結論
帝国ホテルは、東京・大阪・上高地・京都で高級ホテルを営む老舗だ。筆者の結論は、土地の含み益を足しても本質価値は今の時価総額を大きく下回る、というものだ。今の値段は、日比谷の再開発への期待を先取りしている。
稼ぐ力は小さい。2026 年 3 月期の売上は 563 億円、営業利益は 21 億円で、営業利益率は 4% に届かない。純利益 43 億円には税金の戻りが混じり、会社は翌期を 19 億円と見ている。ホテルは人手と建物に金がかかる商売で、客室の値上げも人件費と減価償却に消えやすい。
一方、持っている土地は桁が違う。本館とタワー館の敷地は日比谷公園の目の前で、帳簿の価額はほぼゼロだ。三井不動産がタワー館の敷地の 35% を約 620 億円で買う話は、その値打ちを映している。ただ、本館の敷地は営業の土台で、現金にはならない。タワー館の建て替えも建築費の高騰で 2030 年度末まで延び、新本館の完成は未定になった。タワー館が閉まる 2031 年度からは、営業利益が 3 割ほど落ちる谷が数年続く。
10 年後、新しいタワーはまだ建設の途中にいる。利益が実るのはその先だ。中立の筋書きでは、谷を抜けた 10 年後の純利益は約 28 億円。土地と賃貸用マンションの含み益を半分と見て、新タワーの持分を投じた額で足すと、時価総額は約 1,190 億円になる。ただ 10 年先の値で、割り引いた今の価値は約 520 億円と、今の約 1,100 億円の半分ほどだ。客室単価の持続力、タワーの採算、三井不動産との関係が分かれ目になる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点で、帝国ホテルは資産は大きいが、稼ぐ力は小さい会社だ。看板は 130 年を超えて続き、日比谷の土地は代わりが利かない。ここまでは立派な事業の条件である。
ただ、利益が資産に比べて小さい。土地に眠る価値は、会社が自由に使えるお金になって初めて株主のものになる。本館の敷地は営業の土台で、売れば看板を失う。使えるのは、タワー館の敷地の持分だけだ。しかも三井不動産が共同の相手で、会社が価格や時期を決められない。
資本配分には慎重に見たい。京都の投資は 124 億円で、客室 55 室に対して重い。建築費が高騰するなか、タワーと本館の再建で 2,000 億円を超える事業費が見込まれ、自己資本 491 億円の 4 倍に当たる。借入が膨らめば、ホテルの薄い利益から利払いと減価償却が重くのしかかる。
安全域は見えない。今の時価総額は、中立の筋書きの 10 年後の価値を上回る。土地の含み益を足し、戻り方を半分と見ても、値段の根拠にならない。素晴らしい看板だが、払う値段に見合わない。
何で稼ぐ会社か
帝国ホテルは、日本の迎賓館を自任するホテル会社だ。客室数は東京 909、大阪 378、上高地 74、京都 55 の計 1,416 室。東京は本館 560 室とタワー館 349 室で、タワー館は 2024 年に営業を止めたあと、2025 年度から客室の販売を再開している。
売上の柱は宿泊だけではない。部門別では宴会が 3 割弱、宿泊が 3 割弱、食堂が 1 割強で、婚礼や法人宴会、レストランが同じ重みを持つ。大阪は宴会比率がさらに高く、上高地は客室稼働率が 9 割を超える季節営業のホテルだ。東京の客室単価は約 6.2 万円、稼働率は 62% で、タワー館の再開で稼働率はいったん下がった。
2026 年 3 月に開業した帝国ホテル京都は、55 室、事業費約 124 億円のスモールラグジュアリーである。規模ではなく看板の価値を高める店と位置づけている。不動産賃貸は賃貸用マンションが中心で、売上 4 億円、利益 1 億円ほどと小さい。本業でないので、利益は外して資産として別に評価した。
会社の資産の中心は、帳簿にほとんど載らない土地だ。東京の敷地の帳簿の価額はほぼゼロで、筆頭株主の三井不動産(33%)が再開発を共同で進める。ホテルの利益は小さいが、土地を活かした不動産の収益が、会社の長期の目標になっている。
優良さと弱いところ
堀は看板と立地だ。創業 135 年の帝国ホテルは、国賓・要人の宿として名が通り、婚礼・宴会でも指名される。日比谷公園に面した敷地は、同じ物を新しく作れない。
ただ、堀の広さが利益の大きさになっていない。営業利益率は 2026 年 3 月期で 3.8%、過去に良かった年でも 8% 台にとどまる。客室単価は東京で 6 万円台、稼働率は 6 割台だ。会社自身も、競合する新規ホテルの相次ぐ開業でハードの差が開いたと認めている。
人手の問題も重い。宴会・料飲は人の数で品質が決まり、人件費が物価と同じ速さで上がる。値上げで追いつけなければ、利益は薄くなる。ホテルの数字は景気や感染症にも弱く、2021〜22 年は 100 億円を超える営業赤字に沈んだ。
財務は今のところ健全だ。自己資本比率は 60%、現金は 223 億円ある。ただし京都の開業で借入が約 100 億円増え、この先は新タワー・中地区・本館の投資が続く。資本の使い方を試される 10 年になる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
