結論
フルハシEPOは、解体現場で出る木くずを受け入れ、木材チップに変えて売る会社だ。名古屋証券取引所にも上場し、愛知県を中心とする中部に基盤がある。筆者の結論は「やや割高」。成長の道筋は明るいが、借入で工場を増やす途中で、今の値段はそれを先取りしている。
稼ぎの中心はバイオマテリアル事業で、売上の 7 割、利益の 9 割を占める。ごみを受け入れる処理料と、チップの販売益の両方が入る。廃棄物処理は許認可がなければ始められず、これが堀になる。
前期は売上 100 億円、営業利益 12 億円と 6 期連続で過去最高を更新した。会社は 2030 年 3 月期に売上 140 億円、営業利益 25 億円を掲げる。筆者は、この目標の半分強の達成で中立と置く。
気になるのは、新工場の許認可の遅れで計画を 2 年延ばしたことだ。借入は 44 億円あり、工場が動く前に利払いが先行する。
配当は連結配当性向 35% 以上で、減らさない方針(累進)。株主優待もある。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、見るべきは「許認可と集荷の網がどこまで続くか」と「借入での拡大が価値を生むか」の二点だ。
許認可は本物の堀である。廃棄物処理の許可は取りにくく、現場からの集荷の網も一朝一夕には作れない。ここは評価できる。
一方で、拡大を借入で進める会社は、バリュー投資家にとって評価が難しい。工場が動けば利益は大きく増えるが、遅れれば利払いと償却だけが先に来る。計画が 2 年延びたことが、その危うさを示している。
10 年後に営業利益が 2 倍近くなる中立の筋書きでも、今の時価総額を大きく上回る値にはならない。成長の果実は、すでに値段に先取りされていると筆者は見る。
安全域は厚くない。悲観の床は工場と土地の売れる価値だけで、借入を返すとほとんど残らないからだ。
経営陣が配当を累進とし、性向 35% 以上を約束している点は好ましい。ただ、拡大のために借入を使う以上、配当より返済が優先される局面もあり得る。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの柱はバイオマテリアル事業で、前期の売上は 73 億円、利益は 10.6 億円だった。解体現場や建設現場から木くずを受け入れ、破砕してチップにする。処理料を受け取ったうえで、チップを製紙、建材、バイオマス発電の燃料として売る。
資源循環事業は売上 17 億円で、住宅の建設現場に回収ボックスを置き、建設副産物を選別する。木くずは自社のバイオ工場に回るため、集荷の入り口を担う。利益は 0.9 億円と薄い。
その他は売上 13 億円で、木製パレットなどの物流機器、警備、人材派遣、環境コンサルティングが入る。利益は 0.35 億円と小さく、全体を左右しない。
発電への関わりもある。川崎のバイオマス発電に 13%、半田のバイオマス発電に 10% を出資し、燃料のチップも供給する。
従業員は連結で 487 人、平均年収は 559 万円。工場の増設に合わせて人を増やす段階にある。顧客は製紙会社、建材会社、発電会社、ハウスメーカーなどに分かれ、特定の客に頼る度合いは小さい。
工場は愛知県を中心にした中部と、関東に広がる。名古屋鳴海のセンターは 2026 年 9 月の完了予定で、投資額は 8.5 億円。愛知第八工場(一宮)は 2024 年 10 月に動いた。
優良さと弱いところ
優良さは「中の上」と見る。強みは三つある。一つ目は許認可で、廃棄物処理の許可は新規参入の壁になる。二つ目は集荷の網で、ハウスメーカーの現場から木くずを集める資源循環事業がバイオ工場に原料を流す。三つ目は成長実績で、売上は 6 期連続で過去最高だ。
弱みは木質一本に寄っていることだ。利益の 9 割が木くずの処理とチップの売却にあり、チップの値と木くずの量に左右される。住宅着工件数の減少は、解体と新築の木くずを減らす方向に働く。
財務は拡大の途中にある。自己資本比率は 45%、有利子負債は 44 億円で、前期の設備投資は 24 億円。営業利益の伸びが借入の増加に追いつくかが勝負になる。
経営は成長に積極的で、配当は連結配当性向 35% 以上、累進配当を基本とする。資本の使い方としては、借入を使った拡大でROE 15% を狙う設計だ。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の建設系の木くずは年 500 万トン前後とされ、処理業者は中小が多く分散している。規模の大きい会社は少なく、フルハシEPOは中部の有力な一社だ。
追い風は二つある。一つは廃棄物の再資源化の規制強化で、埋め立てや焼却から再利用へ流れが進むこと。もう一つはバイオマス発電の燃料需要で、輸入燃料の高騰が国内の木質チップの価値を上げている。
逆風は集荷の取り合いだ。木くずの量は人口と住宅着工に結びつき、実質では増えにくい。工場を増やしても、原料が足りなければ稼働率は上がらない。
