結論
Rettyは、実名による飲食店の口コミを集め、飲食店から集客支援の利用料を受け取る会社である。筆者の結論は「割高」だ。10年後も飲食店探しの需要は残るが、その入口をRettyが支配できるとは考えにくい。長期保有で問われるのは、口コミの蓄積そのものではなく、飲食店が継続して料金を払うだけの送客力を維持できるかである。
2025年9月期の売上高は16.3億円、営業利益は0.2億円だった。営業黒字化は前進だが、2026年9月期第3四半期では再び営業赤字となり、有料店舗数も前年の期末から減少した。2026年の純利益には保有有価証券の売却益が含まれるため、利益の回復を本業の改善と取り違えてはいけない。過去の営業赤字の長さと資金流出を考えると、黒字を続けられるか自体がまだ検証段階にある。
強みは実名口コミ、約80万店の店舗データ、閲覧履歴や嗜好情報の蓄積である。しかし、食べログやぐるなびとは有料契約店舗の規模で差があり、Googleや生成AIによる店舗推薦も競争相手になる。利用者が検索結果からサイトに訪れず、AIの回答だけで店を決めるようになると、情報資産が残っても広告媒体としての価値は落ちうる。
10年後の中立では、店舗支援の契約数が緩やかに減り、受託型の統合ソリューションも縮小するとみる。固定費削減で一定の黒字を残しても、資本コストを大幅に超える利益には届かない。現在の時価総額約20.9億円に対し、確率を織り込んだ10年後の価値を現在に割り戻すと数億円規模にとどまる。企業の存続と株主価値の維持は別の問題であり、今の価格で長く保有するだけの安全域は乏しい。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主が買いたいのは、10年後も顧客が進んで料金を払い、値上げしても利用を続ける事業である。Rettyが提供する店探しの便利さには需要がある。しかし、利用者はRettyを開かなければ食事先を決められないわけではない。Googleマップ、食べログ、SNS、友人の推薦、そして生成AIという代替手段が常にある。店舗側も複数の媒体を使い分けるため、同社は送客効果を繰り返し証明しなければならない。
実名口コミの蓄積は評価できるが、その価値を株主の現金に変える仕組みはまだ弱い。収益の中心である有料店舗数が減れば、運営費と開発費を負担した後の利益は急速に細る。会計上の黒字だけでなく、顧客獲得費とソフトウェア投資を払った後に現金が残ることを確かめたい。ここが定着しない限り、利益を再投資するほど価値が増える会社とは判断できない。
経営陣の最優先課題は成長の数字を掲げることではなく、固定費を抑え、低解約率の顧客を積み上げ、借入条件を守りながら現金を増やすことである。2026年の構造改革は合理的な方向だが、一度の費用削減で永続的な競争優位が生まれるわけではない。規模の小さい事業では、わずかな受注の増減が利益を大きく動かすため、好調な一四半期から長期の利回りを推定する危険も大きい。
もし飲食店向けの販促契約が長期間続き、データライセンスが解約されにくい収益として育てば、評価は変わる。その場合には現在の小さな売上規模から利益が大きく伸びる余地もある。しかし、現時点では両方を裏付ける実績が不足している。先を読めない部分に高い値段を払わないという原則を優先すると、現在の時価総額には十分な安全域が見当たらない。
何で稼ぐ会社か
収益の中心は飲食店支援サービスである。飲食店はRetty内での露出、店舗情報の管理、オンライン予約などを利用し、月額固定料金と予約などに応じた従量料金を支払う。2025年9月期の売上高は約12.18億円で、全社の約75%を占めた。2025年9月末の有料店舗は7,435店で、そのうち固定料金を支払う店舗は5,045店だった。固定料金プランの月間顧客単価は約1万8,300円だが、従量中心の低価格プランもあるため、全有料店舗の平均収入はこれより低い。
もう一つの柱は、広告コンテンツと、現在の呼称では統合ソリューションに当たる事業である。広告主に対する飲食関連の広告掲載、販促企画、コンテンツ制作、調査、サイトやアプリの開発などを請け負う。2025年9月期の広告コンテンツ売上高は約4.13億円だった。案件ごとの収益が多いため、大口顧客の発注時期によって四半期業績が振れやすい。
この事業には、単なる広告受託とは異なる資産もある。約80万店の店舗情報、写真、実名口コミ、閲覧履歴などをFood Data Platformとして企業に提供するデータライセンス事業である。旅行、不動産、生活関連のサイトが飲食店情報を自社サービスに組み込む用途では、継続課金の可能性がある。ただし、広告制作、システム開発、調査、データライセンスそれぞれの売上高は独立して開示されておらず、安定したライセンス収入が全社の何割あるかは確認できない。
会計上はRettyプラットフォーム運営の単一セグメントである。本分析では、継続課金が主となる飲食店支援と、案件収入・広告・情報提供が混在する統合ソリューションに分けた。収益の性質が違うためだ。前者は店舗数と店舗当たり収入、後者は推定受注案件数と案件当たり売上で数量と価格を考える。両事業に共通する人件費、開発費、管理費は別に控除する。
