結論
Schooは企業向け動画研修と個人・大学向け学習基盤を提供する会社である。筆者の結論は割高だ。学ぶ必要が10年後も残ることと、特定の動画配信会社に料金を払い続けることは別だからだ。企業の人材育成予算は残っても、AIエージェントが教材を探し、技能を練習させ、結果まで測れるようになれば、動画の視聴人数と契約IDの価値は下がる。
2025年9月期には売上約34億円、営業利益約3億円で黒字化を定着させた。しかし2026年10月23日夜の新たな開示は、2026年9月期の売上見通しを約34億円、営業利益を約1億円へ下方修正した。法人契約は大企業の試験導入が長期化し、期末速報のARRは計画に約21%届かなかった。これはAIそのものの影響と断定できないが、値上げと契約拡大を思いどおりに進められない実例である。
一方で現金は厚い。添付にある2025年期末の純現金は約24億円で、直近2026年6月末も借入を差し引いた預金が約19億円残る。ただし前受金に相当する契約負債、研究開発と顧客対応費があり、その全額を今すぐ株主が受け取れるわけではない。AI代替を踏まえた中立の10年後時価総額は約31億円だが、待つ10年の資本コストを引けば十分ではない。五つの筋書きの加重価値は将来の新株予約権による希薄化を含め約15.7億円となり、基準時価総額約27.5億円を約43%下回る。なお基準の市場価格は10月23日の引け値であり、同日19時30分の業績下方修正を織り込んだ翌営業日の価格はまだ存在しない。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主が知りたいのは、売上がどこまで伸びるかではなく、10年先にも顧客が同じ会社へ喜んで支払い続けるかである。Schooの使命には社会的な意味がある。社会人は何度でも学び直す必要があり、企業も人材育成を放棄できない。しかし公益性と株主の取り分は同じではない。競争会社もAIも同じ課題を解けるなら、増える市場の利益は必ずしもSchooに残らない。
教材の蓄積と生放送の経験には多少の模倣困難性がある。だが、企業向けサービスを使い続ける必然性を示すには、単なる契約継続だけでなく、値上げ後の継続率、顧客の人件費節約や技能向上が数字で示される必要がある。2026年の企業側のROI検証と導入規模の縮小は、その証拠がまだ十分でないことを示す。ソフトウェアの追加開発や営業人員への投資は続くため、会計利益の全額が株主に自由に配れる利益でもない。
財務の厚さは魅力だ。営業利益を増やすより、低採算の新領域への投資を止めて現金を守るほうが価値を残す局面はある。事実、株式の買い戻しを実行した経営判断は評価できる。ただし新株予約権の行使が続けば、買い戻した株数だけを見て既存株主の取り分が増えたとは言えない。会社に残る現金は、前受金と必要な運転資金を差し引き、いつ株主へ戻るかを慎重に見たい。
現在の株価から逆算して魅力的な将来像を作るべきではない。AIが代替しにくい学習体験と、その実際の販売金額が育つまで強い堀とは呼べない。中立でも残る利益を低い長期成長率で評価すると、10年間の待ち時間を埋めるだけの余裕はない。安全域が確保できる価格でなければ、長い保有期間自体が投資の強みにはならない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心はSchoo for Businessである。企業や自治体が従業員のオンライン研修を契約し、契約社数と一社当たりの利用ID・料金から継続課金が生まれる。2025年9月期の法人向けリカーリング売上は30.76億円で、全社売上の91.6%を占めた。期末には2,374社と契約し、一社当たり月額のARPAは約11.3万円だった。学び直しという需要よりも、企業が何人に何を受講させるかを外注するかが収益を左右する。
法人のもう一つの収益はゼミやEnterprise Driveなどの単発売上で、2025年は1.18億円だった。対面演習、講師との対話、組織変革の支援は単なる動画より差別化しやすい。しかし講師や顧客別設計に人手が必要で、規模を増やしても利益が比例して増えるとは限らない。新たに進める地方の学び合い事業Schoo Meshや人材領域のLoLLLも、まだ長期の利益を裏付ける契約・売上実績が乏しい。
個人向けのSchoo for Personalは月額プランと生放送、9,000本以上の録画授業を組み合わせる。2025年9月時点で登録有効会員は約135万人いたが、大部分が無料会員であり、個人向け売上は約0.8億円にとどまる。大学等向けのSchoo Swingは授業配信、学修管理、双方向の参加機能を提供し、「教え手」向け売上は約0.84億円だった。会社は大人の学び事業を会計上は単一セグメントとしているが、法人継続課金、単発研修、個人、大学では数量・価格とAIへの耐性が違うため、価値を分けて考える。
優良さと弱いところ
強みは、生放送で講師と学べる体験と、国内の講師・受講者から蓄積した教材制作の知見にある。同じ映像基盤を法人と個人で使えれば、教材への投資を多数の顧客に広げられる。企業の学習履歴や部門ごとの研修計画を引き継ぐ手間も、短期の解約を抑える。会社が示したNet Revenue Churn Rateの0.98%は既存顧客からの追加購入も含めた直近12か月の平均値であり、「年間解約率1%未満」と同じではない。