東京のホテル市場は、訪日客の増加で需要が強い。2025 年の外国人延べ宿泊者数は約 1.78 億人泊で過去最高、日本人は約 4.76 億人泊でやや減った。需要の伸びを支えるのは訪日客で、10 年後も高水準が続くが、伸びは鈍る。
供給は増えている。東京では外資系や国内勢の超高級ホテルが相次いで開業し、立地とブランドだけでは単価を取れなくなった。人手不足で賃金も毎年 3% 前後上がる。婚礼は件数が減り続け、少人数化も進む。国内の宴会需要は人口とともに細る。
再開発の側では、建築費と人件費の高騰が計画を遅らせている。帝国ホテルのタワー館の解体は当初の 2024 年度から 2030 年度末へ延び、森ビルなど他の都心再開発にも遅れが出た。金利の上昇も、建設費の資金繰りに重くのしかかる。
日比谷の内幸町一丁目街区は、敷地が約 6.5 万㎡の大規模開発だ。街区の中地区に NTT 日比谷タワーが 2031 年 10 月の竣工予定で建ち、帝国ホテルが宴会場とホテルを運営する。物価が年 3% 上がる世界では、客室の価格は物価並みに上がるが、利益率は賃金に押されて大きくは伸びない。
資本政策と M&A
資本政策の中心は、再開発の資金繰りだ。会社は 2026〜2030 年度を準備期間とし、キャッシュの確保を最優先にしている。配当は安定的に払う方針で、配当性向は 2 割から 4 割だ。自社株買いはしていない。
大株主は三井不動産で、33% を持つ。帝国ホテルは三井不動産の持分法適用の関連会社で、子会社ではない。2007 年に国際興業から約 860 億円で株を引き継いだ。ほかにアサヒビール、大和証券、日本生命、富国生命、みずほ銀行、清水建設、鹿島建設が続き、持ち合いの色が濃い。
土地の処分が最大の論点だ。三井不動産とは、タワー館の敷地の 35% を約 620 億円で譲る基本合意がある。実行の時期は未定で、解体の延期で動いていない。新タワーは三井不動産と共同で建て、容積率は 900% から 1,340% に増える。中地区ではビルの所有者から借りて宴会場とホテルを営むため、家賃が固定の費用として残る。
TOB など会社の再編は、10 年のうちに起きる可能性が小さくない。ただ、買い手になりうる三井不動産は共同事業者でもあり、価格を競りにかける力が弱い。株主への還元が厚くなる材料としては期待しにくい。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
土地の値打ちを見落としてはいけない。日比谷公園の前に、本館とタワー館で約 2.3 万㎡の土地を持ち、帳簿の価額はほぼゼロだ。三井不動産がタワー館の敷地の 35% を約 620 億円で買うという事実は、残りの 65% が 1,100 億円を超えることを示す。時価総額 1,100 億円は、その土地だけで説明がつく。
本業も上向いている。2026 年 3 月期の営業利益は 3 割増え、売上は過去最高の 563 億円になった。タワー館の客室が戻り、京都が開業し、27 年 3 月期は売上 614 億円、EBITDA(償却前の利益)59 億円を見込む。2030 年度には 70 億円以上を狙う。
東京の客室単価は物価並みに上がり、訪日客が高単価の客室を埋める。京都は 55 室でグループ最高の単価を取れる。2031 年度に NTT 日比谷タワーで宴会場と新ブランドのホテルが開き、タワー館が閉じる分を補う。新タワーが完成すれば、賃貸住宅とオフィスの安定した家賃が入り、ホテルの景気の波を和らげる。
さらに、筆頭株主の三井不動産が会社を完全子会社にする道もある。土地の価値を前提にした TOB なら、今の値段を上回る可能性がある。
慎重な見方
土地は含み益があっても、現金にならない。本館の敷地は営業の土台で、売れば看板を失う。タワー館の敷地も 35% を売るだけで、残りは 10 年以上かけて新タワーに変わり、その間は利益を生まない。解体は 2030 年度末まで延び、完成は未定だ。建築費の高騰が止まらなければ、さらに遅れる。
本業は薄い。営業利益は 21 億円で売上の 4% に届かず、27 年 3 月期の純利益は 19 億円と、今の時価総額の 1.7% にすぎない。会社は 2030 年度の EBITDA 目標を 70 億円以上としたが、減価償却が 35 億円ほどあり、営業利益は 30 億円台だ。
京都と NTT 日比谷タワーの新ホテルは、どちらも小規模で、賃料や償却が重い。外資系の超高級ホテルの開業は続き、国内の婚礼は減り続ける。人件費は物価並みに上がり、値上げが追いつかなければ利益は残らない。
建て替えは、自己資本の数倍の事業費がかかる。借入が増え、金利が上がれば、薄い利益は利払いに消える。再開発の遅れ、建築費の超過、景気の悪化のどれか 1 つでも起きれば、配当も心もとない。
どちらに重みを置いたか
土地の価値は本物だが、現金になる量と時期は会社の意思だけで決まらない。ホテルの利益が小さいことも動かない。そこで、タワー敷地と賃貸用マンションの含み益を足しながら、戻り方は半分と見て、慎重な見方に確率を寄せた。
