結論
フィットクルーは、女性向けパーソナルジム「UNDEUX SUPERBODY」を中心に、ピラティス、24時間型ジム、トレーナー養成スクールへ事業を広げる会社である。筆者の結論は「やや割安」だ。ただし、それは現在の利益が安定しているからではない。今後10年間で既存店の採算を立て直し、新しく買った事業を収益化できる余地が、今の時価総額に比べて大きいからである。
2025年11月期は売上高29.2億円、営業利益2.7億円と好調だった。ところが2026年11月期第3四半期累計では、売上高が前年同期比17.5%増えたのに営業赤字へ転落した。人員増強、広告費、ピラティス事業の取得費用が利益を食っている。さらに2026年11月には、24時間型ジム「VALX GYM」5店舗の譲受に向けた3億円の追加借入が予定されている。これは単純な成長企業ではなく、資本を大きく使い始めた転換期の企業である。
10年後の中立像は、パーソナルジム80店舗、ピラティス20店舗、24時間型ジム5店舗を中心に、年間売上高約68億円、純利益約2.6億円を稼ぐ会社だ。店舗数は増えるが、家賃、人件費、広告費も上がるため、2025年の高い利益率がそのまま続くとは考えない。中立の10年後の時価総額は約31億円となるが、実現までの時間と失敗の危険を考えた割引が必要になる。
5つの筋書きを資本コスト8.5%で現在価値に直し、既存株主の希薄化も考慮した本質価値は約14.4億円と試算した。基準時価総額約11.5億円に対して約25%高く、「やや割安」に相当する。ただし下側の筋書きに42%を配分している。割安さの根拠は強固な独占力ではなく、将来の店舗利益に対する期待値である。この違いは長期保有において決定的に重要だ。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって、運動指導そのものが10年後も必要かという問いの答えは、おそらく「必要」である。身体を動かすこと、姿勢を直すこと、怪我を避けながら筋力をつけることは、AIが普及しても人間の体で行う。高齢化が進むほど、適切な指導への需要は残る可能性が高い。しかし、それはフィットクルーという会社が高い利益を守れることと同義ではない。
筆者が価値を感じるのは、女性の健康と美容に特化したブランド、店舗運営の経験、月額会員への移行、トレーナーを育てる仕組みを一つに持つことだ。反対に、値上げに強い証拠や、顧客が他店へ移れない仕組みは乏しい。約95%という月次継続率を強い堀の証拠として扱うこともできない。真の優位性があるかは、広告費を増やさず既存店の会員数を増やし、値上げ後も解約率を保てるかで判断したい。
もう一つの論点は、利益の再投資先である。既存のUNDEUXは一定の収益実績を示したが、買収したピラティスや24時間型ジムについては、買収価格を含めた投下資本利益率がまだ明らかでない。2026年の営業赤字を見る限り、再投資が直ちに株主価値の増加につながると信じるのは早い。2025年の営業キャッシュフローが純利益を大きく下回った点も無視できない。
現在の時価総額は、今の事業規模だけを見れば大きくない。10年で店舗網を育て、税引き後の利益を安定して生み出せれば、十分な価値を持ちうる。ただし、安全域は数字の上では約25%あっても、買収の成否や固定費の重さによる推定誤差が大きい。高い確信で保有できる会社と、割安に見えるが継続的な検証を要する会社は区別すべきである。フィットクルーは現時点では後者だ。
何で稼ぐ会社か
収益の柱は、女性専用パーソナルトレーニングの「UNDEUX SUPERBODY」と、医師監修の「Dr.plus Fit」である。短期集中のボディメイクを入口に、月額制の継続利用へつなげる。2025年11月期のパーソナルジム関連売上は約26.2億円で、全社売上の約90%を占めた。期末の運営店舗は49店舗であり、1店舗当たりの年間売上は単純平均で約5,360万円となる。
稼ぎ方の変化は評価できる。集中コースの売上だけに頼らず、アフターコースや月額プランを広げた結果、会社が示す継続課金売上比率は2021年11月期の17.8%から2025年11月期の51.6%へ上がった。継続会員数も同期期末に6,030人に達した。顧客が運動を習慣にできれば、広告費をかけて新規顧客を集め続ける負担が軽くなる。ただし、会社が示す約95%の継続率は月次の数字であり、年間95%が残るという意味ではない。
2026年5月には、Ascendersから取得したピラティス11店舗を「anella」に統合した。月4回で1万1,000円からの月額プランを軸とする女性向けグループレッスンだ。さらにVALXとの事業譲受契約により、2026年11月から24時間型ジム5店舗の運営を始める予定である。高単価の個別指導、比較的手頃なグループレッスン、低価格のセルフ型という異なる収益構造が、一つの会社に並ぶことになる。
小規模ながら意味のある事業が「PROGYM」だ。トレーナー養成スクール4拠点を運営し、2025年11月期の売上は約0.70億円だった。公開されている基礎講座の受講料は約62.7万円で、年間約112人分の講座に相当する。自社のトレーナー採用にも役立つ可能性がある。ただし、教育内容のうち座学、資格試験対策、進路相談にはAIエージェント代替が及ぶ。一方、身体を使った実技指導や安全確認は、画面上のAIだけでは代替しにくい。
物販ではプロテインやサプリメントを販売する。2025年11月期の物販とその他手数料収入は合わせて約2.26億円である。会員1人当たりの購買額を高める余地はあるが、ブランドをまたいで客単価を維持できるかは未知数だ。なお、会社の会計上はフィットネス関連事業の単一セグメントである。本分析の事業区分は、会社が公表したブランド別売上をもとに組み直したものであり、事業別の営業利益は推定である。
優良さと弱いところ
同社の強みは、女性の美容・健康需要に絞った店舗運営と、個別指導から継続利用へ顧客を移す仕組みにある。女性専用の環境、管理栄養士監修の食事指導、トレーナー育成を組み合わせることで、単なる場所貸しのジムとの差を作ってきた。2025年11月期に営業利益率が約9.4%へ改善したことは、既存店の稼働率が上がると利益が伸びる証拠である。
