結論
タカミヤは、ビルや橋の工事現場で使う足場(仮設機材)を貸し、売る会社だ。売上は約 450 億円。筆者の結論は「やや割高」。事業は強くなったが、借金と償却費の重さが株主の取り分を削り、10 年の利益を見ても今の値段に届かない。
稼ぎの源は賃貸だ。足場の鉄材を現場に貸し、日割りで料金を受け取る。2026 年 3 月期は、北海道新幹線の延伸などの大型工事向けの出荷とレンタル料の改定で、営業利益が前の期より 6 割近く増えた。営業利益率は 7.2% と、直近 5 年で最も高い。
弱点は財務だ。足場の鉄材は買った時点で資産に載せて何年もかけて償却する。償却費が年 60 億円と営業利益の約 2 倍あり、純有利子負債は 277 億円で時価総額を超える。借り換えで金利が 3.5% に上がると、利払いだけで年 7 億円増える。2027 年 3 月期の経常利益が減益予想なのは、このためだ。
会社は 2024〜2026 年度の中期計画で営業利益 61 億円を掲げていたが、2026 年 5 月に 36.5 億円へ引き下げた。2026 年 3 月にはプライム市場からスタンダード市場へ移った。
10 年後の中立は、売上 630 億円、営業利益 46 億円、純利益 26 億円。レンタル料は物価並みに上がる。ただし償却費も、買い替えの鉄材が高くなるため 80 億円近くに膨らむ。確率で重みを付けた本質価値は、今の時価総額を 3 割近く下回る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の目で見ると、タカミヤは「良い事業だが、資本が重い」。プラットフォーム事業の預かり型の関係は本物の堀になりうる。しかし、足場の鉄材は年々減価して、更新に現金が出ていく。稼いだ利益のかなりの部分は、鉄材の買い替えと利払いに消える。
オーナー利益、つまり事業が株主に残せる現金の力は、見かけの利益より小さい。2026 年 3 月期の営業利益 33 億円に対し、償却費が 60 億円ある。償却は会計上の費用だが、実際に買い替えの現金が要る。借金が時価総額より多く、金利は上がる。
物価がこれから年 3% で上がる世界では、この構造が二重に効く。足場のレンタル料は物価に連れて上がるが、更新する鉄材も同じように高くなる。償却費は新しい値段で増える。借金の利払いは 3.5% に上がる。
それでも、筆者は事業を弱いとは見ない。稼働率が高い局面では、償却を払ってもなお利益が残る。ただし、払う値段には安全域が要る。
今の値段は、10 年後の中立の利益に、事業の利益の 7 倍ほどを付けている水準だ。利益が戻らなければ、借金の大きさが株主の取り分を直撃する。筆者は、この値段では持たない。
何で稼ぐ会社か
事業は 3 つの柱で成り立つ。1 つ目はレンタル、売上の約 6 割。足場の鉄材を工事会社や足場会社に貸し、日割りの料金を受け取る。大型工事の需要を受け、単価の改定も進んだ。
2 つ目は販売、約 2 割強。足場材や安全設備を売る。自前のブランド「Iq システム」などの次世代足場、パネル式の吊り棚足場「スパイダーパネル」、移動して昇る足場「リフトクライマー」を持ち、人手を省く足場に強い。
3 つ目がプラットフォーム。顧客の足場材を預かり、在庫の管理や貸し出し、整備をまとめて引き受ける運用管理サービス「OPE-MANE」だ。顧客の機材が預けられるほど、追加のレンタル収入が積み上がる。売上は約 68 億円、利益は約 17 億円と、利益率は 24% と高い。全社の利益の半分近くを占める勘定になる。
全国に物流拠点(Base)を置き、2026 年 3 月期は札幌 Base と、研究施設の Takamiya Lab. East に投資した。2025 年 2 月に日建リース(中国地方の仮設機材レンタル)を子会社にし、西日本の網を厚くした。
海外は縮んでいる。売上は 2024 年 3 月期の約 79 億円から約 47 億円に減り、営業損益は赤字に沈んだ。国内の足場需要に集中する方向だ。本社は大阪、東証のスタンダード市場に上場する。
優良さと弱いところ
優良さは「普通」。強みは 2 つある。1 つは、鉄材という実物の在庫を全国に持つ点だ。仮設機材は買えば高く、品揃えと物流が競争力になる。2 つ目が、OPE-MANE による預かり型の関係。顧客が機材を預けるほど、乗り換えにくくなる。