建て替えの谷(2031 年度から数年の利益の落ち込み)を通ったあと、中立の 10 年後の時価総額は今の 1.08 倍にとどまる。10 年で 8% しか増えない値を今の価値に割り引くと、今の値段の半分ほどになる。強気の見方がうまくいく楽観でも、年率の期待は 4% 台で、資本コストに届かない。建築費の高騰と再開発の遅れで、悲観側の確率を厚くしている。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 1,019 円1,205 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 61 円72 億円)。 今の値に割り戻すと 561 円664 億円、今との差 −38.6%、 期待の年率 +1.7%(資本コスト 7.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 1,526 円1,806 億円 | 96 円114 億円 | +77.5% | +5.9% | 114 円134 億円 |
| やや楽観 | 19% | 1,322 円1,564 億円 | 72 円85 億円 | +52.5% | +4.3% | 265 円313 億円 |
| 中立 | 37% | 1,184 円1,401 億円 | 63 円75 億円 | +36.4% | +3.2% | 461 円546 億円 |
| やや悲観 | 25% | 791 円936 億円 | 51 円60 億円 | −7.9% | −0.8% | 211 円249 億円 |
| 悲観 | 12% | 207 円246 億円 | 34 円40 億円 | −73.6% | −12.5% | 29 円34 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,019 円1,205 億円 | 61 円72 億円 | +18.1% | +1.7% | 1,079 円1,277 億円 |
今の株価時価総額 914 円1,082 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.0% を下回るほど割高。
楽観 7% 再開発が前倒しで進み、土地の価値が利益に姿を変え始める 10 年 利益 56 億円 · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 1,526 円1,806 億円
訪日客の高単価需要が続き、東京の客室単価は物価を上回って伸びる。タワー館(349 室)は 2030 年度末に閉まり、営業利益は 2030 年度の 46 億円から 2031 年度の 33 億円へ落ちる。ただ中地区の宴会場と約 100 室の新ブランドのホテルが 2031 年度に開き、谷は浅く終わる。本館は 560 室で稼働率が 7 割近くまで上がり、10 年目の営業利益は 79 億円に届く。京都は開業から数年で看板が立つ。タワー敷地の 35% の譲渡は 2031 年度までに実行され、手取りは新タワーの建設に入る。新タワーは 10 年目にほぼ出来上がるが、家賃が入るのはその先だ。会社は配当を 4 割近くまで引き上げる。いちばん良い 10 年だ。
- 東京事業所(本館・タワー館)と子会社等:数量 14.2(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 41(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊のほか宴会・料飲などの売上も室泊に割って含む))→ 売上 589 億円・営業利益 71 億円。本館 560 室×稼働 69.5%=14.2 万室泊、客室単価 9.1 万円(今の 6.19 万円)、宴会・料飲を含む室泊当たり売上 41.5 万円
- 大阪・上高地:数量 10.2(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 18(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・宴会・料飲などを室泊に割って含む))→ 売上 187 億円・営業利益 23 億円。関西の訪日客と婚礼の底堅さ
- 京都(2026 年 3 月開業):数量 1.5(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 37(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・料飲・スパなどを含む))→ 売上 55 億円・営業利益 12 億円。京都の看板が立ち稼働 75%
- 中地区(NTT 日比谷タワー、2031 年度開業予定):数量 2.9(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 40(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・料飲・併設の宴会場の売上を室泊に割って含む。今の価格水準))→ 売上 116 億円・営業利益 9 億円。中地区が好調に立ち上がる
