結論
Recovery Internationalは、看護師が利用者の自宅へ出向く訪問看護を主力とする会社である。筆者の結論は「割安」だ。現在の時価総額は約16.5億円にとどまり、看護を実際に提供する事業の存続力と、まだ小さい全国シェアを考えると、十年後の稼ぐ力に対して大きな安全域がある。ただし、売上の急成長をそのまま利益の急成長に読み替えてはいけない。
2025年の延べ訪問件数は33万件を超え、前年から約3割増えた。訪問看護はAIが記録を作ることはできても、利用者の家で点滴や服薬管理を実施することはできない。医師やケアマネジャーとの地域連携と、看護師の採用・育成を地道に積み上げれば、十年後にも必要とされる仕事である。全国市場に対する同社の規模はまだごく小さく、新規拠点を埋める余地も残る。
問題は単価だ。介護保険と医療保険の報酬は公定され、賃金が上がったからといって自由に値上げできない。売上が2024年の約20億円から2025年の約27億円へ増えた一方、営業利益の伸びは小さかった。2026年上期にも人材確保と新規事業の先行費用が重い。十年後の中立では訪問件数が増えても営業利益率の改善を安易に期待しない。
2025年に買収した人材紹介事業は小さく、既に赤字である。求職者探索や求人照合はAIエージェントに奪われやすく、開発中の業務ソフトも売上が立つまでは価値に数えない。楽観の可能性を認めつつ、報酬改定と採用競争による下振れを厚めにみた。それでも利益と将来還元を資本コストで割り引いた価値は現在の時価総額を上回る。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の見方では、まず十年後も必要な行為かを考える。患者の家を訪ね、体調を判断し、家族に声をかけ、適切な処置を施す仕事は残る。AIが経路や記録を短縮しても、看護師の移動とケアの時間は消えない。病院の病床だけで高齢者を支えきれない社会では、同社が提供する価値はむしろ大きくなる。
次に問うのは、必要な事業が利益を生む事業かどうかだ。保険請求額が公定される以上、看護師の給与が上がるたびに価格を自由に上げることはできない。地域連携による紹介、訪問を効率的に組む仕組み、新人が戦力になるまでの研修は、毎年少しずつ競争相手との差を作る。しかし、強いブランドのように利益率を永久に高く保つものではない。訪問看護が成長市場だからというだけで、十年先の利益に高い値段を付けるのは避けたい。
株主に本当に残る利益も慎重に見る。会計上の純利益から、拠点開設費、職員の研修、欠員を埋める採用費、業務ソフトの開発費を賄わねばならない。2025年の増収にもかかわらず利益が伸び悩んだ事実は、再投資の利回りがいまだ証明途上であることを示す。経営が利益より売上の大きさを優先するなら、純現金はあっても株主価値は増えない。
一方、足元の株式価値は、将来の失敗までかなり織り込んでいる。中立で看護件数が二倍強に増えるとしても、これは全国シェアを大きく独占する想定ではない。報酬の抑制と本社費の増大を引いた後でも、十年先の利益は現在より増えうる。その価値と現在の値段の差は魅力的だが、決して放置してよい銘柄ではない。半年ごとに訪問件数、単価、退職率、拠点の採算を追うことが、長期保有の条件になる。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は、利用者の自宅を訪れて医療・看護行為を行う訪問看護サービスである。主治医が交付する指示書に基づき、看護師やリハビリ職が医療処置、健康観察、服薬管理、日常生活の支援を担う。収入は原則として診療報酬や介護報酬に従い、保険者からの支払いと利用者の自己負担で成立する。2025年の訪問看護売上は約26.0億円で、連結売上の約96.6%を占めた。
数量の実像は売上高よりはっきりしている。2024年の延べ訪問件数25万5,473件が、2025年には33万790件へ増えた。これを訪問看護売上で割ると、訪問一件当たり約7,851円になる。2025年末の訪問看護要員は314人で、東京都を中心に沖縄、高知、兵庫にも拠点を持つ。地域の医療機関やケアマネジャーとの関係づくりを営業専任者ではなく看護職自身が行うことが、新規利用者の流入経路である。
もう一つの報告セグメントは、子会社RePathによるコメディカル人材紹介である。医療・介護分野の施設へ看護師らを紹介し、採用が決まれば手数料を受け取る。2025年の売上は約0.93億円で、営業損失を計上した。成約件数の公表が見当たらないため、約100件と推定するにとどめ、確かな実績と混同しない。売上比率は小さいが、顧客獲得費や求職者の集客競争で全社利益を圧迫しうる。
2025年の訪問看護セグメント営業利益は約7.75億円で、同事業の見かけの利益率は約30%と高い。ただし人材紹介の赤字と約5.37億円の全社費用を差し引いた連結営業利益は約2.0億円にすぎない。訪問看護の高いセグメント利益率を全社にそのまま掛ける評価は誤りだ。経営コンサルティングやAIを使うルート最適化ソフト、フランチャイズも構想しているが、2025年の二つの報告セグメント以外に売上実績は確認できず、基本価値には加えない。
