結論
ツナググループ・ホールディングスは、企業のアルバイト・パート採用を代行し、求人媒体の運用から応募受付までを引き受ける会社である。筆者の結論は「やや割高」だ。人手不足が深刻になるほど顧客の採用課題は大きくなるが、その課題を解決するために人が行ってきた作業は、今後10年で大幅に自動化されると考えるからである。
同社は2025年9月期に売上高183億円、営業利益9億円弱まで回復した。支援企業は約3,100社、支援拠点は17万カ所を超え、大企業の採用実務に入り込んでいる。この顧客基盤は軽視できない。採用広告の出稿から応募者対応までを一括して任せられることにも、顧客側の実務上の価値がある。
しかし、2026年9月期の第3四半期累計売上高は前年同期比2.6%減った。自社採用サイトを活用するOMRが伸びても、従来型の求人媒体を利用するPMRの減少を埋め切れていない。公表されている通期売上予想205億円に届くには、最終四半期だけで約72億円が必要になる。2025年9月期の最終四半期売上高約46億円と比べても、計画の達成難度は高い。
10年後には、自社求人サイトの集客支援とスポットワーク媒体が事業を支える一方、従来の採用代行は数量を失うと見込む。現場で人が働く派遣事業には別の強みがあるものの、利益率はまだ低い。5つの筋書きを資本コスト8.25%で評価した現在の本質価値は約43億円であり、基準時点の時価総額約50億円を約14%下回る。成長の可能性を否定する評価ではなく、将来の利益を株主のものとして取り戻せる確実性に対して、慎重な値段を求める判断である。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の見方では、この会社を評価する最初の問いは、人手不足が続くかどうかではない。人手不足を解消するために顧客が支払うお金のうち、10年後も同社が受け取り続けられる部分はどこか、という問いである。採用業務全体を引き受ける便利さは今後も求められるだろう。しかし、求人広告の運用や応募受付を人が処理することに対価を払う仕組みは、技術が進むほど細る可能性が高い。
一方、企業と求職者を実際につなぐ接点は残る。17万を超える拠点への採用支援、ショットワークスの利用者基盤、店舗ごとの採用条件の知識には蓄積の価値がある。アルムニアが、単なる採用管理画面を超えて、勤務経験者が実際に戻って働く場として定着すれば、新しい強みになるだろう。ただし、その価値を証明するには、利用企業の継続率、稼働人数、顧客の採用コスト削減と、同社に残る利益の両方を確かめなければならない。
オーナー利益の面では、会計上の純利益をすべて自由に使える現金とは見なさない。採用支援には顧客営業、コンサルタントの育成、媒体運用、システム保守への継続投資が必要だ。コンビニ店舗や派遣事業にも、人材確保と運転資金が欠かせない。今後は買収資金の調達や借入金利の上昇も考える必要がある。過去の営業キャッシュフローが改善していても、その全額が少数株主に還元できるわけではない。
最も気になるのは、会社の高い成長目標と、実際に資本コストを上回る増分利益との距離である。株主にとって望ましいのは、売上高350億円を達成すること自体ではない。広告の取り扱い額や買収会社の売上高を増やすより、採用成果から適正な対価を取り、必要な再投資を差し引いた現金を増やすことが大切だ。現在の価格には一定の成長期待が残っているため、保守的に評価した本質価値との差は十分ではない。業務の自動化を自社の収益機会へ転換できる証拠が増えたとき、評価を改める余地がある。
何で稼ぐ会社か
収益の中心はヒューマンキャピタル事業である。大手小売、外食、物流、サービス業などの採用部門に代わり、求人広告の媒体選定、原稿作成、応募受付、採用管理、店舗責任者への支援を行う。顧客は求人広告枠そのものだけでなく、採用活動を円滑に回すための運用サービスに対価を払っている。2025年9月期の同事業の報告売上高は139億円、営業利益は18億円だったが、売上高にはセグメント間取引が含まれる。
採用代行の内部では、従来の求人広告を使うPMRから、企業が保有する採用サイトに応募者を集めるOMRへの移行が進む。OMRの主力商品「Findin」は、検索広告や求人検索サービスを使いながら、応募者を企業の採用サイトへ誘導するサービスである。2025年9月期のDXリクルーティング領域の売上高は39億円を超え、前年から35%増えた。2026年9月期の第3四半期累計ではOMRが約35億円に増えた一方、PMRは約37億円に減った。媒体への支出が減り、手数料率や粗利益率が改善しても、会計上の売上高が増えるとは限らない構造である。
独自媒体には、短期・単発アルバイトの「ショットワークス」、コンビニ経験者向けの「ショットワークスコンビニ」、中高年向けの「はた楽求人ナビ」などがある。ショットワークスの登録者数は290万人を超える。こちらは採用代行の人手ではなく、求職者と求人企業が集まる場所自体に価値がある。ただし、累計登録者数は実際に毎月利用する人数ではない。競合サイトへ移りやすい利用者の存在を考えれば、登録者がそのまま継続的な収益源になるとは限らない。
もう一つはスタッフィング事業である。LeafNxTなどを通じた物流・医療・介護向けの人材派遣と紹介に加え、チャンスクリエイターによるコンビニ店舗運営が含まれる。2025年9月期の報告売上高は45億円だったが、営業損失は約1億円だった。こちらは労働者が現場で実際に働く事業なので、採用事務とはAI代替の程度が違う。もっとも、スタッフの募集費、賃金、店舗運営費がかかり、売上高の増加がそのまま利益の増加にはならない。
新しい領域として、過去の勤務経験者を再び採用する「アルムニア」や外国人材の活躍支援を育てている。既存顧客に対して新しいサービスを提供できる余地はあるが、アルムニアは2025年に始まったばかりで、長期の解約率や利益率を判断できる段階ではない。既存の採用代行と新事業を同じ確実性で評価することは避けたい。
優良さと弱いところ
同社の強みは、求人媒体を一つ持っていることではなく、企業の採用実務と求職者の接点を横断していることだ。会社の説明では約3,100社、17.3万拠点を支援し、年間約346万人の応募者を企業につないでいる。従業員1万人以上の企業では、およそ5社に1社が同社のサービスを利用しているという。大企業の店舗ごとの採用事情を知り、複数の採用手段を組み合わせられることは、新規参入企業には容易に再現できない。