倍率:事業の純利益 48 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 8.5% が k 7.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 7.7%、10 年より先の名目の伸び g 3.5% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.6 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.6 倍 + 余った現金(戻り方込み)1,140 億円。全体の PER 13.45 倍、時価総額 1,892 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 12.9 倍・時価総額 1,759 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:本業の単価上昇、中地区の成功、タワーの前倒しが同時にそろう必要があり、建築費が高騰している今はそろいにくい。ただ土地の価値が表に出る余地はあるので、1 割に近い確率を置いた。
やや楽観 19% 訪日客の高単価が続き、再開発の遅れが許容範囲に収まる 10 年 利益 40 億円 · PER 12.1 倍 · 株価時価総額 1,322 円1,564 億円
訪日客の需要は高水準を保ち、東京は物価並みに値上げを続ける。2030 年度に 38 億円まで伸びた営業利益は、タワー館が閉まる 2031 年度に 24 億円へ落ち、2032 年度も 30 億円にとどまる。谷は 2 年続く。本館 560 室の稼働率は 68% 台で、客室単価は物価をわずかに上回る。京都は立ち上がりに時間がかかるが、数年で黒字が定着する。タワー敷地 35% の譲渡は予定どおり進むが、新タワーの完成は 2030 年代後半にずれ込み、10 年目はまだ工事の途中だ。人件費と建築費は物価を少し上回って上がるものの、値上げで大半を吸収する。10 年目の営業利益は 56 億円。再開発の遅れが許容範囲に収まる、ホテルとして順調な 10 年になる。
- 東京事業所(本館・タワー館)と子会社等:数量 14.0(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 39(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊のほか宴会・料飲などの売上も室泊に割って含む))→ 売上 549 億円・営業利益 58 億円。本館 560 室×稼働 68.5%=14.0 万室泊、客室単価 8.6 万円(今の 6.19 万円)、宴会・料飲を含む室泊当たり売上 39.2 万円
- 大阪・上高地:数量 10.0(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 18(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・宴会・料飲などを室泊に割って含む))→ 売上 177 億円・営業利益 19 億円。大阪は単価を上げて伸ばす
- 京都(2026 年 3 月開業):数量 1.5(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 35(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・料飲・スパなどを含む))→ 売上 51 億円・営業利益 9 億円。京都は数年で黒字が定着
- 中地区(NTT 日比谷タワー、2031 年度開業予定):数量 2.8(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 38(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・料飲・併設の宴会場の売上を室泊に割って含む。今の価格水準))→ 売上 106 億円・営業利益 7 億円。中地区は家賃を払って小幅の黒字
倍率:事業の純利益 32 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 6.0% が k 7.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 14.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.3 倍 + 余った現金(戻り方込み)1,140 億円。全体の PER 11.47 倍、時価総額 1,594 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 12.09 倍・時価総額 1,516 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:訪日客の需要が続き、京都と中地区も軌道に乗る道筋は、会社の計画(EBITDA 70 億円以上)に近い。再開発の遅れが許容範囲に収まる筋書きとして 2 割弱を置いた。
