結論
トライアイズは、性格の違う 3 つの小さな事業を束ねた持株会社だ。ダムや河川の点検と設計を請け負う建設コンサルタント、中古の収益物件を買って直して売る不動産の再販、そして「CLATHAS」というファッションブランドの貸し出しである。筆者の結論は「割高」だ。本業は 2021 年から 5 年続けて営業赤字で、今の時価総額は自己資本の 2 倍近い。払う値段に見合う稼ぐ力が見えない。
2025 年 12 月期は売上 14 億円、営業損失 2 億円だった。沖縄で進めたプール付きのヴィラの開発が提携先の遅れで止まり、7 億円近い引当金を積んで最終赤字になった。会社は今、不動産の再販に力を集め、新株予約権で資金を集めている。
10 年先を見ても、筆者はこの会社が資本コストを稼ぐ姿を描きにくい。再販は物件の値段を市場に決められ、コンサルは官公庁の入札で値段が決まる。どちらも規模が小さく、本社の費用を賄うのがやっとだ。
安全域は現金にある。純現金は 20 億円を超える。ただ、資金を集めて新しい事業に使う会社であり、その現金が株主に戻る道は細い。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、トライアイズは「わからない事業の集まり」に近い。10 年後にどの事業が残り、どれだけ稼ぐかを、確信をもって言えない。そうした会社に、自己資本の 2 倍の値段を払う理由は乏しい。
オーナー利益、つまり株主が自由に使えるお金は、この 5 年ほぼゼロかマイナスだ。会計の黒字は為替差益や商標の売却益に頼り、本業の営業の利益は赤字が続く。不動産の再販は在庫を回すために現金を要し、利益が出てもすぐ次の物件に消える。
安全域は、純現金と販売用の不動産にある。だが、経営は集めた資金を新しい事業に投じてきた。過去の投資の結果を見ると、その現金が株主のために増えて戻る見込みは高くない。筆者は、今の値段は事業の価値ではなく、話題と期待の上に乗っていると見る。
事業の中身が変わり、黒字が数年続くのを確かめてからでも遅くはない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの柱は 3 つあるが、どれも小さい。
最も大きいのは不動産投資だ。中古のアパートやビルを買い、手を入れて投資家に売る。2025 年 12 月期は売上 9 億円を稼いだが、沖縄の開発の評価損で赤字だった。沖縄では、名嘉真のプール付きヴィラ 6 棟と、仲泊のコンドミニアムホテル 40 室を提携先と組んで進めていた。工事が遅れ、会社は事業を保留し、払った代金の返金を求めている。
2 つ目は建設コンサルタントで、子会社のクレアリアが担う。ダムの長寿命化の計画、河川や砂防の施設の点検と設計が中心で、発注者は国や自治体だ。売上は年 3 億円ほどで、技術者の数が売上の上限を決める。能登半島地震の復興の仕事にも加わっている。
3 つ目は CLATHAS というブランドの貸し出しだ。かばんや服を作る会社から使用料を受け取る。2025 年には老舗の皮革の工房、濱野皮革工藝を手放し、2026 年 6 月には商標権そのものをファングリーという会社に譲った。今は収益を分け合う形で関わる。
この 3 つの上に、上場の会社としての本社がある。本社の費用は年 2 億円ほどで、3 つの事業の利益をほぼ食い尽くす。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社がまねできない強みは、どの事業にも見当たらない。
不動産の再販は、物件を安く買い、高く売る腕の勝負だ。参入は容易で、大手から個人の業者まで何千社もが競う。値段は市場が決め、金利が上がれば買い手の利回りの要求も上がる。建設コンサルは技術者の経験が財産だが、クレアリアの規模では、日本工営や建設技術研究所のような大手と同じ土俵には立てない。ブランドは、商標を譲った時点で自分のものではなくなった。
資本の使い方にも疑問が残る。過去 10 年の ROE の中央値は 1% で、ほとんど稼いでいない。ハワイの不動産、沖縄の開発、老舗の工房と、新しい事業に手を出しては引く歴史を繰り返してきた。沖縄では提携先に払ったお金の大半を引当金に回した。
強いて挙げれば、財務の厚さだ。自己資本比率は 9 割近く、借金はほとんどない。ただ、それは稼いだ結果ではなく、過去にためた資本と新しく集めた資金の結果である。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
3 つの事業は、それぞれ別の業界に属する。共通するのは、どの業界でもトライアイズが小さな参加者にすぎないことだ。
不動産の再販は、金利と景気に強く振れる。日本は物価と金利が上がる局面に入り、借りて買う投資家の利回りの要求は高まる。中古の収益物件の値段は、家賃の上昇が金利の上昇に追いつくかで決まる。参入の壁が低く、景気がよい年は業者が増え、悪い年は在庫を抱えた業者が安売りに走る。
