結論
総医研ホールディングスは、疲労研究を起点にした機能性食品、健康保険組合向け予防医療、食品の臨床試験、化粧品を営む会社だ。長く持つ株主の見方での結論は「やや割高」である。手元には純現金約54億円があり、時価総額約57億円にほぼ匹敵するが、その現金すべてが株主に返るわけではない。事業の稼ぐ力と、これから経営者が現金をどう使うかを切り分ける必要がある。
2019~2022年には機能性食品と中国向け化粧品が成長を牽引し、売上高は90億円台に達した。しかし中国化粧品事業の失速で2024、2025年は赤字となり、2026年は構造改革で黒字に戻ったものの売上は39億円まで縮んだ。2027年の会社予想は33億円である。かつての売上を復活の出発点に使ってはならない。
2030年の会社目標は売上60億円、営業利益5億円、ROE8%だが、その成否には総額25億円の買収投資と、既存の通販顧客を活用した健康プラットフォームの収益化が深く関わる。商品研究には蓄積がある一方、サプリの値決め力や顧客の継続率が圧倒的だと示す開示は見当たらない。保健事務の一部にはAIエージェントによる代替も迫る。
十年後の中立では売上約55億円、純利益約3.2億円、ROE約5%にとどまる。資本コストを超える再投資収益が十分には見込めず、十年後の中立の時価総額は約53億円である。五つの筋書きと期間中の還元を現在価値に直した推計は約44億円で、現在の時価総額を約22%下回る。現金に守られる下値はあるが、予測の難しい事業再編に高値は払えない。
バリュー投資の観点から
長く会社を保有するなら、私が最初に確かめたいのは十年後にも顧客が喜んで対価を払い続ける理由だ。「イミダペプチド」には科学的根拠と販売実績があり、保険者との接点にも蓄積がある。しかし一度買ったサプリを次回も買う義務はなく、別の通販や生成AIが健康情報を届けるだけなら顧客は容易に移る。特許や学術論文は技術的な価値を示すが、毎年の値上げを保証する堀ではない。
オーナー利益の最大の問題は再投資先である。現在のグループは大きな設備を買い続けなければならない装置産業ではない。したがって利益が安定していれば、相応の現金を株主に返せるはずだ。ところが売上の減少と本社費用の負担によって、足元のROEは資本コストを下回る。純現金があることと、経営が現金を有利な条件で再投資できることは全く違う。
今後の25億円の買収は、この会社を見直す機会でもあり、資本を失う危険でもある。良い買収とは売上を足すことではなく、取得代金に対して資本コストを上回る税後利益を長年生み出すことだ。既存の通販顧客を活用できても、売る商品が重複したり、買収先の従業員が離れたりすれば期待した収益は消える。子会社の整理で固定費を減らした実績は評価するが、案件ごとの投下資本と利益を確認するまでは高い将来利益を先取りできない。
安全域を考えると、時価総額に近い現金は確かに魅力的だ。ただし事業を閉じて直ちに現金を配る計画はなく、実際には配当、運転資金、新事業投資に使われる。その流出を見ずに帳簿の現金を丸ごと株主価値に足すのは危うい。十年後の利益が今よりいくらか増える中立でも株主資本に十分な利回りを稼げない。結論は、事業の可能性を否定せず、実績のない部分には安全域を厚く求めるというものだ。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの柱は、日本予防医薬が売る疲労感軽減向け「イミダペプチド」である。2026年6月期の健康補助食品の売上は約16.9億円、セグメント利益は約3.3億円だった。飲料やカプセルを自社通販と卸で販売し、30本入り飲料には定価と定期購入価格がある。顧客が飲み続ける限り繰り返し注文を得られるが、通販登録者数と実際の継続購入者数は同じではない。
健康保険組合向け事業の売上は約7.9億円である。健康診断の受診勧奨、レセプト情報を用いた支援、保健指導、糖尿病重症化予防を受託する。分析・事務処理のようにAIで自動化できる部分と、看護職などによる継続的な対人介入は経済性が違う。公表されない内訳は試算上、前者六割、後者四割に分けた。生体評価システムは食品・医薬品の臨床評価試験を受け持ち、2026年の売上は約2.2億円である。
残る化粧品はプラセンタ化粧品「BB LABORATORIES」などを扱い、2026年には売上約8.8億円を計上した。中国向け販売から撤退したため、2027年の計画は約1.2億円に減る。この落差を継続的な需要減とみるべきである。機能性素材はラクトフェリンをはじめとした原料開発・OEMで約3.0億円を売り上げる。いずれも大企業に比べれば小規模だが、研究を消費者向け製品に転用できる点にグループを持つ意味がある。
2027年6月期から開示上は、生体評価、法人ヘルスケアサポート、ヘルスケアプラットフォームの三部門に組み替わる。最後の部門には従来のサプリ、化粧品、機能性素材が含まれるため、新しい名称の売上すべてが新規収入になるわけではない。新しいオンライン相談・医薬品仲介等の純増分と、将来買収する事業の売上だけを別に扱う。本社費用も2026年の約3.1億円から人件費上昇を織り込んで見ている。
優良さと弱いところ
真似されにくい部分は、大学との疲労研究で積み上げた臨床知見と、それを「イミダペプチド」という買いやすい商品に仕立てた経験である。会社は関連論文二百報超、主力飲料の累計販売約七千九百万本を説明している。累計の研究成果と販売実績は本物の強みだが、直近の市場占有率や顧客維持率を証明するものではない。定期通販には習慣化の利点がある反面、代替サプリへの切替費用はほぼない。
値決め力の証拠も限定的だ。主力飲料の定期コースは通常価格から割引されており、十年間にわたって原価上昇を超える値上げを続けられるとは言い切れない。化粧品では中国の販売網に頼った成長が失われ、流通先への依存がどれほど危ういかが明らかになった。保健事業にも官公庁・保険者の予算制約と競争入札がある。保健指導の質で差をつけても、事務処理の付加価値がそのまま残るとは限らない。
2026年6月末の自己資本は約61億円で、現金が非常に厚い。ところが同じ年の純利益は約2.1億円、ROEは約3.5%で、優れた財務体質が高い資本効率につながっていない。2022年にはROEが一割を超えたが、2024~2025年の赤字が続いたことから、過去の好況期を永続的な増分投資利回りの証拠にはできない。2026年には希望退職により従業員が三十六人減り、固定費の調整は進んだ。ただし人員削減だけで新しい市場を独占できるわけではない。