ただし、これは強固な独占の証拠とは違う。顧客の採用管理記録を法令上の正本として保持しているわけではなく、乗り換えに年単位の移行期間が必要だという開示もない。解約率が年間5%未満である証拠や、継続的に価格を引き上げても契約を維持できた実績も十分には示されていない。顧客満足度90%という会社調査は前向きな材料だが、満足度と価格決定力は同じではない。
資本効率は改善した。2020年と2021年には赤字を経験したが、2025年9月期の純利益は約5億円に回復し、自己資本利益率は添付データで25.4%に達した。純有利子負債も約マイナス10億円となり、以前の借入依存から脱している。ただし、自己資本そのものが約20億円と小さいため、高いROEだけで事業の堀が厚いとは判断しない。今後の買収や利益留保で自己資本が増えれば、利益が伸びなくてもROEは低下する。
稼いだ利益の再投資先には優劣がある。OMRへの移行は広告媒体への支出を効率化し、顧客当たりの採算を改善する可能性がある。一方、スタッフィング事業では売上高を増やしても赤字が続いた。アルムニアや外国人材支援についても、投じた追加資本が資本コストを超える利益を生む実績はまだ短い。会社全体として、価格を自由に決められる強い堀ではなく、顧客基盤という一定の強みを競争と技術の変化から守り続ける事業だと評価する。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
人材採用市場には、人口減少と人手不足という長期の追い風がある。企業は従業員を集めるための支出を簡単には止められず、採用方法が複雑になるほど外部の専門家を使う理由も生まれる。一方、企業が払う採用費は労働者数だけで決まるわけではない。直接応募、紹介、スポットワーク、社内経験者の再雇用が広がれば、従来の求人広告や応募受付代行に使われる金額は減りうる。
会社の中期計画では、2030年の国内人材関連市場を約16兆円とし、RPO、外国人材、アルムナイの重点市場を合計約1.2兆円と見込んでいる。より狭い採用アウトソーシング市場については、矢野経済研究所が2021年度の主要3市場合計を628億円と推計している。採用代行、採用管理システム、適性検査を含む数字であり、同社の広告出稿を含んだ売上高とは定義が一致しない。このため、同社のPMRとOMRの売上高を単純に割って、厳密な全国シェアとは呼べない。
会社は自らの対象市場におけるシェアを約2.5%と説明している。支援企業数で見ると、大企業への浸透は進んでいるが、中堅・中小企業には未開拓の余地が大きい。一方、競合するリクルート系のIndeed、パーソル、ディップ、ネオキャリアなどは媒体、採用管理、顧客営業のいずれかで大きな規模を持つ。タイミーはスポットワークの求職者と企業を直接結びつける。これら企業の採用代行だけを切り出した比較可能なシェアは公開情報から確定できない。
スタッフィング事業が属する市場はさらに大きい。矢野経済研究所による2024年度の人材派遣市場は9兆3,220億円であり、同社の約45億円の事業規模は市場の0.05%程度にすぎない。市場が大きいことは成長の余地を示すが、規模の経済で優位に立っていることを意味しない。派遣単価の上昇は売上高を押し上げても、人件費が同時に上がれば営業利益率は改善しない。
最大の構造変化はAIエージェント代替である。求人原稿作成、広告入札、応募者への連絡、面接調整、採用データの集計などは、従来は人の工数を必要とした。これらの業務が自動実行されれば、顧客にとって採用活動の価値は残っても、代行会社が請求できる人手の量は減る。OMRも画面操作と広告運用の要素が大きく、完全に安全ではない。独自の応募者接点と現場の派遣業務は比較的残りやすいが、それだけで採用代行全体の減少を相殺できるとは考えない。
資本政策と M&A
2025年8月に公表した中期経営計画「Circular Recruiting」は、2030年9月期の売上高350億円、営業利益28億円、営業利益率8%、ROE40%を目標とする。株主還元については配当性向30%以上、配当と自社株買いを合わせた総還元性向40%以上を掲げ、2026年9月期からの5年間で還元額27億円を計画する。成長投資は約73億円を想定し、営業キャッシュフロー約68億円に加えて借入約20億円も活用する構想である。目標数値は明確だが、買収によって加わる売上高は事業目標に織り込んでいない。
経営陣は事業の買収と整理を繰り返してきた。2024年には医療・介護領域を持つAIGATEキャリアを取得し、アドバンスニュースも子会社化した。2025年にはロジHRの株式を譲渡し、2026年にはアルムニアの拡大に向けてHataLuck and Personと資本業務提携した。NISSOホールディングスとの資本業務提携も継続しており、同社は2025年9月末時点で議決権の約19%を保有する関係会社である。完全子会社化やTOBが決まっている事実は確認できないため、買収される期待を現在の価値には加えない。
過去の資本配分は改善と失敗が混在する。財務の借入依存を縮小し、2025年9月期には約2億円の自己株式を取得した。配当も2022年以降増加している。一方、買収した派遣事業の採算は厳しく、一部子会社には債務超過が残った。純利益の増加だけでなく、投じた買収資金がどれだけ追加の現金利益を生んだかを確認する必要がある。
2026年9月期には配当の増額を予定し、500株以上を半年以上保有する株主へのデジタルギフト制度も拡充した。優待費用は対象者数が非開示のため、年間1,500人に8,000円を支給する仮定で年間約0.12億円、10年間で約1.2億円を株主還元に含めた。対象者数が増えれば費用も変わる。新中計の総還元性向40%以上という方針は評価するが、成長投資と買収を優先する中で、実際にどれだけ株主へ資金が戻るかは継続的に検証したい。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
日本の人手不足は一時的な景気循環ではなく、人口構造による長期の問題である。採用担当者が減り、店舗数の多い企業ほど本部で採用業務を一括管理する必要が高まる。同社はすでに約3,100社、17万を超える拠点と取引しており、大手企業への導入実績も持つ。会社の対象市場に対するシェアは約2.5%にとどまるため、既存顧客での取扱範囲を広げ、中堅企業へ営業を拡大する余地がある。
