結論
アクセスグループ・ホールディングスは、企業の採用、大学の学生募集、自治体・企業の販促業務を受託する小規模なサービス会社である。長く持つ株主の見方では、対面の集客基盤は残るものの、現在の株価は本質価値より「やや割高」だと判断する。採用業務代行や広告制作がAIエージェントへ置き換わる速さに比べ、同社が独自に値段を決められる範囲が狭いからだ。
2026年3月期は売上約39.5億円、営業利益約2.3億円だった。2027年3月期第1四半期も教育と自治体受託が堅調だが、季節性が大きい会社なので上期の勢いをそのまま10年先へ引き伸ばせない。人財ソリューションは増収でも利益が落ち、教育支援は増収にもかかわらず利益がわずかという構造にも注意が要る。
確かな強みは、日本語学校と大学を集める留学生進学フェア、学生と企業の実際の対面接点、自社センターで実物を発送・処理する運営能力にある。ただし、これらが企業全体に高い利益率をもたらすほどの堀になった証拠はまだない。会社は2032年の売上100億円を目指しているが、制作・RPO・事務BPOが受託金額の大きな部分を占める以上、将来の業務量を過去の成長率から推定するのは危険である。
財務はコロナ期の危機から改善し、定期預金も含む実質純現金は約10.4億円まで回復した。ただし中期計画は13億円を有事資金に置くため、この現金はすべて少数株主にすぐ帰る資産ではない。2036年の中立像でも会社自体は黒字を維持するが、資本コストを差し引いた現在価値には約25%の不足がある。買収への対応方針や株式発行の履歴も含め、価値を実現する資本配分には厳しい目が必要だ。
バリュー投資の観点から
長期の所有者が最初に問うのは、10年後に顧客がこの会社を通さなければ仕事を終えられないか、ということだ。外国人留学生のフェアは実際の参加者が集まるほど利用価値が増す。日本語学校、大学、自治体との接点は人間関係に根づいており、画面だけのソフトより簡単には代わらない。ここには小さくても本物の優位がある。
ところが、そこから全社の高い収益性を導くのは飛躍である。採用代行、パンフレット制作、広告運用、事務局処理は、顧客が自らAIを使えば外注する必要が薄くなる。過去の人数や制作本数を同じ単価で売り続けるという前提を持てない。教育部門の利益が薄いこと自体、景気が良くなれば企業が値段を自由に上げられるわけではない証拠だ。
所有者に帰属する利益は会計上の純利益だけではない。社員採用、会場確保、システムの更新、現場センターの設備投資を支払った後、なお配当や自社株買いに回せる現金が肝心だ。今は純現金が厚いが、中計では相当額を予備資金として会社内に残す。会社がROEより低い利回りのM&Aへ使うなら、財務の厚みは株主の利益に直結しない。
同社の魅力は、規模を追わなければ資金的に生き残れることと、変化に応じて対面・実務の仕事へ移れる余地だろう。その反面、資金調達で既存株主の持分が薄まり、買収への対応方針で外部からの規律が弱まるなら、所有する意味は薄くなる。安全域が十分といえるのは、実際の営業現金創出と還元が定着し、採用・制作の衰退を現場の稼ぎが補えると確認できた時だけである。
何で稼ぐ会社か
会社の仕事は「人や学校を集める」「資料と事務を代行する」「物を処理して届ける」の三つに大別できる。報告上は人財ソリューション、教育機関支援、プロモーション支援の3部門で、2026年3月期の売上はそれぞれ約15.2億円、11.2億円、13.2億円だった。粗い業種名は同じサービス業でも、収入を生む数量と顧客の値引き圧力は相当に違う。
人財部門は企業から費用を受け取り、学生向け説明会の開催、求人広告・募集パンフレットの制作、採用事務局、採用業務代行(RPO)を引き受ける。大学やスポーツ団体、自治体と築いた関係を営業につなぎ、プロネクサスの上場企業・上場準備企業の顧客網にも共同提案を行う。人が集まる会場を持つ企画は独自性があるが、応募者メールや広報制作などの工数は顧客がAIへ移せる。
教育部門は大学と専門学校を顧客に、受験生・外国人留学生への広報、進学イベント、学内事務、寄付募集を支援する。「アクセス日本留学フェア」は学校との取引関係を支え、2026年の複数都市の開催では多くの教育機関が出展した。一方、校内事務と広報制作の外注費は、学生募集難とAI内製化の双方から圧迫される。2026年3月期の部門営業利益は約0.09億円と薄い。
プロモーション部門では自治体などの発送・封入・印刷・現場業務の受託が利益の柱になった。自社業務推進センターで実物を処理できる点は単なる広告制作と違う。ただし紙の郵便物が減る長期傾向を避けられず、SNSや動画制作は大手広告代理店や汎用AIと競争する。
各部門の実際の出展枠・案件数・契約単価は開示されていないため、数量を六つの実務類型へ分解した部分には明示的な推定を用いた。実績として確かなのは3部門の売上・営業利益と、フェアなど個別催事の参加数である。
優良さと弱いところ
この会社の最も模倣しにくい資産は、長年の大学・日本語学校・学生団体との関係と、催事の運営に必要な現場の段取りである。2026年の会社発表では東京の留学生進学フェアに231の教育機関が出展し、1万3224人が来場した。企業や学校が自ら同じ集客を一から実現するには、会場を押さえるだけでなく参加者への認知と信頼を積む必要がある。
しかし堀、すなわち値上げしても顧客を失わない力は限定的だ。価格改定による継続率、解約率5%未満、法改正ごとの値上げ実績、他社に移せない基幹記録などは確認できない。独自の接点は評価しても、大学や企業はリクルート、マイナビ、ライセンスアカデミー、学校内製の募集活動へ容易に予算を移せる。競争優位が会社全体の利益率に反映されているとも言い切れない。
実際、直近は売上が伸びても営業利益がほぼ横ばいだった。人件費、会場費、大型案件の原価が増えるためである。教育事業の採算は極めて薄く、過去にはコロナ禍で連続赤字となり自己資本が大きく減った。2026年のROEは約11%だが、累積増資で自己資本が増えた点を含め、長期の増分投資利回りが安定して資本コストを超えているとは証明できない。
財務面は改善が大きい。帳簿上の現預金から借入・社債を引くと10億円余りの純現金になり、有利子負債の返済余力はある。とはいえ解約不能のオフィス等の賃借料が約3.8億円あり、採用とイベントの失注時も固定的な支払いが残る。事業の継続性は評価できても、余剰の現金をそのまま高い事業価値と取り違えるべきではない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