だが、堀、つまり競合が簡単に越えられない壁はまだ薄い。教材数だけならグロービスの「学び放題」やベネッセが扱うUdemy Businessも豊富であり、AIは一般的な解説動画や小テストの製作費を下げる。Schooの学習履歴は独自の資産だが、会計台帳や法定記録のように他サービスへの移行を禁じる基盤ではない。年単位の移行義務、法改正に基づく値上げ実績、年間5%未満の顧客解約といった証拠を二つ以上確認できないため、「記録の正本」という強い堀には分類しない。
利益の質では赤字を続けた2019年から2023年を忘れてはならない。2024年に営業黒字へ転じ、2025年には営業利益率8.6%まで改善したが、2026年の大企業向け販売は計画未達となった。売上増を狙った人員・機能投資が予定どおり進むほど、契約開始の遅れが利益を大きく減らす。営業利益を持続的な高利回りで再投資できた証拠はまだなく、現在の高い自己資本比率をそのまま高い事業のROICと取り違えてはならない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
日本の法人向けeラーニング市場は拡大している。矢野経済研究所の2026年4月公表値では、2025年度のBtoB市場は約1,293.5億円で前年比4.7%増、翌年度予想も約1,338億円だった。Schooの2025年期末法人ARR32.34億円は、この市場の約2.5%に相当する。ただしARRは期末年換算、市場値は年度売上という違いがあり、厳密な実売上シェアではない。同社の実売上30.76億円で見れば約2.4%である。
競争相手は、グロービスの「GLOBIS 学び放題」、ベネッセの「Udemy Business」、KIYOラーニングのAirCourseなどである。グロービスは2026年4月時点で学び放題の累計導入企業約4,500社、Udemy Businessは国内2,000社以上の導入を公表する。しかし前者は累計、Schooの2,374社は期末契約、後者も集計基準が違うため、社数を並べて競合シェアを算出することはできない。法人市場の成長分をSchooが取れる保証はなく、10年の中立では売上シェアがさらに下がると考える。
個人向けBtoCの市場全体は2025年度約2,630億円だが、大半は進学・補習教育であり、社会人動画に限った市場規模は公表値から分けられない。個人売上約0.8億円の全体比は約0.03%にすぎず、巨大な市場の数字をそのまま同社の機会とは呼べない。単発売上を比較できる法人研修サービス市場は約6,130億円とされるが、Schooがそこで受け取る収入はまだ極小である。大学向けには約800校の大学に加え専門学校が存在し、Schoo Swingの累計導入47校は有力な足場であっても継続課金校数ではない。manabaやMoodleをはじめとする学修管理との競争が続く。
10年後も人は学ぶ。ただし基礎知識の暗記、FAQ、教材の選択、研修履歴の確認はAIエージェントへ移る可能性が高い。短い動画を人が検索して再生するという使い方は細る。対面の議論や学習意欲を引き出す場づくりは残るが、Schooが収益の9割超を占める法人継続課金で価値を取り戻せるかは、契約IDではなく実務成果を請求できるようになるかにかかる。
資本政策と M&A
創業から2023年までの赤字期には、外部から資本を入れて教材と顧客基盤を拡大した。2024年10月の上場後もストックオプションの行使で発行株式数が増えている。利益と自己資本の増加を眺める際は、経営が稼いだ利益の蓄積と増資による資本の流入を分けなければならない。上場から日が浅く、10年間にわたる株主還元の規律はまだ実績で確認できない。大型買収やTOBによる上場廃止予定の発表も確認できず、買収プレミアムは価値に含めていない。
一方、株主に資金を戻す動きは始まった。2025年には18.6万株、約1.38億円の自社株を取得し、2026年1〜5月にも25万株、約1.38億円を買った。後者は取締役会が上限25万株・2億円を決めた案件で、取得株数は達成した。いずれも最新株数と純資産に反映されているので、将来の株主還元に二重に加えない。配当はまだなく、2026年に導入した個人向け動画の無料クーポン優待は券面額と会社負担が異なる。費用の実績はまだ非開示で、追加配信原価を年0.02億円と仮定し、中立の10年累計0.2億円を還元総額の内数とする。やや悲観では0.15億円、悲観では0.1億円へ縮む。
2025年の事業説明は翌2026年9月期の売上39.08億円、営業利益2.66億円を掲げたが、2026年10月にそれぞれ34.38億円、1.32億円へ修正された。数年先の売上・ROEを約束する正式な中期経営計画や、配当性向・DOE・総還元性向の数値の約束は確認できない。地方の人材事業子会社LoLLLには0.8億円を投じており、今後の出資・企業買収は実際の回収利回りがわかるまでは価値に加算しない。余剰現金の株主への戻り方は、自社株取得の実績がある一方で継続還元が確立していないため75%と評価する。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
人材教育の必要性はむしろ強まる。人口が減って働き手が不足し、企業は既存人員の能力を伸ばさなければならない。AI技術が普及するほど、新しい働き方を学ぶ人が必要になり、従業員が自律的に学習する仕組みへの予算も残る。Schooは9,000本以上の国内向け教材、生放送の相互対話、自治体との接点という独自の資産を持つ。単に海外動画の字幕を翻訳したサービスでは提供しにくい、日本の職場に沿った研修を企画できる。