堀の強さは全社で見れば「普通」にとどまる。医療従事者が実際に関わる臨床試験と保健指導は残りやすいが、保険者の事務代行にはAIエージェント代替が入り、オンラインの健康情報もAIから直接得られるようになる。事業の値段を自力で上げられることが確認できるまでは、長期の超過収益は控えめに評価する。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
高齢化に伴う健康維持・医療費抑制の需要は消えないが、その需要を誰が収益に変えるかは別の問題である。富士経済による2024年の機能性表示食品市場は約7,274億円で、疲労感軽減を訴求する市場は約347億円だった。総医研の健康補助食品売上約17億円は前者の約0.23%に相当するにすぎない。ただし同社の売上には機能性表示食品以外も含まれるため、これは厳密な商品別シェアではない。競合にはサントリーウエルネス、DHC、ファンケル、大塚製薬などがあり、資本力と広告量では規模の差が大きい。化粧品の国内市場も2025年度で約2兆6,430億円あるが、同社が残す国内美容液は極めて小さく、規模の利益では戦えない。これら企業と同じ定義で公表された市場占有率は確認できず、比較可能な競合シェアを創作しない。
保健事業では、全国約1,360の健康保険組合が潜在的な法人顧客になる。過去の会社資料にある契約先数約95組合とその後の目標約110組合を起点にすれば、接点を持つ組合は全体の一割に満たない。ただし現在の契約数は確定値として開示されておらず、延べサービス契約と実顧客数の違いにも注意が要る。競合はJMDC・DeSCヘルスケアやベネフィット・ワンなどで、データ解析から行動変容支援までの競争が激しい。富士経済の広義データヘルス関連サービス市場は2024年約1,382億円、2030年約1,815億円という見通しだ。総医研の売上約8億円は広い市場に対して小さいが、保健指導以外の用途を含むため厳密なシェアとは異なる。
臨床評価試験は機能性表示制度や安全性確認の需要に支えられる。人を対象にした実験と試験倫理、医師との連携は自動化しにくいが、試験設計や報告書作成はAIで効率化される。件数の実績が開示されないため、受託件数は年間二十件程度の大型試験換算という推定にとどめる。過去の受託顧客の積み上げがあっても、特定の食品メーカーの開発予算に受注が左右される。
十年後には国内人口が減る一方、予防医療の必要性は増す。食品販売は数量の大幅増より市場内での顧客獲得が要り、単価には年三%の物価を基本に考える。保険者事務は自動化が進み、受託する契約数や作業量には逆風が吹く。会社の新しいプラットフォームは医学的な相談や商品の実物配送まで結びついてこそ競争力になる。単なる健康情報の画面では、大規模なEC事業者やAIアシスタントと戦いにくい。
資本政策と M&A
経営の重要な決断は、積み上がった現金を守るか、新しいヘルスケアの顧客基盤に投じるかである。会社は2030年6月期に売上60億円、営業利益5億円、ROE8%を目指し、同じ期までに医療DX、保健指導、臨床試験、素材メーカーなどへ累計約25億円を買収投資する方針を示した。一件当たり数億円から10億円程度を想定する。またプラットフォーム事業のうち海外食品とOEMを除く部分には、2030年に購買・利用者10万人、売上35億円、営業利益5億円の目標がある。これは既存の商品販売を含み、新規サービスだけの増収目標ではない。これらは会社の計画であり、将来利益が確保された契約ではない。
株主還元は2030年6月期まで最低配当を維持するとしている。現行株数で換算した年間最低配当総額は約2.62億円となる。2026年は配当額が前年から倍増したが、恒常的な配当性向、DOE、総還元性向や自社株買い金額の数値目標は開示されていない。過去には無配期もあり、今後の利益が伸びなければ配当が稼ぎを超えて現金を削る。自社株買いによる大幅な株数減少の実績も見られない。
資本配分の履歴には、2006年の化粧品会社の買収、2017年の機能性素材会社の取得、2019年の中国流通企業との資本業務提携がある。中国関連の事業縮小は、買収や提携が必ずしも持続的な超過利益を生まない例になった。2026年には子会社の統合と化粧品事業の整理を実行しているが、将来の買収価格と買収後ROICの開示はまだない。上位株主の持株比率を合わせても過半数を占めないため、現金を半値でしか評価しないほどの支配を前提とはしない。他方、現金の全面還元が約束されたわけでもないので、余剰部分の戻り方は七五%に抑えて考える。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
最大の強みは、医学的な信頼が求められる分野と、一般消費者向けの継続販売を同時に持っていることだ。研究段階の臨床試験から機能性食品の商品化、保健指導、通販までをつなげられる小型企業は少ない。主力ブランドには長い販売実績があり、研究論文の蓄積とともに新商品の信頼を支える。中国化粧品の撤退が済んだ後は、損益の悪い事業を抱えながら売上だけを追う必要もなくなる。希望退職によって費用構造は既に軽くなっており、成長が戻れば営業利益は売上以上に伸びる余地がある。
健康保険組合には医療費の抑制を急ぐ理由があり、予防や重症化防止への支出は短期の景気だけでは消えない。既存の通販登録者と健保顧客を新サービスに結びつければ、広告費を大量に投じずに有料会員を増やす道が開く。オンラインで処方薬を売るだけでなく、継続する人間の指導と機能性食品の実物配送を一体化できれば、単なる健康情報サイトとの差別化も進む。資金面には十分な余力があり、慎重な価格で数社を買収すれば売上と利益を早めに積み上げられる。
十年後には中国の失敗を引きずらず、国内中心のヘルスケア会社に変身している可能性がある。健康補助食品だけでもリピート顧客を増やせれば、細い出発点から高収益の事業を育てられる。買収先が良質なら資本効率も大幅に改善する。
慎重な見方
最も重い懸念は、過去に好調だった事業が既に失われ、収益力を再び証明しなければならない点だ。2022年の売上93億円から2026年には39億円へ縮み、2027年には33億円の計画である。中国化粧品は販路と提携先に依存していた。研究に基づくブランドがあっても、現地の販売政策が変われば短期間に顧客を失うことを実証している。将来のプラットフォーム構想も、現時点では多くが既存の通販・素材売上の組み替えであり、情報サービスとして独立した課金実績は乏しい。