弱みは資本の重さだ。足場の鉄材に資金を縛られるうえ、鉄の値段が上がっても、買い替えの費用が増えるだけで、すぐには稼ぎが増えない。償却費は年 60 億円、営業利益の約 2 倍。EBITDA(償却前の利益)は約 92 億円あり、純有利子負債は EBITDA の 3 倍にあたる。
利益率の波は大きい。2007 年 3 月期には営業利益率が 15% 近かったが、2021 年 3 月期には 4%、2025 年 3 月期にも 4.7% まで落ちた。直近の 7% 台は回復の途中だ。2026 年 5 月に会社が中期目標を引き下げたのは、大幅に高い 10% の利益率は届かないという自己認識の表れだ。
経営の資本配分は、保守的になった。賃貸資産への投資を絞り、借入を増やして買収する方針はいったん止めている。累進配当と配当性向 35% 以上の方針は守り、2025 年 3 月期には 3.6 億円の自社株買いも行った。ただし、株主優待は無い。
堀は普通と見る。次世代足場の技術と物流網は強みだが、競合の杉孝(オリックス傘下)、信和、日綜産業、アルインコも同じ領域で投資を進めている。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の足場は、建設需要の底堅さに支えられる。足場は、新築・改修・インフラの工事すべてに必要で、数量は建設工事量に連動する。新築住宅は人口減で減るが、橋やトンネルの更新、再開発、大型インフラ工事が下支えする。民間の推計では、国内の仮設足場市場(工事を含む)は 2024 年の約 56 億ドルから 2035 年に約 104 億ドルへ伸びる(ドル建ての名目。数量は物価で割る必要がある)。
筆者は、足場材のレンタルと販売の市場を、工事を除いた分として 2,500 億円前後と推定する。タカミヤの国内の賃貸と販売の売上は約 370 億円で、シェアは 15% 前後になる。売上 300 億円以上の競合は、アルインコ、杉孝、日綜産業、コンドーテックなどで、業界は分散している。
追い風は 2 つある。1 つは人手不足で、職人が少ないため、組み立てが簡単な次世代足場の需要が伸びる。もう 1 つは、レンタル料の値上げが通りやすくなったことだ。
逆風も 2 つある。鉄鋼や物流の費用が上がり、足場材の買い替えが高くなる。そして、同業の再編が進み、杉孝をオリックスが、ヤグミを信和が、大和ビケサービスをジェイケイホールディングスが取り込むなど、強い競合が増える。
需要の波も忘れられない。大型工事の端境期には稼働率が落ち、固定費の償却が重くのしかかる。2021 年 3 月期の営業利益率は 4% まで落ちた。
資本政策と M&A
還元は穏やかだ。方針は累進配当(減らさない)と連結配当性向 35% 以上。年間配当は 2022 年 3 月期から 2024 年 3 月期が同額、2025 年 3 月期と 2026 年 3 月期が少し上がって同額、2027 年 3 月期の予想も同額だ。配当性向は 34% から 67% まで年によって振れる。2025 年 3 月期には 3.6 億円の自社株買いも行った。
財務は厳しい側だ。純有利子負債は 277 億円、自己資本比率は 31%。営業利益が支払利息の 6 倍あるので、すぐ行き詰まる形ではない。ただ、借り換えのたびに金利が上がるため、毎年の利払いは増える。
資本政策の中心は、賃貸資産への投資の調整だ。2026 年 3 月期は賃貸資産投資を縮小し、キャッシュを残した。投資を絞ると、償却費は増えにくく、借金は減りやすい。
M&A は日建リースが直近の例。西日本の網を厚くした。業界の再編は続くので、買収は今後もありうる。ただ借金が重く、大型は難しい。
2026 年 3 月 30 日、市場がプライムからスタンダードに変わった。上場維持の基準を満たせなかったためで、機関投資家の買いが細る側面がある。株主優待は無い。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
強気の見方はこうだ。利益はまだ戻りの途中だ。2026 年 3 月期の営業利益率は 7.2% だが、2007 年には 15% 近かった。大型工事の需要が重なる今、レンタル料の改定を価格転嫁で通せば、利益率は 9% を超える。2026 年 4〜6 月期は営業利益が前年の 2.3 倍になった。
