結論
ログリーは、ウェブ記事の文脈を解析して広告を配信する技術から出発し、法人向けマーケティング支援とSNS広告へ事業を広げている会社である。筆者の結論は「割高」だ。2026年3月期に営業損失を大きく減らした点は評価するが、既存広告の取扱量が構造的に減り、新しい収益源にもAIエージェントによる代替圧力が及ぶため、10年先の利益を高い確信を持って見積もれない。
最大の問題は、成長市場に参加していることと、その市場で利益を獲得できることが別だという点にある。国内インターネット広告費は拡大しているのに、同社の売上高は2023年3月期の約27億円から2026年3月期の約14億円へ縮んだ。2026年3月期の既存事業は前年比27%減である。検索結果をAIが直接回答するようになると、広告を載せる外部サイトへの訪問自体が減り、広告配信技術だけでは取り戻せない数量の減少が起こる。
一方で、ウルテク、AdsOmni、EGGを含む新規事業は2026年3月期に売上構成比25.6%まで育った。広告媒体費の最適化や販管費削減によって、営業損失も前期の約1.6億円から約0.45億円に改善している。2027年3月期第1四半期には新規事業比率がさらに上がった。ただし、成長事業の個別利益と顧客維持率が十分に開示されていないため、この改善を持続的な高収益への転換とまでは認定できない。
10年後の中立的な売上は約9.8億円、純利益は約0.36億円とみる。極端な悲観ではなく、既存広告の有料クリック数と新規事業の契約数量がAI代替の影響を受けながら、既存の経費削減効果が残る姿である。資本コスト9.0%で5つの筋書きを評価した現在価値は約2.5億円となり、訂正した株数で計算する足元の時価総額約12.2億円を約80%下回る。相当な業績改善が起こっても、現在の価格には長期保有の安全域が乏しい。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の見方では、最初に問うべきなのは広告市場が伸びるかではなく、10年後にログリーだけが受け取れる利益があるかということだ。広告の仕組みが複雑な間は、配信技術と運用の知識が報酬を生む。しかし広告主がAIに目標を伝えるだけで予算配分まで済むようになれば、その複雑さに支払われていた手数料は縮む。会社が広告媒体の利用者を直接所有していない点も、価格を決める力の弱さにつながる。
文脈解析の技術とSphereの関心データには評価すべき蓄積がある。実際に顧客との契約が続き、Cookieに依存しない広告配信ができるのは利点だ。ただし、解約率、値上げ実績、顧客が移行に必要とする時間が数字で示されなければ、その蓄積を高い倍率で買うことはできない。ウルテクのAI機能も、顧客の業務に不可欠な基盤となるのか、便利な道具の一つにとどまるのか、まだ答えが出ていない。
再投資の価値にも注意が必要だ。営業損失が続く中で開発投資と買収を重ねても、増分の利益が資本コストを上回らなければ、売上だけが増えて株主の持分価値は増えない。2026年3月期の経費削減は一定の規律を示したが、長期のROE中央値は低く、過去の減損や決算訂正もある。新しい売上を取るたびにどれほどの営業利益と現金が残るのかを、継続して確認しなければならない。
純現金があることは救いだが、それだけで割安にはならない。広告媒体への支払い、顧客からの前受金、固定的な人件費や賃借料を考えると、手元の現金全額を株主が自由に受け取れるわけではない。悲観側では換金できる資産に価値の下限を設けたが、それを上回る事業価値を認めるには利益の実績が要る。現在の評価額は、単なる黒字化だけでなく、AI時代に新しい高収益事業へ転換できることまで相当に織り込んでいると判断する。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は、広告主とウェブ媒体の間に入り、広告の表示やクリックに応じて収入を得る仕組みである。主力のLOGLY Ads Contextは記事の意味を解析し、読者が閲覧している内容に合うネイティブ広告を表示する。旧LOGLY liftから続くサービスで、広告主から受け取る広告費と媒体社に支払う広告枠の仕入費用との差が、媒体運用費や開発費を賄う原資になる。Engage、Audience Analyticsなども含む既存事業の2026年3月期売上は10.59億円だった。
新規事業のAdsOmniは、SNSや動画広告など複数の広告配信先を扱う。広告予算を新しい媒体へ広げられる利点はあるが、Google、Meta、LINEヤフーなどが握る広告在庫を、自社だけで独占できるわけではない。媒体の買い付けや運用改善を提供する部分は、AIが自動で予算配分と入札を行うようになるほど、手数料に競争圧力がかかる。
ウルテクは、企業サイトに来訪した法人や関心テーマを把握し、営業活動につなげるサービスである。企業の関心を推定する独自データ基盤Sphereを利用し、来訪分析、資料閲覧、商談誘導、広告AIエージェントなどを提供している。2026年時点では、AIチャットや外部エージェント向けMCP接続も案内している。顧客の営業成果に近づける工夫は評価できるが、顧客数、平均月額収入、解約率、AI機能単独の売上は開示から確認できない。
EGGはインフルエンサーの企画、起用、SNSマーケティングを担う。2026年3月期に新規連結され、会社資料で約0.71億円の売上貢献が確認できる。専属契約によって受注の継続性を高めようとしているが、制作、起用、運用の作業は依然として人の工数に依存する。企画書作成や運用分析の自動化は顧客にも競合にも利用でき、契約継続が直ちに値上げ力へ変わるわけではない。
法定の報告セグメントは単一のネイティブ広告プラットフォーム事業である。本分析の5つの区分は経済性を検討するための分解であり、会社が監査済みの個別利益を開示しているという意味ではない。2026年9月に売却対象となったmotoも、過去の売上との整合性を保つために独立して扱い、10年後の事業収益には含めない。
優良さと弱いところ
ログリーの技術面の強みは、日本語の記事内容を解析し、利用者の行動履歴だけに頼らず広告との関連性を判断できる点にある。第三者Cookieを使いにくくなる環境では、文脈解析とSphereの関心データに一定の需要が残る。会社が開示した大手通信社案件の継続受注や媒体社との契約再開も、商品が完全に競争力を失ってはいない証拠である。
しかし、長く持つ株主が求める堀、つまり競争相手が容易に奪えない利益の源泉としては弱い。媒体社は複数の広告配信事業者を比較でき、広告主は費用対効果に敏感だ。掲載面そのものを所有するGoogleやMetaと違い、同社は他社の媒体在庫と広告予算の両方を継続して獲得する必要がある。料金表にはクリック単価の範囲が示されているものの、値上げを続けても契約が減らなかった実績は確認できない。
