結論
成友興業は、首都圏の建設現場から出る汚泥、汚染土壌、コンクリートがらを処理し、道路や上下水道も造る会社である。筆者の結論は「やや割高」だ。都市の建て替えが続く限り必要とされる事業だが、将来の成長を支える設備投資と借入まで考えると、現在の時価総額約111億円には十分な安全域がない。
事業の核は、東京・城南島の汚染土壌処理施設と、あきる野の再資源化施設である。廃棄物は遠くへ運ぶほど輸送費が高くつき、許可済みの処理施設を需要地の近くに持つことが競争力になる。さらに2026年には青梅の建設発生土処分場が稼働し、処理できる品目と受入能力が広がった。これはソフトウエアのように容易に複製されない実物の強みだ。
ただし、その強みを独占と取り違えてはいけない。城南島には同種の処理を手掛ける競合がおり、公共工事の受注価格は入札で決まる。2025年9月期には売上約153億円、営業利益約11億円まで伸びたものの、自己資本約54億円に対して純有利子負債は約41億円ある。設備の老朽化、買収した子会社の採算、金利上昇が重なれば、帳簿上の利益ほど自由な現金は残らない。
2028年9月期の会社計画は売上202億円、営業利益17億円、純利益約10億円である。数量計画が伴う点は評価できるが、筆者は10年先にその利益率が自動的に続くとは考えない。中立では新処分場と工事の大型化によって売上は増える一方、更新投資や人件費も増える。確率で重みを付けた現在価値はおおむね90億円前後とみており、株主として長く持つ魅力と、今支払う値段の魅力は分けて判断したい。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の見方では、この会社の魅力は地味な仕事を必要な場所で続けられることにある。汚染土壌を法令どおり処理する仕事は景気に左右されても消えない。需要地から近い許可済み施設、複数の処理方法、再資源化の技術を持つことは、将来の競争相手に対する実物の障壁になる。とりわけ城南島の施設は、都心からの運搬コストを考えると代替先が限られる。
それでも、施設を所有するだけで株主の利益になるわけではない。処理設備は摩耗し、車両を買い替え、環境規制への対応にも費用がかかる。既存設備の減価償却費は昔の取得額のまま計上されるが、将来の建て替え費用は物価と建設費の上昇を反映する。会計上の利益が増えても、更新投資を差し引いたオーナー利益が同じだけ増えるとは限らない。
筆者が特に重視するのは、青梅の新規受入量と城南島の処理単価の実績である。施設が埋まり、値上げ後も顧客が離れず、借入を増やさずに利益を伸ばせれば、増分の資本利益率が資本コストを超えている証拠になる。逆に施設稼働率が低いまま借入と設備だけが増えれば、立地の優位を株主の利益に変えられていない。
資本配分については、買収先を増やして売上を広げる段階から、それぞれの事業が現金を稼ぐ段階へ進めるかが分かれ目だ。売上が伸びても本社費とのれん償却に消える利益が大きければ、買収の成功とは呼べない。自己資本比率が高い会社ではないため、好況期の現金を無理な買収に使わず、返済と適切な配当に配分する規律が欲しい。
事業の存続には相応の確信を持てる一方、10年後の利益率と自由な現金にはまだ大きな幅がある。現在の値段が絶対に高すぎると断定するのではなく、悪い10年にも耐えられるだけの安全域が足りないという評価である。良い事業を保有したい気持ちと、その株式に今いくらまで払えるかは別に考えるべきだ。
何で稼ぐ会社か
成友興業の稼ぎの中心は、建設工事の後始末である。建設会社は汚染土壌や汚泥を法令に従って処理しなければならず、搬出先として許可済みの施設を選ぶ。城南島第一・第二工場では洗浄、不溶化、異物除去などを行い、あきる野ではコンクリートがらや建設汚泥を再資源化する。受入量が増えれば売上が増え、混合廃棄物を減らして再利用先を確保できれば、処理原価も下がる。
2025年9月期の環境事業の外部売上は約84億円で、全社の半分を超える。成友マテリアルワンはコンクリート塊を年間10.7万トン受け入れており、2028年には15万トンを目指す。会社自身も、あきる野のコンクリート塊受入量を2026年の24万トンから2028年に25万トンへ増やす計画だ。青梅では建設発生土の処分を新たに始め、2028年に年間14万トンの受入れを計画している。
建設事業は2025年9月期に約58億円を売り上げた。東京都などが発注する道路舗装、上下水道、河川、街路整備が主な仕事で、木本建興や武蔵野トランスポートなどの子会社が施工地域と工種を補う。受注残は約41億円あり、施工管理技術者の確保が売上を増やすための制約になる。大きな工事ほど売上の規模は増すが、入札価格と外注費の差を管理できなければ利益は残らない。
環境エンジニアリングは、土壌調査から原位置浄化、汚染対策工事までを担う。2025年の売上は約7億円だったが、2026年6月までの9か月で約9億円に伸び、大型の油汚染対策工事が寄与した。測定報告書や事務処理にはAIによる省力化余地がある一方、試料採取、現地調査、施工、汚染物質の除去は現場で行う必要がある。その他の事業は建設現場やイベントの警備であり、売上は約4億円にとどまる。
事業の流れには相互補完性がある。建設工事で発生する廃棄物の性質を知り、処理施設も持ち、土壌対策工事も受注できるためだ。ただし、同じ会社が工事と処理を手掛けることが、外部顧客に対する高い処理単価を保証するわけではない。
優良さと弱いところ
最も評価したいのは、立地と許認可を備えた施設である。東京湾岸で汚染土壌を扱うには、単に土地と機械を買うだけでなく、法令上の許可、取扱品目ごとの処理技術、周辺環境への配慮が必要になる。城南島第一・第二工場は東京都の許可対象施設として掲載されており、同社は再生骨材のJIS認証にも取り組んできた。こうした蓄積は、新規参入者が短期間でまねしにくい。
しかし、価格を自由に決められる会社ではない。城南島ではS.P.E.C.も許可を持つ処理施設を運営しており、排出事業者は処理可能な物質、運賃、受入単価を比べる。2028年までの計画には城南島の平均受入処理単価を引き上げる目標があるが、これは実施済みの値上げ実績とは区別すべきだ。値上げ後にも受入量と顧客が維持されて初めて、価格決定力を確信できる。
資本効率は改善している。2023年から2025年にかけて営業利益率は約5%から7%台へ上がり、ROEも約9%から11%へ伸びた。ただし、環境事業のセグメント利益約15億円に対し、全社ではのれん償却と本社費などを差し引いて約11億円しか残らない。買収した事業の利益を評価するときは、本社費や取得対価を無視できない。