法人のARRが2025年期末に32億円を超えていた事実は、いったん顧客に入ると継続課金が効くことを示す。契約IDの減少を止め、組織変革や実践研修をまとめて引き受ければ、顧客単価と利幅は守れるはずだ。2026年の業績未達も大企業の稟議と試験導入に時間がかかった結果で、需要消滅と同じではない。既存顧客への販売を見直すだけで回復する余地はある。
資金繰りの余裕も大きい。新規事業を実証する間の研究開発費は賄えるし、うまくいかなければ投資を止められる。株主に対しては既に二度の自社株買いを実行した。低い現在の評価額での買い戻しが将来も続けば、企業の稼ぐ利益を既存株主へ集中させられる。AIロールプレイは今後の成果課金への入口になりうる。ただし現時点ではその単独売上金額が開示されておらず、大幅な新規売上を当然視しない。
慎重な見方
最大の問題は、学ぶという行為そのものが必要でも、録画授業を大量に視聴する仕組みが必要とは限らないことである。AIエージェントなら社員の仕事内容や理解度に合わせて説明を変え、その場で実演や面談の練習までできる。従来の人が操作画面を開き、動画を探し、受講時間を記録する業務は置き換わる。Schooの売上の九割以上が法人の継続契約である以上、小さな機能改善では根本的な影響を避けられない。
実際、2026年9月期の期初ARR計画約40億円は、期末速報で約31.5億円となった。大企業顧客は導入前に費用対効果を厳しく検証し、全社導入ではなく少数部門で始めている。前年までの成長率を使って将来を延長する根拠が崩れた。競合のグロービスは累計導入社数でSchooを上回り、Udemy Businessも国内大企業へ深く入り込む。講師や制作会社の取り合いになるほど収益力が強いとは言えない。
学校向けSchoo Swingも学修データを記録するが、大学が乗り換え不能な法定台帳ではない。オープンソースのMoodleや既存の学内システムが代替になる。新しく始めるHRビジネスは人手に依存し、企業の研修設計はAIで自動化されやすい。手元の資金は買収や採用投資で失われうるし、買い戻し以上のストックオプション行使で取り分も薄まる。事業を少しも成長させなくても、時価総額だけを見て純現金との差に飛びつくのは危険である。
どちらに重みを置いたか
慎重な見方をやや重くする。下側の確率は合計40%で、上側の29%を上回る。理由はAIという一般論だけではなく、2026年に実際の契約拡大が遅れ、企業が研修ROIを確認してから小さく契約する姿勢を示したことにある。ただしAIによる数量縮小は中立の計算にも織り込んでおり、確率でも同じ下落を二重に数えてはいない。残る純現金と人的学習の価値が完全な消滅を防ぐが、現時点で優れた再投資先や値決め力の証明は不十分だ。加重した適正価値は今の値段より4割強低く、割高との結論が妥当である。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/09 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 251 円31 億円(+ 還元の換算額還元の合計 13 円2 億円)。 今の値に割り戻すと 128 円16 億円、今との差 −42.7%、 期待の年率 +1.7%(資本コスト 7.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11% | 480 円59 億円 | 32 円4 億円 | +129.5% | +9.0% | 56 円7 億円 |
| やや楽観 | 18% | 363 円45 億円 | 24 円3 億円 | +73.2% | +5.9% | 70 円9 億円 |
| 中立 | 31% | 244 円30 億円 | 12 円1 億円 | +14.6% | +1.4% | 79 円10 億円 |
| やや悲観 | 25% | 147 円18 億円 | 4 円0 億円 | −32.3% | −3.9% | 38 円5 億円 |
| 悲観 | 15% | 140 円17 億円 | 2 円0 億円 | −36.7% | −4.5% | 21 円3 億円 |
| 加重平均 | 100% | 251 円31 億円 | 13 円2 億円 | +18.4% | +1.7% | 264 円32 億円 |
今の株価時価総額 223 円27 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 11% 動画から実践支援へ移り、既存顧客を維持 利益 4 億円 · PER 12.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 480 円59 億円
社内教育の動画視聴だけでは価値を示せないことを認め、実際の行動変容を確認できる研修設計へ移る。Schoo for Businessは2026年9月速報の2,216社を失わず、既存顧客の全社展開とAIロールプレイ補助で単価を支える。グロービスやUdemy Businessとの競争は続くが、ライブ授業・コミュニティ・国内講師の組み合わせが一定の選択理由になる。