優良さと弱いところ
最も評価できるのは、現場を採用し育てる仕組みである。看護師は資格と経験が必要で、利用者の症状や家族の事情を理解し、医師との連絡を取りながら訪問しなければならない。会社は未経験者の研修、24時間対応の分担、訪問経路の効率化に取り組んでいる。こうした運営能力は事務ソフトより模倣に時間がかかり、拠点が増えるほど新人教育や品質管理の蓄積が効いてくる。
もっとも、堀、すなわち競争相手が奪いにくい収益源はまだ狭い。地域のケアマネジャーや病院との信頼は顧客獲得の強みだが、他社への乗り換えが制度上困難なわけではない。全国には小規模な訪問看護事業所が多数あり、訪問看護そのものに独占はない。利用者に対して継続的な値上げを通した証拠もない。報酬は行政が決めるため、利用者から高い料金を取れるブランドというより、決められた料金の下で安全に多く訪問できる運営力が競争軸となる。
資本効率にも厳しい見方が要る。過去のROEは比較的高いが、2025年には増収に対して営業利益がほとんど増えなかった。新しい拠点は開所から訪問件数が埋まるまで家賃と人件費が先に出る。2026年上期の利益減少も、この投資の回収力を問う材料だ。追加投資に対する利回りが資本コストを継続的に上回る証拠はまだ十分ではない。
純現金を持ち、重い設備投資を要しない点は財務上の長所である。ただし賃借事務所の家賃と看護師の給与は実質的な固定支払いで、純現金の全額を株主の自由なお金とは扱えない。小さなRePathの買収で発生したのれんも、競争優位ではなく将来の回収義務である。総合すると、現場の専門性は守りになるが、事業全体を強い堀と呼ぶ段階ではない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
訪問看護市場は人口減少と単純には連動しない。高齢化、慢性疾患、病院から在宅への移行により、看護師が家庭で提供する医療の必要量は増えやすい。会社説明資料が示す訪問看護市場8,570億円は2022年の推計であり、より広い在宅医療・在宅介護の市場36.2兆円とは区別すべきだ。2025年の同社訪問看護売上を前者の古い市場規模と比較すれば約0.3%だが、年度の異なる概算であり厳密なシェアではない。
厚生労働省の2025年6月診療分では、医療保険を請求した訪問看護ステーションは全国に約1万8,667か所ある。同社の2025年末の拠点・サテライト合計36か所は、単純な施設数で全国の約0.2%に相当するが、届出上のステーションとサテライトは定義が違う。比較対象のソフィアメディは2025年3月時点で98事業所を掲げ、N・フィールドやファーストナース、精神科訪問看護に強いJSHなども地域や患者層を分け合っている。大手であっても市場全体を支配しておらず、十年後の同社成長は市場全体の伸び以上に局地的なシェア取得で決まる。
中立の市場像は、2022年の8,570億円を起点に実質の提供量を約1.3倍、名目単価を約1.25倍とした2035年の約1.4兆円規模である。これは政府の予測値ではなく、在宅需要の拡大と、報酬単価が物価に遅れる可能性を分けた推計だ。同社の訪問看護売上が約68億円になれば全国シェアは約0.5%となる。少数の大型チェーンが一人勝ちするのではなく、地域に根差した事業所の中で同社が少しずつ存在感を増す姿を考えている。
人材紹介は別の市場である。内閣府資料が示す2023年度の看護職の民間紹介手数料総額は約575億円であり、全国平均の手数料は一件約64万円だった。RePathの売上はこの参考市場の約0.16%に相当するが、成立職種と年度が違うため精密なシェアではない。SMS、レバレジーズ、マイナビなどの求人媒体や紹介会社との競争に加え、病院の直接採用とAIによる求人照合が仲介手数料を圧迫する。公共制度で守られる訪問看護と違い、この事業には長い利益の持続を約束する理由が乏しい。
資本政策と M&A
資本配分の中心は、訪問看護拠点の開設と看護師の採用・育成である。2025年には新規拠点を六つ開設し、2026年2月の成長戦略資料では年間六拠点以上の新規開設を目指した。2026年の会社予想は売上34.3億円、営業利益約2.15億円、純利益約1.51億円である。一方、複数年度を通じた売上・利益・ROEの数値目標や、配当性向・DOE・総還元性向の具体的な数字の約束はない。
2025年3月にはRePathが人材紹介事業を約0.8億円で譲り受け、約0.73億円ののれんが2025年末に残った。独立した収益柱を育て、看護師採用を自社グループ内で支える狙いは分かる。しかし、買収初年度の人材紹介は赤字で、投資回収の実績はこれからである。さらに予定するSaaSとコンサルティングは、本業の現場で使える仕組みを外販できるかを確認するまでは投資案件にすぎない。