2025年9月期の営業キャッシュフローは約18億円と良好だったが、前年には買収を含む投資で大きく現金を使っている。許認可が長持ちすることと、株主が高い増分投下資本利益率を得られることは別問題である。処理施設の稼働率、更新設備の実際の取得額、買収先の利益率を見なければ、堀が広がっているとは断言できない。
AIエージェント代替の中心的な対象ではない。汚染土壌の処理、舗装、原位置浄化、警備は現場に人と設備が必要だからだ。ただし環境エンジニアリングの報告書作成や管理事務には代替余地があるため、その部分の仕事量と単価を別に評価した。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
需要の土台は、首都圏の都市更新である。建物を解体し、地下を掘り、道路や上下水道を更新すれば、汚泥やコンクリートがらが発生する。環境省によれば、2023年度の全国の建設業からの産業廃棄物排出量は約7,991万トンだった。東京都の2021年度統計では、建設汚泥が約263万トン、がれき類が約568万トンである。東京だけでも両者を合わせて約831万トンという物量があり、処理需要そのものが突然なくなるとは考えにくい。
ただし、これらは同社の直接の販売可能市場ではない。建設汚泥、がれき類、汚染土壌では処理方法と単価が異なり、会社の施設は東京以外にもある。仮に同社グループの年間取扱数量を約54万トンと推定して東京の二品目の排出量と比較すると6%台になるが、地域と品目が一致しないため、これを正式な市場シェアとは扱えない。正確な地域別シェアと競合各社の実処理数量は公表情報から確定できず、今後の数量の見通しには幅を持たせる。
競争相手は、城南島で汚染土壌処理施設を持つS.P.E.C.、土壌汚染調査・対策を手掛けるダイセキ環境ソリューション、廃棄物処理や再資源化を幅広く行うTREグループなどである。これらは地域や処理品目が完全には重ならず、全国売上を比べても同一市場のシェアにはならない。成友興業が競争力を高める道は、首都圏での運搬距離の短さ、処理可能な汚染物質の幅、再資源化先の確保によって受入量を増やすことだ。
数量には追い風と向かい風がある。都心の再開発や老朽インフラの更新は長く続くが、人口減少と建設労働者不足で全工事量が大きく増えるとは限らない。中立では地域の建設廃棄物発生量をおおむね横ばいとみて、会社の処理量増加は青梅の新施設と既存施設の稼働率改善によるシェア取得として考える。再生砕石の滞留やセメント向け改質土の受け入れ先不足は、処理能力があっても販売できない状況を生む。
建設工事では、東京都の公共工事だけでも同社の売上を大きく上回る市場がある。しかし道路舗装、水道、下水、河川の各分野には専門工事会社と大手ゼネコンが多数参加するため、成友興業のシェアは小さい。10年で売上を増やす鍵は市場全体の膨張ではなく、資格者の採用と育成、総合評価点数の向上、共同企業体への参加によって受注可能な案件を増やすことになる。
資本政策と M&A
経営陣の資本配分は、配当より先に設備と買収で事業を広げる姿勢が強い。上場後は木本建興、成友エコプラスワン、成友マテリアルワン、武蔵野トランスポートなどをグループに加え、建設工事の地域と環境処理の品目を広げた。環境事業の利益率改善は評価できるが、買収によって生じたのれんは2025年9月末に約9億円あり、買収額に見合う継続利益を生んだかはまだ見極めの途中だ。
2025年11月17日に公表した2026年9月期から2028年9月期の中期経営計画では、最終年度の売上高202.13億円、営業利益17.27億円、経常利益16.00億円、親会社株主に帰属する純利益9.65億円を目標にしている。環境事業の受入単価引き上げ、青梅の最終処分、コンクリート塊受入量15万トン、建設技術者の増員が主要施策だ。計画本文にはROE、配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い金額について数値目標の約束はない。
一方、有価証券報告書に記された配当方針は配当性向30%程度を目指すというものだ。2025年9月期の実際の配当性向は約19%にとどまるが、配当額は増えており、2026年の株式分割後にも実質増配が発表された。還元強化の意図は認めるものの、30%は達成済みの水準ではない。自己株式取得も継続的な柱とは確認できない。
2025年9月末には純有利子負債が約41億円あり、金利が3%台へ上がる過程では借り換え費用が増す。2026年の増益を受けても、青梅の整備、工場更新、子会社の設備増強が続けば、余剰資金をすぐ配当に使えるわけではない。主要株主への持分集中も強く、少数株主にとっては大型買収の条件と借入の増加を継続して監視する必要がある。
2026年8月には既存株主による立会外分売が行われた。これは流通株式を増やす動きとして捉えられるが、会社自身による自社株買いではない。公開買付けや上場廃止を前提とする確定的な公表は確認できず、直近の四半期決算短信にも継続企業の前提に関する注記はない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
首都圏では高度成長期に建てられた道路、上下水道、建築物の更新が続き、建設廃棄物の処理需要は今後もなくならない。成友興業は城南島に複数の処理施設を持ち、汚染土壌の洗浄、不溶化、がれき類の再資源化を同じ地域で扱える。新たな施設を造るには土地、許認可、近隣との調整が必要であり、顧客は単純に受入単価だけで処理業者を替えられない。現在の工場とノウハウには、帳簿上の機械設備を超える競争価値がある。
青梅の建設発生土処分場は、会社が従来持たなかった最終処分の受入能力を追加する。中期計画では青梅の受入量を2028年に14万トンまで増やし、成友マテリアルワンのコンクリート塊も15万トンを目指す。既存の城南島では処理単価の引き上げと再資源化率の改善に取り組んでいる。数量が増え、受入単価も物価に沿って上がれば、処理費用の固定部分を吸収して利益率が上がりやすい。
建設事業でも、木本建興や武蔵野トランスポートとの連携が進み、技術者の配置や資格取得をグループ全体で進められるようになった。東京都の道路だけでなく水道、下水、河川、大型の共同企業体工事へ領域を広げられれば、受注機会は増える。環境エンジニアリングでは現地調査と施工を組み合わせ、同業他社が処理できない案件を取り込む余地がある。
AIによる代替も、会社の稼ぎの大部分を脅かさない。土壌や廃棄物は現実に運び、測定し、処理しなければならないからだ。報告書作成が省力化されれば人件費削減につながる可能性もある。設備投資を適切に行い、青梅と既存工場の稼働率が上がり続ければ、10年後の利益は現在の数倍に達し、現時点の株式価値を大きく上回る。
慎重な見方