Enterprise Driveでは成果の見える集合研修が残り、単発案件の数量は現状以上に増やさず、顧客の複雑な課題を扱う分だけ単価が上がる。大学Schoo Swingも限定された導入基盤を守る。大型買収を行わず、地方創生事業と既存プラットフォームを無理なく接続し、営業・制作の効率化によって2025年を上回る利益率が定着する。ただし、AI新製品の未確認の大幅売上を上乗せした筋書きではない。
- Schoo for Business・法人向け継続課金:数量 2,216(年間継続契約に相当する法人顧客数(社))× 価格 124,000(顧客1社あたり月額実収入(円・名目))→ 売上 33 億円・営業利益 6 億円。2026年期末速報2,216社を維持。2025年2,374社以下でAI数量の楽観上限を遵守。月単価は2025年実効値比約1.15倍。
- 法人向けスポット研修・組織開発:数量 80.0(スポット研修・プロジェクトの換算年間案件数(件))× 価格 1,900,000(1案件の平均売上(円・名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。研修80換算案件を維持し1件190万円。人手の専門価値が一部残る上限の筋書き。
- Schoo for Personal・個人向け継続課金:数量 6,800(月額980円プランに換算した年間平均有料会員数(人))× 価格 1,100(有料会員の月額売上単価(円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。有料換算会員6,800人、月額1,100円。AIとの差別化がある人間講師の授業が継続。
- Schoo Swing・大学等学修管理:数量 17.0(年間契約・運用支援に換算した教育機関数(校))× 価格 5,700,000(換算校1校あたり年間利用料(円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。学修管理の換算17校、年570万円。研究・教育データ整備の付加価値が残る。
倍率:事業利益は全社純利益4.00億円から2036年までに溜まる余剰現金18.0億円の税後利息0.252億円を控除した3.748億円。事業自己資本は17.6億円で、事業ROE21.3%、k7.75%、弱い堀の残存割合1/3からRONIC12.27%。g_long−0.5%につき、PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=12.6153倍の上限そのものを使う。企業価値は事業純利益×PERに、当初余剰現金13億円からの変化を反映した2036年余剰現金18.0億円×株主への戻り方75%=13.500億円を一度だけ足す。過去の市場PERから逆算していない。
確率:AIの自社販売が具体的な金額を伴う成功例は未確認である。従来型の席数を維持したまま利益率も改善する複合成功は容易ではないため、強気の最上位は11%に限る。
やや楽観 18% 大企業重視の修正が奏功して利益を守る 利益 3 億円 · PER 12.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 363 円45 億円
会社は2026年に露呈した商談長期化を解消し、顧客企業の研修目標に合う短い教材と対面演習を組み合わせる。契約企業数はかつての最大水準へ完全には戻らないが、大企業での複数部門展開が進み、顧客ごとの実収入は緩やかに上がる。動画そのものを他社が模倣できても、実務に合わせた授業の選び方と支援の手間で一部の顧客をつなぎ止める。
スポット研修では講師の専門性が必要な案件を選別する。個人向け課金者と大学向け運用件数は小幅に減り、全社売上の大幅成長は起きない。LoLLLなど新規事業への追加投資は限定し、既存サービスの販管費改善を優先するため、限られた数量でも営業利益率を二桁近くまで戻せる。株主還元は余力に応じた散発的な自社株取得にとどまり、定例配当は前提としない。
- Schoo for Business・法人向け継続課金:数量 2,090(年間継続契約に相当する法人顧客数(社))× 価格 121,000(顧客1社あたり月額実収入(円・名目))→ 売上 30 億円・営業利益 5 億円。法人顧客2,090社、実効月121千円。契約数は2025年から12%縮小。
- 法人向けスポット研修・組織開発:数量 72.0(スポット研修・プロジェクトの換算年間案件数(件))× 価格 1,750,000(1案件の平均売上(円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。案件数量72件、単価175万円。AIで定型研修が減るが成果重視案件の単価は改善。
- Schoo for Personal・個人向け継続課金:数量 6,300(月額980円プランに換算した年間平均有料会員数(人))× 価格 1,060(有料会員の月額売上単価(円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。有料換算6,300人、月1,060円。価格競争下でもライブ授業が一部需要を保つ。