上場以来、配当はなく、2026年予想も無配である。それでも自己株買いは実行しており、取得枠として最大11万株・1.65億円を掲げた。発行済株式から自己株を引いた実質株数は2022年から2026年にかけて減っている。将来も買い戻しが続く確約はないが、資金の株主還元実績は無視できない。配当の数字の約束なしという点と、実行済みの買い戻しは分けて評価した。
十年先には、増分のROICが看護師採用費と拠点家賃を含めて資本コストを超える時だけ積極的な出店が正当化される。病院や大手介護グループによる買収の可能性はあっても、未公表のTOBを価値に織り込まない。経営者には売上の拡大より、開所後の回収期間と買収のれんに対する規律を求めたい。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
最も確かな追い風は、在宅看護が生活に必要な現物サービスであることだ。訪問看護ステーションの過半は小規模であり、夜間対応や難しい症例に備えて常勤人員を揃えるのは容易ではない。Recovery Internationalは研修と訪問計画を標準化し、2025年だけで訪問件数を約三割伸ばした。医療機関やケアマネジャーとの信頼を積み重ねれば、都市部の一地域を深掘りしてから隣接地区へ広がる成長の道筋が描ける。
今の年間約33万件は全国の巨大な市場では微小な数量である。仮に十年後に125万件へ伸びても、全国の訪問看護市場の一%に満たない。競合のソフィアメディは既に同社を上回る拠点網を持ち、多拠点運営が非現実的なわけではないことを示している。新拠点が育つまでの赤字を耐えられる純現金があるのも、若い成長企業としては意味が大きい。
報酬が公定されていても、人手不足への政策対応が続けば、一件当たりの実現単価が長い時間で上がる余地はある。訪問一件の移動時間や書類作成時間を減らす取り組みが成功すれば、看護師の労働条件を悪化させずに生産性を上げられる。AIは人を置き換えるのではなく、現場へ行く時間を確保する補助具となる。人材紹介が再び利益を生むようになれば、採用費の社外流出も減らせる。
経営者は配当を出していないものの、自己株買いには実績がある。株価の安い局面で看護事業の稼ぎを増やしながら株数も抑制できれば、今の株主に残る企業価値は大きくなる。小さな時価総額と広い需要を組み合わせれば、十年後に大幅に価値が高まる道は十分にある。
慎重な見方
訪問看護を必要とする人が増えることと、株主が豊かになることは同じではない。公的保険の報酬改定は会社が決められず、給与、社会保険料、移動費、事務所家賃は上がる。新規開設で雇った看護師に十分な訪問件数が付くまでの間は、売上より先に費用が発生する。2025年は売上が大きく伸びたのに営業利益はほぼ横ばいだった。2026年上期の減益は、この弱点が既に表に出ていることを示す。
訪問看護のサービスには制度上の参入要件があっても、地域の新規事業所は絶えない。患者が一度契約した後も、職員の退職や連携医療機関の方針によって紹介経路は変わる。教育ができる大きな法人も競争相手であり、拠点数を増やしたからといって一件当たりの利益が改善する保証はない。過剰な出店は、看護職を集めるための紹介手数料まで押し上げる。
新たに買収したRePathも不確実性を増やす。看護職の紹介市場は大きいが、求職者情報や求人の照合はAIエージェントで自動化され、紹介会社の付加価値が下がりうる。雇用主が自ら募集を強めれば高額の成功報酬への反発も強まる。買収で計上したのれんの回収が遅れるだけでなく、追加の広告・開発費が本業の利益を食う恐れがある。開発中のSaaSも、人が画面を操作することを前提にするなら長期の強みとは言えない。
無配であるため、将来の自己株買いが途切れると株主に戻る現金は細る。訪問看護の現物需要という安心感だけで、報酬改定の政治リスクと人件費の硬直性を過小評価してはいけない。十年後に売上が増えても利益はほぼ消える場合があり、制度変更と採用不振が重なれば黒字維持そのものを失う。
どちらに重みを置いたか
訪問看護の必要性と全国での小さなシェアという事実は、長期の成長余地を支持する。一方、売上増加と利益増加が一致しない足元の実績、保険報酬の値決め力の弱さ、RePathの赤字は軽視できない。このため確率は楽観側29%に対して、やや悲観・悲観を39%へ厚くした。下側を10ポイント多くしたのは採用費と本社費が既に利益を圧迫しているからであり、AIの影響を資本コストにも二重に上乗せしたわけではない。現在の時価総額はその不確実性を考慮しても小さく、結論は割安である。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 3,890 円51 億円(+ 還元の換算額還元の合計 542 円7 億円)。 今の値に割り戻すと 2,314 円30 億円、今との差 +80.2%、 期待の年率 +14.5%(資本コスト 7.2%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11% | 12,825 円167 億円 | 1,801 円23 億円 | +1,039.1% | +31.5% | 1,609 円21 億円 |