新工場の許認可は、建設費や物流費の上昇もあって遅れている。業界全体で許認可と立地の確保が難しくなっており、持つ者が有利になる反面、増設の速度は読みにくい。
競合は中部・関東の中小の処理会社と、産廃・一廃を兼ねる事業者で、価格より集荷の網と許認可が差になる。
業界の構造をもう少し言えば、木くずは「ごみ」から「燃料・原料」へ価値の位置が動いている。以前は処理料が収入の中心だったが、バイオマス発電の増加でチップそのものに買い手が付くようになった。受け入れる量と、売る先の両方を押さえた会社が強い。ただし、買い手の発電所は買取制度に頼る面があり、制度が変われば燃料の値も変わる。
資本政策と M&A
資本政策は、成長のための借入と、株主への配当の両立が基本だ。連結配当性向は 35% 以上を目安にし、配当は累進、つまり減らさない方針である。前期は増配し、今期もさらに増やす予定だ。
設備投資は前期 24 億円、新設は借入と営業 CF(15 億円)で賄う。旧計画では 100 億円超の投資を予定していた。短期の借入が 26 億円と多く、返済の期日管理が要る。
親会社や大株主の状況は、今回確かめられていない。株主優待はデジタルギフトで、200 株以上の株主に年 2 回、デジタルギフトが出る。株主数が不明だが、年 1 億円には届かないと推定し、還元に数えても差は 1 ポイントに満たない。
買収の実績は小さく、再編の対象になる可能性は低いと見る。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
許認可の堀があり、集荷の網が広がるほど処理量が増える事業だ。バイオマテリアルの利益率は 14% を超え、廃棄物処理としては高い。
新工場が動けば、売上は 140 億円、営業利益は 25 億円に届く。計画が 2 年延びても、需要がなくなったのではなく、工場の許可が遅れただけだ。木質チップはバイオマス発電の燃料として需要が強く、輸入燃料の高騰も追い風になる。
ROE は 15% と資本コストを大きく上回る。配当は累進で、性向 35% 以上を続ける。借入の増加も、営業 CF が 15 億円あり、返済が可能な範囲にある。
10 年で処理量が 5 割増えれば、営業利益は 26 億円を超える。会社の計画の延長に過ぎず、特別な前提は要らない。
加えて、木質のチップは輸入燃料より運ぶ距離が短く、二酸化炭素の面でも有利だ。国内の木質資源を使う流れは、政策面でも長く続くとみられる。
最後に、計画は上方にも開いている。許認可の遅れが解ければ、旧計画の 2028 年 3 月期目標(営業利益 30 億円)に戻ることも考えられる。
慎重な見方
許認可は堀だが、新設の許認可が遅れたことは、その堀が自社にも壁になることを示している。計画は 2 年延びた。
廃木材の量は人口と住宅に結びつき、増えにくい。工場を増やしても原料が足りなければ、稼働率は上がらず、償却と利払いだけが先に重くなる。
利益の 9 割が木質一本で、チップの値や処理料の下落がそのまま響く。経常利益は前期に 18% 減り、純利益も 14% 減った。売上は伸びたのに、利益が伸びなかったことを軽く見てはならない。
借入は 44 億円で、短期が 26 億円を占める。金利が 3.5% 前後に上がる中で、拡大のための追加借入は、利益の伸びを食う。
加えて、新設の工場は償却が先に来る。10 年で償却は倍近くに増え、稼働率が上がらなければ利益率は 12% の山を超えられない。計画の 17% は、過去に一度も出ていない水準だ。
借入で拡大する会社の失敗は、金利が上がる局面で顕在化しやすい。今がその局面である。
どちらに重みを置いたか
許認可の堀は評価するが、新設の遅れと借入の重さを同じ強さで見た。利益の増加は織り込み済みなので、確率は中立を厚くし、やや悲観を 3 割弱に置いた。悲観の確率は、木質一本で借入があることから 1 割強とした。
言い換えれば、計画の達成は半分強で中立に置き、残りの不確実さを確率に回した。
結果として、楽観側の確率は 2 割強、悲観側は 4 割弱に置いた。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 1,849 円215 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 355 円41 億円)。 今の値に割り戻すと 1,193 円139 億円、今との差 +6.2%、 期待の年率 +7.0%(資本コスト 7.0%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 3,990 円463 億円 | 560 円65 億円 | +304.8% | +15.0% | 273 円32 億円 |