- Schoo Swing・大学等学修管理:数量 16.0(年間契約・運用支援に換算した教育機関数(校))× 価格 5,550,000(換算校1校あたり年間利用料(円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。換算16校、年間555万円。大学の学修支援需要は残る。
倍率:事業利益は全社純利益2.85億円から2036年までに溜まる余剰現金17.0億円の税後利息0.238億円を控除した2.612億円。事業自己資本は15.6億円で、事業ROE16.7%、k7.75%、弱い堀の残存割合1/3からRONIC10.75%。g_long−0.5%につき、PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=12.6851倍の上限そのものを使う。企業価値は事業純利益×PERに、当初余剰現金13億円からの変化を反映した2036年余剰現金17.0億円×株主への戻り方75%=12.750億円を一度だけ足す。過去の市場PERから逆算していない。
確率:大企業のトライアル期間長期化という問題を顧客成功支援である程度解消するが、営業費と教材投資の負担も残る。可能性はあるが前期の未達を踏まえ上側に偏らせない。
中立 31% 中立:AIで席数が細り、利益率も頭打ち 利益 2 億円 · PER 12.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 244 円30 億円
社員の再教育は社会に必要であり続けるが、教育担当者は動画の視聴時間より成果と習得技能を問う。AIエージェントが仕事の相談、教材生成、技能練習を担うため、企業の必要ID数が減り、Schooの契約数はかつての2,374社から1,899社へ縮む。単価は名目で少し上がるが、10年間の物価上昇には追いつかず、法人継続課金の売上は27億円程度まで緩やかに縮む。
個人課金は無料のAI先生に押され、大学向けはMoodleや国内LMSとの競争で増えない。講師が必要な企業ゼミも案件数が4分の3に減る。一方で過去に制作した映像と配信基盤の一部は使い続けられ、費用の削減が売上縮小をほぼ吸収し、営業利益率は過去の良好な年度に近い水準を保つ。買収で売上を買うより現金を守るが、株主への定期的な分配を確約する段階には至らない。
- Schoo for Business・法人向け継続課金:数量 1,899(年間継続契約に相当する法人顧客数(社))× 価格 119,000(顧客1社あたり月額実収入(円・名目))→ 売上 27 億円・営業利益 4 億円。2025年比顧客数0.80倍、名目月商1.10倍。SaaSのAI代替規定内で売上27.12億円。
- 法人向けスポット研修・組織開発:数量 60.0(スポット研修・プロジェクトの換算年間案件数(件))× 価格 1,630,000(1案件の平均売上(円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。人月・研修案件の中立60件/現在80件=0.75倍、単価163万円は物価1.34倍を下回る。
- Schoo for Personal・個人向け継続課金:数量 5,500(月額980円プランに換算した年間平均有料会員数(人))× 価格 1,040(有料会員の月額売上単価(円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。有料換算5,500人=0.81倍。会費1,040円は物価並みには伸びない。
- Schoo Swing・大学等学修管理:数量 14.0(年間契約・運用支援に換算した教育機関数(校))× 価格 5,450,000(換算校1校あたり年間利用料(円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。換算14校=0.82倍、年545万円=現在の1.09倍。教育のUI中心SaaSとして縮む。
倍率:事業利益は全社純利益1.70億円から2036年までに溜まる余剰現金16.0億円の税後利息0.224億円を控除した1.476億円。事業自己資本は11.6億円で、事業ROE12.7%、k7.75%、弱い堀の残存割合1/3からRONIC9.41%。g_long−0.5%につき、PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=12.7654倍の上限そのものを使う。企業価値は事業純利益×PERに、当初余剰現金13億円からの変化を反映した2036年余剰現金16.0億円×株主への戻り方75%=12.000億円を一度だけ足す。過去の市場PERから逆算していない。
確率:AI代替は数量・価格・長期成長率に織り込んだ。さらに悲観の確率へ同じリスクを重ねて加算しない。法人の実際の大型契約未達と競争による交渉力の弱さを踏まえ中立31%。
やや悲観 25% 解約と小規模導入が続き再投資効率が低下 利益 0 億円 · PBR 1.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 147 円18 億円
企業研修の予算はなくならないが、コストと成果を並べられると動画教材の定額契約は優先度が落ちる。大手企業は特定部門の少数IDからしか始めず、AIツールを使う人材育成部門がカリキュラムを内製する。Schooは解約を止めるため単価を据え置き、長期の実効値上げはできない。法人契約は1,500社まで減り、売上は20億円を割り込む。