| やや楽観 | 18% | 7,038 円92 億円 | 901 円12 億円 | +518.3% | +22.1% | 1,429 円19 億円 |
| 中立 | 32% | 3,365 円44 億円 | 450 円6 億円 | +197.1% | +12.5% | 1,221 円16 億円 |
| やや悲観 | 25% | 370 円5 億円 | 152 円2 億円 | −59.4% | −9.7% | 130 円2 億円 |
| 悲観 | 14% | 311 円4 億円 | 0 円0 億円 | −75.8% | −13.2% | 44 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 3,890 円51 億円 | 542 円7 億円 | +245.2% | +14.5% | 4,432 円58 億円 |
今の株価時価総額 1,284 円17 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 11% 地域の高密度化に成功し全国へ広がる 利益 10 億円 · PER 17.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 12,825 円167 億円
地域の医師とケアマネジャーからの信頼が強まり、新規出店先でも紹介が集まる。2025年の36拠点を基礎に、十年間で約130拠点へ広がり、看護職の育成と訪問の経路設計が生産性を高める。訪問件数は年間125万件に達し、全国の訪問看護市場が約1.6兆円となる中でも同社のシェアは約0.8%でしかない。首都圏を中心に拠点を密集させ、採用した看護師を無理に遠方へ移動させずに訪問を増やす。
公定報酬の改定が人件費をおおむね補い、一訪問当たりの実現単価も上向く。ソフィアメディなど大手との競争は続くが、地域単位の専門性では独自の評価を得る。本社は拠点増加を支えるため管理職を増やすものの、売上に対する比率は抑えられる。小規模なRePathは訪問看護の人員確保を支えながら、外部紹介でもようやく薄い黒字を生む。
AIは訪問記録や日程調整に使うが、看護行為そのものを置き換えない。未実証のSaaS販売による急成長は織り込まない。事業の成熟によって資本効率を保ち、無理のない範囲で自社株買いなどの還元を続ける。
- 訪問看護サービス事業:数量 1,250,000(延べ訪問件数(件/年、実際に患者宅を訪れた回数))× 価格 10,450(一訪問当たり実現売上(円、名目の保険報酬と利用者負担の合計))→ 売上 131 億円・営業利益 34 億円。年間約130拠点、訪問125万件。公定報酬の改定で一件単価が2025年比約1.33倍、全国売上シェア約0.8%。
- コメディカル人材紹介事業:数量 100(人材紹介の成約件数(件/年、会社非開示につき推計))× 価格 1,240,000(成約一件当たり売上(円、名目の成功報酬、推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替のため紹介の成約数量は現状以下の100件とし、単価のみ物価を下回る上昇。微益。
倍率:資本コストk7.25%、長期名目成長g2%、通常の堀の残存率1/2。余剰現金1.5億円と税後利息0.021億円を事業損益・自己資本から外したROE31.1%に対し、RONIC19.16%、正当化PER=(1-g/RONIC)÷(k-g)=17.06倍を使用。時価総額は(9.95-1.5×1.4%)×17.06+余剰現金1.5億円。過去の株価倍率は使用しない。10年間の純利益累計49.5億円、還元24億円、予約権行使払込約0.25億円から2025年自己資本7.7億円→33.45億円。
確率:国の在宅移行が進み、年八~十拠点程度の開設と採用、研修、訪問の稼働率改善が途切れず実現する場合。報酬改定が人件費の上昇におおむね追いつく必要もあり、実現条件が多いため11%。
やや楽観 18% 都市部の出店が安定的に成功 利益 6 億円 · PER 16.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 7,038 円92 億円
新しい拠点は首都圏の未開拓地区を中心に増え、約百拠点の網ができる。既存の病院やケアマネジャーからの紹介が新規の地域へつながり、訪問件数は年間百万件になる。全国市場は約1.5兆円まで広がると考えるが、同社の売上シェアはなお約0.6%にすぎない。大手のソフィアメディと正面から価格競争するのではなく、地域ごとの訪問密度と対応品質で選ばれる。
看護師の採用費は上がるが、未経験者の研修と訪問経路の効率化が実を結ぶ。公定報酬は物価の全額には追いつかなくても、一件当たりの実現単価を緩やかに増やす。訪問看護事業の利益率は維持され、本社費は拠点数に応じて増えても管理の重複はある程度抑えられる。