| やや楽観 | 17% | 3,074 円357 億円 | 474 円55 億円 | +215.6% | +12.2% | 603 円70 億円 |
| 中立 | 37% | 2,309 円268 億円 | 396 円46 億円 | +140.7% | +9.2% | 1,001 円116 億円 |
| やや悲観 | 28% | 757 円88 億円 | 293 円34 億円 | −6.6% | −0.7% | 294 円34 億円 |
| 悲観 | 12% | 177 円21 億円 | 103 円12 億円 | −75.1% | −13.0% | 34 円4 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,849 円215 億円 | 355 円41 億円 | +96.1% | +7.0% | 2,205 円256 億円 |
今の株価時価総額 1,124 円130 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.0% を下回るほど割高。
楽観 6% 新工場が許認可を得て稼働し、計画の 17% 台に迫る 利益 23 億円 · PER 20.1 倍 · 株価時価総額 3,990 円463 億円
許認可の遅れが解け、新しい再資源化工場が次々と動く。処理量は 10 年で 7 割増え、チップはバイオマス燃料の需要に支えられて物価以上の値で売れる。
営業利益率は 14% 台に上がり、会社が掲げる 17% に近づく。営業利益は 32 億円と今の 2.7 倍になる。
借入で工場を建てるが、利益の伸びがそれを上回り、10 年後の財務は軽くなる。ただ、廃木材の集荷が追いつくかが最後まで問われる。
この筋書きでは、会社の掲げる目標が全部実現する。許認可、集荷、チップの値の三つが同時にうまく回る必要がある。
- バイオマテリアル:数量 78.0(木質廃棄物の処理量(万トン。推定))× 価格 2.24(1トンあたり売上(万円。処理料とチップ販売の合計・名目。推定))→ 売上 175 億円・営業利益 30 億円。bio 量 1.7 倍・価格 1.40 倍、利益率 17.0%
- 資源循環:数量 24.0(建設副産物の回収・処理量(万トン。推定))× 価格 1.14(1トンあたり売上(万円・名目。推定))→ 売上 27 億円・営業利益 2 億円。rc 量 1.2 倍・価格 1.34 倍、利益率 6.5%
- その他(環境物流等):数量 18.1(物流機器の枚数・警備の人日などを合算した取扱単位(万単位。推定))× 価格 1.07(1単位あたり売上(万円・名目。推定))→ 売上 19 億円・営業利益 1 億円。oth 量 1.1 倍・価格 1.34 倍、利益率 4.0%
倍率:事業の純利益 22 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 16.7% が k 7.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 11.9%、10 年より先の名目の伸び g 3.5% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 20.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 20.1 倍。全体の PER 20.14 倍、時価総額 453 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:許認可が順調に下り、16 か所規模の新設が進み、チップの需要も強い筋書き。計画は 2 年延びており、全部が重なる必要があるので低く置いた。
やや楽観 17% 新設が進み、利益率が過去の山の上で定着する 利益 18 億円 · PER 19.5 倍 · 株価時価総額 3,074 円357 億円
新工場は計画より遅れて動くが、処理量は 5 割増える。チップの値は物価よりやや高く、バイオマス発電の燃料需要が下支えする。
営業利益率は 13% 台で、過去の山(12%)を超えて定着する。営業利益は 26 億円ほど。
配当は配当性向 35% 以上を保ち、借入は利益で返しながら新設を続ける。
処理量は増えるが、新設の遅れで計画より 1〜2 年遅れる。利益率は過去の山を超えるが、17% には届かない。 配当は性向 35〜40% で増え続け、自己資本比率も 45% 前後で保たれる。バイオマス発電の燃料需要が引き続き強く、チップの売値が物価をやや上回る点が、この筋書きの支えになる。
- バイオマテリアル:数量 68.9(木質廃棄物の処理量(万トン。推定))× 価格 2.18(1トンあたり売上(万円。処理料とチップ販売の合計・名目。推定))→ 売上 150 億円・営業利益 24 億円。bio 量 1.5 倍・価格 1.36 倍、利益率 16.0%