ウルテクについても、独自データを持つことと顧客が離れられないことは別である。解約率5%未満の実績、移行に年単位を要する業界共通基盤、法対応に伴う値上げなど、「記録の正本」と認めるための複数の証拠はそろっていない。AI機能を製品に組み込んだこと自体は前進だが、外部エージェントが画面を介さずデータを利用するほど、席数に対する料金は維持しにくくなる。
資本効率の履歴も弱い。過去10年のROE中央値は約0.7%で、2022年3月期には大幅な純損失を計上し、2024年3月期から2026年3月期まで営業赤字が続いた。2026年3月期は原価と販管費の削減によって損益を改善したが、売上成長が投下資本の高い収益率につながる証明にはまだなっていない。加えて、2026年には子会社配当の会計処理と開示資料の誤りを巡り、財務報告に係る内部統制の重要な不備が公表された。技術力以上に、会計の信頼性と資本配分の規律を確認し続ける必要がある。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内のインターネット広告市場は拡大している。会社資料が引用する2025年の国内インターネット広告費は4兆459億円で、総広告費の過半数を初めて占めた。ただし、この全額がログリーの取り得る市場ではない。検索広告、SNS広告、動画広告の多くは大手プラットフォームの内部で完結し、外部媒体向けのネイティブ広告とは利用者、在庫、販売力が異なる。
会社の2026年6月の事業計画は、レコメンドウィジェット広告を推定100億円、AdsOmniが狙う運用型広告を約2.6兆円、データ管理基盤の関連市場を約600億円としている。既存事業10.59億円を100億円と比較すると約10.6%になるが、分子にはEngageやAudience Analyticsなども含まれる。したがって、これはAds Context単体の正確なシェアではなく、実際のシェアの上限に近い粗い目安である。海外のTaboolaやTeads、国内の広告ネットワーク事業者が競合するが、同じ売上計上基準で比較できる各社シェアは確認できない。
AdsOmniには巨大な広告市場があるが、推計売上1.66億円を2.6兆円と比較した現状の比率は約0.006%にすぎない。Google、Meta、LINEヤフーといった媒体保有者の販売力や広告技術を考えると、市場全体の成長をそのままログリーの取扱数量の成長とみなすのは危険である。今後10年の中心的な変化は、広告主が手動運用を減らし、入札、制作、効果測定をAIエージェントへ委ねることだろう。広告費総額が伸びても、仲介事業者の取り分は細り得る。
周辺市場について、会社はインフルエンサーマーケティング市場が860億円から2029年に1645億円へ拡大する見通しを引用している。EGGの2026年3月期売上0.71億円は、860億円に対して約0.08%である。ウルテクが狙うデジタルマーケティング市場も、会社資料では2023年の約3020億円から2027年の約5016億円への成長が見込まれている。しかし、ウルテクの独立した売上と契約数は非開示であり、正確なシェアは算定できない。
最も大きな構造変化は検索と情報収集の入口にある。AI検索が回答を直接提示すると、記事媒体への訪問、広告表示回数、クリック機会が減る。ログリー自身も媒体PVと広告表示、クリック率の減少を事業計画で認めている。規制面ではCookieの利用制限、個人情報保護、薬機法に関する広告審査が続く。これらは文脈解析への需要を生む半面、審査とシステム維持の費用も増やすため、市場成長だけを根拠に利益率を高く見積もることはできない。
資本政策と M&A
経営陣の資本配分は、近年の収益構造改革と事業買収を分けて評価する必要がある。2026年3月期は媒体仕入費、サーバー費、販管費の見直しで営業損益を約1.17億円改善した。この削減は実際の成果であり、次の利益回復への出発点になる。一方、2022年3月期の大きな純損失と、その後の減損は、広告周辺事業への投資が安定して資本コストを上回ってきたわけではないことを示す。
2026年8月には求人広告代理店の子会社motoを旧役員へ売却することを決め、9月1日を実行予定日とした。売却代金は0.06億円で、別途子会社から0.34億円の配当を受ける開示がある。後者は親会社が受け取るグループ内配当であり、一般株主への還元ではない。また、2026年3月期にはmotoからの別の配当の会計処理に問題が判明し、決算資料の訂正と内部統制の不備の公表につながった。売却価格だけで取引の公正性を論じず、配当前後の純資産と関連当事者手続を確認すべきである。
2026年6月公表の事業計画は、2027年3月期を収益化への転換期、2028年3月期から2029年3月期を新規事業の本格寄与期、2030年3月期以降をポートフォリオ転換の段階として描く。ただし、これらの年度に対応する売上高、営業利益、ROEの確定的な数値目標は示していない。2027年3月期の会社予想は売上14.09~15.00億円、営業損益マイナス0.40~プラス0.15億円である。配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額についても数字の約束なしであり、予想配当は無配である。
過去の無配と自社株買い実績の乏しさを踏まえ、将来の余剰現金が既存株主へ戻る割合は75%にとどめる。上位株主への保有集中だけを理由に50%へ落とす条件は満たしていない。長期的には、赤字事業への追加投資を抑え、余った資金を還元に振り向けられるかどうかが経営陣の重要な試験になる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ログリーには小規模ながら独自の技術資産がある。日本語の文脈解析とSphereの関心データは、第三者Cookieに依存しない広告配信と、法人の営業機会の発掘に使える。GoogleやMetaが利用者を囲い込む環境でも、オープンウェブの媒体社には別の広告収入源が必要であり、独立した広告配信事業者がすべて不要になるわけではない。2026年の事業計画では大手通信社案件の継続受注や有力媒体社との契約再開も報告されている。
事業構造の転換も数字に表れ始めた。2026年3月期の新規事業売上は前年比141%増で、構成比は25.6%に達した。既存事業の減少を新規事業が部分的に補い、営業損失額は72%減少した。2027年3月期第1四半期も新規事業の売上比率は上がっている。これは単なる将来構想ではなく、経費削減と販売先の変化が同時に進んでいるという意味を持つ。