対面演習と組織変革支援は細々と残るが、単発研修の利益は講師費で消える。個人と大学向けも無料教材と他社LMSの低価格に押される。経営は新規投資を止め、組織の縮小で辛うじて営業黒字を維持するものの、自己資本に対する利回りは株主の要求水準を大きく下回る。大型買収をしていない分だけ存続の余地が残り、事業価値より処分可能な現金が株主価値の拠り所となる。
- Schoo for Business・法人向け継続課金:数量 1,500(年間継続契約に相当する法人顧客数(社))× 価格 110,000(顧客1社あたり月額実収入(円・名目))→ 売上 20 億円・営業利益 2 億円。契約数1,500社、月11万円。学習ID統合と小規模導入で減収。
- 法人向けスポット研修・組織開発:数量 45.0(スポット研修・プロジェクトの換算年間案件数(件))× 価格 1,400,000(1案件の平均売上(円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。45件、140万円。AIによる教材作成で定型研修の単価が下がる。
- Schoo for Personal・個人向け継続課金:数量 4,300(月額980円プランに換算した年間平均有料会員数(人))× 価格 900(有料会員の月額売上単価(円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。4,300人、月900円。有料会員が無料AI支援へ移る。
- Schoo Swing・大学等学修管理:数量 10.0(年間契約・運用支援に換算した教育機関数(校))× 価格 4,700,000(換算校1校あたり年間利用料(円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。換算10校、年470万円。学内システムへの統合で低採算化。
倍率:低ROEで永続的な利益を高倍率では買えない。新しい利益率を含む事業利益をk=7.75%で評価しても現金返還価値との合計は9.8億円程度にとどまる。したがって売却可能資産の床18.60億円を採用し、2025年9月末の自己資本18.6億円を分母にした床PBR1.00を表示する。将来の自己資本22.7億円に床のPBRを掛けることはしない。
確率:下に寄せる理由:2026年9月期の法人ARRは期初計画の78.8%、契約社数は87.2%にとどまった。価格交渉難と大企業の試験導入が長期化した事実から25%を割り当てる。
悲観 15% 構造的敗北:動画の価値が消え、資産処分が柱 利益 0 億円 · PBR 1.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 140 円17 億円
AIエージェントが動画を探して見る作業も、練習問題を作る作業も、一人ひとりの業務に合わせた教え方も引き受ける。大企業はUdemy Businessやグロービス、または自社AI基盤へ研修を集約する。Schooの企業契約は1,200社、実効月商も現在を下回り、教える中身では差別化できない。全社売上はかつての半分以下に縮小する。
有効会員の多数は無料利用者のままで、個人課金を支えられない。大学Schoo Swingも他社の学修管理システムに置き換わり、契約更新のたびに数量と単価を失う。経営は不採算の新規事業から撤退し、講師委託・販売費・人員を大幅に減らしてわずかな黒字を保つが、強い企業という評価はなくなる。もしその縮小が遅れれば早期の赤字と現金流出が重なるため、価値の中心は残った換金可能資産であり、毎年の利益を高い倍率で値付けする理由はない。
- Schoo for Business・法人向け継続課金:数量 1,200(年間継続契約に相当する法人顧客数(社))× 価格 96,000(顧客1社あたり月額実収入(円・名目))→ 売上 14 億円・営業利益 1 億円。1,200社×9.6万円/月。法人顧客数量は2025年の0.51倍、ARPAも低下。
- 法人向けスポット研修・組織開発:数量 36.0(スポット研修・プロジェクトの換算年間案件数(件))× 価格 1,100,000(1案件の平均売上(円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。36件×110万円。今の売上の約3分の1で人手収益はほぼ消失。
- Schoo for Personal・個人向け継続課金:数量 2,500(月額980円プランに換算した年間平均有料会員数(人))× 価格 750(有料会員の月額売上単価(円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2,500人×月750円。無料AIが個人課金を代替。
- Schoo Swing・大学等学修管理:数量 7.0(年間契約・運用支援に換算した教育機関数(校))× 価格 3,500,000(換算校1校あたり年間利用料(円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。換算7校×350万円。学内LMSと自律AI教材への移行。
倍率:低ROEで永続的な利益を高倍率では買えない。新しい利益率を含む事業利益をk=7.75%で評価しても現金返還価値との合計は6.1億円程度にとどまる。したがって売却可能資産の床17.67億円を採用し、2025年9月末の自己資本18.6億円を分母にした床PBR0.95を表示する。将来の自己資本20.0億円に床のPBRを掛けることはしない。