OMRへの移行も必ずしも悪材料ではない。従来の広告媒体への支出が減って会計上の売上高が縮んでも、会社側の説明ではOMRの粗利益率はPMRより高い。採用成果を改善しながら顧客の広告費を下げられるなら、顧客満足度と利益率を同時に高められる。2026年9月期の第3四半期累計でも、OMRの伸びによって採用支援の収益構造は改善している。採用業務の自動化によって必要な人員を減らせれば、収益性をさらに高めることも可能だ。
ショットワークスは登録者290万人という独自の求職者基盤を持つ。アルムニアも、顧客企業が過去に採用した人を再活用する仕組みであり、成功すれば既存の求人広告では得られなかった価値を生む。外国人材支援、医療・介護派遣、物流現場の人材確保も、実際に人が働く需要である。大手企業とすでに契約を持つ同社には、これらを追加販売する入口がある。
2025年9月期には売上高、営業利益が過去最高水準となり、純現金も厚くなった。総還元性向40%以上という中期計画の約束は、利益の拡大を株主価値へ結びつける姿勢を示している。今後の買収先で不採算部分を整理し、派遣事業が安定黒字に転換すれば、現在の小さな利益規模に対して大きな改善余地が生まれる。採用市場の中で、広告代理から成果重視の支援へと進化できる可能性を過小評価するべきではない。
慎重な見方
人手不足と採用代行会社の成長を同一視してはいけない。顧客が求めているのは人を採る成果であり、応募受付や広告原稿作成に人手を使うことではない。AIエージェントが求人内容の生成、応募者との連絡、面接予約、広告予算の調整を自動化すれば、顧客は外部委託する作業量を減らせる。コンサルタントや運用担当者が数年かけて習得した技能の一部は、汎用的なAIサービスで代替される可能性がある。
すでに顧客の求人予算は従来のPMRからOMRに移り始めている。これは会社が変化へ対応できている証拠でもあるが、広告運用の対象が変わっただけで、独占的な技術を手に入れたわけではない。検索広告や求人検索サービスの仕様変更によって、集客手法は簡単に変わる。Indeed、リクルート、ディップ、パーソルなど、顧客や求職者への接点を持つ大手企業が自動化を進めれば、同社の手数料を払わなくても採用できる領域が広がる。
ショットワークスにも強い競争がある。累計登録者数290万人という数字だけでは、実際の稼働者数や繰り返し利用する割合は分からない。タイミーのように就業実績を伴うマッチング基盤が広がれば、求職者はより多くの募集や早い支払いを求めて移動する。アルムニアについても、企業が自社の退職者情報を保有し、汎用的な仕組みで再雇用できるようになれば、同社が取り続けられる手数料には限界がある。
財務の改善は評価できるが、過去には2020年から2021年にかけて連続赤字を経験した。現在も派遣事業は利益率が低く、買収した子会社には採算の問題が残る。2026年9月期の第3四半期累計売上高は前年割れで、通期計画の達成には最終四半期の大幅な売上増加が必要だ。2030年の高い目標に合わせて買収や採用を急げば、過去の財務改善を逆回転させかねない。現在のROEが高いからといって、今後10年も同じ利回りで資本を再投資できるとは限らない。
どちらに重みを置いたか
顧客との接点と現場の採用課題に関しては、事業を支持する材料が多い。しかし、売上高の中心である採用業務代行と広告運用が、AIによって数量を減らす構造的な問題は重い。2026年9月期のPMR減収と会社計画への低い進捗も、この会社に固有の不確実性である。
そのため、楽観とやや楽観を合わせた確率28%に対し、やや悲観と悲観には41%を配分した。下に寄せる理由は、人手不足が続いても請求可能な工数が減ること、独自媒体の利用者基盤が十分な独占を生んでいないこと、スタッフィング事業がなお薄利であることだ。ただしAIによる縮小は中立の数量と長期成長率にも反映しており、資本コストの寿命項目で重ねて罰していない。最終的には現在の評価を約14%下回る本質価値となり、判定はやや割高である。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/09 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 773 円64 億円(+ 還元の換算額還元の合計 247 円21 億円)。 今の値に割り戻すと 516 円43 億円、今との差 −15.4%、 期待の年率 +6.1%(資本コスト 8.3%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 2,056 円171 億円 | 528 円44 億円 | +323.6% | +18.3% | 258 円22 億円 |
| やや楽観 | 18% | 1,373 円114 億円 | 372 円31 億円 | +186.1% | +12.9% | 314 円26 億円 |
| 中立 | 31% | 748 円62 億円 | 269 円22 億円 | +66.6% | +6.2% | 315 円26 億円 |
| やや悲観 | 25% | 267 円22 億円 | 144 円12 億円 | −32.7% | −4.6% | 103 円9 億円 |
| 悲観 | 16% | 138 円12 億円 | 48 円4 億円 | −69.5% | −12.4% | 30 円2 億円 |
| 加重平均 | 100% | 773 円64 億円 | 247 円21 億円 | +67.2% | +6.1% | 1,020 円85 億円 |
今の株価時価総額 610 円51 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 顧客基盤を守り、媒体と現場事業で収益性を高める 利益 14 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,056 円171 億円
人手不足が続く中、ツナググループは採用業務を単純に代行する会社から、企業が採用したい人材を実際につなぐ会社へ移行する。顧客企業との既存契約が新サービスの販売先となり、ショットワークスの利用者基盤が維持・拡大する。アルムニアは退職者の再就業という独自の価値を提供し、物流や小売の複数拠点で利用される。