ウルテクにはAIチャット、広告AIエージェント、フォームエージェント、MCP接続が加わっている。これらが広告担当者の手作業を減らし、実際の商談獲得まで顧客の成果を改善すれば、従来の操作画面を売る商品より長く選ばれる余地がある。EGGも専属契約の比率を高め、案件ごとの一過性の受注を継続取引へ変えられるかもしれない。先に費用を削減したことで、売上が回復したときの利益への波及も大きくなり得る。
2026年3月期末には現金と預金があり、長期借入金の返済も進められている。継続企業の前提に重要な事象を認めながらも、2027年3月期第1四半期の正式な継続企業の前提に関する注記は該当事項なしだった。資金繰りを守りつつ事業転換を実行できれば、売上規模の大きくない会社だけに収益性の改善が企業価値に及ぼす影響は大きい。
慎重な見方
2026年3月期の営業損失縮小は、成長力の証明ではなく、売上が落ち続けた会社の費用削減と見るべきだ。既存事業の売上は前年比27%減となり、2023年3月期との比較では全社売上がほぼ半減している。同じ時期に国内のインターネット広告市場は拡大した。つまり、市場全体の循環的な不況ではなく、同社が参加する広告流通の仕組みそのものが不利になっている可能性が高い。
主力商品は、自社の利用者が集まる巨大な媒体ではない。媒体社から広告枠を仕入れ、広告主の予算を集めて配信する技術と営業力が稼ぎの基礎である。広告主がAIエージェントを使って媒体の選定や入札を自動化すれば、仲介者に残る手数料は減りやすい。さらにAI検索が記事への訪問を減らせば、広告枠の数量自体も縮む。量と値段の両方に圧力がかかる構造である。
ウルテクとEGGは代替される側から完全に逃れたわけではない。ウルテクの画面操作、レポート作成、データ分析は外部エージェントと競合し、EGGの企画書作成やSNS運用も自動化される。売上構成比が上がったことは事実だが、個々の事業の顧客数、解約率、営業利益、増分の投資収益率が十分に示されていない。新規事業が既存事業を置き換えても、最終的なオーナー利益が増える保証はない。
財務面では過去10年のROE中央値が低く、2024年3月期から3期連続で営業損失を計上している。2026年には子会社配当の会計処理と有報の記載を巡って内部統制の重要な不備が公表された。小規模会社では管理部門とシステム維持に必要な固定費を十分に薄められず、売上が再び減れば損失が拡大する。現金があるうちに不採算投資を止められなければ、帳簿上の純資産も株主に帰属する価値の下限とは限らない。
どちらに重みを置いたか
技術の独自性と経費削減の実行力は認めるが、持続的に高い利益を生む堀が立証されたとは考えない。中立ではAI代替を数量と単価に反映し、10年後のさらに先の名目成長率も0%とした。同じAIリスクを資本コストの寿命や確率で二重に差し引いてはいない。やや悲観と悲観を合わせた確率は42%で、上側の26%より重い。下に寄せる理由は、AI一般論ではなく、3期連続営業赤字、既存事業の急減、内部統制の不備、未開示の新規事業利益という同社固有の不確実性にある。事業転換に成功する余地はあるが、現状の時価総額に見合う利益の継続性はまだ確認できない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 151 円6 億円(+ 還元の換算額還元の合計 4 円0 億円)。 今の値に割り戻すと 66 円3 億円、今との差 −79.7%、 期待の年率 −7.3%(資本コスト 9.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 423 円16 億円 | 26 円1 億円 | +37.9% | +3.4% | 40 円2 億円 |
| やや楽観 | 17% | 197 円7 億円 | 8 円0 億円 | −37.2% | −4.6% | 35 円1 億円 |
| 中立 | 32% | 121 円5 億円 | 0 円0 億円 | −62.9% | −9.5% | 39 円1 億円 |
| やや悲観 | 27% | 97 円4 億円 | 0 円0 億円 | −70.2% | −11.4% | 26 円1 億円 |
| 悲観 | 15% | 95 円4 億円 | 0 円0 億円 | −71.0% | −11.6% | 14 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 151 円6 億円 | 4 円0 億円 | −52.6% | −7.3% | 154 円6 億円 |
今の株価時価総額 326 円12 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 独自データと経費改革がともに実を結ぶ 利益 1 億円 · PER 11.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 423 円16 億円
オープンウェブ向け広告の数量減少は緩やかにとどまる。AI検索が普及しても専門媒体やニュース媒体には一定の訪問が残り、ログリーは文脈解析とSphereの関心データを使って、広告主に成果を示し続ける。大手媒体社との契約が継続し、Ads Contextのクリック単価も広告効果に見合う範囲で引き上げられる。
AdsOmniは動画とSNS広告の買付手数料競争を受けながらも、顧客の複数媒体運用を支える。ウルテクはAIチャットやエージェント接続を営業成果へ結び付け、既存契約の継続率を高める。EGGでは専属クリエイターとの契約が安定し、企画の付加価値が残る。各サービスの数量が現在を大きく超えるとは見ず、収益改善の中心は単価維持と直接費率の改善になる。
2026年に始まった原価と販管費の改革をさらに定着させ、既存事業での重複した運用作業を減らす。M&Aは新たな大型買収より、既存事業の統合と収益性の高い契約獲得に集中する。営業利益は約2億円まで回復し、株主還元も再開する。技術上の強みを利益に転換できる、実現条件の多い上振れの筋書きである。
- Ads Context・Engage・Audience等の既存広告事業:数量 50.3(年間有料広告クリック数(100万クリック、推定))× 価格 0.26(100万クリック当たりの売上高(億円、広告主へのCPC換算))→ 売上 13 億円・営業利益 2 億円。有料クリック数は現在の0.95倍。CPCは1.30倍。媒体との契約維持と直接費削減が進む。