- 資源循環:数量 22.0(建設副産物の回収・処理量(万トン。推定))× 価格 1.14(1トンあたり売上(万円・名目。推定))→ 売上 25 億円・営業利益 2 億円。rc 量 1.1 倍・価格 1.34 倍、利益率 6.0%
- その他(環境物流等):数量 16.4(物流機器の枚数・警備の人日などを合算した取扱単位(万単位。推定))× 価格 1.07(1単位あたり売上(万円・名目。推定))→ 売上 18 億円・営業利益 1 億円。oth 量 1.0 倍・価格 1.34 倍、利益率 3.5%
倍率:事業の純利益 18 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 15.0% が k 7.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 11.0%、10 年より先の名目の伸び g 3.5% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 19.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 19.5 倍。全体の PER 19.5 倍、時価総額 345 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:新工場の稼働は遅れつつ進み、処理量が 5 割増える筋書き。会社の計画の延長で、実績の成長率と近いので 2 割弱に置いた。
中立 37% 新設は計画より遅れ、処理量は 3 割強の増加にとどまる 利益 14 億円 · PER 18.5 倍 · 株価時価総額 2,309 円268 億円
新しい工場は計画の半分ほどしか動かず、処理量は 10 年で 35% 増える。チップの値は物価並みに上がる。
営業利益率は 12% 台前半で、過去の山を超えない。営業利益は 21 億円ほどで、今の 1.8 倍になる。
償却は新設分が足されて 15 億円ほどに増え、利益を押し下げる。借入が膨らむため、利払いの増加も純利益の比を 0.66 まで下げる。配当性向は 35〜40% で、自己資本は 130 億円ほどになる。
会社の 2030 年 3 月期の目標(営業利益 25 億円)は、この筋書きでは 10 年後にようやく届く水準に当たる。
- バイオマテリアル:数量 62.0(木質廃棄物の処理量(万トン。推定))× 価格 2.14(1トンあたり売上(万円。処理料とチップ販売の合計・名目。推定))→ 売上 133 億円・営業利益 19 億円。bio 量 1.4 倍・価格 1.34 倍、利益率 14.5%
- 資源循環:数量 20.0(建設副産物の回収・処理量(万トン。推定))× 価格 1.14(1トンあたり売上(万円・名目。推定))→ 売上 23 億円・営業利益 1 億円。rc 量 1.0 倍・価格 1.34 倍、利益率 5.5%
- その他(環境物流等):数量 16.4(物流機器の枚数・警備の人日などを合算した取扱単位(万単位。推定))× 価格 1.07(1単位あたり売上(万円・名目。推定))→ 売上 18 億円・営業利益 1 億円。oth 量 1.0 倍・価格 1.34 倍、利益率 3.0%
倍率:事業の純利益 14 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 12.9% が k 7.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.9%、10 年より先の名目の伸び g 3.5% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 18.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 18.5 倍。全体の PER 18.51 倍、時価総額 255 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:許認可の遅れが続いて新設は計画の半分ほどにとどまり、処理量は 3 割強増える。利益率は過去の山 12% の手前で止まる、最も標準的な姿。
やや悲観 28% 許認可の遅れと廃木材の取り合いで、伸びが鈍る 利益 8 億円 · PER 9.5 倍 · 株価時価総額 757 円88 億円
許認可の遅れで新設が進まず、処理量の増加は 15% にとどまる。廃木材は他社との取り合いになり、処理料は物価に追いつかない。
営業利益率は 9% 台に下がり、営業利益は 13 億円ほど。借入で建てた工場の償却と利払いが重く、純利益は 8 億円にとどまる。
配当は性向 35% を守るが、増配のペースは落ちる。
処理量は 15% しか増えず、投資の回収が遅れる。会社の目標は届かない。 借入の返済に追われ、新しい工場の投資は後ろに送られる。配当は伸びが止まるが、減らすことはない。チップの売値は物価に届かず、新しい工場の償却が営業利益を押し下げる年が続く。