保険者向けの事務・データ解析はAIエージェントが得意とする領域で、人を投入した量に比例して受け取る収益は縮みやすい。健康情報の検索や商品比較も同様である。医師の診察や保健師の対人指導は残っても、すべてのサービスで従来の手数料を維持できるとは限らない。主力サプリの販促にも大手競合に対抗する広告費がかかる。研究の内容を信じる利用者が多くても、外部の販売チャネルや新しい広告技術への依存が高まれば利益率は落ちる。
現金が安全域に見えることにも注意したい。経営は約25億円の買収を構想し、利益より多い水準の配当を維持する意思を示している。収益化前のオンライン開発費や割高な買収、買収後の減損が重なれば、五十億円を超える流動資産も十年で大きく減りうる。配当維持の約束が利益回復を意味するわけではない。残った自己資本が大きくても、そこから株主に現金が戻らず再投資利回りが低ければ、帳簿価値は本質価値の床にならない。
どちらに重みを置いたか
好材料は医療エビデンスと現金にあり、不安材料はそれを十分な利益に変える仕組みがまだ固まっていないことにある。中国化粧品の撤退によって既存事業の数量が減る事実と、買収予算が株主還元に回らない可能性を重く見た。そのため確率は楽観二本の計27%より、やや悲観・悲観の計41%に寄せた。AI代替は保険者事務の数量と十年後の成長率に織り込み、確率で同じ悪材料を重複して強めない。新事業の利用者数と買収先の増分ROICが開示で確認できれば、判断は変わりうる。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/06 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 242 円63 億円(+ 還元の換算額還元の合計 82 円22 億円)。 今の値に割り戻すと 168 円44 億円、今との差 −18.7%、 期待の年率 +5.4%(資本コスト 8.0%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 713 円186 億円 | 153 円40 億円 | +318.3% | +17.7% | 104 円27 億円 |
| やや楽観 | 15% | 354 円93 億円 | 115 円30 億円 | +126.3% | +10.0% | 70 円18 億円 |
| 中立 | 32% | 203 円53 億円 | 100 円26 億円 | +46.2% | +4.7% | 97 円25 億円 |
| やや悲観 | 25% | 121 円32 億円 | 50 円13 億円 | −17.3% | −2.2% | 43 円11 億円 |
| 悲観 | 16% | 51 円13 億円 | 15 円4 億円 | −67.8% | −11.7% | 11 円3 億円 |
| 加重平均 | 100% | 242 円63 億円 | 82 円22 億円 | +56.8% | +5.4% | 324 円85 億円 |
今の株価時価総額 207 円54 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 12% 臨床と通販が結びつき、良質な買収で成長 利益 13 億円 · PER 13.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 713 円186 億円
中国化粧品への依存を断ち、国内の機能性食品の愛用者を着実に増やす。既存の通販登録者だけに広告を繰り返すのではなく、臨床試験で得た医学的知見を使って新商品を開発し、保険者の保健指導とも連携する。主力飲料の継続利用者は増え、品質が認められて物価並み以上の販売価格も維持できる。中国事業の縮小に伴う短期の減収は、国内・ASEANでの健全な販売網の構築によって乗り越える。
会社の構想する総合ヘルスケアプラットフォームでは、単なる健康情報ではなく、専門家の面談や医療機関との実際の橋渡しから追加収入が生まれる。有料取引を行う利用者は十万人となり、サプリメント売上とは別に料金を得る。AIを既存業務の効率化に使うが、AIサービスそのものが新たな売上を生むとは仮定しない。保険者の事務受託は伸ばさず、対人指導の契約が拡大する。
買収は四社で、合計投資額に見合う実際の営業利益を獲得する。臨床試験からOEMまで商品開発の流れが整い、本社費の増加を吸収して利益率が回復する。株主還元にも余力が生まれ、残った現金と事業の価値がともに活きる十年になる。
- 生体評価・臨床試験:数量 36.0(年間受託試験数(大型試験換算・件))× 価格 0.15(試験一件の平均契約収入(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。臨床試験36件相当、試験単価の上昇
- 保険者向けデータ・事務受託(AI代替):数量 108(データ・事務サービスを契約する保険者換算数(組合))× 価格 0.05(一組合当たり年間の事務受託売上(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。AIで事務処理契約は横ばい以下でも粗利を守る
- 専門職による保健指導・重症化予防:数量 175(保健指導提供先の保険者換算数(組合))× 価格 0.04(一組合当たり年間の保健指導売上(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 2 億円。対人指導の保険者契約175件相当
- 機能性食品・イミダペプチド:数量 290,000(主力飲料30本入り換算販売パック数(パック・年))× 価格 0.00(一パック当たりの売上(億円))→ 売上 37 億円・営業利益 9 億円。継続顧客増と適正な販売価格
- プラセンタ化粧品・国内再建:数量 45,000(美容液30mL製品換算販売個数(個・年))× 価格 0.00(一個当たり代表販売収入(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。国内プラセンタの販路再建
- 機能性素材・ラクトフェリンOEM:数量 75.0(年間取引先・OEM契約換算数(契約))× 価格 0.15(一契約当たり年間売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 2 億円。海外向けOEM・ラクトフェリンの採用拡大
- 新規医療相談・紹介・デジタルサービス純増分:数量 100,000(年間有料取引を行う実利用者数(人))× 価格 0.00(一実利用者当たり年間追加手数料売上(億円))→ 売上 10 億円・営業利益 2 億円。実際の医療相談・紹介の増分、既存通販を含めない