しかし、これを強い堀、すなわち競争相手が簡単には奪えない優位性とまでは評価しない。トレーナーと顧客の信頼関係は価値があるが、顧客は契約先を変えられる。公表値の月次継続率95%を単純に12か月積み重ねると、当初の会員が1年後も残る割合は約54%となる。実際の会員数は新規入会で補えるものの、解約した顧客を補充する費用は消えない。独占的な価格決定力や、乗り換えに年単位を要する仕組みは確認できない。
資本効率も慎重に見る必要がある。2025年11月期のROEは52.5%だったが、同年の純利益には約0.81億円の税金調整による押し上げが含まれている。営業利益約2.75億円に対し、営業キャッシュフローは約0.15億円にとどまった。売掛金の増加や契約負債の減少などが効いており、会計利益がそのまま自由な現金になったわけではない。
実際、2026年11月期第3四半期累計では、売上が伸びたのに営業損失を出した。ブランド統合、新規事業の立ち上げ、採用、広告を同時に進めると固定費が先行する。2026年8月末の自己資本はIPO後の増資もあり約8.41億円に増えたが、現預金約4.39億円に対し、有利子負債は約6.84億円となった。さらにVALX取得に伴う借入が予定されている。拡大する資本に見合う利益を出せなければ、ROEは急速に薄まる。
2025年の利益改善は本物の前進だったが、2026年の赤字は、それがまだ安定した事業の強さになっていないことを示した。ブランドと運営ノウハウの価値は認める一方、店舗数を増やすほど利益が増えるとの前提は採らない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内フィットネス市場は、健康意識の高まりと業態の細分化によって拡大している。帝国データバンクは2024年度のフィットネス市場を約7,100億円と推定する。ただし、この数字は総合型、24時間型、低価格型などを含む広い市場であり、同社が主力とする高単価の個別指導だけの市場規模ではない。市場が大きいことだけを理由に、同社の売上が増えるとは限らない。
矢野経済研究所によれば、2025年8月時点の国内フィットネス施設は1万3,876施設である。このうちパーソナルトレーニングジムは2,368施設、24時間型は5,034施設、ヨガ型は1,877施設だった。ヨガ型にはピラティスも含まれるため、その全施設をピラティス専業の分母にはできない。2025年の同社パーソナルジム49店舗は、パーソナル施設数の約2.1%に相当する。2026年8月末には関連店舗が54店舗へ増えたが、全国市場を左右する規模ではまだない。
競合は多く、しかも価格帯が異なる。パーソナルジムでは「かたぎり塾」「BEYOND」「RIZAP」「24/7Workout」などが全国展開し、女性向けの運動習慣づくりでは「カーブス」も競合になる。ピラティスでは「Rintosull」「pilates K」「zen place」などが出店を進める。24時間型では「エニタイムフィットネス」「chocoZAP」との競争も避けられない。店舗数にはフランチャイズと直営が混在しており、単純な店舗数ランキングが利益規模の順位を示すわけではない。
10年間の需要を考えると、追い風と逆風が同居する。高齢化は運動指導や身体機能の維持への需要を支えるが、現役世代の人口減少は新規顧客の母数を削る。物価上昇が続く世界では値上げが必要になる一方、消費者が節約する際には個別指導やピラティスが支出削減の対象にもなる。したがって、業界全体の利用者が急増する前提ではなく、同社が既存の競争相手から顧客を獲得できるかを中心に見る。
中立では、2035年の国内パーソナルジム施設数を2,800〜3,300程度とする参考レンジを想定した。その中で同社が80店舗になれば店舗数シェアは約2.4〜2.9%となる。これは2025年よりわずかなシェア上昇であり、全国的な独占を前提としない。ピラティスは20店舗でもヨガ型全体に対する比率は小さく、24時間型5店舗は全国の施設数から見ればごくわずかだ。成長の中心は市場そのものよりも、商圏選定、既存店の定着率、買収した店舗の立て直しにある。
資本政策と M&A
経営陣は現時点で、配当より成長投資を優先する方針を明確にしている。2026年1月の成長可能性に関する資料では、将来の企業価値を高めるために利益とキャッシュフローを再投資すると説明した。2025年11月期の配当はなく、2026年11月期も無配予想である。配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額について、将来に向けた具体的な数字の約束はない。
中期の方向性は、月額制の拡大、地方・郊外への出店、医師監修ブランドの多店舗化、顧客生涯価値の引き上げである。ただし、2028年や2030年などを対象とした売上高、営業利益、ROEの数値目標は確認できない。最新の単年度会社予想は2026年11月期の売上高35.74億円、営業利益1.72億円、純利益1.47億円である。年初に示した営業利益3.44億円は4月に大幅減額され、その後の第3四半期時点でも据え置かれている。
資本配分の実績には明暗がある。2024年には自己株式2万株を0.24億円で取得したが、2025年以降は成長投資が中心だ。2026年にはAscendersからピラティス11店舗を取得し、2026年8月末の貸借対照表には約2.40億円ののれんが計上された。さらにVALX GYM5店舗の取得に向け、10月23日に3億円の変動金利借入を決議している。買収価格に見合う利益を生み、借入を返済できるかが株主価値を左右する。
店舗は賃借が基本であり、家賃を借金と同じ固定的な支払いと考える必要がある。2025年11月期の売上原価に含まれる地代家賃は約3.15億円だった。既存設備の減価償却費は物価が上がっても自動的には増えないが、更新工事や新規出店の費用はインフレで高くなる。会計上の利益だけを見て再投資負担を過小評価しないことが重要だ。中立では今後10年間の配当・自社株買いを見込まず、稼いだ利益を店舗の維持と借入返済に優先配分すると考える。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
フィットクルーの本当の成長余地は、従来の高単価パーソナルジムだけではない。女性が運動を始める入口として、集中コース、手頃な月額制、グループ型ピラティス、24時間型ジムを用意できるようになった。同じ顧客がライフステージや予算に応じてサービスを変えられるため、会社全体で顧客との関係を長く保てる可能性がある。2025年の継続課金売上比率51.6%は、こうした方向性が既に収益の構造を変え始めた証拠である。
