結論
Macbee Planetは、顧客獲得後の継続購入まで見据え、広告主から成果に応じて報酬を受け取るマーケティング会社である。筆者の結論は「やや割高」だ。買収で育てた大きな売上の一部が連結から外れる予定で、さらにAIエージェントが広告の制作と運用を代替するため、過去の成長を先へ延ばすことはできない。
2026年4月期の売上は506億円、営業利益は36.5億円、純利益は23.5億円だった。2024年に公表した旧中期計画は2027年に売上700億円、広告宣伝費控除前の営業利益75億円を掲げたが、足元の会社予想は売上510億円、営業利益30億円へ下がった。しかも2026年9月、売上216.4億円を持つAll Adsを経営陣側へ譲渡し、連結対象から外す方針を発表した。売却価格と再編後の通期業績への影響は確定していない。会社全体の数字と、将来も連結される事業の力を区別する必要がある。
強みは、LTVと呼ぶ顧客生涯価値の分析を使い、広告主に売上につながる成果を示せることだ。金融、医療、美容などの顧客接点や、自前のデータ解析技術には価値がある。ただし広告媒体そのものを独占しておらず、広告主も運用業務の内製化やAIによる自動化を進められる。大口顧客への依存も大きい。
10年後は広告の取扱成果と手数料率の双方に下押しを見込み、買収予定の信販事業は慎重に積み上げた。純現金と株主還元は下支えになるが、信用リスクや買収価格が不明な資本配分は利益の質を下げる。5つの筋書きの現在価値は約115億円で、基準時価総額約145億円を約20%下回る。事業に価値がないのではない。払う値段には、変わりゆく事業構造への十分な余裕がほしい。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主がまず知りたいのは、「来年いくら稼ぐか」ではなく「10年後も誰が、何のためにこの会社へ払うか」である。広告主は顧客を獲得し続けなければならず、獲得後の継続率を高める仕事もなくならない。LTV分析の実績と広告媒体との接点には残る価値がある。しかし入稿や運用、素材制作まで外部に任せる必然性は薄れる。顧客が同じ成果を直接得られるなら、仲介者の手数料は守れない。
次に重視するのはオーナー利益だ。広告代理業は巨額の設備を持たずに売上を増やせるが、売掛金を回収するまで媒体への支払いが先行しやすい。2025年の営業キャッシュフローが赤字だった事実は、利益率と現金創出力を分けて見る理由になる。のれんは売却できる現金ではなく、再投資の成果が悪ければ減損される。信販への進出で信用債権が増えるなら、会計利益から与信損失と資金調達コストを引いた残りこそ株主の利益になる。
経営陣が自社株を買い、配当を増やした点は評価する。利益が減る段階でも大量の買収に向かうのではなく、投資利回りが資本コストを下回るなら還元に切り替える規律が欲しい。買収事業を売り直す決断は柔軟さの証拠にもなるが、最初の買収価格と売却価格の検証を抜きに褒めることはできない。
安全域を考えると、純現金約31億円は魅力的でも、時価総額145億円の全てを説明するわけではない。データを持つだけでは独占にならず、事業環境が変わった後の超過利益もまだ立証されていない。現状の価格で長期保有するなら、広告事業の収益維持と信販投資の成功という二つの予測にかなり依存する。予測が外れても守られる価値を重く見る。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は成果報酬型のLTVマーケティングである。広告主が顧客を一人獲得し、その顧客が長く利用するほど価値が高くなる仕組みを分析する。広告を載せる媒体やアフィリエイト事業者へ報酬を支払い、広告主から受け取る対価との差額を利益にする。成果地点は契約、購入、利用開始、継続など幅が広い。したがって売上が大きくても、そのすべてが自社に残る手数料ではない。
2026年4月期の公式区分では、LTVマーケティングの売上493.63億円のうち成果報酬が480.48億円、固定報酬が13.14億円だった。その他事業は12.16億円で、うち成果報酬が4.22億円、固定報酬が7.93億円である。報告セグメントの利益合計66.22億円から、本社などの調整29.72億円を引くと営業利益36.50億円になる。市場規模と自社の手数料収入を混同しないため、媒体へ流れる費用も含む売上であることに注意したい。
同年9月に譲渡を決議したAll Adsは、2026年4月期の単体売上216.4億円、営業利益5.63億円を持つ。以下では連結LTVの中からこの分を控除し、残り約277.23億円を継続LTV事業とした。ただしグループ内取引と共通費の詳しい按分は開示されておらず、利益の割付けは推計である。譲渡先の持分33.5%を保有する予定で、連結除外後も関係は完全には切れない。譲渡そのものはMacbee Planet株式のTOBや上場廃止ではない。
2026年3月にはSNS広告の投稿・分析を効率化するAdPostの提供を発表したが、独立した売上額は開示されていない。独自データ基盤DATAHIVEや顧客継続の予測も重要な道具だが、料金の上昇を必然にする独占的な台帳ではない。さらに10月には、割賦販売法に基づく信用購入あっせん事業者ジェーシーアンドジーの買収を決めた。取得予定は11月であり、2026年4月期の売上にはまだ入らない。この事業は広告運用と違い、審査、延滞、資金調達で利益が決まる。
優良さと弱いところ
同社には模倣しにくい部分がある。LTVの予測モデル、広告媒体との取引網、金融・美容医療など業種別の獲得ノウハウは、一朝一夕には作れない。会社は主要顧客との継続取引を強みと説明する。しかし、解約率5%未満の定量的な証拠、法改正のたびの値上げ実績、他社が移行に年単位を要する基幹台帳という証拠はそろわない。「独自データがある」だけで強い堀と判定しない。