採用市場では人手不足が続き、学生と採用企業を結ぶ機会自体は残る。ただし必要な採用人数が増えることと、採用事務を外部会社へ発注する件数が増えることは違う。リクルート、マイナビ、ワンキャリアなどは巨大な求職者・企業の基盤を持ち、採用代行市場には多数の受託会社が競合する。矢野経済研究所の2022年度見込み約706億円は採用アウトソーシング関連3市場の合算で、会社のRPO売上だけと厳密に対応しない。採用代行等の分析配賦8.77億円を単純に割った約1.2%は桁の目安に過ぎず、公式シェアではない。
教育市場には反対の力が働く。国内の18歳人口減少と大学の定員割れは募集支援を必要にする反面、大学自身の支出余力を削る。外国人留学生数はJASSOの2025年度調査で40万8069人と過去最多となった。国の受入れ政策や日本語学校との接点は同社の追い風だが、すでに40万人を超えているため、この増加率が今後10年続くとは見ない。ライセンスアカデミーやJASSOの公的留学フェア、学校が直接運営する多言語募集が競合する。大学の募集支出総額や同社の市場シェアを同一定義で算定できる資料はなく、出展校数で測る会社の優位も業界全体の比率としては未確認である。
販促・BPOでは、矢野経済研究所の広義の人事BPO市場は1兆円規模、非IT系BPO全体は数兆円規模に及ぶ。しかし給与計算やコールセンターを含むその総額は同社の実物発送と直接比較できない。電通によれば2025年の日本の総広告費は8兆623億円、催事・展示などは約4748億円に達したが、同社の販促13.2億円には物流や事務受託が混じる。大日本印刷、TOPPAN、トランスコスモス、大手広告会社など規模と設備を持つ競合が存在し、会社の厳密な市場シェアは分からない。
10年間の分かれ目は、工数の売上を守るか、新しい顧客接点を持つかにある。AIエージェントは制作・運用・問い合わせ対応を安価にし、委託単価の物価転嫁を妨げる。一方、留学生が学校と話し、自治体が現物を発送する活動は完全には消えない。成長する市場にいるから売上も自動的に増えるのではなく、会社が後者へ事業比率を移せるかを見たい。
資本政策と M&A
経営は2026年5月に2027〜2029年3月期の中期経営計画を公表した。2029年3月期の目標は売上61.2億円、営業利益4.39億円、純利益2.74億円で、2032年の売上100億円はさらに先の経営ビジョンである。ROEの数値目標は確認できず、自己株買い額やDOEにも数字の約束なし。株主還元は2027年3月期から配当性向40%前後を目安とする方針で、株主優待も継続する。
資金配分計画では現在の現預金約14億円と計画期間の営業キャッシュフロー約7億円を念頭に、約13億円を有事の資金として保持し、約5億円をM&A・設備・システム・人材に、約3億円を配当に振り向ける。この会社にとって5億円の買収枠は小さくない。売上拡大より買収後の現金回収と増分ROICを先に示してほしい。
過去には2019年、2024年、2025年に大きな株数増加があり、2026年にもプロネクサス向けの第三者割当増資を行った。事業提携による顧客紹介の価値はあるが、持分を薄めた分以上の利益が出たかは長い時間で検証が要る。2026年の株主総会では株主から資本配分方針と社外取締役に関する提案が出され、会社は買収への対応方針を導入した。これはTOB実施の発表ではないが、少数株主にとっては経営の規律を監視する材料である。
株主優待の総費用は確認できないため、配当以外の10年間の還元に0.4〜0.6億円程度を仮算入した。累積現金の評価係数は0.75とする。増配実績があるので「支配株主が強く5年還元なし」という0.5の条件に当たらず、配当性向50%超・大規模な自社株買いの実績にも届かないからだ。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
日本の労働力不足は一時的な景気変動ではなく、企業と学校の採用・募集活動を複雑にする。大学のキャリアセンターと採用企業を長年つなぎ、自治体の雇用施策にも入り込んできた同社は、個別の広告制作会社とは違う窓口を持っている。特に外国人留学生の進学フェアは、企業が単なる検索画面を作るだけでは置き換えにくい。2026年の東京会場に1万人以上が集まり、200を超える学校・団体が参加した事実は、少なくとも一定の集客力を裏づける。
国内の18歳人口が減っても、大学はむしろ生き残りをかけて入試広報と外国人留学生の募集に力を入れる。留学生数が40万人を超えたことは、学生募集が小さな周辺市場ではなくなったことを示す。東南・南アジアからの流入が多い今、多言語の現場対応や学校訪問という手足のあるサービスには居場所がある。留学生から国内就職までの支援をつなげれば、大学・日本語学校・企業への複数年営業も可能になる。
自治体の発送業務は紙が減っても、通知や給付事業のように正確な実物処理が求められる場面が残る。内製センターは品質と納期に責任を負えるため、AIで書面を作るだけの業者より高い参入障壁を持つ。プロネクサスの約4000社の法人接点から新たな顧客を紹介される点も、小規模な独立企業には得難い。業績回復で負債を圧縮したため、再び危機が来ても耐える資金がある。
2029年の中期計画を確実に達成し、買収枠を優良な現場会社へ振り向ければ、売上拡大と営業利益率の改善が同時に起こりうる。制作やRPOの工数は増えなくても、対面の出展枠と自治体実務の件数が増えれば全社利益を大きく伸ばせる。配当性向40%前後の約束が実行されれば、所有者は事業の成長と現金還元の双方を受け取れる。
慎重な見方
同社の売上約40億円は、そもそも強固なソフトウェア使用料や独占的なデータ利用料で成り立っていない。採用業務代行、広告やパンフレットの制作、大学の広報事務、SNS運用といった人が時間を使う仕事が多い。AIエージェントが企業側の人事システムや学校のウェブサイトを直接操作すれば、仲介会社が請求できる仕事量は数年で減りうる。顧客がAIによる効率化の利益を外注先と分けてくれる保証もない。
学校や学生との関係は長いが、年率の解約率、値上げを通した実績、学校が他社へ移る費用を定量的に示す情報は見当たらない。進学フェアは会場と集客の固定費が先にかかり、参加機関が減れば利益が急速に消える。外国人留学生の人数も、在留資格や入国政策、学費負担、母国の景気に左右される。大学自身の定員割れが深くなれば、必要性は高まっても支払い能力が落ちる。