女性の美容・健康需要は、一時的な流行だけでは説明できない。運動不足、加齢による筋力低下、産後の体調管理、姿勢改善など、10年後も残る課題がある。会社には直営店を運営してきた経験があり、店舗の接客、研修、広告運用、食事指導を共通化できれば、今後の店舗追加で本社費の負担が軽くなる。既存のパーソナルジムを全国120店舗へ広げても、国内施設数の中で独占的な地位になるわけではないため、商圏を選べば出店余地は残る。
買収も、失敗ではなく事業基盤を一気に広げる機会になりうる。anellaの11店舗を立て直し、VALX GYMの顧客に物販や個別指導を紹介できれば、店舗単独では得られない売上も生まれる。2026年の赤字は採用や広告への先行投資が集中した結果であり、その費用が落ち着けば利益率は回復する。10年後に売上高100億円を超え、営業利益を二桁億円まで伸ばす道筋は十分考えられる。
学校事業ではAIによる座学の代替が進むが、現場での実技や就職支援は残る。むしろその部分に教育内容を集中し、自社採用へつなげれば、単独事業の売上減少を上回る間接的な利益もありうる。長期の価値は、現在の小さな売上規模よりも、優良な店舗を何店複製できるかで決まる。
慎重な見方
2026年11月期第3四半期累計の営業赤字は軽く扱えない。売上高が17.5%増えながら営業利益が約1.8億円悪化したという事実は、拡大に伴う費用が粗利益の増加を上回ったことを示す。既存事業の粗利益は増えたが、人件費、広告費、店舗運営費、買収関連費用がそれを吸収した。新規出店や買収を続けるたびに同じことが起きるなら、成長は株主のための利益を増やさない。
同社の事業には、利益率を守る特別な参入障壁がない。店舗を借り、トレーナーを採用し、広告で顧客を集めるモデルは、他社も実行できる。かたぎり塾やBEYONDのような多店舗ブランドに加え、低価格の24時間型ジムも増えている。顧客は高い個別指導をやめて安価なジムへ移れる。月次継続率95%も、裏返せば毎月約5%の会員が離れることを意味する。継続収益への移行を過大評価すれば、顧客獲得費用の高さを見落とす。
買収はさらに危険を大きくした。2026年8月末には、すでに有利子負債が現預金を上回っている。そこへ3億円の変動金利借入が加わる予定だ。金利上昇時には利払いが増え、家賃は利用者数が減っても簡単には下がらない。ピラティス事業では約2.4億円ののれんを抱えており、事業計画を達成できなければ減損リスクもある。純資産の数字だけを安全域とみなせない。
高いROEを示した2025年の純利益には税金調整の寄与があり、営業キャッシュフローは極めて小さかった。実際に店舗の更新、設備投資、借入返済へ回せる現金が乏しければ、増配や自社株買いも期待できない。学校事業ではAIが座学や資格対策の一部を置き換える。主力ジムまで競争に負けた場合、10年後の売上が今より小さくなり、資産価値も大きく減る可能性がある。
どちらに重みを置いたか
運動指導への長期需要とブランド展開の余地では強気の見方に説得力がある。しかし、2026年の赤字、買収後の借入増加、家賃という固定費、現金への転換率の低さについては慎重な見方が勝る。長期価値の期待値は現在の時価総額を上回るが、事業の質を高く評価した結論ではない。確率は楽観側23%に対して、やや悲観と悲観の合計を42%とし、明確に下側へ寄せた。中立でも店舗数を増やすが、2025年の高収益を当然のものとは考えない。AIエージェント代替は学校事業の数量と10年後以降の成長率に反映し、資本コストと確率で同じ理由を重複して差し引いていない。買収事業が安定して現金を生み始めれば、評価の確信度は上がる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/11 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 3,069 円33 億円(+ 還元の換算額還元の合計 124 円1 億円)。 今の値に割り戻すと 1,440 円15 億円、今との差 +38.9%、 期待の年率 +12.2%(資本コスト 8.5%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 11,490 円122 億円 | 1,058 円11 億円 | +1,110.0% | +31.1% | 1,004 円11 億円 |
| やや楽観 | 15% | 6,133 円65 億円 | 265 円3 億円 | +517.0% | +20.7% | 960 円10 億円 |
| 中立 | 35% | 3,037 円32 億円 | 0 円0 億円 | +192.8% | +11.3% | 1,063 円11 億円 |
| やや悲観 | 28% | 563 円6 億円 | 0 円0 億円 | −45.7% | −5.9% | 158 円2 億円 |
| 悲観 | 14% | 70 円1 億円 | 0 円0 億円 | −93.2% | −23.6% | 10 円0 億円 |
| 加重平均 | 100% | 3,069 円33 億円 | 124 円1 億円 | +208.0% | +12.2% | 3,194 円34 億円 |
今の株価時価総額 1,037 円11 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 複数ブランドの全国展開が成功 利益 9 億円 · PER 13.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 11,490 円122 億円
女性向け個別指導のブランド認知が広がり、UNDEUXとDr.plus Fitは合計120店舗へ成長する。2025年に伸びた月額会員の仕組みが定着し、新規入会の広告依存度も下がる。値上げを進めても顧客離れが大きくならず、1店舗当たり売上も改善する。高齢化による運動指導需要を取り込み、都市部だけでなく郊外でも採算の良い店舗を展開できる。
買収したanellaは45店舗、VALX GYMは15店舗へ広がり、グループレッスンと低価格ジムが新しい顧客層を連れてくる。共通の会員獲得、物販、トレーナー育成が機能し、店舗運営費を効率化できる。2026年の立ち上げ損失は一時的なものにとどまり、その後は営業キャッシュフローが設備投資と借入返済を賄う。成熟段階に入ってからは、配当や自社株買いにも資金を回せる。
