結論
Aoba-BBTは、大前研一氏が作った社会人教育の会社だ。オンラインのMBAを出すBBT大学大学院と法人研修に、東京のインターナショナルスクールと語学の幼稚園を加え、今は学校が稼ぎ頭になった。
筆者の結論は、ほぼ適正である。2026年3月期の売上は77億円、純利益は2.7億円だった。今の時価総額46億円は、手元の現金30億円を引けば安く見える。
だが現金の半分以上は、保護者から先に受け取った授業料だ。自由に使える現金は10億円に届かないと筆者は見る。安さの多くは、この見かけの現金から来ている。
事業は二つの顔を持つ。インターナショナルスクールは、日本に住む外国人と、子どもを英語で育てたい家庭の需要で伸びる。一方、社会人の研修とMBAは、AIの学習の道具に押される。人が教える時間で売る商売だからだ。
10年の中立では、学校が利益の大半を稼ぎ、純利益は5億円前後になる。配当と自社株買いで株主に戻す姿勢は評価できるが、今の値段に大きな安全域は無い。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社を二つに分けて見る。学校と、社会人教育だ。
学校は良い事業だ。生徒は何年も通い、学費は先に入る。新しく作るのは難しく、値上げも通る。10年後も今より強い可能性が高い。
社会人教育は難しい事業になった。人が教える時間で売る商売は、AIの学習の道具に押される。MBAの入学者は増えたが、学部は細った。10年の見通しは読みにくく、わからない事業には高く払えない。
株主のものになる利益、つまりオーナー利益は、のれんの償却を足し戻すと年4億円ほどある。経営はそれを株主に戻してきた。資本の使い方は誠実だ。
それでも今の値段は、学校の伸びをほぼ織り込んでいる。現金の多くは前受けで、帳簿の現金ほどの安全域は無い。良い学校を持つ会社を、普通の値段で買う形だと筆者は見る。学校の伸びを確かめてからでも遅くない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎ方は二つある。一つ目はプラットフォームサービス事業で、アオバジャパン・インターナショナルスクールなどの学校と、英語で保育する幼稚園を営む。国際バカロレア、つまり世界で通じる大学入学の資格の課程を持つ学校もある。生徒は1,500人を超え、2026年3月期の売上は42億円、利益は3.8億円だった。
学費は1人あたり年300万円近い。保護者は先に1年分の学費を払うので、会社の手元には常に前受けの現金がある。先生の多くは外国人で、人件費と校舎の費用が大きい。生徒が集まれば利益が出て、定員割れすれば赤字になる商売だ。
二つ目はリカレント教育事業で、社会人の学び直しを売る。BBT大学大学院はオンラインでMBAを取れる大学院で、2025年度の入学者は前年の1.8倍の122人に増えた。法人向けには、次の経営者を育てる研修やITの研修を売る。売上は35億円、利益は0.7億円にとどまった。
大学の学部は入学者が24人まで減り、会社は短い講座に力を移している。全体として、学校で稼ぎ、社会人教育で名前を売る形になっている。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社がまねできない強みは、学校の側にある。インターナショナルスクールは校舎と認定と先生の確保に年月がかかり、新しく参入しにくい。一度入った生徒は卒業まで通うので、売上は読みやすい。
社会人教育の側の堀は薄い。大前研一氏の名前とMBAの看板はあるが、オンラインの学び直しは、グロービスや海外の大学、動画の講座がひしめく。法人研修は、企業の予算と担当者の好みで決まり、価格を決める力は弱い。
資本の効率は低い。過去10年のROEの中央値は5%で、資本コストを下回る。学校を買った時ののれんが11億円あり、その償却が利益を毎年押し下げている。
経営の資本の使い方は株主に優しい。配当性向は5割で、自社株買いも続ける。大前氏が35%を持つが、利益を抱え込まず株主に戻す姿勢は、オーナー経営の会社としては珍しい。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
インターナショナルスクールの需要は伸びている。日本に住む外国人は増え続け、日本人の家庭でも英語で教育したい親が増えた。東京の主な学校は定員に近く、入学の順番待ちが出る学校もある。業種のノートでは教育を少子化と単価の綱引きと置いたが、この分野は少子化の影響が小さい。
学費は物価以上に上がってきた。外国人の先生の給料は世界の相場で決まり、円安で上がる。保護者はその分を払える層で、値上げは通りやすい。ただ校舎を増やすには土地と建物の投資が要り、伸びる速さは校舎の数で決まる。
社会人教育は逆風だ。AIの学習の道具が、講義と演習の多くを安く代わり始めた。企業の研修は、人が教える時間で値段を決める商売で、AIの置き換えを最も受けやすい。業種のノートでも、コンサル・研修の領域はAIが仕事そのものを代えうると置いた。