PMRとOMRではAIによる運用工数の減少が避けられないが、同社自身が業務を効率化し、顧客の採用費削減に応じて適切な報酬を獲得する。広告運用による数量成長は過大に見込まず、利益率の改善が価値を生む。独自媒体の求職者接点は約383万人相当となり、現場派遣では受注量が増える。コンビニ運営と派遣紹介の赤字も解消する。
買収は外国人材や現場の採用に絞り、採算の悪い案件への資金投入を避ける。2025年から10年間の純利益合計は約90億円に達し、そのうち約44億円が配当、自社株買い、優待として株主に戻る。2036年には営業利益が約25億円、純利益が14億円となり、利益を生む力は現在を大きく上回る。
- 従来型RPO・ペイドメディア採用支援:数量 1,656(年間支援先契約企業数(社・延べ換算、会社全体の支援社数からの推定))× 価格 0.04(契約企業1社当たり年間売上高(億円、媒体取扱分を含む))→ 売上 60 億円・営業利益 7 億円。RPO工数型の数量は現在の0.92倍にとどまるが、案件の選別と運用効率化で利益率を改善。
- オウンドメディア採用支援・Findin:数量 850(年間支援先契約企業数(社・延べ換算、推定))× 価格 0.06(契約企業1社当たり年間売上高(億円))→ 売上 51 億円・営業利益 13 億円。契約社数は現在並み、名目単価1.30倍。成果の改善と効率化が粗利益率に寄与。
- ショットワークス・求人専門媒体:数量 3,828,000(登録求職者数を用いた年間利用者接点相当数(人・登録者基準の代理指標))× 価格 0.00(登録者1人当たり年間売上高換算額(億円、実際の利用料金ではない))→ 売上 53 億円・営業利益 13 億円。求職者接点相当数1.32倍、名目単価1.34倍。独自媒体の稼働率改善が実現。
- 周辺採用支援・アルムニア・外国人材関連等:数量 332(年間契約・支援案件数(件、複数サービスをまとめた推定))× 価格 0.04(案件1件当たり年間売上高換算額(億円))→ 売上 14 億円・営業利益 2 億円。工数型の案件数は0.95倍。新事業は売上高以上に顧客単価と採算で寄与。
- 人材派遣・紹介・コンビニ店舗運営:数量 222,200(派遣料金8時間勤務換算の人日相当数(人日、店舗売上も含む規模の代理指標))× 価格 0.00(8時間勤務換算1人日当たり売上高(億円))→ 売上 79 億円・営業利益 4 億円。現場の稼働数量1.25倍、単価1.40倍。人材確保費用を吸収して黒字化。
倍率:k8.25%、g_long0%。ROEは14.0÷66.1=21.2%でkを上回るが、AI代替により2036年以降の名目成長をゼロとみるため、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷0.0825=12.12倍。楽観側も上限そのものとし、ROEの高さを別の倍率上乗せには使わない。余剰現金3億円については税後利息0.042億円を利益から除き、戻り方0.75を掛けた2.25億円を別に加える。
確率:採用業務の自動化が進む中でも、顧客との関係、独自媒体への求職者流入、現場人材の確保を同時に維持する必要がある。利益率は改善するが、RPOの工数収入そのものは大幅な数量成長を見込まないため、実現確率を10%とする。
やや楽観 18% 採用代行の縮小を高採算サービスが補う 利益 9 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,373 円114 億円
採用業務代行では、原稿作成や応募受付をAIエージェントが行うため、人の工数を売る事業は縮小する。それでも既存顧客は企業横断の採用管理や媒体ごとの成果比較を必要とし、同社は支援先との関係を維持する。PMRからOMRへの移行が進むことで、広告媒体への支出を抑えた高採算の取引が増える。
ショットワークスはタイミーなどとの競争を受けながらも、コンビニ経験者や短期就業希望者といった得意分野を守る。新規利用者の獲得費用は上昇するものの、既存の登録者を再び利用してもらう仕組みが収益を支える。アルムニアと外国人材支援は一部顧客で定着するが、会社計画どおりの急拡大には至らない。
スタッフィング事業では価格改定と案件選別が進み、恒常的な赤字から抜け出す。買収先の統合費用は残るが、無理な売上拡大より利益を優先する。2036年の売上高は約216億円、営業利益は16億円台となり、売上高の伸びを上回る利益改善が株主価値を支える。10年間の純利益累計約68億円から31億円を株主へ戻す。
- 従来型RPO・ペイドメディア採用支援:数量 1,404(年間支援先契約企業数(社・延べ換算、会社全体の支援社数からの推定))× 価格 0.03(契約企業1社当たり年間売上高(億円、媒体取扱分を含む))→ 売上 49 億円・営業利益 5 億円。契約数量0.78倍、価格1.10倍。従来広告の縮小は避けられない。
- オウンドメディア採用支援・Findin:数量 748(年間支援先契約企業数(社・延べ換算、推定))× 価格 0.06(契約企業1社当たり年間売上高(億円))→ 売上 43 億円・営業利益 10 億円。契約数量0.88倍、単価1.25倍。高採算の案件が残る。
- ショットワークス・求人専門媒体:数量 3,248,000(登録求職者数を用いた年間利用者接点相当数(人・登録者基準の代理指標))× 価格 0.00(登録者1人当たり年間売上高換算額(億円、実際の利用料金ではない))→ 売上 44 億円・営業利益 9 億円。独自媒体の利用接点1.12倍、価格1.30倍。
- 周辺採用支援・アルムニア・外国人材関連等:数量 301(年間契約・支援案件数(件、複数サービスをまとめた推定))× 価格 0.04(案件1件当たり年間売上高換算額(億円))→ 売上 13 億円・営業利益 2 億円。工数型を中心に数量0.86倍、単価1.30倍。
- 人材派遣・紹介・コンビニ店舗運営:数量 195,536(派遣料金8時間勤務換算の人日相当数(人日、店舗売上も含む規模の代理指標))× 価格 0.00(8時間勤務換算1人日当たり売上高(億円))→ 売上 67 億円・営業利益 2 億円。現場の数量1.10倍、名目単価1.36倍。薄利ながら安定黒字。
倍率:事業のROEは約16.3%、k8.25%、長期g0%。工数型事業の利益寿命をg_longに反映済みなので、正当化PERは1÷kの12.12倍となる。期間中に形成した利益は純利益9.3億円に反映し、倍率には別の成長を上乗せしない。余剰現金3億円の税後利息を外し、戻り方0.75の資産価値を加える。