PROGYMはAIによる座学の代替を受けるが、実技と採用支援に絞って受講者を維持する。事業全体では売上高約127億円、営業利益約14億円となり、実店舗運営の経験が本物の規模の利益につながる。
- 女性向け・医師監修パーソナルジム:数量 120(年間の直営パーソナルジム店舗数(店、期末店舗数を年間稼働店舗数の代理とする))× 価格 0.76(1店舗当たり年間売上高(億円、集中コースと月額サービスの合計))→ 売上 91 億円・営業利益 11 億円。全国120店舗に拡大。女性専用の指導価値を守り、既存店の稼働率と客単価が改善する。
- 女性向けマシンピラティス:数量 45.0(直営ピラティススタジオ店舗数(店))× 価格 0.34(1店舗当たり年間売上高(億円、会員数と月額料金からの推定))→ 売上 15 億円・営業利益 2 億円。45店へ増店し、価格と会員稼働率が上がる。
- 24時間型ジム・VALX GYM:数量 15.0(直営24時間型ジム店舗数(店))× 価格 0.65(1店舗当たり年間会費等売上高(億円、会員数は仮定))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。VALXとのブランド協業が成功し、物販と会員送客も機能する。
- PROGYMトレーナー養成スクール:数量 100(基礎養成講座の年間受講枠換算数(人、推定))× 価格 0.01(受講枠1人当たり売上高(億円、複数講座と入学金等を含む平均))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替下でも実技・就職支援を維持。受講数量は2025年推定値以下。
- 物販・その他手数料:数量 23,000(年度末の継続会員数(人、物販顧客数の代理指標))× 価格 0.00(継続会員1人当たり年間物販・その他売上高(億円))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。会員増加と商品購入率の改善が同時に進む。
倍率:資本コストk8.5%、10年後ROE約22.0%、通常の堀で超過収益が半分残るとすると、増分資本利益率RONICは約15.27%となる。長期名目成長率g2.5%から、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=約13.94倍。現在の市場PERは使わず、営業利益から税と金融費用を控除した純利益に適用する。
確率:UNDEUXの店舗複製、anellaの採算改善、VALXとの協業の成功が同時に必要である。2026年の買収後赤字という出発点を考えると、実現は可能でも高い確率を与えるべきではない。
やや楽観 15% 店舗拡大と買収事業の収益化が順調 利益 5 億円 · PER 13.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 6,133 円65 億円
UNDEUXを中心とするパーソナルジムは95店舗となり、女性向け指導のブランドを維持する。短期集中型から月額会員への移行が進み、顧客獲得費用が緩やかに下がる。既存店での稼働率改善が新店の立ち上げ負担を補い、2026年に悪化した営業利益率は回復する。ただし、値上げできる範囲は競争によって制約される。
anellaは30店舗へ拡大し、グループレッスンの定員管理とインストラクター採用が安定する。VALX GYMは10店舗となり、24時間型ジムの運営と商品販売が一定の利益を生む。事業間の相互送客は部分的な成功にとどまるが、それでも複数の客層を持つことが強みになる。買収後の借入は計画的に返済し、後半の数年間では限定的な株主還元も始められる。
PROGYMはAIを活用した資格試験対策や安価なオンライン講座に一部の顧客を奪われる。それでも対面の実技と就職支援には需要が残る。全社では売上高約89億円、営業利益約8億円に達し、拡大の利益が株主にも見える会社となる。
- 女性向け・医師監修パーソナルジム:数量 95.0(年間の直営パーソナルジム店舗数(店、期末店舗数を年間稼働店舗数の代理とする))× 価格 0.70(1店舗当たり年間売上高(億円、集中コースと月額サービスの合計))→ 売上 67 億円・営業利益 7 億円。95店舗へ増え、月額会員化による稼働率改善が続く。
- 女性向けマシンピラティス:数量 30.0(直営ピラティススタジオ店舗数(店))× 価格 0.32(1店舗当たり年間売上高(億円、会員数と月額料金からの推定))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。30店舗で稼働率が安定し、取得事業が黒字定着する。
- 24時間型ジム・VALX GYM:数量 10.0(直営24時間型ジム店舗数(店))× 価格 0.60(1店舗当たり年間会費等売上高(億円、会員数は仮定))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。10店舗へ展開し、低価格業態でも一定の採算を確保する。
- PROGYMトレーナー養成スクール:数量 85.0(基礎養成講座の年間受講枠換算数(人、推定))× 価格 0.01(受講枠1人当たり売上高(億円、複数講座と入学金等を含む平均))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替で受講枠は縮小するが、実技の価値を維持する。
- 物販・その他手数料:数量 18,000(年度末の継続会員数(人、物販顧客数の代理指標))× 価格 0.00(継続会員1人当たり年間物販・その他売上高(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。会員数増で物販売上が拡大する。
倍率:10年後ROE約15.67%、資本コスト8.5%、通常の堀で超過収益が半分残るとき、RONICは約12.09%となる。10年より先の名目成長率2.5%を使った正当化PERは約13.22倍であり、その上限を採用する。
確率:UNDEUXの月額化には実績があり、anellaとVALXの既存店舗も引き継げる。ただし取得価格を超える収益と借入返済の両立は未検証であるため、中立より上の成功確率を限定する。