自治体向けの現物処理にも構造的な縮小がある。通知の電子化が進み、紙の発送が減れば内製センターの稼働率が落ちる。営業利益率が高くない会社では、売上減少がそのまま利益減少へつながる。2020〜2021年に損失を計上した経験は、需要急減時に固定費を完全には逃がせないことを示す。プロネクサスの営業協力も顧客紹介であって、価格決定権や安定収入の保証ではない。
さらに、第三者割当で既存株主の持分がたびたび希薄化した。買収への対応方針を導入した経営陣が13億円を有事資金に抱え、今後5億円を買収に使うなら、少数株主がその現金を回収できる時期は不透明だ。売上100億円の長期ビジョンと過去の増分資本利益率を結びつける資料も乏しい。受託事業が縮む時に資産の厚さだけを根拠に事業へ高い値段を払うべきではない。
どちらに重みを置いたか
対面集客と公共向けの実務運営には競争上の価値があるが、これまでの利益を支えた業務の相当部分をAIが代替するという反論のほうが重い。会社の数値開示では、値上げや継続率で守られた事業比率を特定できないためだ。確率は楽観側27%、中立28%、悲観側45%とし、左右対称にはしない。下に寄せる理由は、教育部門の極めて薄い利益と人財部門の増収減益、そして増資後の投資回収がまだ見えていないことにある。もっともAIによる工数の縮小自体は中立の数量と長期成長率に既に反映しており、資本コストに再度上乗せしていない。純現金は悲観の下支えだが、上値を正当化する証拠ではない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 773 円27 億円(+ 還元の換算額還元の合計 206 円7 億円)。 今の値に割り戻すと 508 円18 億円、今との差 −20.7%、 期待の年率 +4.9%(資本コスト 7.8%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 2,037 円71 億円 | 418 円15 億円 | +283.7% | +16.4% | 246 円9 億円 |
| やや楽観 | 17% | 1,174 円41 億円 | 301 円11 億円 | +130.5% | +10.0% | 251 円9 億円 |
| 中立 | 28% | 758 円26 億円 | 218 円8 億円 | +52.4% | +4.9% | 273 円10 億円 |
| やや悲観 | 27% | 379 円13 億円 | 149 円5 億円 | −17.5% | −2.2% | 143 円5 億円 |
| 悲観 | 18% | 304 円11 億円 | 63 円2 億円 | −42.7% | −5.8% | 66 円2 億円 |
| 加重平均 | 100% | 773 円27 億円 | 206 円7 億円 | +52.8% | +4.9% | 978 円34 億円 |
今の株価時価総額 640 円22 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 対面ネットワークが強まり事業を横展開 利益 5 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,037 円71 億円
主催フェアは、外国人留学生の進学希望と学校の募集難を結びつける場として存在感を強める。日本語学校との直接接点に大学・専門学校の出展が重なり、東京・大阪以外にも参加枠が広がる。2026年に確認できた複数地域の開催実績を起点に、参加校の反復利用が進む筋書きだ。
人財事業ではプロネクサスの法人顧客網を生かし、企業・大学・自治体との接点をイベントへ取り込む。採用代行はAIが応募者対応を引き受けるため、工数契約そのものの大幅増加には頼らない。代わりに対面の選考・マッチングの質と、外国人材を受け入れる公的・民間の現場運営で収益機会を増やす。
印刷発送センターは公共案件の獲得や物流の内製化で稼働が上がり、人員・システムへの追加投資も回収する。M&Aに使う予定資金は、顧客接点の買収に限定され、のれんの減損を起こさずに済む。人手で制作・運用する広告は引き続き減速するが、会社の体質は「労働集約型の受託」から「現場・接点を持つ受託」へ移る。
- 人財:自社開催採用イベント・対面マッチング:数量 1,920(年間企業出展枠・協賛契約換算(枠、推計))× 価格 0.01(出展・開催支援一枠の平均受取額(億円/枠、推計))→ 売上 13 億円・営業利益 2 億円。実質数量は現状の1.50倍、名目受託単価は1.34倍。対面・現物の実需と競争を反映。
- 人財:採用代行・人材紹介・制作支援:数量 171(年間採用代行・採用制作の案件換算(件、推計))× 価格 0.07(一案件当たりの契約売上(億円/件、推計))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。実質数量は現状の0.95倍、名目受託単価は1.34倍。AIエージェント代替による工数需要減少を含む。
- 教育:外国人留学生進学フェア・対面募集:数量 1,700(年間参加学校・団体の出展枠換算(枠、推計))× 価格 0.01(一出展枠当たりの受託収入(億円/枠、推計))→ 売上 15 億円・営業利益 2 億円。実質数量は現状の1.70倍、名目受託単価は1.34倍。対面・現物の実需と競争を反映。
- 教育:入試広報・寄付募集・大学運営受託:数量 198(年間学校広報・運営受託契約換算(件、推計))× 価格 0.03(一受託契約当たりの売上(億円/件、推計))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.90倍、名目受託単価は1.34倍。AIエージェント代替による工数需要減少を含む。
- 販促:印刷・発送・封入・現場業務の受託:数量 2,900(年間封入・発送・現物処理の万件換算(万件、推計))× 価格 0.01(一万件当たりの総受託売上(億円/万件、推計))→ 売上 16 億円・営業利益 2 億円。実質数量は現状の1.45倍、名目受託単価は1.34倍。対面・現物の実需と競争を反映。