この会社は許認可を持つ処理施設を運営しているが、処理施設を持つことが独占を意味しない。城南島にはS.P.E.C.などの競合が存在する。建設汚泥やコンクリートがらの受入価格には運搬距離と処理可能物質による差があるものの、ゼネコンが複数の処理業者を比較すれば単価の上昇には限界がある。中期計画に書かれた値上げは、実際に実現して顧客を維持できるまでは利益の裏付けにならない。
東京の再開発工事は景気、地価、金利、工期の遅れに左右される。2026年6月までの四半期開示でも、大型再開発の工期遅延で環境事業の受入量が減速したと会社は説明している。市場全体の建設廃棄物量が長期で横ばいなら、新しい処分場を増やした分だけ既存施設の稼働率が下がる可能性もある。再生砕石や改質土の販売先が不足すれば、処理工程の後段が詰まり利益率を落とす。
建設事業は典型的な入札産業である。大型工事を受注するには資格者を集め、建設資材や外注先を確保しなければならない。施工管理技術者の不足が続けば人件費は上がり、契約時に見込んだ利益が工期の延長で消える。工事規模を大きくすることは、損失が一件に集中する危険も同時に高める。
財務も無視できない。2025年9月末の純有利子負債は約41億円で、金利上昇が借り換え費用に反映される。2025年の有形固定資産は約90億円あるが、産業廃棄物処理施設は特殊用途で、帳簿どおりの価格ですぐ売れるとは限らない。買収で生じたのれんにも清算価値は乏しい。設備の補修、土壌対策、資産除去費用まで考えると、自己資本54億円をそのまま悲観時の株主価値の床にはできない。
さらに株主構成の集中と潜在株式の希薄化がある。事業を広げるための新株発行や買収が繰り返されれば、会社全体の利益が伸びても既存株主の取り分は減る。許認可によって会社が存続し続けたとしても、それだけでは今の時価総額を正当化できない。
どちらに重みを置いたか
事業の寿命については前向きな見方が勝る。首都圏の処理施設と現場施工能力は10年先にも必要であり、AIだけで置き換わる性質ではない。しかし、株主に残る利益を巡る議論では慎重な見方が優勢だ。借入、設備更新、買収先の採算、価格交渉力の限界が重なり、成長が必ずしも自由な現金の増加につながらない。確率は楽観側27%、中立35%、慎重側38%とし、下側にやや厚みを持たせた。会社を悲観しているのではなく、実績がまだ短い利益率の改善を10年以上続くものとして扱わないためである。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/09 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 1,798 円153 億円(+ 還元の換算額還元の合計 288 円25 億円)。 今の値に割り戻すと 1,029 円88 億円、今との差 −21.5%、 期待の年率 +5.2%(資本コスト 8.0%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 4,888 円417 億円 | 562 円48 億円 | +316.0% | +16.6% | 491 円42 億円 |
| やや楽観 | 18% | 3,044 円259 億円 | 438 円37 億円 | +165.8% | +11.2% | 627 円53 億円 |
| 中立 | 35% | 2,007 円171 億円 | 303 円26 億円 | +76.4% | +6.3% | 809 円69 億円 |
| やや悲観 | 26% | 359 円31 億円 | 174 円15 億円 | −59.3% | −9.9% | 139 円12 億円 |
| 悲観 | 12% | 122 円10 億円 | 56 円5 億円 | −86.4% | −20.0% | 21 円2 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,798 円153 億円 | 288 円25 億円 | +59.3% | +5.2% | 2,086 円178 億円 |
今の株価時価総額 1,310 円112 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 施設稼働率が上がり、処理能力と施工力が共に拡大 利益 29 億円 · PER 14.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 4,888 円417 億円
青梅の建設発生土処分場が早期に安定稼働し、城南島ではゼネコンからの受入需要が増え、洗浄・不溶化の処理単価引き上げが定着する。あきる野と成友マテリアルワンでも大手ゼネコンからの受入れが増え、再生骨材や改質土の販売先が確保される。収集運搬車両の増強は受入量の増加につながり、固定費の吸収が進む。
建設事業では技術者の増員と資格取得が計画どおり進む。木本建興や武蔵野トランスポートとの連携で、道路舗装に加え、上下水道や河川の大型工事を安定して受注できるようになる。工事単価の上昇が外注費と人件費の増加を上回り、利益率が高まる。環境エンジニアリングも現地調査から施工までの一括受注が増える。
競合のS.P.E.C.やダイセキ環境ソリューションが存在しても、同社は処理可能な品目と運搬の利便性によって顧客を守る。AIによる報告書業務の縮小は限定的で、現場作業と処理能力の拡大がこれを十分に補う。買収先の統合で本社費の増加も抑えられ、借入を過度に増やさずに設備投資と還元を両立できる。
- 環境事業・自社処理施設と建設発生土:数量 72.0(年間受入・処理量(万トン、推定。現行施設と子会社のうち成友マテリアルワンを除く))× 価格 2.75(受入・処理1万トン当たりの平均外部売上(億円。処理品目の構成差を含む))→ 売上 198 億円・営業利益 44 億円。青梅の稼働・城南島の処理単価改善とシェア獲得。処理量は現在推計の約1.67倍。
- 成友マテリアルワン・コンクリート塊処理:数量 20.0(年間コンクリート塊受入量(万トン))× 価格 0.70(受入1万トン当たりの平均売上(億円、運搬・製品構成を含む))→ 売上 14 億円・営業利益 4 億円。2028年目標15万トンを大きく超え、運搬と再資源化先も増強。
- 建設事業・道路舗装・土木・上下水道:数量 85.0(年間の実効施工管理技術者稼働人数(人年、推定))× 価格 1.60(施工管理技術者1人年当たりの工事完成売上(億円、外注施工費を含む))→ 売上 136 億円・営業利益 14 億円。技術者増員と大型工事の高付加価値化がともに成功。
- 環境エンジニアリング・現場調査と浄化施工:数量 32.0(年間の現地調査・浄化施工に相当する案件数(件、換算推定))× 価格 0.65(現場案件1件当たりの平均完成売上(億円))→ 売上 21 億円・営業利益 2 億円。原位置浄化と大型油汚染対策工事の一括受注が定着。
