結論
ホープは自治体の広報紙や情報冊子の広告を販売し、民間企業と行政をつなぐ会社である。長期保有する株主の立場では、自治体との接点は評価できるが、現時点の時価総額約27億円には十分な安全域がなく、やや割高と判断する。10年後の会社の価値を左右するのは、広告を何件売るか以上に、官公需を求める企業が人手による営業支援に対価を払い続けるかどうかである。
2026年3月期は売上約36億円、営業利益約3.4億円まで回復した。実際の自治体向け冊子発行数は増えており、行政マガジン『ジチタイワークス』の知名度にも価値がある。一方、AIエージェントが資料作成、候補自治体の探索、広告制作や寄附先の照合を担うと、仲介手数料と受託工数は細る。紙の冊子という現物の接点は残るが、デジタル作業の量まで守られるわけではない。
過去の電力小売事業は卸電力価格の高騰で巨額損失を生み、2022年には子会社が破産した。現在は電力事業から撤退して黒字に戻り、会社は自己株式取得に続いて配当の定例化も決めた。しかし、2030年を見据えた東証グロース市場の時価総額基準には、現状と大きな隔たりがある。確率加重した10年後の価値と株主還元を現在に割り戻すと約22億円となり、基準時価総額より約18%低い。会社の生存と株主の利益は分けて考えるべきだ。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主なら、自治体という顧客が10年後も存在するかではなく、仲介役に利益が残るかを問う。自治体の広報と企業の官公需開拓はなくならないが、顧客が情報を探し、資料を作り、連絡を取る作業はAIで大きく安くなる。ホープが守れるのは、独自の配布網、実際の担当者との信用、個別の案件を成立させる能力である。単なる工数の受託を続ける限り、価格決定力は強くならない。
筆者が重視するのは会計上の高いROEより、株主が自由に使える現金だ。2026年3月期の営業キャッシュフローは約2.3億円で、設備やソフトウエアへの投資を差し引けばさらに少ない。配当と自社株買いを始めた点は前進だが、事業を維持するための人材採用、印刷・媒体制作、運転資金は残る。余剰現金を持つだけでその全額を株主に返せると評価するのも危険である。
2005年の創業以来培った行政との関係は新規参入を難しくするものの、電力事業への進出で一度は株主資本を毀損した事実を忘れられない。今の経営が同じ過ちを繰り返さない保証は、業績見通しより資金の使途と案件ごとの利益率にある。10年後に残る媒体価値と実際の還元を丁寧に見積もれば、現在の時価総額は少し先回りしている。価値が認められるには、AI時代にも利用料が続く商品を実績として示す必要がある。
何で稼ぐ会社か
収益の出発点は、自治体が保有する広告枠と、そこに情報を届けたい地元企業の間に立つことだ。広告事業のSMART RESOURCEは広報紙やウェブの広告枠を扱い、SMART CREATIONは地域情報冊子『マチレット』を共同で作る。2026年3月期の開示では前者の自治体契約が168件、後者の冊子発行が806件だった。広告セグメント全体の売上は約17.8億円で、冊子の作成と広告枠の販売をともに含む。
『ジチタイワークス』事業は、行政職員向けの情報媒体を入り口として、企業から自治体向けの販売促進費を受け取る。2026年3月期の売上は約15.5億円に達し、BtoGソリューションが約12.9億円、行政マガジンなどの媒体が約2.5億円を占める。企業にとっては入札や庁内決裁に届く見込み客を見つける手段であり、自治体側には新たな製品やサービスに接する機会を提供する。受託営業と情報の媒介であって、自治体の基幹業務を独占する仕組みではない。
子会社ジチタイリンクの企業版ふるさと納税事業は、企業と寄附先の自治体を紹介し、成立時の手数料を受け取る。2026年6月末には協定を結んだ自治体が677に達し、サービス開始以来の寄附総額は31.5億円となった。2026年3月期の同事業売上は約2.3億円で、寄附金そのものではなく紹介手数料が売上に立つ。アキソルの空き家対策支援とマチイロの行政広報アプリも手掛けるが、現状の収益規模は小さい。マチイロは2026年度から有料契約への移行を始めており、先行費用が今後の採算に見合うかを見極めたい。
優良さと弱いところ
同社の数少ない優位性は、行政職員との接点を長年かけて開いたことだ。『ジチタイワークス』の媒体や自治体データベースを企業の営業活動に結び付け、自治体への紹介経路を自前で育ててきた。調達の仕組みや担当部署の違いを知っていることは、新規参入者より早く適切な相手に届く力になる。ただし、その情報の相当部分は公開情報でもあり、排他的な許認可や高い乗換費用の証拠にはならない。
本当の堀、すなわち値上げしても顧客が離れない力があるかは判定を留保する。定期契約の解約率が5%未満である、法令対応に年単位の乗換期間が必要である、あるいは継続的な値上げが成功した、といった数字は確認できなかった。国内自治体との知名度は集客には役立つが、それだけで広告制作や企業向け営業支援をAIから保護できない。全社の堀は弱いと見る一方、独自媒体の発行網と現場での関係は比較的残りやすい。
自己資本は約10.5億円と厚くはないが、純現金が約4.5億円ある。営業利益は2024年以降着実に積み上がり、直近の営業利益率も一桁後半まで戻った。しかし、2026年3月期の営業キャッシュフローは約2.3億円で、会計上の純利益約2.6億円を下回る。売掛債権と商品在庫が必要な事業であり、稼いだ利益をすべて買戻しや新規事業に回せるわけではない。過去の巨額損失を踏まえれば、資本効率の高さよりも資金管理と再投資の規律が重要だ。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
自治体向け広告の対象市場を、会社は約161億円と推計する。2026年3月期の広告売上約17.8億円を当てると対象市場の約11%に相当するが、この市場規模は公的な市場統計ではなく会社の定義による推計である。地域情報誌ではサイネックスの『わが街事典』、自治体案内や地図ではゼンリンなどが競合し、地元広告会社も小さな案件を奪い合う。競合各社の同一条件によるシェアは開示されていないため、勝手に足して市場を閉じることはできない。