中立 37% 物価並みの値上げと賃金の上昇が相殺し、再開発は遅れて進む 10 年 利益 28 億円 · PER 11.2 倍 · 株価時価総額 1,184 円1,401 億円
東京は物価並みの値上げを続けるが、国内の宴会と婚礼は人口とともに細る。この 10 年のかたちを決めるのは、建て替えの谷だ。営業利益は 2030 年度の 32 億円から、タワー館(349 室)が閉まる 2031 年度に 19 億円まで落ちる。東京の客室は本館 560 室だけになり、中地区の約 100 室は開業したばかりで稼働が低い。2033 年度に 28 億円、10 年目の 2035 年度に 40 億円と戻るが、谷が 10 年の純利益の合計を 30 億円ほど押し下げる。本館の稼働率は 66% 台、客室単価は物価並みの 8 万円台前半だ。タワー敷地 35% の譲渡は 2031 年度ごろに実行され、手取りは新タワーの建設費に回る。新タワーは 10 年目もまだ工事の途中で、家賃が入るのはその先になる。
- 東京事業所(本館・タワー館)と子会社等:数量 13.6(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 38(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊のほか宴会・料飲などの売上も室泊に割って含む))→ 売上 513 億円・営業利益 49 億円。本館 560 室×稼働 66.5%=13.6 万室泊、客室単価 8.3 万円(今の 6.19 万円)、宴会・料飲を含む室泊当たり売上 37.7 万円
- 大阪・上高地:数量 9.8(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 17(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・宴会・料飲などを室泊に割って含む))→ 売上 167 億円・営業利益 16 億円。大阪・上高地は物価並みの値上げ
- 京都(2026 年 3 月開業):数量 1.4(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 34(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・料飲・スパなどを含む))→ 売上 47 億円・営業利益 7 億円。京都は 55 室で利益は限られる
- 中地区(NTT 日比谷タワー、2031 年度開業予定):数量 2.7(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 36(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・料飲・併設の宴会場の売上を室泊に割って含む。今の価格水準))→ 売上 100 億円・営業利益 5 億円。中地区は家賃負担で利益率 5%
倍率:事業の純利益 20 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 4.1% が k 7.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 14.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.3 倍 + 余った現金(戻り方込み)1,140 億円。全体の PER 10.31 倍、時価総額 1,430 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 11.2 倍・時価総額 1,352 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:物価並みの値上げと賃金の上昇が相殺し、再開発は遅れながら進む。最も起こりやすい筋書きなので、いちばん重い確率を置いた。
やや悲観 25% 外資との競争と建築費の高騰で、利益が伸びない 10 年 利益 11 億円 · PER 9.9 倍 · 株価時価総額 791 円936 億円
外資系の超高級ホテルの開業が続き、東京の客室単価は物価に追いつかない。婚礼と法人宴会は件数が減り、本館の稼働率は 63% にとどまる。営業利益は 2030 年度の 25 億円から、タワー館が閉まる 2031 年度に 10 億円へ落ちる。中地区の新ブランドのホテルは立ち上がりが遅く、家賃を払うと利益が出ない。谷は 2032 年度の 8 億円まで続き、10 年目も 16 億円と今の水準に届かない。京都は集客が計画を下回る。建築費の高騰で新タワーの事業費がふくらみ、三井不動産との費用の分担と着工の時期をめぐって交渉が長引く。借入が増えて金利が上がり、利払いが利益を食う。配当は据え置きになる 10 年だ。
- 東京事業所(本館・タワー館)と子会社等:数量 12.8(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 36(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊のほか宴会・料飲などの売上も室泊に割って含む))→ 売上 459 億円・営業利益 34 億円。本館 560 室×稼働 62.6%=12.8 万室泊、客室単価 7.7 万円(今の 6.19 万円)、宴会・料飲を含む室泊当たり売上 35.8 万円