- 将来買収先の事業増分:数量 4.0(十年後まで連結に残る買収先企業数(社))× 価格 6.00(一買収先当たり年間売上高(億円))→ 売上 24 億円・営業利益 4 億円。四社連結、取得価格より利益の質を重視
倍率:余剰現金22億円の税後利息0.308億円を純利益から控除し、事業純利益12.192億円・事業自己資本74.0億円でROEは16.48%。堀は普通なので増分ROIC(RONIC)=8.0%+0.5×(ROE−8.0%)=12.24%。十年より先の名目成長g=2.0%、資本コストk=8.0%からPER上限(1−g÷RONIC)÷(k−g)=13.9429倍を直接採用する。余剰現金は戻り方0.75で16.5億円を別加算する。
確率:医療研究の強みを利用した十万人規模の有料会員化、買収四社の統合成功、広告費を抑えたサプリ増販が同時に成立する場合に限る。現状の新事業収益が未検証なので確率は12%にとどめる。
やや楽観 15% 国内通販と保険者の対人支援が徐々に育つ 利益 6 億円 · PER 13.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 354 円93 億円
中国向け化粧品は整理が終わり、残る国内事業で採算を立て直す。主力のイミダペプチドは国内通販の定期顧客を増やし、医療現場で求められる機能性食品の信用も高める。価格は人件費と原料の上昇に対応して緩やかに上がり、営業利益率は長期の良好な水準へ戻る。素材販売は新規OEM契約を取り、臨床試験も研究予算の回復に沿って件数を増やす。
健康保険組合との関係は維持されるものの、AIエージェントによって事務や書類の処理量は十年で減る。これを糖尿病重症化予防など専門職の継続指導の伸びで補う。新しい健康プラットフォームは八万人から追加の相談・仲介収入を得るが、サプリの売上と重複しない部分だけを計上する。自社の会員基盤を活用できるため、広告費の膨張を避けられる。
医療DXとOEM関連で三社を取得し、合計15億円程度の新しい年間売上が加わる。買収先の独立採算を守ることで顧客と技術者の離職を抑え、会社全体の利益率は改善する。ただし大企業を凌ぐ独占的な地位には届かず、成長の恩恵は主として利益額の増加に現れる。
- 生体評価・臨床試験:数量 30.0(年間受託試験数(大型試験換算・件))× 価格 0.14(試験一件の平均契約収入(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。臨床試験は30件相当
- 保険者向けデータ・事務受託(AI代替):数量 93.0(データ・事務サービスを契約する保険者換算数(組合))× 価格 0.05(一組合当たり年間の事務受託売上(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。事務受託は数量約15%減、名目単価微増
- 専門職による保健指導・重症化予防:数量 150(保健指導提供先の保険者換算数(組合))× 価格 0.04(一組合当たり年間の保健指導売上(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。対人型の指導契約を増やす
- 機能性食品・イミダペプチド:数量 238,000(主力飲料30本入り換算販売パック数(パック・年))× 価格 0.00(一パック当たりの売上(億円))→ 売上 29 億円・営業利益 6 億円。サプリ売上と継続購入の回復
- プラセンタ化粧品・国内再建:数量 27,000(美容液30mL製品換算販売個数(個・年))× 価格 0.00(一個当たり代表販売収入(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。国内再建後の小規模な回復
- 機能性素材・ラクトフェリンOEM:数量 55.0(年間取引先・OEM契約換算数(契約))× 価格 0.14(一契約当たり年間売上(億円))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。OEM契約数の拡大
- 新規医療相談・紹介・デジタルサービス純増分:数量 80,000(年間有料取引を行う実利用者数(人))× 価格 0.00(一実利用者当たり年間追加手数料売上(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。新しい仲介だけを八万人に販売
- 将来買収先の事業増分:数量 3.0(十年後まで連結に残る買収先企業数(社))× 価格 5.00(一買収先当たり年間売上高(億円))→ 売上 15 億円・営業利益 2 億円。買収三社が年間15億円の売上を追加
倍率:余剰現金22億円の税後利息0.308億円を純利益から控除し、事業純利益5.842億円・事業自己資本57.0億円でROEは10.25%。堀は普通なので増分ROIC(RONIC)=8.0%+0.5×(ROE−8.0%)=9.12%。十年より先の名目成長g=2.0%、資本コストk=8.0%からPER上限(1−g÷RONIC)÷(k−g)=13.0135倍を直接採用する。余剰現金は戻り方0.75で16.5億円を別加算する。
確率:通販の再成長と複数の買収が一定程度成功するが、プラットフォームの手数料化と保健事務の単価維持はまだ検証されていない。楽観ほど連続成功は必要ないが15%に限定する。
中立 32% 撤退後の規模を立て直すが、資本効率は低い 利益 3 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 203 円53 億円
中国化粧品を失った後、会社は小さくなった売上規模から再出発する。主力のイミダペプチドは製品開発を継続し、定期購入価格の改定で名目売上を支えるが、国内人口減少と競争により販売パック数は大幅には伸びない。国内化粧品は旧来の中国向けの規模には戻らない。臨床試験とラクトフェリンのOEMは実際の研究需要に沿って徐々に増え、物価上昇に対応した単価を得る。
保険者向けのデータ処理と事務受託はAIエージェント代替によって作業量が減り、契約数換算で約三分の二まで縮小する。価格は人件費上昇を全額転嫁できず、十年間で約一六%しか上がらない。医療専門職が担う保健指導は必要性が高く、契約数が約一割強増えて減収を部分的に補う。新プラットフォームは六万人に実際の追加サービスを提供するが、既存通販の売上を移すだけの部分は新規収益としない。