人材紹介の成約件数はAIによる直接応募の拡大で2025年を下回るが、専門職の採用支援を必要とする案件では利益が残る。SaaSの外販による未実証の売上を加えず、買収も小規模にとどめる。生じた利益の一部を自社株買いに向け、従業員が増えるだけで株主価値が薄くならない資本運営を続ける。
- 訪問看護サービス事業:数量 1,000,000(延べ訪問件数(件/年、実際に患者宅を訪れた回数))× 価格 9,700(一訪問当たり実現売上(円、名目の保険報酬と利用者負担の合計))→ 売上 97 億円・営業利益 24 億円。都心を主とする約100拠点と年100万回。価格は2025年比1.24倍、全国シェア約0.6%。
- コメディカル人材紹介事業:数量 85.0(人材紹介の成約件数(件/年、会社非開示につき推計))× 価格 1,230,000(成約一件当たり売上(円、名目の成功報酬、推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIエージェントの普及で成約件数は15%減。薄い利益だけを数える。
倍率:余剰現金税後利息0.021億円を純利益5.70億円から、余剰現金1.5億円を自己資本29.85億円から外す。事業ROE約20.0%、k7.25%、残存率1/2でRONIC約13.64%、g2%から正当化PER16.25倍。評価は事業純利益×16.25+現金1.5億円。累計純利益33.9億円-累計還元12億円+権利行使払込0.25億円を2025年自己資本7.7億円に加え29.85億円。
確率:年間六~八拠点の新設と既存拠点の稼働率改善ができる場合であり、会社の現在の出店方針との距離は近い。ただし採用費と賃金上昇を十分に吸収する必要があるため18%。
中立 32% 件数は増えるが公定報酬と採用費が利益を抑える 利益 3 億円 · PER 15.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3,365 円44 億円
年間五~六拠点程度の出店が続き、十年後には訪問看護の拠点網が約八十~九十か所に増える。看護要員の採用と研修はおおむね計画どおり進むが、新店の立ち上がりと退職者補充に常に費用がかかる。延べ訪問件数は2025年の約二・二倍となる年74万件に達する。全国の市場規模は当社推計で約1.4兆円、売上シェアは約0.5%に広がるが、全国で独占的な事業者になるわけではない。
一件単価は、物価が十年で約三四%上がる世界でも約一七%の上昇にとどまる。理由は医療・介護の公定報酬を毎年会社の裁量で値上げできないためである。看護師給与、採用費、家賃と本社管理の費用は名目で増え、増収に比べて営業利益は伸びにくい。ソフィアメディや各地域の小規模事業者との競争は続く。
子会社RePathの紹介成立件数はAIエージェントによる直接応募の浸透で現在推定の七割まで減る。紹介手数料の値上がりは物価を下回り、収益への寄与は小さい。経営は大きな買収を避け、これまでの自己株買い実績ほど積極的ではなくとも利益の一部を株主へ返す。これはサービスの必要性を信じながら、資本効率については過度に楽観しない十年である。
- 訪問看護サービス事業:数量 740,000(延べ訪問件数(件/年、実際に患者宅を訪れた回数))× 価格 9,200(一訪問当たり実現売上(円、名目の保険報酬と利用者負担の合計))→ 売上 68 億円・営業利益 17 億円。年74万件、約80~90拠点、2025年比で数量2.24倍・名目単価1.17倍。市場シェア約0.5%。
- コメディカル人材紹介事業:数量 70.0(人材紹介の成約件数(件/年、会社非開示につき推計))× 価格 1,100,000(成約一件当たり売上(円、名目の成功報酬、推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。人材照合のAIエージェント代替で数量0.70倍。名目価格1.19倍はCPI1.34倍未満、売上は2025年を下回る。
倍率:k7.25%、長期名目g2%、堀が普通で残存率1/2。余剰現金1.5億円とその税後利息0.021億円を除く事業ROE=(2.87-0.021)÷(24.12-1.5)=12.60%、RONIC約9.92%。正当化PER=(1-0.02÷0.0992)÷(0.0725-0.02)=約15.21倍を上限そのものに用い、余剰現金1.5億円を別に加える。2026~2035年の利益累計22.17億円、還元累計6億円、予約権行使払込0.25億円なら、2025年自己資本7.7億円から24.12億円となる。
確率:直近の訪問件数の増加実績と、首都圏に未開拓地区が残ることを評価する。他方、公定報酬の価格抑制と2025~2026年の利益率低下を反映した、成長と収益圧迫が同居する中心の筋書きとして32%。