- AdsOmni・マルチチャネル広告運用:数量 5.0(年間有料広告クリック換算数(100万クリック、推定))× 価格 0.42(100万クリック当たりの取扱売上高(億円、推定))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。広告取扱数量1.00倍、単価1.25倍。AIエージェントの独立売上額は仮定しない。
- ウルテク・法人向けマーケティング支援:数量 45.0(年間換算有料契約社数(社、推定))× 価格 0.03(1社当たり年間契約売上高(億円、推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。契約数量1.00倍、年間単価1.15倍。継続利用と直接費削減が進む。
- EGG・インフルエンサーおよびSNSマーケティング:数量 69.6(年間キャンペーン換算件数(件、推定))× 価格 0.01(1キャンペーン換算当たりの受注売上高(億円、推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。案件数量0.98倍、単価1.30倍。専属契約による企画の付加価値を維持。
- moto・売却対象となった求人広告代理店:数量 0.0(年間案件換算件数(件、推定))× 価格 0.01(1案件換算当たりの売上高(億円、推定))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2026年の売却を前提に、2036年の連結収益はゼロ。
倍率:2036年純利益1.32億円、自己資本10.8億円、ROE約12.2%。kは9.0%、堀はweakで超過収益の持続割合は3分の1。ただしAIエージェント代替によりg_long=0%なので、RONIC=k+1/3×(ROE-k)を使う正当化PER=(1-g/RONIC)/(k-g)は11.11倍となる。市場のPERを参照せず上限そのものを採用。余剰現金1.0億円の税後利息0.014億円を純利益から除き、戻り方75%の0.75億円を加える。時価総額=(1.32-0.014)÷0.09+0.75=15.261億円。10年間の累積純利益約7.6億円、還元1.0億円により自己資本4.2+7.6-1.0=10.8億円。
確率:大手媒体社との契約維持、広告単価の改善、ウルテクの継続利用、EGGの受注安定化、販管費の統制が同時に続く場合。AI製品の独立した有償売上が未開示なので、楽観でも新規事業の数量は2026年基準を超えない。
やや楽観 17% 新規事業が既存広告の減収を部分的に補う 利益 1 億円 · PER 11.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 197 円7 億円
既存の広告媒体ではAI検索による来訪減が続き、有料クリック数は現在の8割程度へ減る。ただし、大手媒体社との関係が維持され、関連性の高い広告枠では単価の大幅な値崩れを避けられる。AdsOmniは媒体を横断して広告を管理する顧客を保ち、取扱数量の減少を一部の高単価案件で補う。
ウルテクは企業の関心を把握するデータの有用性を示し、解約を一定程度抑える。しかし、顧客がAIエージェントを使い始めることで、ユーザーID数に対する課金の伸びは限定される。EGGも制作と運用の自動化を進め、一定の付加価値を残しながら事業規模を維持する。
経営陣は赤字だった商品の直接費を圧縮し、広告配信と法人向けツールの共通部分を統合する。新たな大型買収は行わず、motoの売却後は中核分野に資本を集中する。営業利益は約0.9億円まで戻るものの、拡大余地の広い高成長企業ではなく、限られた顧客基盤から利益を生む小規模なマーケティング会社として落ち着く。
- Ads Context・Engage・Audience等の既存広告事業:数量 43.4(年間有料広告クリック数(100万クリック、推定))× 価格 0.23(100万クリック当たりの売上高(億円、広告主へのCPC換算))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。数量0.82倍、CPC1.15倍。媒体仕入れ効率化を継続。
- AdsOmni・マルチチャネル広告運用:数量 4.3(年間有料広告クリック換算数(100万クリック、推定))× 価格 0.37(100万クリック当たりの取扱売上高(億円、推定))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。数量0.85倍、単価1.10倍。運用費の価格競争が残る。
- ウルテク・法人向けマーケティング支援:数量 40.5(年間換算有料契約社数(社、推定))× 価格 0.03(1社当たり年間契約売上高(億円、推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。契約数量0.90倍、年間単価1.14倍。AI機能の独立した追加売上は計上しない。
- EGG・インフルエンサーおよびSNSマーケティング:数量 60.4(年間キャンペーン換算件数(件、推定))× 価格 0.01(1キャンペーン換算当たりの受注売上高(億円、推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。案件数量0.85倍、単価1.20倍。制作工数の削減を進める。
- moto・売却対象となった求人広告代理店:数量 0.0(年間案件換算件数(件、推定))× 価格 0.01(1案件換算当たりの売上高(億円、推定))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。売却済みとして収益を除外。
倍率:ROEは0.62÷6.9で約9.0%、資本コスト9.0%とほぼ同程度。g_long=0%なので正当化PERは1÷k=11.11倍が上限であり、上限そのものを採用。余剰現金1.0億円の税後利息0.014億円を控除し、戻り方75%の0.75億円を加算。時価総額=(0.62-0.014)÷0.09+0.75=7.483億円。10年間の累積純利益約3.0億円から還元0.3億円を引き、自己資本は4.2+3.0-0.3=6.9億円。
確率:既存広告が縮小しても、広告主との取引関係、ウルテクの有料契約、EGGの専属契約を守り、費用削減によって黒字化する筋書き。成長市場の大きさではなく、既に確認できる損益改善を出発点とした。
中立 32% 中立:広告数量は縮むが費用削減で小幅な黒字を維持 利益 0 億円 · PER 11.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 121 円5 億円