会社は三社を取得し、約10億円の売上を増やす。しかし本社費と新事業開発費が増えるため、連結営業利益は約4.5億円にとどまる。純利益は約3.2億円でROEは五%前後となり、2030年目標の収益性が十年後も完全には定着しない。株主への配当は続くが、留保利益を投じ直しても資本コストに届かないため、価値が大きく複利成長する会社には変わらない。
- 生体評価・臨床試験:数量 24.0(年間受託試験数(大型試験換算・件))× 価格 0.14(試験一件の平均契約収入(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。大型試験換算24件、価格はほぼ物価連動
- 保険者向けデータ・事務受託(AI代替):数量 72.0(データ・事務サービスを契約する保険者換算数(組合))× 価格 0.05(一組合当たり年間の事務受託売上(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。AIエージェント代替で数量110→72、単価の上昇は物価未満
- 専門職による保健指導・重症化予防:数量 125(保健指導提供先の保険者換算数(組合))× 価格 0.04(一組合当たり年間の保健指導売上(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。対人指導は110→125件の実質増
- 機能性食品・イミダペプチド:数量 195,000(主力飲料30本入り換算販売パック数(パック・年))× 価格 0.00(一パック当たりの売上(億円))→ 売上 22 億円・営業利益 4 億円。販売パック数は小幅減、単価に物価約34%を反映
- プラセンタ化粧品・国内再建:数量 18,000(美容液30mL製品換算販売個数(個・年))× 価格 0.00(一個当たり代表販売収入(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。中国撤退後の国内小規模ブランド
- 機能性素材・ラクトフェリンOEM:数量 42.0(年間取引先・OEM契約換算数(契約))× 価格 0.13(一契約当たり年間売上(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。OEMは30→42契約相当
- 新規医療相談・紹介・デジタルサービス純増分:数量 60,000(年間有料取引を行う実利用者数(人))× 価格 0.00(一実利用者当たり年間追加手数料売上(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。六万人の追加相談・紹介手数料、旧製品売上を除外
- 将来買収先の事業増分:数量 3.0(十年後まで連結に残る買収先企業数(社))× 価格 3.33(一買収先当たり年間売上高(億円))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。三社で年商計10億円の純増、買収代金と現金を二重計上しない
倍率:事業の純利益2.922億円(余剰現金22億円の税後利息0.308億円を控除)÷事業の自己資本42.4億円でROEは6.89%。資本コスト8.0%に届かず、十年より先の成長は超過価値を生まないため、正当化PERの上限1÷0.08=12.5倍をそのまま使う。余剰現金は22億円×戻り方0.75=16.5億円を別に足し、事業の利益と二重に評価しない。
確率:2027年会社予想の大幅減収、既存サプリの小幅な数量減と物価転嫁、AIの保険事務縮小、現実的な三社買収を合わせた中心ケースである。新規サービスの売上寄与は限定的とする。
やや悲観 25% 事務の自動化と広告費高騰で再建が遅れる 利益 −1 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 121 円32 億円
撤退した中国化粧品の穴が埋まらず、残った国内製品も広告費を抑えるため販売量が下がる。定期購入者の離脱に対して値上げが難しく、主力サプリの営業利益率は一桁台に落ちる。機能性食品市場そのものの需要は残るものの、品質だけで大手の販促に勝てるわけではない。OEMも主要顧客の開発計画が遅れ、臨床試験は小型案件中心になる。
保険者のデータ処理はAIエージェントが入札価格を引き下げ、契約数換算では半分程度しか残らない。対人指導は一定の規模を守るが、同じ組合からの案件単価は大きく伸ばせない。健康プラットフォームは実利用者を増やすために広告とシステム費用がかかり、相談事業の採算は赤字となる。既存通販とデジタル新事業の間で顧客を奪い合い、期待された相乗効果も実現しない。
一社だけの買収にとどまり、取得先の利益率も低い。年間の本社固定費が残るため、連結では営業赤字と小幅な最終赤字になる。2030年までの配当方針は当面維持するが、その後は減配に追い込まれる。十年間の純利益累計がほぼゼロとなる一方、配当で自己資本は減るため、残存資産と僅かな再建余地を中心に評価すべき状態になる。
- 生体評価・臨床試験:数量 15.0(年間受託試験数(大型試験換算・件))× 価格 0.12(試験一件の平均契約収入(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。食品評価試験の開発予算が細る
- 保険者向けデータ・事務受託(AI代替):数量 57.0(データ・事務サービスを契約する保険者換算数(組合))× 価格 0.05(一組合当たり年間の事務受託売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。事務系の約半分のみ契約を維持
- 専門職による保健指導・重症化予防:数量 105(保健指導提供先の保険者換算数(組合))× 価格 0.03(一組合当たり年間の保健指導売上(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。対人型でも単価は伸びない
- 機能性食品・イミダペプチド:数量 165,000(主力飲料30本入り換算販売パック数(パック・年))× 価格 0.00(一パック当たりの売上(億円))→ 売上 17 億円・営業利益 2 億円。販促競争で量と粗利率が下がる
- プラセンタ化粧品・国内再建:数量 9,000(美容液30mL製品換算販売個数(個・年))× 価格 0.00(一個当たり代表販売収入(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。中国撤退後の国内販路も細る