プラットフォームが育つ。預かり型の関係が深まれば、顧客の機材がタカミヤの網に集まり、追加のレンタルが積み上がる。利益率 24% の事業が、全社の利益の中で占める割合が上がれば、全体の利益率は上がる。
賃貸資産への投資を絞っているので、借金は減る。キャッシュが出て、2027 年度以降に純有利子負債が 200 億円を割れば、利払いも減る。市場がスタンダードに移ったことで売られ過ぎた株は、業績の回復で見直される。
業界の再編が進めば、日建リースのような買収で網が広がる。後継者不在の地場のレンタル会社は多く、買収の機会は続く。足場の需要は人手不足で次世代足場に移り、タカミヤの技術が生きる。
慎重な見方
慎重な見方はこうだ。利益は景気の山にいる。営業利益率 7.2% は直近 5 年で最高だが、2021 年は 4%、2025 年は 4.7% だった。大型のインフラ工事が一巡すれば、稼働率が落ち、償却費だけが残る。
中期計画も目標を下げた。営業利益 61 億円の当初目標は、36.5 億円に引き下げられた。2027 年 3 月期は営業利益が増えるのに経常利益が減る予想で、利払いと償却の増加が利益を食っている。
財務の重さは変わらない。純有利子負債は 277 億円で時価総額より多く、自己資本比率は 31%。借り換えで金利が 1.4% から 3.5% に上がれば、年の利払いは 10 年で 7 億円増える。営業利益が落ちる局面では、一気に厳しくなる。
競合が強くなる。杉孝はオリックス傘下、信和はヤグミを買収した。資金力のある相手が値下げで攻めれば、レンタル料の改定は続かない。海外は縮小して赤字で、成長の柱にならない。
さらに、市場がスタンダードに移ったことで、機関投資家の買いが細る。再び見直されるきっかけが乏しい。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 501 円230 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 158 円72 億円)。 今の値に割り戻すと 320 円147 億円、今との差 −16.6%、 期待の年率 +5.6%(資本コスト 8.8%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 1,099 円504 億円 | 284 円130 億円 | +260.1% | +13.7% | 83 円38 億円 |
| やや楽観 | 19% | 833 円382 億円 | 229 円105 億円 | +176.5% | +10.7% | 202 円92 億円 |
| 中立 | 37% | 643 円295 億円 | 185 円85 億円 | +115.8% | +8.0% | 307 円141 億円 |
| やや悲観 | 25% | 127 円58 億円 | 98 円45 億円 | −41.3% | −5.2% | 56 円26 億円 |
| 悲観 | 13% | 55 円25 億円 | 33 円15 億円 | −77.3% | −13.8% | 11 円5 億円 |
| 加重平均 | 100% | 501 円230 億円 | 158 円72 億円 | +71.6% | +5.6% | 659 円302 億円 |
今の株価時価総額 384 円176 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 6% 大型工事が続き、レンタル料の改定が定着する 利益 42 億円 · PER 12.0 倍 · 株価時価総額 1,099 円504 億円
大型インフラ工事が続き、レンタルの稼働率が高い水準で保たれる。レンタル料は物価を少し上回って上がり、数量は 12% 増える。プラットフォームの預入機材が積み上がり、償却前の利益率は 33% に上がる。
販売では次世代足場が伸び、海外は小さな黒字に戻る。営業利益率は 9% 台半ばに乗る。過去 12 年の山(9.0%)を超えるには、レンタル料の改定が定着することが条件になる。
10 年の償却費は約 85 億円(今は約 60 億円)。買い替えの鉄材が新しい値段で入るため増えるが、売上の伸びが上回る。借金は返済が進み、利払いは 7 億円ほどにとどまる。純利益は 42 億円で、還元は配当性向 35% 以上を守って約 130 億円。ROE は 10% 近くになる。