やや悲観 25% 売上は増えるが利益のほとんどが残らない 利益 0 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 370 円5 億円
在宅医療の必要性は続き、訪問件数は年62万件へ増える。それでも新規開設の採算が安定せず、看護師採用のための紹介手数料と人件費が急増する。東京都などの地域で新規参入が相次ぎ、ケアマネジャーからの紹介経路も分散する。政府の診療・介護報酬が長く抑えられ、同社の一件当たりの名目収入は現在からほとんど増えない。全国市場が約1.2兆円になっても同社のシェアは約0.4%にとどまる。
人手不足が強いため十分な訪問件数が付く前に人材を雇い、施設の賃料と当直体制も維持しなければならない。訪問看護セグメント自体は利益を出しても、本社部門と募集・研修の費用がほぼ全てを消す。RePathの紹介件数は減り、求職者と求人側をAIが直接結ぶようになって広告投資の採算も低下する。予定していたSaaS外販は収益化できず、追加買収は見送る。
累計ではかろうじて利益が残るが、余剰現金は新拠点の敷金や赤字事業の整理に費やし、十年後の余った現金を別建てで評価しない。経営は自社株買いを大きく減らし、成長投資も慎重になる。公的サービスとしての役割は残る一方、資本効率を失った会社となる。
- 訪問看護サービス事業:数量 620,000(延べ訪問件数(件/年、実際に患者宅を訪れた回数))× 価格 8,100(一訪問当たり実現売上(円、名目の保険報酬と利用者負担の合計))→ 売上 50 億円・営業利益 8 億円。年62万件まで増えるが、公定報酬と人件費の差でセグメント利益率が16%へ低下。
- コメディカル人材紹介事業:数量 60.0(人材紹介の成約件数(件/年、会社非開示につき推計))× 価格 1,050,000(成約一件当たり売上(円、名目の成功報酬、推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIによる仲介離れで2025年推計の60%に縮む。人材紹介の獲得費が残り赤字。
倍率:2035年ROEは約2.7%でk7.25%を下回り、成長を価値に織り込まず事業利益÷kに相当するPER13.79倍以下が上限。家賃と採用費が硬直的なため事業利益0.39億円のPER12.5倍=時価総額4.875億円。公定報酬が実質で縮み余剰現金は運転資金に使うので、この筋書きのexcess_cash_okuは0。床は2025年の純現金4.1億円。過去十年の累計利益8.74億円、還元2億円、第4回予約権の払込約0.05億円を加えて自己資本14.49億円。
確率:下に寄せる理由:2025年の大幅増収が利益増につながらず、2026年上期には採用・開所・開発費で減益となった。公定報酬の上昇が賃金に追いつかず、本社固定費が残る現実的な失敗に25%。AIリスクは人材紹介数量の縮みで既に数えている。
悲観 14% 採用と地域連携が崩れ、訪問看護そのものが縮む 利益 −2 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 311 円4 億円
複数の地域で看護師の採用と定着に失敗し、訪問看護ステーションの閉鎖が続く。医師やケアマネジャーとの関係は担当者の退職を契機に他社へ移り、新規利用者の紹介が戻らない。行政は医療費と介護費の伸びを抑えるため、物価に遅れる報酬改定を続ける。訪問看護を必要とする患者自体は減らなくても、同社の年間訪問件数は約18万5千件まで下がる。全国の市場に対する存在感も約0.1%に沈む。
売上高は2025年より小さくなり、一件単価もほとんど改善しない。縮小に合わせて拠点と本社機能を大きく統廃合し、管理費の絶対額は下げるが、緊急対応の人員と残った拠点の家賃は完全には消せない。看護サービスのセグメントだけはかろうじて黒字を維持するものの、全社では営業赤字に陥る。追加の店舗出店は止まり、RePathはAIエージェントによる直接採用の浸透と顧客離れで赤字が続き、買収時ののれんの価値も失われる。
経営は自社株買いを止め、過去の蓄積を立て直し資金に振り向ける。現実には残余財産がそのまま株主に配られる保証はないが、倒産寸前とまでは考えず、今の純現金を超える無形資産に価値を付けない資産の床で評価する。十年後にこの筋書きになれば、需要のある業界に属しているというだけでは損失を避けられない。
- 訪問看護サービス事業:数量 185,000(延べ訪問件数(件/年、実際に患者宅を訪れた回数))× 価格 7,600(一訪問当たり実現売上(円、名目の保険報酬と利用者負担の合計))→ 売上 14 億円・営業利益 3 億円。拠点縮小と紹介経路喪失で訪問件数は現状の56%、全国シェアは約0.1%。
- コメディカル人材紹介事業:数量 50.0(人材紹介の成約件数(件/年、会社非開示につき推計))× 価格 950,000(成約一件当たり売上(円、名目の成功報酬、推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替で成約半減、単価も弱含む。広告・人件費で赤字。