企業から自治体への販売促進を請け負う市場について、会社は約250億円と推計している。『ジチタイワークス』の売上から見た現在の浸透率は約6%であり、表面上は伸びしろがある。ただし、直接の競争相手は同業の媒体だけではない。自治体が自ら情報を公開し、企業が入札情報サービス、公開データやAIエージェントを使って見込み客を見つければ、広告代理店への支出を増やさずに済む。行政マガジンの配布網は残っても、受託営業の単価は物価ほど上げられない可能性が高い。
企業版ふるさと納税は2024年度に全国で約631億円、約1万8千件の寄附があり、市場自体には需要がある。だが、これは寄附の元本であって、ホープや競合の仲介売上ではない。寄附先検索や申請支援の自動化に加え、税額控除の要件見直しや自治体の直接勧誘が手数料を圧迫する。中立の10年では国内の自治体広告の実質市場はやや縮み、官公需の販売促進市場は横ばいに近いと見る。会社自身のシェアがAIによる内製化で下がるため、物価3%でも全社売上の名目成長は鈍る。
資本政策と M&A
経営の資本配分を評価する際、2022年のエネルギー事業撤退は避けて通れない。卸電力調達の価格変動を抱えたまま売上を急拡大し、2021年と2022年に極めて大きな損失を出した。ホープエナジーは2022年3月に破産し、翌期の大幅な純利益は事業の復活だけではなく再編に伴う一過性の利益を含んだ。したがって、旧電力事業の売上や2023年の純利益を現在の成長率の根拠にはしない。
2024年公表の中期経営計画は、2027年3月期を最終年度として売上41億円強、調整後営業利益約4.46億円を掲げた。その後の通期予想は売上38.8億円、会計上の営業利益4.32億円となり、利益成長は続くものの当初の売上目標には届いていない。2026年に決めた株主還元の数字の約束は、総還元性向の目安40%と、配当の連結DOE3%または配当性向20%の高い方である。定例配当は2027年3月期から始め、自己株買いは余力を見て続ける方針だ。
すでに約291万株、取得額約6.2億円の買戻しを行ったことは、株主の取り分を重視し始めた実績である。ただし、2026年3月期の買戻し額は営業キャッシュフローを超え、同時期に借入れも増やしている。買戻しを毎年続けられるだけの資金創出を前提にしてはならない。地方創生テクノロジーラボの子会社化と2026年の完全子会社化は官民接点の強化を狙うが、投じた資金の利益率は追跡が必要だ。今後は上場維持基準への対応と資本の温存が衝突するかもしれない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
自治体に商品を売りたい企業にとって、名簿があるだけでは売れない。部署の違い、議会や予算の周期、実証事業から本予算への移行といった現場の判断を知る取引先に価値がある。ホープは自治体広告の長い取引歴を持ち、『ジチタイワークス』という行政職員向けの媒体も育てた。創刊以来の配布と企業による認知の蓄積は、検索結果を表示するだけの新規サービスとは異なる。
2026年3月期にはSMART CREATIONの冊子発行が806件に増え、企業版ふるさと納税事業も年間で黒字を確保している。企業からの寄附を自治体へつなぐ接点は一度築くと紹介が重なり、地元金融機関や大企業との提携も相手の信用を高める。AIで仕様書作成や顧客選定を省力化し、社員一人が扱える案件を増やせば、売上の伸びが小さくても利益率が向上しうる。媒体のスポンサー企業が増えれば、手間でなく顧客に届く成果への課金に移る道も開ける。
資本政策にも変化が出た。かつては電力の急拡大に資本を投じた経営が、直近2年は大型の自社株買いを行い、配当を定例化する方針を示した。単なる口約束ではなく実際に自己株数を減らしたことは評価すべきだ。事業の利益が現金に変わり、株主還元40%を守りながら自治体接点を広げられれば、少ない資本で長く利益を生む企業になれる。東証の上場基準対応も、資本効率の改善と事業の説明力を高めるきっかけになるかもしれない。
慎重な見方
自治体と取引した経験は、必ずしも将来の独占力ではない。行政情報誌や広告枠は地域の媒体、サイネックス、地元広告代理店などと競合する。自治体自身が広告主を直接募集し、企業がAIエージェントに入札情報の検索や資料作成を任せれば、仲介の人手に払っていた費用が消えていく。AIが進歩するほど、最も付加価値の弱い作業から顧客の内製化が進み、広告運用とBtoG支援の手数料率が圧迫される。
ホープの2026年3月期の成長は確かだが、広告のうちSMART RESOURCEの自治体契約は前年より減っている。収益の伸びを支えるのは企業向け支援と新しい寄附仲介であり、こちらこそAIや直接取引に置き換えられやすい。企業版ふるさと納税は税制の存続と紹介報酬の取り扱いに依存し、制度変更があれば短期間で収益が変わる。制度の寄附総額が増えることと、仲介会社の取り分が増えることは同じではない。
最大の警告は資本配分の歴史である。電力小売を急拡大させた後、2022年3月に子会社を破産させ、株主資本を深く傷つけた。いまの純現金は資金調達と買戻しを同時に行った後のもので、自己資本は決して厚くない。2030年の東証グロース上場基準として示された時価総額100億円は、基準時価総額の数倍だ。合併や株式移転、上場市場の変更を迫られれば、少数株主にとって必ず有利な条件が得られるとは限らない。
どちらに重みを置いたか
自治体との取引網と自己株買いの実績は評価できるが、今の利益率を10年維持するには、人手型の事業を成果課金へ変える必要がある。数量の中立にAI代替を入れているため、確率で同じ損失を重ねない。それでも下側を40%、上側を28%としたのは、過去の電力事業での資本毀損、寄附税制の変更余地、2030年の上場基準という独立した危険があるためだ。中立の10年後には売上が微減しても、余剰現金と還元が価値を下支えする。しかし、確率を踏まえた現在価値は約22億円で、今の約27億円には及ばない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 242 円33 億円(+ 還元の換算額還元の合計 60 円8 億円)。 今の値に割り戻すと 163 円22 億円、今との差 −18.7%、 期待の年率 +4.7%(資本コスト 7.2%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 664 円90 億円 | 132 円18 億円 | +298.2% | +16.9% | 72 円10 億円 |