- レンタル(プラットフォームを含む):数量 44.8(稼働する賃貸足場材の量(万トン、推定))× 価格 9.52(万円/トン・年(レンタル料と運用管理の収入を合わせた単価))→ 売上 427 億円・営業利益 77 億円。数量 1.12 倍・価格 1.40 倍(名目)・償却前利益率 33.0%・償却費 64.0 億円
- 販売:数量 9.1(販売量(万トン換算、推定))× 価格 17(万円/トン(足場材・設備の混合単価))→ 売上 154 億円・営業利益 10 億円。数量 1.10 倍・価格 1.38 倍(名目)・償却前利益率 10.0%・償却費 5.0 億円
- 海外:数量 5.9(取扱量(万トン換算、推定))× 価格 14(万円/トン(販売・レンタルの混合単価))→ 売上 83 億円・営業利益 4 億円。数量 1.30 倍・価格 1.35 倍(名目)・償却前利益率 12.0%・償却費 6.5 億円
- その他(施工・仮設工事など):数量 2,520(工事・サービスの件数(件、推定))× 価格 207(万円/件(工事・サービスの混合単価))→ 売上 52 億円・営業利益 1 億円。数量 1.20 倍・価格 1.38 倍(名目)・償却前利益率 8.0%・償却費 3.0 億円
倍率:事業の純利益 42 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.9% が k 8.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.3%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 12.0 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.0 倍。全体の PER 12 倍、時価総額 504 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:大型工事の継続、料金改定の定着、プラットフォームの成長が同時に当たる必要がある。利益率が山にいる今、さらに上がる確率は低く、6% とした。
やや楽観 19% 見直し後の中計を達成し、その後も伸びる 利益 33 億円 · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 833 円382 億円
中期計画の見直し後の目標(営業利益 36.5 億円、営業利益率 7.5%)を達成し、その後も伸びる。レンタルの数量は 8% 増え、料金は物価をやや上回る。営業利益率は 8% 台半ば。
10 年の償却費は約 83 億円。賃貸資産への投資は抑え、借金は少しずつ減る。利払いは約 8 億円。純利益は 33 億円で、還元は約 105 億円。
この筋書きが成り立つには、プラットフォームが毎年伸び、大型工事が途切れないことが条件になる。ROE は 8% 台で、資本コストを少し下回る。
販売は次世代足場が少しずつ伸びて横ばいから微増、海外は赤字を脱して小さな黒字になる。日建リースの統合で西日本の稼働率が上がる効果も、この筋書きでは織り込んでいる。
- レンタル(プラットフォームを含む):数量 43.2(稼働する賃貸足場材の量(万トン、推定))× 価格 9.32(万円/トン・年(レンタル料と運用管理の収入を合わせた単価))→ 売上 403 億円・営業利益 69 億円。数量 1.08 倍・価格 1.37 倍(名目)・償却前利益率 32.9%・償却費 63.0 億円
- 販売:数量 8.7(販売量(万トン換算、推定))× 価格 17(万円/トン(足場材・設備の混合単価))→ 売上 145 億円・営業利益 8 億円。数量 1.05 倍・価格 1.36 倍(名目)・償却前利益率 9.0%・償却費 4.8 億円
- 海外:数量 5.4(取扱量(万トン換算、推定))× 価格 14(万円/トン(販売・レンタルの混合単価))→ 売上 76 億円・営業利益 2 億円。数量 1.20 倍・価格 1.33 倍(名目)・償却前利益率 10.5%・償却費 6.0 億円