優良さと弱いところ
Rettyには、模倣が容易ではない部分的な強みがある。利用者が実名で投稿してきた口コミには、誰がどのような店を好むかという文脈が含まれる。これを閲覧や予約の履歴と結び付ければ、単純な点数順とは異なる店の推薦ができる。約80万店の店舗データも、広告主や外部サービスに販売できる資産である。
しかし、この強みは広く深い堀にはなっていない。飲食店が他のグルメサイトにも同時掲載できるため、Rettyを利用すること自体に排他性はない。価格改定後も解約率が低いことや、乗り換えに年単位を要することを示す開示も確認できない。むしろ2026年6月末までの9か月間で、有料店舗数は7,435店から6,734店に減った。廉価プランへの移行が顧客単価の上昇を抑えていることも、値決め力の限界を示している。
資本効率は厳しく評価する必要がある。2018年9月期以降、営業赤字の年度が多く、2022年9月期には営業損失が7億円を超えた。2025年9月期は営業黒字でも営業キャッシュフローは赤字であり、会計利益がそのまま株主の自由に使える現金にはなっていない。ソフトウェアへの投資とその後の償却費も無視できず、増分の投下資本利益率が継続的に資本コストを上回る証拠はまだない。
2026年には人員削減を含む構造改革を実施し、手元資金を守るための借入枠も確保した。最新の決算短信には「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載がある。一方、正式な「継続企業の前提に関する注記」は該当なしで、会社は対応策によって重要な不確実性は認められないと判断している。この区別は重要だ。直ちに事業が終わるとの判断ではないが、優良企業としての財務的な余裕があるわけでもない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の飲食店向け集客市場は、大きな外食市場の上に成立している。ただし、外食売上の全額がグルメサイトの収益機会になるわけではない。店舗が広告、予約、顧客管理のために毎月いくら支払うかが、Rettyにとっての実質的な市場規模である。厚生労働省の飲食店営業許可施設数約142.7万を広い潜在母数にすると、2026年6月のRetty有料店舗6,734店はその約0.47%に相当する。これは販促サービス利用可能店舗だけを分母とする市場シェアではなく、規模を把握するための参考比率である。
競合との規模の差は大きい。食べログの2026年6月末の有料プラン契約店舗は約10.3万店、ぐるなびの2026年3月末の総有料加盟店舗は約4.3万店だった。店舗は複数媒体を併用できるため、それぞれの契約数を足して排他的な市場シェアにすることはできない。それでも営業網、予約利用者、加盟店データの厚さではRettyが追う側にあることは明白だ。GoogleマップやSNSから直接店舗を見つける人も多く、競争はグルメサイト同士にとどまらない。
広告市場の規模そのものは追い風にも見える。電通の推計では、2025年の国内インターネット広告費は約4兆459億円に達した。しかし伸びを牽引したのは動画やSNSであり、飲食店情報サイトや個別の広告制作会社へ同じ割合で仕事が流れるわけではない。Rettyの統合ソリューションの実際の市場は、食関連の広告・調査・開発・データ提供の重なりであり、開示から一意の市場規模やシェアを特定することはできない。
10年間で最も大きい構造変化は、検索と予約の入口の移転だ。利用者が生成AIに条件を伝え、AIが口コミを要約して候補を挙げ、そのまま予約するようになれば、人がRettyの画面を閲覧する回数は減りうる。口コミの正確さや更新頻度には価値が残るが、外部AIに使われることとRettyに収益が入ることは同義ではない。大手プラットフォームが情報利用の対価を支払わなければ、データを持つ側の交渉力は弱くなる。
飲食店側にも変化がある。人件費と食材費の上昇、後継者不足、人口減少によって、販促費を払える小規模店舗は選別される。訪日客需要や都市部の外食消費は下支えとなるが、全国の店舗数が物価と同じように増えるわけではない。中立では、広告媒体全体の名目成長よりも、Rettyの契約店舗数と受注数量の動きを厳しく見る必要がある。
資本政策と M&A
資本配分の評価は慎重だ。Rettyは2025年9月期まで無配で、2026年9月期の配当予想もゼロである。過去5年間に既存株主へ大きく利益を還元した実績は確認できず、2023年9月期には株数が約26%増加した。赤字からの再建を優先してきたため、これを一律に経営の失敗とは言えないが、資金を供給してきた既存株主の取り分が希薄化した事実は重い。