- 販促:広告制作・運用・事務BPO:数量 143(年間広告制作・事務BPO案件換算(件、推計))× 価格 0.04(一案件当たりの実現契約額(億円/件、推計))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.95倍、名目受託単価は1.20倍。AIエージェント代替による工数需要減少を含む。
倍率:2036年の純利益5.3350億円、自己資本35.2億円、ROE約15.2%。資本コストk7.75%、企業全体のAIエージェント代替を織り込む長期g0.0%、堀はnormalとして超過ROEの残存割合1/2を使う。g=0なので正当化PERの上限=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷0.0775=12.90323倍で、楽観〜中立は上限そのもの。期末自由余剰現金4.0億円の税後受取利息推定1.4%を純利益から引いた事業利益にPERを掛け、現金には株主に戻る割合0.75を適用する。過去・現在・競合の市場PERからは決めていない。
確率:外国人留学生フェアの出展枠と自治体の実務受託が広がり、プロネクサスの法人顧客網も役立つ。ただしAIにさらされる採用代行・制作の実質件数は現状を上限としており、収益拡大の源を対面・物理案件に限定した。
やや楽観 17% 留学生と公共受託が代替損失を埋める 利益 3 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,174 円41 億円
学生と企業が面談する機会は10年後も残り、学校と自治体の委託は緩やかに積み重なる。自社の留学生進学フェアは出展校が増え、今ある地域ネットワークが競合の集客媒体との差を生み続ける。新しい校種・進路への展開も一定の成果を出す。
一方、応募者への連絡、面接設定、採用広報のひな型制作はAIエージェントに移り、RPOや制作の案件件数は減る。プロネクサスとの共同営業が受注単価と顧客分散を支えるものの、顧客の業務改善が工数単価の伸びを上回る。教育機関向け寄付募集支援も自動化が進み、規模を追うだけの事業にはならない。
公共案件の封入・発送など、物を扱う仕事はセンターの段取りと品質が評価される。大きな買収には踏み込まず、現場投資と着実な配当を優先することで、コロナ期のような財務悪化を避ける。ROEは高成長企業並みではないが、資本コストを上回る期間を保てる。
- 人財:自社開催採用イベント・対面マッチング:数量 1,344(年間企業出展枠・協賛契約換算(枠、推計))× 価格 0.01(出展・開催支援一枠の平均受取額(億円/枠、推計))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。実質数量は現状の1.05倍、名目受託単価は1.28倍。対面・現物の実需と競争を反映。
- 人財:採用代行・人材紹介・制作支援:数量 133(年間採用代行・採用制作の案件換算(件、推計))× 価格 0.06(一案件当たりの契約売上(億円/件、推計))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。実質数量は現状の0.74倍、名目受託単価は1.30倍。AIエージェント代替による工数需要減少を含む。
- 教育:外国人留学生進学フェア・対面募集:数量 1,150(年間参加学校・団体の出展枠換算(枠、推計))× 価格 0.01(一出展枠当たりの受託収入(億円/枠、推計))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。実質数量は現状の1.15倍、名目受託単価は1.30倍。対面・現物の実需と競争を反映。
- 教育:入試広報・寄付募集・大学運営受託:数量 161(年間学校広報・運営受託契約換算(件、推計))× 価格 0.03(一受託契約当たりの売上(億円/件、推計))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.73倍、名目受託単価は1.31倍。AIエージェント代替による工数需要減少を含む。
- 販促:印刷・発送・封入・現場業務の受託:数量 2,100(年間封入・発送・現物処理の万件換算(万件、推計))× 価格 0.01(一万件当たりの総受託売上(億円/万件、推計))→ 売上 12 億円・営業利益 1 億円。実質数量は現状の1.05倍、名目受託単価は1.34倍。対面・現物の実需と競争を反映。
- 販促:広告制作・運用・事務BPO:数量 113(年間広告制作・事務BPO案件換算(件、推計))× 価格 0.04(一案件当たりの実現契約額(億円/件、推計))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.75倍、名目受託単価は1.20倍。AIエージェント代替による工数需要減少を含む。
倍率:2036年の純利益3.0437億円、自己資本29.3億円、ROE約10.4%。資本コストk7.75%、企業全体のAIエージェント代替を織り込む長期g0.0%、堀はnormalとして超過ROEの残存割合1/2を使う。g=0なので正当化PERの上限=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷0.0775=12.90323倍で、楽観〜中立は上限そのもの。期末自由余剰現金3.0億円の税後受取利息推定1.4%を純利益から引いた事業利益にPERを掛け、現金には株主に戻る割合0.75を適用する。過去・現在・競合の市場PERからは決めていない。
確率:労働力不足による採用活動と公的受託の拡大が緩やかに続き、対面説明会・物流の取扱数量を維持する。工数型では単価の物価転嫁ができても受託件数は縮むため、中期計画の高い目標とは距離を置く。
中立 28% AIで工数需要が縮み、留学生・現物受託が残る 利益 2 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 758 円26 億円
採用と進学をめぐる需要そのものはなくならない。ただし、企業が広告代理店や採用代行会社へ頼んでいた資料作成、候補者の選定、問い合わせ対応、配信の最適化はAIエージェントへ移る。人を増やせば売上が増えるという従来の工数契約は細り、単価も物価ほどは上げられない。
外国人留学生は既に40万人を超えたが、その先も同じ増加率で伸び続ける保証はない。会社の進学フェアは現場で実際に学生と学校を会わせる役割を保つものの、AI検索と学校の直接発信が参加機関の予算を抑える。大学向け広報と募金支援もデジタル化が進み、小さな収益改善にとどまる。