- 大阪・上高地:数量 9.4(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 16(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・宴会・料飲などを室泊に割って含む))→ 売上 149 億円・営業利益 11 億円。婚礼の減少で単価・数量とも弱い
- 京都(2026 年 3 月開業):数量 1.3(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 31(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・料飲・スパなどを含む))→ 売上 39 億円・営業利益 3 億円。集客が計画を下回る
- 中地区(NTT 日比谷タワー、2031 年度開業予定):数量 2.4(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 32(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・料飲・併設の宴会場の売上を室泊に割って含む。今の価格水準))→ 売上 77 億円・営業利益 1 億円。立ち上がりが遅れ家賃で利益ほぼゼロ
倍率:ROE は k を大きく下回り、PER の上限は 1÷k = 12.5 倍。利益が小さく固定費(家賃・減価償却)が重い筋書きなので、上限の約 7 割(9.88 倍)に置いた。余った資産は今の 0.75 倍(谷での食いつぶし、706 億円)に戻り方 0.5 を掛けて足す。 新タワーの持分は、譲渡の手取り 434 億円(税引き後)で建てているため、未完成でも投じた額(簿価)の価値があるとみて、今の 0.75 倍の 326 億円を足す(戻り方は掛けない。excess_noret_oku)。
確率:外資系の超高級ホテルの開業と建築費の高騰は、すでに表に出ている。再開発の遅れと家賃の固定費化で利益が伸びない筋書きは、会社の置かれた状況から見て確率が高い。
悲観 12% 再開発が止まり、固定の家賃と借入だけが残る構造的な負けの 10 年 利益 −3 億円 · PBR 0.5 倍 · 株価時価総額 207 円246 億円
再開発が構造的につまずく。建築費の高騰と金利の上昇で新タワーの採算が合わなくなり、着工が見送られるか、事業費を抱えたまま長引く。タワー館は 2030 年度末に閉まったまま収入を生まず、営業利益は 2030 年度の 12 億円から 2031 年度に 8 億円の赤字へ落ち、赤字は 5 年続く。中地区のホテルは稼働が上がらず、固定の家賃だけが残る。外資系との競争で東京の客室単価は物価を下回り、本館の稼働率は 56% まで落ちる。新タワーに入れた設計費や解体費の一部は損失になり、約 120 億円を落とす。借入の返済に、タワー敷地の持分の売却で入った手取りを回さざるをえない。配当は最低限に落ち、看板だけが残る構造的な負けの 10 年だ。
- 東京事業所(本館・タワー館)と子会社等:数量 11.5(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 33(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊のほか宴会・料飲などの売上も室泊に割って含む))→ 売上 382 億円・営業利益 23 億円。本館 560 室×稼働 56.3%=11.5 万室泊、客室単価 7.0 万円(今の 6.19 万円)、宴会・料飲を含む室泊当たり売上 33.2 万円
- 大阪・上高地:数量 8.4(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 14(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・宴会・料飲などを室泊に割って含む))→ 売上 122 億円・営業利益 6 億円。単価が物価を下回る
- 京都(2026 年 3 月開業):数量 1.0(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 28(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・料飲・スパなどを含む))→ 売上 29 億円・営業利益 −1 億円。赤字
- 中地区(NTT 日比谷タワー、2031 年度開業予定):数量 2.0(年間の販売客室数(万室泊))× 価格 29(1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・料飲・併設の宴会場の売上を室泊に割って含む。今の価格水準))→ 売上 58 億円・営業利益 −2 億円。赤字の運営と固定の家賃