| やや楽観 | 19% | 457 円62 億円 | 95 円13 億円 | +176.0% | +12.1% | 105 円14 億円 |
| 中立 | 32% | 227 円31 億円 | 66 円9 億円 | +46.7% | +4.5% | 94 円13 億円 |
| やや悲観 | 25% | 70 円10 億円 | 29 円4 億円 | −50.4% | −7.7% | 25 円3 億円 |
| 悲観 | 15% | 38 円5 億円 | 9 円1 億円 | −76.5% | −14.4% | 7 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 242 円33 億円 | 60 円8 億円 | +51.1% | +4.7% | 302 円41 億円 |
今の株価時価総額 200 円27 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 自治体接点を成果型商品へ転換 利益 6 億円 · PER 14.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 664 円90 億円
紙の地域情報誌と公務員向けマガジンは、自治体の信頼できる配布経路として残る。SMART CREATIONの発行案件は現在の806件を維持し、行政マガジンの広告企画枠も大きく減らない。広告枠販売はAIに自動化されるが、ホープは自治体との実際の折衝と成果測定に対価を取る形へ移り、SMART RESOURCEの168契約を守る。
企業向けBtoG支援も現状程度の案件数を確保し、社員1人当たりの生産性改善で利益率を上げる。企業版ふるさと納税の税制が維持され、提携金融機関からの紹介が続くため、年間成立件数を維持できる。いずれの人手業務もAIによる新規受注増を仮定せず、量を増やすより単位当たりの収益性を高める。
本社費は物価ほどには増えず、2024年以降の資本還元の規律も定着する。増えたオーナー利益が配当と買戻しに回り、残る現金は大型投機ではなく財務の安全域として保持される。2030年の市場区分見直しにも市場変更などで対処できる。
- 広告事業/SMART RESOURCE:数量 168(自治体媒体の年間契約数(件))× 価格 0.07(1契約当たり広告売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 3 億円。広告枠販売・制作のAI代替を契約件数に反映。媒体の実需は残るが価格上昇は限定する。
- 広告事業/SMART CREATION(マチレット):数量 806(年間発行冊子数(冊・案件))× 価格 0.01(冊子1件当たり売上(億円))→ 売上 10 億円・営業利益 3 億円。行政との共同制作冊子の発行件数。印刷コストの価格転嫁と媒体需要を分ける。
- 広告事業/その他の広告・制作支援:数量 100(附帯広告制作・運用の年間案件数(推定、件))× 価格 0.03(1案件当たり売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。人手の広告制作・運用代行。単価圧力と案件数減を同時に考慮する。
- ジチタイワークス/BtoGソリューション:数量 220(年間企業向け受託プロジェクト数(推定、件))× 価格 0.08(1プロジェクト当たり売上(億円))→ 売上 17 億円・営業利益 6 億円。官公需営業の受託・調査案件。AIエージェント代替の人月・工数型。
- ジチタイワークス/行政マガジン等の自社媒体:数量 240(有料広告枠・媒体企画の年間掲載数(推定、枠))× 価格 0.01(1枠当たり平均売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。独自公務員向け媒体の広告・企画枠。受託営業と切り分け、読者基盤の実需を評価。
- 企業版ふるさと納税/寄附マッチング:数量 300(成立した法人寄附紹介の年間件数(推定、件))× 価格 0.01(紹介1件当たり売上・手数料(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。企業版ふるさと納税の仲介成立案件。寄附元本ではなく手数料の売上。
- その他/アキソル・マチイロ:数量 100(空き家案件等の年換算受託単位(仮定、件))× 価格 0.01(1単位当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。マチイロ有料化、空き家対策の小規模サービス。操作画面のAI代替と赤字負担を考慮。
倍率:資本コストk=7.25%、長期名目成長g=0.5%、堀は弱く超過収益が残る割合1/3。将来余剰現金15億円と税引後利息0.210億円を事業から分離し、事業の純利益5.306億円÷事業の自己資本23億円でROE23.1%とする。増分投下資本利回りRONIC=12.5%、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=14.22倍を上限そのまま採用。10年間で稼ぐ純利益から配当・自社株買い・資産更新・売掛金と人材投資を差し引くと残存余剰現金が15億円になるとの推計であり、資本に留保された額を全額加えていない。
確率:自治体の接点を成果型の高単価商品に転換し、紙媒体とBtoG案件の双方でシェアを奪う連続成功が必要。開示済みの有料AIエージェント売上は確認できないため、人手・仲介型の数量は楽観でも現状超としない。
やや楽観 19% 媒体が伸び、受託縮小を補う 利益 4 億円 · PER 14.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 457 円62 億円
自社媒体の相対的な強さが評価される。『マチレット』は年806件の共同制作を維持し、行政マガジンの広告枠も現状の240件程度を保つ。自治体から直接届く紙の媒体や、公務員に確実に接触できる企画には、ウェブ広告とは別の価値が残る。媒体の単価は印刷費用の上昇にほぼ合わせて改定できる。