- バイオマテリアル:数量 52.8(木質廃棄物の処理量(万トン。推定))× 価格 2.00(1トンあたり売上(万円。処理料とチップ販売の合計・名目。推定))→ 売上 106 億円・営業利益 12 億円。bio 量 1.1 倍・価格 1.25 倍、利益率 11.5%
- 資源循環:数量 18.0(建設副産物の回収・処理量(万トン。推定))× 価格 1.06(1トンあたり売上(万円・名目。推定))→ 売上 19 億円・営業利益 1 億円。rc 量 0.9 倍・価格 1.25 倍、利益率 4.0%
- その他(環境物流等):数量 15.6(物流機器の枚数・警備の人日などを合算した取扱単位(万単位。推定))× 価格 1.00(1単位あたり売上(万円・名目。推定))→ 売上 16 億円・営業利益 0 億円。oth 量 0.9 倍・価格 1.25 倍、利益率 2.0%
倍率:ROE 7.1%。ROE が k 7% を下回るので上限は 1÷k = 12.5 倍。RONIC = 8.0% + 1/2 ×(7.1% − 8.0%)= 7.6%、g 4% の正当化 PER は 11.8 倍。利益の質が落ちる筋書きなので約 8 割に置いた。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 9.5 倍・時価総額 75 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:新設が大きく遅れ、廃木材の集荷も他社と取り合いになる。住宅の解体が増えない限り処理量は伸びない。借入を抱えた会社として中立に近い厚みで置いた。
悲観 12% 木質に偏った設備が余り、借入が重くのしかかる 利益 1 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 177 円21 億円
構造的に負ける。住宅の解体は増えず、廃木材の取り合いで処理料が下がる。チップの値も安い輸入燃料に押され、処理量は 1 割減る。
営業利益率は 5% 前後まで下がり、利払いを引くと純利益はほぼ残らない。新設した工場が遊び、償却だけが残る。
配当は縮み、借入の返済が最優先になる。事業の稼ぎでは値が付かず、工場と土地の売れる価値が値の支えになる。
ROE は 1% 台に落ち、配当は縮む。この姿でも、1947 年から続く許認可と集荷の網は残る。 返済を優先して配当は縮み、新しい工場の投資は止まる。借入の借り換えは金利の高い条件になり、利益を食う。
- バイオマテリアル:数量 41.3(木質廃棄物の処理量(万トン。推定))× 価格 1.76(1トンあたり売上(万円。処理料とチップ販売の合計・名目。推定))→ 売上 73 億円・営業利益 4 億円。bio 量 0.9 倍・価格 1.10 倍、利益率 6.0%
- 資源循環:数量 16.0(建設副産物の回収・処理量(万トン。推定))× 価格 0.94(1トンあたり売上(万円・名目。推定))→ 売上 15 億円・営業利益 0 億円。rc 量 0.8 倍・価格 1.10 倍、利益率 2.0%
- その他(環境物流等):数量 14.0(物流機器の枚数・警備の人日などを合算した取扱単位(万単位。推定))× 価格 0.88(1単位あたり売上(万円・名目。推定))→ 売上 12 億円・営業利益 0 億円。oth 量 0.8 倍・価格 1.10 倍、利益率 1.0%
倍率:構造的に優良でなくなった姿。稼ぐ力(純利益 ÷ k)は 13 億円ほどにしかならず、工場と土地の売れる価値から負債を引いた約 20 億円が床になる。減損で自己資本を 62 億円に落とし、PBR 0.33 倍で床の近くに置いた。
確率:新工場を借入で建てたあとに、廃木材の量が思うように集まらず、チップの値も下がる筋書き。1947 年から続く会社だが、木質一本で規模が小さいので 1 割強に置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
バイオマテリアル
解体現場の木質廃棄物を受け入れて木材チップに再資源化し、製紙・建材・バイオマス燃料として売る。処理料とチップ販売の二本立て。
| 数量木質廃棄物の処理量(万トン。推定) | 価格1トンあたり売上(万円。処理料とチップ販売の合計・名目。推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 45.9 | 1.60 | 73 | 11 |
| 10 年後 中立 | 62.0 | 2.14 | 133 | 19 |
取り方:売上 73.4 億円・利益 10.58 億円(有報)。処理量は開示がなく、全国の建設系木くず(年 500 万トン前後)のうち 1 割弱に当たるとみて、1 トンあたり 1.6 万円(処理料と売却益の合計の推定)で割った 45.9 万トンと推定した。