中立 35% 直営ジムを着実に増やすが利益率は平常化 利益 3 億円 · PER 12.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3,037 円32 億円
10年間でパーソナルジムは80店舗となる。UNDEUXの月額制が収入の柱として定着し、新規出店と既存店改善が緩やかに続く。ただし、人口減少と低価格業態との競争により、顧客単価は物価上昇率ほどには増えない。トレーナーの人件費や家賃、入会獲得のための広告費も上がるため、店舗網が広がっても全社営業利益率は過去の最良期を下回る。
anellaは20店舗まで増えるが、ピラティス市場は出店競争が厳しく、利益率は高くない。VALX GYMは取得した5店舗を中心に運営する。追加の大規模買収には慎重になり、借入返済と既存施設の改修を優先する。2026年の赤字は克服するものの、買収事業が特別に高い利益を生むことまでは期待しない。
PROGYMの受講枠は、AIによる座学と試験対策の代替で2025年の約6割に縮小する。実技指導と就職支援は残り、会社全体の利益への影響は限定的だ。結果として売上高は約68億円、営業利益約4.45億円、純利益約2.55億円となる。利益は配当よりも店舗維持と借入返済へ回り、ROEはIPO前の高水準から約10%へ平常化する。
- 女性向け・医師監修パーソナルジム:数量 80.0(年間の直営パーソナルジム店舗数(店、期末店舗数を年間稼働店舗数の代理とする))× 価格 0.67(1店舗当たり年間売上高(億円、集中コースと月額サービスの合計))→ 売上 54 億円・営業利益 4 億円。80店舗。数量は2025年の約1.63倍、単価は約1.25倍。価格競争でCPI累積上昇率約1.34倍を下回る。
- 女性向けマシンピラティス:数量 20.0(直営ピラティススタジオ店舗数(店))× 価格 0.30(1店舗当たり年間売上高(億円、会員数と月額料金からの推定))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。20店舗へ増え、立ち上げ費用を吸収するが、競争で利益率は限定的。
- 24時間型ジム・VALX GYM:数量 5.0(直営24時間型ジム店舗数(店))× 価格 0.55(1店舗当たり年間会費等売上高(億円、会員数は仮定))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。取得予定の5店舗を維持し、安定した小幅利益を確保する。
- PROGYMトレーナー養成スクール:数量 70.0(基礎養成講座の年間受講枠換算数(人、推定))× 価格 0.01(受講枠1人当たり売上高(億円、複数講座と入学金等を含む平均))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替により受講枠は2025年の0.625倍。単価は1.26倍で物価上昇以下、長期gは0%。
- 物販・その他手数料:数量 14,000(年度末の継続会員数(人、物販顧客数の代理指標))× 価格 0.00(継続会員1人当たり年間物販・その他売上高(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。会員数は増えるが、低価格業態の構成比上昇で1人当たり購買額は伸び悩む。
倍率:中立の10年後ROEは2.55億円÷25.4億円=約10.04%。k8.5%と通常の堀の残存割合1/2からRONICは約9.27%となる。g_long2.5%を使うと、正当化PER=(1−0.025÷0.0927)÷(0.085−0.025)=約12.17倍。長期の高成長を二重に数えず、現在の市場倍率も参照しない。
確率:身体を使う運動指導の需要は残り、2025年までの店舗運営実績もある。ただし競争が強く、ピラティスと24時間型ジムの採算改善には時間がかかるため、2025年の高利益率を延長しない。
やや悲観 28% 競争と買収負担で利益が薄くなる 利益 1 億円 · PER 9.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 563 円6 億円
低価格のパーソナルジムや24時間型ジムへの顧客移動が進み、UNDEUXの集客費用が増える。郊外出店の一部は採算に届かず、閉店と新規出店が繰り返される。パーソナルジムは62店舗を維持するものの、店舗当たり売上が伸び悩み、人件費や家賃を十分に転嫁できない。競争優位は薄れ、事業規模の拡大が株主利益へ直結しなくなる。
anellaは競合するピラティスチェーンの出店攻勢を受け、10店舗に縮小する。VALX GYMの5店舗は残るが、価格競争のため採算がほぼ均衡する。既存店の修繕と借入返済を優先し、新規買収を止める。会員数が減っても賃借料と店長・トレーナーの人件費はすぐには下がらず、営業利益率は2%台まで低下する。
PROGYMはオンライン講座とAIの資格対策に押され、基礎講座換算の受講枠が55人に減る。全社売上は約46億円残るが、純利益は約0.5億円にとどまる。ROEは資本コストを下回り、積み上げた自己資本を市場価値としてそのまま認める根拠はなくなる。
- 女性向け・医師監修パーソナルジム:数量 62.0(年間の直営パーソナルジム店舗数(店、期末店舗数を年間稼働店舗数の代理とする))× 価格 0.60(1店舗当たり年間売上高(億円、集中コースと月額サービスの合計))→ 売上 37 億円・営業利益 1 億円。低価格の競合にシェアを失い、店舗数の伸びが止まる。
- 女性向けマシンピラティス:数量 10.0(直営ピラティススタジオ店舗数(店))× 価格 0.26(1店舗当たり年間売上高(億円、会員数と月額料金からの推定))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。競争激化で店舗を縮小し、低い利益率にとどまる。
- 24時間型ジム・VALX GYM:数量 5.0(直営24時間型ジム店舗数(店))× 価格 0.48(1店舗当たり年間会費等売上高(億円、会員数は仮定))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。低価格競争により損益均衡にとどまる。