それでも、経営者を育てる研修の一部は残る。人と議論し、評価される経験は画面では代わりにくい。筆者は、社会人教育の量は10年で3割減り、学校の伸びがそれを補うと見る。会社全体の売上は10年で3割ほど増え、その大半を学校が稼ぐ形になる。
資本政策と M&A
株主への還元は厚い。配当性向は5割、自己資本に対する配当の割合は3.2%で、自社株買いも続けている。2026年9月にも買付を行った。利益を抱え込まず株主に戻す実績がある。
大前研一氏が35%を持つ筆頭株主で、従業員に株を渡す信託も9%弱を持つ。経営は創業者の影響が大きく、会社が買われる筋は小さい。
M&Aは学校を買って広げてきた。のれんは11億円残り、年1.5億円ほど償却している。償却は数年で終わり、その分の利益は戻る。新しい学校を買う時は、また借入とのれんが増える。
手元の現金30億円のうち、半分以上は保護者から先に受け取った授業料だ。自由に使える現金は10億円に届かないと筆者は見る。見かけの現金に惑わされず、還元の余力はその範囲と考えるべきだ。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
学校は日本で数少ない伸びる教育だ。外国人の住民は増え、英語で育てたい家庭も増えた。東京の主な学校は定員に近く、新しい校舎を作れば生徒は集まる。学費は物価以上に上がってきたし、払う層は値上げに強い。生徒は何年も通い、学費は先に入る。
社会人教育も悲観しすぎだ。MBAの入学者は前年の1.8倍に増え、法人研修は次の期に大きく戻ると会社は見込む。AIは脅威だが、AIの使い方を経営者に教える研修は新しい需要になる。大前研一氏の名前は、経営の学びの看板としてまだ強い。
会社は3年後をめどに営業利益率10%以上を掲げる。のれんの償却が終われば利益は自然に増える。配当性向5割と自社株買いで、その利益は株主に戻る。現金は厚く、借金はほぼ無い。下は堅く、上には伸びしろがある。
学校を一つ増やすだけで、会社全体の利益は目に見えて変わる。生徒1人あたりの学費は300万円近く、100人増えれば売上は3億円増える。固定費の多い学校では、増えた売上の多くが利益に残る。
慎重な見方
社会人教育は、AIに最も置き換えられやすい商売だ。講義を聞き、課題を出し、添削を受ける。どれもAIが安く、いつでもできる。法人研修は企業の予算の中で真っ先に削られ、AIの研修の道具に置き換わる。学部の入学者は既に3割減った。売上の半分近くが、構造的に細る側にある。
学校も楽ではない。外国人の先生の給料は円安と世界の相場で上がり、校舎を増やすには大きな投資が要る。都心の土地は高く、新しい校舎の償却は利益を押し下げる。生徒の伸びは校舎の数で頭打ちになる。
現金も見かけほど厚くない。30億円のうち半分以上は先に受け取った授業料で、生徒が減れば先に出ていく。のれんの11億円は、買った学校の生徒が減れば減損になる。ROEは長く5%前後で、資本コストに届いていない。
創業者の影響が大きい経営も気がかりだ。看板が人の名前に頼る会社は、その人が退いた後に看板の力が薄れやすい。大学院の集客にも、それは効いてくる。
どちらに重みを置いたか
両者の言い分はほぼ拮抗している。学校の強さは本物だが、社会人教育の細りも避けられない。確率はやや悲観と悲観に35%を置き、AIの置き換えを中立の数量に入れた。結果は今の値段とほぼ同じになる。強気に寄せる材料は、新しい校舎の開校と、営業利益率が8%を超える決算だと筆者は見る。
反対に、法人研修の減収が続けば慎重な見方に寄せる。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 588 円74 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 168 円21 億円)。 今の値に割り戻すと 395 円50 億円、今との差 +9.7%、 期待の年率 +7.7%(資本コスト 7.8%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 1,256 円158 億円 | 278 円35 億円 | +326.1% | +15.6% | 107 円14 億円 |
| やや楽観 | 20% | 890 円112 億円 | 230 円29 億円 | +211.2% | +12.0% | 224 円28 億円 |
| 中立 | 38% | 671 円85 億円 | 191 円24 億円 | +139.4% | +9.1% | 327 円41 億円 |
| やや悲観 | 23% | 225 円28 億円 | 111 円14 億円 | −6.6% | −0.7% | 77 円10 億円 |
| 悲観 | 12% | 130 円16 億円 | 40 円5 億円 | −52.8% | −7.2% | 20 円3 億円 |