- 環境エンジニアリング・測定報告と事務:数量 40.0(年間の報告・調査事務に相当する案件数(件、換算推定))× 価格 0.03(事務・報告案件1件当たりの平均売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替の下でも案件数を維持するが、事務単価に低下圧力。
- 警備・その他:数量 3.5(年間の現場配置警備員人日(万人日、推定))× 価格 2.60(警備員1人日当たりの請求額(万円))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。現場稼働率と大手顧客比率が改善。
倍率:資本コスト8.0%、10年後ROE約17.9%、通常の堀による超過利益の残存割合1/2からRONIC約12.96%。長期名目成長率g2.5%を使うと正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=約14.675倍。過去や現在の市場PERに依存せず、稼ぐ力の式の上限に置いた。現金余剰の別建て加算はない。営業利益からの純利益換算は過去の約0.59を基本とし、借入金利の上昇による税後の減益約0.65億円を反映している。
確率:青梅の新処分場、城南島の値上げ、再資源化先の確保、技術者採用と買収先の統合が長期にわたり揃って成功する場合。処理施設の立地と許認可が生きるため可能性はあるが、複数の設備投資が同時に高い資本効率を実現する必要があり、確率は1割未満とする。
やや楽観 18% 新処分場と大型工事が予定以上に育つ 利益 19 億円 · PER 13.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3,044 円259 億円
青梅が安定して受入量を増やし、城南島の処理単価も物流費と人件費の上昇に応じて改定される。大手ゼネコンとの取引が拡大し、廃棄物の受入先としての地位が強まる。再資源化の副産物も安定して販売できるため、処理工程に滞留が生じにくい。
建設事業は技術者採用と子会社の連携が進み、現在より多くの公共工事を同時に施工できるようになる。工事単価は上がるが、入札競争があるため利益率は環境事業ほど高くならない。環境エンジニアリングでは大型対策工事を継続して受注し、測定報告の事務工程はAIの普及に合わせて省力化する。
競合との競争は残るものの、城南島の立地と複数の処理手法が価格交渉力を支える。経営陣は買収より既存施設の稼働率改善に資金を振り向け、借入と株主還元の均衡を守る。10年後の利益率は現在より改善するが、処理施設の更新費用と本社費を考慮して、最高の状態が続く筋書きまでは見込まない。
- 環境事業・自社処理施設と建設発生土:数量 64.0(年間受入・処理量(万トン、推定。現行施設と子会社のうち成友マテリアルワンを除く))× 価格 2.60(受入・処理1万トン当たりの平均外部売上(億円。処理品目の構成差を含む))→ 売上 166 億円・営業利益 32 億円。受入量は現在推計の約1.48倍。値上げと稼働率改善が進む。
- 成友マテリアルワン・コンクリート塊処理:数量 18.0(年間コンクリート塊受入量(万トン))× 価格 0.63(受入1万トン当たりの平均売上(億円、運搬・製品構成を含む))→ 売上 11 億円・営業利益 3 億円。15万トン計画の先まで数量が伸び、処理単価も回復。
- 建設事業・道路舗装・土木・上下水道:数量 78.0(年間の実効施工管理技術者稼働人数(人年、推定))× 価格 1.45(施工管理技術者1人年当たりの工事完成売上(億円、外注施工費を含む))→ 売上 113 億円・営業利益 10 億円。有資格技術者の増加と大型案件の比率上昇。
- 環境エンジニアリング・現場調査と浄化施工:数量 26.0(年間の現地調査・浄化施工に相当する案件数(件、換算推定))× 価格 0.62(現場案件1件当たりの平均完成売上(億円))→ 売上 16 億円・営業利益 2 億円。土壌浄化工事の件数と規模がともに拡大。
- 環境エンジニアリング・測定報告と事務:数量 35.0(年間の報告・調査事務に相当する案件数(件、換算推定))× 価格 0.03(事務・報告案件1件当たりの平均売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIにより事務数量が減るが、高難度案件が単価を支える。
- 警備・その他:数量 3.1(年間の現場配置警備員人日(万人日、推定))× 価格 2.40(警備員1人日当たりの請求額(万円))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。現場配置を増やすが、人件費も上昇。
倍率:10年後ROE約12.95%、資本コスト8.0%、通常の堀に基づくRONIC約10.48%。10年より先の成長率2.5%から正当化PERは約13.843倍。楽観側の倍率に任意の減額を加えず、利益・資本効率の差を正当化式へ反映した。純利益には借り換え後の利払い増加を含める。
確率:中計の数量目標をおおむね達成した後、青梅の受入量と建設技術者数がさらに伸びる展開。許認可と新設備の実在が追い風になるが、資本効率の改善が続く確証はまだないため2割未満とする。
中立 35% 設備は育つが、利益の伸びは更新費用で緩やかになる 利益 12 億円 · PER 13.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,007 円171 億円
首都圏の再開発とインフラ更新は続くが、建設廃棄物の発生量全体は大きく増えない。青梅の処分場が軌道に乗り、あきる野と城南島の稼働率も改善することで、成友興業は限られた市場の中で取扱数量を増やす。汚染土壌と建設汚泥の単価はおおむね物価に沿って上がるが、競争があるため処理品目を問わず大幅に値上げできるわけではない。
建設事業では、技術者の採用と育成が継続し、水道、下水、河川工事を含む受注機会が広がる。ただし入札制度と外注費の上昇が利益率を抑える。環境エンジニアリングの現場案件は増える一方、測定報告や資料整理の仕事はAIエージェントが一部を代替し、従来の人手に対する需要は細る。
設備更新費用も増える。既存機械の減価償却は古い取得原価に基づいて続くが、将来新たに取得する設備の償却と現金支出は物価上昇を反映する。経営陣は子会社の統合と運転資金の改善を進め、配当性向30%を長期でおおむね実現する。事業は10年後も十分に必要とされるが、並外れた収益性を持つ独占企業にはならない。