倍率:赤字なので PBR で置く。今の自己資本 491 億円に 0.5 を掛けた。稼ぐ力は赤字で、床は売れる資産から置いた(下の床の内訳)。余った資産は谷で食われ、失敗した事業に使われると見て、今の 5 割に戻り方 0.5 を掛けた分が、この床にほぼ入っている。
確率:建築費と金利が悪い方向に転び、再開発が止まるか大幅に縮む筋書き。感染症や景気後退のときに 2 年連続で大幅な営業赤字を出した実績もあり、悲観を 1 割強置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
東京事業所(本館・タワー館)と子会社等
帝国ホテル東京の宿泊・宴会・婚礼・レストラン・売店と、子会社の外販など(賃貸用マンションの賃貸は外してある)。
| 数量年間の販売客室数(万室泊) | 価格1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊のほか宴会・料飲などの売上も室泊に割って含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 19.2 | 23 | 433 | 40 |
| 10 年後 中立 | 13.6 | 38 | 513 | 49 |
取り方:東京の宿泊売上 118.6 億円 ÷ 客室単価 6.19 万円 = 販売室泊 19.2 万。売上は東京事業所のホテル分 426.9 億円に子会社等の約 6.3 億円を足した 433.2 億円。賃貸用マンションの不動産賃貸(売上 4.0 億円・営業利益 1.1 億円)は本業でないので外し、資産の価値を余った資産に別に足している。室泊で割ると 1 室泊 22.6 万円。タワー館(349 室)は 2025 年度に段階的に再開したが、2030 年度末に閉まる。10 年後の数量は本館 560 室×365 日×稼働率で置き、宴会・料飲は本館に残るので室泊当たりの売上は物価 1.34 倍に混ざり方の変化 1.25 倍を重ねた約 1.67 倍になる。営業利益は事業所別が開示されず、ホテル事業 48.8 億円から大阪・上高地・京都を引いて推定した。
大阪・上高地
帝国ホテル大阪(378 室)と上高地帝国ホテル(74 室、春から秋の季節営業)。婚礼・宴会の比率が高い。
| 数量年間の販売客室数(万室泊) | 価格1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・宴会・料飲などを室泊に割って含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 9.8 | 13 | 124 | 11 |
| 10 年後 中立 | 9.8 | 17 | 167 | 16 |
取り方:大阪の宿泊売上 27.7 億円 ÷ 客室単価 3.35 万円 = 8.28 万室泊に、上高地(74 室×稼働日約 210 日×稼働率 95%)の約 1.48 万室泊を足して 9.77 万室泊。売上は大阪 103.8 億円と上高地 20.2 億円の計 124.0 億円。1 室泊の価格は物価 3% で 10 年 1.34 倍。営業利益は開示が無く、ホテル事業の利益から推定した。
京都(2026 年 3 月開業)
祇園の弥栄会館を活かした 55 室のスモールラグジュアリー。レストラン・バー・スパを持つ。
| 数量年間の販売客室数(万室泊) | 価格1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・料飲・スパなどを含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 0.1 | 25 | 2 | −2 |
| 10 年後 中立 | 1.4 | 34 | 47 | 7 |
取り方:開業は 2026 年 3 月 5 日で、2026 年 3 月期は約 4 週間分の売上 1.5 億円(推定)。定常は 55 室×365 日×稼働率 70% =約 1.4 万室泊、1 室泊約 25 万円(宿泊 15 万円+料飲 10 万円と推定)で年約 35 億円。価格は物価で 10 年 1.34 倍。営業利益は開業前の費用を含む推定。 数量は実物(販売客室数)で、開業直後の約4週間分から通年の定常へ伸びる分(市場の伸びではない)。
中地区(NTT 日比谷タワー、2031 年度開業予定)
NTT 日比谷タワーの 6 階の宴会場(1,000㎡超と 300㎡)と、44〜48 階の約 100 室の新ブランドのホテルを帝国ホテルが運営する。
| 数量年間の販売客室数(万室泊) | 価格1 室泊当たりの総売上(万円。宿泊・料飲・併設の宴会場の売上を室泊に割って含む。今の価格水準) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 0.0 | 27 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2.7 | 36 | 100 | 5 |