広告を掲載する外部サイトへの訪問は減り、Ads Contextの有料クリック数は現在の約65%となる。広告主の費用対効果への要求が厳しく、単価は10年間の物価上昇率を大きく下回る上昇にとどまる。既存の広告配信技術は使われ続けるものの、以前ほど多くの取扱量を獲得できない。
AdsOmniはAIエージェントによる媒体買付と運用自動化の影響を受け、件数は減る。ウルテクは法人の関心データという有用な機能を残すが、顧客が外部のAIから直接情報を取り出せるようになり、契約数と単価に強い伸びはない。EGGは企画と顧客関係を生かして存続するが、制作・運用作業の自動化で案件数量が減る。
経営陣は2026年に実施した媒体仕入れ、サーバー費、販管費の見直しを継続する。本社共通費には物価上昇の圧力があるが、2026年に始めた原価・販管費改革を基盤に、契約と配信システムの共通運用を進めて重複費用を減らす。新規の大型買収は前提とせず、motoの利益も消える。売上は約9.8億円、営業利益は約0.54億円、純利益は約0.36億円まで回復するが、ROEは資本コストに届かない。黒字化が実現しても、競争力の弱い小規模企業という評価は変わらない。
- Ads Context・Engage・Audience等の既存広告事業:数量 34.4(年間有料広告クリック数(100万クリック、推定))× 価格 0.21(100万クリック当たりの売上高(億円、広告主へのCPC換算))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。数量0.65倍、CPC1.04倍。価格はCPI10年累積1.34倍を大きく下回る。
- AdsOmni・マルチチャネル広告運用:数量 3.3(年間有料広告クリック換算数(100万クリック、推定))× 価格 0.34(100万クリック当たりの取扱売上高(億円、推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。数量0.65倍、単価1.03倍。AIによる買付代替で手数料の上昇は小さい。
- ウルテク・法人向けマーケティング支援:数量 36.0(年間換算有料契約社数(社、推定))× 価格 0.03(1社当たり年間契約売上高(億円、推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。契約数量0.80倍、年間単価1.10倍。画面課金の代替圧力を反映。
- EGG・インフルエンサーおよびSNSマーケティング:数量 49.7(年間キャンペーン換算件数(件、推定))× 価格 0.01(1キャンペーン換算当たりの受注売上高(億円、推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。案件数量0.70倍、単価1.08倍。AIによる制作・運用の工数削減と手数料競争を反映。
- moto・売却対象となった求人広告代理店:数量 0.0(年間案件換算件数(件、推定))× 価格 0.01(1案件換算当たりの売上高(億円、推定))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。売却による連結除外。
倍率:2036年の売上高約9.76億円、営業利益0.54億円、純利益0.36億円。中立では2026年からの原価削減に加え、媒体配信と法人向けサービスの共通管理で本社調整費を0.535億円に抑え、利益率約5.5%に回復する。純利益÷営業利益は0.667で過去7年の中央値約0.67と整合。ROEは0.36÷5.1で約7.1%とk9.0%を下回る。AIエージェント代替を反映するg_long=0%から、稼ぐ力の正当化PER上限は1÷k=11.11倍とし、上限をそのまま適用。余剰現金1.0億円の税後利息0.014億円を利益から除き、株主への戻り方75%の0.75億円を足すと、時価総額=(0.36−0.014)×11.11+0.75=4.594億円となる。10年累積純利益約0.9億円、配当・自己株買い0億円とし、自己資本は4.2+0.9=5.1億円である。
確率:既存の広告配信と代理運用はAI代替によって数量0.65倍、ウルテクの契約数量0.80倍、EGGの案件数量0.70倍とする。2026年の経費改革の実績は評価するが、高い成長率や高い値上げ力は仮定しない。
やや悲観 27% 広告枠の競争で採算が再び悪化 利益 0 億円 · PBR 0.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 97 円4 億円
オープンウェブの広告表示機会が一段と減り、主力事業の有料クリック数は現在の約56%になる。広告主は成果の測定と媒体間の予算配分をAIエージェントへ委ね、ログリーに支払う対価を抑える。AdsOmniでも媒体の買付手数料を十分に上げられず、利益はごく薄くなる。
ウルテクは導入時のデータ分析には利用されるが、顧客の操作やレポート作成が外部エージェントへ移り、契約数が減る。EGGでは低価格で制作・運用する競合が増え、専属契約の効果だけでは売上を守れない。会社は費用を削り続けるものの、広告流通の構造変化に利益が追いつかず、最終年度の営業損益は再び赤字となる。
大型買収を止め、現金の流出を抑えるため事業を縮小する。前半には一時的な黒字化が起きるが、後半の損失がおおむね相殺し、自己資本は現在の水準を大きく超えない。残された価値の中心は広告技術への高い収益倍率ではなく、現金、流動化できる投資資産、運転資金の精算後に残る資産になる。少数株主への還元も見込まない。
- Ads Context・Engage・Audience等の既存広告事業:数量 29.7(年間有料広告クリック数(100万クリック、推定))× 価格 0.20(100万クリック当たりの売上高(億円、広告主へのCPC換算))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。数量0.56倍、CPC横ばい。媒体獲得競争で利益率が低下。
- AdsOmni・マルチチャネル広告運用:数量 2.8(年間有料広告クリック換算数(100万クリック、推定))× 価格 0.33(100万クリック当たりの取扱売上高(億円、推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。数量0.56倍、単価横ばい。買付・運用手数料が圧縮。
- ウルテク・法人向けマーケティング支援:数量 32.4(年間換算有料契約社数(社、推定))× 価格 0.02(1社当たり年間契約売上高(億円、推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。契約数量0.72倍、単価1.02倍。外部エージェントとの競争が激化。