- その他(施工・仮設工事など):数量 2,310(工事・サービスの件数(件、推定))× 価格 204(万円/件(工事・サービスの混合単価))→ 売上 47 億円・営業利益 1 億円。数量 1.10 倍・価格 1.36 倍(名目)・償却前利益率 7.0%・償却費 2.8 億円
倍率:事業の純利益 33 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 8.4% が k 8.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍。全体の PER 11.43 倍、時価総額 382 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:見直し後の中期計画におおむね沿う筋書き。足元は回復しているが、当初の計画(営業利益 61 億円)が大きく未達だった実績から、19% に置いた。
中立 37% 物価並みの値上げと償却の増加が釣り合う 利益 26 億円 · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 643 円295 億円
レンタル料は物価並みに上がり、数量は 5% 増える。販売は横ばい、海外は黒字がやっと出る。営業利益率は 7% 台半ばで、直近の水準が続く。
10 年の償却費は約 80 億円(今は約 60 億円)。今ある鉄材と建物の償却は取得した時の値段のままで増えず、買い替えと新しい拠点の分だけが新しい値段で足される。鉄材は 10 年ほどで入れ替わるので、10 年目にはほぼ新しい値段の償却になる。一方、更新の投資は鋼材の値上がりで膨らみ、償却を超える分は借入で賄う。
借入は少しずつ減るが、金利は 3.5% に上がり、利払いは約 9 億円。純利益は 26 億円で、還元は約 85 億円。ROE は 7% 弱で資本コストを下回る。
- レンタル(プラットフォームを含む):数量 42.0(稼働する賃貸足場材の量(万トン、推定))× 価格 9.11(万円/トン・年(レンタル料と運用管理の収入を合わせた単価))→ 売上 383 億円・営業利益 63 億円。数量 1.05 倍・価格 1.34 倍(名目)・償却前利益率 32.5%・償却費 61.0 億円
- 販売:数量 8.3(販売量(万トン換算、推定))× 価格 16(万円/トン(足場材・設備の混合単価))→ 売上 136 億円・営業利益 6 億円。数量 1.00 倍・価格 1.34 倍(名目)・償却前利益率 8.0%・償却費 4.7 億円
- 海外:数量 5.0(取扱量(万トン換算、推定))× 価格 14(万円/トン(販売・レンタルの混合単価))→ 売上 68 億円・営業利益 1 億円。数量 1.10 倍・価格 1.30 倍(名目)・償却前利益率 9.0%・償却費 5.6 億円
- その他(施工・仮設工事など):数量 2,100(工事・サービスの件数(件、推定))× 価格 201(万円/件(工事・サービスの混合単価))→ 売上 42 億円・営業利益 0 億円。数量 1.00 倍・価格 1.34 倍(名目)・償却前利益率 6.3%・償却費 2.6 億円
倍率:事業の純利益 26 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.0% が k 8.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍。全体の PER 11.43 倍、時価総額 295 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:物価並みの値上げと、償却・利払いの増加がほぼ釣り合い、利益率が直近の水準にとどまる筋書き。最も重く 37% とした。
やや悲観 25% 大型工事が一巡し、稼働率と料金が下がる 利益 7 億円 · PER 8.0 倍 · 株価時価総額 127 円58 億円
大型工事が一巡し、稼働率が落ちる。レンタルの数量は 3% 減り、料金は物価に届かない。競合が値下げに動き、販売の数量も減る。営業利益率は 4% 前後に下がる。
償却費は固定で約 78 億円残り、減らせない。利払いは約 11 億円。純利益は 7 億円まで落ちる。プラットフォームは伸びるが、全体を支えきれない。