| 加重平均 | 100% | 588 円74 億円 | 168 円21 億円 | +110.2% | +7.7% | 757 円95 億円 |
今の株価時価総額 360 円45 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。
楽観 7% 学校が倍近くに伸び、研修もAIの学び直しで戻る 利益 9 億円 · PER 17.0 倍 · 株価時価総額 1,256 円158 億円
外国人の住民と英語で育てたい家庭が増え続ける。会社は都内と近郊に校舎を増やし、生徒は10年で6割増える。学費は物価をやや上回って上がり、学校の利益率は13%になる。
社会人教育は、AIの使い方を経営者に教える研修が新しい柱になる。MBAの入学者も増え、受講者の数は今の水準を保つ。単価は物価に近く上がり、利益率は7%まで戻る。
のれんの償却が終わり、純利益は9億円近くになる。配当性向5割と自社株買いで、利益の多くは株主に戻る。会社の目標の営業利益率10%以上を大きく超え、今の値段の3倍近い価値になる。
- プラットフォームサービス事業(インターナショナルスクール・語学幼稚園):数量 2,400(生徒数(人))× 価格 0.04(1人あたりの年間売上(億円、名目))→ 売上 92 億円・営業利益 12 億円。生徒1.6倍・学費1.375倍
- リカレント教育事業(BBT大学院・BBT大学・法人研修):数量 10,000(受講者数(人・推定))× 価格 0.00(1人あたりの年間売上(億円、名目))→ 売上 45 億円・営業利益 3 億円。受講者は横ばい・単価1.30倍
倍率:事業の純利益 9 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 14.4% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 11.1%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 17.0 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 17.0 倍 + 余った現金(戻り方込み)9 億円。全体の PER 17.02 倍、時価総額 158 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:新しい校舎の開校が続き、社会人教育もAIの学び直しの需要で量を保つ、という二つが同時に要る。研修の量を保つ筋書きは、AIの置き換えの決まりから見て起こりにくい。
やや楽観 20% 学校が伸び、研修の減りは小さい 利益 7 億円 · PER 15.7 倍 · 株価時価総額 890 円112 億円
新しい校舎が二つ増え、生徒は10年で4割増える。学費は物価並みに上がり、学校の利益率は12%になる。
社会人教育は、AIの道具で講義の多くが置き換わるが、経営者向けの研修とMBAは残る。受講者は15%減るが、単価は物価に近く上がる。利益率は5%を保つ。
のれんの償却が終わり、営業利益率は10%に近づく。純利益は6〜7億円で、配当と自社株買いで株主に戻る。会社の中期の目標にほぼ届く形で、今の値段の倍に近い価値になる。
研修の減りを学校の伸びが十分に補い、会社の姿は学校の会社にはっきり変わる。配当も増え続ける。
- プラットフォームサービス事業(インターナショナルスクール・語学幼稚園):数量 2,100(生徒数(人))× 価格 0.04(1人あたりの年間売上(億円、名目))→ 売上 79 億円・営業利益 10 億円。生徒1.4倍・学費1.35倍
- リカレント教育事業(BBT大学院・BBT大学・法人研修):数量 8,500(受講者数(人・推定))× 価格 0.00(1人あたりの年間売上(億円、名目))→ 売上 37 億円・営業利益 2 億円。受講者0.85倍・単価1.25倍
倍率:事業の純利益 7 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 11.7% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.7%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.7 倍 + 余った現金(戻り方込み)9 億円。全体の PER 15.71 倍、時価総額 112 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:学校の伸びは定員の近さと学費の上がり方から十分に起こりうる。研修の減りが15%で止まるかは、法人研修の戻りが鍵で、確率は中立の半分ほどにした。
中立 38% 学校が伸び、研修が細る。利益は倍に届かない 利益 5 億円 · PER 14.6 倍 · 株価時価総額 671 円85 億円
学校は新しい校舎を一つ増やし、生徒は10年で25%増える。学費は物価並みに上がる。外国人の先生の給料も上がるので、利益率は11%にとどまる。