倍率:10年後は営業・最終赤字で利益のPERを使えない。将来の自己資本を利益で積み上げず、基準時点2025年の自己資本7.7億円に対して現在の純現金4.1億円に相当する床のPBR4.1÷7.7=0.53247を適用。2026~2035年の利益・損失累計は約-0.05億円、還元なし、行使払込0.05億円で基準自己資本7.7億円のまま。新規のれんなど売却困難な資産は床に足さない。
確率:下に寄せる理由:看護師確保の失敗と公定報酬改定が重なると、訪問看護は需要があっても提供できなくなる。病院系列・地域の競合への利用者流出に加え、RePath買収の失敗もありうるため14%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
訪問看護サービス事業
医療保険・介護保険の制度下で、看護師やリハビリ職が利用者の自宅を訪れ、処置、観察、療養支援を行う現場型サービス。AIエージェントでは看護行為そのものを代替できない。
| 数量延べ訪問件数(件/年、実際に患者宅を訪れた回数) | 価格一訪問当たり実現売上(円、名目の保険報酬と利用者負担の合計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 330,790 | 7,851 | 26 | 8 |
| 10 年後 中立 | 740,000 | 9,200 | 68 | 17 |
取り方:2025年12月期有報のセグメント売上2,597,057千円を同有報の延べ訪問330,790件で割り、実現単価7,851.07円を算出。単価は診療・介護報酬と加算、利用者構成が混じる実現値で、恣意的な利用料ではない。同年の訪問看護セグメント利益774,599千円から換算した営業利益7.74599億円には、本社調整費用は含まない。2024年の延べ訪問255,473件、2025年末の看護要員314人、拠点・サテライト36か所が数量の裏付け。全国市場は会社2026年2月資料の2022年8,570億円を参考に、2035年中立では実質訪問量1.30倍×公定報酬を含む名目価格1.25倍で約1.39兆円と見積もる。値上げがCPIの10年1.34倍に届かないのは保険報酬改定と利用者構成による。全国の訪問看護事業所数の確認には厚生労働省資料(https://www.mhlw.go.jp/content/001103126.pdf)を参照し、会社のサテライトを指定事業所と同一には数えない。
コメディカル人材紹介事業
子会社RePathが看護師など医療職の求人と求職を結び、採用成立時に紹介手数料を得る。求職者探索・照合・連絡はAIエージェントに代替されやすく、現場の身体を直接提供する訪問看護とは型が異なる。
| 数量人材紹介の成約件数(件/年、会社非開示につき推計) | 価格成約一件当たり売上(円、名目の成功報酬、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 100 | 925,620 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 70.0 | 1,100,000 | 1 | 0 |
取り方:2025年有報のRePath報告セグメント売上92,562千円、営業損失33,722千円が確定値だが、成約件数は非開示。2026年上期の経営説明で紹介単価が100万円超との発言を参考に、2025年は約100件、平均92.562万円と仮定し、売上と整合させた推計である。政府の2023年度看護職紹介手数料市場約575億円と2024年度全国平均手数料約72.5万円は市場の物差しだが、RePathは職種構成・首都圏比率が異なり単価を直接代用しない。2025年売上は全国看護職紹介市場の参考約0.16%で、厳密なシェアではない。AIエージェント代替により中立の成約数量を十年で現状の0.70倍とし、成功報酬単価は1.19倍までにとどめ、十年後以降の名目成長は0%とみなす。手数料の市場額は内閣府2025年資料(https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/2025/shiryou3-2.pdf)、2024年度平均値は厚生労働省公表資料を参照。
リスクと懸念
保険報酬の据え置きと賃上げ
訪問看護の報酬額は介護保険・医療保険で決まり、通常の民間サービスのように給与上昇に合わせて自由に値上げできない。採用する看護師の賃金、夜間対応の手当、社会保険料が物価を上回って増えると、一件当たりの訪問回数が増えても利益が薄くなる。利用者の高齢化だけを業績の追い風と考えるのは危険だ。
看護師の確保と拠点開設の実行