実際に価格を決める力は広告主と媒体側にもある。2026年4月期の上位取引先にはDMM.com、Style Edge、SBI証券が並び、上位3社で売上の約42%になる。2027年4月期第1四半期は売上122.9億円、営業利益7.64億円だった。オンライン診療案件では広告主の料金改定により、同四半期の該当売上が前年の約39億円から約20億円に減り、値決め力の弱さが実際の数字に現れた。成果報酬型は広告主にとって始めやすい反面、投資対効果が下がれば予算を止めやすい。顧客を連れてくるデータの価値と、広告運用の外注手数料を維持する力は同じではない。
2020年から2025年まで高いROEを示したが、その一部は小さな自己資本、買収の寄与、急速な拡大局面による。2026年は営業利益率が7.2%に下がり、ROEも18.6%へ落ちた。しかも2025年には利益を計上しながら営業キャッシュフローが赤字だった。売掛金の回収と媒体への支払いが資金繰りを左右するので、会計利益を全額自由な現金とはみなさない。
現金から有利子負債を差し引くと約30.7億円の純現金があり、財務は現時点で健全だ。他方、のれんは約39.3億円で、他の無形資産も含めると自己資本の相当部分を占める。All Adsの処分価額は非開示で、新しい信販会社には貸付債権の損失や調達金利のリスクがある。追加投資の利回りが資本コストを上回り続けると断定できないため、堀は普通、資本配分の評価は条件付きとする。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
日本の2025年のインターネット広告費は電通調査で4兆459億円となり、前年比10.8%増えた。うち媒体費は3兆3,093億円で、SNS動画などが成長を支える。一方、矢野経済研究所が推計する2025年度の国内アフィリエイト市場は4,598億円、2029年度は5,883億円の見込みだ。後者は広告主からASP等に流れる成果報酬や諸費用を含む市場であり、すべての運用型広告と一致しない。名目の市場成長を、当社が請求できる成果件数の成長と同一視すべきではない。
競争相手はレントラックス、アドウェイズ、インタースペース、バリューコマース、ファンコミュニケーションズなどの成果報酬・ASP事業者である。大型広告主の予算では電通系、サイバーエージェントなどの総合運用会社とも重なる。媒体側ではGoogleやMetaが配信のデータと広告枠を握り、広告主は自社CRMやAIエージェントを使って仲介業務を減らせる。公開資料から同一定義で計算できる競合別シェアは得られないため、根拠のない順位を作らない。
規模感をつかむため、LTV事業の売上をアフィリエイト市場4,598億円と単純に比較すると約10.7%になる。All Adsを除く継続LTVだけなら約6.0%だ。しかし両者は対象市場も費用計上の範囲も違い、これは市場での占有率ではない。会社の旧中期計画が示す獲得広告市場の成果報酬比率拡大も、会社による推計であり実現済みシェアではない。
2036年には市場自体が拡大していても、既存代理店の取り分が縮むとみる。生成AIによる検索結果の要約で比較サイトへの流入が減り、広告主は入稿、クリエイティブ制作、配信調整を自動化する。矢野経済研究所も広告単価の弱含みとSEO媒体の不安定化を指摘している。成果課金の需要が消えるわけではないが、広告主に渡る生産性改善の利益が大きい。中立では継続広告事業の実質成果件数が10年で約68%、平均請求単価は94%に低下する。物価上昇分まで料金を転嫁できると仮定しない。
会社が踏み出す信販市場は別の競争である。銀行、信販会社、医療ローン事業者と金利、審査精度、加盟店の信頼を争い、割賦販売法と個人情報保護の規制を受ける。広告で獲得した顧客データを与信に生かせれば補完効果はあるが、融資資産と信用損失を伴うため、広告並みの資本効率がそのまま得られるわけではない。
資本政策と M&A
2021年にAlpha、2023年にネットマーケティング(現All Ads)、2024年にPRクラウドテックを買収し、広告支援の領域を広げた。とくに買収したAll Adsを2026年に売り直す方針は、当初の投資仮説を事後的に検証すべき大きな出来事だ。売却価額は非公開であり、買収の損益を確定できない。
2024年9月の中期経営計画は、2027年4月期の売上700億円、営業利益75億円を目標とした。ただし利益目標は自社の広告宣伝費を控除する前の数字であり、現在の営業利益と単純比較できない。足元の通期予想は510億円、30億円である。同計画は3年間で100億円超の買収投資を構想し、配当性向20%を目安として将来さらに高める方針を記したが、ROE・DOE・総還元性向の数値目標は示していない。
還元は実際に強まった。2026年4月期の配当総額は約6.85億円で、配当性向28.7%だった。2027年4月期も同水準の配当総額を予定し、予想利益に対しては約32.4%となる。2025年4月期から翌期にかけて自己株式は約78万株から約220万株に増え、実質流通株数は1割ほど減った。増配と買戻しの実績を余剰現金の評価に反映する。
ただし買収資金との競合は続く。All Ads譲渡後には譲渡先株式33.5%を保有する予定で、10月には信販会社の取得を決議した。信販会社の直近期は売上5.59億円、営業利益0.70億円、総資産43.67億円に対し純資産3.13億円しかない。買収代金と売却代金が非開示の間は、未確定の利益や余剰現金を勝手に資本配分の成功として数えない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
最大の強みは、広告主が本当に欲しい顧客の継続価値を把握し、その価値に合わせて出稿先と報酬を調整できることだ。単なる画像制作会社と違い、成果が出なければ収入も減る仕組みは広告主と利益を共有する。中期計画では、顧客の長期的な購買価値によって媒体報酬を変える仕組みや、リテールメディアの開発を掲げた。これが定着すれば運用に割く労働時間が減っても高い利益率を守れる。2026年に提供を開始したAdPostも、自動化を外敵だけでなく内部の生産性向上として使う土台になる。