社会人教育は、AIの学習の道具が講義と演習の多くを代わる。受講者は10年で3割減り、単価は物価ほどは上がらない。経営者向けの研修とMBAが細々と残り、利益率は3%だ。
純利益は5億円前後になる。のれんの償却が終わる分が、利益を押し上げる。配当性向5割と自社株買いは続き、利益の多くは株主に戻る。ROEは8%前後で、資本コストをわずかに上回る。今の値段とほぼ同じ価値だ。
- プラットフォームサービス事業(インターナショナルスクール・語学幼稚園):数量 1,875(生徒数(人))× 価格 0.04(1人あたりの年間売上(億円、名目))→ 売上 70 億円・営業利益 8 億円。生徒1.25倍・学費1.34倍
- リカレント教育事業(BBT大学院・BBT大学・法人研修):数量 7,000(受講者数(人・推定))× 価格 0.00(1人あたりの年間売上(億円、名目))→ 売上 29 億円・営業利益 1 億円。受講者0.70倍・単価1.20倍
倍率:事業の純利益 5 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.0% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.9%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.6 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.6 倍 + 余った現金(戻り方込み)9 億円。全体の PER 14.62 倍、時価総額 82 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:学校の生徒は校舎の増設の分だけ伸び、研修はAIの置き換えで3割減ると見た。のれんの償却が終わる分は利益に戻るが、研修の利益は細い。
やや悲観 23% 研修が半減し、学校の伸びも止まる 利益 2 億円 · PER 8.0 倍 · 株価時価総額 225 円28 億円
AIの研修の道具が企業に広がり、法人研修とMBAの受講者は半分になる。単価は物価の1割分しか上がらず、研修は赤字に転じる。
学校は新しい校舎を作れず、生徒はほぼ横ばいだ。外国人の先生の給料が円安で上がり、学費の値上げが追いつかない。学校の利益率は8%に下がる。
純利益は2億円を割る。配当は減り、自社株買いも止まる。買った学校の生徒が減ればのれんの減損も出る。前受けの授業料が減る分、手元の現金も細る。
学校の会社としては残るが、成長の物語は消え、今の値段の半分ほどの価値になる。株主への還元も細っていく。
- プラットフォームサービス事業(インターナショナルスクール・語学幼稚園):数量 1,575(生徒数(人))× 価格 0.03(1人あたりの年間売上(億円、名目))→ 売上 53 億円・営業利益 4 億円。生徒1.05倍・学費1.2倍
- リカレント教育事業(BBT大学院・BBT大学・法人研修):数量 5,000(受講者数(人・推定))× 価格 0.00(1人あたりの年間売上(億円、名目))→ 売上 19 億円・営業利益 −1 億円。受講者半減・赤字
倍率:ROE 3%台で資本コストに届かないので、PERの上限は1÷k=12.5倍。研修の赤字と学校の伸びの止まりを見て8倍に置き、余った現金は谷で食う分を引いた0.75倍の額を足す。
確率:AIの置き換えの決まりに沿い、研修の型の事業は半減もありうると置いた。学校も、先生の給料と校舎の費用で利益が削られる形は十分に起こる。
悲観 12% 研修が崩れ、学校も定員割れする 利益 −2 億円 · PBR 0.4 倍 · 株価時価総額 130 円16 億円
法人研修とMBAは、AIの学習の道具に大半を奪われる。受講者は3分の1まで減り、事業は大きな赤字になる。大学の学部は募集を止める。
学校には、海外の有名校の日本校が相次いで開校し、生徒を奪う。生徒は2割減り、外国人の先生の給料は上がり続ける。学校の利益はほとんど残らない。
のれん11億円の多くを減損し、赤字の期が続く。配当は止まる。10年後の価値は、校舎の建物と、前受けを除いた現金くらいしか残らない。
創業者の看板に頼った社会人教育が崩れると、会社の姿そのものが問われる。学校を売る判断もありうる。
- プラットフォームサービス事業(インターナショナルスクール・語学幼稚園):数量 1,200(生徒数(人))× 価格 0.03(1人あたりの年間売上(億円、名目))→ 売上 37 億円・営業利益 1 億円。生徒0.8倍・学費1.1倍
- リカレント教育事業(BBT大学院・BBT大学・法人研修):数量 3,500(受講者数(人・推定))× 価格 0.00(1人あたりの年間売上(億円、名目))→ 売上 12 億円・営業利益 −1 億円。受講者3分の1・大きな赤字
倍率:赤字なのでPERは使わない。今の自己資本47億円に0.35倍。床は前受けを除いた純現金と校舎の売却分から置いた。