自治体向けの印刷・封入・発送は現物が残る限り必要であり、プロモーション部門の利益を支える。ただし入札競争と郵送削減で件数は目減りする。2029年の中期計画には届かないが、会社は黒字を保ち、配当は利益に応じて継続する。蓄積する自己資本に対する収益率は資本コスト程度へ収れんする。
- 人財:自社開催採用イベント・対面マッチング:数量 1,152(年間企業出展枠・協賛契約換算(枠、推計))× 価格 0.01(出展・開催支援一枠の平均受取額(億円/枠、推計))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。実質数量は現状の0.90倍、名目受託単価は1.20倍。対面・現物の実需と競争を反映。
- 人財:採用代行・人材紹介・制作支援:数量 113(年間採用代行・採用制作の案件換算(件、推計))× 価格 0.06(一案件当たりの契約売上(億円/件、推計))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.63倍、名目受託単価は1.23倍。AIエージェント代替による工数需要減少を含む。
- 教育:外国人留学生進学フェア・対面募集:数量 1,040(年間参加学校・団体の出展枠換算(枠、推計))× 価格 0.01(一出展枠当たりの受託収入(億円/枠、推計))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。実質数量は現状の1.04倍、名目受託単価は1.25倍。対面・現物の実需と競争を反映。
- 教育:入試広報・寄付募集・大学運営受託:数量 145(年間学校広報・運営受託契約換算(件、推計))× 価格 0.03(一受託契約当たりの売上(億円/件、推計))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.66倍、名目受託単価は1.27倍。AIエージェント代替による工数需要減少を含む。
- 販促:印刷・発送・封入・現場業務の受託:数量 1,760(年間封入・発送・現物処理の万件換算(万件、推計))× 価格 0.01(一万件当たりの総受託売上(億円/万件、推計))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。実質数量は現状の0.88倍、名目受託単価は1.34倍。対面・現物の実需と競争を反映。
- 販促:広告制作・運用・事務BPO:数量 97.5(年間広告制作・事務BPO案件換算(件、推計))× 価格 0.04(一案件当たりの実現契約額(億円/件、推計))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.65倍、名目受託単価は1.15倍。AIエージェント代替による工数需要減少を含む。
倍率:2036年の純利益1.9614億円、自己資本25.2億円、ROE約7.8%。資本コストk7.75%、企業全体のAIエージェント代替を織り込む長期g0.0%、堀はnormalとして超過ROEの残存割合1/2を使う。g=0なので正当化PERの上限=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷0.0775=12.90323倍で、楽観〜中立は上限そのもの。期末自由余剰現金2.0億円の税後受取利息推定1.4%を純利益から引いた事業利益にPERを掛け、現金には株主に戻る割合0.75を適用する。過去・現在・競合の市場PERからは決めていない。
確率:事業の6類型のうち人月・工数型は数量0.63〜0.66倍とし、価格は1.15〜1.27倍、主催催事もAI検索への置換を控除した。景気回復より顧客の調達方法の変化を重く見る会社固有の中心予測である。下に寄せる理由:直近の人財部門は増収でも減益で、教育部門の採算も約0.8%と薄い。過去の株式希薄化を補う投資回収がまだ検証できていない。
やや悲観 27% 入試広報と採用BPOが自動化で圧迫 利益 1 億円 · PER 11.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 379 円13 億円
採用業務の代行は、人間が判断する難しい案件に限られるようになる。企業は汎用のAIエージェントを直接購入し、求人票の作成から面接調整まで自社で回す。プロネクサスからの共同提案案件は残るが、従来と同じ工数を請求できず、契約額が目減りする。
日本の18歳人口が細るため、大学の入試広報予算も抑制される。外国人留学生向け催事でも、大学がAIによる多言語発信と直接相談を増やし、出展料の交渉力を高める。ライセンスアカデミーなどの競争相手や公的機関の無料フェアが選択肢となり、会場確保の負担は会社に残る。
販促事業では紙の発送件数が減り、自治体の再入札も厳しくなる。固定的な事務所賃料と人員費用を一気に減らせず、教育部門は赤字となる。会社は借金を積み増すほどにはならないが、中計に掲げる投資の一部を延期し、株主還元も縮小する。
- 人財:自社開催採用イベント・対面マッチング:数量 1,075(年間企業出展枠・協賛契約換算(枠、推計))× 価格 0.01(出展・開催支援一枠の平均受取額(億円/枠、推計))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。実質数量は現状の0.84倍、名目受託単価は1.18倍。対面・現物の実需と競争を反映。
- 人財:採用代行・人材紹介・制作支援:数量 104(年間採用代行・採用制作の案件換算(件、推計))× 価格 0.06(一案件当たりの契約売上(億円/件、推計))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.58倍、名目受託単価は1.18倍。AIエージェント代替による工数需要減少を含む。
- 教育:外国人留学生進学フェア・対面募集:数量 880(年間参加学校・団体の出展枠換算(枠、推計))× 価格 0.01(一出展枠当たりの受託収入(億円/枠、推計))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.88倍、名目受託単価は1.18倍。対面・現物の実需と競争を反映。