他方、AIによって広告制作と調達の手間は減り、SMART RESOURCEの契約は149件、BtoGの人手案件は190件に縮む。代わりに成果を明確にした報酬や媒体の独自性で単価への圧力を一部抑える。ふるさと納税の仲介も案件数が減るが、金融機関経由の営業で残存需要を取る。
大型買収を避け、組織を案件規模に合わせて調整できれば、名目売上の拡大と費用効率化で営業利益は伸びる。総還元性向40%という方針を守りながら、運転資金に必要な分を超える現金を積み増せる。
- 広告事業/SMART RESOURCE:数量 149(自治体媒体の年間契約数(件))× 価格 0.06(1契約当たり広告売上(億円))→ 売上 9 億円・営業利益 2 億円。広告枠販売・制作のAI代替を契約件数に反映。媒体の実需は残るが価格上昇は限定する。
- 広告事業/SMART CREATION(マチレット):数量 806(年間発行冊子数(冊・案件))× 価格 0.01(冊子1件当たり売上(億円))→ 売上 10 億円・営業利益 3 億円。行政との共同制作冊子の発行件数。印刷コストの価格転嫁と媒体需要を分ける。
- 広告事業/その他の広告・制作支援:数量 85.0(附帯広告制作・運用の年間案件数(推定、件))× 価格 0.02(1案件当たり売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。人手の広告制作・運用代行。単価圧力と案件数減を同時に考慮する。
- ジチタイワークス/BtoGソリューション:数量 190(年間企業向け受託プロジェクト数(推定、件))× 価格 0.08(1プロジェクト当たり売上(億円))→ 売上 15 億円・営業利益 5 億円。官公需営業の受託・調査案件。AIエージェント代替の人月・工数型。
- ジチタイワークス/行政マガジン等の自社媒体:数量 240(有料広告枠・媒体企画の年間掲載数(推定、枠))× 価格 0.01(1枠当たり平均売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。独自公務員向け媒体の広告・企画枠。受託営業と切り分け、読者基盤の実需を評価。
- 企業版ふるさと納税/寄附マッチング:数量 267(成立した法人寄附紹介の年間件数(推定、件))× 価格 0.01(紹介1件当たり売上・手数料(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。企業版ふるさと納税の仲介成立案件。寄附元本ではなく手数料の売上。
- その他/アキソル・マチイロ:数量 90.0(空き家案件等の年換算受託単位(仮定、件))× 価格 0.01(1単位当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。マチイロ有料化、空き家対策の小規模サービス。操作画面のAI代替と赤字負担を考慮。
倍率:資本コストk=7.25%、長期名目成長g=0.5%、堀は弱く超過収益が残る割合1/3。将来余剰現金9.5億円と税引後利息0.133億円を事業から分離し、事業の純利益3.735億円÷事業の自己資本22億円でROE17.0%とする。増分投下資本利回りRONIC=10.5%、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=14.11倍を上限そのまま採用。10年間で稼ぐ純利益から配当・自社株買い・資産更新・売掛金と人材投資を差し引くと残存余剰現金が9.5億円になるとの推計であり、資本に留保された額を全額加えていない。
確率:発行型媒体に一定の持続力があり、企業の行政向け宣伝費を獲得し続ける可能性は高い。ただし広告制作とBtoG支援の数量にはAIによる代替が残るため、楽観より一段低い。
中立 32% AIに工数を奪われながら媒体を維持 利益 2 億円 · PER 13.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 227 円31 億円
自治体の広報そのものは必要とされるが、紙媒体の発行は減少する。SMART RESOURCEの契約は121件、マチレットの発行は735件となり、広告制作や媒体買い付けの中間工程がAIに置き換わる。冊子の制作費はインフレに応じて上がるが、代理店の手数料を同じだけ引き上げる力は乏しい。
企業向けBtoG支援は、自治体の公開データから顧客自らが案件を探せるようになるため、年間150件へ縮む。一方、『ジチタイワークス』の行政職員向け媒体には固有の読者がおり、広告販売が事業の下支えとなる。企業版ふるさと納税の仲介は案件数を落としながらも制度が続き、年間では黒字を保つ。
全社の営業利益は現状よりやや細るが、AIによる事務合理化で人件費の上昇をある程度吸収する。過去に稼いだ利益の一部は配当と自社株買いに充て、残りは運転資金と慎重な現金準備として保有する。2030年の市場区分問題には上場市場変更も含めて対応すると考える。
- 広告事業/SMART RESOURCE:数量 121(自治体媒体の年間契約数(件))× 価格 0.06(1契約当たり広告売上(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。広告枠販売・制作のAI代替を契約件数に反映。媒体の実需は残るが価格上昇は限定する。
- 広告事業/SMART CREATION(マチレット):数量 735(年間発行冊子数(冊・案件))× 価格 0.01(冊子1件当たり売上(億円))→ 売上 9 億円・営業利益 2 億円。行政との共同制作冊子の発行件数。印刷コストの価格転嫁と媒体需要を分ける。
- 広告事業/その他の広告・制作支援:数量 65.0(附帯広告制作・運用の年間案件数(推定、件))× 価格 0.02(1案件当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。人手の広告制作・運用代行。単価圧力と案件数減を同時に考慮する。