- 環境事業・自社処理施設と建設発生土:数量 56.0(年間受入・処理量(万トン、推定。現行施設と子会社のうち成友マテリアルワンを除く))× 価格 2.45(受入・処理1万トン当たりの平均外部売上(億円。処理品目の構成差を含む))→ 売上 137 億円・営業利益 24 億円。受入量は現在推計の約1.30倍。新処分場の寄与と物価に近い単価上昇。
- 成友マテリアルワン・コンクリート塊処理:数量 16.0(年間コンクリート塊受入量(万トン))× 価格 0.59(受入1万トン当たりの平均売上(億円、運搬・製品構成を含む))→ 売上 9 億円・営業利益 2 億円。2028年の15万トン目標を小幅に超過。単価は長期で現在比約1.33倍。
- 建設事業・道路舗装・土木・上下水道:数量 73.0(年間の実効施工管理技術者稼働人数(人年、推定))× 価格 1.34(施工管理技術者1人年当たりの工事完成売上(億円、外注施工費を含む))→ 売上 98 億円・営業利益 8 億円。技術者の稼働能力は約21%増。大型案件比率と名目工事価格が上昇。
- 環境エンジニアリング・現場調査と浄化施工:数量 23.0(年間の現地調査・浄化施工に相当する案件数(件、換算推定))× 価格 0.47(現場案件1件当たりの平均完成売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。現地施工案件は増えるが、外注費と資格者不足が利益率を抑える。
- 環境エンジニアリング・測定報告と事務:数量 28.0(年間の報告・調査事務に相当する案件数(件、換算推定))× 価格 0.04(事務・報告案件1件当たりの平均売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替による工数需要の縮小。数量0.70倍、価格約1.10倍。
- 警備・その他:数量 2.6(年間の現場配置警備員人日(万人日、推定))× 価格 2.32(警備員1人日当たりの請求額(万円))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。配置人日は横ばい圏。人件費上昇を請求単価に転嫁。
倍率:10年後ROEは12.41億円÷117億円=約10.61%、資本コスト8.0%を上回る。堀を普通とし、超過利益の半分が新規投資でも残るRONIC約9.30%。g_long2.5%を用いた正当化PER=(1−0.025÷0.0930)÷(0.08−0.025)は約13.296倍であり、その上限を採用する。純利益は営業利益に対する過去の換算率約0.59から、金利上昇による税後約0.65億円の負担を控除した。今の株価や過去のPERは計算に使っていない。
確率:首都圏の廃棄物処理需要が長く続き、2028年までの会社の処理量・技術者計画を部分的に引き継げる一方、更新投資、競争、利払いが利益率の改善を抑える筋書き。実物設備と許認可の継続性が高く、最も自然な中心ケースとする。
やや悲観 26% 処理量が伸びず、借入と固定費の重さが表れる 利益 2 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 359 円31 億円
青梅の処分場は稼働するものの、受入数量は想定ほど伸びない。都心の再開発計画が遅れ、建設汚泥と汚染土壌の搬入が不安定になる。城南島ではS.P.E.C.などとの競争が強まり、値上げしても顧客を維持できないため、処理単価は物価の上昇より緩やかにしか上がらない。成友マテリアルワンでも再資源化先の確保が難しく、受入量が伸び悩む。
建設事業では技術者の採用が計画に届かず、共同企業体や大型公共工事への参加機会が限られる。工事価格は上がっても外注費と労務費が同時に上がり、施工利益率は低くなる。環境エンジニアリングでは大型案件の反動が生じ、報告書作成などの事務的な仕事はAIによって縮小する。
処理施設の土地や設備は残るが、維持費、減価償却、本社費、借入金利は需要ほど早く減らない。買収した子会社の統合効果も想定を下回り、利益のほとんどを負債返済と設備保守に使う状態になる。事業の存続自体は可能だが、株主にとっては投下資本に見合う利益が得られない10年になる。
- 環境事業・自社処理施設と建設発生土:数量 46.0(年間受入・処理量(万トン、推定。現行施設と子会社のうち成友マテリアルワンを除く))× 価格 2.25(受入・処理1万トン当たりの平均外部売上(億円。処理品目の構成差を含む))→ 売上 104 億円・営業利益 12 億円。数量は現在から小幅増にとどまり、処理価格は物価に追いつかない。
- 成友マテリアルワン・コンクリート塊処理:数量 12.5(年間コンクリート塊受入量(万トン))× 価格 0.55(受入1万トン当たりの平均売上(億円、運搬・製品構成を含む))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。2028年の15万トン計画を維持できず、運搬コストが上がる。
- 建設事業・道路舗装・土木・上下水道:数量 62.0(年間の実効施工管理技術者稼働人数(人年、推定))× 価格 1.25(施工管理技術者1人年当たりの工事完成売上(億円、外注施工費を含む))→ 売上 78 億円・営業利益 4 億円。施工能力はほぼ横ばい。入札と外注費に利益を圧迫される。
- 環境エンジニアリング・現場調査と浄化施工:数量 16.0(年間の現地調査・浄化施工に相当する案件数(件、換算推定))× 価格 0.40(現場案件1件当たりの平均完成売上(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。現場案件は横ばい。単価交渉が難しく利益率が低下。
- 環境エンジニアリング・測定報告と事務:数量 18.0(年間の報告・調査事務に相当する案件数(件、換算推定))× 価格 0.03(事務・報告案件1件当たりの平均売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替で件数が半分以下に減り、残存する人件費が重い。
- 警備・その他:数量 2.3(年間の現場配置警備員人日(万人日、推定))× 価格 2.16(警備員1人日当たりの請求額(万円))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。稼働日数が減り、物価に見合う単価改定が難しい。
倍率:10年後ROEは約2.4%で資本コスト8.0%を大きく下回る。新たな投資が株主価値を十分に生まないため、長期成長の価値を加えず、純利益÷kの稼ぐ力に相当するPER12.5倍を上限とする。利益2.24億円×12.5倍=時価総額28億円であり、過去の株価やPBRの安値を参照していない。借入金利の上昇と利払いを純利益に織り込んでいる。
