結論
RVHは、システム技術者の派遣・受託開発、使用済みパソコンの再利用、医用画像表示ソフト、再生可能エネルギーの工事支援と風力発電を抱える小規模な持株会社である。筆者の結論は割高だ。価値を左右するのは、新しい事業を何本増やせるかより、手間を売る主力事業がAIエージェントの普及後も利益を残せるか、そして親会社費用を賄えるかである。
2026年3月期のシステム開発はセグメント黒字だが、連結営業損益は赤字だった。年間の最終黒字も貸倒引当金の戻入れなどに助けられており、継続的な稼ぐ力の証明ではない。2027年3月期第1四半期にも赤字が続き、会社は通期予想を未定としている。9月の不動産子会社売却は不採算領域の整理として前向きだが、売却価格は小さく、かつての買収失敗を取り戻す規模ではない。
一方、北海道の風力発電と蓄電所関連の開発支援は、人の入力操作をAIが代行しても消えない物理的な需要に結びつく。ここには十年先の成長余地がある。ただし蓄電所の市場が伸びることと、小規模な再エネ部門がその利益を獲得できることは別だ。施工・申請の競争、設備更新費、前受金に対応する義務を見過ごせない。
今ある純現金4.5億円を悲観側の資産床としても、十年の確率加重現在価値は約2.5億円で、比較対象の時価総額約10.6億円を大きく下回る。上振れは蓄電所案件を大きく増やせた時に限られ、長期株主の視点では買収より既存事業の採算と現金の守り方が優先される。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主なら、まず十年後も顧客がお金を払い続けるものと、十年後には仕事のやり方が消えているものを分けるだろう。古いパソコンを引き取り、情報を確実に消す仕事は現場に残る。風車が発電する電気にも買い手はいる。しかし、人がコードを書いた時間や画面を操作した人数に代金が付く仕組みは、エージェントによって大きく変わる。その変化に備えた独自技術の売上実績が分からない限り、過去の工数収入を永続利益として買うことはできない。
持株会社の所有者に帰属する利益は、子会社の黒字の足し算ではない。本社費を差し引き、風車の更新や工事の運転資金を賄い、必要な借り換えを済ませた後の現金こそ重要である。2026年3月期の再エネ部門の黒字は償却減と修繕費の低下にも助けられていた。設備の帳簿価値が減っても、十年後の交換費用が安くなるわけではない。純利益をそのまま自由な配当原資と見るのは危険だ。
経営の資本配分についても厳しく見たい。かつての美容買収は規模を作ったが、既存株主の富を長く残さなかった。ようやく不動産から撤退する判断には規律を感じるものの、配当・買戻しを通じて株主に利益を渡す実績は乏しい。預金があるという理由だけで帳簿の純資産を丸ごと評価することもできない。将来の赤字はその預金を少しずつ使うからである。
好転の条件は分かりやすい。PC再利用と蓄電所関連が、余計な買収や増資なしに本社費を超える現金を生み、長年の無配を変えることだ。それを見届ける前に十年後の成功の代価まで支払う必要はない。上場会社としての存続と、長期株主への十分な利益は別の話である。
何で稼ぐ会社か
連結売上の中心はシステム開発で、2026年3月期の対外売上は11.04億円、セグメント利益は0.73億円だった。実態は技術者派遣とシステムの受託構築・保守、組込ソフト開発、廃棄パソコンの買い取り・データ消去・中古機販売、医用画像参照ソフト「FVT-air」が混じる。年度末のシステム開発人員は125人で、売上を従業員の工数で稼ぐ部分が大きい。NTTコミュニケーションズ向けには年間約1.30億円の売上があり、顧客依存も無視できない。
人数や販売台数ごとの実績は開示されないため、収入を有償の技術者月数、PC販売台数、医療ソフトの契約換算件数に分けて慎重に推定した。AI代替の影響をほぼ全面的に受けるのは最初の部分だ。PCの現物回収と媒体の確実な消去には物理作業が残る。医療ソフトは画面と表示機能の価値が中心であり、低解約率や規制に守られた独占的データ基盤であるという開示は見当たらない。
再生可能エネルギーは同年度の売上0.73億円、セグメント利益0.057億円である。BS ENERGYが蓄電所用地の調査、電力系統への接続申請支援、設備工事の請負や営農型太陽光支援を行う。また北海道宗谷郡の風力発電設備から電力を販売する。工事関係は現場・許認可の仕事が残るが、発注者と施工者の間の小規模な仲介・請負に近く、技術や規模による強い堀はまだ立証できない。
以前は美容、脱毛、不動産、ファクタリングまで事業が広がった。アイラッシュサロンは2025年7月に閉業し、2026年9月には不動産子会社レブラスを譲渡して資産運用関連事業を廃止した。直近までの報告売上にはこれらの撤退事業が含まれるため、十年後には売上も利益も残さない。既存ファクタリング債権の回収は資産価値の問題であり、新しい反復売上とは区別する。
優良さと弱いところ
この会社の堀、すなわち競争相手が簡単に奪えない収益源は狭い。技術者が顧客のシステムを理解していることは強みだが、顧客はNTTデータ、TIS、SCSKや多数の人材・受託開発会社へ発注先を分けられる。成果の独自性より人月の価格と人員確保で競う部分が大きく、物価上昇分を超えて単価を上げ続けた実績も確認できない。2026年3月期には稼働人員減少が派遣の受注を抑えた。
FVT-airは独自製品ではあるが、導入病院数、継続率、医療機器認証に基づく参入障壁、長期の値上げ実績は開示されていない。医用画像表示の品質管理という用途は残っても、人が画面を操作する工程はエージェント化が進みうる。記録の正本や独自データの堀として高い評価を付ける根拠は不足する。PCの物理的な消去・再利用には需要が残る一方、競争は機器価格と検品費に及ぶ。
風力発電の実物資産は多少の安定性を与える。しかし2025年3月期には風力設備などに減損があり、翌期の利益改善には大規模補修がなかったことと償却費の減少が寄与した。減損後の低い償却費を自由現金の恒久的な増加と取り違えたくない。将来の風車交換はインフレ後の高い更新費用を要するためだ。