All Adsの連結除外は見かけの減収だが、同社の営業利益率は2026年に約2.6%と低かった。低採算の売上を外して本体の高い付加価値へ集中すれば、売上規模が小さくなっても利益は守りやすい。譲渡先の持分を残し、案件の協業を続ける構想には合理性がある。未公表の譲渡代金が好条件なら、財務の柔軟性が増す可能性もあるが、その額を確定利益とはみなさない。
信販会社の買収は、広告主の顧客獲得だけでなく、消費者が実際に購入できる環境を整える挑戦だ。美容医療など既存顧客との相乗効果が生まれれば、広告で集めた顧客の解約を抑えられる。現時点では売上の小さな事業でも、10年間で信用審査と加盟店開拓に成功すれば利益の別の柱となる。強い財務と自社株買いの実績もあり、過去ほど広告市場全体の成長に頼らず株主価値を維持する道はある。ただしAI関連商品の販売金額が確認できない以上、広告取扱成果そのものがAIによって増えるとは仮定しない。
慎重な見方
同社の利益は独占的なソフトウエア利用料ではなく、広告予算が動いて成果が計測された時に発生する。広告主がGoogleやMetaの自動入札、社内CRM、AIエージェントを使って直接運用できるなら、代理店を挟む理由は弱くなる。生成AIによる検索要約が比較サイトへの流入を奪えば、広告媒体から流れてくる有効な見込み客も減る。成果報酬が維持されても、誰が成果を生んだかの計測と報酬配分をめぐる競争は厳しくなる。
実際に美容医療案件では広告主の料金改定が売上を大きく減らした。上位3社が約42%の売上を占める構造も、顧客に対して強い値上げ交渉ができない証拠だ。媒体費を先に払い、売掛金が積み上がる場合には、広告主の方針変更がキャッシュフローと利益の両方を傷つける。実績のあるデータモデルも、顧客が自社データを引き揚げてしまえば競争優位を失いかねない。
All Adsの再編で2026年の連結売上の約43%が連結から抜ける予定だ。譲渡価額が示されないまま次の買収を決めたため、株主には資本の移し替えが得だったのか検証しにくい。信販会社の資産は自己資本に比べて大きく、延滞や加盟店トラブルが生じれば小さな広告の営業利益を吹き飛ばし得る。過去の買収で計上したのれんにも減損リスクがある。たとえ現金があっても、貸倒れや再買収に使われれば少数株主のもとへそのまま戻るとは限らない。10年先の高いROEを保証できる根拠は乏しい。
どちらに重みを置いたか
両論を比べると、顧客との関係と利益率には期待を残すが、旧計画の未達、All Adsの再編、大口顧客への偏りという会社固有の事実では慎重な見方が勝る。確率は上側22%、中立35%、下側43%と下に寄せた。AI代替による広告数量と単価の縮みは既に中立に織り込み、確率でも同じ損失を二重計上していない。下側の厚さは主に買収資本の回収不能、広告主集中、信販業への転換の不確実性から来る。現在価値は約115億円で時価総額約145億円を約20%下回り、「やや割高」が結論となる。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/04 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 1,292 円161 億円(+ 還元の換算額還元の合計 481 円60 億円)。 今の値に割り戻すと 926 円115 億円、今との差 −8.4%、 期待の年率 +6.9%(資本コスト 8.0%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 4,420 円551 億円 | 883 円110 億円 | +424.6% | +20.8% | 371 円46 億円 |
| やや楽観 | 15% | 2,812 円350 億円 | 723 円90 億円 | +249.6% | +15.6% | 530 円66 億円 |
| 中立 | 35% | 1,213 円151 億円 | 530 円66 億円 | +72.4% | +6.8% | 610 円76 億円 |
| やや悲観 | 28% | 324 円40 億円 | 361 円45 億円 | −32.2% | −5.0% | 192 円24 億円 |
| 悲観 | 15% | 304 円38 億円 | 161 円20 億円 | −54.1% | −8.7% | 70 円9 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,292 円161 億円 | 481 円60 億円 | +75.4% | +6.9% | 1,773 円221 億円 |
今の株価時価総額 1,011 円126 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 7% 成果の質を守り、信販を新たな柱にする 利益 42 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 4,420 円551 億円
成果報酬広告の需要は残り、DATAHIVEによるLTV予測が広告主の増分売上を実際に改善し続ける。広告主はAIで入稿を自動化するが、Macbeeの計測精度と媒体との取引関係に価値を認める。広告の成果件数は現状を維持し、手数料の値上げを当てにしない。それでも作業工数が減る分だけ継続LTVの採算が上がる。
All Adsの連結除外で売上高は縮むが、低採算事業の支配を手放すことで固定費が減る。売却先の持分は残り、従来の顧客紹介も続く。AdPostは有料の販売実績が開示されていないため、新商品が突然大きな売上を生む計算には入れない。一方、信用購入あっせんでは既存の美容医療加盟店の獲得に成功し、適切な与信審査によって貸倒れ率を抑える。
継続広告の利益率改善と信販の営業利益が重なり、10年後の利益は足元を上回る。経営陣は買収を選別し、配当と自社株買いを合わせて10年間で相応の金額を返す。低い確率ながら、事業の構造転換に成功する姿である。