建設コンサルは、むしろ追い風の中にある。高度成長期に造ったダム、橋、トンネルが寿命を迎え、点検と更新の需要は 10 年以上続く。国土強靱化の予算も厚い。ただ、仕事は入札で取り、値段は国の積算で決まる。人手不足で技術者の取り合いが激しく、小さな会社ほど人を集めにくい。AI が設計の計算や図面の作業を助けるようになれば、少ない人で回せる反面、値段の下げ圧力にもなる。
ブランドの貸し出しは、ブランドそのものの力で決まる。CLATHAS は 1990 年代に人気を集めたが、今の若い世代には新しい名前ではない。SNS で知名度を上げる施策は、商標を譲った先の会社が担う。
資本政策と M&A
還元はほとんどない。2025 年 12 月期は無配で、2026 年 12 月期は配当の再開を予定するが、総額は年 0.4 億円ほどだ。自社株買いの計画もない。
逆に、会社は株主から資金を集めている。2026 年 3 月、行使価額が株価に連れて動く新株予約権を発行した。全部が行使されると株は 1 割ほど増える。集めた資金は不動産の再販に回す計画である。
大株主は投資事業組合などで、親会社はいない。社長は経営学者の岩尾俊兵氏が務める。小さな会社で買収の対象にもなりうるが、事業の価値より現金の方が大きい会社を高く買う相手は限られる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
会社は変わり始めている。赤字の皮革の工房を売り、ブランドは商標を譲って身軽になった。沖縄の開発は保留にして返金を求め、力を不動産の再販に集める。2026 年度の計画では、不動産の売上は 11 億円、営業利益は 1.6 億円を見込む。新株予約権で集めた資金を回せば、物件の数は 2〜3 倍にできる。
建設コンサルには長い追い風がある。ダムや河川の施設の老朽化で、点検と更新の仕事は 10 年以上なくならない。能登の復興も加わる。クレアリアは利益率 15% 前後を出す力がある。
財務は厚い。純現金は 20 億円を超え、借金はほとんどない。不動産の再販は、手元資金と少しの借入で回転を上げれば、自己資本の利回りを大きく引き上げられる。経営学の知見を持つ社長が仕組みを整えれば、本社の費用の重さも薄まる。会社の計画どおり 2027 年度に営業利益 2 億円台に乗れば、黒字の会社として評価は変わる。
社長の岩尾俊兵氏は経営学者として知られ、仕組みで事業を回す考え方を持ち込もうとしている。小さな会社ほど、経営者 1 人の力で姿が変わる。
慎重な見方
5 年続く営業赤字は、偶然ではなく事業の形の問題だ。3 つの事業はどれも小さく、本社の費用 2 億円を賄えない。会計の黒字は為替差益や商標の売却益といった一度きりの利益で作られてきた。
不動産の再販に力を集めるのは、最も値段を決められない事業に賭けることを意味する。金利が上がれば買い手の利回りの要求が上がり、物件は売りにくくなる。在庫を抱えた業者が安売りに走れば、利益は簡単に消える。会社はすでに沖縄の開発で 7 億円近くを引当金に回した。
資本の使い方も変わらない。ハワイ、沖縄、皮革の工房と、手を出しては引く歴史が続く。今は株主に資金を求め、株を 1 割ほど増やそうとしている。還元はほとんどない。時価総額は自己資本の 2 倍近くで、稼ぐ力が見えない会社に払う値段ではない。10 年後に、現金を少しずつ食いながら事業を入れ替え続ける会社のままである可能性は高い。
小さな会社の宿命として、本社の費用は事業が縮んでも減らない。上場を保つ費用だけで、利益の多くが消える構図は変わらない。
どちらに重みを置いたか
慎重な見方がはっきり強い。再販への集中と建設コンサルの追い風は本物だが、本社の費用を賄って資本コストを稼ぐ規模には届きにくい。過去 10 年の ROE の中央値 1% という実績が、楽観の言い分を弱める。確率は中立を中心に、悲観側を楽観側よりはっきり厚くした。新しい社長のもとで事業が絞られた点は評価できるが、結果が数字に出るまでは待つべきだと筆者は見る。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 169 円15 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 35 円3 億円)。 今の値に割り戻すと 96 円8 億円、今との差 −90.3%、 期待の年率 −14.6%(資本コスト 8.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5% | 459 円40 億円 | 62 円5 億円 | −47.2% | −6.2% | 26 円2 億円 |