還元は約 45 億円に絞る。自己資本比率は 25% 前後に下がり、借り換えの条件が厳しくなる。
累進配当の方針は守る前提だが、配当性向は 35% を大きく超え、実質的に利益以上を払う年が出る。投資を絞って借金の返済を優先せざるをえず、成長の足も止まる。
- レンタル(プラットフォームを含む):数量 38.8(稼働する賃貸足場材の量(万トン、推定))× 価格 8.77(万円/トン・年(レンタル料と運用管理の収入を合わせた単価))→ 売上 340 億円・営業利益 44 億円。数量 0.97 倍・価格 1.29 倍(名目)・償却前利益率 30.5%・償却費 60.0 億円
- 販売:数量 7.6(販売量(万トン換算、推定))× 価格 16(万円/トン(足場材・設備の混合単価))→ 売上 119 億円・営業利益 3 億円。数量 0.92 倍・価格 1.28 倍(名目)・償却前利益率 6.5%・償却費 4.4 億円
- 海外:数量 4.3(取扱量(万トン換算、推定))× 価格 13(万円/トン(販売・レンタルの混合単価))→ 売上 55 億円・営業利益 −1 億円。数量 0.95 倍・価格 1.22 倍(名目)・償却前利益率 7.0%・償却費 5.2 億円
- その他(施工・仮設工事など):数量 1,890(工事・サービスの件数(件、推定))× 価格 192(万円/件(工事・サービスの混合単価))→ 売上 36 億円・営業利益 −1 億円。数量 0.90 倍・価格 1.28 倍(名目)・償却前利益率 5.0%・償却費 2.4 億円
倍率:事業の ROE は 3% 近くで資本コストを大きく下回る。PER の上限は 11.1 倍。利益が薄れて償却が重い局面で、上限の約 7 割の 8.0 倍に置いた。
確率:大型工事が一巡して稼働率が落ち、競合の値下げが始まる筋書き。過去に何度も利益率が 4% 台に落ちた実績があり、強気側より厚く 25% に置いた。
悲観 13% 価格競争と需要の落ち込みで、借金が重荷になる 利益 −18 億円 · PBR 0.1 倍 · 株価時価総額 55 円25 億円
建設需要の落ち込みと価格競争で、構造的に負ける。レンタルの数量は 15% 減り、料金の上昇は物価の 6 割にとどまる。稼働率の低下で、償却前の利益率は 28% 台に下がる。
償却費は約 74 億円で減らせず、営業利益は赤字になる。利払いは約 13 億円で、純利益は 18 億円の赤字。10 年の累計で自己資本は大きく削られる。
還元は 15 億円に絞る。会社は存続するが、株主の取り分は小さくなる。値打ちは、稼ぐ力ではなく、売れる資産から負債を引いた残りで測る。
この筋書きでは、会社が中期計画の目標を再び引き下げ、市場も業績の回復を信じなくなる。借り換えの条件が悪化し、賃貸資産の売却や減損で自己資本が削られる。
- レンタル(プラットフォームを含む):数量 34.0(稼働する賃貸足場材の量(万トン、推定))× 価格 8.16(万円/トン・年(レンタル料と運用管理の収入を合わせた単価))→ 売上 277 億円・営業利益 22 億円。数量 0.85 倍・価格 1.20 倍(名目)・償却前利益率 28.5%・償却費 57.0 億円
- 販売:数量 6.6(販売量(万トン換算、推定))× 価格 15(万円/トン(足場材・設備の混合単価))→ 売上 97 億円・営業利益 1 億円。数量 0.80 倍・価格 1.20 倍(名目)・償却前利益率 5.0%・償却費 4.0 億円
- 海外:数量 3.6(取扱量(万トン換算、推定))× 価格 12(万円/トン(販売・レンタルの混合単価))→ 売上 44 億円・営業利益 −3 億円。数量 0.80 倍・価格 1.15 倍(名目)・償却前利益率 4.5%・償却費 4.8 億円
- その他(施工・仮設工事など):数量 1,575(工事・サービスの件数(件、推定))× 価格 180(万円/件(工事・サービスの混合単価))→ 売上 28 億円・営業利益 −1 億円。数量 0.75 倍・価格 1.20 倍(名目)・償却前利益率 3.5%・償却費 2.2 億円
倍率:この筋書きは赤字で、稼ぐ力は 0 に近い。売れる資産の税後から総負債を引いた約 25 億円が床になる。借金が重く、清算しても株主に残るものはわずか。今の自己資本 230 億円に約 0.11 倍を掛けた。