- 継続グループの成果報酬型LTVマーケティング:数量 222(広告経由の顧客獲得・契約成立件数(万件、推計))× 価格 1.25(1成果当たりの平均広告主請求額(万円、名目、推計))→ 売上 277 億円・営業利益 73 億円。継続LTV。2026年比実質成果件数100%、名目CPA100.0%。制作・広告運用のAI代替を数量と単価に反映。
- All Ads(売却・連結除外予定):数量 0.0(広告経由の顧客獲得・契約成立件数(万件、推計))× 価格 1.25(1成果当たりの平均広告主請求額(万円、名目、推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2026/09の譲渡決議に沿って連結除外を前提とする。持分33.5%に伴う損益は純利益に反映し、売上は連結しない。
- その他・PR/マーケティング技術:数量 400(年間契約案件・プロジェクト件数(件、推計))× 価格 0.03(1案件当たり平均売上(億円、名目、推計))→ 売上 12 億円・営業利益 4 億円。固定報酬中心のPR・ツールと成果報酬広告の混合。席・画面および運用工数のAI代替を加重して数量と単価に反映。
- 買収予定の信用購入あっせん・信販:数量 300(年間分割購入の取扱元本(億円、推計))× 価格 0.09(取扱元本1億円当たり手数料売上(億円、推計))→ 売上 27 億円・営業利益 4 億円。JC&Gの取得が予定どおり完了するとの条件付き。年間取扱元本×収益率。融資増加に伴う調達費・貸倒費用を営業利益率に反映。
倍率:資本コストk=8.0%、長期成長g_long=0%。堀を普通とし、10年後事業ROE12.3%からRONIC=k+0.5×(ROE−k)を求める。広告AI代替を織り込んだg=0%なので、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=12.50倍の上限そのものを適用する。10年後の明示した余剰現金25億円は税後利息約1.4%を純利益から分離し、(純利益42.4−現金×0.014)×12.5+現金×戻り方1.0で550.625億円。現時点の市場PERや他社PERは根拠にしていない。
確率:広告のAI直接販売を受けても既存の獲得成果件数を維持し、All Ads以外の利益率を高めて信販の加盟店基盤を大幅に広げる必要がある。独立したAI商品売上の金額開示がなく、実現確率は7%に抑える。
やや楽観 15% 広告縮小を高採算と信販の拡大で補う 利益 27 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,812 円350 億円
広告主の内製化は進むが、顧客の継続率まで分析できる外部パートナーへの需要は維持される。継続LTVの成果件数は10年で1割減り、単価もわずかに下がる。名目の物価が上がる中で手数料を維持できない点は、企業の強さを過大評価しないための前提だ。
All Adsの連結除外後、広い媒体ネットワークの一部は協業契約を通じて残る。本社機能の整理で採算が改善し、PRとマーケティング技術は小ぶりながら黒字を保つ。データ解析の精度が認められ、金融や美容領域では大口取引先の更新が続く。大型買収による上乗せは想像で足さない。
新たな信販会社は加盟店数を増やし、決済手数料の稼ぎを育てる。与信損失は生じるが、資金調達費を吸収できる範囲にとどまる。株主還元は現行の配当方針と機動的な自社株取得を組み合わせて続ける。営業利益は現状と同程度を維持できるが、昔の高成長へ戻るとは見ていない。
- 継続グループの成果報酬型LTVマーケティング:数量 200(広告経由の顧客獲得・契約成立件数(万件、推計))× 価格 1.22(1成果当たりの平均広告主請求額(万円、名目、推計))→ 売上 244 億円・営業利益 58 億円。継続LTV。2026年比実質成果件数90%、名目CPA97.6%。制作・広告運用のAI代替を数量と単価に反映。
- All Ads(売却・連結除外予定):数量 0.0(広告経由の顧客獲得・契約成立件数(万件、推計))× 価格 1.25(1成果当たりの平均広告主請求額(万円、名目、推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2026/09の譲渡決議に沿って連結除外を前提とする。持分33.5%に伴う損益は純利益に反映し、売上は連結しない。
- その他・PR/マーケティング技術:数量 360(年間契約案件・プロジェクト件数(件、推計))× 価格 0.03(1案件当たり平均売上(億円、名目、推計))→ 売上 11 億円・営業利益 3 億円。固定報酬中心のPR・ツールと成果報酬広告の混合。席・画面および運用工数のAI代替を加重して数量と単価に反映。
- 買収予定の信用購入あっせん・信販:数量 200(年間分割購入の取扱元本(億円、推計))× 価格 0.09(取扱元本1億円当たり手数料売上(億円、推計))→ 売上 17 億円・営業利益 2 億円。JC&Gの取得が予定どおり完了するとの条件付き。年間取扱元本×収益率。融資増加に伴う調達費・貸倒費用を営業利益率に反映。
倍率:資本コストk=8.0%、長期成長g_long=0%。堀を普通とし、10年後事業ROE9.3%からRONIC=k+0.5×(ROE−k)を求める。広告AI代替を織り込んだg=0%なので、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=12.50倍の上限そのものを適用する。10年後の明示した余剰現金20億円は税後利息約1.4%を純利益から分離し、(純利益26.7−現金×0.014)×12.5+現金×戻り方1.0で350.250億円。現時点の市場PERや他社PERは根拠にしていない。
確率:継続LTVの成果件数が1割減にとどまり、既存ツールによる効率改善と信販会社の増益が同時に実現する可能性はある。ただしAI代替の一部は顧客自身に利益として戻るため15%。