- ジチタイワークス/BtoGソリューション:数量 150(年間企業向け受託プロジェクト数(推定、件))× 価格 0.08(1プロジェクト当たり売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 3 億円。官公需営業の受託・調査案件。AIエージェント代替の人月・工数型。
- ジチタイワークス/行政マガジン等の自社媒体:数量 205(有料広告枠・媒体企画の年間掲載数(推定、枠))× 価格 0.01(1枠当たり平均売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。独自公務員向け媒体の広告・企画枠。受託営業と切り分け、読者基盤の実需を評価。
- 企業版ふるさと納税/寄附マッチング:数量 210(成立した法人寄附紹介の年間件数(推定、件))× 価格 0.01(紹介1件当たり売上・手数料(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 1 億円。企業版ふるさと納税の仲介成立案件。寄附元本ではなく手数料の売上。
- その他/アキソル・マチイロ:数量 80.0(空き家案件等の年換算受託単位(仮定、件))× 価格 0.01(1単位当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。マチイロ有料化、空き家対策の小規模サービス。操作画面のAI代替と赤字負担を考慮。
倍率:資本コストk=7.25%、長期名目成長g=0.5%、堀は弱く超過収益が残る割合1/3。将来余剰現金5.5億円と税引後利息0.077億円を事業から分離し、事業の純利益1.832億円÷事業の自己資本18.75億円でROE9.8%とする。増分投下資本利回りRONIC=8.1%、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=13.90倍を上限そのまま採用。10年間で稼ぐ純利益から配当・自社株買い・資産更新・売掛金と人材投資を差し引くと残存余剰現金が5.5億円になるとの推計であり、資本に留保された額を全額加えていない。
確率:行政需要は消えず実際の冊子や官民の接点は続くものの、工数課金と広告運用の数量にはAI代替が浸透する中心値。第1四半期の先行赤字を恒常化せず、費用は適度に効率化すると見る。
やや悲観 25% 顧客が広告・営業を内製化 利益 −2 億円 · PBR 0.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 70 円10 億円
自治体は広報誌を残すが、予算の緊縮と電子化で広告枠の価値は低下する。広告契約は102件、冊子発行は610件に減り、企業側も制作、調査、営業先リスト作成を自動化する。BtoG案件は125件まで縮み、従来の経験だけで高い手数料を取ることができない。
企業版ふるさと納税では法令の運用変更と直接契約が増え、紹介件数が減る。人員配置の見直しが売上減に追いつかず、2036年には営業損失に転落する。ただし赤字になるのは後半であり、前半に稼いだ利益の一部は株主に還元済みである。
市場区分の変更に伴う一時費用や情報開示の負担も増す。現金と回収可能な資産を守るため新規投資は絞り、最後には事業整理を選ぶ。資産の回収可能額を超えて将来の稼ぐ力を高く評価しない。
- 広告事業/SMART RESOURCE:数量 102(自治体媒体の年間契約数(件))× 価格 0.05(1契約当たり広告売上(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。広告枠販売・制作のAI代替を契約件数に反映。媒体の実需は残るが価格上昇は限定する。
- 広告事業/SMART CREATION(マチレット):数量 610(年間発行冊子数(冊・案件))× 価格 0.01(冊子1件当たり売上(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。行政との共同制作冊子の発行件数。印刷コストの価格転嫁と媒体需要を分ける。
- 広告事業/その他の広告・制作支援:数量 56.0(附帯広告制作・運用の年間案件数(推定、件))× 価格 0.02(1案件当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。人手の広告制作・運用代行。単価圧力と案件数減を同時に考慮する。
- ジチタイワークス/BtoGソリューション:数量 125(年間企業向け受託プロジェクト数(推定、件))× 価格 0.07(1プロジェクト当たり売上(億円))→ 売上 9 億円・営業利益 2 億円。官公需営業の受託・調査案件。AIエージェント代替の人月・工数型。
- ジチタイワークス/行政マガジン等の自社媒体:数量 170(有料広告枠・媒体企画の年間掲載数(推定、枠))× 価格 0.01(1枠当たり平均売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。独自公務員向け媒体の広告・企画枠。受託営業と切り分け、読者基盤の実需を評価。
- 企業版ふるさと納税/寄附マッチング:数量 170(成立した法人寄附紹介の年間件数(推定、件))× 価格 0.01(紹介1件当たり売上・手数料(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。企業版ふるさと納税の仲介成立案件。寄附元本ではなく手数料の売上。
- その他/アキソル・マチイロ:数量 70.0(空き家案件等の年換算受託単位(仮定、件))× 価格 0.01(1単位当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。マチイロ有料化、空き家対策の小規模サービス。操作画面のAI代替と赤字負担を考慮。
倍率:終点の営業損失1.546億円では永続的な稼ぐ力は正値とならず、正当化PERを使わずに現在の自己資本10.5億円に清算価値の割合0.9048を掛ける。売れる資産の税後回収価値9.5億円を基準とする。2036年の自己資本をPBRの分母に使わず、将来の赤字を資産から二重控除しない。
確率:下に寄せる理由:2030年の上場維持基準と過去の資本配分失敗の独立した危険に加え、企業版ふるさと納税の制度変更が重なる可能性がある。AIによる通常の代替は中立数量に織り込み済みで、確率で重複計上しない。