確率:OMRと独自媒体の採算改善には実績があり、派遣事業にも価格改定の進展が見られる。ただし、採用代行の契約数量縮小をすべて相殺するには複数事業での実行が必要で、18%とする。
中立 31% 採用代行の数量は縮み、現場と独自媒体が下支えする 利益 5 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 748 円62 億円
2036年になっても企業は採用に苦労する。しかし、採用業務の多くは10年前と違う方法で処理されている。求人原稿は自動生成され、応募者への連絡や面接日程の調整もAIエージェントが担う。大企業は採用方針の設計や複数店舗の運用管理を外部へ任せ続けるが、手作業で請求できる仕事は明らかに減る。
PMRの契約数量は現在の63%、OMRは70%となる。OMRは従来媒体より採算の良い案件を残すため、売上高が縮んでも一定の利益を確保する。ショットワークスは得意分野の利用者を守るが、タイミーなどの大規模基盤との競争により、利用者接点は現在の9割程度となる。媒体の価格には一定の物価上昇を反映するものの、競争で完全な転嫁はできない。
スタッフィング事業は現場の人数に対する需要が残り、名目賃金の上昇を反映して売上高が増える。ただし、賃金と採用費も上昇するため利益率は薄い。買収と新サービスは事業を補強するが、大きな利益の柱には育たない。全社売上高は約175億円、営業利益は約9億円となる。10年間で約53億円の純利益を稼ぎ、配当、自社株買い、優待を合わせて約22億円を還元する。
- 従来型RPO・ペイドメディア採用支援:数量 1,134(年間支援先契約企業数(社・延べ換算、会社全体の支援社数からの推定))× 価格 0.03(契約企業1社当たり年間売上高(億円、媒体取扱分を含む))→ 売上 38 億円・営業利益 4 億円。人月・広告運用型。数量0.63倍、価格1.06倍。単価は物価上昇に追い付かない。
- オウンドメディア採用支援・Findin:数量 595(年間支援先契約企業数(社・延べ換算、推定))× 価格 0.06(契約企業1社当たり年間売上高(億円))→ 売上 33 億円・営業利益 7 億円。広告運用型。数量0.70倍、価格1.20倍。粗利益率改善は残る。
- ショットワークス・求人専門媒体:数量 2,610,000(登録求職者数を用いた年間利用者接点相当数(人・登録者基準の代理指標))× 価格 0.00(登録者1人当たり年間売上高換算額(億円、実際の利用料金ではない))→ 売上 34 億円・営業利益 6 億円。独自媒体型。利用者接点0.90倍、価格1.25倍。AI検索による流入減を含む。
- 周辺採用支援・アルムニア・外国人材関連等:数量 256(年間契約・支援案件数(件、複数サービスをまとめた推定))× 価格 0.04(案件1件当たり年間売上高換算額(億円))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。工数型中心。数量約0.73倍、価格1.25倍。新規事業の利益貢献は限定的。
- 人材派遣・紹介・コンビニ店舗運営:数量 177,760(派遣料金8時間勤務換算の人日相当数(人日、店舗売上も含む規模の代理指標))× 価格 0.00(8時間勤務換算1人日当たり売上高(億円))→ 売上 59 億円・営業利益 1 億円。現場業務型。数量1.00倍、価格1.32倍。賃金上昇により利益率改善は限定的。
倍率:純利益5億円、自己資本50.7億円から2036年ROEは約9.9%。k8.25%を上回るが、2036年より先の全社成長はAI代替による工数縮小を考慮して名目0%とする。RONIC=k+弱い堀の残存割合3分の1×(ROE−k)から計算しても、g0%では正当化PERは1÷k=12.12倍となる。上限を手で割り引かない。余剰現金3億円からの税後利息0.042億円を純利益から控除し、株主への戻り方0.75を掛けた現金価値を足す。
確率:AIエージェント代替で工数型採用支援の数量が減る一方、同社の大企業顧客基盤と独自媒体が一定の需要を維持するという中心的な見通しである。下に寄せる理由:2026年9月期のPMR減収、通期計画への進捗の低さ、派遣事業の薄利、独自媒体に独占的な価格決定力が確認できないことを重視する。
やや悲観 25% 顧客の自動化が進み、採用代行の採算が細る 利益 2 億円 · PER 11.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 267 円22 億円
大手顧客はAIエージェントを採用し、求人原稿の生成、応募受付、面接調整、広告入札の大半を自社で行うようになる。ツナググループとの契約をすべて解消するわけではないが、業務をまとめて委託する必要は減り、契約範囲の縮小や単価交渉が進む。PMRとOMRの契約数量は現在の半分前後まで減少する。
ショットワークスには単発就業の需要が残るものの、より規模の大きいマッチングサービスとの競争によって応募者の獲得費用が増える。アルムニアは一部の物流企業や小売企業で使われるが、顧客の自社採用システムと汎用的な人材データ管理サービスも進歩し、広範な導入には至らない。外国人材支援も手続きの自動化によって事務手数料が下がる。
派遣事業では実際の労働需要が残るが、スタッフ獲得費用と賃金が上昇して採算改善を妨げる。会社は固定費を削減し、買収や採用を抑えることで赤字を回避する。売上高は約145億円まで縮み、営業利益は3億円台となる。配当と自社株買いも利益に合わせて縮小し、10年間の株主還元は12億円程度にとどまる。
- 従来型RPO・ペイドメディア採用支援:数量 936(年間支援先契約企業数(社・延べ換算、会社全体の支援社数からの推定))× 価格 0.03(契約企業1社当たり年間売上高(億円、媒体取扱分を含む))→ 売上 31 億円・営業利益 2 億円。工数数量0.52倍、単価1.05倍。顧客の内製化が進む。
- オウンドメディア採用支援・Findin:数量 510(年間支援先契約企業数(社・延べ換算、推定))× 価格 0.05(契約企業1社当たり年間売上高(億円))→ 売上 27 億円・営業利益 4 億円。数量0.60倍、単価1.13倍。広告運用費の値下げ圧力が強い。