中立 35% 広告手数料を縮め、信販を小さな柱として育てる 利益 11 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,213 円151 億円
業界全体では成果報酬広告の利用は続くが、仲介会社が取れる手数料は細る。広告主はAIエージェントに入稿と配信の調整をさせ、顧客自身のデータを基に成約を増やす。継続LTV事業が扱う実質成果件数は10年で68%となり、平均請求単価も現在の94%に下がる。値上げを通したという定量的な実績がないので、物価3%を料金に上乗せしない。
All Adsは予定どおり連結から外れ、その売上はゼロになる。譲渡先の持分法損益は残るが、元の売上を維持したかのように扱わない。残る広告事業は技術による省力化で採算を守るが、本社費とデータ保護費用が収益を押す。PRやツール事業も、人手を使う運用と画面操作型ソフトの単価下落が続く。
新たな信販会社は既存の医療・美容加盟店を中心に分割決済を広げるが、資金調達費と貸倒費用を伴う。2036年には全体の売上規模こそ小さくなるものの、黒字を保ち配当を続ける。利益を留保しても再投資利回りは以前ほど高くなく、ROEは大幅に低下する。
- 継続グループの成果報酬型LTVマーケティング:数量 151(広告経由の顧客獲得・契約成立件数(万件、推計))× 価格 1.18(1成果当たりの平均広告主請求額(万円、名目、推計))→ 売上 177 億円・営業利益 39 億円。継続LTV。2026年比実質成果件数68%、名目CPA94.0%。制作・広告運用のAI代替を数量と単価に反映。
- All Ads(売却・連結除外予定):数量 0.0(広告経由の顧客獲得・契約成立件数(万件、推計))× 価格 1.25(1成果当たりの平均広告主請求額(万円、名目、推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2026/09の譲渡決議に沿って連結除外を前提とする。持分33.5%に伴う損益は純利益に反映し、売上は連結しない。
- その他・PR/マーケティング技術:数量 320(年間契約案件・プロジェクト件数(件、推計))× 価格 0.03(1案件当たり平均売上(億円、名目、推計))→ 売上 11 億円・営業利益 3 億円。固定報酬中心のPR・ツールと成果報酬広告の混合。席・画面および運用工数のAI代替を加重して数量と単価に反映。
- 買収予定の信用購入あっせん・信販:数量 130(年間分割購入の取扱元本(億円、推計))× 価格 0.08(取扱元本1億円当たり手数料売上(億円、推計))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。JC&Gの取得が予定どおり完了するとの条件付き。年間取扱元本×収益率。融資増加に伴う調達費・貸倒費用を営業利益率に反映。
倍率:資本コストk=8.0%、長期成長g_long=0%。堀を普通とし、10年後事業ROE4.8%からRONIC=k+0.5×(ROE−k)を求める。広告AI代替を織り込んだg=0%なので、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=12.50倍の上限そのものを適用する。10年後の明示した余剰現金15億円は税後利息約1.4%を純利益から分離し、(純利益11.1−現金×0.014)×12.5+現金×戻り方1.0で151.125億円。現時点の市場PERや他社PERは根拠にしていない。
確率:従来の成長を延長せず、広告運用のAI代替で実質成果件数68%・名目手数料94%、その他の件数80%とし、All Adsの連結除外、信販の小幅拡大を同時に考える中心値。中立35%とする。下に寄せる理由:大口顧客への集中約42%、旧中計の目標からの下方乖離、売却と再買収の価格が非公表である会社固有の不確実性がある。AI代替は数量と単価ですでに計上し、確率で重ね引きしない。
やや悲観 28% 広告内製化と価格改定で本業が細る 利益 3 億円 · PBR 0.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 324 円40 億円
広告主の自動運用が広がり、成果報酬の仲介者は一部の専門領域にしか残れなくなる。継続LTVの実質成果件数は10年で6割に減り、平均請求単価も1割を超えて低下する。大口顧客の料金体系変更や広告予算の内製化が重なり、成果報酬で売上が立っても利益が残りにくい。
All Adsの売却によって低い利益率の売上が外れるのは事実だが、共通システムや本社費の削減には時間がかかる。PRとマーケティング技術も競合のAIツールへの乗り換えで縮み、現場に残る専門的な案件だけで採算を維持する。将来のM&Aは限定的となり、経営陣は投資効率の悪さを受け入れて還元を続ける。
信販会社の取扱高は伸びず、加盟店の倒産や延滞で信用費用が増す。最終年度は小幅な黒字だが、積み上がった純資産を資本コスト以上で運用する能力を失っている。評価は今ある回収可能な財産と、縮小した収益力の双方に制約される。
- 継続グループの成果報酬型LTVマーケティング:数量 133(広告経由の顧客獲得・契約成立件数(万件、推計))× 価格 1.08(1成果当たりの平均広告主請求額(万円、名目、推計))→ 売上 143 億円・営業利益 29 億円。継続LTV。2026年比実質成果件数60%、名目CPA86.0%。制作・広告運用のAI代替を数量と単価に反映。
- All Ads(売却・連結除外予定):数量 0.0(広告経由の顧客獲得・契約成立件数(万件、推計))× 価格 1.25(1成果当たりの平均広告主請求額(万円、名目、推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2026/09の譲渡決議に沿って連結除外を前提とする。持分33.5%に伴う損益は純利益に反映し、売上は連結しない。