2025年12月の成長可能性に関する説明資料には、直販強化、データとAIの活用、統合ソリューションの拡大方針がある。当時の2026年9月期の数値目標は売上高16.03億円、営業利益0.47億円だった。しかし2026年8月に売上高14.96億円、営業利益0.10億円へ下方修正された。2027年以降の売上高、営業利益、ROEについて確約された中期数値目標は確認できない。配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額についても数字の約束なしである。
2026年にはりそな銀行との3億円のコミットメントライン、東日本銀行からの0.8億円の長期借入、保有非上場株式の約0.92億円での売却を実施した。これらは事業の拡大投資というより、資金繰りと財務の安定化を優先した判断である。借入枠には純資産維持と経常損益に関する財務制限条項があり、将来の損失が資金調達条件にも影響する。
2025年9月末の上位10株主の保有比率は合計69.22%だった。配当と大規模な自己株買いが行われていないことも踏まえ、将来余剰現金が生まれても、少数株主が帳簿額をそのまま受け取れるとは考えない。買収による価値創造も具体的な実績に乏しく、本分析では未発表のM&Aによる上振れを見込まない。現時点で公表済みのTOB、MBO、上場廃止予定は確認できない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
Rettyを単なる弱小グルメサイトとみるのは早計だ。実名による推薦には匿名の点数評価とは異なる情報があり、約80万店のデータベースも一朝一夕には作れない。飲食店が複数媒体を併用するなら、食べログの規模が大きいことだけでRettyの居場所がなくなるわけではない。費用対効果が良ければ、店舗は小さな追加予算でも掲載を続ける。
2026年の有料店舗減少には、解約率の高い代理店経由の店舗を整理した影響がある。会社は直販体制の強化を進め、7月には保有店舗数と保有売上が純増に転じたと説明している。この動きが続けば、質の低い契約を減らしながら顧客単価を保つことができる。人員削減と業務の自動化が固定費を下げれば、売上の大きな増加がなくても利益は改善する。
統合ソリューションにも選択肢がある。広告制作や受託開発は競争が激しいが、食品関連データの継続提供は案件ごとの売上より安定しうる。旅行、不動産、飲料などの企業との取引を深め、店舗情報の利用料を増やせれば、口コミの価値を広告表示回数だけに頼らず回収できる。生成AI向けにも正確な店舗情報を提供できる可能性はある。ただし、その用途で既に大きな継続売上を確保したという証拠はない。
営業費用の削減が定着し、有料店舗数が減少から横ばいに転じれば、軽資産型の事業は利益率を改善しやすい。過去に大きな赤字を出したという事実は将来の利益率の上限を決めない。借入枠の確保と資産売却で時間を買い、その間に直販と商品改善を進めれば、株主価値が残る道筋は十分に存在する。
慎重な見方
最大の問題は、Rettyが飲食店の集客に不可欠な入口を握っていないことだ。食べログは有料契約店舗で10万店を超え、Googleマップには店舗の位置、営業時間、写真、口コミが集まる。さらに生成AIが店選びと予約を代行すれば、利用者は複数のサイトを訪れる必要がなくなる。Rettyのデータが推薦の材料になっても、送客の主導権と広告料は別の企業に移るおそれがある。
競争上の弱さは既に数字に現れている。2026年6月末の有料店舗は9か月前より701店減少し、固定料金プランの店舗も減った。会社は更新時の低価格プランへの移行を顧客単価の抑制要因としている。価格を上げられず顧客数も増やせないなら、名目売上が物価に追いつかない。広告と受託開発の案件も、2026年第3四半期には失注や計上時期のずれによって利益を押し下げた。
貸借対照表の見かけほど安全ではない。2026年6月末の現金預金は約3.90億円あるが、有利子負債はそれを上回る。資産には前払費用やソフトウェアが含まれ、事業が縮む時に帳簿価額で売れるとは限らない。会社自身が継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況を認め、資産売却と追加借入によって財務を補強している。正式な継続企業の前提の注記がないことは安心材料ではあるが、資金繰りの脆さが消えたわけではない。
少数株主が受け取る利益も不確かだ。無配が続き、かつて大きな希薄化が起きた。将来さらに損失が続けば、資金調達は事業の存続には役立っても既存株主の持分を薄めうる。データ事業が独立した高収益の柱になる証拠も不足している。企業として生き残っても、今の時価総額に見合う利益を稼げない可能性が高い。
どちらに重みを置いたか