- ショットワークス・求人専門媒体:数量 2,175,000(登録求職者数を用いた年間利用者接点相当数(人・登録者基準の代理指標))× 価格 0.00(登録者1人当たり年間売上高換算額(億円、実際の利用料金ではない))→ 売上 26 億円・営業利益 3 億円。利用者接点0.75倍、価格1.15倍。大規模媒体との競争で採算低下。
- 周辺採用支援・アルムニア・外国人材関連等:数量 193(年間契約・支援案件数(件、複数サービスをまとめた推定))× 価格 0.04(案件1件当たり年間売上高換算額(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。案件数は現在の約0.55倍。新サービスも採用事務の自動化に影響される。
- 人材派遣・紹介・コンビニ店舗運営:数量 163,539(派遣料金8時間勤務換算の人日相当数(人日、店舗売上も含む規模の代理指標))× 価格 0.00(8時間勤務換算1人日当たり売上高(億円))→ 売上 54 億円・営業利益 1 億円。現場数量0.92倍、名目価格1.30倍。人件費と採用費の上昇で薄利。
倍率:ROEは約5.0%でk8.25%を下回る。長期g0%のため稼ぐ力のPER上限は1÷k=12.12倍だが、契約数と収益性が低下した状態では11.0倍とする。余剰現金は事業再編による取り崩しを考えて2.25億円とし、税後利息0.0315億円を除いてから戻り方0.75を適用する。時価総額は約22.24億円であり、事業の純利益による稼ぐ力と現金価値の範囲内である。
確率:媒体運用から応募者対応まで顧客がAIで内製化し、求人検索プラットフォームとの競争も強まる可能性がある。現場派遣と独自媒体が残るため全面崩壊には至らないが、従来の利益率を保ちにくくなる筋書きとして25%を配分する。
悲観 16% 採用代行が構造的に失われ、残る資産で支える 利益 0 億円 · PBR 0.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 138 円12 億円
顧客企業は応募者対応、広告運用、採用管理を社内のAIエージェントに統合する。ツナググループの採用代行は、人の判断や複雑な例外処理が必要な一部の仕事だけを受け持つ事業へ縮小する。PMRとOMRの契約数量は現在の半分以下となり、広告運用の値上げもほとんど通らない。顧客の採用成果への貢献は残るが、請求可能な仕事が少なくなる。
ショットワークスはタイミーなどの大規模な就業マッチング基盤に利用者を奪われ、媒体の利用者接点は現在の55%に低下する。アルムニアの利用企業も期待ほど増えず、退職者情報の管理機能は顧客自身のシステムへ組み込まれる。外国人材支援やコンサルティングは一部残るものの、手続きの自動化と価格競争により利益率が低下する。
人手が必要な派遣事業も、採用費の上昇や人件費の負担によって再び赤字となる。会社は事業売却と大幅な管理費削減を行い、途中の年度では再び損失を計上する。過去の累積利益は事業再編費用に食われ、10年後の自己資本は現在と同程度に戻る。売上高は約93億円、純利益は約0.4億円にとどまる。市場が評価するのは過去の成長実績ではなく、清算せずに守れる有形の資産とわずかな事業の残存価値である。
- 従来型RPO・ペイドメディア採用支援:数量 630(年間支援先契約企業数(社・延べ換算、会社全体の支援社数からの推定))× 価格 0.03(契約企業1社当たり年間売上高(億円、媒体取扱分を含む))→ 売上 20 億円・営業利益 1 億円。数量0.35倍、単価据え置き。採用事務の大半が自動化される。
- オウンドメディア採用支援・Findin:数量 357(年間支援先契約企業数(社・延べ換算、推定))× 価格 0.05(契約企業1社当たり年間売上高(億円))→ 売上 17 億円・営業利益 2 億円。数量0.42倍、単価1.04倍。検索広告運用の付加価値が低下。
- ショットワークス・求人専門媒体:数量 1,595,000(登録求職者数を用いた年間利用者接点相当数(人・登録者基準の代理指標))× 価格 0.00(登録者1人当たり年間売上高換算額(億円、実際の利用料金ではない))→ 売上 17 億円・営業利益 1 億円。利用者接点0.55倍、単価1.05倍。大規模競合へ利用者が流出。
- 周辺採用支援・アルムニア・外国人材関連等:数量 140(年間契約・支援案件数(件、複数サービスをまとめた推定))× 価格 0.04(案件1件当たり年間売上高換算額(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。案件数0.40倍。周辺サービスにも自動化と顧客内製化が進む。
- 人材派遣・紹介・コンビニ店舗運営:数量 115,544(派遣料金8時間勤務換算の人日相当数(人日、店舗売上も含む規模の代理指標))× 価格 0.00(8時間勤務換算1人日当たり売上高(億円))→ 売上 34 億円・営業利益 0 億円。現場数量0.65倍、単価1.15倍。固定費と人材確保費用を吸収できない。
倍率:ROE約2.0%はk8.25%を大幅に下回り、純利益0.4億円を資本化しても事業価値は約4.85億円にすぎない。したがって残る価値は稼ぐ力ではなく換価可能な資産で測る。2025年9月期の現在の自己資本20.1億円から無形固定資産約7.28億円と回収費用約1.3億円を差し引いた税後の資産床11.5億円が根拠であり、11.5÷20.1=0.57214倍と表す。過去の株価やPBRの底は使わず、10年間に利益の累計と減損・還元が相殺されて自己資本が現在並みに戻る筋書きと整合させた。
確率:汎用AIが採用事務の大部分を代替し、求人媒体では競合のネットワーク効果に敗れる複合的な失敗を想定する。2020〜2021年に赤字を経験した事実から、需要減少と固定費負担が重なるリスクを無視できず、16%とする。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
従来型RPO・ペイドメディア採用支援
求人広告媒体の選定、広告出稿、応募受付、採用事務の代行。媒体費と人の運用工数が売上高に大きく影響する。
| 数量年間支援先契約企業数(社・延べ換算、会社全体の支援社数からの推定) | 価格契約企業1社当たり年間売上高(億円、媒体取扱分を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 1,800 | 0.03 | 57 | 5 |