資本効率を歴史で見ると厳しい。美容事業の買収で2018年3月期には自己資本が約122億円あったが、売却と巨額損失を経て2026年3月期には約7.8億円まで細った。直近の純現金約4.5億円は倒れにくさに役立つものの、現在の利益率ではその資本に見合う収益を十分生んでいない。競争上の優位は広がっておらず、将来の株式希薄化や事業再編に警戒が要る。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の情報サービス需要そのものは底堅い。JEITAが集計した2024年度の主要企業による国内ソリューションサービス売上は約7.06兆円で、SI開発3.84兆円とアウトソーシング等2.61兆円が大半を占める。ただしこれは参加企業の集計であって国内市場全体ではない。RVHのシステム売上をこの二分類の合計と機械的に比べても約0.017%相当しかなく、業界標準を決める力はない。NTTデータ、TIS、SCSKなどの大手と無数の中小SES企業が競う市場である。
最大の構造変化はAIエージェントがプログラム作成、検証、運用監視、事務手順を一連で実行することだ。IT予算が増えても有償人月が同じ割合で増えるとは限らない。十年の中立では技術者月数を現在の65%、名目単価を約1.26倍とみる。案件難度の高い組込開発や客先調整は残るが、従来の人月売上成長率を延長しない。医療ソフトにも画面操作を省く圧力を反映し、PC再利用には機器更新と情報消去の実需要を認める。
蓄電所を巡る需要は異なる。矢野経済研究所は国内の蓄電所運用ビジネス収入を2025年度750億円、2030年度4,240億円と予測する。ただしこの数値は蓄電池の電力取引収入であり、RVHが受け取る用地調査・接続申請・工事請負の市場規模ではない。EPC大手、電力会社、地場施工会社との価格競争があるため、市場の膨張をそのままRVHのシェア上昇として扱えない。事業別の実際の案件数も未開示である。
北海道の風力発電は設備容量約1.5MWという小さな設備群で、電力量は風況と稼働率によって変わる。固定の設備容量は物価で増えず、売電単価も契約・市場制度に左右されるので毎年3%の値上げを保証しない。蓄電所の許認可や系統接続の制約は参入上の実務障壁だが、RVH固有の独占ではない。医用画像表示でもEIZOやBarcoなど専門メーカーが競合し、導入数非開示のFVT-airに意味のあるシェアを仮定しない。
PCの市場でも統計の分母を混同しない。MM総研によれば2025年度の国内新規PC出荷は約1,806万台だが、これはRVHが売買する中古PCの市場ではない。PC3R推進協会の2024年度使用済PC回収は会員メーカー分で約23.2万台に過ぎず、こちらも業界全体の流通台数ではない。医用画像関連システム市場は2024年度約581億円という調査があるものの、FVT-airと競合する表示ソフトだけの市場ではなく、その小市場におけるRVHやEIZOなどのシェアは確認できない。
資本政策と M&A
資本配分の長い記録には重い失敗がある。2016年のミュゼプラチナム、2017年の不二ビューティなど美容事業の買収で連結売上は急増したものの、収益悪化後の売却と損失で巨額の自己資本が失われた。2022年にはBS ENERGYを株式交換で子会社化し、2024年には不動産のレブラスを取得したが、後者は2026年9月に譲渡価額281万円で全株式を売却した。これはRVH自身のTOBや上場廃止ではない。
2026年3月期まで長期にわたって無配が続き、2027年3月期も会社の配当予想はゼロである。第三者割当などによる株式数の増加も過去に繰り返されてきた。中期経営計画として確認できる売上・営業利益・ROEの定量目標や、配当性向・DOE・総還元性向・自己株取得額については数字の約束なし。2027年3月期の会社業績予想自体が未定であり、短期の黒字化計画にも依拠しない。
純現金約4.5億円の全額を株主の余剰財産とは見ない。蓄電所工事の前受金と前渡金が約4.7億円ずつ対応して動き、契約履行と最低運転資金が要る。継続事業から株主へ任意に戻せる余剰資金は1.4億円程度に絞り、過去の還元実績が乏しいため、その回収率は75%にとどめる。悲観側の資産床には別途、今ある純現金4.5億円を用い、事業用現金と同じ価値を二重加算しない。上位10株主の合計は約53%で、50%評価に必要な65%以上という支配集中条件は満たさない。将来の買収を評価に上乗せせず、黒字化後の配当と自社株買いだけを上側の筋書きに限って認める。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
同社には、単なる開発者派遣だけでなく、PCデータ消去や医療機関向け画像表示、現地調査を伴う蓄電所支援という、現実の作業と顧客との接点が残っている。人が行うプログラミングの単価が下がっても、組込系ソフトの安全確認や現場の接続調整をすべて代替することは容易でない。PC再利用は設備の更新サイクルで数量が増え、法人の情報管理が厳しくなるほど適切な処理の需要は続く。
再エネの仕組みも変わった。電力系統に繋げる場所を見つけ、接続手続きを進める業務は机上のAIだけでは完結しない。BS ENERGYは既に工事請負や蓄電所用地の申請支援を行っており、案件が増える余地はある。工事は協力会社に外注できるため、社内の人員規模に必ずしも案件数の天井を設ける必要はない。北海道の風車も設備として残り、固定収入の下支えになる。
さらに、9月の不動産事業撤退は、経営が大きさより採算を重んじ始めた兆候として評価できる。今後は持株会社費用が圧縮され、システム事業の人員の採算を守りつつ、再エネ工事を多数獲得できるかもしれない。過去の大規模買収は失敗だったが、今は小さな資本基盤ゆえに少数の成功案件でも利益率を大きく変えうる。少ない確率とはいえ、堀ではなく再構築の成功で価値が増す筋書きは残る。
慎重な見方
買収と撤退を繰り返す会社に十年の利益の再現性を認めるには、まだ根拠が足りない。売上がかつての数百億円から十数億円に縮んだのは、景気循環だけでなく、資本配分を誤った結果でもある。直近でセグメント黒字なのは主としてシステム開発だが、人月と外注工数を売る仕事はAIエージェント代替の最も強い影響を受ける。ソフト開発の効率が上がるほど顧客が買う工数が減り、派遣単価を維持できない可能性がある。
蓄電所の大きな市場予測は別会社の運用収入についての数字だ。小規模な再エネ部門が系統接続や工事の付加価値を長期に囲い込めるという証拠はない。大型案件の前受金は利益でも余剰現金でもなく、工事に使う必要がある。風力発電は大規模修繕がなく、減損後の償却費が低かった期にようやく小幅の利益が出た。風況と故障の不運が重なれば支えは脆い。