確率:建設需要の落ち込みと価格競争が重なり、借金と償却が重荷になる複合の筋書き。純有利子負債が時価総額を超え、自己資本比率 31% と借金の重さが大きいので、同じ領域のジェコスやワキタより厚い 13% とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
レンタル(プラットフォームを含む)
足場の鉄材を工事会社・足場会社に貸し、日割りの料金を受け取る。顧客の機材を預かる運用管理サービス OPE-MANE の収入を含む。
| 数量稼働する賃貸足場材の量(万トン、推定) | 価格万円/トン・年(レンタル料と運用管理の収入を合わせた単価) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 40.0 | 6.80 | 272 | 42 |
| 10 年後 中立 | 42.0 | 9.11 | 383 | 63 |
取り方:レンタル事業の売上 271.9 億円を、稼働する賃貸足場材 40 万トン(推定。開示は無い)で割った単価。利益は決算のレンタル事業の利益 42.3 億円(償却後)。償却費は約 46 億円と推定。プラットフォーム(売上約 68 億円・利益約 17 億円)は販売・レンタルから抜き出して開示されており、ここに含めた。数量は大型工事と日建リースの網で増え、料金は物価並みに上がる。
販売
足場材、安全設備、次世代足場(Iq システム、スパイダーパネル、リフトクライマー)を売る。
| 数量販売量(万トン換算、推定) | 価格万円/トン(足場材・設備の混合単価) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 8.3 | 12 | 101 | 5 |
| 10 年後 中立 | 8.3 | 16 | 136 | 6 |
取り方:販売事業の売上 101.3 億円を、販売量 8.3 万トン換算(推定)で割った単価。利益は決算の 4.6 億円。償却費は約 3.5 億円と推定。単価は鋼材と物価に連れて上がる。
海外
アジアの現地法人による仮設機材の販売とレンタル。縮小中。
| 数量取扱量(万トン換算、推定) | 価格万円/トン(販売・レンタルの混合単価) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 4.5 | 11 | 47 | −1 |
| 10 年後 中立 | 5.0 | 14 | 68 | 1 |
取り方:海外事業の売上 47.4 億円を、取扱量 4.5 万トン換算(推定)で割った単価。利益は決算の −1.0 億円。償却費は約 4.3 億円と推定。2024 年 3 月期の売上約 79 億円から縮んでおり、再編の途中。
その他(施工・仮設工事など)
仮設工事の計画・施工や、その他の周辺事業。
| 数量工事・サービスの件数(件、推定) | 価格万円/件(工事・サービスの混合単価) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2,100 | 150 | 32 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2,100 | 201 | 42 | 0 |
取り方:連結売上 452.1 億円から、レンタル・販売・海外の合計 420.6 億円を引いた約 31.5 億円(推定)を、件数 2,100 件(推定)で割った単価。利益は 0 とみた(セグメント利益の合計 45.9 億円と連結営業利益 32.7 億円の差 −13.2 億円は全社費用として別に置いた)。償却費は約 2 億円と推定。
リスクと懸念
借り換えによる利払いの増加
純有利子負債は 277 億円で時価総額を超える。今の金利は 1.4% 前後で、借り換えで 3.5% に上がれば年 7 億円の負担増。経常利益が減益予想の理由も、ここにある。
償却費の重さと買い替えのコスト
償却費は年 60 億円で営業利益の約 2 倍。鉄材の買い替えは物価と鋼材の値上がりで高くなる。今ある鉄材の償却は増えないが、新しく買う分は新しい値段で償却が足される。
大型工事の端境期