| 10 年後 中立 | 1,134 | 0.03 | 38 | 4 |
取り方:2026年9月期第3四半期説明資料に示された前年同期間のPMR売上高44.79億円を12カ月相当に延ばすと約59.7億円となる。2025年9月期の報告セグメント合計と連結売上高との差である内部取引消去約2.85億円を保守的にこの区分から控除し、連結ベースの推定売上高56.85億円とした。支援企業約3,100社のうち延べ1,800社がこの方式を使うと仮定して単価を求めた。方式別の契約社数と営業利益は非開示のため推定であり、実測値ではない。AIエージェント代替の型は『人月・工数で売るRPO・広告運用』で、中立数量を10年で0.63倍、価格を1.06倍とする。
オウンドメディア採用支援・Findin
顧客が保有する求人サイトへの集客、検索広告の運用、応募導線の改善を担う。従来型媒体への支出を減らしながら採用を支援する。
| 数量年間支援先契約企業数(社・延べ換算、推定) | 価格契約企業1社当たり年間売上高(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 850 | 0.05 | 39 | 8 |
| 10 年後 中立 | 595 | 0.06 | 33 | 7 |
取り方:2025年9月期有価証券報告書のDXリクルーティング領域売上高39.43億円を採用した。会社全体の約3,100社の顧客のうち850社が年間契約すると仮定し、1社当たり約464万円を算出した。2026年9月期第3四半期累計のOMR売上高は約34.7億円で前年同期から増加したが、方式別契約社数は非開示である。主力は広告運用と採用サイトへの集客なので、独自データを持つ『記録の正本』とは認めず、AIエージェント代替の広告運用・工数型とする。中立数量は0.70倍、単価は1.20倍とする。
ショットワークス・求人専門媒体
短期・単発アルバイト向けショットワークス、コンビニ経験者向け媒体、中高年向け求人媒体などの自社媒体を運営する。
| 数量登録求職者数を用いた年間利用者接点相当数(人・登録者基準の代理指標) | 価格登録者1人当たり年間売上高換算額(億円、実際の利用料金ではない) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 2,900,000 | 0.00 | 30 | 5 |
| 10 年後 中立 | 2,610,000 | 0.00 | 34 | 6 |
取り方:2025年9月期有報のセグメントメディア領域売上高30.12億円と、会社サービス案内のショットワークス登録者290万人を使用した。30.12億円を290万人で割った約1,039円は登録者当たりの売上高換算値であり、課金単価や年間稼働者数の実測値ではない。実際には応募課金、求人掲載など複数媒体の収益が含まれるため、10年後の数量を登録者基準の利用接点相当数として扱う。自社媒体・プラットフォーム型で中立数量0.90倍、名目価格1.25倍とし、AI検索による直接流入減少も考慮する。
周辺採用支援・アルムニア・外国人材関連等
採用支援の周辺サービス、研修、外国人材の活躍支援、勤務経験者の再雇用支援、その他小規模事業を含む。
| 数量年間契約・支援案件数(件、複数サービスをまとめた推定) | 価格案件1件当たり年間売上高換算額(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 350 | 0.03 | 11 | 1 |
| 10 年後 中立 | 256 | 0.04 | 10 | 1 |
取り方:2025年9月期ヒューマンキャピタル事業の報告売上高139.14億円から、内部取引消去前のPMR推定59.70億円、OMR39.43億円、専門媒体30.12億円を差し引いた約9.89億円に、報告上のその他事業売上高約1.37億円を加えた残余区分である。約350件という案件数は支援企業全体の社数からの仮定で、開示された実案件数ではない。アルムニアと外国人材支援はまだ立ち上がり段階であり、既存の採用コンサル・研修など工数型が中心とみる。中立数量0.73倍、価格1.25倍とし、新事業の急拡大を確定的な売上高には織り込まない。
人材派遣・紹介・コンビニ店舗運営
物流、医療、介護などの現場への人材派遣・紹介と、派遣スタッフの研修にも使うコンビニ店舗の運営。
| 数量派遣料金8時間勤務換算の人日相当数(人日、店舗売上も含む規模の代理指標) | 価格8時間勤務換算1人日当たり売上高(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 177,760 | 0.00 | 45 | −1 |
| 10 年後 中立 | 177,760 | 0.00 | 59 | 1 |
取り方:2025年9月期有報に開示されたスタッフィング事業の報告売上高45.04億円と営業損失1.16億円を使用した。厚生労働省の令和5年度労働者派遣事業報告にある8時間当たり平均派遣料金25,337円で割り、年間約17.8万人日相当とした。ただし売上にはコンビニ店舗運営が含まれ、実際の派遣延べ人日ではない。比較可能な物理的数量を作るための代理指標である。現場で人が働く部分はAIによる直接代替が難しいため、中立数量1.00倍、名目価格1.32倍とする。
リスクと懸念
AIエージェント代替
求人原稿の作成、広告運用、応募者への連絡、面接調整、採用データの集計など、採用業務代行の中心部分は汎用AIが直接処理できる領域である。顧客の採用件数が減らなくても、外部委託する工数と支払える手数料は減る可能性が高い。OMRも広告運用が中心であり、単に従来型媒体から移行しただけでは代替を防げない。
独自媒体の利用者離れ
ショットワークスの登録者数290万人は価値ある顧客接点だが、累計登録数と継続稼働者数は異なる。タイミーなどの競合が求人件数、就業までの手軽さ、支払い条件で優位になれば、利用者が移る。新規利用者の獲得費用が増えると、媒体売上高が維持されても利益率が低下する。
中期経営計画の達成難度