確率:社会人教育がAIで大きく置き換わり、学校も競合の新設で定員割れする筋書き。学校は簡単には崩れないので、悲観は12%に抑えた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
プラットフォームサービス事業(インターナショナルスクール・語学幼稚園)
アオバジャパン・インターナショナルスクールなどの学校と、英語で保育する幼稚園の運営。
| 数量生徒数(人) | 価格1人あたりの年間売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,500 | 0.03 | 42 | 4 |
| 10 年後 中立 | 1,875 | 0.04 | 70 | 8 |
取り方:生徒数は会社の「1,500名以上」。売上41.99億円を割って1人あたり約280万円(学費と諸費)。利益はセグメント利益3.84億円。中立は校舎の増設で人数を1.25倍、学費は物価並みの1.34倍。
リカレント教育事業(BBT大学院・BBT大学・法人研修)
オンラインのMBA、大学の学部、経営者を育てる法人研修、ITや英語の講座。
| 数量受講者数(人・推定) | 価格1人あたりの年間売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 10,000 | 0.00 | 35 | 1 |
| 10 年後 中立 | 7,000 | 0.00 | 29 | 1 |
取り方:受講者数は非開示。売上34.57億円を、大学院・学部・法人研修・講座をならした1人あたり約35万円と推定して約1万人と置いた。AIエージェント代替:研修は人の時間で売る型なので、中立の人数を10年0.70倍、単価は物価を下回る1.20倍、利益率3%に置いた。
リスクと懸念
AIエージェント代替
法人研修とMBAは、講義・演習・添削という人の時間で売る商売で、AIの学習の道具に置き換わりやすい。売上の半分近くがこの型にある。学部の入学者は既に前年の7割に減った。
学校の費用の上昇
外国人の先生の給料は世界の相場と円安で上がる。校舎を増やすには都心の土地と建物の投資が要る。学費の値上げが追いつかなければ、学校の利益率は削られる。
見かけの現金
手元の現金30億円のうち、半分以上は保護者から先に受け取った授業料だ。生徒が減れば、この前受けの分から先に減る。自由に使える現金は10億円に届かない。
のれんの減損
学校の買収で生まれたのれんが11億円ある。買った学校の生徒が減れば、減損で自己資本が削られる。償却が終われば利益は戻るが、減損は一度に来る。
競合の学校の新設
海外の有名校が日本校を開く動きがある。英語の教育を求める家庭は、名前の知られた学校に流れやすい。定員の近さに支えられた値上げの力は、新設が続けば弱まる。
今後の分かれ目
- 新しい校舎を開き、生徒が定員近くまで集まる
- 学校の伸びが本物になり、やや楽観に重みを移す。
- 法人研修の売上が2期続けて減る
- AIの置き換えが表に出た証拠で、やや悲観に寄せる。
- 営業利益率が8%を超える
- 中期の目標(10%以上)に近づき、中立を上に見直す材料になる。
- 自社株買いを止める、または配当性向を下げる
- 戻り方を見直し、余った現金の値打ちを下げる。
- 新しい学校を大きなのれんで買う
- 買った値段と生徒数で判断する。高く買えば減損の種になり、悲観寄りに見る。
見ておくもの
- インターナショナルスクールの生徒数と校舎の数
- 学費の改定
- BBT大学院の入学者と法人研修の売上
- セグメント利益率
- 前受けの授業料と現金の残高
- 自社株買いと配当性向
- のれんの残高
倍率と資本コストの決め方
倍率は事業のROE(余った現金を除く)と資本コスト7.75%から式で出し、中立は事業のROEがkをわずかに超えるので、下限の1÷k=12.5倍とした。今の株価や過去の値付けは使っていない。現金30億円は前受けの授業料と運転資金を除き、余った分を9億円とした。AIの置き換えは研修の数量と単価に入れ、kには寿命の+0.5%だけ、確率はやや悲観と悲観で35%に抑えて重ねていない。悲観側は今の自己資本に床の倍率を掛けた。校舎の賃借は今の形で営業費用に入れてそろえた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 13.5→17.02 倍・やや楽観 PER 13→15.71 倍・中立 PER 12.5→14.62 倍)。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%にquality+0.5%で8.0%。同じ教育の会社(7.5〜8.0%)の上の側。研修の型の+1%を売上の比率で薄めた。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.00% → 7.75%。