| やや楽観 | 17% | 258 円23 億円 | 52 円5 億円 | −68.6% | −10.9% | 53 円5 億円 |
| 中立 | 40% | 172 円15 億円 | 42 円4 億円 | −78.3% | −14.2% | 86 円7 億円 |
| やや悲観 | 23% | 93 円8 億円 | 21 円2 億円 | −88.4% | −19.4% | 26 円2 億円 |
| 悲観 | 15% | 76 円7 億円 | 10 円1 億円 | −91.3% | −21.7% | 13 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 169 円15 億円 | 35 円3 億円 | −79.4% | −14.6% | 203 円18 億円 |
今の株価時価総額 987 円86 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 5% 再販が軌道に乗り、黒字の会社に変わる 利益 3 億円 · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 459 円40 億円
新株予約権で集めた資金と借入で、不動産の再販は年 50 件ほどまで増える。仕入れの目利きと売却の網が整い、利益率は 10% を保つ。クレアリアはダムの更新と能登の復興で技術者を増やし、利益率は 15% に上がる。CLATHAS は譲った先の会社の SNS の施策で使用料が伸びる。本社の費用は物価並みに抑えられ、会社全体の営業利益は 4 億円ほどになる。配当も少しずつ増える。それでも自己資本の利回りは 5% 弱で、資本コストには届かない。株主から見れば、会社が生まれ変わる筋書きだが、それでも今の値段を支えるほどの稼ぎにはならない。
- 不動産投資(買取再販):数量 50.0(売った物件(件・年、推定))× 価格 1.05(1 件あたりの売上(億円))→ 売上 53 億円・営業利益 5 億円。50 件(4.2 倍)× 1.05 億円(1.36 倍)、利益率 10%
- 建設コンサルタント(クレアリア):数量 26.0(技術者(人、推定))× 価格 2,300(1 人あたりの年間売上(万円))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。26 人(1.3 倍)× 2,300 万円(1.38 倍)、利益率 15%
- ファッションブランド(CLATHAS):数量 12.0(ライセンスの契約(社、推定))× 価格 0.09(1 社あたりの年間売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 1 億円。12 社 × 0.09 億円(商標譲渡後の分け合い)、利益率 70%
倍率:事業の純利益 3 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 5.4% が k 8.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍 + 余った現金(戻り方込み)9 億円。全体の PER 11.43 倍、時価総額 44 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:過去 12 年で営業利益率 10% を超えたのは 2019 年の 1 度だけで、会社の計画どおりに進んだ実績も乏しい。5% とした。
やや楽観 17% 再販が年 30 件ほどに増え、小さな黒字が続く 利益 2 億円 · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 258 円23 億円
不動産の再販は年 30 件ほどに増え、利益率 10% を保つ。沖縄の案件は返金の交渉で一部を取り戻すが、新しい開発は手がけない。クレアリアは技術者を少し増やし、点検と更新の仕事で利益率 13% を出す。ブランドの使用料は小さいながら続く。会社全体の営業利益は 2 億円弱で、ようやく本社の費用を上回る。配当は年 0.4 億円前後が続き、現金は新しい物件の仕入れに回る。自己資本の利回りは 2% 台にとどまる。
経営は小さな成功を積み重ねるが、新しい事業への寄り道もときどき起きる。株主から見れば、赤字の会社が黒字の会社に変わる筋書きだが、値段に見合う稼ぎには遠い。
- 不動産投資(買取再販):数量 32.0(売った物件(件・年、推定))× 価格 1.03(1 件あたりの売上(億円))→ 売上 33 億円・営業利益 3 億円。32 件(2.7 倍)× 1.03 億円(1.34 倍)、利益率 10%