- その他・PR/マーケティング技術:数量 280(年間契約案件・プロジェクト件数(件、推計))× 価格 0.03(1案件当たり平均売上(億円、名目、推計))→ 売上 9 億円・営業利益 2 億円。固定報酬中心のPR・ツールと成果報酬広告の混合。席・画面および運用工数のAI代替を加重して数量と単価に反映。
- 買収予定の信用購入あっせん・信販:数量 100(年間分割購入の取扱元本(億円、推計))× 価格 0.07(取扱元本1億円当たり手数料売上(億円、推計))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。JC&Gの取得が予定どおり完了するとの条件付き。年間取扱元本×収益率。融資増加に伴う調達費・貸倒費用を営業利益率に反映。
倍率:構造的な優位喪失を想定し、過去の谷のPBRや市場PERを使わず、2026年4月末の現在自己資本126.1億円に回収可能性の低下を示すPBR0.32を掛け、40.352億円とする。2036年の自己資本211億円に床のPBRを掛けていない。純現金30.7億円と保守的な売却可能資産を合わせた約37.83億円の床と比較する。期中の余剰現金7.5億円を重複加算しない。
確率:大口広告主の予算削減とAll Ads離脱後の費用負担により継続広告の利益が低下し、信販の貸倒れも増える。会社固有の顧客集中と買収後の連結費用配賦が不確かなので28%とする。AI代替の直接減収は数量・価格側で計上済み。
悲観 15% 広告の中抜きと信販損失で構造的に負ける 利益 −14 億円 · PBR 0.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 304 円38 億円
広告主がAIエージェントを通じて配信媒体へ直接発注し、従来の代理店サービスは一部の難しい業務を除いて置き換わる。SEO媒体の流入減少と個人データの利用規制が重なり、継続LTVの実質成果件数は現状の45%に落ち、請求単価も下がる。独自のLTV解析が有効であっても、広告主は自社データとプラットフォーム機能を優先する。
All Adsは連結から外れ、残った本社機能を縮小しても固定費負担を吸収できない。その他のPR・ツール事業も売上を失い、顧客獲得の専門企業としての優位を失う。信販会社では延滞と信用コストが増え、資金調達金利の上昇が採算を悪化させる。経営陣は新たな買収を止め、広告と信販の規模縮小に追われる。
2036年には営業赤字が続き、当初の買収で生じたのれんと無形資産を合計約43億円、その他の事業資産を約3億円毀損する。自己資本も減る。残る価値は将来の利益ではなく、現在の純現金と税引き後に換金できる資産に依存する。少数株主が清算を要求できるとは限らず、床にも大きな安全率を設ける。
- 継続グループの成果報酬型LTVマーケティング:数量 99.8(広告経由の顧客獲得・契約成立件数(万件、推計))× 価格 0.96(1成果当たりの平均広告主請求額(万円、名目、推計))→ 売上 96 億円・営業利益 9 億円。継続LTV。2026年比実質成果件数45%、名目CPA76.8%。制作・広告運用のAI代替を数量と単価に反映。
- All Ads(売却・連結除外予定):数量 0.0(広告経由の顧客獲得・契約成立件数(万件、推計))× 価格 1.25(1成果当たりの平均広告主請求額(万円、名目、推計))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。2026/09の譲渡決議に沿って連結除外を前提とする。持分33.5%に伴う損益は純利益に反映し、売上は連結しない。
- その他・PR/マーケティング技術:数量 240(年間契約案件・プロジェクト件数(件、推計))× 価格 0.03(1案件当たり平均売上(億円、名目、推計))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。固定報酬中心のPR・ツールと成果報酬広告の混合。席・画面および運用工数のAI代替を加重して数量と単価に反映。
- 買収予定の信用購入あっせん・信販:数量 70.0(年間分割購入の取扱元本(億円、推計))× 価格 0.06(取扱元本1億円当たり手数料売上(億円、推計))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。JC&Gの取得が予定どおり完了するとの条件付き。年間取扱元本×収益率。融資増加に伴う調達費・貸倒費用を営業利益率に反映。
倍率:構造的な優位喪失を想定し、過去の谷のPBRや市場PERを使わず、2026年4月末の現在自己資本126.1億円に回収可能性の低下を示すPBR0.30を掛け、37.830億円とする。2036年の自己資本108億円に床のPBRを掛けていない。純現金30.7億円と保守的な売却可能資産を合わせた約37.83億円の床と比較する。期中の余剰現金0億円を重複加算しない。
確率:大口顧客の契約流出、広告媒体からの集客の毀損、割賦決済での貸倒れ、のれんの減損が重なる複合事象。存続不能を基本とはせず資産の床を設けるが、買収転換の不確実性を踏まえて15%は残す。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
継続グループの成果報酬型LTVマーケティング
広告主の顧客獲得、LTV予測、媒体選定と広告運用。2026年のLTVセグメントから譲渡予定All Adsの単体数値を控除した経済区分であり、正式な開示セグメントではない。
| 数量広告経由の顧客獲得・契約成立件数(万件、推計) | 価格1成果当たりの平均広告主請求額(万円、名目、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/04 | 222 | 1.25 | 277 | 56 |
| 10 年後 中立 | 151 | 1.18 | 177 | 39 |