悲観 15% 官民仲介が構造的に失速 利益 −4 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 38 円5 億円
初めの数年は既存の自治体接点が利益を生むが、企業はAIで広告制作から入札情報収集までを自動化し、代理店を通さない。SMART RESOURCE契約は73件、マチレットの発行は445件まで減る。自社媒体の閲覧も公務員向けのAI要約サービスへ移り、広告主の支払いが縮む。
寄附税制が縮小するか仲介手数料の規制が強まるため、ふるさと納税の成立件数は現状の半分以下となる。BtoGの人手案件は92件に落ち、会社は費用を削り切れない。2030年の東証上場基準を満たすことも難しくなり、市場変更、事業の切り売り、少数株主の流動性低下など不利な選択を迫られる。
2036年の営業損失は大きく、恒久的な利益への倍率を使わない。初期の配当後は還元を止め、のれんと繰延税金資産は売却価値ゼロに近づく。赤字と撤退費用で現金の一部を失うが、残る回収可能資産と負債を相殺した価値を最終的な床とする。
- 広告事業/SMART RESOURCE:数量 73.0(自治体媒体の年間契約数(件))× 価格 0.05(1契約当たり広告売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。広告枠販売・制作のAI代替を契約件数に反映。媒体の実需は残るが価格上昇は限定する。
- 広告事業/SMART CREATION(マチレット):数量 445(年間発行冊子数(冊・案件))× 価格 0.01(冊子1件当たり売上(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。行政との共同制作冊子の発行件数。印刷コストの価格転嫁と媒体需要を分ける。
- 広告事業/その他の広告・制作支援:数量 45.0(附帯広告制作・運用の年間案件数(推定、件))× 価格 0.02(1案件当たり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。人手の広告制作・運用代行。単価圧力と案件数減を同時に考慮する。
- ジチタイワークス/BtoGソリューション:数量 92.0(年間企業向け受託プロジェクト数(推定、件))× 価格 0.06(1プロジェクト当たり売上(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。官公需営業の受託・調査案件。AIエージェント代替の人月・工数型。
- ジチタイワークス/行政マガジン等の自社媒体:数量 128(有料広告枠・媒体企画の年間掲載数(推定、枠))× 価格 0.01(1枠当たり平均売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。独自公務員向け媒体の広告・企画枠。受託営業と切り分け、読者基盤の実需を評価。
- 企業版ふるさと納税/寄附マッチング:数量 135(成立した法人寄附紹介の年間件数(推定、件))× 価格 0.01(紹介1件当たり売上・手数料(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。企業版ふるさと納税の仲介成立案件。寄附元本ではなく手数料の売上。
- その他/アキソル・マチイロ:数量 63.0(空き家案件等の年換算受託単位(仮定、件))× 価格 0.01(1単位当たり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。マチイロ有料化、空き家対策の小規模サービス。操作画面のAI代替と赤字負担を考慮。
倍率:終点の営業損失4.400億円では永続的な稼ぐ力は正値とならず、正当化PERを使わずに現在の自己資本10.5億円に清算価値の割合0.4952を掛ける。売れる資産の税後回収価値5.2億円を基準とする。2036年の自己資本をPBRの分母に使わず、将来の赤字を資産から二重控除しない。
確率:旧電力事業のような投機を直接再演する想定ではない。AIによる内製化に寄附制度の縮小、継続赤字への転落、上場市場の選択肢の制限が重なる複合事故を想定する。現在の継続企業注記はない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
広告事業/SMART RESOURCE
自治体広報紙・ウェブ等の広告枠を獲得して広告主に販売する。広告運用の人手はAI代替対象。
| 数量自治体媒体の年間契約数(件) | 価格1契約当たり広告売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 168 | 0.05 | 8 | 2 |
| 10 年後 中立 | 121 | 0.06 | 7 | 1 |
取り方:実績契約168件は2026年3月期決算補足説明資料のKPI。広告事業のSMART RESOURCE売上847百万円=約8.47億円から単価8.47÷168=約504万円を算出した。広報枠の価値は残るが仲介業務はAIエージェント代替の広告運用型で、中立数量121件=0.72倍、価格は広告手数料への圧力により1.15倍とする。営業利益はこの細分類について非開示なので粗利構造を用いた配賦推定であり、共通本社費を控除した連結実績とは異なる。
広告事業/SMART CREATION(マチレット)
地域住民向けの協働発行冊子を自治体と制作し、冊子の広告収入等から稼ぐ。実物媒体としての接点は残る。
| 数量年間発行冊子数(冊・案件) | 価格冊子1件当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 806 | 0.01 | 7 | 2 |
| 10 年後 中立 | 735 | 0.01 | 9 | 2 |
取り方:実績発行806件は会社の年次KPI。SMART CREATION売上735百万円=約7.35億円から平均約91万円/冊を導いた。広告主数と発行部数は別なので混同しない。印刷物の数量は自社媒体型として中立735件=0.91倍、価格は制作・用紙の物価上昇を転嫁できる範囲で1.33倍、AIの紙媒体代替を数量に入れた。営業利益はこの細分類について非開示なので粗利構造を用いた配賦推定であり、共通本社費を控除した連結実績とは異なる。