- 建設コンサルタント(クレアリア):数量 24.0(技術者(人、推定))× 価格 2,231(1 人あたりの年間売上(万円))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。24 人(1.2 倍)× 2,231 万円(物価並み)、利益率 13%
- ファッションブランド(CLATHAS):数量 10.0(ライセンスの契約(社、推定))× 価格 0.09(1 社あたりの年間売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 1 億円。10 社 × 0.085 億円、利益率 65%
倍率:事業の純利益 1 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 2.8% が k 8.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍 + 余った現金(戻り方込み)9 億円。全体の PER 11.43 倍、時価総額 25 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:2026 年度の不動産の計画(営業利益 1.6 億円)が一部実現する筋書き。中間期は売却の時期がずれ込み計画を下回ったので 17% とした。
中立 40% 再販はほどほどに増えるが、本社の費用でほぼ消える 利益 1 億円 · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 172 円15 億円
不動産の再販は年 20 件ほどまで増え、売上は 20 億円台になる。ただ、物件の値段を市場に決められ、利益率は 10% にとどまる。クレアリアはダムと河川の仕事で技術者を少し増やすが、人手不足で大きくは伸びない。ブランドの使用料は年 1 億円に届かない。本社の費用は物価とともに増え、会社全体の営業利益は 1 億円に満たない。新株予約権の行使で株は 1 割ほど増え、現金は再販の在庫に姿を変える。配当は年 0.4 億円前後が続く。
株主から見れば、会社は存続するが、資本はほとんど増えない。現金が事業の在庫に変わるだけの 10 年である。
- 不動産投資(買取再販):数量 22.0(売った物件(件・年、推定))× 価格 1.03(1 件あたりの売上(億円))→ 売上 23 億円・営業利益 2 億円。22 件(1.8 倍。集めた資金で増やす)× 1.03 億円(物価並み 1.34 倍)、利益率 10%
- 建設コンサルタント(クレアリア):数量 22.0(技術者(人、推定))× 価格 2,231(1 人あたりの年間売上(万円))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。22 人(1.1 倍)× 2,231 万円(1.34 倍)、利益率 12%
- ファッションブランド(CLATHAS):数量 8.0(ライセンスの契約(社、推定))× 価格 0.08(1 社あたりの年間売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。8 社 × 0.08 億円(商標譲渡で 1 社あたりは半分)、利益率 70%
倍率:事業の純利益 1 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 1.4% が k 8.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍 + 余った現金(戻り方込み)9 億円。全体の PER 11.43 倍、時価総額 17 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:事業の入れ替えが続き、どれも本社の費用を大きく上回る規模に育たない。過去 10 年の実績に最も近い筋書きとして 40% とした。
やや悲観 23% 再販で在庫を抱え、赤字が続く 利益 −1 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 93 円8 億円
金利が上がり、投資家の利回りの要求が高まる。中古の収益物件は売れにくくなり、トライアイズは値下げで在庫を手放す。再販の利益率は 4% まで下がる。クレアリアは技術者の引き抜きで人が減り、利益率も落ちる。ブランドの使用料は細る。本社の費用を賄えず、営業赤字が毎年続く。会社は現金を食いながら次の事業を探し、10 年で 10 億円以上の現金が消える。配当はほとんど出ない。
株主に残るのは、減った現金と売れ残りの物件だ。経営の交代や方針の転換も起こりうる。新しい社長の改革は、市況の逆風に押し戻される。帳簿の自己資本も少しずつ減っていく。