- EGG・インフルエンサーおよびSNSマーケティング:数量 41.2(年間キャンペーン換算件数(件、推定))× 価格 0.01(1キャンペーン換算当たりの受注売上高(億円、推定))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。案件数量0.58倍、単価1.02倍。制作・運用の価格競争が進む。
- moto・売却対象となった求人広告代理店:数量 0.0(年間案件換算件数(件、推定))× 価格 0.01(1案件換算当たりの売上高(億円、推定))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。売却済み。
倍率:2036年は営業赤字であり、利益にPERを適用せず、純現金と回収可能な資産から床を評価する。2026年3月期末の現預金4.59079億円から有利子負債1.03154億円を差し引いた純現金は3.55925億円。売掛債権、広告媒体への買掛金、前受金の相殺後に残る投資有価証券等の正味回収分を約0.14億円見込み、床を約3.70億円とする。のれん約0.60億円や転用の難しい無形資産は床に含めない。今の自己資本約4.2億円に対する床のPBRは約0.881倍で、4.2×0.881≒3.70億円。2036年に積み上がる仮定の自己資本を倍率の分母には使っていない。最終年度は赤字なので事業の稼ぐ力よりこの資産床が大きい。
確率:既存媒体の取扱数量が大きく縮み、AI運用に対抗するための値引きと開発費負担が残る。新規事業が赤字を埋められず、事業の稼ぐ力より現金と売却可能資産が価値の中心になる。
悲観 15% 広告流通で構造的に敗れ、残存資産の価値に収れん 利益 0 億円 · PBR 0.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 95 円4 億円
生成AI検索が情報取得の中心となり、外部記事への訪問が大幅に減る。ログリーが取得できる有料クリック数は半分になり、広告単価も低下する。独自の文脈解析技術は残るが、広告枠と広告予算を握る大手事業者に対して交渉力を持てない。AdsOmniでは広告主がAIエージェントを用いて媒体買付と運用を直接行い、仲介手数料の大部分が失われる。
ウルテクは来訪分析の一部機能を提供し続けるが、外部のマーケティング基盤やAIエージェントが顧客の作業を代替する。企業が必要とする機能は個別の画面から切り離され、価格を維持できない。EGGでは企画と制作の工数が減り、競合も低価格化するため、取扱案件は現在の半分弱となる。
会社は不採算サービスを整理し、サーバー費と人員を削って生き残りを図る。それでも10年後の売上は約6.5億円、最終年度は営業赤字となる。過程で一時的な事業売却や黒字年度もあり得るが、後半の損失に相殺されて内部留保の増加にはつながらない。技術を持つ広告会社としての高い収益価値は失われ、債務や顧客への支払義務を精算した後に残る換金可能資産だけが株主価値を支える。新たな増資による希薄化が必要になれば、この評価よりさらに厳しい。
- Ads Context・Engage・Audience等の既存広告事業:数量 26.5(年間有料広告クリック数(100万クリック、推定))× 価格 0.19(100万クリック当たりの売上高(億円、広告主へのCPC換算))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。クリック数量0.50倍、CPC0.93倍。ネットワークの交渉力を失う。
- AdsOmni・マルチチャネル広告運用:数量 2.3(年間有料広告クリック換算数(100万クリック、推定))× 価格 0.28(100万クリック当たりの取扱売上高(億円、推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。数量0.45倍、単価0.85倍。広告運用手数料が大幅に低下。
- ウルテク・法人向けマーケティング支援:数量 27.0(年間換算有料契約社数(社、推定))× 価格 0.02(1社当たり年間契約売上高(億円、推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。契約数量0.60倍、単価0.95倍。開発保守費を回収できない。
- EGG・インフルエンサーおよびSNSマーケティング:数量 32.0(年間キャンペーン換算件数(件、推定))× 価格 0.01(1キャンペーン換算当たりの受注売上高(億円、推定))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。案件数量0.45倍、単価0.95倍。企画・制作の競争優位が縮小。
- moto・売却対象となった求人広告代理店:数量 0.0(年間案件換算件数(件、推定))× 価格 0.01(1案件換算当たりの売上高(億円、推定))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。売却済み。
倍率:2036年の営業損失と純損失が残るため、継続収益に正当化PERは適用せず、現時点の換金可能資産を床とする。2026年3月期末の現預金4.59079億円−有利子負債1.03154億円=純現金3.55925億円を下回らないようにし、売掛債権と媒体買掛金・前受金の精算後に残る投資資産の正味回収分を厳しく見て約0.04億円加算する。のれん約0.60億円は売却資産と認めず、床は約3.60億円。分母は現在の自己資本約4.2億円で、PBR0.8571倍×4.2億円≒3.60億円となる。将来の累積利益やのれんに倍率を掛けていない。
確率:広告媒体の来訪減、AI運用による中間事業者の排除、法人向けツールの競争力低下が重なる。売上は現在の半分弱となり、縮小した事業には継続的な収益価値を認められない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
Ads Context・Engage・Audience等の既存広告事業
外部ウェブ媒体のネイティブ広告枠に対し、文脈解析を利用して広告を配信する。自社の巨大な利用者基盤を持つ媒体ではなく、広告の媒体買付と配信最適化の型としてAIエージェント代替を評価する。
| 数量年間有料広告クリック数(100万クリック、推定) | 価格100万クリック当たりの売上高(億円、広告主へのCPC換算) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 53.0 | 0.20 | 11 | 0 |