足元は北海道新幹線の延伸など大型工事の需要が支える。工事が一巡すると稼働率が落ち、固定費の償却が利益を圧迫する。2021 年 3 月期は営業利益率が 4% まで下がった。
競合の再編と資金力
杉孝はオリックス傘下、信和はヤグミを買収、ジェイケイホールディングスは大和ビケサービスを取り込んだ。資金力のある相手が値下げをすれば、レンタル料の改定が続かない。
市場変更に伴う需給
2026 年 3 月 30 日にプライムからスタンダードに移った。インデックスに連動する機関投資家の買いが細り、株価の下支えが弱まる。
海外事業の不振
海外は売上が 79 億円から 47 億円に縮み、営業損益は赤字。撤退や再編の費用が出れば、利益を押し下げる。
人手不足と安全規制
組み立ての職人不足で、工事の進みが遅れると、レンタルの開始が先延ばしされる。事故が起きれば、規制の強化で機材の入れ替えが必要になる。
今後の分かれ目
- 2027 年 3 月期の営業利益が 36 億円を超え、経常利益の減益も小さく収まる
- レンタル料の改定が通り、利払い増を吸収できたとみる。中立の利益率の置き方を見直し、確率を楽観側に寄せる。
- プラットフォーム事業の営業利益が毎年 2 割以上伸び続ける
- 預かり型の関係が堀として働いている証拠。全社の利益率が構造的に上がる。
- 純有利子負債が 200 億円を割り込み、自己資本比率が 35% を超える
- 財務の重さが解けるので、資本コストの借金分(+0.75%)を下げる余地が出る。
- 大型工事が一巡して稼働率が落ち、営業利益率が 5% を割る
- 悲観の筋書きに近づく。借金と償却費が株主の取り分を直撃する。
- 競合が大幅な値下げを始める
- レンタル料の改定が止まり、利益率が山から戻る。確率を悲観側に寄せる。
- 同業の買収を発表する
- 買収額が純有利子負債を大きく増やすなら、利払いの増加とのれんを織り込む。借金分の資本コストを上げる。
見ておくもの
- レンタル事業の稼働率と単価の改定幅
- プラットフォーム事業(OPE-MANE)の預入機材と利益
- 純有利子負債と、借り換えの金利
- 償却費と賃貸資産への投資額
- 営業利益率(2027 年 3 月期の予想 7.5%)
- 競合(杉孝・信和・日綜産業・アルインコ)の動きとレンタル料
- 海外事業の黒字化
倍率と資本コストの決め方
今の株価や PER から筋書きを作らず、賃貸・販売・海外・その他の数量と名目の単価から利益を積み、倍率は利益ベースで置いた。事業の ROE が資本コスト 8.75% に届かない中立は、PER の上限 1÷k(11.1 倍)の約 8 割。償却費は物価で一律に増やさず、費用を『償却前の費用』と『償却』に分けた。今ある鉄材と建物の償却は取得した時の値段のままで、買い替えと新しい拠点の分だけ新しい値段で足される。賃貸の鉄材は約 10 年で入れ替わるため、10 年目の中立の償却費は約 80 億円(今は約 60 億円、1.33 倍)と、ほぼ物価並みになる。更新の投資は鋼材の値上がりで膨らみ、償却を超える分は借入で賄うと見て、中立の利払いは約 9 億円とした(金利 3.5%)。資本コストは基本 7.5% に 1.5% を足した 9.0%。同じ領域のジェコス(8.25%)やワキタ(8.2%)より高いのは、借金が EBITDA の約 3 倍あるため。この領域の業界ノートは未作成なので、市場の見通しは自分で調べ、近い『建機・仮設材のレンタル』の置き方に揃えた。新リース会計基準(2028 年 3 月期ごろ)で営業利益とリース負債の形が変わるが、10 年後の数字は今と同じ形にそろえた。物流拠点の賃借の残高は確かめられていない。結論はやや割高。 2026-10-22 の見直し(R1〜R4)で倍率・時価総額を機械で置き直した(前後は notes/audit/fix_stage2_20261022.csv)。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。k は基本 7.5% に quality +1.5% を足した 9.0%。事業は傾いていないので extra は置かない。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 9.00% → 8.75%。