2030年の売上高350億円、営業利益28億円は、現在の収益規模から見て大きな成長を要する。しかも2026年9月期第3四半期累計の売上高は前年同期比2.6%減で、通期205億円の予想を達成するには最終四半期の大幅な増収が必要となる。計画達成を急ぐ買収や人員投資が、実際の収益力を超える危険がある。
買収の失敗と資本効率の低下
医療・介護の人材派遣などへの進出は対象市場を広げたが、スタッフィング事業は2025年9月期に赤字だった。今後の成長投資計画は73億円と現在の自己資本を大きく上回る。買収価格を高く払い、統合費用やのれん減損が生じれば、既存株主に帰属する利益と財務の安全性が同時に傷む。
顧客と求人媒体への依存
同社は大企業の採用業務を支援しているが、採用システムや求人検索サービスの主導権を独占しているわけではない。Indeedなどの媒体側が料金体系や検索仕様を変更すれば、広告運用の効果と同社の手数料が変化する。大口顧客が採用機能を内製化した場合も、取引先の数ほど収益が分散しているとは限らない。
労働供給と派遣事業の採算
人手不足は派遣需要を支える一方、スタッフを集めるための賃金と広告費を引き上げる。医療・介護では少人数を個別に確保する必要があり、取引企業数が増えても単価が下がる場合がある。コンビニ店舗にも人件費と賃料などの固定費が残る。新リース会計基準で負債の表示が変わっても、こうした現金支出の負担は消えない。
今後の分かれ目
- OMRの売上高だけでなく営業利益と継続顧客数が3年以上増え、採用代行の人員を増やさずに利益が伸びたら
- AIによる効率化を顧客向けの売り物に転換できている可能性が高まる。中立の利益率を引き上げ、工数型数量の縮小前提を緩める。成果報酬として新たな売上が確認できた場合にはAI代替の型も再評価する。
- PMRとOMRの契約社数が減り続け、売上高だけでなく粗利益まで前年割れが続いたら
- 顧客の採用予算が単に媒体間で移動しているだけではないと判断する。中立からやや悲観へ確率を移し、RPOの数量と利益率を下方修正する。
- アルムニアの利用企業数、実際の再就業人数、継続率、売上高が開示され、顧客の再利用が定着したら
- 単なる採用管理画面ではない実際の就業ネットワークとして評価できる。利用者の継続性と価格決定力が確認できれば、新事業の数量と長期成長率を再検討する。
- スタッフィング事業が通期で2年以上黒字となり、営業利益率3%以上を保てたら
- 現場需要への参入が資本コストを上回る収益につながり始めたと判断する。中立の同事業の利益率と、既存顧客への追加販売による収益を上方修正する。
- 2030年に向けた買収や設備投資の結果、純有利子負債が大幅に増え、営業利益が計画に届かなかったら
- 利益を生まない再投資が株主価値を毀損している可能性がある。借入金利の負担、減損、株主還元の縮小をやや悲観と悲観の筋書きへ反映する。
- 総還元性向40%以上が継続的に実行され、増配と自己株式の減少が5年間にわたり確認できたら
- 余剰現金が株主へ戻る確実性を再評価する。配当と自社株買いの実績が基準を満たす場合、excess_cash_returnを0.75から1.0へ引き上げて検証する。
見ておくもの
- PMR・OMR別の売上高、契約企業数、企業当たり単価、粗利益率の推移
- OMRへの移行で減る広告取扱額と、会社側に残る粗利益の関係
- 採用支援拠点数、応募者送客数、顧客継続率、導入先の企業規模別の推移
- ショットワークスの累計登録者数ではなく月間稼働利用者数、応募数、継続利用率
- アルムニアの契約企業、実稼働人数、継続率、収益化の開示
- スタッフィング事業の四半期・通期営業利益率と顧客当たりの採算
- 中期経営計画の売上高350億円・営業利益28億円への進捗と投資利益率
- 総還元性向40%以上、配当性向30%以上、自社株式数の変化
- 買収対価、のれん、顧客関連資産、減損、純有利子負債の増減
- 2026年11月9日予定の2026年9月期本決算で明らかになる売上高と利益
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額約50億円を将来利益の出発点や倍率の根拠にしていない。2025年9月期の事業別売上高を、会社の報告セグメント、PMR・OMRの開示、専門媒体の売上高、採用支援企業数、求職者登録数、厚生労働省の派遣料金から組み立てた。方式別の企業数は非開示なので推定と明記し、推定値を実測値のようには扱っていない。
中立では人月・広告運用型の数量を10年で0.63〜0.73倍に縮小し、独自媒体は0.90倍、現場型は1.00倍とした。物価3%による10年間の名目価格上昇は価格の欄に反映し、数量には入れていない。今後も採用課題が続くことと、採用代行会社に残る工数が減ることは両立すると判断する。
倍率はk8.25%、g_long0%による正当化PER12.12倍から導き、現在や過去の市場PERを使っていない。利益と別に数える余剰現金は3億円に限定し、利息の二重計上を除く。悲観の床は現在の自己資本から無形固定資産と回収費用を除いた約11.5億円であり、過去のPBRの底は使わない。新リース会計基準による表示変更は価値の増加と見なさず、将来の営業利益は家賃を費用に含む現在と同じ基準で比較する。
5つの筋書きの時価総額と10年間の株主還元を、10年後の時価総額には10年分、期間中の還元には平均5年分の資本コストを適用して現在価値に直した。確率加重の本質価値は約43.0億円、現在時価総額約50.0億円との差は約マイナス14.0%となる。結論はこの計算結果に合わせて「やや割高」とした。
資本コスト 8.3% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%、株式リスクプレミアム4.5%の基本7.5%に、事業の循環性と弱い値決め力、純現金の財務上の強みを合計した0.75%を加える。買収の成否やAI代替は個別の筋書きと確率で表す。
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- ツナググループ・ホールディングス 2025年9月期通期決算説明・経営者質疑
- 矢野経済研究所 人材ビジネス市場に関する調査(2025年)
- 矢野経済研究所 採用アウトソーシング市場に関する調査(2022年)
- 厚生労働省 令和5年度労働者派遣事業報告書の集計結果
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