- 機能性素材・ラクトフェリンOEM:数量 25.0(年間取引先・OEM契約換算数(契約))× 価格 0.12(一契約当たり年間売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。OEM先の発注縮小
- 新規医療相談・紹介・デジタルサービス純増分:数量 25,000(年間有料取引を行う実利用者数(人))× 価格 0.00(一実利用者当たり年間追加手数料売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。利用者獲得費で赤字継続
- 将来買収先の事業増分:数量 1.0(十年後まで連結に残る買収先企業数(社))× 価格 4.00(一買収先当たり年間売上高(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。一社を取得しても相乗効果なし
倍率:構造的な営業赤字を見込むため利益に永久継続のPERを掛けない。2026年の現時点の自己資本61.1億円に対して評価し、十年間の留保利益を加減した2036年の自己資本を倍率の分母に使わない。税後に処分可能な現金・棚卸等の床約27億円と、低採算の事業を縮小し立て直す小さな選択肢の価値を合算して約31.8億円と評価した。過去の市場PBRには依存しない。
確率:下に寄せる理由:中国化粧品の収縮は既に確認された事実で、事務系受託のAI代替、弱い値決め力、買収費用が重なりやすい。AIの縮みそのものは数量へ一度だけ反映し、確率では中国撤退後の再編の不確実性を評価する。
悲観 16% 買収失敗と主力ブランドの衰退が重なる 利益 −5 億円 · PBR 0.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 51 円13 億円
中国化粧品の売上はほぼ消え、国内の主力サプリも顧客高齢化と競争激化で数量が半減する。定期通販の解約増に対し価格を上げられず、広告を削ればさらに顧客が減る悪循環になる。機能性素材は顧客の内製化と競合の安値攻勢を受け、研究開発費さえ十分に回収できない。臨床試験は契約先メーカーが縮小し、規制対応に必要な最低限の固定費だけが残る。
保険者の事務処理はAIエージェントによって大半の仕事が置き換わる。人が行う保健指導の需要は残るが、会社は数少ない契約を奪い合う立場になる。新プラットフォームの画面や健康情報は汎用AIとの違いを示せず、利用者を集めるほど開発費が重い事業となる。配当方針は早期に見直され、わずかな支払の後は停止する。
残っていた現金を複数の買収に大きく投じるが、取得先の売上と利益は想定を下回り、多くを整理して一社しか残らず、のれんや商標を減損する。十年後の売上は約17億円、営業損失は約6億円となり、経営は存続しても過去の優良性を失う。株主が受け取れるのは研究ブランドの復活という期待ではなく、現実に売却できる事業資産と現金の残余が中心となる。
- 生体評価・臨床試験:数量 12.0(年間受託試験数(大型試験換算・件))× 価格 0.10(試験一件の平均契約収入(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。研究試験の受注縮小で人件費が重い
- 保険者向けデータ・事務受託(AI代替):数量 36.0(データ・事務サービスを契約する保険者換算数(組合))× 価格 0.04(一組合当たり年間の事務受託売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。事務委託は大半消滅し採算悪化
- 専門職による保健指導・重症化予防:数量 75.0(保健指導提供先の保険者換算数(組合))× 価格 0.03(一組合当たり年間の保健指導売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。対人指導も顧客を失う
- 機能性食品・イミダペプチド:数量 95,000(主力飲料30本入り換算販売パック数(パック・年))× 価格 0.00(一パック当たりの売上(億円))→ 売上 9 億円・営業利益 −1 億円。主力通販の継続顧客が大きく減る
- プラセンタ化粧品・国内再建:数量 3,000(美容液30mL製品換算販売個数(個・年))× 価格 0.00(一個当たり代表販売収入(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。国内美容液も縮小
- 機能性素材・ラクトフェリンOEM:数量 12.0(年間取引先・OEM契約換算数(契約))× 価格 0.10(一契約当たり年間売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。素材OEM契約の消失
- 新規医療相談・紹介・デジタルサービス純増分:数量 8,000(年間有料取引を行う実利用者数(人))× 価格 0.00(一実利用者当たり年間追加手数料売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。新規の仲介サービスに課金力がない
- 将来買収先の事業増分:数量 1.0(十年後まで連結に残る買収先企業数(社))× 価格 1.00(一買収先当たり年間売上高(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。複数社買収後の整理・減損で一社のみ残り、売上は僅か
倍率:構造的な営業赤字が定着しているため恒久的な利益倍率を使わず、会社が保有していた2026年時点の自己資本61.1億円を基準に税後で売れる事業資産と最小限の再建オプションを評価した。床約5億円に、縮小後の研究・通販の顧客基盤を再編する場合の価値約8.4億円を加える。2036年の積み増し自己資本に床PBRを掛けたり過去のPBRの底から逆算したりはしない。
確率:下に寄せる理由:過去二度の赤字期と海外化粧品撤退により事業選択の失敗が実証されている。現金を大きく使った後に主要ブランドのリピート需要が失われる複合損失は低頻度でも無視できず16%とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
生体評価・臨床試験
食品・医薬品の臨床評価試験を受託し、大学発バイオマーカー技術を用いて有効性や安全性を検証する。
| 数量年間受託試験数(大型試験換算・件) | 価格試験一件の平均契約収入(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 20.0 | 0.11 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 24.0 | 0.14 | 3 | 0 |