資源循環
住宅建設現場に回収ボックスを置き、建設副産物を選別して再資源化する。木質系は自社のバイオ工場へ回る。
| 数量建設副産物の回収・処理量(万トン。推定) | 価格1トンあたり売上(万円・名目。推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 20.0 | 0.85 | 17 | 1 |
| 10 年後 中立 | 20.0 | 1.14 | 23 | 1 |
取り方:売上 17.0 億円・利益 0.90 億円(有報)。処理量は開示がなく、1 トンあたり 0.85 万円と置いた推定。
その他(環境物流等)
木製パレットなどの物流機器の製造・販売、警備・人材派遣、環境コンサルティング。
| 数量物流機器の枚数・警備の人日などを合算した取扱単位(万単位。推定) | 価格1単位あたり売上(万円・名目。推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 16.4 | 0.80 | 13 | 0 |
| 10 年後 中立 | 16.4 | 1.07 | 18 | 1 |
取り方:売上 13.1 億円・利益 0.35 億円(有報)。異なる事業の合算なので換算単位は推定。全社の調整額は営業利益 11.74 億円との差 −0.1 億円。
リスクと懸念
新工場の許認可の遅れ
新設の許認可の遅れで、中期計画は 2 年延びた。建設費や物流費の上昇も重なる。工場が動く前に償却と利払いが先に来るため、遅れは利益をすぐに削る。
廃木材の集荷
木くずの量は人口と住宅着工に結びつく。住宅着工件数は減少傾向にあり、他社との取り合いも起きる。工場を増やしても原料が足りなければ稼働率が上がらない。
木質一本への偏り
利益の 9 割が木くずの処理とチップの売却にある。チップの値、処理料、バイオマス発電の買取制度の変更が、そのまま利益に響く。
借入の重さと金利
有利子負債は 44 億円で、短期が 26 億円を占める。借り換えは 3.5% 前後と想定し、拡大のための追加借入は利払いを増やす。営業 CF は 15 億円ある。
利益の質
前期は売上が 6.7% 増えたのに、経常利益は 18% 減り、純利益は 14% 減った。為替などの一時要因もあるが、増収が増益に直結しない点は注意したい。
AI エージェント代替
その他事業の警備・人材派遣が一部該当するが、売上の 13% で利益は 3% しかない。木質の処理は現場の体が中心で、置き換えの影響は小さいとみて、k と数量には効かせていない。
今後の分かれ目
- 名古屋の新工場が予定どおり 2026 年 9 月に完了し、稼働率が上がったら
- 許認可の遅れが一過性だったとみて、楽観・やや楽観の確率を引き上げる。
- 新設の許認可がさらに遅れ、計画が再度延びたら
- 中立の処理量の伸びを下げ、やや悲観の確率を上げる。
- 営業利益率が 2 期続けて 11% を割ったら
- チップの値か集荷の問題とみて、利益率の置き方を見直す。
- 有利子負債が 70 億円を超え、営業 CF では返せない水準になったら
- 借入の重さを理由に、悲観の確率を引き上げる。
- 大株主や同業による TOB・提携の発表があったら
- 買付価格を、本質価値と比べて見直す。
見ておくもの
- バイオマテリアルの処理量と利益率
- 新工場の許認可と稼働の時期
- 有利子負債(特に短期借入金)と営業キャッシュフロー
- チップの販売価格と受入単価
- 連結配当性向(35% 以上)の維持
倍率と資本コストの決め方
倍率は、ROE が k 7% を上回る中立で 1÷k = 12.5 倍を下限に置き、式の正当化 PER(14.3 倍)の約 9 割で 12.8 倍とした。悲観側は ROE が k に届かない筋書きで式から置き、床は工場と土地の売れる価値から負債を引いて測った。今の株価や同業の PER は倍率の根拠にしていない。新リース会計基準で営業利益や純負債の形が 2028 年 3 月期から変わるが、10 年後も家賃を費用に入れた今の形にそろえて置いた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 14.5→20.14 倍・やや楽観 PER 13.5→19.5 倍・中立 PER 12.8→18.51 倍)。
資本コスト 7.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。k = 基本 7.5% + quality 0.5% = 8.0%。個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表す。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.00% → 7.00%。