- PROGYMトレーナー養成スクール:数量 55.0(基礎養成講座の年間受講枠換算数(人、推定))× 価格 0.01(受講枠1人当たり売上高(億円、複数講座と入学金等を含む平均))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。座学と資格対策のAI代替で受講者が減り、利益が出ない。
- 物販・その他手数料:数量 11,000(年度末の継続会員数(人、物販顧客数の代理指標))× 価格 0.00(継続会員1人当たり年間物販・その他売上高(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。会員構成の低価格化で購入単価が下がる。
倍率:ROEは約3.05%で資本コスト8.5%に届かない。価値の上限は増分成長を認めない純利益÷k=約5.88億円、PER換算11.76倍。実際には借入返済と店舗維持費を要し、新規投資の価値創出も乏しいため、稼ぐ力の9倍で約4.5億円とする。売却可能資産の税後床は約1.5億円と別途検算し、それを下回らない。
確率:下に寄せる理由:2026年第3四半期の営業赤字、買収で増えたのれん、追加借入、家賃の固定費が実際に確認できる。店舗は残っても、拡大に使った資本に十分な利益が乗らない危険が高い。
悲観 14% 店舗網が縮小し、買収資産が傷む 利益 −1 億円 · PBR 0.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 70 円1 億円
パーソナルジムの価格競争でUNDEUXの優位性が大きく失われ、会員獲得の広告費を回収できない店舗が増える。商圏が重なる店舗の整理を進め、パーソナルジムは26店舗まで縮小する。顧客が低価格のジムや別の個別指導へ移るため、残った店舗でも高い単価を維持できない。人材を減らしすぎると指導品質が下がるため、固定費の削減にも限界がある。
ピラティスは4店舗、VALX GYMは2店舗まで減る。買収時に計上したのれんは回収可能性を失い、減損が発生する。借入金利と原状回復費用が負担となり、営業赤字が続く。設備や差入保証金には一定の換金価値が残るが、賃借契約の解約費用と債務返済がその大部分を吸収する。外部からの資金調達を必要とする寸前まで財務が悪化する可能性もある。
PROGYMではAIが座学と資格対策の多くを代替し、受講枠は25人相当に減少する。物販も会員数とともに縮小する。全社売上は約17億円と2025年を大きく下回り、当期純損失を計上する。10年間の損失と減損で自己資本が減少し、会社の価値は将来の利益ではなく、残る換金可能資産の床に近づく。
- 女性向け・医師監修パーソナルジム:数量 26.0(年間の直営パーソナルジム店舗数(店、期末店舗数を年間稼働店舗数の代理とする))× 価格 0.52(1店舗当たり年間売上高(億円、集中コースと月額サービスの合計))→ 売上 14 億円・営業利益 −1 億円。店舗閉鎖と顧客流出により、2025年より大幅に小さい事業になる。
- 女性向けマシンピラティス:数量 4.0(直営ピラティススタジオ店舗数(店))× 価格 0.22(1店舗当たり年間売上高(億円、会員数と月額料金からの推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。不採算店舗を整理するが、残存店舗の採算も改善しない。
- 24時間型ジム・VALX GYM:数量 2.0(直営24時間型ジム店舗数(店))× 価格 0.40(1店舗当たり年間会費等売上高(億円、会員数は仮定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。取得店舗の大半を閉鎖し、固定費と撤退費用が残る。
- PROGYMトレーナー養成スクール:数量 25.0(基礎養成講座の年間受講枠換算数(人、推定))× 価格 0.01(受講枠1人当たり売上高(億円、複数講座と入学金等を含む平均))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。座学と資格対策のAI代替が進み、受講者は大幅に減る。
- 物販・その他手数料:数量 5,000(年度末の継続会員数(人、物販顧客数の代理指標))× 価格 0.00(継続会員1人当たり年間物販・その他売上高(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。会員減と購買量減少で物販も縮小する。
倍率:2035年に純損失が続くため、正の利益にPERを掛ける評価はできない。10年間の累積損失と、のれんなどの減損を含めて縮小した自己資本2.5億円に対し、換金可能資産の推定床0.75億円を対応させる。したがってPBR0.30倍、時価総額0.75億円とする。将来の積み上がった大きな自己資本へ機械的に谷のPBRを掛ける評価はしていない。
確率:下に寄せる理由:売上増にもかかわらず赤字となった実績に加え、借入による事業取得と店舗賃貸の固定負担が重なる。業績がさらに悪化した場合は閉店費用と減損が同時に生じ、少数株主に残る価値が急速に小さくなる。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
女性向け・医師監修パーソナルジム
UNDEUX SUPERBODY、旧UNDEUX SUPERBODY LIFE、Dr.plus Fitを含む直営パーソナルジム。集中コースと月額の継続課金が主な収入源である。
| 数量年間の直営パーソナルジム店舗数(店、期末店舗数を年間稼働店舗数の代理とする) | 価格1店舗当たり年間売上高(億円、集中コースと月額サービスの合計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 49.0 | 0.54 | 26 | 3 |
| 10 年後 中立 | 80.0 | 0.67 | 54 | 4 |
取り方:2026年1月の会社資料にある2025年11月期のブランド別売上から、UNDEUX集中コース11.18463億円、アフターコース7.58760億円、LIFE6.00137億円、Dr.plus Fit1.47028億円を合計した。2025年期末のパーソナルジムはUNDEUX31店、LIFE14店、Dr.plus Fit4店の計49店で、26.24388億円÷49店=1店当たり0.53559億円。全店が通年営業したわけではないため、実際の既存店平均売上とは異なる。会社はブランド別営業利益を開示しておらず、営業利益2.55億円は全社営業利益と売上構成に基づく分析上の推定である。