取り方:2026年6月期有報のセグメント外部売上2.15268億円を正とする。受託試験件数と単価の直接開示はないので、複数の試験規模を大型案件に換算した年20件を仮定し、一件約1076万円として逆算した。これは実際の登録試験数ではなく数量推定。国内のUMIN-CTRは臨床試験全般を含むため、この件数をそのまま同社の市場シェアとしない。
保険者向けデータ・事務受託(AI代替)
健康保険組合の受診勧奨、レセプト分析、報告書作成、連絡・手続など、人の処理工数が価格に効く受託部分。
| 数量データ・事務サービスを契約する保険者換算数(組合) | 価格一組合当たり年間の事務受託売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 110 | 0.04 | 5 | 1 |
| 10 年後 中立 | 72.0 | 0.05 | 4 | 1 |
取り方:報告されたヘルスケアサポート事業の売上7.86731億円・セグメント利益約1.602億円をデータ事務60%、対人指導40%に試算上分離した。会社はこの比率を開示していない。数量110は過年度資料で掲げられた2026年の契約組合数目標を当面の近似として採用し、実績数と断定しない。事務サービスの価格は約429万円/組合・年となる。AIエージェント代替の人月・工数型で、十年中立の契約量・作業量を110から72へ0.65倍に落とす。
専門職による保健指導・重症化予防
特定保健指導、糖尿病重症化予防、健康診断のフォローなど医療専門職の人的介入が必要な契約。
| 数量保健指導提供先の保険者換算数(組合) | 価格一組合当たり年間の保健指導売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 110 | 0.03 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 125 | 0.04 | 5 | 1 |
取り方:2026年ヘルスケアサポート事業の売上7.86731億円を対人指導40%として仮配分した。データ事務部門と契約先が重なるので、両部門の110組合を足して220の独立顧客とはしない。実契約組合数およびサービス別平均価格は非開示であり、今後開示されれば置き換える。対人介入はAIエージェントが書類を補助しても医療専門職の役割が残る。
機能性食品・イミダペプチド
疲労感軽減の機能性食品、イミダペプチド飲料・カプセルなどの通販・卸売り。
| 数量主力飲料30本入り換算販売パック数(パック・年) | 価格一パック当たりの売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 198,610 | 0.00 | 17 | 3 |
| 10 年後 中立 | 195,000 | 0.00 | 22 | 4 |
取り方:2026年の健康補助食品セグメント売上16.88186億円・利益約3.28544億円。子会社公式商品ページ https://japanpm.com/product.html の主力飲料30本通常価格8500円(定期購入7650円)を代表単価とし、その他飲料・カプセル・卸を含む部門売上を30本入り相当の約19.9万パックへ換算。実際の年間出荷パック数・部門実現平均単価は非開示なので厳密な販売本数ではない。会社の累計7900万本という実績と混ぜない。
プラセンタ化粧品・国内再建
BBラボラトリーズ由来のプラセンタ製品を中心に、縮小した国内向け販売を続ける。
| 数量美容液30mL製品換算販売個数(個・年) | 価格一個当たり代表販売収入(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 89,160 | 0.00 | 9 | 0 |
| 10 年後 中立 | 18,000 | 0.00 | 2 | 0 |
取り方:2026年の化粧品部門売上8.82685億円・利益約0.48335億円を正とする。30mLプラセンタ美容液の公開小売価格9900円を品種混合・卸売を含む代表等価単価とし、約8.9万個相当へ換算したもので実際の販売個数ではない。矢野経済研究所の2025年度国内化粧品市場は約2兆6430億円(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/4207)。中国市場からの撤退で2027年部門売上計画は約1.2億円となるため、十年の筋書きは2026年の販売数量を単純に増やさず、一度大幅に縮めてから国内再建を想定。
機能性素材・ラクトフェリンOEM
ラクトフェリン等の原料供給、機能性素材の共同開発とOEM向け販売。
| 数量年間取引先・OEM契約換算数(契約) | 価格一契約当たり年間売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 30.0 | 0.10 | 3 | 0 |
| 10 年後 中立 | 42.0 | 0.13 | 5 | 1 |
取り方:2026年の機能性素材開発事業売上2.96986億円・利益0.32892億円が実績。契約件数・単価は開示されないため、大小の受注を年30契約に等価換算し一契約約990万円で売上を照合した。契約が研究期間で切れるため数量は固定的な顧客数ではない。2026年9月の四川科倫薬業との素材共同研究は枠組み合意で、現時点で確定した売上は算入しない。
新規医療相談・紹介・デジタルサービス純増分
既存のサプリ・素材・化粧品販売以外で新たに生じる健康相談、医療機関紹介、各種仲介の対価のみ。
| 数量年間有料取引を行う実利用者数(人) | 価格一実利用者当たり年間追加手数料売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 0.0 | 0.00 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 60,000 | 0.00 | 4 | 0 |
取り方:2026年6月期に独立したプラットフォーム事業の確定売上はない。2027年から始動し、会社は2030年に10万人の購買・利用者とプラットフォームの幅広い売上目標を掲げているが、その売上には既存サプリ・化粧品が入る。本欄はそれらを含めず、新しい健康相談・紹介の追加売上だけに限定する。今の年間4千円は仮の参考単価であり2026年の実売単価を意味しない。AIで健康情報画面の価値が下がる可能性を考える。