確率:下に寄せる理由:2025年時点で純有利子負債が自己資本の約0.76倍あり、青梅と既存設備の更新に資金が必要である。加えて2026年の開示でも大型再開発の工期遅延が受入量に響いており、施設の増設がそのまま増益につながらない展開は十分に想定できる。
悲観 12% 施設と買収先が収益を生まない構造的な後退 利益 −7 億円 · PBR 0.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 122 円10 億円
首都圏の大型再開発が相次いで延期され、建設汚泥や汚染土壌の搬入量が大きく減る。新設した青梅の処分場も予定した数量を集められず、城南島では競合との価格競争が激しくなる。処理設備は動かさなくても保守費と償却費がかかり、再資源化先の不足によって追加の輸送費や保管費も生じる。
建設事業は競争入札で低採算の案件を抱え、工期の延長と外注単価の上昇で利益を失う。施工管理技術者の退職や採用難も重なり、大型案件を受注できる体制が縮小する。環境エンジニアリングは大型工事の受注を失い、事務・分析資料の部分もAIエージェントに置き換わる。警備では現場配置数が減り、人件費を十分に転嫁できない。
経営陣は不採算設備や買収先を整理せざるを得ず、のれんや特殊用途の機械設備に減損が発生する。借入は残るため、資産を売却しても株主に戻る額は限られる。配当は早い段階で縮小または停止し、過去に積み上げた利益のかなりの部分が失われる。会社そのものが直ちに消えるのではなく、許認可と施設を持ちながら収益性を失う構造的な失敗である。
- 環境事業・自社処理施設と建設発生土:数量 32.0(年間受入・処理量(万トン、推定。現行施設と子会社のうち成友マテリアルワンを除く))× 価格 1.90(受入・処理1万トン当たりの平均外部売上(億円。処理品目の構成差を含む))→ 売上 61 億円・営業利益 3 億円。処理量は現在推計の約0.74倍。価格も物価に大幅に遅れる。
- 成友マテリアルワン・コンクリート塊処理:数量 9.0(年間コンクリート塊受入量(万トン))× 価格 0.45(受入1万トン当たりの平均売上(億円、運搬・製品構成を含む))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。受入量が減少し、輸送・処理費用を転嫁できない。
- 建設事業・道路舗装・土木・上下水道:数量 43.0(年間の実効施工管理技術者稼働人数(人年、推定))× 価格 1.12(施工管理技術者1人年当たりの工事完成売上(億円、外注施工費を含む))→ 売上 48 億円・営業利益 0 億円。施工管理技術者が減り、低採算の工事しか残らない。
- 環境エンジニアリング・現場調査と浄化施工:数量 9.0(年間の現地調査・浄化施工に相当する案件数(件、換算推定))× 価格 0.30(現場案件1件当たりの平均完成売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。大型汚染対策案件を失い、固定人員を維持できない。
- 環境エンジニアリング・測定報告と事務:数量 10.0(年間の報告・調査事務に相当する案件数(件、換算推定))× 価格 0.03(事務・報告案件1件当たりの平均売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。AI代替で従来の事務案件の4分の3を失う。
- 警備・その他:数量 1.7(年間の現場配置警備員人日(万人日、推定))× 価格 1.90(警備員1人日当たりの請求額(万円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。人日減少と人件費負担で赤字化。
倍率:継続損失により稼ぐ力の価値が実質的に失われるため、成長PERでは評価しない。今の自己資本54.2億円を基準にPBR0.20倍相当の約10.84億円とする。10年後の自己資本27億円に倍率を掛けて価値を膨らませていない。床の根拠は、現金・回収可能債権・処分可能な不動産と機械の税後価値から借入、仕入債務、契約負債、撤去・環境対策費を控除した約8.8億円であり、時価総額10.84億円はこの床を上回る。のれん8.85億円は換金性がないため床から除外した。過去の最低PBRは根拠に使用していない。
確率:建設工事の減少、処理施設の価格競争、更新費用の増大、買収先の不振が重なり、事業の採算が崩れる場合。首都圏の処理需要自体は消えないため確率を過度に高くしないが、借入と特殊用途資産が多く、少数株主に残る価値が細る危険は無視できない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
環境事業・自社処理施設と建設発生土
城南島の汚染土壌処理と、あきる野のがれき・汚泥再資源化を中心とする受入処理事業。青梅の建設発生土処分は2026年から追加される。
| 数量年間受入・処理量(万トン、推定。現行施設と子会社のうち成友マテリアルワンを除く) | 価格受入・処理1万トン当たりの平均外部売上(億円。処理品目の構成差を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 43.2 | 1.83 | 79 | 14 |
| 10 年後 中立 | 56.0 | 2.45 | 137 | 24 |
取り方:有価証券報告書の環境事業の外部売上83.73261億円から、成友マテリアルワンの単体売上4.75億円を控除した概算。残る売上には成友興業本体と成友エコプラスワンを含む。会社はこの範囲全体の実処理トン数を開示していないため、2026~2028年中計のあきる野24万~25万トン、青梅5.2万~14万トン、城南島の処理能力と稼働状況を照らして2025年を43.2万トンと仮置きした。現時点の処理量は推計であり、売上の単純な逆算を実測値と誤認してはならない。価格は売上78.98261億円÷43.2万トン=1万トン当たり1.8283億円である。東京の建設汚泥・がれき類の排出量計831万トンは市場数量の参考だが、品目・地域が一致せず正式なシェアは算定できない。出典:https://edinetdb.jp/company/E38906/text、https://f.irbank.net/pdf/20251117/140120251112598569.pdf、https://www.seiyukogyo.co.jp/business/plant/index.html
成友マテリアルワン・コンクリート塊処理
コンクリート塊の受入れ、破砕・再資源化、輸送を担う子会社。収集運搬能力の強化と北関東への取引拡大を計画する。