広告事業/その他の広告・制作支援
広告事業内の自社主要2サービス以外の制作、附帯広告、媒体開発費用の回収部分。
| 数量附帯広告制作・運用の年間案件数(推定、件) | 価格1案件当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 100 | 0.02 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 65.0 | 0.02 | 1 | 0 |
取り方:FY2026広告売上約17.84億円からSMART RESOURCE8.47億円とCREATION7.35億円を差し引いた約2.02億円。会社は残余の案件数を出していないため年間100案件を仮置きし、平均202万円とした数量推計である。案件数の多寡には不確実性が大きく、AI代替の広告制作・運用型として中立件数65、価格は1.11倍にとどめる。営業利益はこの細分類について非開示なので粗利構造を用いた配賦推定であり、共通本社費を控除した連結実績とは異なる。
ジチタイワークス/BtoGソリューション
企業に向け自治体の見込客探索や販売促進・調査・営業接点を提供する。人手の案件遂行と仲介が主力。
| 数量年間企業向け受託プロジェクト数(推定、件) | 価格1プロジェクト当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 220 | 0.06 | 13 | 3 |
| 10 年後 中立 | 150 | 0.08 | 11 | 3 |
取り方:2026年8月開示の年間BtoGソリューション売上1,292百万円=12.92億円。年間案件件数は非開示のため、累計利用企業1,000社超という会社の取引基盤、複数年利用と同一企業の複数案件を区別した上で、年220案件・平均587万円と推定した。会社推定の実質ターゲット市場250億円に対する全ジチタイワークス売上の浸透率は約6%。受託・調査はAIエージェント代替の人月型で中立150件=0.68倍、単価は人件費増加と成果価値の両面から1.30倍とする。営業利益はこの細分類について非開示なので粗利構造を用いた配賦推定であり、共通本社費を控除した連結実績とは異なる。
ジチタイワークス/行政マガジン等の自社媒体
行政職員向けの『ジチタイワークス』など、自社で持つ媒体の広告掲載・企画で稼ぐ。
| 数量有料広告枠・媒体企画の年間掲載数(推定、枠) | 価格1枠当たり平均売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 240 | 0.01 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 205 | 0.01 | 3 | 1 |
取り方:会社の2026年8月資料で行政マガジン売上253百万円=約2.53億円。掲載数・広告単価は非開示。定期刊行を年約6回、各回広告・企画枠40件の計240枠と仮定し、平均約105万円/枠を推定した。これは売上からの代理推定であり実際の媒体枠数ではない。自社媒体型は庁内到達率の実需により中立205枠=0.85倍、名目単価1.33倍とする。営業利益はこの細分類について非開示なので粗利構造を用いた配賦推定であり、共通本社費を控除した連結実績とは異なる。
企業版ふるさと納税/寄附マッチング
法人の寄附を自治体と結び、実行された紹介・事務支援に係る手数料を得る。
| 数量成立した法人寄附紹介の年間件数(推定、件) | 価格紹介1件当たり売上・手数料(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 300 | 0.01 | 2 | 1 |
| 10 年後 中立 | 210 | 0.01 | 2 | 1 |
取り方:2026年8月の新セグメント開示で前年度の売上233百万円、セグメント利益約54百万円。6月末の協定自治体677件と累計寄附額31.5億円は年の案件数や仲介手数料ではない。実際の年間成立件数と料率は非開示なので、全国2024年度の約1万8457件、寄附総額631.4億円(内閣官房・内閣府)を外枠とし、自社を年300件、売上約77.7万円/成立件と推定。国の寄附額に対する当社受託シェアは検証できず断定しない。中立210件=0.70倍、単価1.25倍としてAIの寄附先探索・申請自動化と制度変更を織り込む。セグメント利益0.54億円は会社開示の実績値であり、部門間調整前の値である。
その他/アキソル・マチイロ
空き家対策支援の現場案件と自治体情報アプリ。アプリの席課金はAI代替、現場調整は一部残る。
| 数量空き家案件等の年換算受託単位(仮定、件) | 価格1単位当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 100 | 0.01 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 80.0 | 0.01 | 1 | 0 |
取り方:新しい会社資料の2026年3月期のその他売上は約67百万円。総売上を添付値36.3億円に揃えて約0.68億円とし、実件数は非開示なので年100単位で表す概算。マチイロは2026年4月以降に939自治体のうち81自治体が有料化したが、これは2026年3月期の有料契約数ではなく翌期の手掛かりである。中立80単位・価格1.12倍を採用し、アプリ操作と翻訳機能へのAI代替を勘案する。その他事業の営業利益は概算配賦であり、連結全体では本社共通費を別に負担する。
リスクと懸念
AIエージェント代替で広告・受託営業の工数が消える
AIエージェントが官公需の公示情報の検索、行政担当者の選定、広告制作、提案書の作成や入札書類の確認を自動化する。ホープのBtoG受託や広告運用は人手と中間工程への対価が中心であり、発注企業の内製化で数量と手数料の双方が下がり得る。独自媒体の購読者は強みだが、AIが業務の記録の正本を押さえるわけではない。
2030年の東証グロース上場維持基準