実名口コミとデータの蓄積は評価するが、長期の利益を支える堀としては弱い。2026年の店舗数減少、統合ソリューションの失注、過去の資金流出、財務制限条項を重く見る。確率は楽観側27%、中立30%、悲観側43%と下に寄せた。これはAI代替リスクを資本コストと確率で重ねて罰した結果ではなく、現在進行している契約減少と再建の実行不確実性による判断である。中立でも利益額が小さく、現在の時価総額には届きにくい。割高という結論は、極端な倒産を前提にしなくても変わらない。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/09 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 34 円5 億円(+ 還元の換算額還元の合計 1 円0 億円)。 今の値に割り戻すと 13 円2 億円、今との差 −88.4%、 期待の年率 −11.2%(資本コスト 10.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 149 円22 億円 | 8 円1 億円 | +38.7% | +3.4% | 13 円2 億円 |
| やや楽観 | 19% | 70 円10 億円 | 2 円0 億円 | −36.3% | −4.5% | 14 円2 億円 |
| 中立 | 30% | 20 円3 億円 | 0 円0 億円 | −82.2% | −15.9% | 6 円1 億円 |
| やや悲観 | 28% | 8 円1 億円 | 0 円0 億円 | −93.0% | −23.3% | 2 円0 億円 |
| 悲観 | 15% | 3 円0 億円 | 0 円0 億円 | −97.7% | −31.5% | 0 円0 億円 |
| 加重平均 | 100% | 34 円5 億円 | 1 円0 億円 | −69.2% | −11.2% | 35 円5 億円 |
今の株価時価総額 113 円17 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 直販が定着し、実名口コミの価値を守る 利益 2 億円 · PER 9.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 149 円22 億円
店舗への直接営業が定着し、2026年に減った有料契約は数年かけて回復する。飲食店が食べログやGoogleと併用する追加の販促先としてRettyを選び続ける。実名口コミの信頼性を保ち、来店や予約につながる成果を可視化することで、料金の上昇を顧客に受け入れてもらえるようになる。
Food Data Platformでは、既存の店舗データを使った継続契約を守る。広告制作と調査にはAI代替の圧力が残るが、顧客企業との直接取引によって案件の流出を最小限に抑える。AIを販売商品として急拡大する収益は見込まず、既存顧客との関係維持と内製の効率化によって利益を伸ばす。
2026年の人件費削減が一過性に終わらず、売上が回復しても固定費を抑制できれば営業利益率は改善する。ソフトウェアの更新投資と人材の確保は続くが、借入条件を守り、財務の安定を取り戻す。10年間の後半には小規模な株主還元も可能となり、事業の存続と株主利益が両立する筋書きである。
- 飲食店支援サービス:数量 7,100(年間平均の有料お店会員契約店舗数(店舗、推定))× 価格 0.00(有料契約1店舗当たりの年間実現売上高(億円、固定・従量込み))→ 売上 16 億円・営業利益 3 億円。有料店舗数は2025年の推定平均並みに回復。店舗当たり年間売上は約1.34倍で物価上昇並み。直販効率化によって部門利益率18%。
- 広告コンテンツ・統合ソリューション:数量 100(年間受注・提供案件数(件、分析上の推定。継続ライセンスを案件換算))× 価格 0.04(1案件当たりの平均年間売上高(億円、推定))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。案件数は2025年推定水準を維持し、平均単価は1.05倍。データ提供と直接受注が制作・調査の縮小を補う。
倍率:資本コストk10.5%、2035年ROE約14.7%、弱い堀による超過収益の残存割合1/3からRONIC約11.9%。長期名目g1.0%を使い、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)≒9.64倍。AIエージェント代替による長期成長の制約はg_longで既に扱った。現在の市場PERは根拠に使用しない。
確率:2026年に減少した有料店舗を取り戻し、価格上昇と低コスト運営を両立するには、直販体制の成功と送客力の維持が必要である。既存のデータ資産を評価するが、強い値上げ力や低解約率が確認できないため、実現確率を低めにする。
やや楽観 19% 店舗契約が安定し、小さな黒字企業として定着 利益 1 億円 · PER 9.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 70 円10 億円
代理店整理が終わった後、店舗契約数の減少が止まる。直販では解約しにくい顧客を中心に契約を獲得し、2026年6月末の水準から大きく増やさなくても、安定した継続収入を得られるようになる。店舗側の広告予算は厳しいが、予約と口コミによる送客成果を示すことで、価格の下落を抑える。
広告制作やサイト開発の案件はAIと大手広告会社に一部を奪われる。それでも食関連データを必要とする顧客との関係を維持し、受注の一部を継続的なデータ提供へ移すことができる。これによって統合ソリューションは縮小しながらも一定の利益を残す。大型買収や新規事業の大成功は必要としない。