最も厄介なのは親会社の固定費である。子会社がそれぞれ少し儲かっても、上場維持や管理にかかる費用で連結は赤字になる。現金がある間は続けられても、資本コストを超える増分利益を生まないまま買収や損失に資金を使えば、十年後の株主価値は減る。追加増資があれば既存株主の取り分はさらに薄まる。単なる低い株価や純資産との差を安全域とすることはできない。
どちらに重みを置いたか
実物の需要が残るPC再利用と再エネには価値を認めるが、十年の持続利益を裏付ける数字では慎重な見方が勝る。人月の需要減少を中立の数量に反映し、AIの同じ懸念を資本コストの寿命加算や確率に繰り返し上乗せしていない。確率は楽観側32%、中立28%、悲観側40%と個社の弱点にやや寄せた。過去の買収損失、8期連続営業赤字、撤退と債権回収の不確実性が理由である。現在の値付けは、エネルギー事業の再拡大と本社費削減がかなり早期に成功することを必要としており、安全域は薄い。悲観側は事業の利益価値が床を下回り、やや悲観と悲観の終価はどちらも現在の純現金4.5億円を下限としている。将来の赤字でその資産が減り得ることは別途監視する。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 22 円5 億円(+ 還元の換算額還元の合計 1 円0 億円)。 今の値に割り戻すと 10 円2 億円、今との差 −74.1%、 期待の年率 −5.2%(資本コスト 8.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 53 円13 億円 | 6 円2 億円 | +55.9% | +4.8% | 6 円1 億円 |
| やや楽観 | 22% | 19 円5 億円 | 1 円0 億円 | −47.8% | −6.4% | 4 円1 億円 |
| 中立 | 28% | 18 円5 億円 | 0 円0 億円 | −53.2% | −7.3% | 5 円1 億円 |
| やや悲観 | 25% | 18 円5 億円 | 0 円0 億円 | −53.2% | −7.3% | 4 円1 億円 |
| 悲観 | 15% | 18 円5 億円 | 0 円0 億円 | −53.2% | −7.3% | 3 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 22 円5 億円 | 1 円0 億円 | −41.1% | −5.2% | 22 円6 億円 |
今の株価時価総額 38 円10 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 蓄電所の請負拡大と本社費の抑制が両立 利益 1 億円 · PER 11.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 53 円13 億円
蓄電所向けの用地・系統接続申請と工事請負が、協力会社の活用で年45件まで広がる。これは現状の推定4件から十倍超に拡大する極めて強い仮定である。太陽光と蓄電池の増設需要を取り込み、価格競争より案件獲得が勝る。北海道の風車は大きな故障なしに稼働し、取扱PCは法人の更新・情報管理を追い風に増える。
技術者派遣・受託開発にはAIによる工数縮小の圧力が残るため、最も強い筋書きでも有償人月は現在の95%にとどまる。その代わり難しい組込・現場統合案件を選び、単価で物価上昇を転嫁する。医療用ソフトも導入件数を大きく増やさず、既存顧客の単価維持に努める。本社費は名目では増えるが、再エネの利益がそれを上回る。
会社は不動産の再買収に走らず、資金を施工のための運転資本と設備保守に振り向ける。後半には約1.6億円を配当・買戻しで返す。固定費負担を乗り越え、普通株の追加発行なしに終期の純利益が1億円を超えるところまで育つ。ただし契約件数の開示がなく、成功の証拠をこれから積む必要があるため確率は低い。
- 技術者派遣・受託システム開発:数量 950(顧客に請求する技術者・開発者月数(人月・推定))× 価格 0.01(人月当たり名目売上(億円))→ 売上 13 億円・営業利益 1 億円。AI人月型。楽観でも現在の有償工数を超える成長は認めない。
- 法人向けPC再利用・データ消去:数量 4,500(中古パソコン・サーバ等の取扱換算台数(台・推定))× 価格 0.00(販売・消去を含む台当たり名目売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。物理的な回収・データ消去と中古機販売の拡大。
- 医用画像表示ソフトFVT-air:数量 150(年間の新規販売・更新ライセンス相当件数(件・推定))× 価格 0.00(1件当たり名目契約売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。AI代替を受ける画面型。数量は現状まで。
- 蓄電所用地・申請・工事支援:数量 45.0(蓄電所等の工事・調査の年間案件換算数(件・推定))× 価格 0.14(1件当たり名目手数料・工事収入(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。現場・許認可型。協力会社を使って案件を大幅に増やす。
- 北海道の風力発電:数量 2,900,000(年間の売電電力量(kWh・設備からの想定))× 価格 0.00(1kWh当たり売電収入の億円換算)→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。風況が安定し、大型故障を避ける。
- 不動産・ファクタリング撤退事業:数量 0.0(不動産成約・債権事務の年間案件換算(件・推定))× 価格 0.00(案件1件当たり名目売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。撤退済みのため継続売上なし。
- 閉業サロンなど:数量 0.0(残務売上の発生期数(期・推定))× 価格 0.00(残務1期当たり名目売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。閉業済みのため継続売上なし。