- 不動産投資(買取再販):数量 12.0(売った物件(件・年、推定))× 価格 0.98(1 件あたりの売上(億円))→ 売上 12 億円・営業利益 0 億円。12 件(横ばい)× 0.98 億円(1.27 倍、値下げで売る)、利益率 4%
- 建設コンサルタント(クレアリア):数量 18.0(技術者(人、推定))× 価格 2,100(1 人あたりの年間売上(万円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。18 人(0.9 倍)× 2,100 万円(1.26 倍)、利益率 6%
- ファッションブランド(CLATHAS):数量 5.0(ライセンスの契約(社、推定))× 価格 0.07(1 社あたりの年間売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。5 社 × 0.07 億円、利益率 60%
倍率:赤字なので PBR で置く。床は純現金から 10 年の赤字を引き、在庫の不動産の売れる値段を足して戻り方 0.5 を掛けた約 9 億円で、2025/12 期末の自己資本 43.6 億円の 0.206 倍。
確率:金利の上昇で中古の収益物件の売れ行きが落ちれば、再販の在庫は重荷になる。沖縄の開発の失敗という前例もあり 23% とした。
悲観 15% 再販も行き詰まり、現金を食い続ける 利益 −2 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 76 円7 億円
不動産の再販は金利の上昇と競争で行き詰まり、会社は在庫を損切りして事業を縮める。クレアリアは技術者の高齢化で受注を減らし、ブランドの使用料もほぼ消える。本社の費用だけが残り、毎年 2 億円を超える赤字が続く。経営は新しい事業を探し、また別の投資に手を出す。株は新株予約権でさらに増え、現金は 10 年で半分以下になる。株主に残るのは、細った現金と売れ残りの不動産である。
上場を保つ費用だけが毎年出ていき、会社は小さな殻のようになる。10 年前と同じく、次の事業を探す会社のままである。株主の取り分は、新しい株の発行でさらに薄まる。
- 不動産投資(買取再販):数量 6.0(売った物件(件・年、推定))× 価格 0.95(1 件あたりの売上(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。6 件(0.5 倍)× 0.95 億円(1.23 倍)、利益率 −5%
- 建設コンサルタント(クレアリア):数量 14.0(技術者(人、推定))× 価格 2,000(1 人あたりの年間売上(万円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。14 人(0.7 倍)× 2,000 万円(1.20 倍)、利益率 0%
- ファッションブランド(CLATHAS):数量 3.0(ライセンスの契約(社、推定))× 価格 0.06(1 社あたりの年間売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。3 社 × 0.06 億円、利益率 50%
倍率:赤字なので PBR で置く。床は純現金から 10 年の赤字を引き、在庫の不動産と撤退の費用を見て戻り方 0.5 を掛けた約 7.3 億円で、2025/12 期末の自己資本 43.6 億円の 0.167 倍。
確率:5 年続く営業赤字と、ハワイ・沖縄・皮革の工房と続いた撤退の歴史から、構造的に負ける筋書きを 15% と厚めにした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
不動産投資(買取再販)
中古の収益物件を買い、手を入れて投資家に売る。沖縄のヴィラとホテルの開発は保留中。
| 数量売った物件(件・年、推定) | 価格1 件あたりの売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 12.0 | 0.77 | 9 | −1 |
| 10 年後 中立 | 22.0 | 1.03 | 23 | 2 |
取り方:件数の開示は無いので推定。2025/12 期の売上 9.26 億円を年 12 件・1 件 0.77 億円と置いた。営業損失 0.65 億円は沖縄の開発の評価損 1.59 億円を含む(再販だけなら黒字)。
建設コンサルタント(クレアリア)
子会社クレアリアが、ダムの長寿命化、河川・砂防の施設の点検・設計、防災の業務を国や自治体から請け負う。
| 数量技術者(人、推定) | 価格1 人あたりの年間売上(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 20.0 | 1,665 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 22.0 | 2,231 | 5 | 1 |