| 数量年間コンクリート塊受入量(万トン) | 価格受入1万トン当たりの平均売上(億円、運搬・製品構成を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 10.7 | 0.44 | 5 | 1 |
| 10 年後 中立 | 16.0 | 0.59 | 9 | 2 |
取り方:2025年11月公表の中期経営計画に、成友マテリアルワンの2025年7月期売上4.75億円と受入量107,000トンが明示されている。平均売上は約4,440円/トン。2028年計画は150,000トン、売上6.20億円なので約4,130円/トンとなり、計画自体は数量増と引き換えに単価が下がる構成である。中立の長期単価には物価上昇の余地を認めるが、この2028年計画との乖離を監視する。営業利益は環境事業の利益から、子会社の開示経常利益を参考に暫定配賦した推定値であり、単独のセグメント営業利益として開示された数字ではない。出典:https://f.irbank.net/pdf/20251117/140120251112598569.pdf
建設事業・道路舗装・土木・上下水道
東京都や自治体を中心とする道路舗装、街路整備、上下水道、河川などの土木工事。木本建興などのグループ会社を含む。
| 数量年間の実効施工管理技術者稼働人数(人年、推定) | 価格施工管理技術者1人年当たりの工事完成売上(億円、外注施工費を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 60.3 | 0.97 | 58 | 5 |
| 10 年後 中立 | 73.0 | 1.34 | 98 | 8 |
取り方:有報の建設事業売上58.45981億円と営業利益5.02678億円を使用。実効施工管理技術者数は全子会社を合わせた完成工事に対応するフルタイム換算として60.3人年を仮置きした推計であり、会社が人数を公表したものではない。年度の工事受注高70.4675億円、受注残41.3032億円という独立した工事需要の証拠がある。中期計画は2028年までの技術者数約1.4倍と、道路に加えて水道・下水・河川への拡大を明示している。売上を人数×完成工事高で近似するため、工事の大型化は単価に、受注を担える人員増は数量に分ける。出典:https://edinetdb.jp/company/E38906/text、https://f.irbank.net/pdf/20251117/140120251112598569.pdf
環境エンジニアリング・現場調査と浄化施工
汚染土壌の現地調査、試料採取、原位置浄化、油汚染除去、解体を伴う対策工事など、現場作業が不可欠な業務。
| 数量年間の現地調査・浄化施工に相当する案件数(件、換算推定) | 価格現場案件1件当たりの平均完成売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 16.0 | 0.33 | 5 | 0 |
| 10 年後 中立 | 23.0 | 0.47 | 11 | 1 |
取り方:2025年9月期の環境エンジニアリング外部売上6.53712億円のうち80%を現場工程と仮定し、売上5.229696億円を平均3,269万円程度の案件16件に相当するものとして表示した。80%という比率、件数、単価は開示値ではなく、会社の施工案件大型化・原位置浄化へのシフトを踏まえた感応度分析用の仮定である。2025年度受注高9.15723億円、受注残3.41925億円、2026年6月までの累計外部売上8.99821億円が、現場案件の実需を確かめる材料になる。出典:https://edinetdb.jp/company/E38906/text、https://financialfilings.com/filings/seiyu-kogyo-coltd/earnings-release/2026/49984895/
環境エンジニアリング・測定報告と事務
分析結果の報告書作成、調査資料の整理、定型的な管理事務など、AIエージェントによって人手を減らせる可能性がある工程。
| 数量年間の報告・調査事務に相当する案件数(件、換算推定) | 価格事務・報告案件1件当たりの平均売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 40.0 | 0.03 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 28.0 | 0.04 | 1 | 0 |
取り方:環境エンジニアリング売上の20%を、AIで省力化され得る書類作成や事務工程へ保守的に配賦した推定である。実際の区分は開示されず、40件と1件約327万円も作業量の近似であって公表実績ではない。AIエージェント代替の区分は『人月・工数で売る調査・情報・事務』とし、中立の10年数量を0.70倍、価格を現在の約1.10倍、10年より先の成長を名目0%とする。現場調査や許認可に関わる法的責任はこの区分に含めず、影響を全社に広げない。
警備・その他
建設工事現場などでの交通誘導・施設警備を中心とする成友セキュリティの事業。
| 数量年間の現場配置警備員人日(万人日、推定) | 価格警備員1人日当たりの請求額(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 2.5 | 1.74 | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2.6 | 2.32 | 6 | 0 |
取り方:有報のその他事業の外部売上4.35766億円、セグメント利益0.20621億円に合わせた。警備の外部売上が中心であるため、年間約2.5万人日、1人日約1.74万円の取引量・単価に近似したが、実際の配置人日と請求単価は非開示である。2028年中計には成友セキュリティ単体の売上7.30億円という目標があるが、連結外部売上と子会社単体売上を混同しない。警備員の現場配置はAIエージェントによる定型事務の代替対象とは分けて扱う。
リスクと懸念
施設の許認可更新と環境責任
汚染土壌の浄化・不溶化には、受入物質と濃度に応じた許可が必要である。処理対象を誤ったり、管理票や排水・粉じん対策で問題が生じたりすれば、操業停止や行政処分が収益を直撃する。城南島第一・第二工場の許可はそれぞれ更新時期が異なるため、更新後の条件と処理可能品目を確認する必要がある。許可を持つこと自体が堀である一方、条件を失えばその堀は消える。
新処分場の稼働率と処理単価の未達
青梅の新規受入量、あきる野のコンクリート塊受入量、城南島の平均処理単価は、中計の成長を支える主要な数字である。需要が遅れれば、施設を持つための維持費だけが残る。競合との価格競争で値上げが通らなければ、受入量が増えても利益率は上がらない。特に青梅は新規事業であり、2028年の年間14万トンという目標を既存実績と同じ確実さでは評価できない。