確率:AI教材生成と大手教育プラットフォームへの統合が同時に進む構造的な敗北を15%とみる。倒産までは想定しないが、成長事業としての再評価はほぼなくなる。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
Schoo for Business・法人向け継続課金
企業・自治体の従業員向け動画学習、学習管理、研修受講IDの継続契約。実質の数量は顧客社数、単価はID数と料金を含む一社月額平均として数える。
| 数量年間継続契約に相当する法人顧客数(社) | 価格顧客1社あたり月額実収入(円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 2,374 | 108,020 | 31 | 5 |
| 10 年後 中立 | 1,899 | 119,000 | 27 | 4 |
取り方:2025年11月決算説明資料では法人向けリカーリング売上3,076百万円(全社の91.6%)、期末契約2,374社、期末ARPA113千円、ARR3,234百万円を開示。通期売上を2,374社×12か月で割った平均実効月商108,020円を使用。期末ARPAと通期実収入を混同しない。実際のID数は非開示なので契約社数を数量、各社のID増減・契約単価を一社当たり実収入に含める。AIエージェント代替の分類は「席・操作画面を中心とするSaaS」であり、契約数・ID規模の縮小、価格競争を中立に反映する。セグメント営業利益は会社非開示のため共通費前の当分析推定。
法人向けスポット研修・組織開発
法人の研修ゼミ、実践演習、組織変革支援など単発の販売。講師・カスタマイズ作業の工数が収益の源泉である。
| 数量スポット研修・プロジェクトの換算年間案件数(件) | 価格1案件の平均売上(円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 80.0 | 1,475,000 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 60.0 | 1,630,000 | 1 | 0 |
取り方:2025年決算説明資料の「学び手・スポット収益」118百万円を使用。案件実数と単価は非開示なので年80件×平均147.5万円という換算を仮定した推計であり、実際の案件数とは断定しない。対象は企業研修・Enterprise Driveなど人手を使う部分で、AIエージェント代替では「人月・工数で売る研修・コンサル」の型。中立の件数を10年で0.75倍、価格を物価ほど上げずに試算する。
Schoo for Personal・個人向け継続課金
個人が月額会費を払う録画授業・生放送のオンライン学習。多数の無料登録者と有料課金者を分けて考える。
| 数量月額980円プランに換算した年間平均有料会員数(人) | 価格有料会員の月額売上単価(円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 6,803 | 980 | 1 | −1 |
| 10 年後 中立 | 5,500 | 1,040 | 1 | 0 |
取り方:会社資料の個人向けリカーリング売上80百万円を公表月額プラン980円×12か月で除し、年間平均6,803人相当と逆算。実課金会員数、割引契約は非開示であり換算人数にすぎない。2025年有報の有効登録会員135万人は無料会員を含み、課金数に代用しない。AI家庭教師、検索・要約のエージェントが動画の利用時間と個人会費を奪う席課金型の数量・価格制約を適用。
Schoo Swing・大学等学修管理
大学・専門学校などの講義配信、学修管理、履修履歴の分析を一体で提供する教育機関向けクラウド基盤。
| 数量年間契約・運用支援に換算した教育機関数(校) | 価格換算校1校あたり年間利用料(円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 17.0 | 4,980,000 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 14.0 | 5,450,000 | 1 | 0 |
取り方:2025年度決算説明資料の「教え手」売上84百万円が基礎。有報はSchoo Swing累計導入47校と開示するが、稼働・継続課金校数は非開示。単発売上も含むため、通期売上を年17校×約498万円の「換算契約校年」に組み立てた推定で、47校を現在の有料契約と誤認しない。操作画面・講義配信に依存するLMS型としてAIエージェント代替の席SaaSの範囲内で中立を算定。
リスクと懸念
AIエージェント代替と動画の陳腐化
法人ID課金、個人会員、学修管理画面、単発研修のいずれも、AIが個人ごとの教材作成・習熟度判定・対話を担えば必要量が減る。2025年売上の91.6%を占める法人継続課金への影響が最大である。これは単なる人件費削減の追い風ではなく、顧客に請求する単位そのものを変える危険である。
大企業の契約延期と顧客単価の未達