人件費と営業費用の管理が進み、経営は営業キャッシュフローの黒字を優先する。利益は大きくないが、追加の大幅増資を避けて借入の返済を進められる。後半に限定的な株主還元を再開し、弱いながらも安定した収益基盤を築く筋書きである。
- 飲食店支援サービス:数量 6,800(年間平均の有料お店会員契約店舗数(店舗、推定))× 価格 0.00(有料契約1店舗当たりの年間実現売上高(億円、固定・従量込み))→ 売上 15 億円・営業利益 2 億円。有料店舗数は2026年6月末付近で安定。2025年推定平均比0.96倍。実現単価は10年で約1.28倍。
- 広告コンテンツ・統合ソリューション:数量 85.0(年間受注・提供案件数(件、分析上の推定。継続ライセンスを案件換算))× 価格 0.04(1案件当たりの平均年間売上高(億円、推定))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。案件数量0.85倍。データ提供が下支えするが、制作・受託開発の減少は続く。単価は約1.04倍。
倍率:2035年のROE約11.3%がk10.5%をわずかに上回る。堀の残存割合1/3によるRONIC約10.8%と長期g1.0%から、正当化PERの上限約9.55倍を使用する。利益の質を理由に上限から再度割り引かない。
確率:店舗の解約と新規獲得が均衡する可能性はあるが、競合の規模と2026年の計画未達を踏まえると、2025年の契約規模を完全に回復するより少し弱い結果が妥当と考える。
中立 30% 送客媒体として存続するが、利益は薄い 利益 0 億円 · PER 9.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 20 円3 億円
Rettyは飲食店探しの選択肢として残るが、集客の入口は大手サービスと生成AIへ移っていく。実名口コミに独自性は残るものの、利用者が直接Rettyを訪れる機会が減り、飲食店は掲載による効果を以前より厳しく測るようになる。直販体制は一定の成果を上げるが、解約数を完全には補えず、有料店舗数は緩やかに減少する。
店舗当たり売上は名目では増える。しかし物価上昇のすべてを料金へ転嫁できず、10年間の実質価格は下落する。広告制作、調査、開発などの案件ではAIエージェントによる代替が進む。Food Data Platformには需要が残るものの、安定的な契約基盤がどの程度育つかは不明であり、統合ソリューション全体の案件数量減少を止められない。
会社は規模に合わせた人員配置と開発費の抑制を続ける。これによって小幅な黒字は残るが、営業利益率は高くならない。増えた利益の大半は財務の補強と必要なシステム更新に使い、株主還元には回らない。存続はしても、追加資本が高い利回りを生む会社にはならない。
- 飲食店支援サービス:数量 5,800(年間平均の有料お店会員契約店舗数(店舗、推定))× 価格 0.00(有料契約1店舗当たりの年間実現売上高(億円、固定・従量込み))→ 売上 12 億円・営業利益 1 億円。契約店舗数は2025年推定平均の約0.82倍、2026年6月末比でも約14%減少。単価は名目約1.20倍でCPIの1.34倍を下回る。
- 広告コンテンツ・統合ソリューション:数量 65.0(年間受注・提供案件数(件、分析上の推定。継続ライセンスを案件換算))× 価格 0.04(1案件当たりの平均年間売上高(億円、推定))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替により広告制作・調査・受託開発の数量を0.65倍とする。単価はほぼ横ばいで、部門利益率3%。
倍率:2035年ROEは約4.9%で資本コスト10.5%を下回る。超過利潤を将来の成長に帰属させることはできないため、正当化PERの上限を1÷k=9.52倍とする。長期g1.0%を使って価値を上乗せしない。
確率:下に寄せる理由:2026年に店舗契約数が減少し、統合ソリューションも失注と期ずれで計画未達となった。営業黒字化の実績はまだ短く、固定費削減後の利益率も未検証である。一方、既存顧客と独自口コミがあるため、直ちに事業が消えることも中心予想とはしない。
やや悲観 28% 顧客離れが続き、再び慢性的な赤字体質へ 利益 −1 億円 · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 8 円1 億円
Rettyの直接利用者が減り、口コミと店舗情報の検索はGoogleや大手グルメサイトを経由することが増える。飲食店は掲載先をさらに選別し、Rettyの有料契約を減らす。価格の高い固定料金プランから、利用量に応じて払う廉価な契約への移行も進むため、名目価格の上昇は小さくなる。