取り方:2026/04期の公式LTV売上493.63億・セグメント利益61.97億から、譲渡予定All Adsの単体売上216.40億・営業利益5.63億を控除。連結消去と配賦は不明なため近似値である。成果件数・実際のCPAは非開示。2024年中計p21の媒体報酬例1万円/件と当時の約20%粗利益率から、広告主請求を例示的に1.25万円/件と仮定し、277.23億÷1.25万円=221.784万件に分解した。実績件数ではない。矢野研アフィリエイト市場2025年度4,598億・2029年度5,883億:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/4056 。市場売上との直接比率6.0%は定義差があり真のシェアでない。AI型は広告制作・運用・媒体の買付けで、中立数量0.68・単価0.94・g_long0%。
All Ads(売却・連結除外予定)
2023年に取得したネットマーケティング由来の広告代理事業。2026年9月に経営陣側への全株売却と、譲渡先持分33.5%の保有を決議した。
| 数量広告経由の顧客獲得・契約成立件数(万件、推計) | 価格1成果当たりの平均広告主請求額(万円、名目、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/04 | 173 | 1.25 | 216 | 6 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 1.25 | 0 | 0 |
取り方:2026/09/10公式子会社譲渡開示のAll Ads 2026/04期の売上216.40億、営業利益5.63億。CPA件数は非開示なので継続LTVと同じ試算単価1.25万円/件で173.12万件とした。売却の実行は買主の資金調達等が条件で、2026/10時点の完了は未確認。2036/04は連結売上・営業利益ゼロ、持分法損益のみ純利益に反映する。売却額は非開示で、取得対価も仮定しない。https://macbee-planet.com/ir/upload_file/tdnrelease/7095_20260910534074_P01_.pdf 。AI型は広告制作・運用だが、2036年のゼロはAIでなく予定の連結除外による。
その他・PR/マーケティング技術
PR支援やマーケティング関連ツールを含む小事業で、2026年の成果報酬4.22億円、固定報酬7.93億円を含む。
| 数量年間契約案件・プロジェクト件数(件、推計) | 価格1案件当たり平均売上(億円、名目、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/04 | 400 | 0.03 | 12 | 4 |
| 10 年後 中立 | 320 | 0.03 | 11 | 3 |
取り方:2026/04期公式決算の「その他」売上12.16億、セグメント利益4.25億、成果報酬4.22億・固定報酬7.93億。契約件数は開示されないため1案件304万円を例示仮定して400件に分解し、実測の件数ではない。固定報酬約65%を席・UI中心のSaaSやコンサル相当(中立数量0.85、単価1.14)、成果報酬約35%を広告運用相当(数量0.70、単価0.97)とした加重近似で全体の中立数量約0.80、単価1.08。法定台帳の正本という証拠はない。
買収予定の信用購入あっせん・信販
ジェーシーアンドジーを2026年11月に取得する予定。美容医療等の分割決済を扱い、広告と異なる貸倒れ・与信・調達コストを持つ。
| 数量年間分割購入の取扱元本(億円、推計) | 価格取扱元本1億円当たり手数料売上(億円、推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/04 | 0.0 | 0.08 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 130 | 0.08 | 10 | 1 |
取り方:2026/10/14に株式取得を決議し2026/11/02実行予定。2026/04のMacbee連結外なので起点はゼロ。対象会社2026/03実績は売上5.5943億・営業利益0.6954億・総資産43.671億・純資産3.125億。元本取扱高も実効手数料率も非開示なので、7.5%を仮の売上歩合とし対象会社単独の売上から約74.6億の想定取扱元本を逆算した。これは事業の実測件数でも承認済み融資枠でもない。2036年は加入後の獲得元本だけを計上する。割賦販売法の信販業務であり広告の制作運用/席課金というAI代替類型には直接該当しない。https://macbee-planet.com/ir/upload_file/tdnrelease/7095_20261014550606_P01_.pdf 。
リスクと懸念
AIエージェント代替と中抜き
広告の素材作成、配信設計、入稿、媒体買付けと報告業務はAIエージェントによる自動化の対象である。広告の成果が残っても、顧客が自社のAIで運用すれば代理店へ払う手数料は細る。AdPostの提供開始は効率化の一歩だが、有料販売額の開示がなく、広告数量の成長理由にはできない。中立の実質成果件数68%、名目単価94%にこのリスクを織り込み、長期成長率も0%とした。
大口顧客と成果単価への依存
DMM.com、Style Edge、SBI証券など上位3社で売上の約42%を占める。広告主が獲得した顧客の価値を見直したり、広告予算を削ったりすると、当社は顧客数と単価の双方で影響を受ける。美容医療領域の価格改定は既に実際の売上減を生んだ。値決め力の証拠が乏しいため、CPI3%を機械的に手数料へ転嫁しない。
All Ads譲渡と連結損益の断絶
All Adsは2026年4月期に売上216.4億円を計上し、連結売上の約43%を占めた。2026年9月に経営陣側への売却が決議されたが、実行には買主の融資等の条件があり、価格も非開示だ。売却前の売上を10年先まで残すと過大評価になる。持分法33.5%の収益と譲渡対価は別々に扱う必要がある。