- 教育:入試広報・寄付募集・大学運営受託:数量 128(年間学校広報・運営受託契約換算(件、推計))× 価格 0.02(一受託契約当たりの売上(億円/件、推計))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.58倍、名目受託単価は1.20倍。AIエージェント代替による工数需要減少を含む。
- 販促:印刷・発送・封入・現場業務の受託:数量 1,500(年間封入・発送・現物処理の万件換算(万件、推計))× 価格 0.01(一万件当たりの総受託売上(億円/万件、推計))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。実質数量は現状の0.75倍、名目受託単価は1.30倍。対面・現物の実需と競争を反映。
- 販促:広告制作・運用・事務BPO:数量 87.0(年間広告制作・事務BPO案件換算(件、推計))× 価格 0.04(一案件当たりの実現契約額(億円/件、推計))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.58倍、名目受託単価は1.10倍。AIエージェント代替による工数需要減少を含む。
倍率:2036年の純利益1.0915億円、自己資本21.1億円、ROE約5.2%。資本コストk7.75%、長期名目成長g0.0%。AI代替に加えて教育赤字・低収益案件の拡大が重なるため、純利益÷kの上限12.903倍より下の11.7倍で、追加的な回収不確実性を表す。期末自由余剰現金0.8億円の税後受取利息推定1.4%を純利益から引いた事業利益にPERを掛け、現金には株主に戻る割合0.75を適用する。過去・現在・競合の市場PERからは決めていない。
確率:教育機関の予算縮小とAI内製化が併存し、公共案件の入札単価も厳しくなる。会社の薄い利益率からみて固定費の吸収が難しく、信用力は残っても事業の採算が鈍ると考える。
悲観 18% 仲介機能を失い現預金に価値が残る 利益 0 億円 · PBR 0.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 304 円11 億円
採用・進学の仲介業務から顧客が離れ、かつての売上の中心だった人手による制作と事務代行が構造的に縮む。企業は候補者の検索と採用事務をAIで直接処理し、大学は多言語の進学案内を自前で発信する。イベントの集客力も落ち、定額の会場費に見合う出展が集まらなくなる。
留学生受入れ政策が引き締まるか、競争の激化で学校の募集予算が削られ、会社の催事は回数を減らす。公的な入札業務でも大口案件を落とし、内製の発送センターは稼働が落ちる。競合の規模が大きいほどAIへの投資を分散しやすく、この会社の価格決定権は失われる。
経営はM&Aを急いで買収価格を回収できず、過去の増資で得た資金を消耗するおそれがある。事業は小幅な赤字となり、新しい利益の成長価値は認められない。倒産を前提とせず、期首時点の現預金・定期預金から借入金と社債を差し引いた回収可能な資産を、株主価値の目安として残す。
- 人財:自社開催採用イベント・対面マッチング:数量 768(年間企業出展枠・協賛契約換算(枠、推計))× 価格 0.01(出展・開催支援一枠の平均受取額(億円/枠、推計))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.60倍、名目受託単価は1.05倍。対面・現物の実需と競争を反映。
- 人財:採用代行・人材紹介・制作支援:数量 81.0(年間採用代行・採用制作の案件換算(件、推計))× 価格 0.05(一案件当たりの契約売上(億円/件、推計))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.45倍、名目受託単価は1.00倍。AIエージェント代替による工数需要減少を含む。
- 教育:外国人留学生進学フェア・対面募集:数量 620(年間参加学校・団体の出展枠換算(枠、推計))× 価格 0.01(一出展枠当たりの受託収入(億円/枠、推計))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.62倍、名目受託単価は1.10倍。対面・現物の実需と競争を反映。
- 教育:入試広報・寄付募集・大学運営受託:数量 88.0(年間学校広報・運営受託契約換算(件、推計))× 価格 0.02(一受託契約当たりの売上(億円/件、推計))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.40倍、名目受託単価は1.06倍。AIエージェント代替による工数需要減少を含む。
- 販促:印刷・発送・封入・現場業務の受託:数量 1,020(年間封入・発送・現物処理の万件換算(万件、推計))× 価格 0.00(一万件当たりの総受託売上(億円/万件、推計))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.51倍、名目受託単価は1.15倍。対面・現物の実需と競争を反映。
- 販促:広告制作・運用・事務BPO:数量 60.0(年間広告制作・事務BPO案件換算(件、推計))× 価格 0.03(一案件当たりの実現契約額(億円/件、推計))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現状の0.40倍、名目受託単価は0.95倍。AIエージェント代替による工数需要減少を含む。
倍率:最終年度は営業赤字約0.19億円となるため、永久に赤字を資本化するPERは使用しない。期首時点の自己資本約14.8億円を分母としたPBR約0.716倍で、2026年3月末の現預金14.27848億円から短期借入3億円、社債0.72億円、長期借入0.12488億円を控除した純現金10.4336億円と換金できる少額資産を合わせた回収可能額10.60億円を床とする。今後の損失や賃借料の負担も考慮し不動産の架空含み益は加算していない。返す時は営業赤字を無条件に資本化せず、10年後時価総額10.60億円と今後の還元2.2億円の合計が、現在の時価総額23.56億円を下回る。
確率:AI代替に加え大学の定員割れ、自治体入札の失注、無収益の買収が重なる複合悪化の筋書き。赤字のため営業利益に永久成長倍率は用いず、現預金から借入金を控除した回収可能資産を下支えに評価する。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