女性向けマシンピラティス
2026年5月に事業を取得し、9月にanellaへブランド統合したグループレッスン型スタジオ。
| 数量直営ピラティススタジオ店舗数(店) | 価格1店舗当たり年間売上高(億円、会員数と月額料金からの推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 0.0 | 0.21 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 20.0 | 0.30 | 6 | 0 |
取り方:2025年11月期には同社の所有事業でなかったため、会社売上への計上は0とした。2026年5月の取得後は11店舗となり、2026年第3四半期累計で会社が公表したanella売上は0.76839億円である。約4か月の取得後売上と11店舗から年換算すると約0.21億円/店になる。月4回1万1,000円からという公式料金と、開示されている会員1,741人を用いた年換算でも、約0.209億円/店で近い。いずれも2026年の参考単価であり、2025年の実績ではない。
24時間型ジム・VALX GYM
VALXから2026年11月に事業譲受予定の24時間型フィットネスジム。既存ブランドを継続使用する。
| 数量直営24時間型ジム店舗数(店) | 価格1店舗当たり年間会費等売上高(億円、会員数は仮定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 0.0 | 0.45 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 5.0 | 0.55 | 3 | 0 |
取り方:VALX GYM5店舗の事業譲受契約は2026年10月1日に締結し、効力発生と運営開始は2026年11月1日の予定である。したがって2025年11月期には売上も店舗数も0。取得対象店舗の正式な売上と会員数は確認できない。参考単価0.45億円/店は、公開料金の月額約7,678円と、1店約500人という仮定から得る年間約0.46億円を丸めたもので、会社開示の実績ではない。
PROGYMトレーナー養成スクール
資格取得、実技、就職・独立支援を組み合わせた約6か月のトレーナー養成事業。座学部分はAIエージェント代替の対象である。
| 数量基礎養成講座の年間受講枠換算数(人、推定) | 価格受講枠1人当たり売上高(億円、複数講座と入学金等を含む平均) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 112 | 0.01 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 70.0 | 0.01 | 1 | 0 |
取り方:会社の2025年11月期PROGYM売上は0.70469億円。公式サイトの養成基礎ハイブリッドコース受講料は62万7,000円、入学金は4万1,800円である。売上を約62.7万円で割ると112人程度の基礎講座換算になる。ただし実際の講座構成、割引、受講年度の配分が未開示のため、112人は公表入学者数ではない。2026年時点で4校を運営し、2018年以降の累積卒業者825人が公表されている。営業利益は未開示のため推定した。AI代替の型は人月・研修型であり、価格よりも受講需要の減少を重く見る。
物販・その他手数料
プロテイン、サプリメント、食事関連商品などの物販と、その他の手数料収入。
| 数量年度末の継続会員数(人、物販顧客数の代理指標) | 価格継続会員1人当たり年間物販・その他売上高(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 6,030 | 0.00 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 14,000 | 0.00 | 5 | 0 |
取り方:2025年11月期のブランド別資料にある物販売上1.80867億円とその他手数料収入0.45224億円を合算。会社資料の2025年期末継続会員6,030人で割り、1人当たり約3万7,494円を代理単価とした。実際には集中コース顧客やオンライン販売分も含むため、継続会員だけが購入したという意味ではない。商品出荷数量と購買顧客の実数は未開示であり、将来の会員構成によって代理単価も変わる。
リスクと懸念
買収したピラティス事業の採算と減損
2026年5月に取得した11店舗には、採用、広告、ブランド統合、料金体系の整理などの費用が必要である。2026年8月末ののれんは約2.40億円となった。買収後の会員増と利益改善が計画を下回る場合、のれんの減損により当期利益と自己資本が同時に傷む。店舗数の増加だけでは投資の成功を判断できない。
VALX取得に伴う追加借入と金利上昇
2026年10月23日に決議した3億円の変動金利借入は、VALX GYM5店舗の譲受資金に充てられる予定である。既存借入と合わせると、2025年末の純現金企業という見方は通用しない。長期金利3%、借入金利4%前後の世界では、金利の借り換え負担が増える。店舗利益が期待を下回れば借入返済が株主還元より優先される。
賃料・人件費・広告費の固定費負担
同社は直営の賃借店舗を展開するため、会員が減っても家賃と一定の人員配置が必要になる。2025年11月期の地代家賃は約3.15億円で、営業利益を上回った。2026年第3四半期には人件費や広告費の増加で営業赤字へ転落しており、固定費の怖さが既に表れた。店舗の閉鎖にも原状回復費用が生じる。
価格競争と継続会員の離脱
かたぎり塾、BEYOND、RIZAP、24/7Workoutなどのパーソナルジムに加え、低価格の24時間型ジムや大手ピラティスチェーンが顧客を奪い合っている。女性専用という特徴だけで競争を排除できない。月次継続率約95%は一定の評価に値するが、解約顧客を新規獲得で補う必要は続き、広告費上昇が利益率を削る。
AIエージェント代替
PROGYMの養成スクールは、人が座学、資格試験対策、相談を提供する研修型事業である。この部分はAIエージェントや低価格のオンライン教育への代替が進みやすい。中立では基礎講座換算受講枠を10年で2025年の0.625倍に減らし、10年後以降の名目成長率を0%とした。対面の実技指導は残るが、教育部分に長期の高い倍率は認めない。実店舗の運動指導そのものを同じ型で減らしてはいない。