倍率:k8.75%、AI人月中心の十年超名目成長g=0%なので、正当化PERの上限は1/k=11.43倍。事業純利益1.10−独立した余剰現金1.4×税後利回り1.4%=1.0804億円に掛け、余剰現金の株主回収分1.4×0.75=1.05億円を加える。現在のPERは参照していない。
確率:現在の4件換算から45件への急増と、本社費を増やさず稼働させる連続成功が必要なので確率10%。AIで人月を伸ばして埋める楽観は認めない。
やや楽観 22% 本業の再編と蓄電所案件が一定の採算を生む 利益 0 億円 · PER 11.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 19 円5 億円
再エネ部門が工事・申請の受注を広げ、年間20件の契約換算案件をさばけるようになる。利益率は大手施工会社との下請け関係で抑えられるが、手離れのよい用地・申請支援の比率が高まって部門の収益が安定する。風力発電では修繕費の波を平準化して利益を残す。PC再利用の顧客開拓にも成功し、年間の取扱台数が増える。
開発者の派遣・受託人月はAIエージェント代替で現在の82%へ減る。顧客との対話や組込機器への組み込みを担う人材に絞ることで、実際の受注金額の落ち込みは数量ほど大きくならない。ただし席・画面価値が主体の医用ソフトについては、導入相当件数を伸ばさない。人員と外注の見直しが進み、本社の負担も現状の延長より減る。
事業再編による費用削減と新規工事利益が重なって、ようやく連結の持続的な小幅黒字を作る。後半には控えめな還元を始めるが、ROEは資本コストに届かない。成長率の高い市場に参加しているだけで、その投資から大きな超過収益が得られるわけではない。
- 技術者派遣・受託システム開発:数量 820(顧客に請求する技術者・開発者月数(人月・推定))× 価格 0.01(人月当たり名目売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。工数が18%減り、価格転嫁と高難度案件で支える。
- 法人向けPC再利用・データ消去:数量 3,600(中古パソコン・サーバ等の取扱換算台数(台・推定))× 価格 0.00(販売・消去を含む台当たり名目売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。法人の買替需要と安全なデータ消去を取り込む。
- 医用画像表示ソフトFVT-air:数量 135(年間の新規販売・更新ライセンス相当件数(件・推定))× 価格 0.00(1件当たり名目契約売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。表示ソフトの導入件数は少し減る。
- 蓄電所用地・申請・工事支援:数量 20.0(蓄電所等の工事・調査の年間案件換算数(件・推定))× 価格 0.12(1件当たり名目手数料・工事収入(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。申請と工事を増やすが価格競争は残る。
- 北海道の風力発電:数量 2,850,000(年間の売電電力量(kWh・設備からの想定))× 価格 0.00(1kWh当たり売電収入の億円換算)→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。補修を計画化し発電量を維持する。
- 不動産・ファクタリング撤退事業:数量 0.0(不動産成約・債権事務の年間案件換算(件・推定))× 価格 0.00(案件1件当たり名目売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。撤退済み。
- 閉業サロンなど:数量 0.0(残務売上の発生期数(期・推定))× 価格 0.00(残務1期当たり名目売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。閉業済み。
倍率:k8.75%、g_long=0%につき正当化PERは1/k=11.43倍で、弱い堀をさらに恣意的に割り引かない。純利益0.35から余剰現金利息0.0196を除く事業利益に乗じ、余剰現金1.4億円の回収率75%を足す。ROE約3.7%は資本コスト以下なので成長価値の上乗せを認めない。
確率:実際に蓄電所工事の受注増が開示され、システム部門は黒字であることを認めるが、今のところ全社は赤字で本社費削減の確証もないため22%。
中立 28% AIで縮む受託収入を再エネだけでは補えない 利益 0 億円 · PBR 0.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 18 円5 億円
システム受託の需要は完全には消えないが、顧客がAIエージェントを使って定型開発・検証・保守の内製を進める。必要な技術者月数は十年で65%になる。顧客との折衝、組込開発、情報管理は残り、名目単価は物価上昇の大部分を反映できる。それでも数量減を埋めきれない。中古PCの再利用は増え、医療ソフトは画面操作の自動化により契約件数が少し減る。
BS ENERGYの工事・申請支援は年間9件換算へ伸びる。風車も現状に近い発電量を保つが、大規模設備の更新負担は残る。市場全体に成長余地があっても、独自の土地網や低原価調達の証拠がない以上、薄い利益率で受注を重ねるにとどまる。2026年9月に廃止した不動産・ファクタリングから継続売上が再び入るとは見ない。
持株会社費用は子会社整理によって部分的に削減するが、上場維持・監査・本部要員の固定費は無くせない。減った人月売上を再エネとPC販売の利益が補えず、2036年にも連結営業赤字が残る。赤字を抑える過程で純資産は徐々に減り、配当余力は生まれない。会社が存続しても株主が高い利回りを得られるとは限らない、という中心の筋書きである。
- 技術者派遣・受託システム開発:数量 650(顧客に請求する技術者・開発者月数(人月・推定))× 価格 0.01(人月当たり名目売上(億円))→ 売上 8 億円・営業利益 0 億円。AI人月型。数量は現状の65%、単価は1.26倍。
