する。ただし6,900回線は累計契約数であり、解約後の実稼働回線数や年間平均契約数は非開示である。この単価は料金表の実測値ではなく売上を説明するための換算値として扱う。全国FTTH契約約4,168万回線に対する規模は約0.017%である。
NFTゲーム関連・その他
EGGRYPTOに関連するKyuzan向けプロモーション受託等を含む。ゲームそのものの継続需要はAIエージェントによって直接代替されないが、制作受託部分には自動化圧力がある。
| 数量年間企画・運営契約換算数(件) | 価格契約換算1件当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/05 | 20.0 | 0.07 | 1 | −1 |
| 10 年後 中立 | 18.0 | 0.07 | 1 | 0 |
取り方:その他事業の開示売上高1.40562億円と営業損失0.96805億円を用いる。Kyuzanからのプロモーション等の受託とEGGRYPTO関連収入が混在し、課金人数・案件数・手数料率の定量開示はないため、年間20契約換算、平均703万円という仮定に分けた。実際の顧客件数を表すものではなく、NFT市場の実証的シェア推定にも使用しない。新作EGGRYPTO Xは売上実績が未確定なので中立で大成功を織り込まない。
リスクと懸念
AIエージェント代替による攻略メディアの収益構造変化
従来は検索結果から攻略サイトへ利用者が入り、記事の閲覧回数に比例して広告収入を得ていた。AIが攻略手順やゲーム内情報を直接回答するようになると、記事そのものが利用されてもGameWithへのPVが増えない可能性がある。自社での一次情報収集は強みだが、検索流入と広告収入を守る証拠にはならない。利用者数、PV、PV当たり収入を別々に見る必要がある。
広告制作・公式攻略サイト受託のAIによる内製化
ゲーム会社が記事制作、広告企画、公式サイト運営の一部をAIエージェントで内製化できるようになれば、GameWithに外注する案件数は減る。特に原稿作成、情報更新、定型的な広告制作は価格競争を受けやすい。取引社数が多くても、顧客ごとの発注金額や案件継続率が落ちれば利益を守れない。
メディアの広告単価と検索流入の二重悪化
広告入札価格は景気、ゲーム会社の新作発売、広告配信アルゴリズムによって変動する。2026年5月期には広告枠最適化で単価が改善したが、その後の四半期では低下した。PVと単価が同時に落ちれば、固定的な記事制作費や管理費が残り、売上の減少以上に利益が減る。
eスポーツの競技成績とスポンサー契約への依存
DetonatioN FocusMeは有力チームだが、主要ゲームの競技ルール、リーグ参加資格、選手の移籍、競合チームの台頭によって収入が変わる。2026年5月期の好業績には大きな大会賞金が含まれており、その水準が毎年続くとは限らない。賞金で黒字化しても、継続的なスポンサーやファン収入が増えなければ安定した事業にはならない。
通信回線の仕入れ条件と価格競争
GameWith光は利用者に特化したブランドで差別化するが、通信網そのものを支配しているわけではない。アルテリアとの提携は強みである一方、回線卸売価格、設備の品質、他社の料金政策に事業採算が影響される。契約数が増えても販促費や解約対応費が膨らめば、期待した利益率は実現しない。
資本配分と余剰現金の取り崩し
純現金は会社の大きな安全装置だが、株主還元の実績が乏しい。2027年5月期第1四半期には現預金が減少しており、新規事業への投資や赤字補填が続けば資産の床も低下する。配当・自社株買いに戻さない現金を額面の全額で株主価値に加えると、少数株主の立場から過大評価になる。
NFT関連投資と無形資産の回収不能
EGGRYPTOには運営実績があるが、ゲームは人気と課金の移り変わりが速く、新作の成功率も読みづらい。開発費を資産計上しても、利用者や収入が十分に伸びなければ減損が発生する。中期計画の成長を急ぐことで赤字タイトルへの追加投資を続けると、連結利益だけでなく現金も失われる。
今後の分かれ目
- メディアの年間PVが現在の42億PVから急減せず、PV単価も持続的に改善したら
- 自社媒体の堀が想定より強いと判断し、メディア広告数量と利益率を上方修正する。中立からやや楽観への確率移動を検討する。
- AIを活用した攻略プラットフォームや制作サービスについて、継続的な売上・受注金額が開示されたら
- AIを新たな収益源として評価できる。実際の契約額と粗利益率を確認したうえで、単なる制作効率化以上の価値を織り込む。
- メディアソリューションの案件数や継続契約額が大幅に減少したら
- AIエージェントによる内製化が想定以上に進んだ可能性を重視する。受託案件の数量、価格、利益率を下げ、悲観側の確率を高める。
- eスポーツが大会賞金を除いて年間黒字を継続し、スポンサーの継続契約が増えたら
- 利益の再現性が高まったと判断する。一時的な大会賞金を除いた営業利益と契約更新率を基に、eスポーツ事業の長期価値を上方修正する。
- GameWith光の契約数が1万回線を超え、解約率を抑えながら営業黒字が定着したら
- 小規模な通信事業としての採算が確認できる。回線当たり利益と顧客獲得費用を検証し、中立のISP利益を見直す。
- 2029年5月期の売上高70億円目標に近づいても、連結営業利益率が低水準のままだったら
- 規模拡大より投下資本の回収が問題だと判断する。低採算事業を成長源として扱わず、再投資の収益率を引き下げる。
- 現金の取り崩しが続く一方で配当・自社株買いが行われず、資本配分の改善が見えなかったら
- 余剰現金の株主への戻り方を再検証する。事実上の支配状況と過去5年間の還元実績が条件を満たす場合に限って、評価上の戻り方をさらに引き下げる。
見ておくもの
- 四半期の月間平均PV、PV単価指標、ネットワーク広告売上高
- メディアソリューションの案件数、公式攻略サイトの継続契約額、累計ではなく年間の受注
- 新しい攻略プラットフォームとクリエイターメディアの売上・粗利益の実績
- eスポーツの大会賞金を除いたスポンサー・イベント・ファン収益と営業損益
- GameWith光の実稼働契約回線数、解約率、顧客獲得費用、回線当たり営業利益
- EGGRYPTO Xの売上、運営費、ソフトウェア仮勘定および減損
- 現預金、純現金、営業キャッシュフロー、自己株式数、配当・自社株買いの実施
- 2029年5月期の売上高70億円目標に対する営業利益率とROE
- ゲーム攻略媒体のAI検索流入比率とGame8など競合媒体との相対PV
倍率と資本コストの決め方
事業別に数量と価格を積み上げ、2026年5月期の連結売上高40.47億円と営業利益約1.02億円に合わせて起点を検算した。媒体広告のPV、制作受託の案件数、eスポーツの案件換算数、ISP契約数は性質が異なるため、全社売上高を単一の数量指数へ置き換えていない。中立の媒体広告数量は0.67倍、受託制作数量はAIエージェント代替の範囲内で0.65倍とし、長期成長率を名目1%に制限した。資本コスト8.25%と事業ROEから正当化PERを決め、現在や同業の市場PERは使っていない。中立の自己資本は27.1億円に累計純利益約6.6億円を加え、還元約3.1億円を控除して30.6億円とした。純現金23.2億円を悲観側の床として用いたが、2026年8月には現預金が減っている点を明示する。新リース会計基準の導入後も、2036年の営業利益は賃料を費用に含める従来と同じ経済的な形で比較する。
資本コスト 8.3% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%に事業の変動性、値決め力、純現金の目安を反映した。足元の赤字転落は数量・利益率・確率に反映し、財務の存続に疑義がないため個別の苦境上乗せはしない。