人財:自社開催採用イベント・対面マッチング
企業と学生・求職者を会場や自社主催の企画で結び、出展・催事運営・周辺広告の対価を得る。人的な企画と、実際に人が集まる催事を切り分けて考える。
| 数量年間企業出展枠・協賛契約換算(枠、推計) | 価格出展・開催支援一枠の平均受取額(億円/枠、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,280 | 0.01 | 6 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1,152 | 0.01 | 7 | 1 |
取り方:有報で確かめられる人財ソリューション全体の売上15.16762億円、営業利益1.28140億円を、直接接点のある主催合同説明会と工数型RPO等へ分析上で分けた。主催イベントの枠数・単価は非開示のため、年1280出展枠換算×約50万円/枠=6.40億円は推計であって実績公表数ではない。実催事は自社集客を持つプラットフォーム型、広告制作・事務局運営の一部はAIエージェント代替型で、両者が混在するため中立の数量は10年0.90倍と慎重にした。対面接点が強みだが解約率などの堀の定量証拠はない。
人財:採用代行・人材紹介・制作支援
採用広報の制作、応募者対応、採用業務代行、コンサルティング及び紹介などを企業から受託する。成果報酬の比率が不明なので、主に工数依存の収益として評価する。
| 数量年間採用代行・採用制作の案件換算(件、推計) | 価格一案件当たりの契約売上(億円/件、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 180 | 0.05 | 9 | 0 |
| 10 年後 中立 | 113 | 0.06 | 7 | 0 |
取り方:人財事業全体の報告数値から主催イベント推計6.40億円を控除した8.76762億円を、年間180件の複合案件×約487万円/件に対応させた仮説である。会社は件数・契約単価・成果報酬割合を公表しておらず、当推計を実績と混同しない。AIエージェント代替の「人月・工数で売る採用BPO・制作・コンサル」型と判定し、中立の10年数量0.63倍、単価1.23倍、2036年以降の名目成長0%。売上が立つ独立AIエージェント製品の金額開示は確認できない。
教育:外国人留学生進学フェア・対面募集
日本語学校の学生と国内の大学・専門学校をつなぐ進学フェア、説明会、留学生向け媒体の運営を請け負う。学校側の参加料や周辺業務の受託が対価となる。
| 数量年間参加学校・団体の出展枠換算(枠、推計) | 価格一出展枠当たりの受託収入(億円/枠、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,000 | 0.01 | 7 | 0 |
| 10 年後 中立 | 1,040 | 0.01 | 9 | 1 |
取り方:教育機関支援の開示売上11.20315億円・営業利益0.08961億円のうち、対面フェア・学校募集イベントに6.80億円を仮配賦した。2026年6月の会社発表では大阪162校、東京231校など5地域の合計568出展枠と来場者約1.77万人が確認できるが、年度通算ではない。春夏以外の催事・媒体販売を含め年間1000出展枠相当、約68万円/枠と置くのは外挿であり、単価・通年件数の会社開示ではない。対面での参加者集客は自社イベント型。ただし媒体制作・学校向け事務の一部は工数型であり、AIの検索代替を反映して中立数量は10年1.04倍にとどめる。
教育:入試広報・寄付募集・大学運営受託
大学の学生募集パンフレット、広報制作、寄付募集支援、学校・研究機関の事務局業務を受託する。長期契約も顧客による内製化や自動化を免れない。
| 数量年間学校広報・運営受託契約換算(件、推計) | 価格一受託契約当たりの売上(億円/件、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 220 | 0.02 | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 145 | 0.03 | 4 | 0 |
取り方:教育機関支援の合計売上11.20315億円と営業利益0.08961億円から、フェア推計6.80億円・営業利益0.35億円を控除した分析上の残余4.40315億円、営業損失0.26039億円。220複合契約×約200万円/件は未開示の案件構成に基づく仮定であり、赤字も同事業全体の薄利を説明するための仮配賦である。AIエージェント代替の「人月・工数で売る研修・広告制作・BPO」型として、中立の10年数量0.66倍、単価1.27倍、長期g0%。独自の業界の記録の正本には該当しない。
販促:印刷・発送・封入・現場業務の受託
自治体・企業の発送、印刷、封入、事務局の現物処理、施設内での現場作業を行う。人手を使う工程と物理的な処理が収益の核となる。
| 数量年間封入・発送・現物処理の万件換算(万件、推計) | 価格一万件当たりの総受託売上(億円/万件、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2,000 | 0.00 | 8 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1,760 | 0.01 | 10 | 1 |
取り方:販促支援の2026年3月期の開示売上13.17211億円、営業利益1.08998億円を、内製センターによる現物処理8.30億円と制作・デジタル4.87211億円へ仮分解した。会社は総出荷件数や平均単価を未開示のため、年間2000万件相当×約41.5円/件は封入・発送と関連業務の混合物を数量に換算した分析仮説であり、郵便局の実取扱個数ではない。AIエージェントで完結しない「現場の体」型を主に適用し、中立の実質数量10年0.88倍、物価3%に沿う単価1.34倍。帳票作成等のデジタル作業は別セグメントでAIを織り込む。
販促:広告制作・運用・事務BPO
自治体・企業の広告制作、SNS・動画関連企画、キャンペーン事務局、電子的なデータ処理などを代行する。工数や運用手数料を受け取る部分である。