企業向けの広告制作、調査、Web開発は、発注者がAIエージェントや既存の大手事業者で処理する割合を増やす。Food Data Platformは残るが、その収益規模は制作案件の減少を埋めるほどには育たない。統合ソリューションの利益率は赤字となり、飲食店支援側の小さな利益を食いつぶす。
会社は追加の人員削減と開発範囲の絞り込みを進めるが、必要なシステム維持費と営業費用をゼロにはできない。借入先との条件交渉や資産売却によって事業は続けられても、株主へ分配できる利益は生まれない。自己資本を取り崩しながら、事業の縮小を管理する10年間になる。
- 飲食店支援サービス:数量 4,800(年間平均の有料お店会員契約店舗数(店舗、推定))× 価格 0.00(有料契約1店舗当たりの年間実現売上高(億円、固定・従量込み))→ 売上 9 億円・営業利益 0 億円。店舗数は2025年推定平均の0.68倍。廉価プランへの移行で実現単価は名目1.08倍にとどまる。
- 広告コンテンツ・統合ソリューション:数量 55.0(年間受注・提供案件数(件、分析上の推定。継続ライセンスを案件換算))× 価格 0.04(1案件当たりの平均年間売上高(億円、推定))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。受託・制作案件数0.55倍、単価約0.95倍。固定費を回収できず赤字となる。
倍率:継続赤字となり利益ベースのPERを適用できない。今の2025年9月期自己資本約3.4億円を基準にPBR0.35倍とし、10年間の留保利益による自己資本の変化を床の評価額に二重反映しない。負債控除後の換金可能資産が薄いことを考慮した継続事業の残存価値である。
確率:店舗数減少と低価格プランへの移行がすでに観測され、固定費削減だけでは集客競争の劣位を解消できないため、十分に起こりうる。大規模な資産毀損や即時の事業停止までは前提にしない。
悲観 15% 情報流通の主導権を失い、再建増資で持分が薄まる 利益 −1 億円 · PBR 0.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3 円0 億円
店探しの大部分は検索サービス、地図アプリ、AIエージェントの中で完結する。Rettyの実名口コミは情報源の一つとして残っても、利用者を自社画面へ集める力を失う。飲食店は効果を測りにくい掲載先への支払いを減らし、有料店舗数は大幅に縮小する。低価格プランの比率も高まり、名目単価すらほとんど引き上げられない。
広告制作と調査の仕事は顧客側のAI利用によって減少し、Web開発も汎用ツールに置き換わる。独自データの販売を試みても、大口顧客に十分な価格を提示できない。運営規模が縮んでも最低限必要な開発者、サーバー、営業管理の固定費は残り、営業赤字が継続する。
資金繰りを維持するため、途中で仮に約2億円の第三者割当増資を実施し、既存株主の持分が約75%になると想定する。これは決定済みの資本政策ではなく、この悲観筋書きだけの仮定である。新たな資金もその後の損失で大きく減り、事業は非常に小さな規模で存続する。倒産と断定する必要はないが、既存株主が保有する経済価値はほとんど残らない。
- 飲食店支援サービス:数量 3,600(年間平均の有料お店会員契約店舗数(店舗、推定))× 価格 0.00(有料契約1店舗当たりの年間実現売上高(億円、固定・従量込み))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。店舗数は2025年推定平均の約0.51倍、実現単価は名目約1.06倍。集客力の低下で部門自体が赤字。
- 広告コンテンツ・統合ソリューション:数量 45.0(年間受注・提供案件数(件、分析上の推定。継続ライセンスを案件換算))× 価格 0.04(1案件当たりの平均年間売上高(億円、推定))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。案件数0.45倍、単価約0.87倍。制作・受託・調査の縮小が進み、データ提供も利益を守れない。
倍率:持続的な営業赤字と資金調達後の希薄化が重なり、利益による価値評価は困難となる。2025年9月期の自己資本約3.4億円を基準にPBR0.15倍とする。2026年6月末の換金可能資産から負債を控除した清算価値はゼロ近傍またはマイナスと試算されるため、0.51億円は帳簿純資産ではなく、わずかな事業継続価値を認めた水準である。希薄化係数はこの後に適用する。
確率:AIによる情報流通の変化、競合との規模の差、慢性的な資金流出が同時に悪化した場合である。既存の顧客とブランドがあるため必然とはしないが、事業の縮小と追加資金調達が重なる可能性は無視できない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
飲食店支援サービス
実名口コミメディア内での店舗露出、販促、予約、店舗向け顧客管理を提供する。店舗単位の固定料金と従量料金が中心で、通常の従業員ID数に応じる席課金SaaSではない。