- 法人向けPC再利用・データ消去:数量 3,000(中古パソコン・サーバ等の取扱換算台数(台・推定))× 価格 0.00(販売・消去を含む台当たり名目売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。実機回収の数量増と物価相当の売上増。
- 医用画像表示ソフトFVT-air:数量 120(年間の新規販売・更新ライセンス相当件数(件・推定))× 価格 0.00(1件当たり名目契約売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。画面型。数量は0.8倍、価格は約1.08倍。
- 蓄電所用地・申請・工事支援:数量 9.0(蓄電所等の工事・調査の年間案件換算数(件・推定))× 価格 0.10(1件当たり名目手数料・工事収入(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。現場・許認可業務の需要は残るが薄利。
- 北海道の風力発電:数量 2,700,000(年間の売電電力量(kWh・設備からの想定))× 価格 0.00(1kWh当たり売電収入の億円換算)→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。設備容量は増えず、売電単価の上昇も限定的。
- 不動産・ファクタリング撤退事業:数量 0.0(不動産成約・債権事務の年間案件換算(件・推定))× 価格 0.00(案件1件当たり名目売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。撤退済み。
- 閉業サロンなど:数量 0.0(残務売上の発生期数(期・推定))× 価格 0.00(残務1期当たり名目売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。閉業済み。
倍率:連結営業赤字が残り2036年の純利益も赤字なので、PERではなく回収可能な事業資本で評価する。現時点の純現金4.5億円を資産の下限として確認し、将来の自己資本5.6億円に対する正当化PBRは約0.804倍となる。収益力はk8.75%に届かず、未確認の買収益や引当戻入れを事業価値に含めない。過去や現在の市場PBRから導いた倍率ではない。
確率:中立28%。AI数量縮小はあらかじめ中心の650人月に織り込み、蓄電所の急成長や完全な本社費撤廃を前提としない。何もしない場合と過度な成功の中間に位置付ける。
やや悲観 25% AIによる顧客内製化で固定費が重くなる 利益 −1 億円 · PBR 0.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 18 円5 億円
業務ソフトの改修、定型テスト、事務代行の大部分がAIエージェントの実行する作業に移る。技術者の有償稼働月数は現在の45%になり、値上げも物価上昇には追い付かない。少人数で済む仕事が増え、客先の契約終了が人員配置の空白を生む。PC中古機器の取扱数量も競争相手に奪われ、医療用画像表示ソフトは汎用機能へ寄っていく。
蓄電所工事は接続待ちや入札価格競争で案件が細り、現状程度の規模へ後退する。風力は風況悪化や修理により売電量が下がる。親会社は人員と運営費を削るが、固定費の全部は消せず赤字が残る。営業損失は縮小均衡ではなく、既存の純現金を少しずつ取り崩す展開になる。
不動産を再取得せず、債権の売却可能額を過大評価しない。配当・自社株買いはなく、累積損失が将来の資金を減らす危険は続く。ただし評価上の資産床は現在の純現金から将来の損失を先取りして減らさず、未確認の債権やのれんにも上乗せしない。資産床を維持できるかは、この筋書きの重要な監視点となる。
- 技術者派遣・受託システム開発:数量 450(顧客に請求する技術者・開発者月数(人月・推定))× 価格 0.01(人月当たり名目売上(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。AIによる有償工数の急減と値上げ力の不足。
- 法人向けPC再利用・データ消去:数量 2,000(中古パソコン・サーバ等の取扱換算台数(台・推定))× 価格 0.00(販売・消去を含む台当たり名目売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。中古機器の競争激化で台数が減る。
- 医用画像表示ソフトFVT-air:数量 90.0(年間の新規販売・更新ライセンス相当件数(件・推定))× 価格 0.00(1件当たり名目契約売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。汎用AIとの競争で契約件数と値決め力が落ちる。
- 蓄電所用地・申請・工事支援:数量 3.0(蓄電所等の工事・調査の年間案件換算数(件・推定))× 価格 0.08(1件当たり名目手数料・工事収入(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。系統接続待ちと競争で受注が伸びない。
- 北海道の風力発電:数量 2,000,000(年間の売電電力量(kWh・設備からの想定))× 価格 0.00(1kWh当たり売電収入の億円換算)→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。風況・故障と修繕負担で収益減。
- 不動産・ファクタリング撤退事業:数量 0.0(不動産成約・債権事務の年間案件換算(件・推定))× 価格 0.00(案件1件当たり名目売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。撤退済み。
- 閉業サロンなど:数量 0.0(残務売上の発生期数(期・推定))× 価格 0.00(残務1期当たり名目売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。閉業済み。
倍率:AIエージェント代替と案件獲得の弱さで純利益が赤字のままなので、将来の利益へのPERを当てない。現在の純現金4.5億円を売却可能な資産価値の下限とし、追加の未確認資産を足さない。2026年3月期の自己資本7.81577億円に対する床のPBRは約0.576倍である。悲観側のPBRは将来に積み上がる自己資本に掛けず、現時点の自己資本だけに適用した。