| 10 年後 中立 | 34.4 | 0.21 | 7 | 1 |
取り方:2026年3月期決算説明資料の既存事業売上1,059百万円を正とする。会社のAds Context料金表では成果獲得用の平均CPCが1~25円、ブランド用が10~50円、試算例が20円なので、便宜上20円で割り戻して約5,295万有料クリックと推計した。Engage・Audience等の売上も既存事業に含まれるため、クリック数は厳密な開示実績ではない。営業利益0.20億円も分析用の配賦推計であり、個別事業利益の開示値ではない。広告主、媒体、技術手数料の競争があるため、AI代替の型は広告の媒体買付・運用とし、中立数量0.65倍、単価1.04倍とする。料金根拠:https://lift.logly.co.jp/price/
AdsOmni・マルチチャネル広告運用
動画、SNS、その他の広告媒体への配信を管理するサービス。広告在庫と利用者を独占していないため、代理運用と媒体買付の型としてAIエージェント代替を評価する。
| 数量年間有料広告クリック換算数(100万クリック、推定) | 価格100万クリック当たりの取扱売上高(億円、推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 5.0 | 0.33 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 3.3 | 0.34 | 1 | 0 |
取り方:新規事業売上364百万円から、EGGの公表売上71百万円、motoの公表売上19百万円、ウルテクの推計108百万円を差し引いた残差166百万円をAdsOmni等の推計値とする。個別売上は非開示であり、厳密なサービス別実績ではない。SNS・動画広告の取扱を年間500万クリック、平均売上CPC33.2円相当と仮定した。市場2.6兆円に対する取扱売上の比率は約0.006%で、規模による堀は確認できない。AI代替では媒体買付・広告運用型として中立数量0.65倍、単価1.03倍とする。営業利益は共通費配賦前の推計。
ウルテク・法人向けマーケティング支援
サイト来訪企業の関心分析、営業支援、AIチャット、広告AIエージェントなどを提供する。独自の関心データはあるが、記録の正本としての証拠が不足するため、席・操作画面を中心とする業務SaaSの型に分類する。
| 数量年間換算有料契約社数(社、推定) | 価格1社当たり年間契約売上高(億円、推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 45.0 | 0.02 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 36.0 | 0.03 | 1 | 0 |
取り方:公式料金ページはスターター、スタンダード、プロフェッショナルの3区分と機能差を示すが、実際の契約社数、単価、解約率、独立売上を公表していない。公表されたサービス価格情報に基づく月額20万円相当を年間240万円とし、年間換算45社で1.08億円と推計した。この45社は実在契約数を確認した数字ではなく、新規事業364百万円を分解するための仮定である。AIエージェントの機能はあるが、その個別売上額は確認できないため楽観でも数量を1.0倍超にせず、中立数量0.80倍、単価1.10倍とする。記録の正本の条件を満たす証拠も2件以上は確認できない。公式:https://uruteq.logly.co.jp/plan/
EGG・インフルエンサーおよびSNSマーケティング
インフルエンサーのキャスティング、企画、SNS運用、コンテンツ制作を提供する。専属契約への移行を進めるが、制作・運用の工数が残るため人月・広告制作運用の型とする。
| 数量年間キャンペーン換算件数(件、推定) | 価格1キャンペーン換算当たりの受注売上高(億円、推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 71.0 | 0.01 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 49.7 | 0.01 | 1 | 0 |
取り方:2026年3月期決算説明資料の注記に、EGGの連結売上71百万円と明記されているため、売上は開示実績とする。案件件数と単価は非開示であり、100万円相当のキャンペーン71件という年間換算の仮定を用いた。実際の専属契約や継続課金の件数を示すものではない。インフルエンサー市場860億円に対する比率は約0.08%。中立数量0.70倍、制作・運用手数料の名目単価1.08倍とし、AIによる工数代替を反映する。
moto・売却対象となった求人広告代理店
求人広告代理店を営んでいた子会社。2026年8月に全株式売却を公表し、同年9月に譲渡予定とされたため、10年後の継続事業から外す。
| 数量年間案件換算件数(件、推定) | 価格1案件換算当たりの売上高(億円、推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 19.0 | 0.01 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 0.01 | 0 | 0 |
取り方:2026年8月20日の株式売却開示によるmotoの2026年3月期売上高19百万円、営業利益9百万円を採用した。案件数は開示されないため100万円相当の契約19件という便宜的な数量表現とする。2026年9月1日の株式譲渡予定を前提に、2036年3月期の数量と売上は全筋書きでゼロとし、全社利益の二重計上を避ける。
リスクと懸念
AIエージェント代替と広告媒体への来訪減
媒体買付、広告運用、制作、分析画面を価値の中心に置く同社の事業は、広告主がAIエージェントへ作業を委ねるほど手数料の維持が難しくなる。同時にAI検索が外部サイトへの訪問を減らせば、主力の有料クリック数そのものが縮む。中立では既存広告とAdsOmniの数量を10年で0.65倍とし、ウルテクの契約数は0.80倍、EGGの案件数は0.70倍とした。10年より先の成長率は0%とし、同じ理由を資本コストや確率で重複して差し引いていない。
成長市場に参加していてもシェアと利益を失う
国内インターネット広告費が拡大する一方、ログリーの既存事業売上は2026年3月期に27%減少した。Google、Meta、LINEヤフーなどは利用者と広告在庫の双方を持つが、同社は他社の媒体との契約に頼る。広告主の予算が大手媒体の内部で完結する割合が増えれば、市場の伸びは同社の数量に波及しない。市場全体の売上高をそのまま同社へ配分する評価は避ける必要がある。