2026年10月23日に会社は期初売上・利益見通しを大幅に引き下げた。期末速報の法人ARRは31.47億円で計画39.96億円を下回り、契約社数も2,216社にとどまった。顧客のトライアルと費用対効果の確認が長くなり、営業人件費だけが先行すると、売上のわずかな減少が営業利益を大きく削る。
教材と講師の競争による値決め力の弱さ
グロービスの大企業への浸透やUdemy Businessの豊富な講座に加え、AI生成教材が供給を増やす。生放送という特徴はあるが、同じ顧客が値上げ後も残るという長期の実証には至っていない。営業コスト、講師費、映像更新費の上昇を価格転嫁できなければ、インフレ下で売上が減らなくても利益率は悪化する。
地方人材事業と投資・買収の資本配分
LoLLLやSchoo Mesh、組織変革支援は既存の動画販売よりも人件費と案件開拓を要する。新分野が売上だけを増やし営業キャッシュフローを生まなければ、現在の厚い現金が失われる。短期の受注や提携を長期の高い増分ROICと混同しないことが必要である。
純現金に伴う錯覚と希薄化
2025年9月期の純現金24.1億円は株式価値を支えるが、2026年6月末の預金と借入の差は約19億円へ減った。預り金・契約負債とサービス提供義務も残る。経営が資金を使う判断を少数株主は制御できず、新株予約権の行使で既存株主の持分が薄くなる可能性もある。
個人情報・信頼の毀損
2026年10月には外部のフォーム提供業者への不正アクセスにより、問い合わせ情報の漏えい可能性が開示された。現時点の説明は外部フォームを介した情報であり、学習プラットフォーム全体の侵害が判明したと決めつけてはならない。それでも法人顧客が受講履歴や従業員情報を預ける契約である以上、管理上の事故が続けば解約交渉と導入審査に響く。
今後の分かれ目
- 法人ARRが2027〜2028年に再び35億円を超え、実際の有料契約社数とID数も同時に増えた場合
- 強気側を増やす。AI導入支援という新しい名称だけでなく既存の売上基盤が顧客の費用対効果を証明したと見なす。
- SchooのAIロールプレイ等の独立した受注・年間売上が金額で開示され、動画ID課金を置き換える収益になった場合
- エージェント代替の分類を再検討し、強気の数量上限を見直す。発表した機能だけでは上方修正しない。
- 法人ARRが30億円を明確に割り込み、契約社数とARPAが同時に下がった場合
- やや悲観・悲観の比重を高める。売上減だけでなく、契約維持費と教材制作費が利益率を圧迫する度合いを調べる。
- 営業キャッシュフローが2期連続で営業利益より大きく下回り、現預金が純額でさらに5億円以上減った場合
- 処分可能資産の床を下げる。先行費用を成長投資と呼ぶだけでは株主価値の増加を認めない。
- 配当性向または総還元性向の数値目標を伴う還元方針が決まり、自社株式の純減が5%に達した場合
- 余剰現金が株主へ戻る割合を75%から100%へ上げる余地が生まれる。新株予約権による増加も差し引いて確認する。
- Schoo Swingで学修データの他社移行が年単位となる実績や、顧客の年間解約率5%未満と値上げの継続が開示された場合
- 大学向けの部分に限って記録基盤としての堀を再評価する。現時点の大学累計導入数47校だけでは条件を満たさない。
見ておくもの
- 法人全体ARR、契約社数、定義変更後のARPAと有料ID数の四半期推移
- NRRではなく解約した顧客の年間実解約率と、値上げしたコホートの残存率
- 2026年9月期の確定決算と2027年9月期計画(2026年11月16日開示予定)
- 大企業案件のトライアル期間、初回契約ID数、既存顧客の全社展開への移行割合
- 個人向け実課金会員とSchoo Swingの期末有料稼働校数の新規開示
- AIロールプレイ等の独立した年間継続収入と粗利額
- 自社株式取得・新株予約権の行使による純株数変化と、預り金・契約負債控除後の純現金
倍率と資本コストの決め方
売上は期末ARRを通期実収入と誤認せず、2025年公表された法人継続課金30.76億円、スポット1.18億円、個人0.80億円、大学等0.84億円を、企業社数・案件・課金換算人数・換算校数の数量と名目単価へ落とした。2026年10月23日の業績下方修正は、既に起きた販売上の困難を示す根拠として使い、過去の急成長を外挿しない。10年先のgはAIによる席課金・工数の代替を反映して名目−0.5%。kは7.75%で、同じ縮小を事業寿命や倒産上乗せに二重計上しない。楽観から中立のPERは、現金利息を除いたROEと弱い堀のRONICから正当化式の上限を計算した。悲観側の資産床は2026年6月の流動性まで更新し、2025年末の純現金を二重に足さない。会計上のリース新基準導入による貸借対照表の表示変更も、家賃を価値に二重計上する理由にはしない。10年にたまる非事業用現金は、少額を追加投資後の残余として各筋書きの余剰現金16億円(中立)等に明示し、自動的な二重加算をしない。新株予約権の既行使分は最新の株数に反映済みで、将来の約3%希薄化だけをholder_shareに反映する。最後に約27.5億円の時価総額と照合した。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。国債3.0%と株式リスクプレミアム4.5%の基本7.5%に事業品質の上乗せ0.25%を加えた。業績警戒は数量・利益率と確率に反映し、追加の倒産リスク加算はしない。