会計利益とキャッシュフローの乖離
2025年11月期の純利益約2.49億円には税効果が含まれ、営業キャッシュフローは約0.15億円にとどまった。売掛金の増加や契約負債の変動などによって、利益が現金として残らない年がある。今後、更新投資と買収資金の返済が重なれば、会計上は黒字でも手元資金が細る可能性がある。利益率とともに営業キャッシュフローを確認する必要がある。
少数株主の希薄化と資本配分
2025年12月の上場に伴い11万株が新規発行され、2026年4月にも譲渡制限付株式報酬として1万603株が発行された。上場目論見書には潜在株式6万8,300株も記載されている。店舗取得を株式発行で続ければ、事業全体の利益が増えても既存株主の取り分は薄まる。買収資金と株式報酬が、長期の1株当たり価値を高める結果になっているかを見極める必要がある。
今後の分かれ目
- 2027年以降にanellaの既存店売上と営業利益が改善し、四半期ベースで黒字が続いたら
- 買収事業の収益化が進んだ証拠として、やや楽観の確率を上げる。営業利益の増加だけでなく、追加の広告費と店舗投資を差し引いた現金創出を確認する。
- UNDEUXの月次継続率が95%前後を保ち、広告費率が下がりながら既存店売上が増えたら
- 顧客獲得効率とブランドの強さを再評価し、中立の既存店利益率を上方修正する。単なる新店効果よりも、既存店の稼ぐ力の改善を重視する。
- VALX GYM5店舗の譲受後に借入金が増え続け、返済前営業キャッシュフローが改善しなければ
- 資本配分の失敗が疑われるため、やや悲観・悲観の確率を引き上げる。買収店舗の売上ではなく、借入金と賃借料を負担した後の利益で評価する。
- 会社が2026年11月期の営業利益1.72億円という通期予想を達成できず、さらに下方修正したら
- 2026年第3四半期までの赤字が短期的な先行費用だけではない可能性を重く見る。中立へ戻るまでの利益回復期間を延ばし、現在価値を引き下げる。
- パーソナルジムの閉店数が新規出店数を上回る状態が2期以上続いたら
- 既存ブランドの競争力が低下したと判断し、10年後の店舗数と1店舗当たり売上を同時に引き下げる。減損と原状回復費用も別途確認する。
- PROGYMの受講者数と受講料がAI学習サービスの普及後も安定し、実技や就職支援に対する支払意思が実証されたら
- 学校事業の悲観的な数量減少を緩和する。ただし全社売上に占める割合は小さく、これだけで会社全体を強い堀と評価することはしない。
- 経営陣が店舗投資の回収年数、既存店利益率、買収事業別ROICを開示し、資本コスト8.5%を継続して上回ったら
- 再投資の経済性が確認できるため、長期価値への確信度を上げる。逆にROICが低いまま新規買収を続ける場合は、将来の成長率ではなく資本効率を引き下げる。
見ておくもの
- 2026年11月期通期の営業利益1.72億円、純利益1.47億円という会社予想の達成状況
- UNDEUX SUPERBODYの既存店売上、月次継続率、継続会員数の推移
- 2026年5月に取得したanella11店舗の売上、稼働率、利益率、のれんの減損有無
- 2026年11月に譲受予定のVALX GYM5店舗の会員数、店舗採算、協業効果
- 広告宣伝費、人件費率、家賃負担と全社営業利益率の関係
- 営業キャッシュフローから維持更新投資を引いた後の資金余力
- 有利子負債残高、借入金利、返済期限、契約負債と現預金の推移
- 新株予約権の行使、譲渡制限付株式の新規発行、発行済株式数の変化
- PROGYMの受講者数、実技講座への需要、AIによる座学代替の進展
- 配当方針、自社株買い、ROICや既存店収益の数値開示の有無
倍率と資本コストの決め方
2025年11月期の時価総額や市場PERから将来の倍率を逆算していない。まず2025年のブランド別売上と店舗数、2026年のピラティス取得・VALX譲受予定、業界の施設数を確認し、2035年の店舗数と1店舗当たり売上を分けて積み上げた。価格には物価上昇を含め、数量には含めていない。学校事業はAIエージェント代替を受講枠とg_longに反映し、kの寿命で重複計上しない。2025年の税効果は利益の出発点から除き、2026年の赤字と増えた借入を反映した。楽観から中立までのPERはROE・RONIC・k・g_longから算定し、悲観側は稼ぐ力と売却可能資産の床で制約した。2028年11月期以降の新リース会計基準では資産と負債の表示が変わるが、将来利益は家賃を費用として扱う現在の表示にそろえた。2026年10月15日の第3四半期決算短信では継続企業の前提に関する注記は該当事項なしであり、確認した適時開示にも上場廃止予定や公表済みTOB・MBOは見当たらない。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%による基本7.5%に、店舗利益の変動性0.5%と弱い値決め力0.5%を加える。買収案件固有の成否を別の上乗せ金利として二重に数えない。
同じ業種(サービス業)の AI 分析
読んだ資料
- フィットクルー 2026年11月期第3四半期決算説明資料(2026年10月15日。ブランド別売上、店舗数、会員数、買収の状況)
- フィットクルー 2026年11月期第3四半期決算短信(2026年10月15日。業績、自己資本、借入、のれん、株式数、継続企業注記)
- フィットクルー 2025年11月期決算説明資料・事業計画及び成長可能性に関する事項(2026年1月14日)
- フィットクルー 第11期有価証券報告書(2026年2月27日。税効果、営業キャッシュフロー、家賃、自己株式取得)
- フィットクルー 資金の借入に関するお知らせ(2026年10月23日。VALX取得資金3億円)
- 矢野経済研究所 フィットネス施設に関する調査(2025年施設数、2026年3月12日公表)
- 帝国データバンク フィットネスクラブ・スポーツジム業界動向調査(2024年度市場規模)
- PROGYM公式サイト 養成基礎ハイブリッドコースの料金・期間
- フィットクルー 2025年11月新株式発行並びに株式売出届出目論見書(新株予約権、株主、自己株式取得)
- ジムラボ総研 パーソナルジム店舗数ランキング(2026年の主要競合比較)