| 数量年間平均の有料お店会員契約店舗数(店舗、推定) | 価格有料契約1店舗当たりの年間実現売上高(億円、固定・従量込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 7,100 | 0.00 | 12 | 0 |
| 10 年後 中立 | 5,800 | 0.00 | 12 | 1 |
取り方:2025年有価証券報告書の飲食店支援売上高1,217,614千円を使用。会社の成長可能性資料による2025年9月末有料店舗7,435店と期中の四半期推移から年間平均を約7,100店と推定した。12.17614億円÷7,100店=1店舗年約17.15万円、月約1.43万円。開示される月間ARPU約18,300円は固定料金プラン約5,045店に関する値であり、全有料店舗の平均とは異なる。営業利益0.32億円は全社費用を別掲するための分析上の配賦であって、会社開示の部門利益ではない。AIエージェント代替の型は主に自社媒体・プラットフォーム広告枠型であり、店舗数を実質数量、料金を名目価格として扱う。顧客管理画面の付加価値には席課金・操作画面型の代替圧力があるものの、その単独売上は未開示である。出典:https://edinetdb.jp/company/E35993/text?fy=2025 および https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20251226/20251225526451.pdf
広告コンテンツ・統合ソリューション
広告掲載、タイアップ制作、飲食店向け調査、販促企画、Web開発、店舗データ・口コミデータの企業向け提供を含む。広告制作・受託業務とデータライセンスが混在する。
| 数量年間受注・提供案件数(件、分析上の推定。継続ライセンスを案件換算) | 価格1案件当たりの平均年間売上高(億円、推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 100 | 0.04 | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 65.0 | 0.04 | 3 | 0 |
取り方:2025年有価証券報告書の広告コンテンツ売上高412,564千円を使用。会社は案件数と平均受注単価、広告制作とFood Data Platformの売上内訳を開示していない。広告媒体資料には50万円からの広告出稿や150万円の追加施策がある一方、調査・開発・継続データ提供も含むため、年間100案件、平均約413万円という説明用の数量・単価を仮定した。実際の100件という開示事実はなく、数量と単価の誤差は大きい。営業利益0.22億円も会社開示値ではなく共通費用控除前の分析上の配賦である。AIエージェント代替の型は、制作・調査・開発が人月・工数型、広告運用が広告代理型、データ提供が情報サービス型。固有DBの蓄積以外に記録の正本と判断できる定量的な堀の証拠が不足するため、中立の案件数量は10年で0.65倍、名目単価はほぼ横ばいとする。出典:https://edinetdb.jp/company/E35993/text?fy=2025 および https://corp.retty.me/pdf/RettyAds_2508.pdf
リスクと懸念
AIエージェント代替による送客の入口の喪失
生成AIが実名口コミや店舗情報を要約し、利用者の代わりに比較・予約するようになると、Rettyへの直接訪問が減る。自社媒体の広告・店舗集客型の収益は利用者数と送客量が重要であり、独自情報を保有していても必ずしも料金を請求できない。中立では契約店舗の実質数量低下と物価未満の単価上昇に、この圧力を織り込んだ。
AIエージェント代替による制作・調査・開発業務の縮小
統合ソリューションの広告制作、調査、販促運用、Web開発は、顧客企業のAIエージェントによって代替されやすい。中立の案件数量は10年で0.65倍、名目単価はほぼ横ばいとし、長期の成長率にも上限を設けた。一方、独自データを継続提供する部分は残りうるが、その比率と解約率が未開示のため会社全体を強い堀とは評価しない。
有料店舗数と顧客単価の悪化
2025年9月末から2026年6月末にかけて有料店舗数は7,435店から6,734店へ減少した。高単価の固定料金プランの店舗も減っている。広告効果を実感できない店舗の解約と、より安い契約への変更が続けば、国内の物価上昇率を下回る売上推移となり、必要な人員・開発費を賄えなくなる。
財務制限条項と資金繰り
2026年のコミットメントラインには、純資産を前年同期比85%以上に保ち、決算期と中間期の経常損益を赤字にしない条件がある。利用可能な借入枠があっても、条件に抵触すれば資金調達の余裕が失われうる。正式な継続企業の前提の注記はないが、会社が重要事象等を認めている以上、営業キャッシュフローと借入返済予定の点検が必要だ。
一過性利益とキャッシュフローの乖離