取り方:技術者の数の開示は無いので推定。売上 3.33 億円を約 20 人・1 人あたり年 1,665 万円と置いた。AI エージェント代替は「建設コンサルの許認可業務」の行で、設計の計算と図面の事務の部分だけを数量と価格に入れた。
ファッションブランド(CLATHAS)
CLATHAS ブランドの使用料。2026 年 6 月に商標権をファングリーに譲り、収益を分け合う形に移った。
| 数量ライセンスの契約(社、推定) | 価格1 社あたりの年間売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 10.0 | 0.16 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 8.0 | 0.08 | 1 | 0 |
取り方:契約数の開示は無いので推定。売上 1.64 億円(連結除外した濱野皮革工藝の分を含む)を約 10 社・1 社 0.16 億円と置いた。2026 年 6 月の商標権の譲渡で、以後は収益の分け合いになり 1 社あたりの売上は下がる。
リスクと懸念
営業赤字の続き
2021 年 12 月期から 5 年続けて営業赤字で、短信には継続企業の前提に関する重要事象等の記載がある。注記には至っていないが、本社の費用を事業の利益で賄えない形が続く。
不動産の市況と金利
力を集める不動産の再販は、金利が上がると買い手の利回りの要求が高まり、物件が売れにくくなる。在庫を抱えたまま値下げを迫られれば、利益は簡単に消える。
沖縄の開発の回収
提携先と進めたプール付きヴィラとホテルの開発は遅れて保留になり、7 億円近くを引当金に回した。返金と販売代金の請求がどこまで実るかは、相手の支払い能力次第だ。
株の希薄化
2026 年 3 月に発行した新株予約権は、行使価額が株価に連れて動く形で、全部が行使されると株は 1 割ほど増える。資金を集めて新しい事業に使う姿勢が続けば、さらに株が増える恐れがある。
事業の入れ替えの多さ
ハワイの不動産、沖縄の開発、皮革の工房と、手を出しては引く歴史を繰り返してきた。経営の方針が変わるたびに、投じた資本の一部が失われてきた。
AI エージェント代替
建設コンサルの設計の計算や図面の作業は、AI が助ける範囲が広がる。少ない人で回せる一方、国の積算の単価に下げ圧力がかかる恐れがある。現場の点検の仕事は残る。
今後の分かれ目
- 不動産の再販で年 2 億円以上の営業利益を 2 期続けて出したら
- 本社の費用を賄える規模に育った証拠として、やや楽観の確率を上げる。
- 沖縄の開発の返金や販売代金をまとまって回収できたら
- 引当金の戻りで現金が増える。悲観の床を上げる。
- また新しい分野の事業や買収に大きな資金を投じたら
- 事業の入れ替えが続くとみて、やや悲観に重みを移す。
- 新株予約権の追加の発行や増資を決めたら
- 株主の取り分の係数を下げ、悲観側を厚くする。
- 自社株買いや配当の大幅な増額を打ち出したら
- 現金が株主に戻る道が開くとみて、戻り方を上げる。
見ておくもの
- 不動産の再販の売上・営業利益と在庫の回転
- 営業損失と営業キャッシュフローの改善
- 沖縄の案件の返金と回収
- 新株予約権の行使と株数
- クレアリアの受注と技術者の数
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の株価や PBR 1.8 倍を見ずに、ROE と k 8.75% から決めた。中立の ROE は 1.4% と k を大きく下回るので、PER の上限は 1÷k の 11.1 倍で、その 8 割。量は再販の件数を集めた資金の分だけ増やし、値段は物価並み。会社の 2027 年度の営業利益 2 億円台の計画は、やや楽観に近い。過去 12 年の営業利益率の山は 14.6% で、中立の 2.6% はその内側。新株予約権の残りは持ち分の係数で、余った現金は戻り方 0.5 で数えた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 10.5→11.43 倍・やや楽観 PER 9.4→11.43 倍・中立 PER 8.9→11.43 倍)。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本 7.5% + quality 1.5%。営業損失が続くが純現金で存続の疑いはないので extra は付けず、赤字の続きは筋書きと確率で表した。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 9.00% → 8.75%。