将来買収先の事業増分
会社が2030年までに約25億円の投資枠で取得を構想する医療DX・臨床試験・OEM等の連結追加事業。
| 数量十年後まで連結に残る買収先企業数(社) | 価格一買収先当たり年間売上高(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 0.0 | 5.00 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 3.0 | 3.33 | 10 | 1 |
取り方:現時点でこの計画による追加買収売上は確定していない。会社資料の2030年まで約25億円の投資枠、案件規模は数億〜10億円を上限に、2036年の中心筋書きは三社取得・一社年3.33億円程度の売上と仮定する。数量は買収社数、価格はその一社が一年に生む連結追加売上であり、買収の取得価額ではない。既存部門・既存顧客との重複売上を除き、投入される現金25億円はexcess_cash_okuからあらかじめ除いた。
リスクと懸念
AI エージェント代替と保険者向け受託の縮小
健康保険組合のレセプト解析、申請案内、受診勧奨、報告書の作成などはAIエージェントで自動化しやすい。保健指導の対人部分とは分け、事務系の中立数量は十年で約三分の二へ減ると考える。顧客との関係が続いても単価は物価並みに上げられない可能性が高い。独自データと低解約率などの複数の証拠は確認できず、規制業務を一律に強い堀として扱わない。
中国化粧品市場撤退後の売上とブランド毀損
2026年の化粧品売上約8.8億円は、中国販売網が残っていた時期を含む実績だが、2027年の会社見通しは約1.2億円へ落ちる。撤退後も旧来の海外販路と売上が戻る想定は危険である。国内のプラセンタ商品が定着しなければ、在庫処分や販売促進費が固定負担になり、過去の提携資産の価値も下がりうる。
巨額の買収投資と低い増分資本利益率
会社が掲げる2030年までの買収投資枠25億円は、現在の時価総額の四割を超える。売上を積み増しても税後利回りが資本コストの八%を下回れば、取得した企業価値以上の代金を払った可能性がある。医療DXの販売網が重複したり、買収先の経営陣が離職したりすれば、のれん減損と恒常的な費用増が現金の下値を削る。
機能性食品の競争、広告費と法規制
サプリメント市場では広告投資が大きい大手との競争があり、同じ疲労対策という訴求でも他社への乗り換えは簡単だ。機能性表示食品の届出や表示、広告規制が強化されれば、追加の試験費用と広告修正が要る。エビデンスの強さは参入障壁の一部だが、消費者の継続率や実現価格を守れるかは別に追う必要がある。
新プラットフォームの利用者目標と重複計上
2027年に始まる健康プラットフォームの売上には、すでに計上されているサプリや化粧品が含まれる。2030年に掲げた利用者十万人が登録だけで終わると、相談・仲介手数料は増えない。生成AIが健康情報の窓口を代替し、大手ECが医薬品配送とオンライン診療を束ねれば、独自の顧客獲得費用が想定以上に高くなる。
厚い現金と配当維持の逆説
純現金約54億円だけを見れば割安に映るが、経営は買収・プラットフォーム開発・配当を進めている。2030年までの最低配当は現行株数で年間約2.6億円に相当し、足元の純利益を上回る。先行投資が長引けば、現金を減らしながら低ROEが続く。財務の安全性と少数株主の実現リターンは区別しなければならない。
今後の分かれ目
- 保険者向けの実契約組合数と対人保健指導の継続率が増え、単価も公表されたら
- AIによる事務作業の減少を、人による指導の契約と成果報酬で相殺できたと判断し、保険者事業の数量と中立利益率を上げる。
- 2030年の利用者目標十万人のうち有料取引者が明示され、既存通販との重複を除いた課金売上が増えたら
- 新規デジタル事業の実際の販売単価を推定値から置き換え、楽観とやや楽観の確率を再検討する。
- 買収が決まり、取得価格・のれん・買収後の税後営業利益と投下資本が開示されたら
- 25億円の現金を単に資産から控除するのでなく、確認できた増分ROICをそれぞれの筋書きに反映する。八%に満たなければ減価要因とみる。
- 健康補助食品の通販の実購入者数、定期継続率、実質価格の上昇が確認できたら
- 累計販売本数からの推測をやめ、数量と単価を実績で改める。値上げ後の解約率が低ければ堀と長期利益率を上方評価する。
- 化粧品の国内売上が2027年の縮小後も減り、売れない在庫や事業売却損が出たら
- 化粧品の再成長可能性を下げ、悲観側の清算可能資産を棚卸評価損の分だけ減らす。
- 営業利益が約5億円に達しても自己資本利益率が八%に届かなかったら
- 達成した売上よりも、現金と買収資産が生む利益率を重視する。資本を効率よく還元できない限り適正な利益倍率を高めない。
見ておくもの
- 2027年6月期の新三部門の売上・営業利益、とくにプラットフォーム純増収入と既存通販売上の区別
- イミダペプチドの定期購入者数、実売数量、顧客維持率と販売価格改定後の解約率
- 契約健康保険組合の実数、受診勧奨・事務処理と専門職による保健指導の売上内訳
- 2030年に向けた十万人の有料利用者目標と顧客当たり追加収入
- M&Aの累計使用現金、取得事業ののれん、のれん減損、買収事業の税後利益とROIC
- 連結純現金と流動有価証券残高、配当総額と年間のフリーキャッシュフロー
- 臨床試験の受注残、ラクトフェリンのOEM継続顧客と中国・ASEANへの実際の製品出荷
倍率と資本コストの決め方
現在の株価や過去のPBRではなく、各事業の試験件数、受託保険者数、食品の販売単位、素材の契約数と買収先の数から十年後の売上を組み立てた。2026年の化粧品売上は2027年の撤退後の姿と混同せず、新しい三部門のうち旧事業に含まれる額を二重計上していない。中立の事業ROEは資本コスト八%を下回るため、正当化PERの上限はその逆数の12.5倍とした。楽観二本は事業ROEから求めた増分投資利回りと長期成長率二%で上限を決めた。悲観二本は過去の株価の底を用いず、現時点の自己資本と清算可能な資産から評価した。2027年以降の新リース会計は財務表示を変えるが、家賃を営業費用とする同一基準で十年後を比較する。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基準7.5%に事業品質の合計+0.5%を加えた。再編・買収の個別の成否は確率と利益に反映し、追加の苦境プレミアムは課さない。