2026年第3四半期累計の純利益には、非上場有価証券売却益約0.92億円が含まれる。本業の営業損失とは区別すべきだ。2025年9月期も営業黒字に対して営業キャッシュフローは赤字だった。ソフトウェアへの支出が資産計上され、その後の償却費が増える構造では、見かけの営業利益と株主が使える現金がずれる危険がある。
希薄化と少数株主への還元不足
過去に大幅な増資があり、無配も続いている。再建資金が必要になった際には、会社の存続が優先され、既存株主の持分が薄まる可能性がある。上位10株主の保有比率が高いことに加え、配当や大規模な自社株買いの実績がないため、余剰資金が将来生まれても少数株主への還元を額面どおりに期待することはできない。
今後の分かれ目
- 有料店舗数が2026年6月末の6,734店から増加に転じ、4四半期連続で純増したら
- 直販体制の改善が数量面で確認できたと判断し、飲食店支援サービスの中立数量を上方修正する。高単価の固定料金プランの店舗数も同時に増えているかが重要である。
- 固定料金プランのARPUが実質で上がり、解約率も低いことが継続的に確認できたら
- 送客効果と値決め力の証拠として評価する。店舗当たり単価、営業利益率、資本コストの価格決定力部分を再点検する。
- Food Data Platformの売上、解約率、継続契約数が独立して開示され、安定収益が拡大したら
- 統合ソリューションのうち独自データライセンス部分を切り出して評価する。低解約率や顧客の乗り換え負担など二つ以上の堀の証拠がそろえば、その部分の長期成長率を見直す。
- 営業キャッシュフローが2期連続で黒字になり、ソフトウェア投資後にも現金が増えたら
- 会計上の黒字がオーナー利益に転換し始めたと判断する。再建の財務的な上乗せと悲観側の確率を引き下げる余地が生まれる。
- 財務制限条項への抵触、借入条件の悪化、または大規模な新株発行が発表されたら
- 持分の希薄化を会社全体の価値とは別に反映し、やや悲観・悲観の確率を高める。調達した現金を企業価値に加える際は、将来の損失補填による流出も検証する。
- 2026年の費用削減効果が定着せず、統合ソリューションの受注が回復しなかったら
- 2026年9月期の利益計画を10年の出発点として使い直し、共通固定費の削減可能幅を小さくする。中立の営業利益と純利益を下方修正する。
見ておくもの
- 有料お店会員店舗数(固定+従量)と固定料金プラン店舗数の四半期推移
- 固定料金プランの月間ARPU、契約更新時の値下げ、解約率
- 飲食店支援サービスと統合ソリューションの売上高・受注動向
- 検索経由の流入、予約件数、利用者の直接訪問比率
- Food Data Platformの継続契約数、ライセンス売上、解約率の開示
- 営業キャッシュフロー、ソフトウェア投資、償却費と現金残高
- コミットメントラインの財務制限条項の遵守、借入残高、返済予定
- 配当・自社株買いの再開、第三者割当増資、新株予約権の行使
- TOB・MBO・上場廃止関連の適時開示および継続企業の前提に関する注記の有無
倍率と資本コストの決め方
事業を2025年9月期の飲食店支援12.18億円と広告コンテンツ4.13億円に分け、前者は有料店舗数×年間実現単価、後者は推定案件数×案件単価で2035年の売上を積み上げた。2026年8月までの開示は、数量と利益率の前提を決める材料として使用し、添付で指定された株価140円と株数14,955,953株は最後の比較にだけ使用した。現在のPERやPBR、他社の市場倍率は将来倍率の根拠にしていない。
中立の店舗数は2025年推定平均の約0.82倍、統合ソリューションの案件数は0.65倍とした。価格には物価を二重計上せず、競争とAI代替によって物価未満の転嫁になると考えた。AIの影響は主に数量・価格とg_longに反映し、寿命のqualityや確率、追加の資本コストに同じ理由を重ねていない。資本コスト10.5%のうち2.0%の上乗せは、AIではなく実際の財務再建・資金繰りを理由とする。
2025年9月期自己資本約3.4億円から各筋書きの累積純利益と還元を考え、2035年の自己資本を置いた。悲観では仮定上の増資による払込みも含める。純有利子負債がプラスのため現時点の余剰現金は加算しない。悲観の換金可能資産は、2026年6月末の現金、回収可能売掛金、保証金、ソフトウェアの限定的換価額から負債を控除して検算した。賃借オフィス等の費用は営業利益に含め、新リース会計基準による貸借対照表の表示変更自体を価値の増減と扱わない。
5つの時価総額と10年間の還元を資本コストで現在価値に割り引くと、明示した筋書きだけで約1.7億円となる。将来の余剰現金の自動的な評価分が加わる場合でも、その戻り方は50%とする。現在時価総額約20.94億円との差は極めて大きく、判定は割高である。数値を現在株価に合わせて逆算していない。
資本コスト 10.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5% + 上乗せ 2.0%。基本7.5%+事業の質1.0%+事業再建中の財務的な上乗せ2.0%で10.5%。市場βや時価総額の小ささは使用しない。AI代替自体を追加の資本コストに入れていない。