金利上昇と設備更新
純有利子負債が約41億円あり、借り換え金利が上がれば税後利益が細る。廃棄物処理施設の更新工事は建設費と機械価格の上昇を受けやすい一方、既存設備の減価償却は古い取得原価で計上される。会計上の利益と、設備を維持した後に残る現金が乖離する危険がある。2027年以後の新リース会計基準による使用権資産・リース負債の表示変化も、過年度比較では調整が必要になる。
公共工事の入札、工期遅延、技術者不足
道路、上下水道、河川の大型工事は長期間の受注残を作るが、原価と人員配置を誤れば大きな損失にもなる。官庁の予算が維持されても入札価格は競合で決まり、建設技能者・施工管理資格者の不足は外注費を押し上げる。2026年の四半期開示では再開発工事の遅れが廃棄物受入量にも影響した。建設事業の工期遅延は、環境事業にも同時に波及する。
買収の利益と少数株主の取り分
木本建興、成友エコプラスワン、成友マテリアルワンなどの買収で売上は広がったが、取得に伴うのれんと資金負担も生じている。買収先の利益が本社費や償却を十分に上回らなければ、規模が大きくなっても株主価値は増えない。大株主への持分集中は経営の継続性を支える一方、買収条件や配当の決定に少数株主の声が届きにくくなる可能性がある。
AIエージェント代替(環境調査の事務・報告工程)
AIによる置き換えが懸念されるのは、土壌調査のデータ整理、定型報告書作成、見積事務などの作業量に応じて売る部分である。中立では環境エンジニアリングの約20%を仮にこの型へ分類し、10年間で仕事量を30%減らす。現場採取、浄化施工、警備、廃棄物処理は現物の作業を伴い、同じ減少率を適用しない。会社が実際の事務売上割合を開示していないため、この影響範囲は推定である。
株式の希薄化と還元目標の未達
2024年には株数の増加があり、2026年の四半期決算でも潜在株式調整後の利益指標が基本指標を下回っている。既存株主の取り分は会社全体の純利益だけでは決まらない。また、配当性向30%は方針であって、2025年実績は約19%である。今後の設備投資や借入返済を優先すれば、株主還元が計画どおり増えない可能性がある。
今後の分かれ目
- 青梅の建設発生土受入量が2028年に会社計画の年間14万トンを達成し、その後も伸びたら
- 環境事業の数量前提を上方修正する。ただし新設備の償却・運搬・維持費を控除した増分営業利益率も確認し、単なる受入量の増加だけでは高評価にしない。
- 城南島の平均処理単価が計画に沿って上がり、受入数量と主要顧客が維持されたら
- 値決め力の証拠が強まるため、環境事業の中立利益率と堀の評価を引き上げる。逆に値上げと同時に数量が減る場合は、価格優位を認めない。
- 成友マテリアルワンが年間15万トンの目標に到達しても、売上・利益が計画に届かなかったら
- 運搬費、処理品目、再資源化先の単価を確認し、数量増加が株主利益を増やさない可能性として環境事業の単価と利益率を引き下げる。
- 公共工事の受注残が大きく伸びる一方、建設事業の利益率が5%未満へ落ちたら
- 大型案件の受注能力は認めつつ、外注費・工期・採算管理の問題が残ると判断する。受注残の増加より完成工事利益の改善を重視して中立を修正する。
- 純有利子負債が営業利益の4倍を下回り、設備投資後の営業キャッシュフローから配当を継続できたら
- 財務負担の評価を見直し、資本コストの借金部分を下げる余地が生じる。余剰現金が継続して積み上がり、その株主還元が確認できれば、現金の戻り方も再評価する。
- 工場の許認可、再生骨材の品質認証、改質土の受入先に大きな問題が生じたら
- 売上数量だけでなく処理可能な品目と施設の稼働率を下方修正し、設備減損・撤去費用を含む悲観側の確率を引き上げる。
- 配当性向が30%程度に達し、株数の希薄化を上回る継続的な株主還元が見られたら
- 資本配分への評価を高め、既存株主の取り分と余剰現金の戻り方を見直す。買収のための新株発行が続くなら逆に希薄化を再計算する。
見ておくもの
- 青梅事業所の年間建設発生土受入量と2028年計画14万トンの達成状況
- あきる野事業所のコンクリート塊受入量と稼働率
- 城南島第一・第二工場の平均受入処理単価、受入数量、許認可の更新状況
- 成友マテリアルワンのコンクリート塊受入量、処理単価、再資源化製品の販売先
- 環境事業のセグメント利益率と本社費・のれん償却を含む調整額
- 建設事業の年間受注高、受注残、完成工事利益率、施工管理資格者数
- 環境エンジニアリングの現場工事と報告・事務工程の売上内訳
- 純有利子負債、利息支払額、工場更新投資、営業キャッシュフロー
- 配当性向、自己株式取得、潜在株式数、発行済株式数の変化
- 2028年9月期の会社目標である売上202.13億円、営業利益17.27億円、純利益9.65億円の達成度
倍率と資本コストの決め方
財務、株価、株数の起点は添付のfactsとbriefに従い、2025年9月期の売上153.1億円、営業利益11.4億円、自己資本54.2億円、純有利子負債41.2億円を用いた。2026年6月までの最新四半期実績と2028年の会社計画は、将来の数量を裏付ける資料として扱い、2025年の基準財務数値へ無断で置き換えていない。各事業の数量と単価を分け、受入処理量、コンクリート塊の公表トン数、施工管理人員、現場案件、人日で将来売上を考えた。非開示部分は推定と明示した。
資本コストは8.0%、10年より先の名目成長は2.5%である。楽観から中立までのPERは、将来ROE、増分投下資本の稼ぎ、競争優位の残存割合から導く正当化式の上限そのものを使った。現在や過去のPER・PBRは用いていない。やや悲観では資本コストに届かないROEを踏まえて利益の稼ぐ力だけを評価した。悲観ではのれんを除いた売却可能資産の税後価値を確認し、今の自己資本を基準に株主価値を考えた。
中立の時価総額は約165億円だが、10年後に受け取る価値を現在へ割り引き、他の4つの筋書きと期間中の株主還元を加重すると、現在の約111億円を下回る。潜在株式による既存株主持分の希薄化も別に考慮するため、結論はおおむね2割程度の割高、5段階では「やや割高」である。新リース会計基準の導入によって将来の貸借対照表の表示は変わっても、利益比較は現行の賃借料を費用に含める形にそろえる。物価上昇を既存設備の減価償却へ機械的に掛けず、新しい設備の取得費用と資金負担に反映した。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本資本コスト7.5%に財務負担による0.5ポイントを加えた8.0%。上場規模や株価の変動率による上乗せはしない。