新しい事業所は訪問依頼が十分に集まる前から家賃と人件費が発生する。採用した人の研修や定着に失敗すると、看護師の頭数と実際の訪問件数の差が拡大する。2025年は増収ほど利益が伸びず、2026年上期には費用先行が明瞭になった。営業利益率が下がったまま出店だけ続ける事態を警戒する。
AI エージェント代替
身体による訪問看護はAIに代替できない一方、RePathが行う求人検索、求職者との連絡、面接調整、履歴書の評価といった情報仲介は代替可能性が高い。中立では人材紹介の成約件数を十年で七割に縮め、報酬単価も物価上昇に届かないとした。将来の席課金SaaSや人月型コンサルティングは有償契約実績と乗換え障壁が確認できるまで評価しない。
競争と地域の紹介経路
利用者の獲得には担当医やケアマネジャーとの信頼が重要だが、それは病院との独占契約でも、患者が簡単に乗り換えられない仕組みでもない。ソフィアメディなどの大手チェーン、地域密着の中小事業所、病院系列の事業所と競合し、担当看護師の退職が紹介の流れを変えることもある。全国の市場シェアが小さいことは成長余地であると同時に、競争上の弱さでもある。
RePathの買収のれんと追加投資
2025年の人材紹介事業取得で発生した約0.73億円の未償却のれんは、効果が確実な資産ではない。紹介会社には求職者獲得の広告費、採用側の手数料への反発、規制強化とAIによる直接応募という三つの圧力がある。赤字が長引けば減損や追加費用を通じて現場の訪問看護で稼いだ利益を相殺してしまう。
余剰現金、家賃、新リース会計と希薄化
純現金4.1億円は安心材料だが、看護師の給与や拠点家賃に備える資金を含む。2028年12月期からの新リース基準適用で負債の見かけが増えても、家賃を引いた本質価値が突然変わるわけではない。加えて開示された新株予約権が行使されれば既存株主の取り分が薄まるため、自己株買いの効果と合わせて実質株数を追う必要がある。
今後の分かれ目
- 延べ訪問件数が二年続けて年率二桁増え、看護師一人当たり訪問件数も改善したら
- 新店が短期間で採算に乗っている証拠として、やや楽観への確率を増やす。単価と人件費が同時に悪化していないか確認し、件数増だけで評価を引き上げない。
- 公定報酬の改定で一訪問当たり実現単価が物価上昇に連動して増えたら
- 訪問看護のセグメント利益率を高めに再評価する。値上げそのものが会社の裁量ではないため、次回以降の制度改定と加算の取得状況を継続確認する。
- 売上高の伸びが続いても営業利益率が五%を下回り、二期連続で回復しなかったら
- 採用、管理部門、拠点開設の増分投資回収に疑問があるため中立の利益を切り下げ、やや悲観を主軸にする。
- RePathが外部紹介売上を増やし、広告費を含めて二期連続の営業黒字を達成したら
- 人材紹介の継続可能な利益を小さく加点する。ただしAIエージェントに置き換わらない臨床人材の選考と定着支援の優位が確認できなければ長期成長率は上げない。
- AIを使う業務ソフトの有償売上、継続率、解約率が開示され、外部顧客の実績が積み上がったら
- 訪問看護と切り分けた第三の数量・価格セグメントを新設する。操作画面型ならID数量は縮む前提を残し、正本型とするには複数の乗換え障壁を要求する。
- 年間の新規開設が減速し、閉鎖・休止が増加すると同時に純現金が減ったら
- 訪問件数と開所後の損益分岐に構造的な問題があると判断し、悲観確率を引き上げる。現金を床と考える際も給与債務や家賃負担を再点検する。
見ておくもの
- 四半期ごとの延べ訪問件数と一訪問当たり実現売上の推移
- 訪問看護要員数、看護師一人当たり月間訪問件数、離職率と採用経路
- 新設拠点数、開所から黒字化までの月数と閉鎖・休止数
- 訪問看護セグメントの営業利益率と全社調整・本社費用の増加率
- 医療保険・介護保険の報酬改定と看護職賃金の伸びの差
- RePathの成約件数、平均紹介手数料、獲得費用、セグメント損益
- SaaS・コンサルの外部有償売上、解約率、実際に利用される業務データ
- 純現金、自己株取得、発行済・自己株式、新株予約権の行使状況
倍率と資本コストの決め方
株価や過去のPERから十年後の利益を逆算していない。2025年の二事業の実数量と単価を起点に、訪問件数の成長、保険報酬の据え置き、人件費、本社調整費を別々に扱った。現時点の純現金4.1億円から事業用留保2.6億円を控除した1.5億円だけを余剰現金とし、利益に含む利息を外して加算した。楽観~中立はROEとk、長期g2%による正当化PER、悲観は現在の純現金の床を用いる。2028年12月期にリース負債の表示が変わっても家賃費用を二重に控除しない。新株予約権の行使比率は最後に既存株主の取り分へ反映し、今の時価総額約16.46億円と比較するのは最後にした。
資本コスト 7.2% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。国債3%と株式リスクプレミアム4.5%の基本7.5%から事業の四要素合計0.25ポイントを引いた。規模プレミアム、株価のβ、個別の採用や買収実行リスクは追加しない。