確率:やや悲観25%。本社費が高いままAIによる有償工数が急減し、蓄電所の新規工事が伸びない組み合わせは十分考えられる。下側への重みは連続赤字と過去の撤退実績を反映する。
悲観 15% 人月需要と事業の信用がともに傷む 利益 −1 億円 · PBR 0.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 18 円5 億円
大口顧客が受託開発とITサポートを内製化し、AIエージェントで大半の作業を済ませる。残る稼働は現在の35%で、単価も据え置かれる。採用・教育した技術者を外部案件へ再配置できず、セグメントの売上減が赤字へ直結する。FVT-airには価格競争が起こり、PC再利用も大型業者に顧客を奪われる。
蓄電所支援は系統接続の停滞、協力施工会社との価格競争、収益性の低い小口案件に押され、契約換算で年1件まで縮む。風車は老朽化と低稼働に直面し、更新する資金にも余裕がない。会社は子会社を売却し本社機能を縮めるが、上場維持費と残る契約の処理費用を負担し続ける。継続企業の前提に関する正式な注記が現時点でないことと、十年後にも問題がないことは別だ。
損失に現金を使い、回収の難しい貸付債権やのれんから追加の価値を生まない。再び資本調達が必要になる可能性もあるが、払い込み額と希薄化の条件は不明である。通常株の終価はゼロにせず、倒産を前提にしない現在の純現金を評価の床とする。ただし長年の赤字で現金が失われる場合は、この床の前提を見直す必要がある。株主還元は停止したままである。
- 技術者派遣・受託システム開発:数量 350(顧客に請求する技術者・開発者月数(人月・推定))× 価格 0.01(人月当たり名目売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。主要顧客の内製化とAIによる有償人月の消滅。
- 法人向けPC再利用・データ消去:数量 1,200(中古パソコン・サーバ等の取扱換算台数(台・推定))× 価格 0.00(販売・消去を含む台当たり名目売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。再販価格下落と競争による利益消失。
- 医用画像表示ソフトFVT-air:数量 60.0(年間の新規販売・更新ライセンス相当件数(件・推定))× 価格 0.00(1件当たり名目契約売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。AI機能による代替と価格低下。
- 蓄電所用地・申請・工事支援:数量 1.0(蓄電所等の工事・調査の年間案件換算数(件・推定))× 価格 0.07(1件当たり名目手数料・工事収入(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。年間1件にとどまり採算割れ。
- 北海道の風力発電:数量 1,800,000(年間の売電電力量(kWh・設備からの想定))× 価格 0.00(1kWh当たり売電収入の億円換算)→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。設備老朽化と修繕負担により収益が消える。
- 不動産・ファクタリング撤退事業:数量 0.0(不動産成約・債権事務の年間案件換算(件・推定))× 価格 0.00(案件1件当たり名目売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。撤退済み。
- 閉業サロンなど:数量 0.0(残務売上の発生期数(期・推定))× 価格 0.00(残務1期当たり名目売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。閉業済み。
倍率:人月の衰退、再エネ不振と本社費の残存が重なり、稼ぐ力に正の価値を認めにくい。現時点の純現金4.5億円だけを回収可能な資産の床とし、のれん・未回収債権の追加価値をゼロとした。床のPBRは4.5億円÷現時点の自己資本7.81577億円=約0.576倍。赤字事業の将来自己資本を土台に倍率を掛けず、市場の過去PBRにも依拠しない。
確率:悲観15%。有償人月の急減、再エネ不振、親会社費用、風車更新が重なる複合事象であり、中立ではないが過去の資本毀損歴から低確率にもできない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
技術者派遣・受託システム開発
SES、業務システムと組込システムの受託、保守。対価は人月・工数型として扱いAIエージェント代替の対象とする。
| 数量顧客に請求する技術者・開発者月数(人月・推定) | 価格人月当たり名目売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,000 | 0.01 | 10 | 1 |
| 10 年後 中立 | 650 | 0.01 | 8 | 0 |
取り方:会社のシステム開発対外売上11.03821億円、当該セグメント人員125人、稼働人員減少の開示を出発点に、100人×年10か月=1000有償人月、約99万円/人月を仮定した。内訳・単価・稼働人員は非開示であり実測ではない。IT大手の派遣・受託の実務的単価レンジからの推定で、余り売上の単純な按分ではなく人員能力で上限を確認した。AI分類は人月・工数型。
法人向けPC再利用・データ消去
中古機器の買い取り、媒体消去、検品、再販売。実機の取り扱いが要るためAIによる全面代替には当たらない。
| 数量中古パソコン・サーバ等の取扱換算台数(台・推定) | 価格販売・消去を含む台当たり名目売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2,500 | 0.00 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 3,000 | 0.00 | 1 | 0 |