信販事業の貸倒れと資金需要
2026年10月に取得を決めたジェーシーアンドジーは、2026年3月期末の総資産約43.7億円に対して純資産が約3.1億円しかない。信用購入あっせんは広告運用と異なり、加盟店の不正、延滞率、金融機関からの調達金利によって損失が膨らむ。買収価格と融資元本の実数が非開示である以上、広告顧客との相乗効果を先に利益として数えてはいけない。
買収対価・のれんと増分資本利益率
2023年のネットマーケティング買収以降、買収による売上拡大とROE低下が同時に進み、足元ではのれん約39.3億円を抱える。事業を買ってから低採算部分を切り離す判断は柔軟とも言えるが、売却価格が不明では投じた資本の回収率を算定できない。新しい信販買収も与信資産を必要とし、過去の高ROEを再投資利回りと同一視するのは危険だ。
個人情報・広告計測と媒体支配
Cookie制限、個人情報保護、媒体の広告表示アルゴリズムの変更が重なると、成果がどの広告から発生したかを計測しにくくなる。GoogleとMetaは配信面や自動入札の条件を管理し、外部代理店側の裁量は限定される。成果の計測と広告主の信頼が同時に崩れると、独自データの蓄積だけでは契約更新を守れない。
売掛金と純現金の見かけの安全性
2026年4月末の純現金約30.7億円は強みだが、営業債権は約87.5億円、媒体等への営業債務も約58.0億円と大きい。利益を計上しても入金が遅れれば資金需要が膨らみ、2025年4月期の営業キャッシュフローは赤字だった。さらに今後は信販の債権に融資と貸倒れの負担が加わるため、純現金の全額をただちに還元可能とはみなさない。
今後の分かれ目
- All Ads売却の実行日と対価、持分法開始後の通期業績予想が開示されたら
- 売却収入と株式持分の実際の時価を確認し、継続LTV売上と共通費配賦を再計算する。予想以上の純現金創出なら中立価値を引き上げるが、損失や追加出資があれば下げる。
- 継続LTVの成果件数、平均請求単価、解約率が同一定義で連続開示されたら
- 2036年中立の実質成果件数68%、平均単価94%の仮定を実測値に置き換える。単価が物価並みに上昇し、継続率も高いなら堀の判断を改善する。
- AdPostやDATAHIVE由来の外販収入が金額で確認され、広告主のAI導入後にも成約貢献が伸びたら
- 広告運用から有料の固有製品へ収益構造が変わった部分に限って、AI代替の数量縮小を緩める。成果や利用者数だけで売上が裏付かない段階では楽観へ移さない。
- ジェーシーアンドジーの買収価額、取扱元本、延滞率、貸倒費用、借入金利が公表されたら
- 信販を広告と切り離して信用損失調整後のROICで値付けする。延滞率が上がり自己資本への追加注入を要するなら、やや悲観・悲観の収益と床を引き下げる。
- 上位3社の取引構成が約42%から大幅に下がり、価格改定後も利益率が改善したら
- 顧客の切り替えコストと価格交渉力の証拠として評価を上げる。大口顧客に依存せず新しい広告主が増えた場合のみ、広告成果件数の想定を増やす。
- 営業キャッシュフローが複数年にわたり純利益を上回り、かつ自己株取得・増配が継続したら
- 会計利益が株主の現金として返る確度が高まるので、余剰現金の金額と配当・買戻しの見通しを上方修正する。信用債権の増加だけによる利益拡大とは区別する。
見ておくもの
- All Ads株式売却の完了・実際の譲渡対価・33.5%持分法損益と再編後のプロフォーマ損益
- 広告主獲得件数(成果件数)と1成果当たりの平均請求単価、媒体への支払額
- 上位3社の売上構成比率と金融・美容医療・オンラインクリニック別の取引売上
- AdPostの有料顧客数・外部売上高・自動化による人当たり売上総利益
- ジェーシーアンドジーの取得対価・融資残高・加盟店数・貸倒率・調達金利・自己資本比率
- 連結営業利益からセグメント利益合計を差し引く調整費用の推移と本社人員の再配置
- 2027年4月期の正式な修正業績予想、旧中期計画の見直し、新たな配当・買戻し方針
倍率と資本コストの決め方
まず2026年4月期の公式報告区分を、継続する広告、売却予定のAll Ads、その他、買収予定の信販に分けた。中立の広告成果件数はAIエージェント代替により10年で68%、手数料単価は94%に縮み、CPI3%を二重に加えない。信販は取扱元本と歩合を仮定した未検証の別事業と明記した。将来の本社費は2026年の約29.7億円が物価だけなら約39.9億円になるところ、子会社離脱による実際の人員減と自動化を考えて約28億円とした。償却費は過去資産分まで物価で機械的に膨らませず、追加信用資産と買収による投資需要は利益率・余剰現金側で負担した。
楽観・中立のPERは市場の過去倍率ではなく、k8%、長期成長g0%、普通の堀という条件から導く上限12.5倍そのもの。将来の余剰現金は各筋書きに明示し、残りの留保は信販の信用資産・M&Aに投下されるため自動的な遊休現金と二重加算しない。悲観側は今の自己資本126.1億円をPBRの分母とし、10年後に積んだ自己資本を床に使わない。床は純現金30.7億円と換金可能な金融資産7.13億円で37.83億円、のれん等は除く。
最後にのみ基準時価総額144.62億円と比較した。資本コスト8%、配当・買戻しは5年目に受け取る約束で評価すると、確率加重の現在価値は115.32億円、差は約−20.3%である。今の株価から逆算した数量・PER・確率は用いていない。2027年以降に予定されるリース会計の表示変更が起きても、ここでは従来の家賃を費用に含めた利益概念で評価しており、表示変更だけで価値を増減させない。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク3%と株式リスクプレミアム4.5%の基本7.5%に、品質要因の値決め力+0.5%だけを加える。