3期連続赤字と固定費負担
2024年3月期から2026年3月期まで営業損失が続き、2027年3月期第1四半期にも損失を計上した。正式な継続企業の前提に関する注記は該当事項なしだが、会社は重要事象等を認識している。広告配信システムの維持、開発者、管理部門、賃借料は売上減少と同じ速さでは減らせない。営業黒字化が遅れれば現金が減り、資産価値の床にも下押し圧力がかかる。
ウルテクの解約率と課金力が見えない
ウルテクのAIチャット、広告AIエージェント、MCP接続は技術上の進展だが、個別売上、契約社数、解約率、契約単価の推移は確認できない。外部エージェントが同じ営業支援機能を提供し始めたとき、顧客がログリーへ継続して料金を支払う理由が試される。独自データを持つだけでは、法令上不可欠な記録基盤や年単位の移行負担を伴う業務システムと同じ堀は認められない。
財務報告の内部統制と資本配分
2026年には子会社motoからの配当に関する会計処理と開示資料の誤りを巡って、財務報告に係る内部統制の重要な不備が公表された。過去の買収、減損、子会社の売却を通じ、追加投資が株主に高い収益をもたらしてきたとは言い切れない。決算訂正の再発、関連当事者取引の手続、取得した事業の採算を確認しなければ、利益の見通しだけでなく経営者への信頼も毀損する。
純現金を額面どおり株主価値とみなす危険
2026年6月末には現預金約4.14億円があるが、有利子負債約1.14億円、顧客前受金約0.85億円、広告媒体への買掛金、固定的な運営費もある。投資有価証券には回収価格の不確実性があり、のれんは換金資産とはみなしにくい。将来の赤字や不採算の買収で現金が使われれば、現在の純現金を10年後の株主がそのまま受け取れるとは限らない。悲観側の計算では足元の純現金約3.56億円を下限として維持した。ただし、これは長期の価値を測るための保守的な基準であり、事業継続中の現金流出や換金時期まで保証するものではない。
今後の分かれ目
- Ads Contextの広告表示回数と有料クリック数が4四半期連続で前年同期比横ばい以上となり、媒体社との契約継続も確認できたら
- 中立の既存広告数量0.65倍という前提を上方修正する余地がある。ただし単価や利益率が改善しているかも同時に確認し、数量だけで高い長期倍率を与えない。
- ウルテクの有料契約社数、解約率、顧客単価、AIエージェント機能の売上が独立して開示され、低解約と値上げの実績が確認できたら
- 席課金型から独自データ・成果連動型への転換を改めて判定する。記録の正本に相当する複数の証拠がそろえば、契約数量と10年より先の成長率の評価を見直す。
- 2027年3月期以降に営業黒字が2期以上続き、営業キャッシュフローも黒字となったら
- 本社費の固定負担と再投資費用を実績で検証し、将来の営業利益率を上方修正できる。単年度の黒字や投資資産の売却益だけでは資本効率の改善と認めない。
- 既存事業の売上減少が再び年率20%を超え、新規事業の成長も止まったら
- 既存広告の数量と新規事業の契約数量を下方修正し、資産売却により残る価値へ評価の中心を移す。運転資金や撤退費用による現金流出を再計算する。
- 財務報告に係る内部統制の重要な不備の是正が確認され、子会社取引の開示が安定したら
- ガバナンスに関する不確実性を一段緩められる。ただし是正そのものは売上や利益を増やさず、過去の買収の投資収益率と将来の還元方針は別に評価する。
- 資金調達のための大規模な新株発行や、上場廃止につながる正式なTOB・MBOが公表されたら
- 新株発行なら既存株主の取り分を別途計算し、全社の時価総額をそのまま現在株主へ帰属させない。正式なTOB・MBOや上場廃止予定が出た場合は本来の10年評価を停止し、確定した条件を優先する。
見ておくもの
- Ads Contextの四半期広告表示回数、有料クリック数、クリック単価、媒体社との契約継続
- 既存事業と新規事業の売上構成比。2026年3月期は既存74.4%、新規25.6%
- ウルテクの有料契約社数、顧客単価、解約率、AIエージェント機能の独立売上
- EGGの専属契約件数、年間キャンペーン件数、制作・運用にかかる工数
- 粗利益率、販管費、営業利益、営業キャッシュフローの継続的な改善
- 四半期ごとの現預金、有利子負債、投資有価証券、前受金、買掛金の推移
- 財務報告の内部統制の重要な不備の是正状況と子会社取引の会計処理
- 配当・自己株買いの具体的方針と、新規投資・買収による増分の資本収益率
倍率と資本コストの決め方
数量は会社が開示した2026年3月期の既存売上10.59億円、新規売上3.64億円を起点とし、Ads Contextの公式CPC、ウルテクの料金、EGGとmotoの個別売上を参照して分解した。会社が公開していないクリック数・契約数・案件数は推計と明記した。各筋書きの価格は名目で、数量に物価上昇を混ぜていない。倍率は足元の市場PERや過去のPBRを参照せず、k9.0%、g_long0%、ROEとRONICによる正当化PER、または換金資産の床で決めた。中立PERは11.11倍で、純利益0.36億円に対応する事業価値と現金の戻りを合計した。悲観の換金可能資産床は、2026年3月期の現金及び預金4.59079億円から借入金1.03154億円を引いた純現金3.55925億円を下回らない。やや悲観3.70億円、悲観3.60億円とし、現在自己資本4.2億円にのみ床のPBRを掛ける。2026年6月末の純現金は約3.00億円へ減ったため、資産床は将来保証された換金額ではない。株数は添付factsの418万3300株が、発行済380万3000株に誤った自己株数を加算した値になっていたため、2027年3月期第1四半期短信の発行済380万3000株、自己株なしを優先して訂正した。現時価総額は約12.208億円。10年後の確率加重時価総額約5.655億円と還元の現在価値を9%で割り引くと、現在価値約2.48億円、乖離約マイナス79.7%となる。2028年3月期以降の新リース会計基準による表示の変更は、家賃を含む経済的な固定費が消えるものとして扱っていない。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5% + 上乗せ 0.8%。無リスク金利3.0%と株式リスクプレミアム4.5%を合わせた7.5%に、事業品質の加算0.75%と、継続赤字・事業構造改革による財務上の苦境の加算0.75%を加えた。規模プレミアムと市場βは使わず、AIの代替を理由とする寿命加算もしていない。