取り方:会社はPCリサイクルで中古PC販売数量・単価がともに伸びたことを開示するが台数を出さない。法人の再利用機器2500台×平均請求・再販売額3.4万円=0.85億円を仮定した。データ消去・整備の収入も台当たり換算に含む。システム開発セグメントの合計を守りつつ物理的取り扱い需要とIT人月を分けた推定である。参考市場はMM総研の2025年度国内新品PC出荷約1806万台、PC3Rの2024年度会員メーカーによる廃棄PC回収約23.2万台があるが、いずれも法人向け中古再販の同一定義の分母ではないため、当社シェアを算出しない。
医用画像表示ソフトFVT-air
医療画像を汎用画面で参照し表示品質を管理する自社ソフト。機器販売の形態・解約率非開示で、席課金・操作画面中心型を保守的に適用。
| 数量年間の新規販売・更新ライセンス相当件数(件・推定) | 価格1件当たり名目契約売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 150 | 0.00 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 120 | 0.00 | 0 | 0 |
取り方:FVT-airの販売・病院導入は会社公表だが件数・単価・継続率は非開示。150契約換算×約19.2万円を仮置きし、システム開発全体の内訳を人員・PC処理能力で確かめた残余の小規模製品とした。実際の席課金が開示されたわけではなく操作画面型の代替感応度の代理変数である。記録の正本型を認める低解約率・規制移行・データ独占の証拠は2つ確認できない。矢野経済研究所の医用画像関連市場2024年度約581億円はPACSなどを含む別市場であり、当社製品に直接割り当てずシェアは未測定とする。
蓄電所用地・申請・工事支援
蓄電所用地調査、電力会社への接続申請、工事請負・EV設備運営。実際の現場・許認可を伴う案件型でAIの事務部分だけ影響する。
| 数量蓄電所等の工事・調査の年間案件換算数(件・推定) | 価格1件当たり名目手数料・工事収入(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 4.0 | 0.08 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 9.0 | 0.10 | 1 | 0 |
取り方:会社は蓄電所工事と用地・申請支援を明示するが案件数、工事単価、発電との部門別売上は非開示。工事、申請の大小を年4件の契約換算に集約し、1件約820万円と試算した。再エネ総売上0.73307億円から、別に発電所容量×想定電力量×試算売電単価で組み立てた風力0.405億円を除いた額に対応させた。赤字は会社が太陽光関連部門の赤字縮小を明示するため保守的に配賦した。蓄電所の電力運用収入市場750億円は用地申請・EPCの市場とは異なり案件数の分母にならない。
北海道の風力発電
北海道宗谷郡に保有する風車から電力を販売する実物設備の事業。AI代替の対象外だが風況、契約単価、保守と設備更新に左右される。
| 数量年間の売電電力量(kWh・設備からの想定) | 価格1kWh当たり売電収入の億円換算 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2,700,000 | 0.00 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2,700,000 | 0.00 | 0 | 0 |
取り方:BS ENERGYが公表した風車2基、合計約1.5MWの設備と年間発電量約270万kWhの目安を使用。2026年3月期に実際この電力量を販売したとの開示ではない。想定売電単価15円/kWhで0.405億円、単価・実績発電量は未開示の分析上の仮定。残りの再エネ売上を工事支援に割り付け、風力が増収、修繕と減価償却が減って増益という定性開示に合わせた試算。既存設備の減価償却は物価連動させず、新しい設備の更新投資は将来費用を要する。
不動産・ファクタリング撤退事業
不動産短期売買・仲介と既存ファクタリング。2026年9月30日の資産運用関連事業廃止により継続売上をゼロとする。
| 数量不動産成約・債権事務の年間案件換算(件・推定) | 価格案件1件当たり名目売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 6.0 | 0.12 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 0.00 | 0 | 0 |
取り方:会社の資産運用関連セグメント対外売上0.71864億円、営業損失0.01554億円は実績。不動産単位売上とファクタリング手数料の混合なので年間6件の契約換算と1件約1198万円は数値を表現するための仮定で、個別の成約件数・市場シェアは非開示。2026年9月30日に事業廃止が決まったため2036年の数量・売上・利益は全筋書きでゼロ。
閉業サロンなど
2025年7月に閉業したアイラッシュサロンの残存売上など、将来は反復しない。
| 数量残務売上の発生期数(期・推定) | 価格残務1期当たり名目売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1.0 | 0.03 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 0.00 | 0 | 0 |
取り方:その他セグメントの対外売上0.02756億円、営業損失0.14703億円を会社決算で確認した。2025年7月のサロン閉業に伴う残務1期分として扱い、十年後は継続しない。
リスクと懸念
AIエージェント代替で有償人月が減る
受託ソフト開発、派遣、保守、バックオフィスの業務は、顧客がAIエージェントへ連続処理を任せるほど請求可能な工数が減る。現場での仕様確認や機器検証は残るが、案件数が増えても人月総額が伸びるとは限らない。営業人員や採用費が固定のままでは、売上の縮小以上に利益が悪化する。医療用表示ソフトも画面操作を飛ばす圧力を受ける。
営業赤字と持株会社費の構造
2019年3月期から8期連続の営業赤字で、2026年3月期も子会社セグメント利益約0.63億円から本部調整約1.12億円が差し引かれた。物価3%の十年間で役員・管理・監査・上場維持費は自然に軽くならない。子会社の撤退後も固定費が残れば、営業黒字のない事業を続けるために純現金が減り、投資余力と株主還元を圧迫する。