東証が示す2030年以降のグロース市場上場維持基準の時価総額100億円に対して、添付の現在時価総額は約27億円である。目標に届かなければ市場変更、上場維持への例外的な対応、株式流動性の悪化などを迫られる。100億円は時価総額の基準であって企業価値の下値保障ではない。株価を一時的に引き上げても長期利益が増えるわけではない。
企業版ふるさと納税の制度と仲介手数料
寄附が企業に税優遇をもたらす制度である以上、制度の延長や控除率、寄附先の適格要件は政策変更を受ける。仲介会社の役割や手数料の適切性が問われれば、成立件数が維持されても売上が下がる。寄附先の発見から申請までを企業や自治体が直接処理するAIの普及も、紹介業者への支払いを圧縮する。
経営の資本配分と電力事業での前歴
過去の電力小売の急拡大は巨大損失と子会社破産に至り、既存株主に厳しい経験を残した。自治体との接点という経営資源を新規事業に転用する場合も、収益性と資金負担を個別に精査すべきだ。大型の買収や借入による買戻しが利益創出を上回れば、見かけのEPS向上と引き換えに現金や財務の安全余地を失う。
資金回収の遅れと見かけの純現金
自治体広告は売掛債権と制作費が先行し、印刷・外注・社員の費用を売上より早く支払う局面がある。2026年3月期の営業キャッシュフローは利益を下回り、借入や担保定期預金もある。純現金4.5億円を直ちに株主に分配できる額とは見られず、10年間の株主還元とソフトウェア開発投資を同時に続けるには収益の現金化が必要だ。
地域冊子の広告予算と公務員媒体の到達力
地域人口の縮小、自治体の印刷物のデジタル移行、地元事業者の広告費削減は、共同制作冊子と広報紙広告の数量に効く。サイネックスや地域の制作・広告会社とは入札や広告主獲得で競合し、値上げを通すには配布効率と読者への到達実績を示さなければならない。独自媒体がAI要約だけで読まれるようになると、媒体の価値も下がる。
今後の分かれ目
- 2027年3月期の売上38.8億円と営業利益4.32億円の会社見通しを達成し、営業キャッシュフローも純利益に見合う水準になったら
- BtoGの成約状況と広告制作費の吸収を確認し、中立の利益率と現金転換率を上方に見直す。予算上の達成だけではAIへの耐性を認めない。
- SMART RESOURCEの広告契約が168から120件を割り込み、単価まで低下するようなら
- 代理業務のAI内製化が中立より速く進んだと判断し、広告事業を悲観寄りに修正する。共同制作冊子の発行案件と混同しない。
- SMART CREATIONの発行が800件前後を維持し、実質の掲載価格と営業利益率が上昇したら
- 物理的な自治体配布網の堀が裏づけられるため、同領域の数量と価格の見通しを引き上げる。ただし受託営業全体を同じ強い堀とは扱わない。
- ジチタイワークスのBtoG売上12.92億円に対し、継続利用率や成果課金の比率が金額で開示され、継続的に改善したら
- 人月・工数の売上がAIに置き換わる前提を該当部分に限り緩める。導入件数だけでなく粗利益と解約率の数字を求める。
- 企業版ふるさと納税の優遇が縮小され、成立案件数あるいは1件当たり紹介手数料が継続減少したら
- 全国の寄附元本ではなく自社の成立案件数と手数料売上を下げる。制度由来の利益には持続的な成長を与えない。
- 2030年に向けて時価総額100億円基準に届かず、市場変更か上場廃止に向けた正式な計画が示されたら
- 市場流動性と少数株主の換金条件を最優先に再評価する。具体的なTOB・MBO・上場廃止決定が公表されれば、通常の10年保有分析の前提自体を撤回する。
- 自己株買いが営業キャッシュフローを継続して超過し、借入金も増加して純現金がなくなったら
- 予定還元の持続性を下げ、配当累計と余剰現金の価値を同時に下方修正する。借金で買戻しを維持しても本質価値を創出したとは数えない。
見ておくもの
- 2027年3月期通期会社予想:売上38.8億円、営業利益4.32億円、純利益3.07億円への進捗
- SMART RESOURCEの自治体広告契約168件と平均受託額の変化
- SMART CREATION『マチレット』発行806件、1件当たり売上、広告主継続率
- 『ジチタイワークス』BtoGソリューション売上12.92億円、企業顧客継続率、営業人数当たり粗利益
- 行政マガジン売上2.53億円と広告枠・読者の実利用指標
- 企業版ふるさと納税の年間仲介成立件数と手数料売上、協定自治体数、税制変更
- 営業キャッシュフロー、売掛金・棚卸資産、投資支出、純現金と借入金の推移
- 総還元性向40%・DOE3%または配当性向20%という方針と実際の配当・自社株買い
- 2030年以降の東証グロース時価総額100億円基準への対応、市場変更の公式発表
- のれん0.67億円・繰延税金資産1.69億円の回収可能性とマチイロ有料化の実績
倍率と資本コストの決め方
2026年3月期の売上36.3億円を現物冊子件数、自治体広告契約、行政媒体枠、BtoG受託案件、寄附仲介成立件数に分け、非開示部分は出典と推定方法を明示した。数量は実数・実質、物価年3%による値上がりは単価にだけ反映し、手数料の価格転嫁が不十分な領域では低めとした。AIエージェント代替は人手広告制作・受託営業の10年数量とg_long年0.5%だけに織り込み、寿命の資本コストに重複させない。倍率は資本コスト7.25%、弱い堀によるRONICの収れん、g_longから正当化した。現預金は初期の余剰1億円と将来の運転資金・更新投資控除後の残りを別計算し、将来余剰現金を二重に足さない。悲観の床は売却不能なのれん・繰延税金資産・自家利用ソフトを控除する。新リース会計基準による2028年3月期以降の表示変更は売上・営業利益の本質的増加とは見なさない。今の株価と過去・同業のPERやPBRは倍率設定に用いず、最後にのみ時価総額27.1億円と比べた。
資本コスト 7.2% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。国債3.0%と株式リスクプレミアム4.5%の合計7.5%からqualityの−0.25%を加減し7.25%。電力の過去の経営失敗と将来の規制リスクは中立の売上や確率に反映し、個別上乗せは行わない。現在は3期連続黒字で継続企業注記もなく、distressの条件を満たさない。