取り方:2031 年度の開業までは売上ゼロ。客室は約 100 室×365 日×稼働率 75% =約 2.7 万室泊、1 室泊の売上は今の価格で約 27 万円(宿泊 11 万円+料飲等 4 万円+宴会場の増える分 12 万円と推定)。ビルの所有者から借りて運営するため家賃は費用に入る。価格は物価で 10 年 1.34 倍。
リスクと懸念
再開発の遅れと建築費の超過
タワー館の解体はすでに 2030 年度末まで延び、新本館の完成は未定になった。建築費と金利が上がり続ければ、事業費が膨らみ、三井不動産との費用の分担や着工の時期の交渉が長引く。土地の価値が現金や家賃に変わる時期が遠のく最大の不確実性だ。
ホテルの利益の薄さ
営業利益率は 4% に届かず、賃金が物価並みに上がるなかで、値上げが追いつかなければ利益は簡単に消える。タワー館の再開で稼働率が下がったように、販売できる客室を増やしても、単価と人手が追いつかない局面がある。
外資系の超高級ホテルとの競争
東京では新しい超高級ホテルの開業が続き、立地とブランドだけでは単価を取れなくなった。会社自身が、競合の新規開業でハードの差が拡大したと認めている。新本館が完成するまでの長い間、設備の古さが単価を押さえる。
国内の婚礼・宴会の縮小
宴会は売上の約 3 割を占め、婚礼は少人数化と件数の減少が続く。法人宴会も景気に左右される。人口が減る国内で、この稼ぎは構造的に細りやすく、中地区の新しい宴会場がそれを補えるかは未知数だ。
三井不動産の位置づけ
三井不動産は筆頭株主(33%)で、再開発の共同事業者であり、タワー敷地の買い手でもある。会社の利益と三井不動産の利益が食い違う局面では、価格・時期・配当を会社だけでは決められない。少数株主にとっては交渉力が弱い。
感染症・災害・景気の悪化
2021〜22 年は営業赤字が 100 億円を超えた。ホテルは固定費が重く、需要が急に止まると赤字になる。訪日客の需要は為替や国際関係でも振れ、2025 年度の下期には日中関係の悪化の影響が出た。
借入と固定の家賃
京都の開業で借入は約 100 億円増えた。この先は新タワー、中地区、本館の投資が続き、中地区は他社のビルを借りるため家賃が固定の費用になる。金利が上がる局面では、薄い利益が利払いと家賃に食われる。
今後の分かれ目
- 新タワーの着工時期と事業費が確定し、三井不動産との売買契約が結ばれる
- タワー敷地の 35% の手取りが見え、再開発の不確実性が下がる。10 年の楽観・やや楽観の確度が上がる。
- 建築費の高騰がさらに続き、解体や着工の時期が再び延びる
- 土地の現金化がさらに遠のき、ホテルの薄い利益だけが残る。やや悲観・悲観の確率が上がる。
- 東京の客室単価が物価を上回って上がり、稼働率も回復する
- ホテルの営業利益率が 6% 台に乗り、10 年の中立・やや楽観に近づく。
- 中地区の宴会場とホテルが 2031 年度に計画どおり開き、立ち上がりが早い
- タワー館の閉館による売上の穴が埋まり、利益が落ち込まずに済む。
- 三井不動産が会社の完全子会社化(TOB)を提案する
- 土地の価値を前提にした価格が付く可能性がある。ただし少数株主に有利かは条件しだいで、確率は小さい。
- 景気後退や感染症、国際関係の悪化で訪日客が急減する
- 固定費の重さから営業赤字に戻り、配当も保てなくなる。悲観の筋書きに近づく。
見ておくもの
- ホテル事業の稼働率と客室単価(東京・大阪・京都の別)
- 帝国ホテル京都の開業後の単価・稼働率・利益
- タワー館の解体と新タワーの着工の時期、三井不動産との売買契約の有無
- 借入残高と自己資本比率、新リース会計基準での数字の変化
- 中地区(NTT 日比谷タワー)の工事の進み具合と宴会の予約の動き
倍率と資本コストの決め方
倍率は式から決めた。自己資本全体の ROE が資本コストを下回る筋書きは PER の上限が 1÷k で、利益の質(再開発の投資と固定の家賃)から上限の 98%・86%・80%・72% に置いた。土地は帳簿がほぼゼロなので、含み益の税引き後 805 億円と、賃貸用マンション(簿価と含み益の税引き後で 136 億円)を余った資産に立て、戻り方 0.5 で足した。マンションの賃貸の利益は純利益から外した。帳簿の外の含み益は利息を生まないので、純利益から利息を引かない。10 年後の自己資本には、タワー敷地 35% の譲渡益(税引き後約 434 億円)が新タワーの工事中の資産として入るので、流れの起点(equity_start_oku)にこの益を含めた。この資産は 10 年目に利益を生まないが、投じた額(簿価 434 億円)の価値があるとみて、中立・楽観側は全額、やや悲観は 0.75 倍、悲観は PBR の床に入るものとして足した。今の株価・PER・過去の PBR は使っていない。形は家賃を営業費用に入れた今の形にそろえ、2028 年 3 月期からの新リース会計で営業利益と借入の形が変わっても価値は動かさない。 2026-10-22 の見直し(R1〜R4)で倍率・時価総額を機械で置き直した(前後は notes/audit/fix_stage2_20261022.csv)。
資本コスト 7.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。