蓄電所の先行資金と系統連系の長期化
蓄電所用地、接続申請、設備の外注工事は実際の案件が取れて初めて利益となる。工事の前受金があっても、施工業者への前渡金、工事完成義務、保証負担が対応し、全部を会社の預金余力とみなせない。市場運用収入の成長予測は工事請負の利益成長を保証せず、連系の待ち時間や入札競争で粗利が消える可能性がある。
風力発電の修繕・更新と金利
北海道宗谷郡の風力発電設備の売電量は風況と故障で変わる。2026年3月期の再エネ増益は前期の設備減損で償却が減り大規模補修が発生しなかったことにもよる。減った償却費を毎期の自由現金とみなすと過大評価になる。更新する風車はインフレ後の資材価格で買う必要があり、借り換え金利も長期化すれば支出が増える。
ファクタリング債権の貸倒れ・資産の質
資産運用関連部門は事業廃止が決まったが、過去のファクタリング債権の回収遅延と貸倒引当金の変化が残る。営業外の引当戻入れは将来の経常的な売上ではない。回収可能性が悪化すれば、現金を帳簿で持っているように見える収益や純資産が傷む。前受金と同額規模の前渡金も、回収時期と相手方の信用を確認する必要がある。
買収・株式希薄化と還元の不確実性
美容事業の大型買収、損失後の撤退、近年の不動産取得と売却は、経営が成長先を探すたびに資本を危険にさらした歴史を示す。配当や自社株買いで所有者が受け取った利益は長期にわたり乏しい。新しい買収や第三者割当が行われると、事業が少し改善しても現在の株主の持分が薄まる可能性がある。新株予約権や発行条件が未定のため、確定的な希薄化率は仮定しない。
今後の分かれ目
- システム開発の有償稼働人月・顧客別単価が3期連続で伸び、利益率も維持できたら
- AIによる数量縮小の速度を見直し、中立の人月と継続利益を上方修正する。売上高だけでは判定せず、稼働人数・単価・外注費の情報を求める。
- FVT-airについて低解約率、長期の規制移行負担、価格改定の実績のうち二つ以上が数字で出たら
- 操作画面中心の代替型を見直し、確かな部分に限って記録基盤・規制対応の堀と長期成長を再評価する。現時点では該当する開示がない。
- 蓄電所申請・工事の受注件数、平均単価、完工後の粗利率が開示され拡大を続けたら
- 案件数に基づく市場シェア獲得を認め、再エネ利益と楽観側確率を引き上げる。前受金ではなく実際の完工・営業現金流入を確認する。
- 持株会社の年間管理費が実際に下がり、連結営業損益が継続して黒字化したら
- 赤字継続に由来する資本コスト上乗せを点検し、利益ベースの中立評価を再計算する。削減が子会社への費用移転だけでないかも確認する。
- 風車の更新・故障で発電量が大幅に下がるか、新設備の建設費が想定を超えたら
- 電力量と将来の維持更新投資を別々に下方修正し、再エネの利益と回収可能な資産の床を引き下げる。会計上の償却減だけで判断しない。
- 不動産撤退後も貸倒引当金繰入れや不良債権の発生が続いたら
- 帳簿の資産と余剰現金の回収可能額をさらに下げ、やや悲観・悲観の重みを高める。回収済み現金を未回収債権と区別する。
- 増配・実際の自社株買いが継続するか、逆に第三者割当増資を発表したら
- 前者なら余剰現金の株主回収率を1.0へ近付け、後者なら実際の発行・払込条件に基づき既存株主の取り分を計算する。
見ておくもの
- 四半期ごとのシステム開発セグメント売上と利益、常用技術者数・稼働率の変化
- NTTコミュニケーションズ向け売上の集中と契約継続、代替案件の獲得
- FVT-airの導入契約数、解約率、利用料金改定の具体的な実績
- 蓄電所の用地・電力申請・工事受注件数、完成原価、前受金と前渡金の差額
- 風力発電のkWh売電量、売電単価、設備修繕費、更新の資本支出
- 持株会社経費の総額とセグメント間消去を分けた連結営業利益への影響
- ファクタリング債権の回収額、貸倒引当金の推移、純現金と投資有価証券の処分可能性
- 配当・自社株買いの有無、新株発行・新株予約権・事業買収の開示
倍率と資本コストの決め方
セグメントの収益は公表された報告区分を、人月、PC台数、医療ソフト契約、蓄電所案件、風力kWhに分けて積み上げた。非開示の数量・単価は推定と断り、撤退事業の将来売上はゼロにした。AI代替は有償人月とg_longに反映し、資本コストの寿命項目に重ねていない。
資本コストkは基礎7.5%、品質0.25%、事業の赤字継続1%の合計8.75%とした。長期成長gは0%で、黒字側のPERは正当化上限1÷k=11.43倍とした。赤字側は市場のPBRでなく、回収可能な資産価値から評価した。
現在の純現金4.5億円を悲観側の床とし、やや悲観・悲観の終価はともに4.5億円に修正した。中立も終価4.5億円で、将来自己資本5.6億円に対するPBRは約0.804倍。時価総額10.6348億円に対する確率加重現在価値は約2.49億円、差は約−76.5%の割高である。床は将来の現金残高や株主回収の保証ではない。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5% + 上乗せ 1.0%。基礎7.5%+品質0.25%+営業赤字が長期化した事業の傾き1.0%。β・小型株の市場規模プレミアム、買収失敗などの個別要因は上乗せしない。
同じ業種(サービス業)の AI 分析
読んだ資料
- RVH 2026年3月期 決算短信(セグメント・継続企業注記・財務)
- RVH 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026年8月12日)
- RVH 連結子会社レブラスの譲渡と資産運用関連事業の廃止(2026年9月29日)
- JEITA ソリューションサービス市場規模調査結果 2023–2024年度
- 矢野経済研究所 蓄電所ビジネス市場に関する調査(2026年1月20日)
- RVH 2026年3月期大株主・EDINET原票に基づく一覧
- BS ENERGY・井の三風力発電の設備容量と年間発電量(2022年)
- MM総研 2025年度通期の国内パソコン出荷台数
- PC3R推進協会 2024年度の使用済PC回収台数
- 矢野経済研究所 医用画像関連システム市場調査