| 数量年間広告制作・事務BPO案件換算(件、推計) | 価格一案件当たりの実現契約額(億円/件、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 150 | 0.03 | 5 | 0 |
| 10 年後 中立 | 97.5 | 0.04 | 4 | 0 |
取り方:販促支援の公表売上13.17211億円から現物受託推計8.30億円を控除した額を年間150件×約325万円/件の複合制作・BPO案件に換算。会社は案件数・契約単価・受託形態の分解を未開示で、営業利益0.23998億円も分析上の仮配賦である。AIエージェント代替の「広告制作・運用」及び「工数型BPO」を適用し、中立数量10年0.65倍、単価1.15倍と物価を下回る。広告運用手数料に物価3%を機械的に転嫁しない。
リスクと懸念
AIエージェント代替による採用代行・広告制作の縮小
応募者対応、求人票の制作、面接調整、学校の案内、多言語の広告、SNS運用は、人が外注先へ発注する代わりにAIエージェントが顧客の手元で処理しうる。中立では工数型の案件件数が10年間で0.63〜0.66倍に縮み、単価も物価並みに上がらない。会社が有料のAIエージェント製品として売上を開示するまでは、AIによる増収効果を先取りしない。
大学の定員割れと留学生制度変更
大学の入試広報需要は強まっても、受験生と学校の予算には限界がある。外国人留学生は2025年に40万人を超えたが、在留資格の運用、募集元の所得、学費や居住費によって進学者が減りうる。出展学校の減少が会場固定費と重なれば、利益が極めて薄い教育支援部門から損失が広がる。
自治体案件の失注と郵便物の電子化
2026年の販促利益改善には自治体向け発送業務の増加が寄与した。しかし公共の委託案件は年度や入札に左右されるため、更新が保証されたストック収入ではない。電子通知への移行が進めば、封入・発送センターの数量が減り、固定費を吸収しきれないおそれがある。
希薄化・M&A・買収への対応方針
会社は過去に第三者割当で株数を増やし、2026年もプロネクサスへの割当を実施した。中期計画の5億円の投資・買収枠で低収益の受託会社を取得すると、将来の増分ROICが資本コストに届かない危険がある。買収への対応方針は現在進行中のTOBではないが、株主の外部規律が働くかを点検する必要がある。
賃貸料と人員・催事固定費
事業の多くは人件費、拠点、会場の利用が必要で、売上減少時も費用を同じ速度で減らせない。2026年3月期末の解約不能のオペレーティング・リース約3.79億円は、帳簿の純有利子負債に表れない固定的な約束だ。2028年3月期頃の新リース会計への移行でも経済負担は消えない。
純現金の滞留と配当の実現可能性
純現金が厚いことは資金繰りの保険になる一方、中計では現預金の多くを有事資金として維持する計画だ。事業投資が低い利回りに終わり、預金が長期間少数株主に戻らなければ、帳簿価値は所有者の本質価値にならない。過去の増配実績と今後の配当性向40%目標が実際の現金支払いとして続くかが分かれ目である。
今後の分かれ目
- 外国人留学生向け進学フェアの実出展校数と来場者数が複数年連続で増え、出展単価も上がったら
- 教育部門の主催イベントに限定して数量と価格を上方修正する。解約率や継続出展率も開示されれば、実在するネットワークの堀を再評価する。
- 人財ソリューションのRPO・制作の受託件数が、売上増と同時に縮み始めたら
- AI代替が仮説から実績に近づいたとみなし、工数型の数量前提と部門利益率を下げる。売上高だけではなく1案件の粗利益を追う。
- 採用・募集向けAIエージェント製品の独立した外部顧客売上が金額付きで開示されたら
- 受託工数の縮小を埋める新収益の裏付けとして扱い、その事業だけ長期の数量減少と成長率を見直す。発表・実証だけでは変更しない。
- 自治体発送・現場受託の継続件数と営業現金収支がともに増えたら
- 販促の現場型数量と利益率を改善させ、設備増強費用と利益創出を比較する。単発大型案件の反動なら中立前提を動かさない。
- 買収・増資を実施しても営業利益とフリーキャッシュフローが資本の増分に見合わなかったら
- 資本配分を悲観寄りに見直し、株主の持分希薄化と回収不能な取得原価を将来の価値から控除する。
- 2029年3月期の売上61.2億円・営業利益4.39億円を追加希薄化なしで達成したら
- 中期計画の収益性改善が実績化したとして、現場業務の伸びとAI代替の双方を再検証する。ただし2036年まで同率で伸びるとは仮定しない。
見ておくもの
- 会社開示の人財・教育・販促3部門別の四半期売上高と営業利益率、とくに教育機関支援の黒字幅
- 外国人留学生進学フェアの年間開催回数・重複除外後の出展校数・来場者数・継続出展率
- 人財RPO・採用制作の契約件数・顧客当たり単価・AIで代替された人月の割合
- 自治体発送案件の入札獲得件数・内製センターの処理数量と稼働率
- プロネクサスとの共同受注の金額、第三者割当・役員株式報酬の株数
- 配当性向40%前後の実績と現預金・3か月超定期預金・総借入残高・優待費用
- 2029年計画に対する営業CFの実績、M&Aに支出した金額と取得事業の追加利益
- 適時開示の上場維持基準への適合、TOB・株式交換・継続企業前提の注記
倍率と資本コストの決め方
基準日の株価・発行株式数は現在の時価総額23.56億円を出す時だけ使い、将来利益と倍率はそこから逆算していない。工数型はAIエージェント代替を中立数量0.63〜0.66倍と長期g0%に反映し、kの寿命や確率に同じ損失を二重加算しない。kは7.75%、2036年の楽観〜中立のPERはg0%による正当化上限12.90倍で、現行・同業のPERを根拠にしない。悲観は純現金10.43億円を下回らない10.60億円の床とした。現預金には3か月超定期預金1.52億円が既に含まれるため重複加算はせず、純現金と自由処分可能な余剰現金を区別した。新リース基準で賃貸料の会計表示が変わっても、費用の実態は同じとする。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。国債3%、株式リスクプレミアム4.5%に、営業利益の循環0、値決め力+0.5%、純現金による財務−0.25%、寿命0を足して7.75%。独自のガバナンスとM&Aリスクは事業の筋書き・確率に入れた。